JP2008186709A - 絶縁電線 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁性能に優れ、かつ、コンパクトに巻設可能な絶縁電線を提供することを目的とする。
【解決手段】導体1の1辺11が露出して導体露出部7を有し、かつ、この1辺11の1端に対応する角部Cに面取部4が形成され、この面取部4にも絶縁層5が被覆されている。
【選択図】図4
【解決手段】導体1の1辺11が露出して導体露出部7を有し、かつ、この1辺11の1端に対応する角部Cに面取部4が形成され、この面取部4にも絶縁層5が被覆されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、絶縁電線に関する。
従来から、絶縁電線として、例えば、マグネットワイヤ及びその製造方法として、その耐熱性や可撓性や占積率の改善について、多くの提案がなされている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
特開2005−174561号公報
特開2003−317547号公報
ところで、上記特許文献1,2に記載の絶縁電線の横断面形状は、矩形状(正方形状を含む)であり、全周面に絶縁層にて包囲されると共に、角部は、(製造工程にて意図せずに自然に形成される微小アール部を、本発明に於ては無視するとすれば、)面取りの無い角張った形状であった。
しかしながら、マグネットや高電圧トランスや非接触ICカードアンテナコイル等の用途に於て、最近、コンパクト化が一層強く要望され、コイル状に巻設したり、多層に重ねて巻設する場合には特に上記要望が強い。従来では、例えば、図14に示すように、平角線44の短辺45に於て絶縁層46を切削除去して、絶縁膜47の上に重ねて巻設した場合、隣り合う短辺45,45の導体露出部48,48相互の絶縁性能が不十分となる問題がある。
即ち、いわゆるエッジ部分と呼ばれる上記短辺45の導体露出部48, 48相互間の離間距離Eが、コイル巻き等の場合に、極めて小さくなるが、コイル巻きの状態(コイルのズレや密着具合等)によって、導体露出部48, 48相互間の絶縁が空気だけになる。一般に空気の絶縁耐力は30kV/cmであり、30V/10μmとなる。一方、絶縁層46(絶縁材)として、例えばアクリル系樹脂の場合には、 500V以上/10μmの絶縁性能である。従って、図14に示したようなコイル巻き状態で、コイルのズレや密着不具合等が生じれば、絶縁耐力の小さい空気を介して、極めて小さい前記離間距離Eでは、絶縁不良を発生する虞がある。
そこで、本発明は、コイル巻き(多層重ね巻きを含む)状態で、コンパクト化を図ることができると共に、絶縁性能の優れた絶縁電線を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る絶縁電線は、横断面略矩形状の導体の少なくとも1辺が露出するように他辺を絶縁層にて被覆し、かつ、横断面に於て上記導体の上記1辺の少なくとも1端に対応する角部が切欠状として面取部が形成されると共に、該面取部には上記絶縁層が被覆されている。
また、上記導体が平角線であって、上記1辺は横断面略矩形の短辺である。そして、上記絶縁層は電着・焼付けにて形成され、しかも、上記1辺の導体露出部は、上記絶縁層を成形するための焼付け前の電着層の部分的な非形成又は部分的な除去によって形成されているものである。
また、上記導体が平角線であって、上記1辺は横断面略矩形の短辺である。そして、上記絶縁層は電着・焼付けにて形成され、しかも、上記1辺の導体露出部は、上記絶縁層を成形するための焼付け前の電着層の部分的な非形成又は部分的な除去によって形成されているものである。
本発明に係る絶縁電線によれば、モータやトランス等のコイルの小型化と高性能化の要望に応えて、コンパクト化に大きく貢献できる。特に、導体の一部に(絶縁層の存在しない)露出部が存在するにかかわらず、絶縁性能が良好に維持できる。
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1と図2に於て、絶縁電線3として、横断面矩形状であって、その幅寸法Wが、長手方向に渡って大小変化する平角線を例示する。本発明に於て、「略矩形状」とは、矩形状と正方形と一文字状を含み、各辺が僅かな凸又は凹状である場合、及び、角部が後述の形状に切欠状のものを含む。
そして、幅寸法Wの大きい部位の厚さ寸法Tを小さく、幅寸法Wの小さい部位の厚さ寸法Tを大きくなるように形成し、横断面積を長手方向に渡って均等としている。また、図1では、図示省略したが、右上方へはしだいに幅寸法が増加し、左下方へはしだいに幅寸法が減少するように、変化している。
図1と図2に於て、絶縁電線3として、横断面矩形状であって、その幅寸法Wが、長手方向に渡って大小変化する平角線を例示する。本発明に於て、「略矩形状」とは、矩形状と正方形と一文字状を含み、各辺が僅かな凸又は凹状である場合、及び、角部が後述の形状に切欠状のものを含む。
そして、幅寸法Wの大きい部位の厚さ寸法Tを小さく、幅寸法Wの小さい部位の厚さ寸法Tを大きくなるように形成し、横断面積を長手方向に渡って均等としている。また、図1では、図示省略したが、右上方へはしだいに幅寸法が増加し、左下方へはしだいに幅寸法が減少するように、変化している。
この絶縁電線3は、横断面略矩形状の導体1と、この導体1の1辺11が露出するように他辺32, 33, 34を被覆した絶縁層5とから、成る。
この導体1の横断面に於て、上記1辺11は絶縁層5が存在しない導体露出部7と呼ぶことができるが、この導体露出部7を構成する上記1辺11の両端に対応する角部Cが切欠状として面取部(逃げ部)4が形成され、かつ、この面取部4には、絶縁層5が被覆されている。
具体的には、図1と図2では、導線1が平角線であって、1辺11(導体露出部7)は、横断面矩形の短辺に相当している。また、面取部4の絶縁層5は、他辺32, 33, 34の被覆と連続的に形成されている。
この導体1の横断面に於て、上記1辺11は絶縁層5が存在しない導体露出部7と呼ぶことができるが、この導体露出部7を構成する上記1辺11の両端に対応する角部Cが切欠状として面取部(逃げ部)4が形成され、かつ、この面取部4には、絶縁層5が被覆されている。
具体的には、図1と図2では、導線1が平角線であって、1辺11(導体露出部7)は、横断面矩形の短辺に相当している。また、面取部4の絶縁層5は、他辺32, 33, 34の被覆と連続的に形成されている。
図3に於て、このような絶縁電線3をコイル状に巻設した状態(コイル巻き状態)を例示し、例えば、絶縁膜28の上に、導体露出部7が接するように、かつ、隣り合う導体1の長辺32と長辺33とが対面するように重ねて、巻設すると、隣り合う導体露出部7,7の間隔、即ち、前述の離間距離Eが十分に大きくできる(従来例を示した図14参照)。
なお、図1〜図3に示した実施の形態では、勾配面(例えば40°〜50°の傾斜角)をもって、面取部(逃げ部)4が導体1に形成されている場合を示したが、本発明の他の実施の形態としては、これ以外に、4個の角部に同様の面取部(逃げ部)4を形成することもでき、このとき、両短辺11, 34の内の両方に導体露出部7を形成することも自由であるが、図2のように、1つの短辺にのみ導体露出部7を形成する構成ならば、後述するところの製造方法に於て、絶縁層5を形成しない短辺として、両短辺11, 34の内のいずれかを自由に選択できる利点がある。
例えば、図6に於て、導体1に面取部4を形成する製造方法(製造装置)を簡略に説明すると、長手方向に幅寸法Wと厚さ寸法Tが変化する平角線状に、前工程の塑性加工にて行い、その後、(望ましくは)連続的に図6(a)(b)に示すように一対のV字溝付圧延ロール35, 35にて幅方向から押付けて、4角部Cに勾配面状の面取部4を形成する。
この図4では、4つの全角部Cに面取部4を形成する製造方法(製造装置)であるが、両ロール35, 35の内の一方を、V字溝の無いストレート状ロールとすれば、図1〜図3に示したような導線1が製造できる。
この図4では、4つの全角部Cに面取部4を形成する製造方法(製造装置)であるが、両ロール35, 35の内の一方を、V字溝の無いストレート状ロールとすれば、図1〜図3に示したような導線1が製造できる。
ところで、図6に於けるロール35の形状を変えることで、面取部4の形状が、後述の図4のようなものや、段階形状のものとすることができる。なお、図6に於て、両ロール35, 35が相互に接近する方向に常に加圧されており、幅寸法Wの大小の変化に、追従する構造となっている。また、この塑性加工前に、焼鈍(焼きなまし)を行えば、小さな押付け力にて塑性加工が可能である。また、図1〜図3や図6のように、勾配状面取部(逃げ部)4の場合に、横断面形状の寸法誤差が小さく、高精度の製品が得やすい利点がある。
次に、図7は製造方法の他の実施の形態を示し、3つのロール36, 37, 37を組み合わせて、導体1の一つの長辺32の両端の角部C,Cに面取部4,4を加工する方法である。つまり、この製造方法(製造装置)によって、製造される導体1は、図2と比較して説明すれば、一長辺32の上端・下端の角部C,Cに、面取部4,4が形成される。その後、絶縁層5は、両短辺11, 34の内の所望の1辺を除いて、被覆形成する。(なお、両短辺11, 34を導体露出部7,7としても、自由である。)
図6又は図7に於て、ロール35, 36, 37は、(回転駆動力を伝達して)回転駆動させるのが好ましいが、加工度が小さい場合は、従動式(非駆動式)としてもよい。
また、図6又は図7に示した面取部(逃げ部)4の加工は、(その前工程であるところの)長手方向に幅寸法W・厚さ寸法Tが変化する平角線製造工程と、タンデム化して、前後連続加工することも、望ましい。
また、図6又は図7に示した面取部(逃げ部)4の加工は、(その前工程であるところの)長手方向に幅寸法W・厚さ寸法Tが変化する平角線製造工程と、タンデム化して、前後連続加工することも、望ましい。
次に、図4と図5に示す別の実施の形態について説明する。横断面略矩形状であって、その1短辺に相当する1辺11のみが絶縁層5で被覆されずに導体露出部7が形成される等は、図1〜図3の実施形態と同様であるが、相違する点は、面取部4が横断面小矩形状に切欠形成され、かつ、この面取部5は、1辺11の1端部のみに形成されている点である。それ以外の構成は、図1〜図3の場合と同様であるので、詳しい説明を省略する。(同一符号は同様の構成である。)
なお、図4に於て、1辺11の両端の角部C,Cに面取部(逃げ部)4を形成したり、又は、4つの角部C…の全てに面取部(逃げ部)4を形成するも、自由である(図示省略)。あるいは、長辺32の両端の角部C,Cに面取部(逃げ部)4を形成してもよい(図示省略)。なお、図4と図5では、面取部(逃げ部)4は、小矩形状の場合を示したが、これを、4半円型等の形状とする等の設計変更は、自由である。
なお、図4に於て、1辺11の両端の角部C,Cに面取部(逃げ部)4を形成したり、又は、4つの角部C…の全てに面取部(逃げ部)4を形成するも、自由である(図示省略)。あるいは、長辺32の両端の角部C,Cに面取部(逃げ部)4を形成してもよい(図示省略)。なお、図4と図5では、面取部(逃げ部)4は、小矩形状の場合を示したが、これを、4半円型等の形状とする等の設計変更は、自由である。
以上、図1〜図3、及び、図4・図5に示す各実施の形態に於て、1辺(短辺)11の寸法が、薄く形成されていると、言うこともできる。そして、重ねてコイル巻きした状態で、十分に大きい導体離間距離Eが確保され、絶縁性能の向上が図り得る。
なお、長尺状の絶縁電線3として、図1〜図5に例示したような導体露出部7が全長に渡って形成するのも好ましいが、全長の内の所定範囲では導体露出部7を形成せずに構成するも、自由であり、使用状態と用途に対応して、長手方向に部分的に導体露出部7を配設するも好ましい場合がある。
さらに、図1〜図5等で既に説明した上記面取部4が、導体露出部7の全長に渡って形成する以外に、導体露出部7の全長の内の所定範囲にのみ面取部4を、形成するも、自由である。使用状態と用途に対応して、加工工数を低減できる利点がある。
なお、長尺状の絶縁電線3として、図1〜図5に例示したような導体露出部7が全長に渡って形成するのも好ましいが、全長の内の所定範囲では導体露出部7を形成せずに構成するも、自由であり、使用状態と用途に対応して、長手方向に部分的に導体露出部7を配設するも好ましい場合がある。
さらに、図1〜図5等で既に説明した上記面取部4が、導体露出部7の全長に渡って形成する以外に、導体露出部7の全長の内の所定範囲にのみ面取部4を、形成するも、自由である。使用状態と用途に対応して、加工工数を低減できる利点がある。
本発明に係る絶縁電線3について、以下、さらに詳しく追加説明する。
絶縁層5は、導体1の外面2に、電着・焼付けにて被覆形成される。そして、導体露出部7は、絶縁層5を形成するための焼付け工程前に部分的に電着層を非形成することによって、形成する。又は、導体露出部7は、焼付け工程前に部分的に電着層を除去することによって、形成する。
絶縁層5は、導体1の外面2に、電着・焼付けにて被覆形成される。そして、導体露出部7は、絶縁層5を形成するための焼付け工程前に部分的に電着層を非形成することによって、形成する。又は、導体露出部7は、焼付け工程前に部分的に電着層を除去することによって、形成する。
図8に於て、製造方法の全体を簡略化して示し、8は電着槽であり、繰出しローラ9から、導体を繰出して、例えば、円形断面の導体を平角線に圧延する圧延機、及び、図6や図7で述べたようなロール35, 36, 37等の面取り(逃げ部)形成装置、及び水洗槽等の加工装置10(詳細図示省略して2点鎖線にて示した)を通過させ、方向変換ローラ41を介して、導体1を矢印Gの如く下方から上方へ走行させつつ、電着液12を貯留した電着槽8の底壁を通して下から上へ連続的に導体1は電着槽8内を通過し、導体1の外面に電着液12中の(後述の)樹脂微粒子を付着させて電着層を形成する。これを電着層付着工程と呼ぶ。
図9は、この電着層付着工程の概要説明のための簡略平面図であり、図8と合わせて説明すれば、電着槽8内にはマイナス電極13が差し込まれており、矢印G方向に走行通過する平角線(導体1)はプラス極となるように、(図示省略の)電源と接触される。電着液12としては、エポキシ系水分散(エマルジョン)型電着ワニス、あるいは、ポリイミド系やポリアミドイシド系の電着ワニスが、好適である。模式的に小さな円にて示したのは、上述のエポキシ系等の樹脂微粒子14であって、泳動中の樹脂微粒子14は、マイナスに帯電しており、プラス極としての導体1の外面2に効率良く次々と付着して電着層15を形成する。
そして、図8に示すように、導体1の外面に付着した電着層15を連続的に焼付ける焼付工程を行うために、焼付炉16が設けられており、この焼付炉16を通過することで、導体1の外面2に、絶縁層5が被覆形成される。その後、図外の巻取ローラに巻取られてゆく。
そして、図8に示すように、導体1の外面に付着した電着層15を連続的に焼付ける焼付工程を行うために、焼付炉16が設けられており、この焼付炉16を通過することで、導体1の外面2に、絶縁層5が被覆形成される。その後、図外の巻取ローラに巻取られてゆく。
この電着槽8と焼付炉16の間に導体露出部形成装置17が付設される。即ち、電着層付着工程と焼付工程の間にて、導体1の外面2に付着した、図10(a)に示すような未硬化状態の電着層15を、図10(b)に示すように、噴出流体Hにて吹き飛ばすことで、部分的に電着層15を除去(図10(b)の矢印J参照)する。
噴出流体Hとしては、エアー(空気)が望ましいが、これ以外のガス(気体)や、水等の液体、若しくは水蒸気等が使用できる。
さらに、説明すると、図10(a)に示すように、1辺(短辺)11に付着した未硬化(未焼付)の電着層15を、図10(b)に示す如く、ノズル18からの噴出流体Hにて部分的に吹き飛ばして、電着層15を短辺11のみから除去(矢印J参照)し、この除去部分70は、その後の焼付工程を経て、図2や図4に示すように、導体露出部7を形成する。なお、図10に示すように、流体遮蔽部材21を設けて、噴出流体Hが短辺11以外の部分から電着層15を吹き飛ばさないようにすることも望ましい。
噴出流体Hとしては、エアー(空気)が望ましいが、これ以外のガス(気体)や、水等の液体、若しくは水蒸気等が使用できる。
さらに、説明すると、図10(a)に示すように、1辺(短辺)11に付着した未硬化(未焼付)の電着層15を、図10(b)に示す如く、ノズル18からの噴出流体Hにて部分的に吹き飛ばして、電着層15を短辺11のみから除去(矢印J参照)し、この除去部分70は、その後の焼付工程を経て、図2や図4に示すように、導体露出部7を形成する。なお、図10に示すように、流体遮蔽部材21を設けて、噴出流体Hが短辺11以外の部分から電着層15を吹き飛ばさないようにすることも望ましい。
次に、図11と図12は別の実施の形態を示す。即ち、前述の図8と比較すれば明らかなように、図8に示した導体露出部形成装置17の代わりに、可動マスキング部材22が電着槽8内に設けられる。
図11に於て、繰出しローラ9から、導体を繰出し、例えば、円形断面の導体を平角線に圧延する圧延機、及び、図6や図7に示したロール35, 36, 37等の面取り形成装置と、水洗槽等の加工装置10を通過させ、方向変換ローラ41を経て、電着液12の入った電着槽8を下から上へ(矢印Gのように)通過させて、導体1の外面に電着液12中の樹脂微粒子14を(図9のように)付着させるが、その際、可動マスキング部材22によって、図12では、横断面矩形の(導体1の)1辺11には樹脂微粒子14の接近を阻止し、その1辺11のみを電着層非形成部72として、その後の焼付工程にて、導体露出部7が構成される。電着層非形成部及びこれに対応した導体露出部7は、部分的に設けられる。
図11に戻って説明すると、電着槽8から上方へ走行しつつ連続的に送り出される電着層付着導体1は、焼付炉16に送り込まれ、この焼付炉16内で焼付けられて(焼付工程を経て)、絶縁層5が被覆形成され、巻取ローラ23に巻取られる。このように、絶縁層5を形成するための焼付け前の電着層15の部分的な非形成によって、(その後の焼付工程を経て)導体露出部7が形成される。図12に於て、具体的に説明すると、上下一対のローラ24,25の間に上下所定ピッチにて複数本のローラ27…を平行に配設し、これに(2点鎖線にて示すように)ベルトを懸架してマスキング部材22としているが、このマスキング部材22としてのベルトは、横断面矩形の導体1の1辺(短辺)11に押圧(接触)されている。なお、図12では導体1は同一横断面にて簡略化して示しているが、この導体1が図1のように、幅寸法Wが大小変化する場合、複数本のローラ24,25,27…を水平方向に前進後退自在に弾発部材にて押圧する等によって、追随させるのが好ましい。このとき、図12では、いわゆるキャタピラ構造であるので、追随し易い。なお、ベルト26は、合成樹脂やゴム等の絶縁材質のものが使用される。
次に、図13は別の実施の形態を示す。即ち、図11, 図12に示した可動マスキング部材22の代わりに、摺動マスキング部材42を、電着槽8内に設けている。
詳しく説明すると、電着層付着工程中に、電着槽8内を通過走行中の導体1の外面2に摺接する摺動マスキング部材42によって、導体1を部分的にマスキングし、導体1の外面2に部分的に電着層15を形成させず、その後の図11に示した焼付炉16での焼付工程にて、導体露出部7を形成する方法である。摺動マスキング部材42は、合成樹脂やゴム等の絶縁材から成る。なお、図13に於ては、一枚の摺動マスキング部材42を使用しているが、これを、複数枚に分割して、各々を独立進退自在として、走行中の導体1に弾発的に押付けることで、図1に例示した幅寸法Wの(長手方向に渡っての)大小変化に、容易に追随して、確実にマスキング作用をなさしめるも望ましい(図示省略)。なお、図13に於て、摺動マスキング部材42は、電着槽8内に於て、(図示省略の)保持部材にて支持されており、そのとき弾発部材にて押圧して導体1に対して弾発力をもって接触させるのが望ましい。
以上の図8〜図13で述べた製造方法によれば、従来のように機械的に切削する際に生ずる微粉塵の発生が無くなって、電子・電子機器や精密機器の製造工程中の不良発生を防止できる利点がある。
本発明は以上述べたように、横断面略矩形状の導体1の少なくとも1辺11が露出するように他辺を絶縁層5にて被覆し、かつ、横断面に於て上記導体1の上記1辺11の少なくとも1端に対応する角部Cが切欠状として面取部4が形成されると共に、該面取部4には上記絶縁層5が被覆されている構成であるので、図3,図5に示すように左右及び上下に積重ねて巻いた状態で、コンパクト化を図り得ると同時に、導体離間距離Eを確保して、絶縁性能を良好に保ち得る。従って、電気・電子機器の小型化・高性能化・高能率化の要望に十分に応えることができる。
また、上記導体1が平角線であって、上記1辺11は横断面略矩形の短辺であるので、特に、導体離間距離Eが極めて小さくなりがちな図3や図5の巻き方に於ても、絶縁性能を確保できて、一層、電気・電子機器のコンパクト化と高性能化に貢献するものである。
また、上記絶縁層5は電着・焼付けにて形成され、しかも、上記1辺11の導体露出部7は、上記絶縁層5を成形するための焼付け前の電着層15の部分的な非形成又は部分的な除去によって形成されているので、製造が容易で、大量生産にも好適であって、機械的切削による粉塵発生もなく、精密機器や電子機器用に好適である。
1 導体
2 外面
3 絶縁電線
4 面取部(逃げ部)
5 絶縁層
7 導体露出部
8 電着槽
11 1辺
15 電着層
22 可動マスキング部材
42 摺動マスキング部材
2 外面
3 絶縁電線
4 面取部(逃げ部)
5 絶縁層
7 導体露出部
8 電着槽
11 1辺
15 電着層
22 可動マスキング部材
42 摺動マスキング部材
Claims (3)
- 横断面略矩形状の導体(1)の少なくとも1辺(11)が露出するように他辺を絶縁層(5)にて被覆し、かつ、横断面に於て上記導体(1)の上記1辺(11)の少なくとも1端に対応する角部(C)が切欠状として面取部(4)が形成されると共に、該面取部(4)には上記絶縁層(5)が被覆されていることを特徴とする絶縁電線。
- 上記導体(1)が平角線であって、上記1辺(11)は横断面略矩形の短辺である請求項1記載の絶縁電線。
- 上記絶縁層(5)は電着・焼付けにて形成され、しかも、上記1辺(11)の導体露出部(7)は、上記絶縁層(5)を成形するための焼付け前の電着層(15)の部分的な非形成又は部分的な除去によって形成された請求項1又は2記載の絶縁電線。
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