JP2010139031A - 逆止弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】逆止弁における異物の噛み込みを防止してその弁部の円滑な開閉を保持する。
【解決手段】ある態様の逆止弁は、弁体12におけるスプール部44の上流側端面と、ボディ10におけるスプール部44との摺動面とがなす接面角度が、直角または鈍角となるように構成されている。また、導出孔24が、第2の弁部の開度が大きくなるように弁体12が変位するにしたがってボディ10の内外を連通させる開口面積を大きくする形状を有する。さらに、ボディ10の内周面と弁体12のガイド部46との間に、背圧室48と導出孔24とを連通させる連通路が形成されている。
【選択図】図3
【解決手段】ある態様の逆止弁は、弁体12におけるスプール部44の上流側端面と、ボディ10におけるスプール部44との摺動面とがなす接面角度が、直角または鈍角となるように構成されている。また、導出孔24が、第2の弁部の開度が大きくなるように弁体12が変位するにしたがってボディ10の内外を連通させる開口面積を大きくする形状を有する。さらに、ボディ10の内周面と弁体12のガイド部46との間に、背圧室48と導出孔24とを連通させる連通路が形成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、冷媒通路に配設されて冷媒の流れを一方向に規制する逆止弁に関する。
自動車用空調装置は、一般に、エンジンの回転数によらず一定の冷房能力が維持されるように、冷媒の吐出容量を可変できる可変容量圧縮機(単に「圧縮機」ともいう)を備えている。この圧縮機は、エンジンによって回転駆動される回転軸に取り付けられた揺動板に圧縮用のピストンが連結され、揺動板の角度を変化させてピストンのストロークを変えることにより冷媒の吐出量を調整する。揺動板の角度は、密閉されたクランク室内に吐出冷媒の一部を導入し、ピストンの両面にかかる圧力の釣り合いを変化させることで連続的に変えられる。
このような圧縮機はエンジンの大きな負荷になり得るため、車両の急加速時や登坂走行時などエンジンの動力を車両の推進力に振り向けたい高負荷時には、その圧縮機の負荷トルクを低減する必要がある。従来はこの負荷トルクを一時的にカットできるようにエンジンの駆動力を伝達または遮断する電磁クラッチを備えた圧縮機が広く採用されていたが、低コスト化等の観点から近年ではエンジンと回転軸とを直結したいわゆるクラッチレス式の圧縮機が主流になりつつある。エンジンの高負荷時にはクランク室内の圧力を高くして揺動板の角度を極小にし、圧縮機を最小容量運転状態へ移行させる。それにより圧縮機の負荷トルクを最小状態とするものである。
しかし、このようにして圧縮機が最小容量運転に移行しても、揺動板に若干の傾きがあるため、通常はその吐出容量を完全にゼロにすることはできない。このため、特に冬場などの低温環境下においてはその僅かな冷媒の流れによって圧縮機の下流側に位置する蒸発器が凍結する可能性もある。また、圧縮機の吐出容量が急激に低下すると、一時的にその圧縮機出口の圧力が吐出室の圧力よりも高くなり、吐出冷媒が吐出室へ逆流する可能性がある。そこで、一般には圧縮機の出口と吐出室との間の通路に逆止弁を設け、最小容量運転時における圧縮機からの吐出冷媒の流出や、吐出室への冷媒の逆流を防止している。
ところで、このように最小容量運転状態において逆止弁が吐出室の出口を閉塞しても、圧縮機はその最小容量の圧縮を行っているため、吐出室の圧力(吐出圧力)は徐々に高まっていく。そして、逆止弁の弁体に作用する吐出圧力による開弁方向の力がスプリングによる閉弁方向の力を上回ると、逆止弁は開き始める。一方、そのようにして逆止弁が開くと、冷媒が下流側に流れて吐出室の圧力が低下するため、逆止弁は閉じ始める。つまり、圧縮機が最小容量運転状態にあるとき、逆止弁には、微少開度の開閉を繰り返すというハンチング現象が発生し、それが異音を発生させる原因となる。
そこで、漸増する吐出圧力によって逆止弁が開弁するときの開口面積を可変にしてその寸開時に下流側へ流出する冷媒流量を制限する流量調整機能を持たせることによりハンチング現象を抑える技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、逆止弁の上流側から第1の弁部とそれより受圧径が大きい第2の弁部とが段階的に設けられ、第2の弁部の弁体には第1の弁部に向かってテーパ部が形成されている。これにより、第1の弁部が開いて第2の弁部が寸開するときにその第2の弁部の開度が漸増するようになり、冷媒の流量が絞られてハンチング減少が抑制される。
特開2005−249154号公報
しかしながら、圧縮機の吐出冷媒には摺動部の摩耗等で発生した金属粉などの異物が含まれることがあり、このように逆止弁の弁体にテーパ部を設けた結果、その閉弁時においてその異物の噛み込みが発生しやすくなる。すなわち、そのテーパ部によって弁体の摺動端部に形成される鋭角状の隙間に異物が侵入した場合、弁体が閉弁方向へ移動するにつれてその異物を隙間の基端部に巻き込むようになる。その結果、異物が弁体に固着するなどして、弁部の円滑な開閉に支障をきたすという別の問題が懸念された。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、逆止弁における異物の噛み込みを防止してその弁部の円滑な開閉を保持することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の逆止弁は、冷媒通路に配設されて冷媒の流れを一方向に規制するための逆止弁において、上流側に冷媒の導入口を有し、側部に冷媒の導出孔が設けられた筒状のボディと、ボディ内の導入口と導出孔との間に設けられた段部に形成された弁座と、ボディ内に摺動可能に収容されるとともに、弁座に着脱して第1の弁部を開閉する着脱部と、ボディの内周面との摺接位置によって第1の弁部よりも受圧径の大きい第2の弁部を開閉して導出孔を開閉させるスプール部と、スプール部の着脱部とは反対側でボディに摺動しつつガイドされるガイド部とを有し、第1の弁部が所定量開弁された後に第2の弁部が開弁されるように構成された弁体と、ボディにおける弁体の背部に区画形成された背圧室と、背圧室に配設されて弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、を備える。
そして、弁体におけるスプール部の上流側端面と、ボディにおけるスプール部との摺動面とがなす接面角度が、直角または鈍角となるように構成されている。また、導出孔が、第2の弁部の開度が大きくなるように弁体が変位するにしたがってボディの内外を連通させる開口面積を大きくする形状を有する。さらに、ボディの内周面と弁体のガイド部との間に、背圧室と導出孔とを連通させる連通路が形成されている。
この態様では、スプール部の上流側端面とボディの摺動面とがなす接面角度が、直角または鈍角となるように構成されている。ここでいう「直角」とは実質的に直角であればよく、いわゆる加工上等の誤差範囲を含んでもよい。この態様によれば、接面角度が実質的に鋭角とならないため、弁体が第2の弁部を閉弁するように変位したときに、冷媒中の異物がスプール部に巻き込まれることを防止または抑制することができる。異物は、スプール部の上流側端面に滞留するなどして一時的に保持され、再度第2の弁部が開弁したときに、冷媒とともに導出孔の下流側へと押し流されるようになる。その結果、逆止弁における異物の噛み込みを防止してその弁部の円滑な開閉動作を維持することができる。一方、第2の弁部が、第1の弁部が所定量開弁されてからさらに開弁するまでの間、冷媒通路の開口面積が連続的に変化するように構成されているため、第2の弁部の寸開状態におけるその前後差圧の変化を小さく保持することができる。すなわち、第2の弁部を通過する冷媒に対して安定した流量調整機能を担保することができ、弁体の自励振動による異音の発生を防止または抑制することができる。
また、背圧室と導出孔とを連通させる連通路が形成されることで、背圧室内外の差圧を小さくすることができ、その結果、ガイド部側で異物を吸引することを防止することができる。すなわち、ガイド部側の摺動部に異物の噛み込みが発生することを防止することもできる。なお、そのような効果を高めるためには、背圧室内外の差圧がゼロとなるよう連通路の大きさや形状が選択されるのが好ましい。
なお、上述のように接面角度を直角または鈍角とすることで異物の巻き込みを抑制することができるが、異物の大きさによってはその巻き込みを完全に防止できない可能性がある。このため、仮に異物の巻き込みが発生したとしてもこれを速やかに除去できるよう、スプール部の長さを短くするのが好ましい。このため、例えばスプール部の軸線方向の長さが第1の弁部が上記所定量開弁するときの弁体の変位量と実質的に等しくなるように形成し、その長さを最小限に抑えるようにしてもよい。
本発明によれば、逆止弁における異物の噛み込みを防止してその弁部の円滑な開閉を保持することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る逆止弁は、車両用空調装置の冷凍サイクルを循環する冷媒を圧縮する可変容量圧縮機(単に「圧縮機」という)に設置され、その圧縮機の出口と吐出室との間の冷媒通路に配設されて冷媒の逆流を規制するものである。この車両用空調装置は、その圧縮機のほか、凝縮器またはガスクーラ等の外部熱交換器、膨張装置および蒸発器等を備える。
本実施の形態に係る逆止弁は、車両用空調装置の冷凍サイクルを循環する冷媒を圧縮する可変容量圧縮機(単に「圧縮機」という)に設置され、その圧縮機の出口と吐出室との間の冷媒通路に配設されて冷媒の逆流を規制するものである。この車両用空調装置は、その圧縮機のほか、凝縮器またはガスクーラ等の外部熱交換器、膨張装置および蒸発器等を備える。
圧縮機は、蒸発器側から吸入室に導入された冷媒ガスをシリンダに導入して圧縮し、吐出室から凝縮器側へ高温・高圧の冷媒を吐出する。この吐出冷媒の一部は可変容量圧縮機用制御弁(単に「制御弁」という)を介してクランク室内に導入され、圧縮機の容量制御に供される。制御弁は、ソレノイド駆動の電磁弁として構成され、図示しない制御部により所定の駆動回路を介して通電制御される。逆止弁は、圧縮機のハウジングに設けられた冷媒通路に固定される。なお、逆止弁を除く圧縮機の構成、また冷凍サイクルを構成するその他の装置の構成については一般的であるため、その説明については省略する。
図1は実施の形態に係る逆止弁の正面図であり、図2は逆止弁の平面図である。また、図3は図1のA−A矢視断面図であり、図4は図3のB−B矢視断面図である。さらに、図5は逆止弁の全開状態を表す断面図である。
図3に示すように、逆止弁1は、有底円筒状のボディ10に有底円筒状の弁体12を摺動可能に収容するようにして構成されている。ボディ10は、段付円筒状の第1ボディ14と有底円筒状の第2ボディ16とを、互いの開口部を突き合わせるように軸線方向に連設して構成されている。第1ボディ14は、第2ボディ16側に外径が縮径されており、その縮径部18に第2ボディ16の開口部が外挿されて外方から加締められることにより両ボディが接合されている。縮径部18の開口端縁にはボス部20が段部を形成するように突設されており、そのボス部20の先端面により弁座22が構成されている。第1ボディ14のボス部20とは反対側の開口部は導入口23となっており、圧縮機の吐出室から吐出された冷媒を導入する。
第2ボディ16の側部には、内外を連通する4つの導出孔24が周方向に等間隔で(90度おきに)形成されている。各導出孔24は、図1および図5にも示すように、概ね三角形状をなし、その頂部が弁座22側に位置するように形成されている。この導出孔24の形状は、第2の弁部を通過する冷媒の流量調整のために有効に機能するが、その説明については後述する。また、第2ボディ16の底部周縁部にも内外を連通する連通孔26が等間隔で(90度おきに)形成されている(図2および図4参照)。弁体12と第2ボディ16とに囲まれた空間により背圧室48が形成されている。
また、図4にも示すように、第2ボディ16の底部側半部の側部内周面には軸線方向に平行に延びる4つの連通溝28(「凹部」に該当する)が等間隔で(90度おきに)形成されており、その残余の部分により弁体12を摺動可能に支持する4つの摺動面30が形成されている。第2ボディ16の内周面には、また、4つの導出孔24に連通する環状溝32(「凹溝」に該当する)が周設されており、その4つの導出孔24と4つの連通溝28とを連通させている。さらに、第2ボディ16の底部中央には、内方に突出するボス部34が設けられている。
本実施の形態では、比較的幅が大きい連通溝28を導出孔24から周方向にずれた位置に配置し、比較的幅の小さい環状溝32にてそれら連通溝28と導出孔24とを連通させている。すなわち、第2ボディ16において連通溝28が形成される箇所はその肉厚が小さくなるため、その連通溝28上に導出孔24を設けると、第2ボディ16の強度が部分的に低下することになる。本実施の形態では、そのような局部的な強度の低下を避けるべく、連通溝28と導出孔24とを第2ボディ16の周方向にずらした位置に設けている。
弁体12は、第2ボディ16の内壁に沿って軸線方向に摺動する有底円筒状の本体40を有する。本体40の底部は、その外径がやや小径化された小径部となっており、その底面の周縁部が弁座22に着脱して第1の弁部を開閉する着脱部42を形成している。一方、その小径部につながる本体40の底部近傍には部分的に拡径されて形成されたスプール部44が設けられている。スプール部44は、ボディ10の内周面に対して摺動する摺動部にもなっており、第2ボディ16において導出孔24の上流側に位置する弁孔45に挿抜されて第2の弁部を開閉する。
スプール部44は、図示のような第1の弁部の閉弁状態においては、導出孔24よりも上流側に位置して第2の弁部を閉弁状態に保持する。スプール部44は、第1の弁部の開弁にともなって弁体12が開弁方向に変位するとともに導出孔24を上流側に対して開く方向、つまり第2の弁部の開弁方向に摺動し、導入口23と導出孔24とを連通させる。図示のように、弁体12の第1の弁部における有効受圧径Cよりも、第2の弁部における有効受圧径Dのほうが大きくなっている。
スプール部44の軸線方向の長さは、第1の弁部が所定量開弁してから第2の弁部が開弁を開始するまでの弁体12の変位量とほぼ等しくなる程度に小さく設定されている。すなわち、スプール部44は、第2ボディ16の内周面との摺接位置によって第2の弁部を開閉するが、その第2の弁部は、第1の弁部が所定量開弁された後に開弁される。圧縮機の吐出室から吐出された冷媒の吐出室圧力Pdhは、特に各弁部の開弁当初においては第1の弁部および第2の弁部を経て減圧され、出口圧力Pdlとなって圧縮機の出口から導出される。各弁部が全開状態にあるとき、吐出室圧力Pdhは出口圧力Pdlと実質的に等しくなる。
弁体12におけるスプール部44の着脱部42とは反対側はガイド部46となっており、第2ボディ16の摺動面30に沿って摺動する。すなわち、弁体12は、スプール部44およびガイド部46にてボディ10に摺動可能に支持されている。ボディ10における弁体12の背部には、その弁体12と第2ボディ16とに囲まれるように背圧室48が区画形成されている。背圧室48における弁体12の底部と第2ボディ16の底部との間には、弁体12を閉弁方向に付勢するスプリング50(「付勢部材」に該当する)が介装されている。上述のように、第1の弁部の有効受圧径Cが第2の弁部の有効受圧径Dより小さく構成されているため、閉弁状態を保持するためのスプリング50の荷重を小さく設定することができる。つまり、スプリング50として荷重の小さなものを使用できる。
また、第1の弁部が、着脱部42が弁座22に着脱することにより開閉する弁として構成されているのに対し、第2の弁部は、スプール部44が弁孔45に挿抜されることにより開閉するスプール弁として構成されている。すなわち、第2の弁部は弁孔45に対してオーバラップするラップ代を有するため、第1の弁部と第2の弁部は、その開閉タイミングに所定のずれがあり、弁体12の弁座22からのリフト量が小さい領域では異なった開閉動作をする。
すなわち、着脱部42が弁座22に着座して第1の弁部が閉弁状態にあるとき、第2の弁部もスプール部44が弁孔45に挿入された閉弁状態にある。このとき、スプール部44は、その軸線方向の長さ分だけ弁孔45に挿入された位置にある。したがって、弁体12が弁座22からリフトして第1の弁部が開弁しても、第2の弁部は、弁体12がその軸線方向の長さ分だけリフトするまでは閉弁状態を維持し、それ以上リフトして開弁し始めるようになる。すなわち、圧縮機が最小容量運転をしているときなど、吐出室圧力Pdhが小さい間は弁体12が小さな有効受圧径Cにてその圧力による荷重を受けるため、スプリング50の付勢力によって第1の弁部を閉弁状態に保持でき、逆止弁1としての機能を有効に発揮することができる。一方、吐出室圧力Pdhがある程度大きくなって第1の弁部が開き始めると、弁体12が大きな有効受圧径Dにてその圧力による荷重を受けるため、第2の弁部が速やかに開弁されるようになる。その結果、逆止弁1を速やかに全開状態へ移行させ、特に圧力損失を発生させることなく冷媒を流せるようになる。
また、上述したボス部34は、スプリング50の軸芯として機能している。弁体12の開口端部の数カ所には、所定幅の切り欠き部52が設けられている。このため、図5に示すように弁体12が全開状態となり、その開口端部が第2ボディ16の底部に係止されたとしても、背圧室48の内外を連通孔26を介して連通可能となっている。また、連通溝28の端部も切り欠き部52を介して背圧室48に連通可能となっている。つまり、弁体12の全開状態においても切り欠き部52、連通溝28および環状溝32による連通路が形成され、導出孔24と背圧室48とが連通状態を保持できるようになっている。このように、背圧室48が一方で連通孔26を介して外部に連通し、他方で連通溝28等による連通路を介して外部に連通しており、背圧室48の内外の差圧が実質的にゼロとなるように導出孔24および連通路の大きさが設定されている。その結果、外部から背圧室への異物の吸い込みが効果的に抑制されている。
次に、本実施の形態における異物の噛み込み防止構造および流量調整機能について説明する。図6は、逆止弁の弁部近傍を表す部分拡大断面図である。(A)は本実施の形態の構造を示し、(B)はその比較例の構造を表している。
本実施の形態では同図(A)に示すように、弁体12におけるスプール部44の上流側端面と、ボディ10におけるスプール部44との摺動面とがなす接面角度θが直角となるように構成されている。このため、仮に閉弁タイミングにて弁体12の小径部とボディ10との間隙に異物60が介在したとしても、そのスプール部44とボディ10との小さな間隙にその異物60が巻き込まれる可能性は低い。この異物60は、次の第2の弁部の開弁時に上流側から流れてきた冷媒とともに導出孔24の下流側へと押し流される。仮に異物60が巻き込まれたとしても、スプール部44の長さが短いため、その異物60の噛み込みを抑制することができ、次の第2の弁部の開弁時に容易に剥離させて下流側へ押し流すことができるようになる。
これに対し、比較例では同図(B)に示すように、対応する接面角度θが鋭角となるように構成されている。その結果、閉弁タイミングにて弁体112の上流側端部とボディ110との間隙に異物60が介在している場合、図中矢印で示すように弁体112が閉弁方向に動作する際に、その端面周縁部とボディ110との小さな間隙にその異物60が巻き込まれる可能性が高い。この巻き込みの度合いによっては異物が弁体112の表面に圧接されて固着し、その後に第2の弁部が開弁されても剥離が困難となり、弁体112の円滑な作動に支障をきたすことが想定される。すなわち、本実施の形態では、接面角度θを直角とすることで異物の噛み込みが防止される点で比較例よりも利点がある。
逆に、比較例では接面角度θが鋭角とすることで、第2の弁部を徐々に開弁させていく流量調整を行うことができ、第2の弁部の寸開時の安定性を保持することができるのに対し、本実施の形態では接面角度θが直角であるためにその弁体12の形状による流量調整機能を発揮させることができない。しかし、本実施の形態ではボディ10側に設けた導出孔24が、図1および図5に示されるように三角形状をなし、第2の弁部の開度が大きくなるように弁体が変位するにしたがってボディ10の内外を連通させる開口面積を大きくする。このため、第2の弁部の寸開時にはその弁開度が漸増するような流量調整機能を発揮させることができ、弁体12の自励振動によるハンチングを防止または抑制することができる。その結果、弁体12の開弁動作を安定に維持することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はその特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
上記実施の形態では、図6(A)に示したように、スプール部44の上流側端面と、ボディ10の摺動面とがなす接面角度θが直角となる構成例を示した。変形例においては、その接面角度θが90度より大きい鈍角となるように構成してもよい。そのような構成によっても、スプール部44とボディ10との小さな間隙に異物が噛み込むことを防止または抑制することができる。
上記実施の形態では、逆止弁1をクラッチレス式の可変容量圧縮機のハウジング内に設置するものとして説明したが、クラッチ式の可変容量圧縮機に設置してもよいし、可変容量圧縮機以外の圧縮機に設置してもよい。あるいは、可変容量圧縮機と凝縮器とをつなぐ配管内など冷凍サイクルの他の部位に設置してもよい。また、自動車用空調装置の冷凍サイクルに限らず、屋内用その他の空調装置に設置してもよい。
1 逆止弁、 10 ボディ、 12 弁体、 22 弁座、 23 導入口、 24 導出孔、 26 連通孔、 28 連通溝、 30 摺動面、 32 環状溝、 34 ボス部、 42 着脱部、 44 スプール部、 46 ガイド部、 48 背圧室、 50 スプリング、 60 異物。
Claims (5)
- 冷媒通路に配設されて冷媒の流れを一方向に規制するための逆止弁において、
上流側に冷媒の導入口を有し、側部に冷媒の導出孔が設けられた筒状のボディと、
前記ボディ内の前記導入口と前記導出孔との間に設けられた段部に形成された弁座と、
前記ボディ内に摺動可能に収容されるとともに、前記弁座に着脱して第1の弁部を開閉する着脱部と、前記ボディの内周面との摺接位置によって前記第1の弁部よりも受圧径の大きい第2の弁部を開閉して前記導出孔を開閉させるスプール部と、前記スプール部の前記着脱部とは反対側で前記ボディに摺動しつつガイドされるガイド部とを有し、前記第1の弁部が所定量開弁された後に前記第2の弁部が開弁されるように構成された弁体と、
前記ボディにおける前記弁体の背部に区画形成された背圧室と、
前記背圧室に配設されて前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、
を備え、
前記弁体における前記スプール部の上流側端面と、前記ボディにおける前記スプール部との摺動面とがなす接面角度が、直角または鈍角となるように構成され、
前記導出孔が、前記第2の弁部の開度が大きくなるように前記弁体が変位するにしたがって前記ボディの内外を連通させる開口面積を大きくする形状を有し、
前記ボディの内周面と前記弁体のガイド部との間に、前記背圧室と前記導出孔とを連通させる連通路が形成されていることを特徴とする逆止弁。 - 前記連通路の形成により、前記背圧室の内外の差圧が実質的にゼロとなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の逆止弁。
- 前記スプール部は、その軸線方向の長さが、前記第1の弁部が前記所定量開弁するときの前記弁体の変位量と実質的に等しくなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の逆止弁。
- 前記ボディに前記背圧室の内外を連通させる連通孔が形成され、
前記連通路として、前記ボディにおいて前記導出孔と周方向にずれた位置にて軸線方向に延びる凹部が形成され、その凹部の一端側が前記連通孔に連通する一方、他端側が前記ボディの内周面に形成された凹溝を介して前記導出孔に連通するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の逆止弁。 - 可変容量圧縮機の出口と吐出室との間の冷媒通路に配設され、その出口側から吐出室への冷媒の逆流を規制することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の逆止弁。
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