JP2010140284A - 画像形成装置の制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ジョブの完了時刻の指定を受け付ける画像形成装置において、指定された時刻にユーザに印刷物を確実に提供する。
【解決手段】完了時刻が指定された時刻指定ジョブCより先に、時刻が指定されていない通常のジョブA及びジョブBが既に依頼されている場合、時刻指定ジョブCの完了時刻を予測し、この完了時刻が指定時刻よりも後であれば、時刻指定ジョブCの順位を繰上げ、さらに、ジョブAとジョブCとの間に、ジョブCが指定時刻に完了するように、待機時間を設ける。
【選択図】図8

Description

本発明は、画像形成装置の制御システムに関し、特に、仕上がり時刻を指定された時刻指定ジョブを画像形成装置に実行させる制御システムに関する。
従来、機密情報を保護するために、印刷物が長時間放置されないよう、ジョブ毎にユーザが印刷時刻を指定できるプリンタが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2000−207152号公報(段落[0026]〜[0029]、図5)
特許文献1の技術では、印刷ジョブに優先順位が付されており、優先順位が1であるジョブが実行されるようになっている。時刻指定ジョブについては、タイマによるカウントを行うが、そのカウントが終了してから、優先順位の判定を行うので、優先順位がより高いジョブが未完であれば、指定時刻を経過しても時刻指定ジョブが実行されないことになる。
つまり、従来の技術では、結局、いつ印刷がされるのかをユーザが正確に把握することができない。そのため、印刷物が放置されることがあり、機密情報の保持は万全とはいえなかった。
そこで、本発明は、指定時刻にユーザに印刷物を確実に入手させることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の制御システムは、ユーザからの依頼に応じて画像形成ジョブを実行可能な画像形成装置の制御システムであって、ユーザに完了時刻を指定された上記画像形成ジョブである時刻指定ジョブについて、ユーザに指定された完了時刻である指定時刻を検出する指定時刻検出部と、各ジョブの実行にかかる所要時間を予測する所要時間予測部と、上記所要時間に基づいて、上記時刻指定ジョブが上記指定時刻以前に完了するように、ジョブの実行順序を設定する順序設定部と、上記順序設定部の設定に沿って、上記画像形成装置にジョブを実行させるジョブ実行制御部と、を備える。
この制御システムによると、時刻指定ジョブを指定時刻以前に完了させることができるので、指定時刻には、ユーザに印刷物を確実に入手させることができる
また、請求項2に記載するように、請求項1の制御システムは、各ジョブの優先順位を検出する優先順位検出部と、上記所要時間及び上記優先順位に基づいて、上記優先順位の高いジョブから順に実行したときの上記時刻指定ジョブの完了時刻の予測値である完了予定時刻を取得する完了予定時刻取得部と、をさらに備えてもよい。そして、上記順序設定部は、上記完了予定時刻が上記指定時刻よりも遅いときは、上記時刻指定ジョブの優先順位を繰上げる順位繰上部を備え、上記ジョブ実行制御部は、上記順位繰上部により変更された上記優先順位に沿って、上記画像形成装置にジョブを実行させるようになっていてもよい。
また、請求項3に記載するように、請求項2に記載の制御システムにおいて、上記順序設定部は、上記完了予定時刻が上記指定時刻よりも早いときは、上記時刻指定ジョブの優先順位を繰下げる順位繰下部をさらに備え、上記ジョブ実行制御部は、上記順位繰下部により変更された上記優先順位に沿って、上記画像形成装置にジョブを実行させるようになっていてもよい。
また、請求項4に記載するように、請求項2又は3の制御システムにおいて、上記優先順位検出部は、上記ジョブの依頼順序が早いほど、上記優先順位が高いと検出するようになっていてもよい。
また、請求項5に記載するように、請求項2〜4のいずれか1項の制御システムは、上記完了予定時刻が上記指定時刻よりも早いときは、上記時刻指定ジョブより前に、長さが上記完了予定時刻と指定時刻との差分である待機時間を設定する待機時間設定部をさらに備えてもよい。
この制御システムによると、時刻指定ジョブを指定時刻以前に完了させることができるので、指定時刻には、ユーザに印刷物を確実に入手させることができる。
〔1〕第1実施形態
(1-1)画像形成システム100
本発明の実施の一形態に係る画像形成システム100について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、画像形成システム100は、プリンタ1、PC21〜23、サーバ3等を備える。
画像形成システム100内の各装置は、互いに通信可能に接続されており、所謂LAN(Local Area Network)上に配置されている。
(1-2)プリンタ1
プリンタ1の要部構成を図2のブロック図に示す。
図2に示すように、プリンタ1は、通信部11、画像形成部12、操作パネル13、タイマ14、記憶装置15、及び制御装置16等を備える。
通信部11は、外部装置との間でデータのやり取りを行うようになっている。通信部11は特に、PC21〜23から、プリントジョブ(以下、特に断らない限り単に「ジョブ」と称する)の依頼及び各ジョブについての時刻指定等の指示を受付けたり、ジョブ依頼を受けたこと及びジョブについての時刻指定等の指示内容をサーバ3へ報知したり、ジョブ実行の順序及び待機時間等のスケジュールをサーバ3から受け取ったりすることができる。
画像形成部12は、画像データを用紙上に印刷出力することができる。具体的には、画像形成部12の画像形成方式としては、電子写真方式やインクジェット方式等が採用可能である。電子写真方式の場合、画像形成部12は、用紙束を収容する用紙収容部、画像データを現像剤で現像する現像部、現像された画像を用紙上に転写する転写部、転写後の用紙上に画像を熱圧着により定着させる定着部、並びに、用紙収容部から転写部及び定着部を通って最終的に排紙トレイまで用紙を搬送する搬送部等を備える(図示せず)。プリンタ1は複数の排紙トレイを備え、用紙搬送部は、ジョブの依頼元毎に設定された排紙トレイへ、印刷物(印刷後の用紙)を排出することができる。
操作パネル13は、タッチパネル及びハードキー等を備え、ユーザからの操作を受付けると共に、ユーザに種々の画像を提示するようになっている。
タイマ14は、時間を計測するようになっている。タイマ14は、例えば、後述の待機時間の計測に用いられる。
記憶装置15は、HDD(Hard Disk Drive)等の書き換え可能な記憶装置であり、実行前のジョブにかかる画像データ、ジョブの優先順位等を記憶するようになっている。
制御装置16は、通信部11、操作パネル13、及びタイマ14からの入力信号に基づいて、プリンタ1内の各部の動作を制御することができる。具体的には、制御装置16は、ジョブの優先順位及び待機時間等、通信部11がサーバ3から受け取ったジョブの実行スケジュールに沿って、画像形成部12にジョブを実行させることができる。
制御装置16によるジョブ実行制御について、図3のフローチャートを参照して説明する。
図3に示すように、待機時間が設定されていれば、制御装置16は、タイマ14に待機時間をカウントさせる(ステップS1)。タイマ14が待機時間をカウントし終わると、制御装置16は、タイマ14をクリアし(ステップS3でYes→S4)、優先順位が“1”であるジョブを、画像形成部12に実行させる(ステップS5)。そして、ジョブが完了すると、待機中のジョブの優先順位を1つ繰上げる(ステップS6)。
ここで、「待機中のジョブ」とは、依頼されているものの、まだ実行されていない全てのジョブを指す。
つまり、制御装置16は、優先順位の高い順に画像形成部12にジョブを実行させると共に、ジョブ間に待機時間が設定されているときは、この待機時間中、ジョブ実行を休止するようになっている。
(1-3)PC21
PC21の要部構成を図4のブロック図に示す。PC21〜23は略同一の構成であるので、PC22及び23についての説明は省略する。
図4に示すように、PC21は、通信部211、操作入力部212、ディスプレイ213、制御装置214等を備える。
通信部211は、外部装置との間でデータのやり取りを行うようになっている。通信部211は特に、制御装置214の制御の下、プリンタ1にプリントジョブを依頼する。ジョブ依頼時に通信部211がプリンタ1に送信するデータには、印刷すべき画像データ、用紙サイズ等の指定、指定時刻、及び優先度等が含まれる。
操作入力部212は、キーボード及びマウス等を備え、ユーザからの指示を受付けることができる。指示内容としては、プリンタ1へのプリント指示、プリント条件(用紙サイズ、カラー/モノクロ等)、指定時刻、優先度等が含まれる。
ディスプレイ213は、液晶表示パネルによって、ユーザに種々の画像を提示することができる。
制御装置214は、PC21の各部の動作を制御することができる。制御装置214は特に、操作入力部212の受付け内容に基づいて、プリンタ1にプリントジョブを依頼することができる。
(1-4)サーバ3
サーバ3の要部構成を図5のブロック図に示す。
図5に示すように、サーバ3は、制御装置31及び通信部32等を備える。
制御装置31は、サーバ3の動作を制御するようになっている。制御装置31は、特に、ジョブの実行スケジュールの管理に関する機能部として、指定時刻検出部311、順位検出部312、所要時間算出部313、完了予定時刻算出部314、順位設定部315、待機時間設定部316、通信制御部317等を備える。
指定時刻検出部311は、プリンタ1からの報知内容から、ジョブの指定時刻を検出するようになっている。
順位検出部312は、プリンタ1からの報知内容から、ジョブの優先順位を検出するようになっている。優先順位は、通常、受付順序(依頼順序)が早いジョブの方が高くなる。また、本実施形態では、上述したように、PC21〜23が、各ジョブの優先度を受け付けることができるようになっている。そこで、順位検出部312は、受付順序が3番でも、優先度が“高”に設定されていれば、受付順序から2つ繰上げた順位を優先順位として検出する等、受付順序及び優先度に基づいて優先順位を検出することができるようになっている。
所要時間算出部313は、所要時間予測部の一例であり、各ジョブの実行にかかる所要時間を算出することができる。所要時間とは、各ジョブの実行にかかる時間である。所要時間は、プリンタ1の性能、解像度、印刷枚数、用紙サイズ、カラー画像かモノクロ画像か、等の情報に基づいて算出される。なお、ジョブの実行にかかる時間とは、画像形成部12による画像形成にかかる時間だけでなく、1のジョブについての画像形成が完了してから次のジョブの準備が完了するまでの間の時間も含まれる。つまり、待機時間無しで連続してジョブを実行する場合のジョブ間の時間も、所要時間に含まれる。
完了予定時刻算出部314は、完了予定時刻取得部の一例であり、ジョブが完了する時刻の予測値を算出することができる。この予測値を、完了予定時刻と称する。具体的には、完了予定時刻算出部314は、優先順位が最も高いジョブの開始時刻に、時刻指定ジョブより優先順位の高い全てのジョブ及び時刻指定ジョブの所要時間を加算することで、完了予定時刻を算出することができる。
順位設定部315は、ジョブの実行順序を設定する順序設定部の一例である。順位設定部315は、指定時刻検出部311、順位検出部312、完了予定時刻算出部314等の検出及び算出結果に基づいて、優先順位を初期値から変更することができる。具体的には、後述するように、順位設定部315は、時刻指定ジョブの優先順位を繰り上げる順位繰上部、及び繰下げる順位繰下部としての機能を有する。このように優先順位を変更することによって、順位設定部315は、時刻指定ジョブを指定時刻以前に完了させることができる。優先順位の初期値は、プリンタ1からの報知内容(受付順序及び指定された優先度)から検出される優先順位である。
待機時間設定部316は、ジョブ間に設ける待機時間の適切な長さを算出し、これを設定する。
通信制御部317は、通信部32の動作を制御することができる。通信制御部317は特に、ジョブの実行スケジュール、すなわち、順位設定部315の設定した優先順位、並びに待機時間設定部316の設定した待機時間の長さ及び位置の情報を、通信部32によってプリンタ1へ送信する。つまり、通信制御部317及び制御装置16は、順位設定部315及び待機時間設定部316による設定に沿って画像形成部にジョブを実行させるジョブ実行制御部として機能する。
通信部32は、外部装置とデータのやり取りを行う。通信部32は特に、プリンタ1からの報知を受け取ったり、プリンタ1にジョブ実行のスケジュールを送信したりする。
サーバ3によるジョブのスケジュール管理の詳細については、後述する。
(1-5)ジョブのスケジュール管理
図6のフローチャートを参照して、サーバ3によるプリンタ1のジョブ実行のスケジュール管理について説明する。
図6に示すように、サーバ3の所要時間算出部313は、依頼された時刻指定ジョブ及び通常ジョブの所要時間を算出する(ステップS101)。
所要時間算出部313の算出結果及び優先順位検出部312の検出結果に基づいて、完了予定時刻算出部314は、時刻指定ジョブの完了予定時刻を算出する(ステップS102)。
順位設定部315は、指定時刻検出部311により検出された時刻指定ジョブの指定時刻と、ステップS102にて算出された完了予定時刻とを比較する(ステップS103)。ステップS103での判断によって、以下の処理を3つの場合に分けて説明する。
(1-a)完了予定時刻と指定時刻とが一致する場合
この場合、順位設定部315は、現行の優先順位を維持し、待機時間設定部316は待機時間をゼロのまま維持する(ステップS103→リターン)。
(1-b)完了予定時刻より指定時刻の方が早い場合
この場合、順位設定部315は、この時刻指定ジョブの優先順位を1つ繰り上げる(ステップS104)。つまり、時刻指定ジョブより1つ上の順位のジョブと時刻指定ジョブとの優先順位が入れ替えられる。
こうして変更された順位に基づいて、完了予定時刻算出部314は、時刻指定ジョブの完了予定時刻を再度算出する。算出方法は上述した通りであるが、この方法以外にも、時刻指定ジョブと順位が入れ替えられたジョブの所要時間を完了予定時刻から減じる等によっても新たな完了予定時刻を算出することができる。
(1-b-1)こうして算出された新たな完了予定時刻が指定時刻と一致すれば、順位設定部315は、各ジョブの優先順位を、ステップS104における変更後の順位で確定する。
(1-b-2)また、こうして算出された新たな完了予定時刻が指定時刻よりも早ければ、順位設定部315は、各ジョブの優先順位を、ステップS104における変更後の順位で確定する。そして、待機時間設定部316が待機時間を算出及び設定する(ステップS105→S106及び107)。具体的には、待機時間設定部316は、終了予定時刻と指定時刻との差分を取得し、この差分を待機時間とする。
「待機時間」とは、ジョブが実行されない期間であり、待機時間は、時刻指定ジョブの前に設定される。例えば、待機時間は、時刻指定ジョブと時刻指定ジョブより優先順位が1つ上のジョブとの間に設けられてもよいし、優先順位がさらに高いジョブ間に設定されてもよい。
(1-b-3)また、こうして算出された新たな完了予定時刻よりも指定時刻の方が早ければ、順位設定部315は、時刻指定ジョブの優先順位をさらに繰り上げる(ステップS105→S104)。こうして、完了予定時刻が指定時刻と同一となるか、より早くなるまで、時刻指定ジョブの優先順位が繰り上げられる。
(1-c)指定時刻より完了予定時刻の方が早い場合
この場合、時刻指定ジョブより優先順位が低いジョブがある場合は、順位設定部315は、時刻指定ジョブの優先順位を1つ繰り下げる(ステップS108→S109)。具体的には、時刻指定ジョブより優先順位が1つ下であるジョブと時刻指定ジョブとの優先順位が入れ替えられる。
こうして変更された順位に基づいて、完了予定時刻算出部314は、時刻指定ジョブの完了予定時刻を再度算出する。算出方法は上述した通りであるが、この方法以外にも、時刻指定ジョブと順位が入れ替えられたジョブの所要時間を完了予定時刻に加える等によっても、新たな完了予定時刻を算出することができる。
こうして算出された新たな完了予定時刻について、ステップS103以降の処理が行われる(結合子i→ステップS103)。
上記(2-a)〜(2-c)の処理により、優先順位及び待機時間は、時刻指定ジョブが指定時刻に完了されるよう設定される。通信制御部317は、こうして設定されたスケジュール(優先順位及び待機時間)を通信部32によってプリンタ1に送信し、プリンタ1の制御装置16は、このスケジュールに沿って、画像形成部12にジョブを実行させる。このようにスケジュールが組まれることで、印刷物がプリンタ1の排紙トレイ上に長時間放置されることによる機密情報の漏洩や、ユーザを待たせる等の不都合が起きにくい。
なお、図6の処理の実行タイミングは、新たなジョブが依頼されたとき、すなわち、新たなジョブが依頼されたことを示す信号をサーバ3がプリンタ1から受信したときであってもよいし、その他、時刻指定ジョブを指定時刻に完了できる範囲内で、適宜設定される。
[実施例]
図7〜図11に、ジョブのスケジュールの具体例を示す。
これらの図中、左右方向は時間軸を表し、左端は現在の時刻であり、右に向かうほど後(未来)の時刻を示す。
図中の四角は個々のジョブを示し、四角の左右方向における長さはジョブの所要時間の長さを表す。
また、四角中の[1]〜[4]の数字はジョブの優先順位の初期値を表す。図中、図6の処理によって初期値から変更された後の優先順位は、ジョブの並び順によって示す。
また、図中、点線で示すジョブは、完了時刻が指定されていないジョブ(通常ジョブ)、実線で示すジョブは完了時刻が指定されているジョブ(時刻指定ジョブ)である。
(実施例1)
図7の例において、ジョブA、B、Cはこの順に優先順位が高く、ジョブCが時刻指定ジョブであって、ジョブA及びBは通常ジョブである。ジョブAが現在実行中である場合、ジョブAの残りの所要時間と、ジョブB及びジョブCの所要時間と、を現時刻に加算することで、時刻指定ジョブCの完了予定時刻が算出される(図6のステップS102)。
本例では、図7に示すように、時刻指定ジョブCの完了予定時刻(実線四角の右端)と指定時刻とが一致するので、優先順位の変更はなされない(図6のステップS103→リターン)。
(実施例2)
図8の例では、時刻指定ジョブCの完了予定時刻は、指定時刻よりも遅い(図8の上段)。そのため、時刻指定ジョブCの優先順位が1つ繰上げられる(図6のステップS103→S104)。
この繰上げによって、完了予定時刻は指定時刻よりも早くなるので(図8の中段)、ジョブCとジョブAとの間に、待機時刻が挿入される(図8の下段、図6のステップS105→S106及び107)。待機時刻は、ジョブCの完了予定時刻が指定時刻に一致するように設定される。
(実施例3)
図9の例では、時刻指定ジョブCの完了予定時刻は、指定時刻よりも早い(図9の上段)。そして、ジョブCより優先順位の低いジョブはないので、ジョブCとジョブBとの間に待機時間が挿入される(図9の下段、図6のステップS103→S108→S106及びS107)。
このときの待機時間の挿入位置は、ジョブAとジョブBとの間であってもよいが、ジョブBを依頼したユーザを待たせないためには、時刻指定ジョブCの直前、つまり時刻指定ジョブCと時刻指定ジョブCより優先順位が1つ上のジョブBとの間に待機時間を挿入することが好ましい。
(実施例4)
図10の例では、時刻指定ジョブCの完了予定時刻は指定時刻よりも早く、ジョブCより優先順位の低い通常ジョブDが存在する(図10の上段)。
そこで、時刻指定ジョブCの優先順位が繰下げられて、各ジョブの優先順位は高い方から順に、ジョブA、ジョブB、ジョブD、ジョブCと変更される(図6のステップS103→S108→S109)。
この変更後も、時刻指定ジョブCの完了予定時刻は指定時刻よりも早いが(図10の中段)、時刻指定ジョブより優先順位の低いジョブは存在しないので、時刻指定ジョブCより前に、待機時間が挿入される(図10の下段、図6のステップS109→S103→S108→S106及びS107)。
以上の処理によると、時刻指定ジョブCの完了予定時刻が指定時刻に一致すると共に、ジョブDを依頼したユーザを長時間待たせることもないという利点がある。
本例でも、待機時間を時刻指定ジョブCの直前に挿入することが好ましい。理由は既に述べた通りである。
(実施例5)
図11の例では、時刻指定ジョブCの完了予定時刻は指定時刻よりも早く、ジョブCより優先順位の低い通常ジョブが存在する(図11の上段)。
しかし、時刻指定ジョブCの優先順位を繰下げると、時刻指定ジョブCの完了予定時刻が指定時刻よりも遅くなるので(図11の中段)、優先順位は初期値のままで、時刻指定ジョブCより前に待機時間が挿入される(図11の下段、図6のステップS103→S108→S109→103→S104→S105→S106及びS107)。この待機時間により、時刻指定ジョブCの完了予定時刻が指定時刻に一致するようになる。
本例でも、待機時間を時刻指定ジョブCの直前に挿入することが好ましい。理由は既に述べた通りである。
図10等からも明らかなように、図6の処理によれば、ジョブの順位が入れ替えられても、時刻指定ジョブより前に実行されるジョブは、優先順位の初期値の高いものから順に並べられる。このように、本実施形態の処理によれば、時刻指定ジョブの完了時刻が指定時刻に合わせられると共に、依頼順序にできるだけ沿った順序でジョブが実行されるので、時刻指定ジョブについて機密を保持することができると共に、通常ジョブを依頼したユーザに対して、ジョブ待ちの大きなストレスを与えることもない。
〔2〕第2実施形態
画像形成システム1が、ユーザによる優先度指定を受付けないようになっている場合のスケジュール管理について、図12及び図13を参照して説明する。なお、以下で特に言及しない構成については、第1実施形態の構成が採用されるものとする。
本実施形態においては、ユーザによる優先度設定がなされないので、優先順位の初期値はジョブの受付順序となる。
(2-1)時間指定ジョブを新たに受け付けた場合の処理
時刻指定ジョブが新たに依頼されると、サーバ3にて図12に示す処理が行われる。
図12に示すように、依頼されている各ジョブの所要時間を所要時間算出部313が算出し、算出された所要時間に基づいて、完了予定時刻算出部314が、新たに依頼された時刻指定ジョブの完了予定時刻を算出する(ステップS201及びS202)。所要時間及び完了予定時刻並びにこれらの算出方法については、第1実施形態で述べた通りである。
順位設定部315は、新たに依頼された時刻指定ジョブについて、指定時刻検出部311により検出された時刻指定ジョブの指定時刻と、ステップS202にて算出された完了予定時刻とを比較する(ステップS203)。ステップS203での判断によって、以下の処理を3つの場合に分けて説明する。
(2-a)完了予定時刻と指定時刻とが一致する場合
この場合、順位設定部315は、現行の優先順位を維持し、待機時間設定部316は待機時間をゼロのまま維持する(ステップS203→リターン)。
(2-b)完了予定時刻より指定時刻の方が早い場合
この場合、順位設定部315は、この時刻指定ジョブの優先順位を1つ繰り上げる(ステップS204)。つまり、時刻指定ジョブより1つ上の順位のジョブと時刻指定ジョブとの優先順位が入れ替えられる。変更後の優先順位に基づいて、完了予定時刻算出部314は、時刻指定ジョブの完了予定時刻を再度算出する。こうして、完了予定時刻と指定時刻とが一致するか、完了予定時刻の方が早くなるまで、時刻指定ジョブの優先順位は繰上げられる(ステップS204→S203)。
(2-c)指定時刻より完了予定時刻の方が早い場合
この場合、時刻指定ジョブの完了予定時刻が指定時刻に一致するように、待機時間設定部316が、待機時間を算出及び設定する(ステップS205及びS206)。
上記(2-a)〜(2-c)の処理により、優先順位及び待機時間は、時刻指定ジョブが指定時刻に完了されるよう設定される。通信制御部317は、こうして設定された優先順位及び待機時間に沿って、プリンタ1にジョブを実行させる。その結果、印刷物がプリンタの排紙トレイ上に長時間放置されることによる機密情報の漏洩や、ユーザを待たせる等の不都合が起きにくい。
(2-2)通常ジョブを新たに受け付けた場合の処理
図13のフローチャートを参照して、時刻指定ジョブの待機中に通常ジョブを受け付けた場合にジョブのスケジュール管理について説明する。
図13の処理は、通常ジョブを新たに受け付けたときに開始される。
図13に示すように、待機時間が設定されていれば(ステップS301でYes)、所要時間算出部313が新たに受付けた通常ジョブ(新たなジョブ)の所要時間を算出する(ステップS302)。新たなジョブの所要時間が待機時間以下であれば(ステップS303でYes)、順位設定部315は、新たなジョブの優先順位を、時刻指定ジョブより1つ上位に設定する(ステップS304)。つまり、通常であれば、新たなジョブの優先順位は最下位とされるところ、現在最下位である時刻指定ジョブと新たなジョブとの優先順位が入れ替えられることになる。
以上の処理により、新たなジョブが時刻指定ジョブより前に挿入されるので、待機時間設定部316は、新たに待機時間を算出及び設定する(ステップS305及びS306)。このとき、新たな待機時間は、変更前の待機時間から新たなジョブの所要時間を減じた値となる。すなわち、新たなジョブの所要時間が変更前の待機時間と同一であれば、新たな待機時間は“ゼロ”となる。
一方、待機時間が設定されていなければ(ステップS301でNo)、順位設定部315は、新たなジョブの優先順位を下位に設定する(S307)。
[実施例]
以下、図7〜図9、図14を参照して、ジョブのスケジュールの具体例について説明する。各図の表示については、図7〜図11について説明したとおりである。
(実施例6)
図7の例では、新たに依頼された時刻指定ジョブCの完了予定時刻が指定時刻と一致するので、優先順位の初期値、すなわち依頼順序通りに、ジョブが実行される(図12のステップS203→リターン)。
(実施例7)
図8の例では、新たに依頼された時刻指定ジョブCの完了予定時刻が指定時刻よりも遅いので(図8の上段)、時刻指定ジョブCの優先順位が繰り上げられ(図8の中段)、完了予定時刻と指定時刻とが一致するように、さらに待機時間が挿入される(図8の下段、図12のステップS203→S204→S203→S205及びS206)。
(実施例8)
図9の例では、新たに依頼された時刻指定ジョブCの完了予定時刻が指定時刻よりも早いので(図9の上段)、完了予定時刻と指定時刻とが一致するように、時刻指定ジョブCの前に待機時間が挿入される(図9の下段、図12のステップS203→S205及びS206)。
(実施例9)
図14の上段に示すように、実施例8の通りにスケジュールが設定された後、新たに通常ジョブDが依頼されたとする。
この場合、通常ジョブDの所要時間が待機時間以下であれば、通常ジョブDの優先順位は時刻指定ジョブCの優先順位の1つ上の順位となり、時刻指定ジョブCは最下位となる(図13のステップS303でYes→S304)。このように新たなジョブを挿入しても、まだ時刻指定ジョブCの完了予定時刻が指定時刻よりも早ければ、新たに待機時間が設定される(図13のステップS305及びS306、図14の下段)。
本例でも、待機時間を時刻指定ジョブCの直前に挿入することが好ましい。理由は既に述べた通りである。
図14からも明らかなように、図12及び図13の処理によれば、ジョブの順位が入れ替えられても、時刻指定ジョブより前に実行されるジョブは、優先順位の初期値の高いものから順に並べられる。このように、本実施形態の処理によれば、時刻指定ジョブの完了時刻が指定時刻に合わせられると共に、依頼順序にできるだけ沿った順序でジョブが実行されるので、時刻指定ジョブについて機密を保持することができると共に、通常ジョブを依頼したユーザに対して、ジョブ待ちの大きなストレスを与えることもない。
〔3〕その他の実施形態
(3-1)第1及び第2実施形態では、順位設定部315が時刻指定ジョブの優先順位の繰下げ(通常ジョブの繰上げ)を行うことで、できるだけ待機時間を無くして(又は短くして)、生産性を上げることができる。ここで「生産性」とは、単位時間当たりに実行されるジョブの数又は印刷枚数と言い換えることができる。
ただし、この他にも、優先順位の初期値(依頼順序又はユーザ指定の優先度)にできるだけ忠実な順序でジョブを実行するために、つまり優先順位を依頼順序からできるだけ変更しないように、順位設定部315の機能の一部が制限されていてもよい。
例えば、順位設定部315は、時刻指定ジョブの優先順位の繰上げはできても、繰下げはできないようになっていてもよい。
また、順位設定部315は、優先順位の自由な入れ替えが可能なモード(時刻指定ジョブの繰上げ及び繰下げが可能なモード)と、優先順位の入れ替えが制限されるモード(順位設定部315の機能の一部又は全部が制限されるモード)とを、切換可能になっていてもよい。順位設定部315の一部が制限されるモードとは例えば時刻指定ジョブの優先順位の繰下げができないモードであり、全部が制限されるモードとは、優先順位の変更が一切できないモードである。
これらのモードの切換は、ユーザ(管理者を含む)からの指示に応じてなされる。指示は、図示しない操作受付部(キーボードやマウス等を含む)によって受付けられる。
言い換えると、第1及び第2実施形態では、順序設定部の一例である順位設定部315は、時刻指定ジョブの優先順位を初期値から繰り上げる順位繰上げ部と、繰下げる順位繰下げ部とを備えるが、順序設定部は、この一方、特に繰下げ部を備えないか、又は繰下げ部をオン/オフ可能な形態としても実施可能である。
(3-2)画像形成システム100は、複数の画像形成装置を備えてもよい。すなわち、サーバ3は複数の画像形成装置に接続され、これらの画像形成装置のジョブのスケジュールを管理するようになっていてもよい。
(3-3)画像形成システム100におけるプリンタ1は、プリンタ以外の画像形成装置に置き換え可能である。また、複数種類の画像形成装置のスケジュールが1つのサーバ3によって管理されていてもよい。画像形成装置の種類としては、プリンタの他に、コピー機、ファクシミリ装置、複合機(MFP)等が挙げられる。
(3-4)第1及び第2実施形態において、「ジョブ」とはプリントジョブを指す。
しかし、画像形成装置が例えば複合機であれば、1の画像形成装置において複数種類のジョブ(プリント、コピー、スキャン、データ送受信、ファクシミリ送受信等)が実行される。この場合、完了時刻が指定されることが多いのは、印刷を行いかつユーザが画像形成装置近傍にいないプリントジョブであると考えられる。
この場合、プリントジョブの完了時刻に影響を与えるジョブ(プリントジョブと同時に実行できないジョブ)についても、第1及び第2実施形態の通常ジョブと同様に、順位設定の対象とされる。
プリントジョブ以外に順序設定の対象とされるジョブとしては、主に、画像形成部12を用いるコピージョブ及びファクシミリ受信機能が挙げられる。ただし、スキャンジョブやデータ送受信、ファクシミリ送信ジョブについても、装置の構成によってはプリントジョブと平行して行うことができない場合がある。このような場合には、これらのジョブについても、順位設定の対象とされる。
(3-5)第1及び第2実施形態において、プリンタ1は画像形成装置の一例であり、プリンタ1の制御装置16及びサーバ3は画像形成装置の制御システムとして機能する。ただし、制御システムは、画像形成装置に組み込まれていてもよい。すなわち、サーバ3の制御装置31はプリンタ1に組み込まれていてもよい。
(3-6)プリンタ1、PC21〜23、及びサーバ3の制御装置16、214、及び31の機能の一部又は全部は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアによって実現されてもよい。ソフトウェアによって実現される場合、各制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、並びにRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の記憶装置を備える。CPUは、ROM等に格納されたプログラムを読み出して実行することによって制御装置としての機能を実現し、RAMはCPUの作業領域として機能する。
(3-7)第1及び第2実施形態においては、時刻指定ジョブが指定時刻に終了するように、順序設定部の一例である順位設定部315及び待機時間設定部の一例である待機時間設定部316が、各ジョブの順序及び待機時間を調整するようになっている。しかし、順序設定部としては、時刻指定ジョブが指定時刻以前に完了するようにジョブの順序を設定するようになっていればよく、また、待機時間設定部は必須ではない。
(3-7)以上、異なる実施形態として記載した技術を適宜組み合わせて得られる技術についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の実施の一形態に係る画像形成システム100の要部構成を示すブロック図。 画像形成システム100のプリンタ1の要部構成を示すブロック図。 プリンタ1におけるジョブ実行の制御の流れを示すフローチャート。 画像形成システム100のPC21の要部構成を示すブロック図。 画像形成システム100のサーバ3の要部構成を示すブロック図。 サーバ3によるプリンタ1のジョブ実行のスケジュール管理の流れを示すフローチャート。 ジョブの実行のスケジュールの具体例を示す図面。 ジョブの実行のスケジュールの具体例を示す図面。 ジョブの実行のスケジュールの具体例を示す図面。 ジョブの実行のスケジュールの具体例を示す図面。 ジョブの実行のスケジュールの具体例を示す図面。 スケジュール管理の他の例において、時刻指定ジョブが依頼された場合の流れを示すフローチャート。 スケジュール管理の上記他の例において、通常ジョブが依頼された場合の流れを示すフローチャート。 ジョブの実行のスケジュールの具体例を示す図面。
符号の説明
100 画像形成システム
1 プリンタ
21〜23 PC
3 サーバ
31 制御装置
32 通信部

Claims (5)

  1. ユーザからの依頼に応じて、画像形成ジョブを実行可能な画像形成装置の制御システムであって、
    ユーザに完了時刻を指定された上記画像形成ジョブである時刻指定ジョブについて、ユーザに指定された完了時刻である指定時刻を検出する指定時刻検出部と、
    各ジョブの実行にかかる所要時間を予測する所要時間予測部と、
    上記所要時間に基づいて、上記時刻指定ジョブが上記指定時刻以前に完了するように、ジョブの実行順序を設定する順序設定部と、
    上記順序設定部の設定に沿って、上記画像形成装置にジョブを実行させるジョブ実行制御部と、
    を備える制御システム。
  2. 各ジョブの優先順位を検出する優先順位検出部と、
    上記所要時間及び上記優先順位に基づいて、上記優先順位の高いジョブから順に実行したときの上記時刻指定ジョブの完了時刻の予測値である完了予定時刻を取得する完了予定時刻取得部と、をさらに備え、
    上記順序設定部は、上記完了予定時刻が上記指定時刻よりも遅いときは、上記時刻指定ジョブの優先順位を繰上げる順位繰上部を備え、
    上記ジョブ実行制御部は、上記順位繰上部により変更された上記優先順位に沿って、上記画像形成装置にジョブを実行させるようになっている、
    請求項1に記載の制御システム。
  3. 上記順序設定部は、上記完了予定時刻が上記指定時刻よりも早いときは、上記時刻指定ジョブの優先順位を繰下げる順位繰下部をさらに備え、
    上記ジョブ実行制御部は、上記順位繰下部により変更された上記優先順位に沿って、上記画像形成装置にジョブを実行させるようになっている、
    請求項2に記載の制御システム。
  4. 上記優先順位検出部は、上記ジョブの依頼順序が早いほど、上記優先順位が高いと検出するようになっている
    請求項2又は3に記載の制御システム。
  5. 上記完了予定時刻が上記指定時刻よりも早いときは、上記時刻指定ジョブより前に、長さが上記完了予定時刻と指定時刻との差分である待機時間を設定する待機時間設定部をさらに備える
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の制御システム。
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