JP7262186B2 - 気体制御弁 - Google Patents

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Description

本発明は圧縮空気や熱媒ガス,蒸気等の気体の制御に使用する弁(本発明において「気体制御弁」という。)の構造に関し,より詳細には,弁が短いサイクルで開閉を繰り返す現象である,所謂「チャタリング」の発生を防止し得る構造を備えた気体制御弁に関する。
一例として図7を参照して油冷式スクリュ圧縮機200の空気回路で使用されている気体制御弁を例に取り説明すると,油冷式スクリュ圧縮機200の圧縮機本体230は,一対のスクリュロータの噛み合い回転により吸入流路237を介して導入された空気等の被圧縮気体を潤滑油と共に圧縮して気液混合流体として吐出する構成であることから,圧縮機本体230より気液混合流体として吐出された圧縮気体は,これを一旦,レシーバタンク260内に導入し,圧縮気体と潤滑油とに分離することが行われる。
そして,レシーバタンク260に導入されて潤滑油が分離された圧縮気体は,更にセパレータ265を通過させて圧縮気体中にミストの状態で含まれる油分を除去した後,消費側に供給される。
以上のように構成された油冷式スクリュ圧縮機200において,圧縮機本体230が停止すると,レシーバタンク260内の圧縮気体が圧縮機本体230に向かって逆流すると共に,圧縮機本体230内で圧縮中であった圧縮気体が膨張することで,圧縮気体と共に潤滑油が,吸入流路237及びアンローダバルブ202を介して吹き出すことで,吸入側に設けた図示せざるエアフィルタが潤滑油で目詰まりを起こすと共に,機内が潤滑油で汚染される。
そのため,圧縮機本体230が停止しても,このような圧縮気体の逆流によって潤滑油が吹き出すことがないよう,圧縮機本体230の吐出口231とレシーバタンク260の吐出流路内に逆止弁210を設け,レシーバタンク260側から圧縮機本体230側へ圧縮気体が逆流することを防止すると共に,吸入流路237に設けるアンローダバルブ202として,二次側が負圧のときに開弁する,逆止弁としての機能を備えたアンローダバルブ202を設け,圧縮機本体230内の圧縮中の圧縮気体が吸入流路237側に流入して二次側の圧力が上昇すると,アンローダバルブ202の弁体202aが弁座202bに押圧されてアンローダバルブ202を閉じるようにする構成も採用されている。
また,圧縮機本体230の作動中,圧縮機本体230に対してはレシーバタンク260内の潤滑油が給油流路を介して給油されるが,このような給油はレシーバタンク260内の圧力(圧縮気体の圧力)を利用して行われることから,油切れによるスクリュロータの焼き付き等を防止するために,レシーバタンク260内の圧力は,このような給油を行うために必要な圧力に維持されていなければならない。
そのため,レシーバタンク260に設けたセパレータ265の二次側に,一次側の圧力が所定の設定圧力以上となったときに開く保圧弁220を設け,レシーバタンク260内の圧力が所定の設定圧力未満に低下することを防止している。
以上で説明した油冷式スクリュ圧縮機200の空気回路に設けられている前述の逆止弁210,保圧弁220,及びアンローダバルブ202は,いずれも,一次側と二次側の差圧によって作動するように構成されており,この差圧によって弁体を弁座から離間させる方向に作用する力が,スプリング等の付勢手段が弁体を弁座方向に付勢する力と釣り合った状態を超えると開弁し,釣り合い状態以下の場合に閉弁する構造となっている。
そのため,これらの弁の一次側と二次側の差圧が,前述した釣り合い状態の差圧を境として,短時間のうちに上下する変動を頻繁に繰り返すと,短いサイクルで弁が開閉動作を繰り返す,所謂「チャタリング」が発生し,開閉の度に弁体が弁座に衝突することで騒音が発生すると共に,相互に衝突する弁体や弁座の他,弁軸等の摺動部材の摩耗が早まる等して,弁の寿命が短くなる。
なお,以上の説明では,図7を参照して油冷式スクリュ圧縮機200の空気回路中に設けた逆止弁210,保圧弁220,及びアンローダバルブ202を例に挙げて説明したが,前述したチャタリングは,油冷式スクリュ圧縮機200の空気回路に設けた気体制御弁に特有の問題ではなく,各種の気体の制御において,一次側と二次側の圧力差によって作動する弁に共通して生じる問題である。
このようなチャタリングに伴う問題のうち,開弁に伴い弁体130が上昇した際に,弁体130と弁蓋に設けた弁体支持部127の下端との衝突に伴う衝撃音の発生を防止することを目的として,図8に示すように,弁体130のうち,弁体支持部127に設けた弁体支持用孔127a内に挿入される部分である弁体部132の上端にスペーサ137を装着し,開弁時,弁体130と弁体支持部127の下端が衝突しないようにした逆止弁100が提案されている(特許文献1)。
また,前述したチャタリングの低減を目的として,図9に示すように弁体130に取り付けられた棒螺子138と,この棒螺子138に螺合されるナット139から成るダンパー機構140を設け,このダンパー機構140によって弁体130の移動速度を減少させることで調圧弁100’のチャタリングを緩和することが提案されている(特許文献2)。
特開2017-101684号公報 特開2000-179722号公報
以上で従来技術として説明した気体制御弁のうち,特許文献1として紹介した逆止弁100の構造では,スペーサ137を設けたことで開弁時,弁体130は弁体支持部127の下端に衝突しなくなるため,チャタリングの発生時にこの部分が衝突することで生じていた騒音の発生については解消することができる。
しかし,特許文献1に記載の構成では,上記部分の衝突とこれに伴う騒音の発生を防止することはできるものの,チャタリングの発生自体を防止,あるいは低減させることができるものとはなっていない。
その結果,依然としてチャタリングが発生することで,弁体130と弁座126の衝突により生じる騒音や摩耗の発生,弁体部132や弁体支持部127等の摺接部分に摩耗が発生するといった問題を解消することはできない。
一方,特許文献2に記載の調圧弁100’の構成では,前述したダンパー機構140を設けて弁体130の移動速度を低下させたことで,弁体130は,短いサイクルで動作できなくなることから,チャタリングの発生自体を抑制することができるものと考えられる。
しかし,特許文献2に記載の構成では,圧力変化に対し,弁体130の動作が大きく遅れることとなるため,このような構造を備えた調圧弁100’を使用して正確な圧力調整を行うことが難しく,また,このような調圧弁100’の構造を逆止弁に適用した場合,逆流の発生後,しばらくして弁が閉じることとなるため,僅かな逆流も防止する必要がある用途の逆止弁の構造としては採用することができない。
しかも,前掲の特許文献1及び特許文献2に記載のいずれの構成共,新たな部品の追加等を行う必要がある等,既存の逆止弁や調圧弁の設計の大幅な見直しが必要となる。
ここで,前述した特許文献1に記載されている逆止弁100や,特許文献2に記載されている調圧弁100’のように,一次側と二次側の差圧によって作動する気体制御弁の動作を観察してみると,前述したチャタリングは,一次側と二次側の差圧が小さいときに生じる場合が多い。
このことからチャタリングの発生原因を予測すると,一次側と二次側の圧力差がスプリング等の付勢手段による付勢力等,弁体を弁座に着座させる方向に作用する力と釣り合った状態の圧力差に対し,僅かに開弁側に増大した状態で開弁が行われることで,開弁に伴う一次流路と二次流路の連通により両流路間の圧力差が減少して,一次流路内の圧力が開弁状態を維持するために必要な圧力を保てなくなることで,再度閉弁し,圧力差がある程度大きくなるまで,この動作が短時間のうちに繰り返されることで,チャタリングが発生するものと考えられる。
そこで,本発明の発明者は,上記の予測の下,このように僅かな圧力差で開弁が生じている時,すなわち,弁の開度が小さい状態のときに,高圧側の流路から低圧側の流路に流れる気体の通過量を減らして一次側流路と二次側流路間の圧力差が減少することを防止できれば,チャタリングの発生自体を抑制し,あるいは無くすことができるのではないかと予測した。
本発明は,発明者の上記予測の下,上記従来技術が有する欠点である,新たな部品の追加や大幅な設計変更を行うことなく,かつ,圧力変化に対する応答速度を犠牲にすることなく,しかも,チャタリングの発生自体を抑制,あるいは無くすことのできる構造を備えた気体制御弁を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と,発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の気体制御弁10は,
入口21と連通する一次流路22と,出口23と連通する二次流路24,及び,前記一次流路22と二次流路24とを連通する連通口25を備えた弁箱20と,
前記二次流路24側において前記連通口25を開閉する弁体30を備え,
前記弁体30が,前記一次流路22内の圧力が前記二次流路24内の圧力に対し所定の高い圧力以上になると前記連通口25の中心軸C上を移動して前記連通口25の開放を開始して,前記一次流路22と二次流路24の圧力差の増大に伴い所定の全開位置まで開度を増大すると共に,前記一次流路22内の圧力が前記二次流路24内の圧力に対し前記所定の高い圧力未満になると,前記連通口25を閉塞するよう構成されており,
前記連通口25の周縁部に前記弁体30が着座する弁座面26が形成され,前記弁体30の周縁部に前記弁座面26と接触する当り面31が形成されていると共に,前記弁座面26と前記当り面31との接触により前記連通口25が閉じ,前記弁座面26と前記当り面31の離間と共に前記連通口25が開いて前記一次流路22と前記二次流路24の連通が開始するよう構成されており,
前記弁座面26及び/又は前記当り面31に,前記連通口25の外周を囲むと共に前記弁座面26と前記当り面31が接触することにより封止される環状溝40を設けたことを特徴とする(請求項1)。
前記環状溝40は,同心状に複数設けることが好ましい(請求項2)。
前記環状溝40は,これを,前記弁体30の前記当り面31に設けるものとしても良く(請求項3;図3,図4),又は,前記連通口25の周縁部に設けた前記弁座面26に設けるものとしても良い(請求項4;図5)。
更に,前記連通口25の周縁部に設けた前記弁座面26と,前記弁体30の前記当り面31のいずれか一方に前記環状溝40を形成すると共に,他方に,閉弁時,前記環状溝40内に遊嵌される,前記環状溝40の深さに対応する高さを備えた環状の凸条42を設けるものとしても良い(請求項5,図6)。
この場合,前記環状溝40の幅を前記凸条42の約2倍に形成すると共に,前記環状溝40の幅方向の中心と,前記凸条42の幅方向の中心を一致させた配置とすることが好ましい(請求項6,図6参照)。
なお,本発明の気体制御弁10の構造は,好ましくは逆止弁の構造に採用することが好ましい(請求項7)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明の気体制御弁10では,チャタリングの発生を抑制することができた。
すなわち,弁座面26及び/又は弁体30の当り面31に,前記連通口25の外周を囲う環状溝40を設けたことで,図4に示すように弁座面26と当り面31が僅かな間隔δで離間した際,2つの面26,31の間には,幅狭の流路51と,環状溝40によって形成された膨張室52が形成される。
その結果,一次流路22から二次流路24へ移動する気体は,幅狭の流路51を通過した後,膨張室52内に導入された際に膨張して圧力降下が生じることで,膨張室52と二次流路24内の圧力差が緩和され,膨張室52から二次流路24側への気体の流れが生じ難くなり,その結果,一次流路22から二次流路24に向かって流れる気体の流量が減少する結果,一次流路22内の圧力が低下し難くなり,チャタリングが発生し難くなる。
特に,前記環状溝40を,同心状に複数設けた構成では,前述した膨張による圧力降下が複数回に亘って繰り返し行われることで,より一層の流量を制限することができ,チャタリングの発生を生じ難くすることができた。
前記環状溝40を,前記弁体30の当り面31に設けた構成では,異なる本数や溝幅等で環状溝40が形成された複数種類の弁体30を予め用意しておくことで,使用条件の変更等に伴う気体制御弁10の動作設定の変更等に応じて弁体30を交換することで,気体制御弁10の調整等を比較的容易に行うことができた。
また,弁箱20は,通常,鋳物をマシニングにより切削加工することで製造されることから,前記環状溝40を,弁箱20に設けた連通口25の周縁にある弁座面26に形成する構成では,マシニングによる連通口25の切削加工の際に同時に環状溝40を形成することで,環状溝40を連通口25と同心となる正確な位置に形成することが容易である。
更に,前記連通口25の周縁部に設けた前記弁座面26と,前記弁体30に設けた前記当り面31のいずれか一方(図6に示す実施形態では弁座面26)に前記環状溝40を形成すると共に,他方(図6に示した実施形態では当り面31)に,閉弁時,前記環状溝40内に遊嵌される,前記環状溝40の深さに対応する高さを備えた環状の凸条42を設けた構成では,弁座面26と当り面31が僅かな間隔δで離間した際に形成された流路が上下に蛇行した形状となることで,より一層,開弁初期における気体の通過量を減少させることができた。
特に,環状溝40と凸条42のサイズと配置の種々の組み合わせ中,環状溝40の幅を凸条42の幅の約2倍とし,環状溝40の幅方向の中心と,凸条42の幅方向の中心を一致させた配置とした組合せにおいて最もチャタリングが発生し難いものとすることができた。
本発明の気体制御弁(逆止弁)を備えた油冷式スクリュ圧縮機の説明図。 本発明の一実施形態を示す気体制御弁(逆止弁)の断面図。 図2の矢示A部分の拡大図。 弁座面と当り面間に形成される流量の作用説明図。 図2の矢示A部分の変更例を示す拡大図。 図2の矢示A部分の更に別の変更例を示す拡大図。 従来の油冷式スクリュ圧縮機の空気回路図。 従来の逆止弁の断面図(特許文献1の図1に対応)。 従来の調圧弁の断面図(特許文献2の図1に対応)
以下,添付図面を参照しながら本発明の気体制御弁について説明する。
なお,以下の説明では,油冷式スクリュ圧縮機1の圧縮機本体3の吐出口3aとレシーバタンク6間に設けた逆止弁10に本発明の気体制御弁の構造を採用した場合を例に挙げて説明するが,本発明の気体制御弁の構造は,上記逆止弁10の構造以外にも,図7を参照して説明した油冷式スクリュ圧縮機200の空気回路中に設けられている保圧弁やアンローダバルブの構造として採用することもでき,また,油冷式スクリュ圧縮機の空気回路中に設けられる気体制御弁のみならず,蒸気や熱媒,その他のガスの制御に使用する逆止弁,保圧弁(圧力調整弁)等に対し広く適用可能であり,その適用範囲は,実施形態に記載のものに限定されるものではない。
図1は,本発明の気体制御弁10を備えた油冷式スクリュ圧縮機1の説明図であり,ここでは,圧縮機本体3の吐出口3aに取り付けた逆止弁10の構造に本発明の気体制御弁の構成を採用している。
この逆止弁10は,レシーバタンク6側から圧縮機本体3側に向かう圧縮気体の逆流を防止するもので,図2に示すように,その弁箱20内には,圧縮機本体3の吐出口3aに連結される入口21を備えた一次流路22と,レシーバタンク6に連通する吐出配管7が連結される出口23を備えた二次流路24,及び,前記一次流路22と二次流路24とを連通する,二次流路24側に向かって開口する円形の連通口25が形成されている。
この連通口25の開口縁には,後述する弁体30に形成された当り面31と接触する弁座面26が形成されており,二次流路側より弁体30で連通口25を塞いだ際,この弁座面26に当り面31が接触することで,二次流路24側から一次流路22側への圧縮気体の逆流が阻止されると共に,弁体30が移動(図示の例では下降)して弁座面26から弁体30の当り面31が離間することで,弁座面26と当り面31間に生じた間隔を介して圧縮気体が一次流路22から二次流路24側に流れることができるように構成されている。
図示の実施形態において,この連通口25を開閉する弁体30は,前述した連通口25よりも僅かに大きい同心状の円盤型に形成されており,その周縁部に,前述の弁座面26と接触する当り面31が形成されている。
弁体30には,この当り面31の形成面と反対側の面(紙面下側の面)に,連通口25の中心軸Cと同軸を成す弁棒32が設けられており,この弁棒32を弁箱20内に形成されたスリーブ27内に進退移動可能に収容することで,このスリーブ27による案内によって,連通口25の中心軸Cの方向に,弁体30が昇降移動することができるように構成されている。
弁体30が下方から上向きに連通口25を塞ぐように構成した本実施形態の逆止弁10では,この弁体30を,その重量に抗して上昇させて連通口25に設けた弁座面26に着座させるための付勢手段33を設けている。
このような付勢手段33を設けるために,図示の実施形態では,前述した弁棒32を中空に形成し,この弁棒32内に形成された中空空間内に前述の付勢手段としてコイルスプリング33を収容しており,このコイルスプリング33によって弁体30を上向きに付勢することで,弁体30によって連通口25が常時,閉ざされている。
なお,一次流路22を上側,二次流路24を下側に配置した図示の実施形態とは異なり,二次流路24を上側,一次流路22を下側に配置した,図2を上下逆転させた状態に逆止弁10を取り付ける場合には,前述の付勢手段(コイルスプリング)33は必ずしも設ける必要はなく,弁体30自体の重みによって弁体30が弁座面26に着座する方向に付勢されるように構成しても良い。
なお,図2中の符号34は通気孔であり,この通気孔34によって弁体30が下降した際にスリーブ27及び弁棒32内の気体を抜き,弁体30の上昇時には気体をスリーブ27及び弁棒32内に導入できるようにすることで,弁体30の昇降動作を円滑に行わせることができるように構成している。
以上のように構成された逆止弁10において,付勢手段である前述のコイルスプリング33は,圧縮機本体3が停止して一次流路内の圧力が大気圧となっている状態では,弁体30の重量に抗して弁体30を上昇させて,弁体30の当り面31を弁座面26に接触させて連通口25を閉じた状態とする。
この状態から,圧縮機本体3が回転を開始して圧縮気体の吐出が開始されると,一次流路22内の圧力が上昇して,この圧力によって弁体を押し下げる方向の力が発生し,一次流路22内の圧力が,コイルスプリング33の付勢力に抗して弁体を押し下げるに至るまで上昇すると,弁体30は下降を開始して,弁体30に設けた当り面31が弁座面26から離間して連通口25が開き,当り面31と弁座面26間に生じた隙間を介して,圧縮気体が一次流路22から二次流路24に流入する。
一方,圧縮機本体3が停止する等して,一次流路22内の圧力が二次流路24内の圧力に対して低くなると,二次流路24内の圧力とコイルスプリング33の付勢力によって弁体30が上昇して弁体の当り面31が弁座面26と接触して連通口が塞がれることで,圧縮気体の逆流が防止されており,このような逆止弁としての基本動作については,既知の逆止弁と同様である。
本発明の逆止弁10では,図3~図6に示すように,前記弁座面26又は前記当り面31の一方,又は双方に,前記連通口25の外周を囲むように環状溝40を設ける構成を採用している。
図3は,この環状溝40を弁体30の当り面31側に形成した構成例を示したもので,一例として,幅1mm程度,深さ0.4~0.5mm程度の環状溝を,0.4~0.5mm程度の間隔を開けて2本,同心状に形成している。
なお,図3に示す実施形態では,断面矩形状の環状溝40を2本,同心状に設けた構成を示しているが,形成する環状溝40の形状やサイズ,形成する本数は,対象とする逆止弁10のサイズや使用条件等に応じて適宜変更することが可能であり,これらを変更することで,逆止弁10が最適に動作するよう調整するものとしても良い。
従って,弁体30の当り面31に環状溝40を設ける本実施形態の構成では,例えば異なる形状やサイズ,本数で環状溝が形成された複数種類の弁体30をオプションパーツとして準備しておき,ユーザーの要望や逆止弁の使用条件等に合わせて弁体30を交換することで,逆止弁10の動作状態の調整等を行えるようにしても良い。
以上のように,連通口25の外周を囲う環状溝40を設けたことで,一次流路22内の圧力が上昇して,コイルスプリング33の付勢力に僅かに打ち勝って弁体30が下降を開始した初期状態において,当り面31と弁座面26が狭い間隔δで離間すると,弁座面26と当り面31間には,図4に示すように幅が前述した間隔δに対応する幅狭の流路51と,この幅狭の流路51間に,環状溝40によって形成された幅広の膨張室52が形成されている。
ここで,気体は高圧側から低圧側に流れようとするために,圧力が上昇した一次流路22内の圧縮気体は,弁体30の当り面31と弁座面26間の間隔を介して二次流路24側に移動しようとする。
しかし,一次流路22側から二次流路24側に向かって弁座面26と当り面31間に形成された前述の間隔を通過する気体は,前述した幅狭の流路51を通過して膨張室52内に至った際に膨張して圧力が低下することで,膨張室52内の圧力と,二次流路24との圧力差が減少する。
その結果,前述した間隔を通過する気体は,膨張室52を通過する毎に,従って,二次流路24に近付くにつれて圧力降下を繰り返すことで,気体は,二次流路24側に向かって流れ難くなり,前述した環状溝40(膨張室52)を設けていない場合に比較して,弁座面26と当り面31間を通過する圧縮気体の流量を減少させることができる。
ここで,一次流路22内の圧力が弁体30を付勢するコイルスプリング33の付勢力に僅かに打ち勝って,弁体を僅かに押し下げている状態では,一次流路22内の圧力の僅かな低下によっても,弁体30を押し下げた状態を維持できなくなって,閉弁してしまう。
そのため,一次流路22内の圧力がさほど高まっていない,弁座面26と弁体30の当り面31が僅かな間隔δで離間した開弁動作の初期において,前述したように環状溝40を形成することによって一次流路22から二次流路24側に流れる圧縮気体の量を制限することで,「チャタリング」の発生を防止することができる。
一方,一次流路22内の圧力がある程度上昇し,弁体30が更に押し下げられて弁座面26と当り面31間の間隔が環状溝40の深さに対し十分に大きな間隔に広がると,環状溝40によって生じる流路面積の増大は無視できる程度のものとなり,環状溝40が設けられていることは,弁座面26と当り面31間の間隔を通過する流体の流量に影響せず,逆止弁10は,既知の動作を行うこととなる。
このように,環状溝40の形成は,弁体30の動作が不安定となる,開弁動作の初期においてのみ圧縮気体の流量を制限して弁体30の動作を安定させるものである点で,特許文献2として紹介したように,ダンパーを設けて常に弁体の動作速度を規制する構成とは異なり,本発明の逆止弁10では,作動速度や応答性を犠牲にすることなく,チャタリングの発生のみを抑制することができるものとなっている。
以上,図2~図4を参照して説明した逆止弁10では,前述の環状溝40を弁体30の当り面31に設ける構成について説明したが,この構成に代え,図5に示すように環状溝40を弁座面26側に形成するものとしても良く,また,形成する環状溝40の断面形状も,図3に示す矩形状の溝に限定されず図5に示すような断面半円弧状の溝や,図示は省略するがV字溝等の各種形状に形成することができる。
図2~図4を参照して説明したように,弁体30の当り面31に環状溝40を形成した構成では,異なる形状やサイズ,形成本数で環状溝40が形成された弁体30を予め準備しておき,使用条件等に合わせて弁体30を交換等することで逆止弁10の調整等を行えるという利点がある一方,連通口25が設けられている弁箱20とは別体に形成されている弁体30側に環状溝40を形成する場合,弁箱20に弁体30を組付けた際に連通口25と同心状となるように環状溝40を形成するためには高い加工精度が必要となる。
そして,弁座面26と当り面31間に形成された流路中,図4を参照して説明した幅狭の流路51と,膨張室52となる環状溝40の形成間隔が変化すると,圧縮気体の通過量も変化するため,連通口25の全周方向における圧縮気体の通過量を均一抑制することが難しくなる。
これに対し,弁座面26側に環状溝40を形成する図5に記載の構成では,一旦形成した環状溝40のサイズや形成本数を後に変更することは困難となるが,環状溝40を正確な位置に形成すれば,他部品の取り付け等によって連通口25と環状溝40の位置関係が変化することはなく,しかも,鋳物をマシニングにより切削加工等することで完成される弁箱20側に環状溝40を設ける場合,前述したマシニングによる連通口25の形成に際し,環状溝40を同時に形成することで,弁座面26上の正確な位置に環状溝40を形成することが可能となり,前述した圧縮気体の通過量制御の効果を安定させることができる。
更に,図2~5を参照して説明した実施形態では,弁座面26又は弁体30の当り面31のいずれか一方にのみ,環状溝40を設ける構成について説明したが,図示は省略するが弁座面26と当り面31の双方に環状溝40を設ける構成を採用するものとしても良い。
更に,図6に示すように,弁座面26又は当り面31のうちの一方(図示の例では弁座面26)に環状溝40を形成し,他方(図示の例では弁体30の当り面31)に,閉弁時,環状溝40内に遊嵌される凸条42を環状に形成するものとしても良い。
図6に示すように,環状溝40のみならず環状の凸条42を設けた構成では,図2~図5を参照して説明した場合と同様,弁座面26と当り面31間に,図4を参照して説明したような幅狭の流路51と膨張室52が交互に形成される点では同様であるが,前述した凸条42を設けた構成では,図6中に狭い間隔δで離間した状態を拡大図で示したように,幅狭の流路51が膨張室52を挟んで上下に交互に表れることから,圧縮気体の流れも上下に蛇行することで,一次流路22側から二次流路24側へ抜ける圧縮気体の通過量を更に減少させることができ,より一層,チャタリングを発生し難くすることができる。
なお,前述した環状の凸条42を設ける構成において,形成する環状溝40と凸条42のサイズや両者の配置位置について各種パターンの組合せを試みた結果,環状溝40の深さと凸条42の高さを同一とし,環状溝40の幅の1/2の幅で凸条42を形成すると共に,環状溝40の幅方向の中心と,凸条42の幅方向の中心が一致するように両者を配置した場合に最も効果的にチャタリングの発生を防止することができた。
1 油冷式スクリュ圧縮機
3 圧縮機本体
3a 吐出口
6 レシーバタンク
7 吐出配管
10 気体制御弁(逆止弁)
20 弁箱
21 入口
22 一次流路
23 出口
24 二次流路
25 連通口
26 弁座面
27 スリーブ
30 弁体
31 当り面
32 弁棒
33 付勢手段(コイルスプリング)
34 通気孔
40 環状溝
42 凸条
51 幅狭の流路
52 膨張室
C 中心軸
δ 間隔
100 逆止弁
100’ 調圧弁
126 弁座
127 弁体支持部
127a 弁体支持用孔
130 弁体
132 弁体部
137 スペーサ
138 棒螺子
139 ナット
140 ダンパー機構
200 油冷式スクリュ圧縮機
202 アンローダバルブ
202a 弁体(アンローダバルブ202の)
202b 弁座(アンローダバルブ202の)
210 逆止弁
220 保圧弁
230 圧縮機本体
231 吐出口
237 吸入流路
260 レシーバタンク
265 セパレータ

Claims (7)

  1. 入口と連通する一次流路と,出口と連通する二次流路,及び,前記一次流路と二次流路とを連通する連通口を備えた弁箱と,
    前記二次流路側において前記連通口を開閉する弁体を備え,
    前記弁体が,前記一次流路内の圧力が前記二次流路内の圧力に対し所定の高い圧力以上になると前記連通口の中心軸上を移動して前記連通口の開放を開始して,前記一次流路と二次流路の圧力差の増大に伴い所定の全開位置まで開度を増大すると共に,前記一次流路内の圧力が前記二次流路内の圧力に対し前記所定の高い圧力未満になると,前記連通口を閉塞するよう構成されており,
    前記連通口の周縁部に前記弁体が着座する弁座面が形成され,前記弁体の周縁部に前記弁座面と接触する当り面が形成されていると共に,前記弁座面と前記当り面との接触により前記連通口が閉じ,前記弁座面と前記当り面の離間と共に前記連通口が開いて前記一次流路と前記二次流路の連通が開始するよう構成されており,
    前記弁座面及び/又は前記当り面に,前記連通口の外周を囲むと共に前記弁座面と前記当り面が接触することにより封止される環状溝を設けたことを特徴とする気体制御弁。
  2. 前記環状溝を,同心状に複数設けたことを特徴とする請求項1記載の気体制御弁。
  3. 前記環状溝を,前記弁体の前記当り面に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の気体制御弁。
  4. 前記環状溝を,前記連通口の周縁部に設けた前記弁座面に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の気体制御弁。
  5. 前記連通口の周縁部に設けた前記弁座面と,前記弁体の前記当り面のいずれか一方に前記環状溝を形成すると共に,他方に,閉弁時,前記環状溝内に遊嵌される,前記環状溝の深さに対応する高さを備えた環状の凸条を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の気体制御弁。
  6. 前記環状溝の幅を前記凸条の幅の約2倍に形成すると共に,前記環状溝の幅方向の中心と,前記凸条の幅方向の中心を一致させたことを特徴とする請求項5記載の気体制御弁。
  7. 逆止弁であることを特徴とする請求項1~6いずれか1項記載の気体制御弁。

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