JP2010143127A - 貴金属粒子が基材表面に存在する物、積層体およびそれらの製造方法 - Google Patents

貴金属粒子が基材表面に存在する物、積層体およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
粒子の一部が基材に埋まった多数の貴金属粒子が基材表面に存在する物であって、粒子の全ての部分が基材中に埋め込まれた状態の貴金属粒子は実質的に存在しない物、およびその物をより簡単に製造する方法を提供すること。また、前記貴金属粒子が基材表面に存在する物の貴金属粒子表面に厚さが10〜200nmの金属皮膜が配置された積層体を製造する方法を提供すること。
【解決手段】
基材を貴金属ゾル中に浸漬処理する工程、および前記基材のガラス転移点以上でかつ融点以下の温度で、空気中あるいは不活性ガス雰囲気下において前記基材を加熱処理する工程を経て貴金属粒子が基材表面に存在する物を製造する。
さらに、前記貴金属粒子面に無電解メッキ法にて金属皮膜を形成させて積層体を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は貴金属粒子が基材表面に存在する物、および該貴金属粒子が基材表面に存在する物の表面に金属皮膜を配置した積層体、さらにはこれら貴金属粒子が基材表面に存在する物および積層体の製造方法に関する。特に、粒子の一部分が基材表面に埋め込まれた状態の貴金属ナノ粒子が基材表面に存在する物であって、貴金属ナノ粒子が強く基材に固定される物および該貴金属ナノ粒子が基材表面に存在する物の表面に金属皮膜を配置した積層体、さらにはこれら貴金属ナノ粒子が基材表面に存在する物および積層体の製造方法に関する。
従来から、基材表面に貴金属粒子が固定された構成物は、その貴金属粒子により各種用途に用いられている。例えば、貴金属粒子が白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムの粒子の場合は各種の化学反応に対する担持触媒に用いられ、前記貴金属粒子が銀粒子の場合は抗菌材に用いられ、前記貴金属粒子が白金、パラジウムの場合は無電解メッキ前駆体として有用である。
例えば前記無電解メッキ前駆体の製造法として、まず基材表面の一部を溶解して粗化し、接着層として錫化合物などを塗布した上に貴金属イオンを固定し、さらに還元処理する方法が知られている(非特許文献1)。この製造方法からも明らかなように、従来から知られている前記貴金属粒子が基材表面に存在する物の製造法は操作が煩雑であり、そのうえ、貴金属粒子の粒度分布が広くなること、貴金属粒子の凝集を起こすなどの問題がある。これら従来から知られている製造法では、数ナノメートル(nm)の粒径の揃った貴金属粒子を基材表面上に一様に固定化することは極めて困難であった。
一方、紫外線で硬化する接着層を介して貴金属粒子を直接ポリマー表面に固定する技術に関する報告があるが(特許文献1)、この方法は操作が煩雑であるうえ、貴金属粒子の多くの部分が接着層中に埋まりこみ、当該貴金属粒子を効率的に機能させることが出来ないなどの難点がある。
この他、界面活性剤処理と貴金属ゾルにより順次処理する方法によれば(例えば特許文献2)、極めて微細な貴金属粒子をポリマー表面に配置することができ、これを無電解メッキした後に加熱することによりメッキ皮膜の密着性を向上させることが可能である。
しかし、貴金属粒子の表面への結合が弱いため、無電解メッキの際に、容器壁に貴金属粒子が移って不要なメッキが生じたり、攪拌によりメッキ皮膜が剥がれ落ちるなどの困難があった。
特開2001-303255号公報 特願2008-216028 プラスチックメタライジング p.34-38, オーム社, 1978年
前記のような実情において、本発明の課題は、粒子の一部が基材に埋まった多数の貴金属ナノ粒子が基材表面に存在する物であって、粒子の全ての部分が基材中に埋め込まれた状態の貴金属ナノ粒子は実質的に存在しない物、およびその物をより簡単に製造する方法を提供することにある。また、前記物を一つの層とする積層体、およびその積層体のより簡単な製造方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意研究を重ねる中、陽イオン性界面活性剤処理したポリマー表面に貴金属ゾルを接触させて固定化した後、ポリマーのガラス転移点以上でかつ融点以下の温度で加熱すると、意外にも貴金属ナノ粒子がポリマー中に一部分が埋まり込む状態でポリマー表面に存在し、粒子の全ての部分が基材に埋まっている貴金属ナノ粒子は存在しないことを見出した。また、ポリマー表面の貴金属ナノ粒子面に粘着テープを付着させた後に、当該粘着テープを引き剥がしても粘着テープに粘着面には貴金属ナノ粒子を確認することが出来ないほど、前記貴金属ナノ粒子はポリマー表面に強く固定されることを見出した。さらに、ポリマー表面が親水性の場合には、貴金属ゾルを塗布した後に加熱しても同じ効果が得られることを見出した。これら見出したことを基に更に研究を重ね,遂に本発明を完成させた。
すなわち、本発明の請求項1記載の発明は、基材表面に粒径が10nm以下の貴金属粒子が存在する物であって、前記貴金属粒子はその粒子の一部分が前記基材中に埋まっており、粒子の全ての部分が基材に埋まっている貴金属粒子は存在しないことを特徴とする貴金属粒子が基材表面に存在する物の発明である。
本発明の請求項2記載の発明は、基材が熱可塑性ポリマーまたは加熱により軟化するポリマーであることを特徴とする請求項1記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物の発明である。
本発明の請求項3記載の発明は、貴金属粒子が白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、金、銀、イリジウム、オスミウムの中から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物の発明である。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物の表面に金属皮膜が配置されていることを特徴とする積層体の発明である。
本発明の請求項5記載の発明は、貴金属粒子が基材表面に存在する物の貴金属粒子表面に厚さが10〜200nmの金属皮膜が配置された請求項4記載の積層体の発明である。
本発明の請求項6記載の発明は、金属皮膜が金、銀、ニッケル、コバルト、銅の中から選ばれた少なくとも1種の皮膜である請求項4または5記載の積層体の発明である。
本発明の請求項7記載の発明は、基材を貴金属ゾル中に浸漬処理する工程、および前記基材のガラス転移点以上でかつ融点以下の温度で、空気中において前記基材を加熱処理する工程を有することを特徴とする請求項1記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物の製造方法の発明である。
本発明の請求項8記載の発明は、基材を貴金属ゾル中に浸漬処理する工程、および前記基材のガラス転移点以上でかつ融点以下の温度で、不活性ガス雰囲気下において前記基材を加熱処理する工程を有することを特徴とする請求項1記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物の製造方法の発明である。
本発明の請求項9記載の発明は、基材を陽イオン性界面活性剤水溶液中に浸漬処理する工程をさらに有することを特徴とする請求項7または8記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物の製造方法の発明である。
本発明の請求項10記載の発明は、請求項7記載の方法により得られた貴金属粒子が基材表面に存在する物を還元剤水溶液で処理する工程、および前記処理工程物を無電解メッキ液に浸漬する工程を有することを特徴とする請求項4または5記載の積層体の製造方法の発明である。
本発明の請求項11記載の発明は、請求項8記載の方法により得られた貴金属粒子が基材表面に存在する物を無電解メッキ液に浸漬する工程を有することを特徴とする請求項4または5記載の積層体の製造方法の発明である。
本発明の請求項12記載の発明は、無電解メッキ液が、金、銀、ニッケル、コバルト、銅の無電解メッキ液の中から選ばれた少なくとも1種である請求項10または11記載の製造方法の発明である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる基材としては熱可塑性ポリマーまたは加熱により軟化するポリマーであることが好ましいが、所期の目的を達成することができる材質のものであれば特に制限されない。熱可塑性ポリマーまたは加熱により軟化するポリマーの例としてはポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート等のアクリル系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性を有するエポキシ樹脂、熱可塑性ポリイミドなどが挙げられるが、それらに何ら限定されない。
基材の形状については特に限定されないのであって、例えば、フィルム状物、板状物、線状物、繊維状物、任意の形状の成形物や積層体等を例示できる。また、例えば熱可塑性ポリマーのコーティング層など熱可塑性の塗膜を有する任意の形状の物も好ましい例として例示できる。前記基材の大きさも特に限定されない。
本発明の貴金属粒子の粒径は10nm以下であり、この点が本発明の大きな特徴の一つである。ここでいう粒径が10nm以下とは、基材表面に存在する全ての貴金属粒子を基準として、95%以上の粒子の粒径が10nm以下であるという意味である。さらには、98%以上の粒子の粒径が10nm以下であることがより好ましい。貴金属粒子の下限値は特に制限されない。しかし、強いて記載するなら,2nmを例示できるが、本発明はこの数字に限定されるということではない。
本発明においては、電子顕微鏡を用いて常法により当該粒子の粒径を測定する。より具体的には、貴金属粒子が基材表面に存在する物を樹脂に埋め込んだ後極めて薄い切片を作り、電子顕微鏡を用い常法により測定する。前記樹脂は特に制限されないのであって、用いた基材や貴金属粒子により最適な樹脂を使用すればよい。
貴金属粒子としては、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、金、銀、イリジウム、オスミウムの粒子を例示できるが、それらに何ら限定されない。
本発明の貴金属粒子が基材表面に存在する物において、基材は任意の形状の成形物が好ましく、その大きさ、形状、厚みは特に制限されない。
前記基材の表面に存在する貴金属粒子は、その粒子の一部が基材に埋まった状態で存在することが本発明の大きな特徴である。粒子の一部がどの程度基材に埋まっているかの点は、特に制限されない。また、本発明の特徴の一つに、粒子の全ての部分が基材に埋め込まれた貴金属粒子はないことも挙げられる。
本発明においては、電子顕微鏡を用いて常法により、粒子の一部が基材に埋まっている様子を確認することができる。具体的には前記のとおりである。粒子の全てが基材に埋まっているかの確認も上記方法と同様である。
本発明の貴金属粒子は強く基材に固定されていることも本発明の大きな特徴の一つである。
ここで、強く固定されているとは、市販のセロファンテープを本発明の貴金属粒子が基材表面に存在する物の貴金属粒子面に貼り付けた後、前記貴金属粒子面から剥がしたセロファンテープの粘着面に付着した貴金属粒子が付着していることが認められないことでもある。そこで、本発明の請求項1は、基材表面に粒径が10nm以下の貴金属粒子が存在する物であって、前記貴金属粒子はその粒子の一部分が前記基材中に埋まっており、粒子の全ての部分が基材に埋まっている貴金属粒子は存在せず、しかも粘着テープ試験等により前記貴金属粒子は剥離しないことを特徴とする貴金属粒子が基材表面に存在する物の発明でもある。
前記粘着テープ試験として、市販のセロファンテープを本発明の貴金属粒子が基材表面に存在する物の貴金属粒子面に所定圧にて貼り付け、室温下にて所定時間経過後、貴金属粒子面からセロファンテープを剥がす試験を例示できる。所定圧にて貼り付けるとは、例えば、自重数kgのローラーを用いて1往復又は数往復回付着したセロファンテープを押圧処理することを言い、所定時間は特に制限されないが、例えば、0.5〜5分間から適宜決定すればよい。貴金属粒子が剥離されたかどうかは、剥がしたセロファンテープの粘着面を観察することにより判断できる。例えば、前記剥がしたセロファンテープの粘着面の色が変化したと肉眼で認めることができたなら、粘着面に付着した貴金属粒子は基材表面から剥離したと知ることができる。
前記貴金属粒子が基材表面に存在する物は、前記基材を貴金属ゾル中で処理する工程、および前記基材のガラス転移点以上でかつ融点以下の温度で、空気中又は不活性ガス中において前記基材を加熱処理する工程を経て製造することができる。
前記貴金属ゾルは、液体中に、コロイド粒子と呼ばれる10nm又はこれ以下の粒径の貴金属粒子が均一に分散した形態をとるものとして知られている。前記貴金属粒子の液体中の量は1000ppm程度以下であることが好ましい。
本発明で用いる貴金属ゾルは本発明の所期の目的を達成することができる限り、何ら制限されないのであるが、例えば負電荷を持つ貴金属ナノ粒子を含む貴金属ゾルが好ましい。
前記貴金属ゾルは白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、金、銀、イリジウム、オスミウムから選ばれる貴金属ゾルが好ましい。
前記貴金属ゾルは貴金属含有化合物を原料として公知の方法により調製できる。例えば、水中で貴金属塩を還元剤で還元し、共存する保護物質により貴金属ゾルを保持させる貴金属ゾルの製法が知られている。特に、原料貴金属塩に含まれるハロゲンイオンが還元後の貴金属ナノ粒子の表面に吸着されて負電荷を持つ貴金属ナノ粒子を含む貴金属ゾルが調製される場合が多い。
貴金属ゾルとしては貴金属ヒドロゾルが好ましい。前記貴金属含有化合物としては、貴金属塩が好ましく、具体的には、塩化白金(VI)酸、塩化パラジウム(II)、塩化ロジウム(III)、塩化ルテニウム(III)、硝酸銀(I)等を例示できる。
前記還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、クエン酸三ナトリウム
等を例示できる。前記保護物質として、水溶性ポリマー、蔗糖等を例示できる。
前記貴金属含有化合物を原料として貴金属ゾルを調製するときには、安定剤を存在させることが好ましい。前記安定剤として、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の水溶性ポリマー、蔗糖、クエン酸三ナトリウムなどから選ばれた安定剤を一種または二種以上を用いることが望ましい。前記安定剤の使用量は、共存する貴金属化合物の種類や量等によって変動するので一概に規定することができないが、例えば貴金属1(重量部)に対して0.1〜10(重量部)が好ましい。
前記基材を貴金属ゾルで処理する手段は特に限定されないのであって、用いる基材の種類や形状、用いる貴金属ゾルの種類や量に応じて最適な手段を選べばよい。
基材を貴金属ゾル中で処理する条件も特に限定されないのであって、用いる基材の種類や形状、用いる貴金属ゾルの種類や量に応じて最適な手段を選べばよく、例えば貴金属ゾル中に基材を室温下にて1分間程度以上浸漬すればよい。
本発明においては、基材を貴金属ゾル中に浸漬する前に、基材を陽イオン性界面活性剤水溶液中に浸漬処理することが好ましい。すなわち、前記浸漬した基材を引き上げ、水洗洗浄し、乾燥させた基材を、貴金属ゾル中に浸漬処理することが好ましい。
前記陽イオン性界面活性剤は、水に溶けるときに疎水性基のついている部分がプラスイオンに電離する界面活性剤を意味する。陽イオン性界面活性剤はアミン塩型と第4級アンモニウム塩型に分類される。本発明では第4級アンモニウム塩型を用いることが有利であり、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩が有利である。その中でも炭素数が12〜22程度の長鎖4級アンモニウム化合物が好ましい。具体的には、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム等が好ましい。
前記陽イオン性界面活性剤の水溶液での陽イオン性界面活性剤の濃度は、0.001〜1重量%程度とすることが好ましい。前記範囲を外れると本発明の効果を達成しづらくなり、1重量%よりも高いとコストがかかり不利である。
前記陽イオン性界面活性剤の水溶液中に基材を浸漬する時間は特に制限されないが、例えば、室温下で数秒以下と短い時間で充分である。前記陽イオン性界面活性剤の水溶液中に基材を浸漬し、直ちに引き上げる操作でも充分である。さらに、基材を陽イオン性界面活性剤水溶液中に浸漬し、加熱してもよい。
基材を陽イオン性界面活性剤水溶液中に浸漬する手段は特に限定されないのであって、用いる基材の種類や形状、用いる陽イオン性界面活性剤水溶液の種類や量に応じて最適な手段を選べばよい。
なお、基材表面が親水性の場合には、当該基材を前記陽イオン性界面活性剤水溶液中に浸漬処理しなくとも、直接貴金属ゾルを塗布し乾燥することによって陽イオン性界面活性剤水溶液中に浸漬処理したときの効果と同等の効果をもたらす。ここで、基材表面が親水性の基材とは、材質自体が親水性のものからなる基材、または、何らかの処理を基材表面に施した基材等を挙げることができる。具体的には、材質自体が親水性のものを使用する例としては、ナイロンなどのポリアミドが挙げられる。何らかの処理を基材表面に施す例としては、アルカリ処理して表面にカルボキシル基を持たせたポリエステルや熱可塑性ポリイミド、コロナ放電により一時的に表面を親水化したポリスチレン等を挙げることができる。
本発明では、上記貴金属ゾルに浸漬した基材を引き上げ、水洗洗浄し、乾燥させることが好ましい。この基材を加熱処理する際には、前記基材のガラス転移点以上でかつ融点以下の温度で、空気中または不活性ガス雰囲気下において前記基材を加熱処理することが好ましい。前記不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどを例示できる。
ここでの加熱方法、加熱時間などは特に制限されないのであって、用いる基材や貴金属ゾルの種類や量などに応じて最適な組み合わせを選択すればよい。例えば、加熱時間は2分〜1時間を例示することができる。
ここで、ガラス転移点はすでに知られており、例えば非晶質の固体を加熱すると、流動性がなかった固体が、ある狭い温度範囲で急速に粘度が低下し流動性が増し、このときの温度をガラス転移点という。この測定法も広く知られている。
かくして、本発明が規定する基材表面に貴金属粒子が存在する物を製造できる。前記基材表面に貴金属粒子が存在する物は、基材表面に貴金属粒子が強く固定されているので、後述した用途の他に、例えば、基材表面の硬度を上げること、摩擦係数や濡れ性を変えること、接着性を向上させることなど、基材の表面改質の手段に繋がり、幅広い用途に役立つといえる。
本発明の貴金属粒子が基材表面に存在する物は既に説明したとおりである。 本発明では、貴金属粒子が基材に強く固定されていることも特徴の一つといえるので、例えば、前記本発明が規定する粘着テープ試験により、基材表面から剥離した貴金属粒子が確認できない程度であれば、粒子の少しの部分も前記基材に埋まっていない貴金属粒子が少数含まれている場合も本発明の範囲内である。また、本発明の貴金属粒子が基材表面に存在する物を製造する過程において、微量の粒子が基材中に埋まって存在する場合も本発明の範囲内である。
本発明の貴金属粒子が基材に強く固定されていることは、基材表面に傷が付かない程度に指でこすっても、当該貴金属粒子が脱落することはなかったことが観察されたことからも支持される。
かくして、本発明が規定する基材表面に貴金属粒子が存在する物を製造できる。ここで、貴金属粒子が白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムの粒子のときは、各種の化学反応に対する担持触媒に用いられる。前記貴金属粒子が銀粒子のときは、抗菌材に用いられ、例えば、抗菌シートとして有効である。また、それらから容器などの成形体を製造すると、抗菌機能を有する成形体を製造できる。前記貴金属粒子が白金、パラジウムのときは無電解メッキ前駆体として有用である。本発明においては、これらの記載になんら限定されない。
本発明が規定する基材表面に貴金属粒子が存在する物を無電解メッキする点について、以下、詳細に説明する。
前記基材表面に貴金属粒子が存在する物を無電解メッキする方法は特に限定されないのであって、用いる基材の種類や形状、用いる貴金属ゾルの種類、形成されるメッキ皮膜の持たせる性状、機能等に応じて最適な無電解メッキする方法を選べばよい。
メッキ皮膜を形成する金属としては、例えば、ニッケル、銅、金、白金、銀、パラジウムなどを例示できるが、本発明ではそれらに限定されない。
例えば、前記基材表面に貴金属粒子が存在する物を無電解メッキ液に浸漬し、機材表面にメッキ皮膜を形成することができる。
通常、前記無電解メッキ液は、メッキ皮膜を形成する金属含有化合物、還元剤、各種配合剤から形成される。
前記金属含有化合物としては、つぎのような化合物が知られている。例えば、塩化金(III)酸、臭化金(III)酸およびこれらのアルカリ金属(K,Na)塩等の金ハロゲン化塩、硫酸ニッケル(II)六水塩、硫酸銅(II)五水塩、硫酸コバルト(II)七水塩等が挙げられる。
その金属含有化合物のメッキ液中での濃度は用いる基材の種類や形状、形成させる貴金属の種類、形成されるメッキ皮膜の持たせる性状、機能等に応じて変動するので一概に規定することができないが、例えば、メッキ液に1〜100mMの濃度で存在させることが好ましい。
前記還元剤としては、次亜リン酸ナトリウム、過酸化水素、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられる。
その金属含有化合物のメッキ液中での濃度は用いる基材の種類や形状、形成させる貴金属の種類、形成されるメッキ皮膜の持たせる性状、機能等に応じて変動するので一概に規定することができないが、例えば、メッキ液に1〜1000mMの濃度で存在させることが好ましい。
前記配合剤としては、界面活性剤、水溶性ポリマー、pH調整剤、緩衝剤、錯化剤が知られている。
前記界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールエーテルなどを挙げることができる。
前記水溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。
前記pH調整剤としては、塩酸、水酸化ナトリウムなどを挙げることができる。緩衝剤としては、リン酸塩、乳酸、カルボン酸などを挙げることができる。錯化剤としては、乳酸、カルボン酸などを挙げることができる。
前記処理した基材を上記無電解メッキ液に浸漬させる手段やメッキ皮膜を形成させる条件は特に制限されないのであって、用いる基材の種類や形状、形成させる貴金属の種類、形成されるメッキ皮膜の持たせる性状、機能等に応じて変動するので一概に規定することができないが、例えば、室温以上であって基材の融点以下の温度にて、数分から数時間程度基材を浸漬することが好ましい。
なお、本発明では、無電解メッキ用基材を無電解メッキ液中に浸漬し、基材のガラス転移点以上でかつ融点以下の温度において加熱処理することが特に好ましい。
このようにして形成されたメッキ皮膜は、当該皮膜が貴金属粒子に空隙無く密着しており、基材表面に強固に密着されている。
無電解メッキ液は、処理の直前に調製することが望ましく、そのためには、たとえば金属含有化合物の水溶液と還元剤含有水溶液を別々につくっておき、この両者を使用直前に混合するのが便利である。
本発明のメッキ技術は、プリント基板、電子デバイス実装パッケージ、フラットパネルディスプレー、太陽電池などの配線基盤、電極、あるいは電子機器の電磁波シールド膜などを構成する材料のメッキに応用することができる。
本発明により、粒子の一部が基材に埋まった貴金属粒子が基材表面に存在する物であって、粒子の全ての部分が基材中に埋め込まれた貴金属粒子は存在しない物(以下、本発明の物ということがある)が得られる。本発明の物は、所謂ナノ粒子が基材中に一部埋まり、一部露出した状態で基材表面に存在しているので、例えば触媒としての機能等の前記貴金属粒子が有する機能を効率的に果たすことができる。そのうえ、本発明の物は貴金属粒子の全てが基材中に埋め込まれてはいないため、無駄がなく経済的であるし、簡単な操作・方法で製造できるので有利である。また、貴金属粒子は基材に強く固定した状態であるうえ、貴金属粒子の凝集なども殆ど無く、貴金属粒子の粒度分布が広くはないなどの点でも有利である。さらに、操作が煩雑な従来法と比較すると、操作の煩雑さも改善されている。また、本発明の物は貴金属粒子が基材表面に強く固定されているので、例えば、触媒や抗菌材など貴金属粒子が機能する用途に有効である。
特に、本発明の物を無電解メッキ前駆体として用いると、金属皮膜が貴金属粒子に空隙無く密着している程度まで優れた密着性を有するメッキ皮膜が形成されるのであり、その点でも有利である。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、数字は特に記載しない限り重量%、重量部である。
実施例1a 貴金属ゾルの調製
20mM-塩化白金酸(IV)水溶液(2.5mL)を純水で94mLに希釈し、室温下で攪拌しながら、1%-ポリビニルピロリドンK-30水溶液(1mL)および40mL-水素化ホウ素ナトリウム水溶液(5mL)を順次加え、数日放置して、暗褐色透明な白金ヒドロゾル(Pt-PVP、100mL)を得た。
実施例1b 貴金属粒子が基材表面に存在する物の製造
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製、2cm×4cm、100μm厚)を0.1%-塩化ステアリルトリメチルアンモニウム水溶液中に数秒間浸漬したのち水洗し、さらに、実施例1aで調製されたPt-PVP中に1分間浸漬し水洗した。乾燥させた後、空気中、180℃において5分間加熱して、白金粒子が基材表面に存在するPETフィルムを得た。
前記白金粒子が基材表面に存在するPETフィルムを、光硬化性樹脂(JEOL Datum社製の D800)に埋め込み、ミクロトーム(RMC社 製のMTXL型)を用いて超薄切片を作製した。当該超薄切片を透過型電子顕微鏡(LEO社製の922型)により観察した。その結果、PETフィルム表面に、粒径10nm以下の白金粒子が一部をフィルム中に埋め込まれた状態で存在することが確認され、その白金粒子の多くはその粒径が2〜4nmであることも確認された。フィルム中に埋め込まれていない白金粒子は無かった。これらの白金粒子はフィルムに強く結合していて、下記粘着テープ試験によっても白金粒子の剥れを確認できなかった。
(粘着テープ試験)
上記PETフィルムの白金粒子存在面に市販のセロファンテープを貼り付け、自重2kgのローラーを用いて3往復して前記セロファンテープを押圧処理し、次いで室温下3分間経過後、当該セロファンテープを引き剥がし、セロファンテープの粘着剤層の表面を観察し、未処理のセロファンテープの粘着剤層の表面と肉眼で対比判断して、セロファンテープに付着した白金粒子の有無を判断する(以下、同様)。
実施例2 積層体の製造
実施例1bで得られた表面に白金粒子が存在するPETフィルムを、40mM-水素化ホウ素ナトリウム水溶液中に1分間浸漬した後、水洗し、さらに、等体積の20mM-塩化金(III)酸水溶液と40mL-過酸化水素水溶液を使用直前に混合して得た無電解金メッキ液(4mL)中に室温下で5分間浸漬して金の皮膜を形成させ、水洗、乾燥して、金メッキされたPETフィルムを得た。
この金メッキ皮膜は良好な密着性を示し、粘着テープ試験による剥れは全く認められなかった。実施例1bと同様に操作し、超薄切片を透過型電子顕微鏡により観察した。その結果、PETフィルム表面に、粒径10nm以下の白金粒子が一部をフィルム中に埋め込まれた状態で存在することが確認され、その白金粒子の多くはその粒径が2〜4nmであることも確認された。また空隙なく白金粒子の露出部分に結合した厚さ40nmの一様な金メッキ皮膜が存在することが確認された。
上記金メッキ皮膜の密着性試験はJIS K5600-5-6に準拠した。具体的には上記6ナイロンフィルムのメッキ皮膜面にカッターナイフで軽く縦横6本づつの溝を入れ、セロファンテープを貼り付けた上で、当該セロファンテープを引き剥がし、セロファンテープと共に引き剥がされた小片の個数から金メッキ皮膜の密着性を知ることができる(以下、同様)。
実施例3 貴金属粒子が基材表面に存在する物の製造
PETフィルム(2cm×4cm、100μm厚)を0.1%-塩化ステアリルトリメチルアンモニウム水溶液中に数秒間浸漬したのち水洗し、さらに、Pt-PVP中に1分間浸漬し水洗した。乾燥させた後、窒素中、180℃において5分間加熱して、PETフィルムおよび白金粒子から成る貴金属粒子が基材表面に存在する物を得た。
前記貴金属粒子が基材表面に存在する物を実施例1bと同様に操作し、作製された超薄切片を透過型電子顕微鏡により観察した。その結果、PETフィルム表面に、粒径10nm以下の白金粒子が一部をフィルム中に埋め込まれた状態で存在することが確認され、その白金粒子の多くはその粒径が2〜4nmであることも確認された。これらの白金粒子はフィルムに強く結合していて、粘着テープ試験によっても剥れなかった。
実施例4 積層体の製造
実施例3で得られた白金粒子を含むPETフィルムを、等体積の20mM-塩化金(III)酸水溶液と40mM-過酸化水素水溶液を使用直前に混合して得た無電解金メッキ液(4mL)中に室温下で5分間浸漬して金の皮膜を形成させ、水洗、乾燥して、金メッキしたPETフィルムを得た。
この金メッキ皮膜は良好な密着性を示し、実施例2に示した粘着テープ試験による剥れは全く認められなかった。実施例1bと同様に操作し、超薄切片を透過型電子顕微鏡により観察した。その結果、PETフィルム表面に、粒径10nm以下の白金粒子が一部をフィルム中に埋め込まれた状態で存在することが確認され、その白金粒子の多くはその粒径が2〜4nmであることも確認された。また空隙なく白金粒子の露出部分に結合した厚さ40nmの一様な金メッキ皮膜が存在することが確認された。
実施例5a 貴金属ゾルの調製
蔗糖(1g)の水溶液(92.5mL)に、室温下で攪拌しながら20mM-塩化パラジウム(II)水溶液(100mMの塩化ナトリウムを含む、2.5mL)および40mM-水素化ホウ素ナトリウム水溶液(5mL)を順次加え、1日放置して、暗褐色透明なパラジウムヒドロゾル(Pd-suc、100mL)を得た。
実施例5b 貴金属粒子が基材表面に存在する物の製造
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製、2cm×4cm、100μm厚)を0.1%-塩化ステアリルトリメチルアンモニウム水溶液中に数秒間浸漬したのち水洗し、さらに、実施例5aで調製されたPd-suc中に30分間浸漬し水洗した。これを乾燥させた後、空気中、180℃において5分間加熱して、パラジウム粒子が基材表面に存在するPETフィルムを得た。
前記パラジウム粒子が基材表面に存在するPETフィルムを、実施例1bと同様に操作し、超薄切片を透過型電子顕微鏡により観察した。その結果、PETフィルム表面には、粒径10nm以下のパラジウム粒子が一部をフィルム中に埋め込まれた状態で存在することが確認され、そのパラジウム粒子の多くはその粒径が3〜5nmであることも確認された。そのパラジウム粒子はフィルムに強く結合していて、実施例1bに示した粘着テープ試験によっても脱落することはなかった。
実施例6a 無電解ニッケルメッキ液の調製
硫酸ニッケル(II)六水塩(8mmol)、乳酸(30mmol)およびプロピオン酸(3mmol)を純水(約70mL)中に溶解し、次に、次亜リン酸ナトリウム(24mmol)を溶解した。さらに、1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを4.5に調節し、総体積が100mLとなるまで純水を加えて無電解ニッケルメッキ液を得た(Thin Solid Films, 2007年、515巻、7798-7804ページの記載に準じた)。
実施例6b 積層体の製造
実施例5bで調製されたパラジウム粒子が表面に存在するPETフィルムを、上記の無電解ニッケルメッキ液(5mL)中に70℃で10分間浸漬してニッケルの皮膜を形成させ、水洗、乾燥後して、ニッケルメッキされたPETフィルムを得た。
このニッケルメッキ皮膜は良好な密着性を示し、実施例2に示した密着性試験での粘着テープによる剥れは全く認められなかった。実施例1bと同様に操作して作製した超薄切片を透過型電子顕微鏡により観察した結果、PETフィルム表面に、粒径10nm以下のパラジウム粒子が一部をフィルム中に埋め込まれた状態で存在することが確認され、そのパラジウム粒子の多くはその粒径が3〜5nmであることも確認され、空隙なくそのパラジウム粒子の露出部分に結合した厚さ100nmの一様なニッケルメッキ皮膜が存在することが確認された。
本発明を次のように記載することもできる。
(1)基材表面に粒径が10nm以下の貴金属粒子が存在する物であって、前記貴金属粒子はその粒子の一部分が前記基材中に埋まっており、粒子の全ての部分が基材に埋まっている貴金属粒子は存在せず、しかも下記粘着テープ試験により前記貴金属粒子は剥離しないことを特徴とする貴金属粒子が基材表面に存在する物。セロファンテープを前記貴金属粒子が基材表面に存在する物の貴金属粒子面に貼り付け、室温下にて所定時間経過後、貴金属粒子面からセロファンテープを剥がす試験。
(2)基材を貴金属ゾル中に浸漬処理する工程、および前記基材のガラス転移点以上でかつ融点以下の温度で、空気中において前記基材を加熱処理する工程を有する方法により得られることを特徴とする請求項1記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物。
(3)基材と該基材表面の貴金属ゾルとを加熱して得られることを特徴とする基材層と貴金属粒子層の積層体。
(4)貴金属粒子層を構成する貴金属粒子の一部が基材層に埋め込まれている上記3記載の積層体。
(5)上記1記載の構成物の貴金属粒子面に金属皮膜層が配置されたことを特徴とする積層体。
(6)上記3または4記載の積層体の貴金属粒子層の表面に金属皮膜層が配置されたことを特徴とする積層体。

Claims (12)

  1. 基材表面に粒径が10nm以下の貴金属粒子が存在する物であって、前記貴金属粒子はその粒子の一部分が前記基材中に埋まっており、粒子の全ての部分が基材に埋まっている貴金属粒子は存在しないことを特徴とする貴金属粒子が基材表面に存在する物。
  2. 基材が熱可塑性ポリマーまたは加熱により軟化するポリマーであることを特徴とする請求項1記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物。
  3. 貴金属粒子が白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、金、銀、イリジウム、オスミウムの中から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物の表面に金属皮膜が配置されていることを特徴とする積層体。
  5. 貴金属粒子が基材表面に存在する物の貴金属粒子表面に厚さが10〜200nmの金属皮膜が配置された請求項4記載の積層体。
  6. 金属皮膜が金、銀、ニッケル、コバルト、銅の中から選ばれた少なくとも1種の皮膜である請求項4または5記載の積層体。
  7. 基材を貴金属ゾル中に浸漬処理する工程、および前記基材のガラス転移点以上でかつ融点以下の温度で、空気中において前記基材を加熱処理する工程を有することを特徴とする請求項1記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物の製造方法。
  8. 基材を貴金属ゾル中に浸漬処理する工程、および前記基材のガラス転移点以上でかつ融点以下の温度で、不活性ガス雰囲気下において前記基材を加熱処理する工程を有することを特徴とする請求項1記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物の製造方法。
  9. 基材を陽イオン性界面活性剤水溶液中に浸漬処理する工程をさらに有することを特徴とする請求項7または8記載の貴金属粒子が基材表面に存在する物の製造方法。
  10. 請求項7記載の方法により得られた貴金属粒子が基材表面に存在する物を還元剤水溶液で処理する工程、および前記処理工程物を無電解メッキ液に浸漬する工程を有することを特徴とする請求項4または5記載の積層体の製造方法。
  11. 請求項8記載の方法により得られた貴金属粒子が基材表面に存在する物を無電解メッキ液に浸漬する工程を有することを特徴とする請求項4または5記載の積層体の製造方法。
  12. 無電解メッキ液が、金、銀、ニッケル、コバルト、銅の無電解メッキ液の中から選ばれた少なくとも1種である請求項10または11記載の製造方法。
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