JP2014125071A - 自動車の下部車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンダカバーの必要剛性を確保しつつ、排水効率を高めることができ、かつ走行時のアンダカバーのばたつきによる異音の発生を抑制できる自動車の下部車体構造を提供する。
【解決手段】アンダカバー15は、これの最下端面(底辺部)15aがサイドメンバ2の下方に位置するよう形成されており、前記アンダカバー15の上面には、少なくとも一対のリブ15d,15dがサイドメンバ2の下面2eに近接又は当接するように突出形成され、該一対のリブ15d,15dは、車両上面視で、車幅方向間隔Sが車両前側部分ほど広くなる前方開きのハの字形状をなすように形成され、前記ハの字形状の頂部近傍に水抜き孔15gが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、走行時の空力特性を改善するようにしたアンダカバーを備えた自動車の下部車体構造に関する。
自動車においては、下部車体の下方を流れる走行風の乱れや流路抵抗を抑えることにより、空力特性を改善するようにしている。例えば、特許文献1では、フロアパネルの下方に、空気の流れを車幅方向中央部に収束させる整流板(アンダカバー)を設けた構造が開示されている。
特開2006−298312号公報
前記アンダカバーには、通常、アンダカバー内に浸入した跳ね水等を排出する水抜き孔が形成されている。この場合、排水効率を高めるために水抜き孔を増やすと、アンダカバー全体の剛性が低下することから、設置数に制約があり、排水効率を高める上での改善が要請されている。
一方、前記アンダカバーを取り付けるに当たって、サイドメンバの下面にボルト等で締結すると、アンダカバーから下方に突出するボルト頭部又はナットが最低地上高となり、路面の障害物等が当たり易くなるので、ボルト締結は回避するのが望ましい。しかしアンダカバーをサイドメンバの下面に締結しない場合は、走行時の振動によってアンダカバーがばたついてサイドメンバの下面に繰り返し当接,離間することにより異音が発生し易い。このような異音を防止するために、接着剤によりアンダカバーをサイドメンバに固定することが考えられるが、このようにすると、コストが上昇するとともに、接着作業を要する分だけ生産性が悪化するという問題が生じる。
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、アンダカバーの必要剛性を確保しつつ、排水効率を高めることができるとともに、走行時のアンダカバーのばたつきによる異音の発生を抑制できる自動車の下部車体構造を提供することを課題としている。
本発明は、車両前後方向に延びるよう配設されたサイドメンバと、該サイドメンバの車外側に車両前後方向に延びるよう配設されたロッカパネルと、前記サイドメンバの下方を車幅方向に跨ぐように配設されたアンダカバーとを備えた自動車の下部車体構造において、前記アンダカバーは、これの最下端面が前記サイドメンバの下方に位置するように形成され、該アンダカバーの上面には、少なくとも一対のリブが前記サイドメンバの下面に近接又は当接するように突出形成され、該一対のリブは、車両上面視で、車幅方向間隔が車両前側部分ほど広くなる前方開きのハの字形状をなすように形成され、該ハの字形状の頂部近傍に水抜き孔が形成されていることを特徴としている。
本発明に係る下部車体構造によれば、アンダカバーの上面にリブをサイドメンバの下面に近接又は当接するように形成したので、走行時には、サイドメンバの下面にはリブの上面が当接することから、アンダカバーの当接面積が小さくなり、走行中のアンダカバーのばたつきによる異音の発生を抑えることができる。
前記リブを車両前側部分ほど広くなる車両前方開きのハの字形状に配置し、該ハの字形状の頂部近傍に水抜き孔を形成したので、排水効率を高めることができる。即ち、アンダカバーの上面には走行風は少ししか流入しないものの、流入した少ない走行風をハの字形状のリブが水抜き孔に向けて誘導し、該誘導される走行風がアンダカバー内に浸入した水を効率よく水抜き孔に導くこととなり、これにより排水効率を高めることができる。
またアンダカバーを、これの最下端面がサイドメンバの下方に位置するよう形成したので、アンダカバーに浸入した水が水抜き孔に集まり易くなり、この点からも排水効率を高めることができる。
このように排水効率を高めることができるので、水抜き孔の設定数を最小限とすることができ、アンダカバーの必要剛性を確保することができる。
本発明では、アンダカバーにリブを形成するだけの簡単な構造で、異音の発生防止と排水効率の向上との両方を実現できることから、前述の接着剤を用いる場合等に比べてコストを低減できるとともに、生産性を高めることができる。
本発明の実施例1による自動車の下部車体の底面図である。 前記下部車体の断面図(図1のII-II線断面図)である。 前記下部車体に配設されたアンダカバーの斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図3は、本発明の実施例1による自動車の下部車体構造を説明するための図である。
図において、1は自動車の下部車体を示している。この下部車体1は、車両前後方向に延びるよう配設された上方に開口する断面ハット形状の左,右のサイドメンバ2と、該左,右のサイドメンバ2の車外側に車両前後方向に延びるよう配設された閉断面角筒状の左,右のロッカパネル3とを備えている。
また前記下部車体1は、前記左,右のサイドメンバ2の上面に配設されたフロアパネル4と、該左,右のフロアパネル4の間の車体中心線A上に配設されたトンネル部材5とを備えている。なお、6は前輪、7は後輪である。
前記左,右のフロアパネル4は、前記サイドメンバ2の左,右フランジ2dに結合されており、外フランジ4aが前記ロッカパネル3に、内フランジ4bが前記トンネル部材5にそれぞれ結合されている。
前記左,右のロッカパネル3の前端部3aは、各結合部材10を介して前記左,右のサイドメンバ2に結合されており、後端部3b同士は車幅方向に延びるクロス部材11により結合されている。また前記左,右のロッカパネル3の後端部3bにはリヤフレーム12が接続されている。
前記左,右のサイドメンバ2は、不図示のエンジンユニットが搭載されるフロント部2aと、該フロント部2aに続いて斜め後下方に屈曲して延びるキック部2bと、該キック部2bの下端に続いて後方に延びるリヤ部2cとを有する。この左,右のリヤ部2cは前記クロス部材11に結合されている。
前記左,右のロッカパネル3とトンネル部材5との間には、それぞれ前記サイドメンバ2の下方を車幅方向に跨ぐようにアンダカバー15が配設されている。
前記各アンダカバー15は、下部車体1の下方を流れる走行風Bの乱れや流路抵抗を抑えることにより、空力特性を改善する機能を有する。
前記左,右のアンダカバー15は、発泡繊維質,あるいは不織布等により形成された略矩形状をなす樹脂製板状のものであり、前記左,右のサイドメンバ2のリヤ部2cの後部下面に配置されている。ここで、前記アンダカバー15を、リヤ部の前部に配置してもよく、あるいは前部から後部の略全長に渡って配置してもよい。
前記左,右のアンダカバー15は、前記サイドメンバ2の下方に位置するよう配置された底辺部15aと、該底辺部15aに続いて車外側に斜め上向きに延びる左,右側辺部15b,15bと、該左,右側辺部15bに続いて車外側に突出する取付け部15c,15cとを有する。
前記各アンダカバー15の車内側の取付け部15cは、3本のスタッドボルト17を介して前記トンネル部材5の左,右フランジ部5aに固定されており、車外側の取付け部15cは、同じく3本のスタッドボルト17を介して前記ロッカパネル3の車内側下面3cに固定されている。
前記各アンダカバー15は、前記サイドメンバ2の下方に位置する底辺部15aが最下端面となるよう形成されており、従って底辺部15aが最低地上高となっている。
前記各アンダカバー15には、一対のリブ15d,15dが前,後に2組一体に形成されている。この各リブ15dは、前記サイドメンバ2の底壁下面2eに当接するよう上方に突出形成されている。なお、各リブ15dをサイドメンバ2の底壁下面2eに当接させることなく近接させてもよい。
前記各リブ15dは、車両上面視で、車両後側部15eから前側部15fに向かって車幅方向間隔Sが徐々に拡開する、車両前方開きの略ハの字形状をなすよう形成されている。
前記各リブ15dの後側部15eは、前記サイドメンバ2の底壁下面2eに対向するよう配置されており、前側部15fは、該サイドメンバ2の下面2eより外側に位置するよう配置されている。ここで、各リブ全体をサイドメンバの底壁下面に対向するよう形成してもよい。
そして前記各リブ15dの後端部同士の間、つまり前記ハの字形状の頂部に、アンダカバー15の上面に浸入した水を排出する1つの水抜き孔15gが形成されている。この水抜き孔15gは、詳細には、各リブ15dの後側部15eの後縁より若干後方に位置するよう形成されている。なお、この水抜き孔は後側部15eの後縁より前方に形成してもよい。
本実施例によれば、左,右のアンダカバー15を、最下端面をなす底辺部15aがサイドメンバ2の底壁下面2eの下方に位置するよう形成し、該各アンダカバー15に、前記サイドメンバ2の底壁下面2eに当接する二対のリブ15dを突出形成し、該各対のリブ15dを車両後側部15eから前側部15fに向かって車幅方向間隔Sが拡開する車両前方開きのハの字形状をなすように形成するとともに、各リブ15dの後側部15eの間に1つの水抜き孔15gを形成した。
そのため、走行時におけるサイドメンバ2の底壁下面2eには各リブ15dの上面のみが当接することから、アンダカバー15の当接面積を小さくでき、ひいては走行中のアンダカバー15のばたつきによる異音の発生を抑制することができる。
また前記サイドメンバ2の下方に位置するアンダカバー15の最下端面を構成する底辺部15aに水抜き孔15gを形成したので、アンダカバー15に浸入した跳ね水等は左,右側辺部15bを伝って底辺部15aの水抜き孔15gに集まり易くなり、それだけ排水効率を高めることができる。
本実施例では、前記各リブ15dを車両後側部15eから前側部15fに向かって拡開するように形成し、該後側部15eの間に前記水抜き孔15gを形成したので、排水効率をより一層高めることができる。即ち、アンダカバー15の上面には走行風は少ししか流入しないものの、流入した少ない走行風Bがアンダカバー15上に浸入した水を各リブ15dに沿って効率よく水抜き孔15gに導くこととなる(図3参照)。
このように排水効率を高めることができるので、水抜き孔15gの設定数を最小限とすることができ、アンダカバー15の必要剛性を確保することができる。
また、前記左,右のアンダカバー15に二対のリブ15dを形成するだけの簡単な構造で、異音の発生防止と排水効率の向上との両方を実現できることから、前述のように接着剤を用いる場合に比べてコストを低減できるとともに、生産性を高めることができる。
本実施例では、アンダカバー15を樹脂製としたので、軽量化を図りつつ、浸入水による腐食や劣化を防止することが可能となる。即ち、アンダカバー15を車両天井材として用いられる発泡繊維や不織布で形成した場合には、繊維質が剥き出しとなることから水が流れ難く、しかもある程度の水を吸収することから、できるだけ早く排水しないと腐食するおそれがある。本実施例では、アンダカバー15に浸入した水を積極的に水抜き孔15gに導くことができるので、腐食や劣化の問題を回避できる。
なお、前記実施例では、左,右のロッカパネル3とトンネル部材5との間にそれぞれアンダカバー15を設けた場合を説明したが、本発明では、1つのアンダカバーを左,右のロッカパネル間に設けてもよい。
また前記実施例では、アンダカバー15を樹脂製としたが、本発明は、板金製のものでもよい。
1 下部車体
2 サイドメンバ
2e 底壁下面
3 ロッカパネル
15 アンダカバー
15d リブ
15a 底辺部(最下端面)
15g 水抜き孔

Claims (1)

  1. 車両前後方向に延びるよう配設されたサイドメンバと、該サイドメンバの車外側に車両前後方向に延びるよう配設されたロッカパネルと、前記サイドメンバの下方を車幅方向に跨ぐように配設されたアンダカバーとを備えた自動車の下部車体構造において、
    前記アンダカバーは、これの最下端面が前記サイドメンバの下方に位置するように形成され、
    該アンダカバーの上面には、少なくとも一対のリブが前記サイドメンバの下面に近接又は当接するように突出形成され、
    該一対のリブは、車両上面視で、車幅方向間隔が車両前側部分ほど広くなる前方開きのハの字形状をなすように形成され、
    前記ハの字形状の頂部近傍に水抜き孔が形成されている
    ことを特徴とする自動車の前部車体構造。
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