JP2010143539A - 鉄道車両用外幌の構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】連結空間より発生する騒音低減を図り、外幌の耐久性を高める。
【解決手段】
車体の妻面に付設される外幌において、妻面の側部に沿った側幌部13と、妻面の肩部において湾曲した肩幌部17とを連設するとともにこれらを弾性材で形成し、前記側幌部13と肩幌部17の横断面形状が、内側基部21、21aと外側基部22、22aとこれらの先を連結した先部とでU状に形成され、前記肩幌部17における内側基部21aに穴30A又は切欠き30が形成されていることを特徴とする鉄道車両用外幌の構造。
【選択図】図8

Description

本発明は鉄道車両用外幌の構造に関する。
従来、鉄道車両における車体間の連結部の空間に、渡り通路を形成する内幌を設けるとともに該内幌の両側の外側に、車両の走行時に発生する騒音が車体間より放射されることを抑制する外幌を設ける構造が知られている。
この構造として従来、例えば、図41乃至図43に示すように、連結された一方の車体101の妻面102と他方の車体103の妻面104間に通路105を構成する内幌106を架設し、該内幌106の左右の両側に、内幌106と離間して、一方の車体101の妻面102からU字状に突設した可撓性を有する一方の外幌107と、他方の車体103の妻面104からU字状に突設した可撓性を有する他方の外幌108を設け、これらの先部を図41、43に示すように、相互に対向接触させている。
そして、この外幌107、108は、図42に示すように、車体101(103)の左右側面である略直立部、すなわち、妻面の側部111の範囲のみに設けられ、妻面102、104の肩部(車体の肩部)112と屋根部113に沿った部分には設けられていない。
このような外幌107、108においては、連結部空間114内から車体の左右方向への騒音の放射は抑制されるが、連結部空間114内からの騒音が肩部112の開放部115を通じて矢印Kのように外部へ放射され車外への影響を与える。
また、屋根側の開口部116から矢印Lのように放射される騒音の発生を抑制することが好ましい。
そこで、従来、前記の外幌107、108を、車体の妻面における左右両側に配置するのみではなく、図44に示すように、略垂直の側幌部200の上部を延長して、前記妻面(車体)の肩幌部112において、外側へ膨出する湾曲状の肩幌部201を延設し、かつ、屋根縁に沿った屋根側幌部202を延設して前記妻面の肩部112の開口部115及び屋根側の開口部116からの騒音低減を図るものが特許文献1に知られている。
特開2008−201405号公報
しかし、前記図44に示す外幌は、図45に示すように、横断面形状がU状で、かつ、その両側基部203、204を腰のある厚肉で形成し、先部205を可撓性を高めるために両側基部203、204よりも薄肉に形成されており、このような断面形状の外幌を前記図44に示すような肩幌部201において使用すると、次のような問題が生じる。
前記の外幌の肩幌部201は、側幌部200と屋根側幌部202を結ぶ一体の形状となることから柔軟に変形し難くなる。
そのため、この肩幌部201において、腰(剛性)が強い厚肉の両側基部203、204を有する外幌を使用した場合には、肩幌部201における内側辺300に大きなしわが多数発生し、かつ、該内側辺300の剛性が大きいことから、対向する外幌との間で擦れ合うと、該部での亀裂が生じやすく、この亀裂が生じると、該部を起点として亀裂が広がり、外幌の耐久性が低減する虞がある。
そこで、本発明は、この湾曲状の肩幌部の耐久性を高める構造にして、耐久性の良い鉄道車両用外幌の構造を提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決しようとするために請求項1記載の発明は、内側基部と外側基部とこれらの先を連結した先部とで構成される外幌であって、妻面の側縁に沿った側幌部と妻面の肩部において湾曲した肩幌部とを連設した外幌において、
前記肩幌部の内側に穴又は切欠きを形成したことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、車体の妻面に付設される外幌において、妻面の側縁に沿った側幌部と、妻面の肩部において湾曲した肩幌部とを連設するとともにこれらを弾性材で形成し、前記側幌部と肩幌部の横断面形状が、内側基部と外側基部とこれらの先を連結した先部とでU状に形成され、前記肩幌部における内側基部に穴又は切欠きが形成されていることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記側幌部の先部の肉厚を、該側幌部の内側基部と外側基部の肉厚よりも薄く形成し、前記肩幌部における内側基部と外側基部と先部の肉厚を、前記側幌部における内側基部と外側基部の肉厚よりも薄く形成したことを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記側幌部の先部の肉厚を、該側幌部の内側基部と外側基部の肉厚よりも薄く形成し、前記肩幌部の先部の肉厚を前記側幌部の先部の肉厚と同等にし、前記肩幌部の内側基部と外側基部の肉厚を、前記側幌部の内側基部と外側基部の肉厚と同等にしたことを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記穴又は切欠きを、前記肩幌部おいて1個又は複数個設けたことを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記肩幌部における前記側幌部と反対側の上部に、妻面の屋根縁に沿った上幌部を延設し、該上幌部の横断面形状を、前記側幌部の横断面形状と同等に形成したことを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記上幌部における前記肩幌部と反対の側に、妻面の屋根縁に沿った屋根側幌を配置するとともに該屋根側幌の横断面形状を前記側幌部の横断面形状と同等に形成して、該屋根側幌と前記上幌部とで車両の連結部空間の上部全体を覆うようにしたことを特徴とするものである。
請求項1及び2記載の発明によれば、肩幌部の内側に穴又は切欠きを形成したことで、肩幌部の変形が容易になり、該部で発生するしわを少なくするとともに小さくし、亀裂の発生を低減して外幌の耐久性を高めることができる。
請求項3記載の発明によれば、肩幌部における外側基部と内側基部と先部を薄肉に形成して柔軟性を高め、かつ、内側基部に穴又は切欠きを形成したので、肩幌部の柔軟性が極めて高くなり、肩幌部の変形を容易にして外幌の耐久性を高めることができる。
請求項4記載の発明によれば、肩幌部の内側基部の肉厚が前記請求項3の発明における内側基部の肉厚よりも厚いが、この内側基部に穴又は切欠きを形成したことにより、肩幌部の変形が容易になり、前記請求項1又は2の効果を発揮できる。
請求項5記載の発明においても前記と同様な効果を発揮できる。
請求項6記載の発明においては、上幌部を設けたものにおいても前記と同様の効果を発揮できる。
請求項7記載の発明においては、屋根側幌を設けたものにおいても前記と同様の効果を発揮できる。
本発明を実施するための最良の形態を、図1乃至図40に基づいて説明する。
図1乃至図12は実施例1を示す。
図1乃至図3は本発明の外幌を車体の妻面に付設した状態を示し、図1は側面図、図2は図1のA−A線で妻面側を見た図、図3は平面図である。
連結された一方の車体1の妻面2の出入口3と、他方の車体4の妻面5の出入口6との間には、蛇腹状の内幌7が架設され、該内幌7内に渡り通路7aが形成されている。
前記一方の車体1の妻面2には、前記内幌7の外側であって、妻面2の外周部に位置して一方の外幌8が付設されている。該一方の外幌8は、左側幌9と右側幌10と屋根側幌11の3部材に分割して構成されている。
前記左側幌9は、妻面2の左側縁2a(車体の左側面12)に沿って内側に位置し略垂直方向に立上がるように形成された側幌部13と、妻面2の屋根縁2a(車体の屋根面14)に沿って内側に位置し、略水平方向で、車体妻面の内側(妻面の中央X−X)へ向うように形成された上幌部15と、前記側幌部13と上幌部15との間を、妻面2の肩部18において車体の肩面16より内側に位置して外方へ膨出するように湾曲して結合した肩幌部17とからなり、これら側幌部13と上幌部15と肩幌部17は継がって形成されている。
すなわち、略垂直方向に立上がる側幌部13の上部に、妻面の中央側に中心O(図4参照)を有し、外側へ膨出するように湾曲した肩幌部17が延設され、更に、該肩幌部17の上部に略水平方向で妻面の内側(妻面の中央X−X)方向へ向うように上幌部15が延設されている。なお、実施例では、車体の肩面16が曲面で形成され、この曲面に沿って前記外幌の肩幌部17が湾曲に形成されている。
更に、左側幌9は、前記側幌部13と上幌部15と肩幌部17を、該各部が後述するU状の横断面形状で、かつ、図2に示す一連の形状で、型成形により一体成形されているかもしくは、平板をU状に折り曲げて形成した前記側幌部13と上幌部15と、U状の横断面形状に型成形された肩幌部17を図2に示すような形状に継なげて形成されている。この左側幌9は、合成ゴム等の可撓性を有する弾性材で形成されている。
前記右側幌10は、図2に示すように、前記左側幌9に対して、車体1の妻面2の中央X−Xを中心として左右対称の形状に形成され、かつ、その構造は前記左側幌9と同様である。そのため、右側幌10については、前記左側幌9と同一部分に前記と同一符号を付して、その説明を省略する。なお、図の実施例では、右側幌10における上部幌15の水平方向の長さは、左側幌9の上部幌15よりも若干短く形成されている。
前記屋根側幌11は、前記左側幌9の上幌部15の先端と、右側幌10の上幌部15の先端との間に、図2に示すように配置されている。
次に、前記左側幌9の断面形状について図4乃至図8により詳述する。
図4に示す左側幌9の側幌部13の横断面形状(B−B線断面)は、図5に示すように、基端側に開口部25を有するU状に形成されている。すなわち、所定の間隔を有して平行に配置した板状の内側基部21と板状の外側基部22と、該両基部21、22の先部を連結する先細状(図の実施例では略半円状)の先部23とからなる。また、両基部21、22は、これを妻面に付設した際に、その妻面からの突出状態を保持するために剛性が大きく可撓性の小さい厚肉T1に形成され、先部23は、両基部21、22より薄肉T2に形成され、該先部23が両基部21、22に比べて剛性が小さく可撓性を大きくして形成されている。また、基部21、22から先部23への連結部24は、肉厚が漸減するように形成されている。
前記上幌部15の横断面形状(B−B線断面)は、前記側幌部13の図5に示す横断面形状(B−B線断面)と同様に、妻面に固定される内側基部21と外側基部22とこれらの先を連結した先部23とでU状に形成した形状であり、その肉厚も同様に形成されているか、これらの肉厚、形状等の寸法は妻面の構造で異なることもある。
前記肩幌部17の横断面形状(C−C線断面)は、図6に示すように、基端側に開口部25を有するU状に形成され、その外周形状は前記図5に示す側幌部13の外周形状と同一形状である。また、その板状の内側基部21aと板状の外側基部22aの肉厚T2は、前記図5に示す側幌部13の先部23の肉厚T2と同等に形成され、更に、その先部23aの肉厚T2は、前記図5の先部23の肉厚T2と同等に形成されている。すなわち、肩幌部17における内側基部21aと外側基部22aと先部23aの肉厚T2は前記側幌部13、上幌部15の内側基部21と外側基部22の肉厚T1よりも薄肉に形成されている。したがって、肩幌部17における図4に示す湾曲部R全体が薄肉に形成され、側幌部13、上幌部15よりも可撓性が大きくなっている。
また、肩幌部17における薄肉部から側幌部13及び上部幌15のへの連結部25の肉厚は、図8に示すように、漸増している。
前記肩幌部17における内側基部21aには図6及び図7に示すように、内側基部21aにおける内外方向に貫通する切欠き30が形成されている。
該切欠き30は、肩幌部17における内側基部21aにおいて、図7に示すように、車体への取付側、すなわち基端部21bの端面12c側に開口部30aを有するように、内側基部21aの一部を切り欠いた1個の切欠き30で形成されている。該切欠き30における幌の軸方向Y−Yに沿う長さL1と高さH1は所望に設定されるが、高さH1は図に示す実施例では内側基部21aの高さH2より若干短く設定されている。更に、該切欠き30の角部30Cは曲面で形成されている。
更に、前記上幌部15における内側基部21には、前記切欠き30に近接して1個の補助穴32が形成されている。該補助穴32は、内側基部21の内外方向に貫通する穴で形成され、かつ、内側基端部21の基端部21bの端面21cには開口していない。また、該補助穴32は、前記切欠き30よりも小さい穴で形成され、その先端32aは切欠き30の先端30bと略同一高さに設定されている。
したがって、前記切欠き30と補助穴32との間には第1連結片33を有し、補助穴32の下部には内側基部21からなる第2連結片34を有する。
なお、肩幌部17における外側基部22aには、前記の切欠き30及び補助穴32は形成されていない。
また、前記右側幌10の側幌部13、肩幌部17、上部幌15も前記左側幌9の側幌部13、肩幌部17、上部幌15と同様の構造であるため、その説明は省略する。
次に、車体1の妻面2に対する前記左側幌9と右側幌10の取付構造を図9乃至図11により説明する。
なお、この取付構造を図2に示す右側幌10により説明する。
図9は図2におけるF−F線断面図、図10は図2におけるG−G線断面図、図11は図2おけるH−H線断面図である。
前記車体1の妻面2には、前記右側幌10の側幌部13、肩幌部17、上部幌15を取付ける位置に沿って、図9乃至図11に示すような、横断面が凹状の取付板40が一連に配置され、その基板41がボルト42により車体1の妻面に固定されている。
そして、右側幌10の取付けは、図9乃至図11に示すように、両基部21、22の基端部21b、22bにおいて、前記取付板40、押え金45、47、及びボルト46、48で車体に取付けられている。なお、図10に示す肩幌部17には前記の切欠き30が形成され、該切欠き30の車体取付側が開口されているため、該肩幌部17においては取付板40の内側板が欠徐されている。
なお、図2の左側幌9の車体1の妻面2に対する取付構造は、前記右側幌10の取付構造と同様であるため、その説明は省略する。
上記の取付けにより、外幌8は、その内側基部21、21aと外側基部22、22aが妻面2より垂直に突出するように妻面2に固定されて取付けられる。
次に、前記屋根側幌11について説明する。
該屋根側幌11は、その横断面形状(図2のH’―H’線断面形状)が、前記左右側幌9、10における上部幌15の横断面形状(H−H線断面形状)と同様に形成され、前記左側幌9の上幌部15の先端部と右側幌10の上部幌15の先端部との間において、図2に示すように、車体1の妻面2の屋根縁2a(車体の屋根面14)に沿って内側に位置して配置されている。更に、該屋根側幌11は、前記左右側幌9、10と同様に、合成ゴム等の可撓性を有する弾性材で形成されている。
該屋根側幌11の車体1の妻面2に対する取付構造は、前記図11に示す取付構造と同様である。そのため、その取付構造の説明は省略する。
前記他方の車体4の妻面5には、図1、図3及び図12(b)に示すように、前記内幌7の外側であって、前記外幌8と同様に妻面5の外周部に沿って、かつ、前記外幌8と対向して他方の外幌8Aが付設されている。
該他方の外幌8Aは、前記一方の外幌8と同様に左右側幌9、10と屋根側幌11とからなり、該他方の外幌8Aの左右側幌9、10は前記一方の外幌8と同様の側幌部13と肩幌部17と上幌部15とからなり、これらの横断面形状及び車体4との取付構造は前記一方の外幌8と同様である。更に、この外幌8Aにおける左右側幌9、10と屋根側幌11も前記と同様に合成ゴム等の可撓性を有する弾性材で形成されている。
そして、一方の外幌8と他方の外幌8Aが、図1、3に示すように、相互に分割されて、一方の外幌8の先部23、23aと他方の外幌8Aの先部23、23aが、両車体1、4間の略中央で相互に押し付け合うように車体1、4に付設されている。
なお、前記一方の外幌8における屋根側幌11と上幌部15との接合部8cと他方の外幌8Aにおける屋根側幌11と上幌部15との接合部8dは、図3に示すように、左右方向に齟齬して配置されている。
前記側幌部13、肩幌部17、上幌部15、屋根側幌11は、図1、3及び図9乃至図11に示すように、その外側基部22、22aが車体1、4の妻面2、5の縁2a、5a(車体1、4の外面)より妻面2、5の内側へ所定の距離M偏位(図11参照)して配置されている。
そして、前記側幌部13、肩幌部17、上幌部15、屋根側幌11の外側の妻面2には、図9乃至図11に示すように、妻面2、5の縁2a、5aから外側基部22、22aに向って外側へ膨出するように湾曲した湾曲部材50がボルト51により固設されている。
前記実施例1においては、前記の構成により、次のような作用、効果を発揮する。
両車体1、4に付設された両外幌8、8Aの先部相互が接触することにより、両車体1、4間の連結部空間の外周部が両外幌8、8Aで被覆され、車両走行中における連結部空間内の騒音の側方への放射は側幌部13で抑制され、車体肩部からの斜め上方への放射は肩幌部17で抑制され、上方への放射は上幌部15及び屋根側幌11で抑制される。
なお、肩幌部17での放射の抑制は、その無穴状の外側基部22aと先部23aで行われる。
したがって、本実施例1においては、前記図41乃至図43に示す従来の外幌107、108において発生していた妻面の肩部からの騒音の放射(図42の矢印K方向の放射)を抑制できる。また、上部幌15及び屋根側幌11を設けたことにより、上方への騒音の放射を抑制できる。
次に、車両走行中において、両外幌8、8Aが押し付けあった状態で相対的に変位すると、側幌部13と上幌部15及び屋根側幌11は、これらが略直線状であるため、内側又は外側へ容易に変位し、しわの発生が少なく亀裂の発生も少ない。
また、肩幌部17においては、その内側基部21aに切欠き30を形成したので、肩幌部17での剛性が小さくなり、柔軟に変形できる。そのため、両外幌8、8Aの押付け状態での変位に際して、該肩幌部17が容易に変形し、発生するしわが少なくなるとともに小さくなり、該肩幌部17での亀裂の発生を低減できる。
更に、該肩幌部17の内側基部21aと外側基部22aの肉厚を、側幌部13、上幌部15の内側基部21と外側基部22の肉厚よりも薄くし、かつ、先部23aの肉厚も薄くしたので、前記切欠き30の形成と相まって、さらに、肩幌部17の剛性が小さく、柔軟性が高くなり、前記の亀裂の発生を一層低減することができる。
また、補助穴32を形成したことにより、肩幌部17の近傍の剛性を低くして、肩幌部17のしわの発生をより低減することができる。
また、切欠き30と補助穴32との間に第1連結部33を設けたので、切欠き30に補助穴32を近接して設けても、肩幌部17における内側基部21aが異常にめくり上がることを防止する。
前記実施例1では、切欠き30を肩幌部17において1個で形成したが、この切欠き30を1個で形成することなく、肩幌部17において複数の切欠きで形成してもよい。
このような複数の切欠きによっても内側基部21a、すなわち、肩幌部17の剛性を低減し、前記と同様の作用、効果を発揮させることができる。
更に、前記切欠き30は、肩幌部17の全長にわたって形成することなく、肩幌部の範囲内において、肩幌部17に必要な柔軟性が得られる範囲に設けてもよい。すなわち、切欠き30は、肩幌部17の範囲内において所望の範囲、部分に設けても良い。
図13は実施例3を示すもので、前記実施例1の肩幌部17における切欠き30の変形例で、肩幌部17において、妻面の中心側である内側に、切欠き30を、車体への取付側である端面21cから先部23aを含んだ位置まで形成したものである。図の実施例3では、切欠き30の先端30bを、前記頂点23bに達しない位置に設定している。
その他の構造は前記実施例1又は2と同様である。
本実施例3においても前記実施例と同様の効果を発揮できる。
図14及び図15は実施例4を示すもので、前記実施例1の肩幌部17における切欠き30の代りに穴30Aを形成したものである。すなわち、前記肩幌部17における内側基部21aにおいて、その車体への取付側に基端部21bを残し、先部23a側に内側基部21aの一部を残して内側基部21aにおける内外方向に貫通する穴30Aを形成したものである。30bは、穴30Aの先端を示す。
その他の構造は前記実施例と同様である。
本実施例4においても前記実施例と同様の効果を発揮できる。
なお、前記穴30Aは肩幌部17において1個又は複数個で形成してもよい。
図16は実施例5を示すもので、前記実施例4における穴30Aを、先部23aを含む位置まで形成したもので、図の実施例5では、先端30bを、前記頂点23bに達しない位置に設定している。
その他の構造は前記実施例4と同様である。
本実施例5においても前記実施例と同様の効果を発揮できる。
前記実施例1乃至5においては、肩幌部17における内側基部21aと外側基部22aと先部23aの肉厚T2を、側幌部13、上幌部15の内側基部21と外側基部22の肉厚T1よりも薄く形成したが、図17に示す実施例6は、肩幌部17の横断面形状(図4のC−C線断面)を、前記側幌部13、上幌部15の横断面形状と同一形状としたものである。すなわち、内側基部21aと外側基部22aの肉厚T1を前記図5に示すT1と同様の肉厚とし、先部23aの肉厚T2を、内側基部21aと外側基部22aの肉厚よりも薄い前記図5に示すT2としたものである。そして、該内側基部21aに前記のような切欠き30を前記実施例1と同様の位置に同様な形状で形成したものである。
その他の構造は、前記実施例1又は2と同様である。
本実施例6においても、内側基部21aに切欠き30を形成したことにより、側幌部13、上幌部15に比べて内側基部21a、すなわち、肩幌部17の剛性が小さく、柔軟性が大きくなり、前記実施例1と同様の作用、効果を発揮することができる。
図18は実施例7を示すもので、前記実施例6の肩幌部17における切欠き30の変形例で、肩幌部17において、妻面の中心側である内側に、車体への取付側である端面21cから先部23aを含んだ位置まで切欠き30を形成したものである。図の実施例では、切欠き30の先端30bを、前記頂点23bに達しない位置に設定している。
その他の構造は前記実施例6と同様である。
本実施例7においても前記実施例と同様の効果を発揮できる。
図19は実施例8を示すもので、前記実施例6、7の肩幌部17における切欠き30の代わりに穴30Aを形成したものである。すなわち、前記肩幌部17における内側基部21aにおいて、その車体への取付側に基端部21bを残し、先部23a側に内側基部21aの一部を残して穴30Aを形成したものである。
その他の構造は前記実施例6と同様である。
本実施例8においても前記実施例と同様の効果を発揮できる。
図20は実施例9を示すもので、前記実施例8における穴30Aを、先部23aを含む位置まで形成したものである。図の実施例9では先端30bを、前記頂点23bに達しない位置に設定している。
その他の構造は前記実施例8と同様である。
本実施例9においても前記実施例と同様の効果を発揮できる。
図21乃至図24は実施例10を示すもので、前記側幌部13と上幌部15を、図22に示すように、その内側基部21と外側基部22を前記のように厚肉とし、先部23を薄肉として形成し、前記肩幌部17を、図24に示すように、その内側基部21aと外側基部22aと先部23aを前記のように薄肉として形成し、穴30Aを、図21、図23、図24に示すように、肩幌部17の内側基部21aの一部と、側幌部13の内側基部21の一部にわたり、かつ、肩幌部17の先部23aと側幌部13の先部23を前記のように含む穴に形成したものである。
その他の構造は前記実施例と同様である。
本実施例10においても前記実施例と同様の効果を発揮できる。
前記実施例1乃至10では屋根側幌11を設けたが、図25、26、27に示すように、前記屋根側幌11を設けず、前記左側幌9及び右側幌10のみで外幌を構成しても良い。
なお、本実施例11の左側幌9及び右側幌10の板厚、形状、材質、妻面への取付構造は前記実施例1乃至10と同様であるため、前記と同一の部分には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施例11においても肩幌部17に前記と同様の切欠き30又は穴30Aが形成されている。
本実施例11においては、前記実施例1と比べて、屋根側幌11が存在しないため、直上の開口された上部400から騒音が発生するが、左右側幌9、10の側幌部13、肩幌部17、上幌部15が存在することにより、車体(連結部)間の騒音が側方及び斜め上方へ放射されることを抑制できる。
車体連結部間の騒音が直上からの騒音であれば車外への影響は少ないため、本実施例11においても騒音対策として有効である。
従って、本実施例11においても、前記実施例1と同様の作用、効果を発揮することができる。
前記実施例11は、屋根側幌11を設けず、肩幌部17の上端側に上幌部15を延長形成したものであるが、前記実施例11において、上幌部15を設けない外幌にしてもよい。
すなわち、図26において、Z−Z線からの先の上幌部15を無くし、側幌部13と肩幌部17のみで形成してもよい。
その他の構造は前記実施例11と同様であるため、その説明を省略する。
本実施例12においても有効な遮音効果を発揮でき、前記実施例11と同様の作用、効果を発揮する。
図28乃至図33は実施例13を示すもので、前記実施例1おける湾曲部材50を無くして、前記実施例1の左側幌9と右側幌10と屋根側幌11を、夫々の外面(厳密には取付板40の外面)が、車体妻面2の左側縁2aと車体妻面2の右側縁2aと車体妻面2の屋根側縁2aと同一面に位置するように配置したものである。
図30において、左側幌9は、前記実施例1の左側幌9と同様の幌で、前記と同様に、側幌部13、肩幌部17、上幌部15を有する。また、図30において、右側幌10は、前記実施例1の右側幌10と同様の幌で、前記と同様に、側幌部13、肩幌部17、上幌部15を有する。
これら左右側幌9、10は、その上幌部15、15の正面形状が前記実施例1と若干相違する外は前記実施例1の左右側幌9、10と同一である。
そして、該実施例13の左右側幌部13、13は、その外面13aが、図31に示すように、車体の左右側面12と同一面上に位置するように配置され、上幌部15、15は、その外面15aが、図33に示すように、車体の屋根面14と同一面に位置するように配置され、肩幌部17、17は、その外面17aが、図32に示すように、車体の肩面16と同一面上に位置するように配置されている。
更に、図30において、屋根側幌11は、前記実施例1の屋根側幌11と同様の幌で、該実施例13の屋根側幌11は、その正面形状が前記実施例1と若干相違する他は前記実施例1の屋根側幌11と同一である。
そして、該実施例13の屋根側幌11は、その外面11aが図33と同様に車体の屋根面14と同一面上に位置するように配置されている。
該実施例13における側幌部13の横断面(F−F線断面)構造を図31に示し、肩幌部17の横断面(G−G線断面)構造を図32に示し、上幌部15の横断面(H−H線断面)と屋根側幌11の横断面(H’−H’線断面)構造を図33に示す。
これらの構造は、前記実施例1の構造と比較して、前記湾曲部材50を除き実施例1と同様であるため、前記実施例1と同一部分には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例13においても、前記湾曲部材50を除き、前記実施例1と同様の作用、効果を発揮する。
図34及び図35は実施例14を示すもので、本実施例14は、前記実施例13において、屋根側幌11を除いたものである。その他の構造は前記実施例13と同様であるため、前記と同一部分には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例14においても、前記湾曲部材50を除き、前記実施例13と同様の作用、効果を発揮できる。
図36乃至図39は実施例15を示すもので、前記実施例1における湾曲部材50を無くして、前記実施例1の左側幌9と右側幌10と屋根側幌11を、夫々の外面が、車体妻面2の左側縁2aと車体妻面2の右側縁2aと車体妻面2の屋根側縁2aに対して内側において近接するように配置したものである。
図36において、左側幌9は、前記実施例1の左側幌9と同様の幌で、前記と同様に側幌部13、肩幌部17、上幌部15を有する。また、図36において、右幌部10は、前記実施例1の右側幌10と同様の幌で、前記と同様に、側幌部13、肩幌部17、上幌部15を有する。
これら左右側幌9、10は、その上幌部15、15の正面形状が前記実施例1と若干相違する外は前記実施例1の左右側幌9、10と同一である。
そして、該実施例15の左右の側幌部13、13は、その外面13aが、図37に示すように、妻面2の左右側縁2aに形成された曲部R1の内端に位置するように、すなわち、外面13aが、車体の左右側面12より前記曲部R1の内端までの距離H3だけ内側に入った位置に配置されている。
また、上幌部15、15は、その外面15aが図39に示すように、妻面2の屋根側縁2aに形成された曲部R1の内端に位置するように、すなわち、外面15aが、車体の屋根面14より前記曲部R1の内端までの距離H3だけ内側に入った位置に配置されている。
更に、肩幌部17、17は、その外面17aが図38に示すように、妻面2の肩縁2aに形成された曲部R1の内端に位置するように、すなわち、外面17aが車体の肩面16より前記曲部R1の内端までの距離H3だけ内側に入った位置に配置されている。
更に、図36において、屋根側幌11は、前記実施例1の屋根側幌11と同様の幌で、該実施例15の屋根側幌11は、その正面形状が前記実施例1と若干相違する他は前記実施例1の屋根側幌11と同一である。
そして、該実施例15の屋根側幌11は、その外面11aが図39と同様に車体の屋根面14からH3だけ内側に入った位置に配置されている。
該実施例15における側幌部13の横断面構造を図37に示し、肩幌部17の横断面構造を図38に示し、上幌部15の横断面と屋根側幌11の横断面構造を図39に示す。
これらの構造は、前記実施例1の構造と比較して、前記湾曲部材50を除き、実施例1と同様であるため、前記実施例1と同一部材には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例15においても、前記湾曲部材50を除き、前記実施例1と同様の作用、効果を発揮できる。
更に、本実施例15は、妻面の縁部が図37乃至39のように曲面で形成されているものにおいて、その曲面部をさけて外幌を取付けることができる。
図40は実施例16を示すもので、本実施例16は、前記実施例15において、屋根側幌11を除いたものである。その他の構造は前記実施例15と同様であるため、前記と同一部分には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例16においても、前記実施例15と同様の作用、効果を発揮できる。
前記各実施例においては、一方の車体1側の外幌8と他方の車体4の外幌8Aの夫々の肩幌部に切欠き又は穴を形成したが、この切欠き又は穴は、一方の車体1側の外幌8に設け、他方の車体4の外幌8Aには設けないようにしてもよい。
本発明の実施例1を示すもので、車体の連結部の側面図。 図1のA−A線で妻面側から見た正面図。 図1の平面図。 図2における左側幌の正面図。 図4のB−B線断面図。 図4のC−C線断面図。 図4のD視図。 図4の正面図において図5のE−E部で切断した正断面図。 図2におけるF−F線拡大断面図。 図2におけるG−G線拡大断面図。 図2におけるH−H線拡大断面図。 本発明の実施例1における外幌の配置状態を示すもので、(a)は一方の車体側、(b)は他方の車体側を示す。 本発明の実施例3を示す外幌の肩幌部における横断面図。 本発明の実施例4を示す外幌の肩幌部における横断面図。 図14における内側から見た図。 本発明の実施例5を示す外幌の肩幌部における横断面図。 本発明の実施例6を示す外幌の肩幌部における横断面図。 本発明の実施例7を示す外幌の肩幌部における横断面図。 本発明の実施例8を示す外幌の肩幌部における横断面図。 本発明の実施例9を示す外幌の肩幌部における横断面図。 本発明の実施例10を示す左側幌の正面図。 図21におけるB−B線拡大断面図。 図21におけるB’−B’線拡大断面図。 図21におけるC’−C’線拡大断面図。 本発明の実施例11を示す外幌の配置状態を示す平面図。 図25におけるI−I線で妻面を見た図。 図25における外幌の配置状態を示すもので、(a)は一方の車体側、(b)は他方の車体側を示す。 本発明の実施例13を示す車体の連結部の側面図。 図28の平面図。 図28のP−P線で妻面側から見た正面図。 図30のF−F線断面図。 図30のG−G線断面図。 図30のH−H線断面図。 本発明の実施例14を示す平面図。 図34における車体の妻面側から見た正面図。 本発明の実施例15を示すもので、車体の妻面側を見た図。 図36におけるS−S線断面図。 図36におけるT−T線断面図。 図36におけるU−U線断面図。 本発明の実施例16を示すもので車体の妻面側を見た図。 従来の外幌を示す車体の連結部の側面図。 図41のJ−J線で妻面側を見た正面図。 図41の平面図。 従来の外幌を示す妻面側から見た正面図。 図44の外幌のN−N線拡大断面図。
符号の説明
1、4 車体
2、5 妻面
8、8A 外幌
9 左側幌
10 右側幌
13 側幌部
15 上幌部
17 肩幌部
18 妻面の肩部
21、21a 内側基部
22、22a 外側基部
23、23a 先部
30 切欠き
30A 穴

Claims (7)

  1. 内側基部と外側基部とこれらの先を連結した先部とで構成される外幌であって、妻面の側縁に沿った側幌部と妻面の肩部において湾曲した肩幌部とを連設した外幌において、
    前記肩幌部の内側に穴又は切欠きを形成したことを特徴とする鉄道車両用外幌の構造。
  2. 車体の妻面に付設される外幌において、妻面の側縁に沿った側幌部と、妻面の肩部において湾曲した肩幌部とを連設するとともにこれらを弾性材で形成し、前記側幌部と肩幌部の横断面形状が、内側基部と外側基部とこれらの先を連結した先部とでU状に形成され、前記肩幌部における内側基部に穴又は切欠きが形成されていることを特徴とする鉄道車両用外幌の構造。
  3. 前記側幌部の先部の肉厚を、該側幌部の内側基部と外側基部の肉厚よりも薄く形成し、前記肩幌部における内側基部と外側基部と先部の肉厚を、前記側幌部における内側基部と外側基部の肉厚よりも薄く形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の鉄道車両用外幌の構造。
  4. 前記側幌部の先部の肉厚を、該側幌部の内側基部と外側基部の肉厚よりも薄く形成し、前記肩幌部の先部の肉厚を前記側幌部の先部の肉厚と同等にし、前記肩幌部の内側基部と外側基部の肉厚を、前記側幌部の内側基部と外側基部の肉厚と同等にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の鉄道車両用外幌の構造。
  5. 前記穴又は切欠きを、前記肩幌部おいて1個又は複数個設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鉄道車両用外幌の構造。
  6. 前記肩幌部における前記側幌部と反対側の上部に、妻面の屋根縁に沿った上幌部を延設し、該上幌部の横断面形状を、前記側幌部の横断面形状と同等に形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の鉄道車両用外幌の構造。
  7. 前記上幌部における前記肩幌部と反対の側に、妻面の屋根縁に沿った屋根側幌を配置するとともに該屋根側幌の横断面形状を前記側幌部の横断面形状と同等に形成して、該屋根側幌と前記上幌部とで車両の連結部空間の上部全体を覆うようにしたことを特徴とする請求項6記載の鉄道車両用外幌の構造。
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