以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、全閉状態における弁装置100の断面図である。図2は、全閉状態における弁装置100の第1弁体41及び第2弁体71を中心とする拡大断面図である。
弁装置100は、ケーシング1と、第1弁V1と、第2弁V2とを備えている。第1弁V1及び第2弁V2は、ケーシング1に収容されている。弁装置100は、第1弁V1及び第2弁V2のそれぞれを開閉させることによって、流体の流通及び遮断を切り替える。弁装置100は、全閉状態において第1弁V1及び第2弁V2の両方を閉弁し、全開状態において第1弁V1及び第2弁V2の両方を開弁する。弁装置100は、流体の温度に応じて第1弁V1及び第2弁V2の開閉を制御する温度調整弁である。流体は、例えば、ドレン(復水)である。
ケーシング1は、流体が流入する流入口21、弁室22、及び、流体が流出する流出口23が形成された本体11と、本体11に取り付けられ、本体11と共に弁室22を区画する蓋12とを有している。本体11には、流入口21と弁室22とを連通させる流入路24と、弁室22と流出口23とを連通させる流出路25とがさらに形成されている。例えば、流入口21には、ドレンが流入するドレン流入管が接続される。流出口23には、ドレンが流出するドレン流出管が接続される。
弁室22は、X軸を軸心とする概ね円筒状に形成されている。弁室22には、弁室22を内部空間22aと外部空間22bとに区画する円筒状の区画壁16が設けられている。流入路24の下流端は、この外部空間22bに開口している。区画壁16の上部には、区画壁16を厚み方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。流体は、区画壁16の貫通孔を通って、外部空間22bから内部空間22aへ流入する。
また、弁室22には、スクリーン15が配置されている。スクリーン15は、円筒状に形成されている。スクリーン15には、複数の微少な貫通孔(図示省略)が形成されている。つまり、スクリーン15は、流体が通過可能となっている。スクリーン15は、区画壁16の上部(即ち、貫通孔が形成されている部分)の外周面に密着して配置されている。
蓋12には、プラグ13とキャップ14とが取り付けられている。プラグ13は、軸心がX軸と一致する状態で蓋12にネジ結合されている。プラグ13は、蓋12を貫通し、弁室22に臨んでいる。プラグ13には、X軸に沿って延びるガイド孔13aが形成されている。ガイド孔13aの一端は、弁室22に開口している。プラグ13のうち弁室22側の端部には、X軸を挟んで2本の係合溝13bが形成されている。プラグ13のうち弁室22とは反対側の端部は、蓋12から外部に露出している。キャップ14は、プラグ13のうち蓋12から露出する部分を覆う状態で、蓋12にネジ結合されている。
第1弁V1及び第2弁V2は、弁室22のうち区画壁16の内部空間22aに配置されている。
第1弁V1は、第1弁孔32を有する第1弁座31と、第1弁孔32を開閉する第1弁体41と、第1弁体41を駆動する第1駆動部5とを有している。
第1弁座31は、弁室22の底に配置されている。第1弁座31は、第1弁孔32に加えて、第1弁孔32と流出路25を連通させる連通孔33が形成されている。第1弁孔32の軸心は、X軸と一致している。第1弁孔32の上流端部は、下流側に向かって縮径するテーパ面となっている。
第1弁孔32は、弁装置100の主流路の一部を構成する。具体的には、ケーシング1の内部には、流入口21、流入路24、弁室22、第1弁孔32、連通孔33、流出路25及び流出口23の順に流体が流れる主流路が形成されている。第1弁V1は、主流路における流体の流れを制御する。
第1弁体41は、X軸方向に延びるシャフト状に形成されている。第1弁体41の先端部41aは、X軸を軸心として先端に向かって先細となる円錐台状に形成されている。つまり、先端部41aの外周面は、第1弁座31、詳しくは、第1弁孔32の上流端部と密着するテーパ面となっている。先端部41aが第1弁座31に着座することによって、第1弁孔32が閉じられる。
先端部41aには、第2弁孔62が形成されている。第2弁孔62の軸心は、X軸と一致している。第2弁孔62の一端は、先端部41aの先端で開口している。第1弁体41の本体部41bの内部には、第2弁V2の一部を収容するスペース43が形成されている。第2弁孔62は、スペース43とつながっている。また、本体部41bのうちスペース43を区画する周壁には、周壁を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔43aが形成されている。スペース43には貫通孔43aを介して流体が流入し、第2弁孔62を介してスペース43から流体が流出する。つまり、第1弁体41には、貫通孔43a、スペース43及び第2弁孔62によって構成されるバイパス流路が形成されている。このバイパス流路は、第1弁体41が第1弁孔32を閉弁した状態において第1弁体41の上流側(即ち、弁室22)と第1弁体41の下流側(即ち、第1弁孔32)とを連通させる。詳しくは後述するが、バイパス流路は、第2弁V2によって開通及び遮断が切り替えられる。例えば、第2弁V2が全開時のバイパス流路の流量は、第1弁V1が全開時の主流路の流量よりも小さく設計されている。
第1弁体41のうち、先端部41aとは反対側の端部には、ガイドシャフト45が設けられている。ガイドシャフト45は、スペース43を塞ぐ一方、本体部41bから本体部41bと同軸状に延びている。ガイドシャフト45の軸心は、X軸と一致している。ガイドシャフト45のうちスペース43に進入している部分には、ガイド孔45aが形成されている。ガイド孔45aは、スペース43に開口している。ガイドシャフト45には、係合ピン45bが設けられている。係合ピン45bは、X軸に直交するようにガイドシャフト45を貫通している。ガイドシャフト45は、プラグ13のガイド孔13aに挿入されている。このとき、係合ピン45bは、プラグ13の係合溝13bに嵌っている。
第1弁体41には、第1緩衝機構46が設けられている。第1緩衝機構46は、ケース46aと、仕切板46bと、コイルバネ46cとを有している。ケース46aは、底壁と、底壁から立ち上がる周壁と、周壁の端縁に設けられた鍔部とを有するカップ状に形成されている。ケース46aの底壁には、第1弁体41が貫通する貫通孔が形成されている。仕切板46bは、第1弁体41が貫通する貫通孔を中央に有する円盤状に形成されている。仕切板46bは、ケース46aの鍔部に接合されている。第1弁体41は、ケース46a及び仕切板46bのそれぞれの貫通孔に摺動可能な状態で挿入されている。本体部41bのうち先端部41aに比較的近い部分の外周面には、バネ受け44が設けられている。バネ受け44は、ケース46aの内方に配置される。また、先端部41aは、ケース46aの外方に配置される。コイルバネ46cは、ケース46a及び仕切板46bで区画されるスペースに設けられている。コイルバネ46cは、仕切板46bとバネ受け44との間に圧縮された状態で配置されている。コイルバネ46cは、バネ受け44をケース46aの底壁へ押圧している。
第1駆動部5は、複数の第1温度応動部51と、コイルバネ52とを有している。各第1温度応動部51は、線膨張率の異なる2種類の金属を重ね合わせて円盤状に形成されたバイメタルで構成されている。図では、第1温度応動部51は、1枚の板のように描かれているが、実際には積層された2枚の金属板で形成されている。第1温度応動部51は、常温においては、略平板状となっている。第1温度応動部51は、温度が上昇するほど、円盤の中央が膨出するように湾曲する。第1温度応動部51の中央には、第1弁体41が貫通する貫通孔が形成されている。複数の第1温度応動部51は、第1弁体41が貫通した状態で、弁室22における区画壁16の内部空間22aに配置されている。第1弁体41と第1温度応動部51とは、相対的に摺動可能となっている。複数の第1温度応動部51は、膨出する方向が互い違いになるように積層されている。つまり、一の第1温度応動部51は、上方へ膨出するように配置され、それと隣接する第1温度応動部51は、下方へ膨出するように配置される。こうすることによって、複数の第1温度応動部51の上下方向、即ち、X軸方向の全長は、温度が上昇するほど増大し、温度が低下するほど減少する。一番上に位置する第1温度応動部51は、ワッシャを介してプラグ13と接触している。一番下に位置する第1温度応動部51は、仕切板46bに接触している。
コイルバネ52は、弁室22における区画壁16の内部空間22aに配置されている。コイルバネ52の上端部は、ケース46aの鍔部に接触し、コイルバネ52の下端部は、本体11における弁室22の底に接触している。コイルバネ52は、圧縮された状態で配置されている。そのため、コイルバネ52は、ケース46aを上方へ押圧している。
このように構成された第1駆動部5は、流体の温度が所定の第1基準温度未満の場合に第1弁体41が第1弁孔32を開き、流体の温度が第1基準温度以上の場合に第1弁体41が第1弁孔32を閉じるように第1弁体41を駆動する。詳しくは、第1温度応動部51は、弁室22に配置され、ケーシング1内を流通する流体に晒される。流体の温度に応じて第1温度応動部51の温度が上昇すると、各第1温度応動部51が湾曲し、複数の第1温度応動部51のX軸方向の全長(以下、特段の断りがない限り、「複数の第1温度応動部51の全長」という場合には、複数の第1温度応動部51のX軸方向の全長を意味する。)が増大する。一番上の第1温度応動部51は、プラグ13で止まっているので、仕切板46bが複数の第1温度応動部51によって下方へ押圧される。これにより、第1緩衝機構46がコイルバネ52の付勢力に抗して下方へ移動する。バネ受け44がコイルバネ46cによってケース46aの底壁に押し付けられているので、第1緩衝機構46が下方へ移動するのに伴って第1弁体41も下方へ移動する。これにより、第1弁孔32の開度が小さくなる。最終的に、第1弁体41は、第1弁座31に着座して、第1弁孔32を閉じる。第1弁体41が第1弁孔32を閉じるときの流体の温度が「第1基準温度」である。第1温度応動部51は流体に晒されているので、第1基準温度は、実質的には、第1弁V1の開弁と閉弁とが切り替わるときの第1温度応動部51の温度である。また、第1基準温度は、第1弁V1の開弁と閉弁とが切り替わる際の流体及び第1温度応動部51の温度であり、見方を変えれば、第1弁体41が第1弁孔32を開くときの流体及び第1温度応動部51の温度でもある。第1基準温度は、第1温度応動部51の材質、形状及び枚数等、並びに、コイルバネ52の付勢力等によって調整される。コイルバネ52の付勢力は、コイルバネ52の材質だけでなく、プラグ13のねじ込み量によっても調整される。
尚、第1弁体41が第1弁座31に着座してもなお、第1温度応動部51が第1緩衝機構46を下方へ移動させる場合には、コイルバネ46cが圧縮変形することによって、ケース46a及び仕切板46bのみが下方へ移動する。これにより、第1温度応動部51から第1弁体41に過大な押圧力が作用することが回避される。
一方、流体の温度に伴って第1温度応動部51の温度が低下すると、複数の第1温度応動部51の全長が減少するのに応じて、コイルバネ52が第1緩衝機構46を上方へ移動させる。第1緩衝機構46のケース46aがバネ受け44に係合することによって、第1緩衝機構46の上方への移動に伴って第1弁体41も上方へ移動する。流体及び第1温度応動部51の温度が第1基準温度を下回ったときに、第1弁体41は、第1弁座31から離座して、第1弁孔32を開く。
第2弁V2は、図2に示すように、第2弁孔62を有する第2弁座61と、第2弁孔62を開閉する第2弁体71と、第2弁体71を駆動する第2駆動部8とを有している。第2弁V2は、バイパス流路の開通及び遮断を切り替え、バイパス流路における流体の流れを制御する。
第2弁座61は、第1弁体41におけるスペース43の底に形成されている。
第2弁体71は、第1弁体41のスペース43に収容されている。第2弁体71は、X軸方向に延びるシャフト状に形成されている。第2弁体71の先端部71aは、X軸を軸心として先端に向かって先細となる円錐状に形成されている。つまり、先端部71aの外周面は、テーパ面となっている。先端部71aが第2弁座61に着座することによって、第2弁孔62が閉じられる。第2弁体71のうち先端部71aと反対側の端部は、ガイドシャフト45のガイド孔45aに挿入されている(図1参照)。
第2弁体71には、第2緩衝機構76が設けられている。第2緩衝機構76は、第1緩衝機構46と同様の構成をしている。具体的には、第2緩衝機構76は、ケース76aと、仕切板76bと、コイルバネ76cとを有している。ケース76aは、底壁と、底壁から立ち上がる周壁と、周壁の端縁に設けられた鍔部とを有するカップ状に形成されている。ケース76aの底壁には、第2弁体71が貫通する貫通孔が形成されている。仕切板76bは、第2弁体71が貫通する貫通孔を中央に有する円盤状に形成されている。仕切板76bは、ケース76aの鍔部に接合されている。第2弁体71は、ケース76a及び仕切板76bのそれぞれの貫通孔に摺動可能な状態で挿入されている。第2弁体71の本体部71bのうち先端部71aに比較的近い部分の外周面には、バネ受け74が設けられている。バネ受け74は、ケース76aの内方に配置される。また、先端部71aは、ケース76aの外方に配置される。コイルバネ76cは、ケース76a及び仕切板76bで区画されるスペースに設けられている。コイルバネ76cは、仕切板76bとバネ受け74との間に圧縮された状態で配置されている。コイルバネ76cは、バネ受け74をケース76aの底壁へ押圧している。
第2駆動部8は、第1駆動部5と同様の構成をしている。具体的には、第2駆動部8は、複数の第2温度応動部81と、コイルバネ82とを有している。第2駆動部8は、第1弁体41のスペース43に収容されている。各第2温度応動部81は、線膨張率の異なる2種類の金属を重ね合わせて円盤状に形成されたバイメタルで構成されている。図では、第2温度応動部81は、1枚の板のように描かれているが、実際には積層された2枚の金属板で形成されている。第2温度応動部81は、常温においては、略平板状となっている。第2温度応動部81は、温度が上昇するほど、円盤の中央が膨出するように湾曲する。第2温度応動部81の中央には、第2弁体71が貫通する貫通孔が形成されている。第2弁体71と第2温度応動部81とは、相対的に摺動可能となっている。複数の第2温度応動部81は、膨出する方向が互い違いになるように積層されている。つまり、一の第2温度応動部81は、上方へ膨出するように配置され、それと隣接する第2温度応動部81は、下方へ膨出するように配置される。こうすることによって、複数の第2温度応動部81の上下方向、即ち、X軸方向の全長は、温度が上昇するほど増大し、温度が低下するほど減少する。一番上に位置する第2温度応動部81は、ワッシャを介してガイドシャフト45と接触している。一番下に位置する第2温度応動部81は、仕切板76bに接触している(図1参照)。
コイルバネ82の上端部は、ケース76aの鍔部に接触し、コイルバネ82の下端部は、第1弁体41のスペース43の底に接触している。コイルバネ82は、圧縮された状態で配置されている。そのため、コイルバネ82は、ケース76aを上方へ押圧している。
このように構成された第2駆動部8は、流体の温度が所定の第2基準温度未満の場合に第2弁体71が第2弁孔62を開き、流体の温度が第2基準温度以上の場合に第2弁体71が第2弁孔62を閉じるように第2弁体71を駆動する。詳しくは、第2温度応動部8は、スペース43に配置され、スペース43内を流通する流体に晒される。流体の温度に応じて第2温度応動部81の温度が上昇すると、各第2温度応動部81が湾曲し、複数の第2温度応動部81のX軸方向の全長(以下、特段の断りがない限り、「複数の第2温度応動部81の全長」という場合には、複数の第2温度応動部81のX軸方向の全長を意味する。)が増大する。一番上の第2温度応動部81は、ガイドシャフト45で止まっているので、仕切板76bが複数の第2温度応動部81によって下方へ押圧される。これにより、第2緩衝機構76がコイルバネ82の付勢力に抗して下方へ移動する。バネ受け74がコイルバネ76cによってケース76aの底壁に押し付けられているので、第2緩衝機構76が下方へ移動するのに伴って第2弁体71も下方へ移動する。これにより、第2弁孔62の開度が小さくなる。最終的に、第2弁体71は、第2弁座61に着座して、第2弁孔62を閉じる。第2弁体71が第2弁孔62を閉じるときの流体の温度が「第2基準温度」である。第2基準温度は、第1基準温度よりも高くなるように設定されている。第2温度応動部81は流体に晒されているので、第2基準温度は、実質的には、第2弁V2の開弁と閉弁とが切り替わるときの第2温度応動部81の温度である。また、第2基準温度は、第2弁V2の開弁と閉弁とが切り替わる流体及び第2温度応動部81の温度であり、見方を変えれば、第2弁体71が第2弁孔62を開くときの流体及び第2温度応動部81の温度でもある。第2基準温度は、第2温度応動部81の材質、形状及び枚数等、並びに、コイルバネ82の付勢力等によって調整される。
尚、第2弁体71が第2弁座61に着座してもなお、第2温度応動部81が第2緩衝機構76を下方へ移動させる場合には、コイルバネ76cが圧縮変形することによって、ケース76a及び仕切板76bのみが下方へ移動する。これにより、第2温度応動部81から第2弁体71に過大な押圧力が作用することが回避される。
一方、流体の温度に伴って第2温度応動部81の温度が低下すると、複数の第2温度応動部81の全長が減少するのに応じて、コイルバネ82が第2緩衝機構76を上方へ移動させる。第2緩衝機構76のケース76aがバネ受け74に係合することによって、第2緩衝機構76の上方への移動に伴って第2弁体71も上方へ移動する。流体及び第2温度応動部81の温度が第2基準温度を下回ったときに、第2弁体71は、第2弁座61から離座して、第2弁孔62を開く。
続いて、このように構成された弁装置100の全体的な動作について説明する。図3は、第2弁V2が開弁された状態における弁装置100の第1弁体41及び第2弁体71を中心とする拡大断面図である。図4は、全開状態における弁装置100の断面図である。
まず、第1駆動部5の第1温度応動部51が第1基準温度よりも低く、且つ、第2駆動部8の第2温度応動部81が第2基準温度よりも低い場合について説明する。この場合、第1弁孔32及び第2弁孔62の両方が開かれている。
流入口21からドレンがケーシング1に流入すると、ドレンは、流入路24を通って弁室22へ流入する。ドレンは、弁室22において、区画壁16の外部空間22bへ流入し、スクリーン15及び区画壁16を通過して、区画壁16の内部空間22aへ流入する。このとき、ドレンに含まれる異物がスクリーン15によって除去される。内部空間22aに流入したドレンの一部は、第1弁孔32に流入する。内部空間22aに流入したドレンの残りは、貫通孔43aを通過して第1弁体41のスペース43に流入する。スペース43に流入したドレンは、第2弁孔62を通過して、第1弁孔32に流入する。第1弁孔32に流入したドレンは、連通孔33及び流出路25の順に流通し、流出口23を介してケーシング1から流出する。
こうして、流入口21からケーシング1内に流入したドレンは、流出口23から流出していく。このとき、ドレンは、弁装置100の主流路及びバイパス流路の両方を流通するので、弁装置100からは比較的大きな流量のドレンが流出する。
第1温度応動部51及び第2温度応動部81は、弁装置100を流通するドレンに晒されているので、第1温度応動部51及び第2温度応動部81の温度は、ドレンの温度と実質的に等しくなる。ドレンの温度が高い場合には、第1温度応動部51及び第2温度応動部81の温度が上昇し、第1弁孔32及び第2弁孔62の開度が小さくなっていく。
詳しくは、第1駆動部5において、各第1温度応動部51の温度が上昇すると、複数の第1温度応動部51の全長が増大する。これにより、第1緩衝機構46がコイルバネ52の付勢力に抗して下方へ移動する。それに伴い、第1弁体41も下方へ移動する。ドレン、ひいては第1温度応動部51の温度が第1基準温度に達すると、第1弁体41が第1弁座31に着座して、第1弁孔32を閉じる。
第2駆動部8において、各第2温度応動部81の温度が上昇すると、複数の第2温度応動部81の全長が増大する。これにより、第2緩衝機構76がコイルバネ82の付勢力に抗して下方へ移動する。それに伴い、第2弁体71も下方へ移動する。ドレン、ひいては第2温度応動部81の温度が第2基準温度に達すると、第2弁体71が第2弁座61に着座して、第2弁孔62を閉じる。
このとき、第1基準温度は第2基準温度よりも低いので、ドレン温度が上昇する過程では、第1弁体41が先に第1弁孔32を閉じる。第1弁体41が第1弁孔32を閉じた後、ドレン温度がさらに上昇すると、やがて第2弁体71が第2弁孔62を閉じる。第1弁V1及び第2弁V2が閉弁すると、弁装置100におけるドレンの流通が遮断され、弁室22内にドレンが滞留する。
このように、第1弁V1を閉弁した後に第2弁V2を閉弁することによって、ドレンの流通が急に遮断されることを防止することができる。その結果、弁装置100の上流側でのウォータハンマの発生が低減される。また、閉弁による急激な圧力変動を回避することができるので、特にドレンと蒸気との混合流体が弁装置100に流入している場合において安全且つ安定的に閉弁を行うことができる。それに加えて、第2弁V2の全開時のバイパス流路の流量を第1弁V1の全開時の主流路の流量よりも小さくすることによって、流入流体の遮断を迅速且つ安全に行うことができる。
弁室22内に滞留するドレンの温度が放熱により低下すると、第1温度応動部51及び第2温度応動部81の温度も低下する。第2基準温度の方が第1基準温度よりも高いので、ドレン温度が低下していくと、図3に示すように、まず第2弁体71が第2弁孔62を開く。この時点では、第1弁体41は第1弁孔32を閉じている。つまり、主流路が遮断されている状態で、バイパス流路が開通する。そのため、弁室22のドレンは、バイパス流路を通って、第1弁孔32に流入し、連通孔33及び流出路25の順に流通し、流出口23を介してケーシング1から流出する。第1弁V1及び第2弁V2の両方が開いている場合に比べて、弁装置100からのドレンの流出量が低減される。
その後、ドレン温度がさらに低下すると、図4に示すように、第1弁体41も第1弁孔32を開く。つまり、第1弁V1及び第2弁V2の両方が開弁されることになる。これにより、主流路及びバイパス流路の両方が開通する。第2弁V2だけが開弁している場合に比べて、弁装置100からのドレンの流出量が増加する。
このように、ドレン温度が低下して、弁装置100からのドレンの流出が開始されても、まずは第2弁V2だけが開弁して、ドレンの急激な流出が防止される。そのため、弁装置100の下流側でのウォータハンマの発生が低減される。その後、第1弁V1が開弁されるときには、弁装置100の下流側には或る程度のドレンが流出しているので、第1弁V1が開弁されたときにも、弁装置100の下流側でのウォータハンマの発生が低減される。特に、第2弁V2の全開時のバイパス流路の流量を第1弁V1の全開時の主流路の流量よりも小さくすることによって、流出させるドレンの流量を漸次的に、即ち、少しずつ増加させることができ、ウォータハンマをより発生し難くすることができる。
以上のように、弁装置100は、第1弁孔32を開閉する第1弁体41、及び、第1弁体41を駆動する第1駆動部5を有する第1弁V1と、第2弁孔62を開閉する第2弁体71、及び、第2弁体71を駆動する第2駆動部8を有する第2弁V2とを備え、第1駆動部5は、流体の温度が所定の第1基準温度未満の場合に第1弁体41が第1弁孔32を開き、流体の温度が第1基準温度以上の場合に第1弁体41が第1弁孔32を閉じるように第1弁体41を駆動し、第2駆動部8は、流体の温度が第1基準温度よりも高い第2基準温度未満の場合に第2弁体71が第2弁孔62を開き、流体の温度が第2基準温度以上の場合に第2弁体71が第2弁孔62を閉じるように第2弁体71を駆動する。
この構成によれば、弁装置100は、流体の温度に応じて開閉弁を切り替える第1弁V1及び第2弁V2を備えている。これら第1弁V1と第2弁V2とは、開弁と閉弁とを切り替えるときの流体の温度が異なっている。具体的には、第1弁V1は、流体の温度が第1基準温度未満の場合に第1弁孔32を開き、流体の温度が第1基準温度以上の場合に第1弁孔32を開く。一方、第2弁V2は、流体の温度が第1基準温度未満よりも高い第2基準温度未満の場合に第2弁孔62を開き、流体の温度が第2基準温度以上の場合に第2弁孔62を開く。第1弁V1及び第2弁V2の両方が閉弁している状態から流体の温度が低下する場合には、まず第2弁V2が開弁して、その後に第1弁V1が開弁する。つまり、弁装置100が流体の流出を停止した状態から流体の流出を開始する際には、第2弁V2だけを開弁させた比較的小さな流量で流体の流出が開始され、その後、第1弁V1及び第2弁V2の両方を開弁させた比較的大きな流量での流体の流出へと移行していく。その結果、第2弁V2の開弁直後、さらには、第1弁V1の開弁直後に弁装置100の下流側でウォータハンマが発生することが抑制される。
また、第1弁体41には、第1弁体41が第1弁孔32を閉弁した状態において第1弁体41の上流側と第1弁体41の下流側とを連通させるバイパス流路が形成され、第2弁孔62は、バイパス流路の一部を構成するように第1弁体41に形成され、第2弁V2は、バイパス流路の開通及び遮断を切り替える。
この構成によれば、第1弁体41が第1弁孔32を閉弁した状態であっても、第1弁体41の上流側から下流側へ流体を流通させるバイパス流路が第1弁体41に形成されている。そして、第2弁V2は、このバイパス流路の開通及び遮断を切り替える。つまり、第1弁体41が第1弁孔32を閉じた状態であっても、第2弁V2が開弁していれば、流体がバイパス流路を介して流通することができる。また、第2弁V2は、第1弁体41に形成された第2弁孔62を開閉するので、第1弁V1と第2弁V2とが接近して配置されることになり、弁装置100をコンパクトに形成することができる。
さらに、第2弁体71及び第2駆動部8は、第1弁体41に対して相対的に移動可能な状態で第1弁体41に支持されている。
この構成によれば、第2弁体71及び第2駆動部8は、第1弁体41に支持されており、この状態において第2弁体71が第2弁孔62を開閉する。その結果、第1弁V1及び第2弁V2をコンパクトに形成することができる。また、第2弁体71及び第2駆動部8は、第1弁体41に支持され且つ第1弁体41に対して相対的に移動可能なので、第1弁体41の開閉動作の影響を受けることなく、第2弁孔62の開閉を行うことができる。
また、第1駆動部5は、流体に晒される位置に配置されて温度変化に応じて変形することによって第1弁体41を駆動する第1温度応動部51を含み、第2駆動部8は、流体に晒される位置に配置されて温度変化に応じて変形することによって第2弁体71を駆動する第2温度応動部81を含む。
この構成によれば、第1温度応動部51及び第2温度応動部81は、流体に晒される位置に配置されているので、第1温度応動部51及び第2温度応動部81の温度は、流体の温度と実質的に一致するようになる。つまり、第1温度応動部51及び第2温度応動部81は、流体の温度に応じて、前述のようにそれぞれ第1弁体41及び第2弁体71を駆動する。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
例えば、第2弁V2は、第1弁体41に形成されたバイパス流路の流通及び遮断を切り替えているが、これに限られるものではない。例えば、ケーシング1には、主流路とは別の副流路が形成され、第2弁V2は、副流路の流通及び遮断を切り替えるように構成されていてもよい。この構成の場合、流体の流出を停止した状態から流出を開始する際には、まず副流路を介した流体の流出が行われ、その後に主流路を介した流体の流出が行われるように第1弁V1及び第2弁V2が動作する。
第1駆動部5は、第1温度応動部51及びコイルバネ52によって第1弁体41を駆動しているが、これに限られるものではない。同様に、第2駆動部8は、第2温度応動部81及びコイルバネ82によって第2弁体71を駆動しているが、これに限られるものではない。例えば、第1駆動部5又は第2駆動部8は、電動弁であってもよく、その場合には、流体の温度に応じて第1弁孔32又は第2弁孔62を開閉するように第1弁体41又は第2弁体71を駆動することが好ましい。
また、第1緩衝機構46又は第2緩衝機構76は、省略してもよい。