JP2010140641A - 絶縁電線の製造方法 - Google Patents

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覚 藤原
Kenji Kawamura
賢治 川村
Makoto Suyama
誠 須山
Masayuki Ataka
正之 安宅
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Abstract

【課題】除去ローラを使用して未電着ワニスを高い線速をもって除去し、均一な絶縁層が得られる絶縁電線の製造方法を提供する。
【解決手段】電着槽10内を連続的に通過させつつ導体1の外面に電着被膜を付着させる電着被膜付着工程の後に、導体1の外面に付着した電着被膜を連続的に焼付ける焼付工程を経て、導体1の外面に絶縁層を被覆形成する絶縁電線の製造方法に於て、電着槽10の底壁部を貫通して、下から上へ鉛直方向に導体1を走行させ、電着槽10の上方位置に千鳥状に配設した2個の持ち出しワニス除去ローラ20,30によって、鉛直方向に走行中の導体1の電着被膜の外面に付着した未電着ワニスを連続的に除去し、その後、焼付工程へ送る。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線の製造方法に関する。
一般に、マグネットワイヤ等として、銅等の導体の外面に、ワニスを被覆した絶縁電線が広く用いられている。このような絶縁電線の製造方法としては、電着槽内を連続的に通過させつつ導体の外面に電着被膜を付着させた後に、導体の外面に付着した電着被膜を連続的に焼付け、導体の外面に絶縁層を被覆形成する方法が広く知られている。このような絶縁電線の製造方法に於て、未硬化状のワニスを除去する従来の方法としては、特許文献1記載のように、電着被膜付着の後、焼付けの前に、エアワイパを使用し空気を吹き付けて未硬化状のワニスを部分的に吹き飛して除去する方法が提案されている。
また、特許文献2に於て、未電着ワニスの過付着分を除去する方法として除去ローラを用いることが、用語としてのみ記載されている(同特許文献2の第3項左下欄の下から5〜4行目参照)。
特開2008−177068号公報 特開平4−12407号公報
しかし、上記特許文献1のようにエアワイパを使用する方法は、導体の走行が高速の場合に、短時間でワニスを除去するために、吹き付ける空気の風圧を高くせねばならず、必要な電着被膜まで除去してしまい、良好な絶縁層が得られないという問題があった。
また、高圧で吹き付ける空気によって、導体が揺動するため、製造装置に接触し、電着被膜を破損する可能性があった。つまり、エアワイパの出力を上げて導体走行の高速化に対応するには限界があった。
また、除去ローラを使用する方法は、上記特許文献2に用語のみ記載が見られるといえども、従来、現実には除去ローラの使用は至難であって、全く実施がなされていなかった。その理由は、特許文献2の工程では、絶縁電線の製造工程(電着工程、焼付工程)が、地面に対して平行方向に進捗しているため、重力の作用によって、導体上部に付着した未電着ワニスの量と、導体下部(地面側)に付着した未電着ワニスの量とが異なり安定した未電着ワニスの除去が極めて難しいと考えられていたためである。
そこで、本発明は、除去ローラを使用して、電着被膜を傷つけることなく美しく、高速にて、導体表面に電着被膜を均一に付着することが可能な製造方法の提供を目的とする。言い換えると、電着層から出た直後の未電着ワニスのみを、高い線速で導体を走行しつつ、確実かつ十分に除去して、その後の焼付工程の後に、気泡が僅少乃至皆無であって、外観が良好で、耐電圧特性が優れた均一な厚さの絶縁層が得られる絶縁電線の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の絶縁電線の製造方法は、電着槽内を連続的に通過させつつ導体の外面に電着被膜を付着させる電着被膜付着工程の後に、導体の外面に付着した電着被膜を連続的に焼付ける焼付工程を経て、導体の外面に絶縁層を被覆形成する絶縁電線の製造方法に於て、上記電着槽の底壁部を貫通して、下から上へ鉛直方向に上記導体を走行させ、該電着槽の上方に配設した持ち出しワニス除去ローラによって、鉛直方向に走行中の上記導体の上記電着被膜の外面に付着した未電着ワニスを連続的に除去し、その後、上記焼付工程へ送る方法である。
また、鉛直方向に下から上へ走行する上記導体に、上記持ち出しワニス除去ローラを、回転駆動しつつ接触させて上記未電着ワニスを連続的に除去すると共に、上記導体の走行速度をV1 とし、上記持ち出しワニス除去ローラの周速度をV20,V30とすると、V20>V1 かつV30>V1 となるように各速度を設定した方法である。
また、上記持ち出しワニス除去ローラを千鳥状に配設したものである。
また、上記持ち出しワニス除去ローラの円形外周面が幅方向に同一外径寸法に形成したものである。
また、上記持ち出しワニス除去ローラの上記外周面は、幅方向の平均表面粗さを、周方向の平均表面粗さよりも大きくしたものである。
本発明の絶縁電線の製造方法によれば、電着被膜付着工程で余分に付着した未電着ワニスを均一かつ十分に除去し、未硬化状の電着被膜を傷つけることなく次の焼付工程へ送って、導体の外面に均一な絶縁層を高精度に美しく被覆形成することができる。得られる絶縁電線は、その絶縁層に気泡がほとんど乃至全く含まれず、外観良好で、耐電圧特性が特に優れる。
しかも、導体の線速を十分に増加させることが可能となって、絶縁電線の生産効率を向上させることができる。つまり、従来のエアワイパを使用した線速より、ローラを並列に配置した場合、3倍程度の線速、千鳥状に配置した場合、4倍程度の線速の高速化を達成した。
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1は本発明の絶縁電線の製造方法の実施の一形態を示す全体構成説明図であり、図2は、図1のA−A拡大断面図である。また、図8は他の実施の形態を示す全体構成説明図である。
銅や銅合金等の金属材料から成る導体1は、下方に設置された図外の繰り出しローラから上方に所定の走行速度をV1 にて送り出されている。また、導体1は、プラス極となるように下方端を電源のプラス電極(図示省略)と接続する。導体1は、電着液11を貯えた電着槽10の底壁部に設けられた導入孔18を介して、電着槽10内を下から上へ連続的に通過する。導体1は、図2に示すように、横断面が長辺15と短辺16を有する矩形状(平角状)である。
電着槽10は、電源のマイナス電極(図示省略)と接続されたマイナス電極12,12が差し込まれている。電着槽10内の電着液11は、溶質として泳動中の樹脂微粒子13を有している。電着液11としては、公知のものを適用すれば良い。
樹脂微粒子13は、上述のマイナス電極12,12によってマイナス電荷に帯電して、電気的な力で2点鎖線の矢印のようにプラス極の導体1に引き寄せられる。樹脂微粒子13は、導体1の外面1aに付着し、電着樹脂微粒子14として導体1の外面1aを覆う電着被膜2を形成する。
導体1の外面1aに電着槽10内で樹脂微粒子13を付着し、付着した電着樹脂微粒子14にて電着被膜2を形成する上述の工程を、電着被膜付着工程と呼ぶ。
この導体1を、電着槽10から上方へ引き出して、後述の持ち出しワニス除去工程を経て、次に、上方に設けた焼付炉5内に通過させ、導体1の外面1aに付着した未硬化状の電着被膜2を、焼付け処理して、熱変性硬化させて、耐電圧特性を有する絶縁層4を形成する。この焼付工程を経て、導体1は、絶縁層4を被覆した絶縁電線を形成する。そして、絶縁電線は、焼付炉5のさらに上方に設けた図示省略の巻取ローラに巻き取られていく。
ここで持ち出しワニス除去工程について説明する。電着槽10を通過した後、導体1は、図3に示すように、電着樹脂微粒子14を電着して形成した電着被膜2の層と、電着被膜2の外側に電着液11が付着形成された未電着ワニス3の層と、によって覆われている。即ち、未電着ワニス3が余分に付着している。
焼付工程に於て、電着被膜2の外側に未電着ワニス3が残存したまま焼付炉5に入ると、水分の蒸発による発泡が起こり、絶縁電線の外観不良や耐電圧特性不良等の原因となる為、焼付工程の前に、上記持ち出しワニスの除去工程にて、未電着ワニス3の過付着分を除去する必要がある。
そこで、電着被膜付着工程と、次の焼付工程との間に、持ち出しワニス除去工程が介設される。即ち、図1のように、(又は、図8のように、)電着槽10と焼付炉5との間に配置した2個の持ち出しワニス除去ローラ20,30を用いて、(図2から図3にて既述した)余分に持ち出された未電着ワニス3の層を除去する。
図1に於て、2個の持ち出しワニス除去ローラ20,30は、電着槽10の上方位置に千鳥状に配置される。なお、各ローラ20,30をそれぞれ水平(左右)方向に微動調節可能とするのが望ましい。本発明に於て、千鳥状に配置とは、2個の持ち出しワニス除去ローラ20,30の上下位置を相違させると共に、左右逆方向から導体1へ接近するように配置することである。または、図8に示す他の実施の形態のように、2個の持ち出しワニス除去ローラ20,30は、並列に配置される。各ローラ20,30をそれぞれ水平(左右)方向に微動調節可能とすることが重要である。本発明に於て、並列に配置とは、2個のローラ20,30を上下同一高さに、かつ、左右逆方向から導体1に接近するように配置することである。
図7は、持ち出しワニス除去ローラ20,30の一つの実施例を示す説明図であり、図9は、ワニス除去ローラ20,30の斜視図である。
持ち出しワニス除去ローラ20,30は、円形の円盤状であって、回転軸心L0 と平行な方向、つまり、幅方向L(図9に示す矢印L方向)に同一外径寸法に形成された円形外周面21,31を有している。言い換えると、図7に示すように、円形外周面21,31は、断面形状が回転軸心L0 に対して平行な直線状である。
各ローラ20,30の円形外周面21,31の幅寸法W21,W31は、横断面矩形状の導体1の長辺寸法W1 の3倍〜6倍に大きく設定するのが良い。なお、各ローラ20,30の外周端角部に直線状面取り(勾配面)19を形成している。
ワニス除去ローラ20,30は、回転軸をベアリングで保持され、回転軸の摩擦係数は、0.001 〜0.003 程度に設定し、芯振れが起こらないように配慮し、特に、エア軸受け(摩擦係数:略0)を採用するのが好ましい。
また、ワニス除去ローラ20,30は、電気モーター(図示省略)によって駆動され、各ローラ20,30の周速度をV20,V30とすると、導体1の走行速度V1 に対して、V20>V1 かつV30>V1 となるように各速度を設定する。つまり、ワニス除去ローラ20,30の周速度V20,V30は、導体1の鉛直上方向の走行速度V1 よりも大きく設定されている。
ワニス除去ローラ20,30の材質は、樹脂、金属等の親水性がよいものが挙げられ、特に耐食性に優れたステンレス鋼で構成されている。また、ワニス除去ローラ20,30は、直径寸法を50mm〜 300mm程度に設定するのが好ましい。下限値未満であると、ローラ20,30の円形外周面21,31が、急に、導体1側から離れていって、未電着ワニス3のローラ20,30への転移時間が十分ではなくなる傾向にある。逆に、上限値を超えると、装置全体が大型化し、かつ、未電着ワニス3のローラ20,30への転移時間が無駄な様に長くなるからである。
次に、持ち出しワニス除去ローラ20,30の各円形外周面21,31の表面粗さについて説明すると、図9に示す幅方向Lに沿って計測した平均表面粗さRa1を、周方向Rに沿って計測した平均表面粗さRa2よりも大きくする。即ち、Ra1>Ra2とする。
さらに説明すれば、仮に円形外周面21,31が鏡面であるとすると、親水性に劣り、ローラ20,30を千鳥状に配置の場合には、図3の状態から図4のように、さらに、図5のように、(なお、並列にローラ20,30を配置の場合は図4と図5とが同時に行われる。)持ち出された余分な未電着ワニス3を十分にローラ20,30の円形外周面21,31へ転移(転写)できない。逆に、周方向Rの表面粗さまでも十分に粗くすれば、(図1にて述べたように)V20>V1 かつV30>V1 であるので、本来残すべき電着被膜2までも、いわば削り取ることとなり、傷を付けてしまう。
なお、本発明において、平均表面粗さとは、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値をマイクロメートル(μm)で表したものである。
また、図1又は図8に示すように、ワニス除去ローラ20,30には、除去処理した未電着ワニス3が円形外周面21,31に滞留しないように掃除する掃除部材22,32を接触させている。掃除部材22,32は、回転するワニス除去ローラ20,30の円形外周面21,31に接触し、未電着ワニス3を拭き取る吸水性のある布(例えば機械の油ふき等に用いる布。)や吸水性のある紙から成る。
ここで、千鳥状にローラ20,30を配置した場合から説明すると、持ち出しワニス除去工程の第一段階として、図1と図4に示す如く、電着層10寄りに配設される第一持ち出しワニス除去ローラ20に接触する。持ち出しワニス除去ローラ20は、導体1の一方の長辺15に接近して、円形外周面21の親水性によって、(水に樹脂粒子を分散させた状態の)水分散ワニスから成る電着ワニスの表面張力に打ち勝って、図4に示すように、上記一方の長辺15及び短辺16,16の一部分から未電着ワニス3を除去できる。持ち出しワニス除去ローラ20は、その直径寸法を、50mm〜 300mmと十分に大きく設定しているため、円形外周面21と、未電着ワニス3と、は十分に長く接触した状態を維持する。このようにして未電着ワニス3は、親水性を有する円形外周面21側に移転(転写)される。
ワニス除去ローラ20は、周速度であるV20を、導体1の走行速度であるV1 よりも大きく設定されているため、ワニス除去ローラ20側に移し取った未電着ワニス3を、導体1から直ちに持ち去る。よって、ワニス除去ローラ20と導体1との間に、ワニス溜まりを発生することなく確実に未電着ワニス3を除去する。言い換えれば、図12に示すように、V20がV1 以下の速度に設定された場合は、ワニス除去ローラ20と導体1との間に、ワニス溜まりYを発生させる虞れがあるが、本発明では、V20>V1 に設定して、このようなワニス溜まりYの発生を防止できる。
ワニス除去ローラ20は、周方向Rで接触し、幅方向Lの平均表面粗さRa1より、周方向Rの平均表面粗さRa2が小さく設定していることにより、未硬化状の電着被膜2を傷つけることがない。しかも、幅方向Lの平均表面粗さRa1が十分に大きいことで親水性を発揮して、未電着ワニス3を均一かつ十分に除去するので、好ましい。
持ち出しワニス除去工程の第二段階として、図1と図5に示す如く上方位置の持ち出しワニス除去ローラ30に接触する。持ち出しワニス除去ローラ30は、導体1の他方の長辺15に接近して、円形外周面31の親水性によって、水分散ワニスから成る電着ワニスの表面張力に打ち勝って、図5に示すように、他方の長辺15及び短辺16,16の一部分から未電着ワニス3を完全に除去できる。持ち出しワニス除去ローラ30は、その直径寸法を、50mm〜 300mmと十分に大きく設定しているため、円形外周面31と、未電着ワニス3と、は十分に長く接触した状態を維持する。このようにして、水分散型の未電着ワニス3は、親水性を有する円形外周面31との接触により、持ち出しワニス除去ローラ30側に移し取られる。
ワニス除去ローラ30の周速度であるV30は、導体1の走行速度であるV1 よりも大きく設定されているため、ワニス除去ローラ30は、移し取った未電着ワニス3を、導体1から直ちに持ち去る。上述の第一段階と同様に、V30がV1 以下の速度に設定された場合は、図12に示すように、ワニス除去ローラ20と導体1との間に、ワニス溜まりYを発生させる虞れがあるが、V30>V1 としたことで、このようなワニス溜まりYの発生を防止できる。
ワニス除去ローラ30は、周方向Rに摺接し、幅方向Lの平均表面粗さRa1より、周方向Rの平均表面粗さRa2が小さく設定していることにより、未硬化状の電着被膜2を傷つけることなく未電着ワニス3を均一かつ十分に除去する。
このように、持ち出しワニス除去工程の第一段階及び第二段階を順次経ることによって、図3のように外周面に未電着ワニス3が付着していた状態から、図4を経て、図5に示すように、完全に未電着ワニス3が除去される。つまり、図5に示すように、導体1の外面1aには、均一な電着被膜2の層が形成される。
持ち出しワニス除去ローラ20,30は、長手方向に位置をずらせて、 180°反対側から接近するように、千鳥状に配置されることで、導体1の長辺15側から交互に接触し、未電着ワニス3に対して高精度に均一な小さな接触圧を与える。
したがって、持ち出しワニス除去ローラ20,30は、未電着ワニス3を確実に除去し、高精度に均一な電着被膜2を形成する。そして、焼付け工程を経て、図6に示すように、導体1の外面1aに均一な絶縁層4を高精度に、かつ、気泡を含まずに、美しく被覆形成した絶縁電線が得られる。
また、並列にローラ20,30を配置の場合には、上述の第一段階と第二段階が同時に一工程にて行われる。
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、導体1の横断面形状は、矩形状以外に、正方形,六角形状等であっても良い。その場合は、辺の数だけ除去ローラを配設した方が好ましい。なお、本発明に於て、矩形状としては、短辺16が長辺15よりも極端に小さいもの(一文字形状のもの)を含み、さらに短辺16が円弧状のものをも含んでいる。
また、掃除部材22,32は、吸水性のある布(例えば機械の油ふき等に用いる布。)や吸水性のある紙を使用する以外に、ワニス除去ローラ20,30の円形外周面21,31に洗浄水を吹き付けて洗浄すると共に(円周方向下流位置にて)エアーを吹き付けて乾燥させる方法とするも、好ましい。
また、図1に於ては、2個(1対)のワニス除去ローラ20,30を配設したが、これを4個(2対)や6個(3対)や8個(4対)と増加しても良い。
また、図8に於て、2個(1対)のワニス除去ローラ20,30を並列に配設したが、これを4個、6個、8個と増加するも自由である。
以上のように、本発明は、電着槽10内を連続的に通過させつつ導体1の外面1aに電着被膜2を付着させる電着被膜付着工程の後に、導体1の外面1aに付着した電着被膜2を連続的に焼付ける焼付工程を経て、導体1の外面1aに絶縁層4を被覆形成する絶縁電線の製造方法に於て、電着槽10の底壁部を貫通して、下から上へ鉛直方向に導体1を走行させ、電着槽10の上方に配設した持ち出しワニス除去ローラ20,30によって、鉛直方向に走行中の導体1の電着被膜2の外面に付着した未電着ワニス3を連続的に除去し、その後、焼付工程へ送るので、導体1の外面1aに均一な絶縁層4を高精度に美しく被覆形成することができる。即ち、製造される絶縁層4は、傷の無い美しい外観となり、かつ、ピンホール(気泡)が僅少乃至皆無であって、絶縁破壊電圧も十分に高く、優れた品質のものとなる。また、線速V1 も(従来の3倍〜4倍)大幅に増加可能となり、生産能率も改善できる。即ち、従来のエアワイパを使用した場合の線速と比較して、ローラ20,30を並列に配置した場合、3倍程度の線速V1 となり、ローラ20,30を千鳥状とした場合、4倍程度の線速V1 となり、高速化を達成できる。
また、鉛直方向に下から上へ走行する導体1に、持ち出しワニス除去ローラ20,30を、回転駆動しつつ接触させて未電着ワニス3を連続的に除去すると共に、導体1の走行速度をV1 とし、上記持ち出しワニス除去ローラ20,30の周速度をV20,V30とすると、V20>V1 かつV30>V1 となるように各速度を設定したので、図12に示したようなワニス溜まりYを発生させることなく高い線速V1 でも、確実に未電着ワニス3を除去することができる。
また、持ち出しワニス除去ローラ20,30を千鳥状に配設した場合には、導体1に対して、左右交互に接触し、その接触圧が小さく、均一であって、未電着ワニス3を一層確実に除去できて、高品質の絶縁電線が得られる。そして、従来のエアワイパを使用した場合の線速よりも、4倍程度の線速V1 として、高速化を達成できる。
また、持ち出しワニス除去ローラ20,30の円形外周面21,31が幅方向に同一外径寸法に形成されているので、効率よく未電着ワニス3を除去することができ、容易に線速V1 の増加が可能となり、絶縁電線の生産効率を向上させることができる。
また、持ち出しワニス除去ローラ20,30の円形外周面21,31について、幅方向Lの平均表面粗さRa1を、周方向の平均表面粗さRa2よりも大きくしているので、周方向に摺接しても、電着被膜2に傷を付けることが防止され、しかも、十分な親水性を確保して、効率よく未電着ワニス3を除去することができ、容易に導体1の増速が可能となり、絶縁電線の生産効率を向上させることができる。
本発明の絶縁電線の製造方法の実施の一形態を示す全体構成説明図である。 図1のA−A拡大断面図である。 図1のB−B拡大断面図である。 図1のC−C拡大断面図である。 図1のD−D拡大断面図である。 図1のE−E拡大断面図である。 持ち出しワニス除去ローラの実施例1〜5を示す説明図である。 本発明の製造方法の他の実施の形態を示す全体構成説明図である。 持ち出しワニス除去ローラの表面粗さを説明するための斜視図である。 ワニス溜まりの説明図である。
符号の説明
1 導体
1a 外面
2 電着被膜
3 未電着ワニス
4 絶縁層
5 焼付炉
10 電着槽
11 電着液
12 マイナス電極
13 樹脂微粒子
14 電着樹脂微粒子
20 持ち出しワニス除去ローラ
21 円形外周面
22 掃除部材
30 持ち出しワニス除去ローラ
31 円形外周面
32 掃除部材
Ra1 幅方向の平均表面粗さ
Ra2 周方向の平均表面粗さ
1 導体1の走行速度(線速)
20 持ち出しワニス除去ローラ20の周速度
30 持ち出しワニス除去ローラ30の周速度

Claims (5)

  1. 電着槽(10)内を連続的に通過させつつ導体(1)の外面(1a)に電着被膜(2)を付着させる電着被膜付着工程の後に、導体(1)の外面(1a)に付着した電着被膜(2)を連続的に焼付ける焼付工程を経て、導体(1)の外面(1a)に絶縁層(4)を被覆形成する絶縁電線の製造方法に於て、
    上記電着槽(10)の底壁部を貫通して、下から上へ鉛直方向に上記導体(1)を走行させ、該電着槽(10)の上方に配設した持ち出しワニス除去ローラ(20)(30)によって、鉛直方向に走行中の上記導体(1)の上記電着被膜(2)の外面に付着した未電着ワニス(3)を連続的に除去し、その後、上記焼付工程へ送ることを特徴とする絶縁電線の製造方法。
  2. 鉛直方向に下から上へ走行する上記導体(1)に、上記持ち出しワニス除去ローラ(20)(30)を、回転駆動しつつ接触させて上記未電着ワニス(3)を連続的に除去すると共に、上記導体(1)の走行速度をV1 とし、上記持ち出しワニス除去ローラ(20)(30)の周速度をV20,V30とすると、V20>V1 かつV30>V1 となるように各速度を設定した請求項1記載の絶縁電線の製造方法。
  3. 上記持ち出しワニス除去ローラ(20)(30)を千鳥状に配設した請求項1又は2記載の絶縁電線の製造方法。
  4. 上記持ち出しワニス除去ローラ(20)(30)の円形外周面(21)(31)が幅方向に同一外径寸法に形成されている請求項1,2又は3記載の絶縁電線の製造方法。
  5. 上記持ち出しワニス除去ローラ(20)(30)の上記円形外周面(21)(31)について、幅方向(L)の平均表面粗さ(Ra1)を、周方向(R)の平均表面粗さ(Ra2)よりも大きくした請求項1,2,3又は4記載の絶縁電線の製造方法。
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