JP2010142775A - 塗工装置、塗工方法、管状成型体の製造方法、無端ベルト、中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト、定着ベルト、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芯体10を、軸線が水平になるように支持するとともに、軸線の回りに回転させる保持部材12と、保持部材12によって支持された芯体10の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、芯体10の外表面に塗工液を流下させるディスペンサ20と、先端部が芯体10の外表面に所定の押圧力で押圧された状態でディスペンサ20と共に芯体10の一端から他端に向かって移動しつつ、ディスペンサ20から芯体10の外表面に流下した塗工液を所定の厚みに均すブレード22と、を備え、ブレード22の先端部における芯体10に接する側の面が、前記芯体の外表面の湾曲方向とは反対の方向に湾曲または屈曲するように形成されている塗工装置。
【選択図】図3
Description
実施形態1に係る塗工装置100は、図1および図2に示すように、軸線が水平に位置するように、両端が芯体回転支持手段である保持部材12で保持され、回転手段(図示せず。)によって軸線の回りに回転する円筒状の芯体10と、容器14に貯留されたPI樹脂前駆体溶液を芯体10の外表面に流下させるディスペンサ20と、ディスペンサ20によって芯体10の表面に流下したPI樹脂前駆体溶液を所定の厚みに均す板状部材であるブレード22と、芯体10の他端近傍に設けられたブレード22を洗浄するためのスポンジ24とを備える。ディスペンサ20は本発明におけるディスペンサ手段に相当する。
とくに、PI樹脂前駆体溶液のように粘度が高く、チクソトロピ性を有する塗布液を塗工する際に、塗布タクトを短縮するために芯体の回転数を上げると前記問題が顕著に生じることがあった。
実施形態1に記載の塗工装置で作製された無端ベルトを中間転写ベルト、搬送ベルト、および定着ベルトとして用いた電子写真式の画像形成装置について以下に説明する。
(1)PI樹脂前駆体溶液の調製
攪拌棒、温度計、および滴下ロートを取り付けたフラスコに、五酸化燐で乾燥した窒素ガスを流通させながら、N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と略称する。)1977.6gを注入した。NMPを加熱して液温を60℃まで上昇させた後に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1.0モル)を添加して溶解させた。4,4’−ジアミノジフェニルエーテルがNMPに溶解したのを確認したら、液温を60℃に保ちながら3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物294.2g(1.0モル)を添加して攪拌、溶解させた。3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物の溶解を確認後、更に液温を60℃に保ちながら攪拌を継続してポリアミック酸(PI樹脂前駆体)の重合反応を行った。重合反応を24時間継続し、固形分濃度が20質量%のPI樹脂前駆体溶液を得た。
次に、得られたPI樹脂前駆体溶液500gに非イオン系高分子としてポリビニル−2−ピロリドン(Luvitec(登録商標)K17、BASFジャパン株式会社製、以下「PVP」と略する。)0.5gを添加、溶解させた。次に、導電剤として、酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(商品名、Degussa製)、pH4.0、揮発分14.0%、以下「CB」と略する。)25.0gを添加してボールミルにて6時間処理してCBの分散を行った。
図4に示す塗工装置102に、芯体10として、外径90mm、長さ450mmの金属製円筒状金型を軸線が水平になるように保持部材12に装着した。なお、芯体10の外表面には予め弗素系理系剤を塗布し、作製後の無端ベルトが容易に脱着できるようにした。ディスペンサ20として、容器14に貯留されたPI樹脂前駆体溶液を空気圧で内径4mmのノズル18から押し出す形態のものを用いた。
(4−1)外観
得られた無端ベルトにつき、気泡の有無を目視で観察した。観察は3人の検査者によって行い、以下の基準で評価した。
0:無端ベルト表面に何れの大きさの気泡も認められなかった。
1:無端ベルト表面に直径2mm以上の大きさの気泡が認められず、直径2mm未満の気泡は1個以上5個未満認められた。
2:無端ベルト表面に直径2mm以上の大きさの気泡が1個以上5個未満、または直径2mm未満の気泡は5個以上10個未満認められた。
3:無端ベルト表面に直径2mm以上の大きさの気泡が5個以上、または直径2mm未満の気泡が10個以上認められた。
得られた無端ベルトにつき、ボイドの有無を目視で観察した。観察は3人の検査者によって行い、以下の基準で評価した。
0:無端ベルト表面に何れの大きさのボイドも認められなかった。
1:無端ベルト表面に直径2mm以上の大きさのボイドが認められず、直径2mm未満のボイドは1個以上5個未満認められた。
2:無端ベルト表面に直径2mm以上の大きさのボイドが1個以上5個未満、または直径2mm未満のボイドは5個以上10個未満認められた。
3:無端ベルト表面に直径2mm以上の大きさのボイドが5個以上、または直径2mm未満のボイドが10個以上認められた。
得られた無端ベルトにつき、外表面の螺旋状ムラの有無を目視で観察し、観察は3人の検査者によって行い、以下の基準で評価した。
0:3人の検査者の何れも螺旋ムラの発生を認めない。
1:3人の検査者のうち、1人が螺旋ムラの発生を認めた。
2:3人の検査者のうち、2人が螺旋ムラの発生を認めた。
3:3人の検査者の何れも螺旋ムラの発生を認めた。
結果は何れも「0」であった。
無端ベルトの膜厚は、サンコー電子株式会社製の渦電流式膜厚計CTR−1500を用いて、無端ベルトの両端部20mmの範囲内で軸方向に5mmピッチ(83点)で測定し、その平均値を求めた。膜厚は80±2μであった。
富士ゼロックス株式会社製DocuCentreColor2220(商品名)の改造機(プロセス速度:250mm/sec、一次転写電流:35μA)を使用し、高温高湿(28℃、85%RH)および低温低湿(10℃、15%RH)でシアンおよびマゼンタの50%ハーフトーンを富士ゼロックス株式会社製C2記録紙に出力し、以下の基準で濃度ムラを目視で評価した。
○:濃度ムラは認められるが問題のないレベルである。
×:濃度ムラがはっきりと認められた。
ブレード22の形状および押圧力設定値を表1、2のように変向した以外は、実施例1と同様の手順、条件で無端ベルトを作製し、無端ベルトの外観、膜厚、コピー画質を評価した。結果を表1、2に示す。なお、表2においてブレードの形状において「#8」とあるのは、図14に示すように、ブレード22の面に対して直角に先端を切落した形態のブレードである。
12 保持部材
14 容器
16 ポンプ
18 ノズル
20 ディスペンサ
22 ブレード
24 スポンジ
100 塗工装置
200 画像形成装置
Claims (12)
- 円筒状または円柱状の芯体を、前記芯体の軸線が水平になるように支持するとともに、前記軸線の回りに回転させる芯体支持回転手段と、
前記芯体支持回転手段によって支持された芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記芯体の外表面に塗工液を流下させるディスペンサ手段と、
先端部が前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧された状態で前記ディスペンサ手段と共に前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記ディスペンサ手段から前記芯体の外表面に流下した塗工液を均すブレードと、
を備え、
前記ブレードの先端部における前記芯体に接する側の面は、前記芯体の外表面の湾曲方向とは反対の方向に湾曲または屈曲するように形成されている塗工装置。 - 前記ブレードの先端部における前記芯体に接する側の面は、弧状または部分楕円状に湾曲した断面形状を有する請求項1に記載の塗工装置。
- 前記ブレードの先端部における前記芯体に接する側の面は、楔型の断面形状を有する請求項1に記載の塗工装置。
- 前記ブレードの先端部の先端角は20〜50度である請求項3に記載の塗工装置。
- 円筒状または円柱状の芯体を、軸線が水平になるように保持しつつ、前記軸線の周りに回転させ、前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かってディスペンサを移動させつつ、前記ディスペンサから前記芯体の外表面に塗工液を流下させ、ブレード部材の先端部を前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧させて前記ディスペンサとともに芯体の一端から他端に移動させ、前記芯体の外表面に流下した塗工液を均して塗工する塗工工程と、
芯体の外表面に塗工された塗工液を乾燥、固化して皮膜とする皮膜形成工程と、
を有し、
前記塗工工程においては、先端部における芯体に接する側の面が前記芯体の外表面の湾曲方向とは反対の方向に湾曲または屈曲する断面形状を有するブレードを用いる塗工方法。 - 請求項5に記載の塗工方法によって芯体の外表面に管状の皮膜を形成した後、前記皮膜から芯体を抜去して管状成型体とする管状成型体の製造方法。
- 請求項6に記載の管状成型体の製造方法によって製造された無端ベルト。
- 請求項7に記載の無端ベルトから形成された電子写真式画像形成装置用の中間転写ベルト。
- 請求項7に記載の無端ベルトから形成された電子写真式画像形成装置用の転写ベルト。
- 請求項7に記載の無端ベルトから形成された電子写真式画像形成装置用の搬送ベルト。
- 請求項7に記載の無端ベルトから形成された電子写真式画像形成装置用の定着ベルト。
- 請求項8に記載の中間転写ベルト、請求項9に記載の転写ベルト、請求項10に記載の搬送ベルト、および請求項11に記載の定着ベルトの少なくとも1つを有する電子写真式の画像形成装置。
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