JP2008024247A - ケーブルビード、ケーブルビードの芯材端部および巻線端部処理用の結合部材、およびケーブルビードにおける芯材端部および巻線端部の結合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーブルビードの環状芯材の端止めを簡単容易に行えるようにし、また、巻線の巻き始め位置の固定並びに端止めを簡単容易に行えるようにする。
【解決手段】パイプ状の芯材端止め部材4Aと断面C型の板材からなる巻線端止め部材4Bとを結合固定して一体の結合部材4として、まず環状芯材2の両端部を芯材端止め部材4Aに挿入し両端を突き合わせてかしめることにより結合し(a)、次いで巻線端止め部材4Bに巻線3の巻き始め側となる側素線3aの端部を挿入してかしめることにより固定し(b)、その状態で環状芯材2に側素線3aを螺旋状に巻き付けて、巻き終わり側となる端部を巻線端止め部材4Bに挿入してかしめて固定することで巻線3の両端部を結合する(c)。
【選択図】図2
【解決手段】パイプ状の芯材端止め部材4Aと断面C型の板材からなる巻線端止め部材4Bとを結合固定して一体の結合部材4として、まず環状芯材2の両端部を芯材端止め部材4Aに挿入し両端を突き合わせてかしめることにより結合し(a)、次いで巻線端止め部材4Bに巻線3の巻き始め側となる側素線3aの端部を挿入してかしめることにより固定し(b)、その状態で環状芯材2に側素線3aを螺旋状に巻き付けて、巻き終わり側となる端部を巻線端止め部材4Bに挿入してかしめて固定することで巻線3の両端部を結合する(c)。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両用ゴムタイヤに使用されるケーブルビード、すなわち所定長さに切断した芯素線を環状に成形し両端部を結合して環状芯材を形成し、該環状芯材の線周囲に側素線を螺旋状に巻き付けて巻線を形成し、該巻線の巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部とを結合して成るケーブルビード、そのケーブルビードの環状芯材の両端部を結合するとともに巻線の両端部を結合する結合部材、および、そのケーブルビードの芯材の両端部および巻線の両端部を結合する方法に関する。
ケーブルビードは、所定長さに切断した芯素線をリング状(環状)に成形し両端部を結合してなる環状芯材の線周囲に巻線となる側素線を螺旋状に巻き付けて製造する。その際、環状芯材の端止めすなわち両端部の接合は、バット溶接(突合せ溶接)による溶接結合が一般的であった。また、巻線の端止めすなわち両端部の接合は、パイプ(シームレスパイプ)や半割り管(シームパイプ)による接続結合が一般的で、例えば、巻線の巻き始め側の端部をパイプの一端側に嵌挿した状態で、環状芯材の周面にテープ等で止着し、その状態で側素線を螺旋状に巻き付けて、巻き終わり側の端部をパイプの他端側に嵌挿して両端部を結合固定していた。また、そうした方法では作業性が悪いということから、環状芯材の外周に周回させる部分と側素線の両端部を挟入保持する部分とからなる半割りにした結合部材を予め芯リング線に取り付けておき、芯リング線に結合部材を取り付け、巻線(側素線)の巻き始め側の端部を結合部材の一端側に挿入して保持し、その状態で側素線を巻き付けた後、巻き終わり側の端部を結合部材の他端側に挿入し保持するようにしたものが従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−238997号公報
ケーブルビードの環状芯材は、仕上げ寸法(内周長)に高い精度が要求される。しかし、従来は上述のように、環状芯材の端止めを溶接結合によって行うのが一般的で、この場合、溶接による縮み代や溶接代を考慮する必要があって、寸法精度を出すのが難しい。また、溶接結合では溶接後にバリを除去する必要があって、その作業に手間がかかる。また、芯材の素線径が小さいことから、溶接結合自体が難しく、溶接面積が小さいため溶接が外れることがある。また、従来、巻線の端止めは、例えば、上述のように巻線の巻き始め側の端部をパイプの一端側に嵌挿した状態で、環状芯材の周面にテープ等で止着し、その状態で側素線を螺旋状に巻き付けて、巻き終わり側の端部をパイプの他端側に嵌挿して両端部を結合固定することで行っており、この場合、巻線の巻き始め位置がずれないよう巻き始め側の端部を環状芯材上にしっかりと固定しておくのが難しくて、その固定作業に時間がかかるほか、巻き込み完了後に巻き終わり側の端部をパイプに挿入して接続結合する作業の作業性が非常に悪く、時間がかかる。
本発明は、ケーブルビードの環状芯材の端止めを簡単容易に行えるようにし、また、巻線の巻き始め位置の固定並びに端止めを簡単容易に行えるようにすることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためのケーブルビード、ケーブルビードの芯材端部および巻線端部処理用の結合部材、およびケーブルビードにおける芯材端部および巻線端部の結合方法を提供する。
本発明のケーブルビードは、所定長さに切断した芯素線を環状に成形し両端部を結合して環状芯材を形成し、該環状芯材の線周囲に側素線を螺旋状に巻き付けて巻線を形成し、該巻線の巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部とを結合して成るケーブルビードであって、環状芯材の両端部をパイプ状の芯材端止め部材に挿入してかしめることにより結合したことを特徴とする。このケーブルビードにおいて、環状芯材は成形後に両端部をパイプ状の芯材端止め部材に挿入してかしめることにより簡単容易に端止めできる。しかも、溶接による縮み代や溶接代を考慮する必要がないため寸法精度を出すのが容易であり、バリ取りの必要もない。そのため、ケーブルビードの製造コストを低減することができる。
そして、このケーブルビードは、芯材端止め部材に固定した巻線端止め部材に巻線の巻き始め側の端部および巻き終わり側の端部を挿入してかしめることにより該巻線の両端部を結合するようにできる。その場合、その巻線端止め部材は、例えば板材からなり、断面U型またはC型に折り曲げた状態で巻線の巻き始め側および巻き終わり側の端部を挿入してかしめることにより巻線の両端部を結合するよう構成する。こうして芯材端止め部材に固定した巻線端止め部材に挿入してかしめるよう構成することにより、巻線の巻き始め位置がずれないよう巻き始め側の端部を環状芯材上にしっかりと固定でき、また、巻き込み完了後に巻き終わり側の端部を巻き始め側の端部に簡単容易に結合できる。
また、本発明のケーブルビードの芯材端部および巻線端部処理用の結合部材は、所定長さに切断した芯素線を環状に成形し両端部を結合して環状芯材を形成し、該環状芯材の線周囲に側素線を螺旋状に巻き付けて巻線を形成し、該巻線の巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部とを結合して成るケーブルビードの環状芯材の両端部を結合するとともに巻線の両端部を結合する結合部材であって、環状芯材の両端部を挿入してかしめることにより結合するパイプ状の芯材端止め部材と、巻線の両端部を挿入してかしめることにより結合する巻線端止め部材とから成り、それら芯材端止め部材と巻線端止め部材とを結合固定し一体化していることを特徴とする。この一体化した結合部材を用いることにより、環状芯材の端止めが簡単容易になり、且つ、寸法精度を出すのが容易になるとともに、巻線の巻き始め位置の固定並びに端止めが簡単容易になる。
また、本発明のケーブルビードにおける芯材端部および巻線端部の結合方法は、所定長さに切断した芯素線を環状に成形し両端部を結合して環状芯材を形成し、該環状芯材の線周囲に側素線を螺旋状に巻き付けて巻線を形成し、該巻線の巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部とを結合して成るケーブルビードの芯材の両端部および巻線の両端部を結合する方法であって、環状芯材の両端部をパイプ状の芯材端止め部材に挿入してかしめることにより結合し、芯材端止め部材に固定した巻線端止め部材に巻線の巻き始め側となる側素線の端部を挿入してかしめることにより固定し、その状態で環状芯材の線周囲に側素線を螺旋状に巻き付けて、その巻き終わり側となる端部を巻線端止め部材に巻き始め側とは反対側から挿入してかしめることにより固定することを特徴とする。この方法により環状芯材の端止めを簡単容易に行うことができるとともに寸法精度を高めることができ、また、巻線の巻き始め位置の固定並びに端止めを簡単容易に行うことができる。
このように、本発明によれば、環状芯材の端止めを簡単容易に行うことができ、しかも、寸法精度を出すのが容易となり、バリ取りの必要もなくなって、ケーブルビードの製造コストを低減することができ、また、芯材端止め部材に固定した巻線端止め部材に巻線の巻き始め側の端部および巻き終わり側の端部を挿入してかしめることにより該巻線の両端部を結合することにより、巻線の巻き始め位置がずれないよう巻き始め側の端部を環状芯材上にしっかりと固定でき、また、巻き込み完了後に巻き終わり側の端部を巻き始め側の端部に簡単容易に結合できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明の実施形態の一例を示している。図1はこの実施形態のケーブルビードの概略図、図2はこの実施形態のケーブルビードの芯材端部および巻線端部処理工程の説明図(a)〜(c)、図3はこの実施形態のケーブルビードの芯材端部および巻線端部処理用の結合部材の斜視図である。
図1〜図3は、本発明の実施形態の一例を示している。図1はこの実施形態のケーブルビードの概略図、図2はこの実施形態のケーブルビードの芯材端部および巻線端部処理工程の説明図(a)〜(c)、図3はこの実施形態のケーブルビードの芯材端部および巻線端部処理用の結合部材の斜視図である。
この実施形態において、ケーブルビード1は、環状芯材2と巻線3とで構成されている。環状芯材2は、所定長さに切断した芯素線2aを環状に成形し両端部を結合して形成し、巻線3は、両端部を結合した環状芯材2の線周囲に側素線3aを螺旋状に巻き付けることにより形成し、その巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部とを結合する。芯素線2aおよび側素線3aは例えばスチールワイヤである。
そして、このケーブルビード1は、環状芯材2の両端部の結合(端止め)と巻線3の巻き始め位置の固定並びに巻き始め側および巻き終わり側の両端部の結合(端止め)とを、一体の結合部材4を用いて行っている。
結合部材4は、環状芯材2の両端部を結合するパイプ状の芯材端止め部材4Aと、巻線3の巻き始め位置を固定するとともに巻き付け完了後に巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部とを結合する断面C型に折り曲げた板材からなる巻線端止め部材4Bとをスポット溶接等で結合固定し一体化したものである。接合固定手段は、スポット溶接の他、ロウ付け、接着剤等であってもよい。芯材端止め部材4Aおよび巻線端止め部材4Bは真鍮等で形成する。
芯材端止め部材4Aは、断面円形のシームレスパイプを環状芯材と同じ曲率半径で円弧状に曲げた形状としたものである。巻線端止め部材4Bは、芯材端止め部材4Aに対し、巻線3の螺旋形状に合わせて斜めに配置され密着固定される。
このケーブルビード1の製造に際し、環状芯材2は、両端部をパイプ状の芯材端止め部材4Aに挿入し、両端を突き合わせてかしめることにより結合する(図2の(a)参照)。そして、この芯材端止め部材4Aと一体化した巻線端止め部材4Bに巻線3の巻き始め側となる側素線3aの端部を挿入してかしめることにより固定し(図2の(b)参照)、その状態で環状芯材2の線周囲に側素線3aを螺旋状に巻き付けて、その巻き終わり側となる端部を巻線端止め部材4Bに巻き始め側とは反対側から挿入して巻線端止め部材4Bの内面に密着させ、かしめて固定することで巻線3の両端部を結合する(図2の(c)参照)。
このように、環状芯材2は両端部はパイプ状の芯材端止め部材4Aに挿入してかしめることにより簡単容易に端止めできる。しかも、溶接による縮み代や溶接代を考慮する必要がないため寸法精度を出すのが容易であり、バリ取りの必要もない。また、巻線3は、芯材端止め部材4Aと一体化した巻線端止め部材4Bを利用することで、巻き始め位置がずれないよう巻き始め側の端部を環状芯材2上にしっかりと固定でき、また、巻き込み完了後に巻き終わり側の端部を巻き始め側の端部に簡単容易に結合できる。
なお、この実施形態では芯材端止め部材に一体固定する巻線端止め部材に断面C型に折り曲げた板材を用いたが、巻線端止め部材には、その他、断面U型その他の形状に折り曲げた板材を用いてもよく、また、平板を用い、使用時にC型あるいはU型等に曲げるようにしてもよい。
また、芯材端止め部材に一体固定する巻線端止め部材にパイプ(シームレスパイプあるいはシームパイプ)を用いることも可能である。
また、巻線端止め部材は、予め芯材端止め部材に一体固定するのではなく、芯材端止め部材で環状芯材を端止めし、その後、巻線端止め部材を芯材端止め部材にスポット溶接等で固定することも可能である。
本発明は、その他、様々に態様を変えて実施することが可能である。
1 ケーブルビード
2 環状芯材
2a 芯素線
3 巻線
3a 側素線
4 結合部材
4A 芯材端止め部材
4B 巻線端止め部材
2 環状芯材
2a 芯素線
3 巻線
3a 側素線
4 結合部材
4A 芯材端止め部材
4B 巻線端止め部材
Claims (5)
- 所定長さに切断した芯素線を環状に成形し両端部を結合して環状芯材を形成し、該環状芯材の線周囲に側素線を螺旋状に巻き付けて巻線を形成し、該巻線の巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部とを結合して成るケーブルビードであって、前記環状芯材の両端部をパイプ状の芯材端止め部材に挿入してかしめることにより結合したことを特徴とするケーブルビード。
- 前記芯材端止め部材に固定した巻線端止め部材に前記巻線の巻き始め側の端部および巻き終わり側の端部を挿入してかしめることにより該巻線の両端部を結合したことを特徴とする請求項1記載のケーブルビード。
- 前記巻線端止め部材は、板材からなり、断面U型またはC型に折り曲げた状態で前記巻線の巻き始め側および巻き終わり側の端部を挿入してかしめることにより前記巻線の両端部を結合するよう構成されていることを特徴とする請求項2記載のケーブルビード。
- 所定長さに切断した芯素線を環状に成形し両端部を結合して環状芯材を形成し、該環状芯材の線周囲に側素線を螺旋状に巻き付けて巻線を形成し、該巻線の巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部とを結合して成るケーブルビードの前記環状芯材の両端部を結合するとともに前記巻線の両端部を結合する結合部材であって、前記環状芯材の両端部を挿入してかしめることにより結合するパイプ状の芯材端止め部材と、前記巻線の両端部を挿入してかしめることにより結合する巻線端止め部材とから成り、それら芯材端止め部材と巻線端止め部材とを結合固定し一体化していることを特徴とするケーブルビードの芯材端部および巻線端部処理用の結合部材。
- 所定長さに切断した芯素線を環状に成形し両端部を結合して環状芯材を形成し、該環状芯材の線周囲に側素線を螺旋状に巻き付けて巻線を形成し、該巻線の巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部とを結合して成るケーブルビードの前記芯材の両端部および前記巻線の両端部を結合する方法であって、前記環状芯材の両端部をパイプ状の芯材端止め部材に挿入してかしめることにより結合し、前記芯材端止め部材に固定した巻線端止め部材に前記巻線の巻き始め側となる側素線の端部を挿入してかしめることにより固定し、その状態で環状芯材の線周囲に側素線を螺旋状に巻き付けて、その巻き終わり側となる端部を前記巻線端止め部材に巻き始め側とは反対側から挿入してかしめることにより固定することを特徴とするケーブルビードにおける芯材端部および巻線端部の結合方法。
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