JP2010138476A - ジェットポンプビームおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐応力腐食割れ性および耐高温高強度性に優れ、延性の高い高弾性率の改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金のジェットポンプビームおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】質量%でNi:50.0%〜55.0%、Cr:17.0%〜21.0%、Nb+Ta:4.75%〜5.50%、Mo:2.8%〜3.3%、Ti:0.65%〜1.15%、Al:0.2%〜0.8%、C:0.08%以下、Mn:0.35%以下、Si:0.35%以下、S:0.015%以下、P:0.03%以下、Cu:0.30%以下、B:0.006%以下、Co:1.0%以下、ならびに残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成からなる析出強化型ニッケル基合金の材料を構成し、前記ニッケル基合金材料を1010℃〜1090℃で固溶化熱処理と、この固溶化熱処理後に694℃〜714℃で5〜7時間の時効硬化熱処理とを施して改良熱処理ニッケル基合金製のジェットポンプビーム27を構成したものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、沸騰水型原子炉内で高温高圧水を強制的に循環させるジェットポンプに用いられるジェットポンプビームおよびその製造方法に係り、特に耐応力腐食割れ性に優れ、高弾性率および高温強度を有する析出硬化型改良熱処理ニッケル基合金製のジェットポンプビームおよびその製造方法に関する。
沸騰水型原子炉には、冷却材を原子炉炉心に強制的に送り込むために外部再循環系を設けたものがあり、原子炉圧力容器内には外部再循環系に接続されたジェットポンプが備えられる。ジェットポンプは原子炉圧力容器と炉心シュラウドとの間の環状のダウンカマ部に複数組設けられる。
ジェットポンプは、原子炉圧力容器内のダウンカマ部に設けられて、ライザ管、トランジションピース、インレットミキサおよびディフューザから構成される。トランジションピースはライザ管の上部に一体に形成され、ライザ管の頭部に二又分岐部を構成している。トランジションピースで二又に分岐された冷却材は、反転流路を形成するインレットミキサのエルボに案内される。このエルボはばね部材製のジェットポンプビームにより押圧支持され、浮上がりが防止される。
沸騰水型原子炉には、ジェットポンプのポンプビームに高弾性率と高温強度を有する析出硬化型Ni基合金であるインコネルX−750合金が特許文献1に記載されたように従来から使用されている。インコネルX−750合金を原子炉用部材に用いた例は、特許文献2にも記載されている。
また、原子炉用部材に耐食性、耐高温性の高強度材料として、析出硬化型通常熱処理ニッケル基合金であるインコネル718合金が用いられることも、特許文献3および4に記載されている。
特開昭59−85834号公報 特開平5−164886号公報 特開2004−91816号公報 特開平4−297537号公報
沸騰水型原子炉の高温高圧水環境下で使用される引用文献1に記載のジェットポンプのジェットポンプビームには、高弾性率と高温強度を有する析出硬化型ニッケル基合金であるインコネルX−750合金が使用されている。インコネルX−750合金は、ジェットポンプビームとしての高弾性率および高温強度を有するものの、高温高圧水環境下で応力腐食割れ(SCC)感受性が高く、原子炉運転中の高温高圧環境下において、応力腐食割れが発生するという課題がある。
また、インコネルX−750合金と同様に、ニッケル基合金である引用文献3に記載のインコネル718合金は原子炉用部材に用いられているが、このインコネル718合金の熱処理は、995℃〜1040℃で固溶化熱処理を施した後、760℃の温度で5時間保持した後、炉内冷却によって760℃から650℃まで降温し、さらに650℃の温度で1時間保持した後、冷却する時効硬化処理を施すことが記載されている。
さらに、ASTM(American Society for Testing and Materials)B637には、通常熱処理インコネル718合金は、924℃〜1010℃で固溶化熱処理を施した後、718℃で8時間保持して炉内冷却し、さらに620℃で8時間保持した後、空冷する時効硬化処理を施して熱処理する例が記載されている。
しかし、ASTM等に記載されているように、通常の熱処理を施した通常熱処理インコネル718合金は、高温高強度に優れた材料であるが、延性に劣るという課題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、耐応力腐食割れ性および耐高温高強度性に優れ、延性の高い高弾性率の改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金のジェットポンプビームおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、インコネル718合金の固溶化熱処理および時効硬化熱処理を改善し、高温高圧水中の応力腐食割れ感受性を低下させて延性を確保し、インコネルX−750合金と同等の機械的特性を有する改良熱処理インコネル718合金製のジェットポンプビームおよびその製造方法を提供することにある。
本発明に係るジェットポンプは、上述した課題を解決するために、質量%でNi:50.0%〜55.0%、Cr:17.0%〜21.0%、Nb+Ta:4.75%〜5.50%、Mo:2.8%〜3.3%、Ti:0.65%〜1.15%、Al:0.2%〜0.8%、C:0.08%以下、Mn:0.35%以下、Si:0.35%以下、S:0.015%以下、P:0.03%以下、Cu:0.30%以下、B:0.006%以下、Co:1.0%以下、ならびに残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成からなる析出強化型ニッケル基合金の材料を構成し、前記ニッケル基合金材料を1010℃〜1090℃で固溶化熱処理と、この固溶化熱処理後に694℃〜714℃で5〜7時間の時効硬化熱処理とを施して改良熱処理ニッケル基合金製のジェットポンプビームを構成したことを特徴とするものである。
また、本発明に係るジェットポンプの製造方法は、上述した課題を解決するために、質量%でNi:50.0%〜55.0%、Cr:17.0%〜21.0%、Nb+Ta:4.75%〜5.50%、Mo:2.8%〜3.3%、Ti:0.65%〜1.15%、Al:0.2%〜0.8%、C:0.08%以下、Mn:0.35%以下、Si:0.35%以下、S:0.015%以下、P:0.03%以下、Cu:0.30%以下、B:0.006%以下、Co:1.0%以下、ならびに残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成からなる析出強化型ニッケル基合金の材料を用意し、前記ニッケル基合金材料を1010℃〜1090℃で固溶化熱処理後、機械加工あるいは冷間加工により製品形状に加工し、加工された製品形状の前記ニッケル基合金材料を694℃〜714℃で5〜7時間時効硬化熱処理を施して改良熱処理ニッケル基合金製のジェットポンプビームを製造することを特徴とする製造方法である。
さらに、本発明に係るジェットポンプの製造方法は、上述した課題を解決するために、質量%でNi:50.0%〜55.0%、Cr:17.0%〜21.0%、Nb+Ta:4.75%〜5.50%、Mo:2.8%〜3.3%、Ti:0.65%〜1.15%、Al:0.2%〜0.8%、C:0.08%以下、Mn:0.35%以下、Si:0.35%以下、S:0.015%以下、P:0.03%以下、Cu:0.30%以下、B:0.006%以下、Co:1.0%以下、ならびに残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成からなる析出強化型ニッケル基合金を用意し、前記ニッケル基合金材料の材料溶解後、型鍛造により製品形状に粗加工し、粗加工したニッケル基合金材料を1010℃〜1090℃で固溶化熱処理し、機械加工あるいは冷間加工により仕上げ加工し、仕上げ加工したニッケル基合金材料を694℃〜714℃で5〜7時間時効硬化熱処理を施して改良熱処理ニッケル基合金製のジェットポンプビームを製造することを特徴とする製造方法である。
本発明に係るジェットポンプビームおよびその製造方法は、析出硬化型ニッケル基合金材料の固溶化熱処理および時効硬化熱処理を改善して高温高圧水中の耐応力腐食割れを向上させ、高弾性率と高温高強度に優れ、大きな延性を有するジェットポンプビームを提供することができる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係るジェットポンプビームを備えたジェットポンプの据付例を示す斜視図である。ジェットポンプ10は沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器11と炉心シュラウド12との間の環状のダウンカマ部13に設置される。炉心シュラウド12は、原子炉炉心14を取り囲むように円筒状に形成される。この原子炉炉心14に図示しない多数の燃料集合体が装荷されている。
ジェットポンプ10は、原子炉圧力容器11内のダウンカマ部13の周方向に間隔をおいて、複数組例えば10組20個設けられる。ジェットポンプ10は、原子炉圧力容器11内で外部の原子炉再循環系(図示せず)と接続され、外部の原子炉再循環系へ取り出される冷却材流量を少なくできるようにして原子炉炉心14に冷却材を強制的に送り込むようになっている。
ジェットポンプ10は、冷却材供給管として再循環入口ノズル16からのライザ管17と、トランジションピース18と、対をなすエルボ19を有するインレットミキサ20と、ディフューザ21とから主に構成される。トランジションピース18はライザ管17の頂部に一体に構成され、ライザ管17を上昇してくる冷却材の流れを二又に分岐させてインレットミキサ20のエルボ19に案内している。
インレットミキサ20は、ライザ管17からの冷却材を反転させる一対のエルボ19,19と、このエルボ19で反転された冷却材を噴射させる混合ノズルとしてのジェットポンプノズル22と、このジェットポンプノズル22からの冷却材の噴射により、ダウンカマ部13入口側で周囲の炉水を巻き込んで混合させるインレットスロート23とを一体に構成している。インレットスロート23に案内された冷却材は、周辺から流入する炉水と混合されてディフューザ21に導かれ、このディフューザ21を下降して原子炉圧力容器11内の炉心下部プレナムに案内される。この炉心下部プレナムに案内された混合水は、ここで反転して原子炉炉心14に導かれる。
また、図2に示すように、トランジションピース18の二又分岐部の両側に一対の門型支持ポスト25,25が対向配置で立設されている。各支持ポスト25,25の上端部の対向位置に横長な溝部(ノッチ)26,26が略水平方向にそれぞれ設けられる。ポケットを構成するこれらの溝部26,26に、インレットミキサ20のエルボ19を上方から押圧支持するジェットポンプビーム27の両端が係止されている。ジェットポンプビーム27の両端部は、矩形の横断面を有し、支持ポスト25の溝部26,26の上端面に面接触してエルボ19を係合支持している。
ジェットポンプビーム27は、ばね部材(弾性体)として高弾性率の高弾性材料で形成され、ビーム長手方向中央部に向って断面積が増大している。なお、図1および図2において、符号28はインレットミキサ20の吊りボルトである。
ジェットポンプビーム27の中央部にエルボ19を上方から押圧し、抑え付ける押圧構成部材としてのヘッドボルト30が設けられる。ジェットポンプビーム27の中央部に、図3に示すように、ビーム長手方向に直交する縦ねじ孔31が上下方向に貫通して形成され、この縦ねじ孔31にヘッドボルト30が貫通するように、ねじ結合される。ヘッドボルト30は、六角ボルト等の多角ボルトからなり、ヘッドボルト30の雄ねじ32はジェットポンプビーム27の縦ねじ孔31にねじ結合され、その先端(下端)はインレットミキサ20のエルボ19の頂部を押圧接触している。
インレットミキサ20のエルボ頂部には台座部が設けられ、この台座部に設けられた球面座(図示せず)を、ヘッドボルト30下端に形成された円弧状あるいは半丸頭状のボス部33が押圧接触している。
インレットミキサ20のエルボ19は、ジェットポンプビーム27のボルト固定装置35によりトランジションピース18に着脱自在に据え付けられる。ジェットポンプビーム27のボルト固定装置35は、図3および図4に示すように構成される。
ボルト固定装置35は、図3に示すように、ジェットポンプビーム27の縦ねじ孔31にねじ結合されるヘッドボルト30と、このヘッドボルト30の多角形ヘッド部36に回転一体で軸方向に摺動自在に嵌合するロックキャップ37と、このロックキャップ37を固定位置と回転フリー位置に選択的に収容可能な本体ハウジング38と、この本体ハウジング38をジェットポンプビーム27の頂部ベース面27aに座金等を介して固定し据え付けるベースプレート39と、本体ハウジング38内に収納され、ロックキャップ37を上方にばね付勢するばね部材40とを有する。
ベースプレート39は、ジェットポンプビーム27の頂部ベース面27aに位置決めピン41と小ねじ42とにより固定される(図4参照)。ベースプレート39の内周フランジ39aは、本体ハウジング38下部の外周フランジ38aを上方から押圧し、覆設される。なお、図2および図4において、符号45はジェットポンプビーム27に一体に形成されたトラニオンである。
ベースプレート39に本体ハウジング38の軸廻りの回転を拘束する回転拘束機構44が設けられる。回転拘束機構44は本体ハウジング38をベースプレート39に着脱可能に係止させ、本体ハウジング38の回転を拘束している。
また、ボルト固定装置35のロックキャップ37は、外周部に下方に向って拡開するテーパ状外歯48が周方向に形成され、この外歯48に本体ハウジング38の内歯状溝49が選択的に噛合している。ロックキャップ37の外歯48は、ロックキャップ37が上動して図3の左側位置を取るとき、本体ハウジング38の内歯状溝49に噛合(スプライン結合)して回転一体となって固定される。また、図3の右側位置を取るとき、回転フリーとなる。回転フリーとなる本体ハウジング38の内周壁下部は、内歯状溝49の底部と同一内周面状に面一に形成される。
さらに、ロックキャップ37および本体ハウジング38はニッケル基合金等の硬い材質が用いられる。少なくともロックキャップ37の外歯48および本体ハウジング38の内歯状溝49は硬い材質であり、硬質の溶接肉盛材料あるいはコバルトを含有する溶接肉盛材料が用いられる。
ボルト固定装置35は、ロックキャップ37をばね部材(弾性体)40のばね付勢力に抗して押し縮めることで、ロックキャップ37の外歯48と本体ハウジング38の内歯状溝49との噛み合いが解除され、ロックキャップ37は図3の右側半分の回転フリー位置をとる。これにより、ヘッドボルト30を自由に回転させることができ、ヘッドボルト30は、ジェットポンプビーム27に対して回転フリーとなり、ヘッドボルト30を回動させて昇降移動させることができる。
しかして、ジェットポンプビーム27のボルト固定装置35では、インレットミキサ20はジェットポンプのライザ管17上部のトランジションピース18のシート面上に、ジェットポンプビーム27を利用してボルト固定装置35により押圧支持されて据付けられる。ジェットポンプ10は、ライザ管17内を上昇した冷却水をトランジションピース18で二又に分岐させて対をなすエルボ19に案内される。
インレットミキサ20のエルボ19では冷却水が反転され、図1に示すように両外側のジェットポンプノズル22からインレットスロート23の吸込口に向けて下方に噴射される。冷却水がジェットポンプノズル22から高速噴出流体(駆動流体)が噴出される際、炉心上部の気水分離器および蒸気乾燥器(共に図示せず)から分離された飽和水(冷却材)をダウンカマ部13で巻き込み、ジェットポンプノズル22出口に生じた低圧部からインレットスロート23に吸引される。この駆動流体および吸引流体(被駆動気体)はインレットスロート23で充分混合された後、ディフューザ21で圧力を回復し、炉心下部プレナムに送られる。
ジェットポンプ10から出た冷却材は、炉心下部プレナムで反転して原子炉炉心14に導かれ、この炉心14を通っていく間で加熱されて気水混合の二相流となり上昇し、図示しない気水分離器に送られて分離された後、蒸気乾燥器(図示せず)に送られて乾燥され、主蒸気出口から図示しない蒸気タービンに送られる。
また、ダウンカマ部13に案内された飽和水の一部は、ダウンカマ部13を下降して出口ノズルから2系統の再循環ループに取出されて再循環ポンプ(図示せず)で昇圧される。再循環ポンプで昇圧された後、ジェットポンプ10の再循環入口ノズル16からライザ管17に送られ、ライザ管17内を上昇し、インレットミキサ20のエルボ19で反転し、ジェットポンプノズル22から再び噴出されるようになっている。
ところで、ジェットポンプ10のジェットポンプビーム27には、図5に示される改良型熱処理析出硬化型ニッケル基合金(改良型処理インコネル718合金)材料で製作されたばね用部材である原子炉部材が用いられる。このジェットポンプビーム27は、従来の通常熱処理析出硬化型インコネル718合金の固溶化熱処理および時効硬化型熱処理の熱処理を改善・改良した改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金(改良熱処理インコネル718合金)材料が用いられる。
[A]ジェットポンプビーム材料の化学成分組成
ジェットポンプビーム27には、改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金(改良熱処理インコネル718合金)材料が用いられる。この改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金に使用される材料は、JIS G4901,AMS 5662およびASTM B670等に規定される材料と同様である。
ジェットポンプビーム27に用いられる改良熱処理ニッケル基合金は、インコネル718合金相当に対応し、その化学成分元素を質量%(mass%)で表示すると次の通りになる。
このジェットポンプビーム27は、質量%で、Ni:50.0%〜55.0%、Cr:17.0%〜21.0%、Nb+Ta:4.75%〜5.50%、Mo:2.8%〜3.3%、Ti:0.65%〜1.15%、Al:0.2%〜0.8%、C:0.08%以下、Si:0.35%以下、Mn:0.35%以下、S:0.015%以下、P:0.03%以下、Cu:0.30%以下、B:0.006%以下、Co:1.0%以下を含み、かつ、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成の析出硬化型ニッケル基合金(インコネル718合金)材料が用いられ、この材料に改善・改良された固溶化熱処理および時効硬化熱処理が施された改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金により製作される。原子炉部材としてのジェットポンプ10に用いられるジェットポンプビーム27が製作される。
析出硬化型ニッケル基合金は改善・改良された固溶化熱処理および時効硬化熱処理等の熱処理が施される。この熱処理は、析出硬化型ニッケル基合金を材料溶融させてから1010℃〜1090℃で固溶化熱処理し、その後、694℃〜714℃で5〜7時間の時効硬化熱処理を施した改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金(改良熱処理インコネル718合金)が用いられる。
改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金の化学成分(成分組成元素)は、通常熱処理(ASTM B637)インコネル718合金相当であるが、固溶化熱処理および時効硬化熱処理を改善・改良した熱処理を施して、改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金を製作したものである。
改良熱処理インコネル718合金は、通常熱処理インコネル718合金やインコネルX−750合金に較べると、高温水環境下における応力腐食割れ感受性に優れており、応力腐食割れ感受性が小さく、耐応力腐食割れ特性を高め得ることを知見した。この応力腐食割れは、引張応力の存在、使用環境条件および材料自体の特性の三要素が揃ったとき発生することが知られており、この応力腐食割れを防止するために、材料自体の特性を改善し。応力腐食割れ感受性を小さくして耐応力腐食割れ性を向上させたものである。
ジェットポンプビーム27は、軽水炉の高温高圧の放射線環境下で使用されるので、ジェットポンプビーム27の組成成分元素のCo,Bは、放射性の観点から上限が設定され、実用上、Co:0.05%以下、およびB:0.001%以下が好ましい。
ジェットポンプビーム27に用いられる材料は、JIS G4901,AMS 5661およびASTM B670等に規定される材料成分組成と同種であるが、熱処理により析出物であるγ″相のNiNbを析出させることにより、材料の強度を一層向上させることができる。
次に、ジェットポンプビーム27の化学成分組成を限定した理由を述べる。
(1)Ni
Niは、改良熱処理ニッケル基合金の主要元素であり、γ″相,γ′相の析出物の構成元素である。Niの含有量が50%未満あるいは55%を超えるとFeの含有率が増加し、母相安定性が低下する。したがって、Niの含有率は50%〜55%の範囲に設定した。
(2)Cr
Crは、高温高圧水に対しても耐食性を確保するために必要な元素であるが、Cr含有率が17%未満では耐食性の効果が小さく、21%を超えると高温使用時に粒界にCr炭化物の析出量が増加する。したがって、Cr含有率は17%〜21%とした。
NiにCrを添加すると、酸あるいはアルカリ水溶液中で浮動態化して強い耐食性を有する。
(3)Nb
Nbは、析出硬化によって高温強度を高めるのに必要な元素であり、改良熱処理ニッケル基合金の主要析出物であるγ″相(NiNb)の構成元素である。Nbの化学成分組成量は、4.75%〜5.5%であることが望ましい。Nbが4.75%未満では安定した強度に必要なγ″相(NiNb)の析出物の量の確保が困難となり、析出硬化が不充分である。逆に、5.5%を超えると固溶できないNbCの形成量が増えることから好ましくない。
なお、TaはNbと同様な効果が期待できることから、Nb+Taの合計量は4.75%〜5.5%とすることができる。
(4)Mo
Moは、改良熱処理ニッケル基合金の固溶強化に影響を与える元素であり、Moが2.8%未満では固溶強化の効果が小さく、3.3%を超えると高温使用時にM6C型炭化物の析出量が増加するので好ましくない。したがって、Moの成分組成量は2.8%〜3.3%が好ましい。
また、Moの添加により、応力腐食割れ感受性を著しく低下させることができることを知見した。
さらに、NiにMoを添加すると、酸に対し耐食性の良い合金が得られる。
(5)Ti
TiはAlと同様に、微細なNiと金属間化合物を形成し、高温強度を高める元素として好ましく、材料の析出強度を向上させるγ′相(Ni(Al,Ti))を形成し、析出強度に影響を及ぼす。Tiが0.65%未満では、γ′相の析出量が少なく、逆に、1.15%を超えると、固溶できないTiCの形成量が増える。
したがって、Tiの成分組成は、0.65%〜1.15%とした。
(6)Al
AlはTiと同様に、材料の析出強度を向上させるγ′相(Ni(Al,Ti))を形成し、析出強度に影響を及ぼす。Alの成分組成が、0.2%未満では、析出量が少なく、逆に、0.8%を超えると、Ti濃度とNb濃度の関係から安定した析出が期待できない。
したがって、材料の安定した析出強度を得るために、Alは0.2%〜0.8%の範囲とした。
(7)その他の元素
その他の元素は、FeとFeを添加する際に流入する元素であるが、極力低減することが望ましい。
また、改良熱処理ニッケル基合金には、JIS G4901,AMS 5662およびASTM B670等で規定されている微少な成分組成材料、
C:0.08%以下、Mn:0.35%以下、Si:0.35%以下、S:0.15%以下、P:0.03%以下、好ましくは0.015%以下、Cu:0.30%以下、B:0.006%以下、Co:1.0%以下が含まれている。
Cは、材料強度を高めるために必要な元素であるが、多量に含有させると、耐食性が劣化し、靭性が低下するので、0.08%以下とした。
[B]ジェットポンプビームの機械的特性
改良熱処理ニッケル基合金(析出硬化型改良熱処理インコネル718合金)で製造されたジェットポンプビーム27の機械的特性は、従来のジェットポンプビームであるインコネルX−750合金とほぼ同様である。
ASTM B637に記載のインコネルX−750合金の機械的特性は、常温で、次の諸条件
引張強さ : 1103〜1276MPa、
0.2%耐力 : 689〜896MPa、
伸び : 20%以上、
絞り : 20%以上、
ブリネル硬さ : 267〜363
を満たしており、改良熱処理ニッケル基合金もインコネルX−750合金と同等の機械的特性を満足するものが用いられる。
[C]ジェットポンプビームの熱処理条件
改良熱処理ニッケル基合金(析出硬化型改良熱処理インコネル718合金)材料を用いたジェットポンプビーム27が製造される。このジェットポンプビーム27は、高温高圧環境下で使用される。このため、改良熱処理ニッケル基合金の製造時には、応力腐食割れ感受性を低下させ、金属材料の塑性変形のし易さ、またはし易い状態を表わす延性を確保するために改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金がジェットポンプビーム27の製造に用いられる。
次に、改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金(改良熱処理インコネル718合金)の熱処理限定理由を説明する。
改良熱処理ニッケル基合金の固溶化熱処理温度範囲は、1010℃〜1090℃で行なわれる。1010℃以下では、ニッケル基合金の結晶粒界に、δ相などの金属間化合物の析出が多く、延性の向上は期待できない。また、1090℃を超えると、結晶粒が粗大化し、材料強度が低下し、目標とする機械的特性が得られない可能性がある。
ジェットポンプビーム27の機械的特性は、現用材であるインコネルX−750合金でも使用上の問題がないことから、ASTM B637に記載のインコネルX−750合金の機械的特性条件が採用される。
このASTM B637に記載のインコネルX−750合金の常温における機械的特性は、
引張強さ : 1103〜1276MPa、
0.2%耐力 : 689〜896MPa、
伸び : 20%以上、
絞り : 20%以上、
ブリネル硬さ : 267〜363
を満足させればよい。
この機械的特性を、改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金で得るためには、固溶化熱処理温度は1010℃〜1090℃の熱処理温度範囲が望ましく、また、冷却条件に関しては、時効硬化熱処理は、常温におけるインコネルX−750合金の機械的特性を満足する条件として、704℃を中心とした近傍温度で行なうことが望ましい。
ジェットポンプビーム27の実構造物の熱処理として時効硬化熱処理には、704℃を中心に前後10℃の温度範囲として694℃〜714℃の温度範囲が用いられ、時効硬化熱処理時間は、ジェットポンプビーム27の実構造物の熱処理として、好ましい時間である6時間を中心に前後1時間の5〜7時間の時効硬化熱処理時間範囲が適することを新たに知見した。
[D]試験片の応力腐食割れ感受性の評価試験
図6は、改良熱処理インコネル718合金の耐応力腐食割れ感受性を評価するために、実施例1〜4に示すように、成分組成を異にする4種類の供試材を用意した。各実施例1〜4は、供試材の化学成分組成を質量%で示す図である。
図6に示される実施例1〜4の供試材は、4種類の改良熱処理インコネル718合金から製作したもので、析出硬化型ニッケル基合金(インコネル718合金を1030℃で固溶化熱処理した後、704℃×6時間の時効硬化熱処理を施して改良熱処理インコネル718合金製の試験片を複数枚、例えば5枚ずつ製作した。
そして、時効硬化熱処理後に、4種類の改良熱処理インコネル718合金から、成分組成を異にする試験片を複数枚、例えば5枚ずつ採取した。4種類の試験片を用いて、原子炉圧力容器内温度に相当する高温水中の応力腐食割れ感受性の評価試験を実施した。この評価試験は、例えばCBB(Creviced Bend Beam)試験装置50により行なった。
図7(A)および(B)は、試験片51の応力腐食割れ感受性を評価するCBB試験装置50を示す。このCBB試験装置50は、曲率半径100Rの試験面を有する対の試験治具52a,52b間に試験片51を挟持し、ボルト54,54で締め付ける。試験片51は、例えば10×50×2tの矩形板状である。
その際、CBB試験装置50は、試験片51と対をなす試験治具52a,52b間にすき間を確保するために、グラファイトウール55とスペーサ56を介在させる。
試験片51のCBB試験は、オートクレープを用いて例えば温度288℃、圧力7.8MPaの高温高圧純水中に500時間浸漬された後、試験片51を半割りにし、半割り断面の最大割れ深さを調査した。CBB試験は4種類の改良熱処理インコネル718合金の試験片51について、繰返し、複数枚、例えば5枚ずつ実施した。
図8は、実施例1〜4の改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金(改良熱処理インコネル718合金)材料製の試験片51のCBB試験後の割れ発生数および最大割れ深さを示す図である。改良熱処理インコネル718合金は、実施例1〜4の4種類全ての試験片51において、いずれも応力腐食割れ発生は認められなかった。試験片の応力腐食割れ感受性が極めて小さく、耐応力腐食割れ性が優れていることを確認できた。
[第2の実施の形態]
本発明に係るジェットポンプビームの第2の実施の形態は、図6に示された改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金(改良熱処理インコネル718合金)を用いた原子炉用部材、特に図5に示されるジェットポンプビーム27の製造技術に関するものである。
このジェットポンプビーム27は、図6に示される化学成分組成の析出硬化型ニッケル基合金(インコネル718合金)の材料溶解後、第1の実施形態で示した固溶化熱処理温度範囲で熱処理し、この固溶化熱処理後に、機械加工あるいは冷間加工によりジェットポンプビーム27の製品形状に加工し、その後、所要の時効硬化熱処理を行なって製造される。インコネル718合金は、1010℃〜1090℃の温度範囲で固溶化熱処理を行ない、この固溶化熱処理後に、インコネル718合金を熱間鍛造あるいは冷間鍛造の機械加工を行なったり、または、金属材料を再結晶温度以下で塑性加工を行なう冷間加工を行なってジェットポンプビームの製品形状に加工する。
所定形状の製品形状に加工後、694〜714℃×5〜7時間の時効硬化熱処理を施して製作する。この時効硬化熱処理を所要時間行なうと、インコネル718合金は、析出硬化熱処理によりγ″相(NiNb)が析出し、高強度材料の改良熱処理インコネル718合金となる。
しかし、この高強度材料は、一般的に加工性に劣るため、ジェットポンプビーム27のように複雑な製品形状を製作する場合には、製品形状の加工が容易な固溶化熱処理後に、所定の製品形状に機械加工あるいは冷間加工により所定の製品形状まで加工する。所定の製品形状まで加工した後に、析出硬化熱処理を施して材料強度を向上させ、図5に示すようなジェットポンプビーム27の原子炉用部材を製作する。
実際の原子炉用部材として、図1に示される成分組成の析出硬化型ニッケル基合金(材料溶融状態)の熱処理に改善・改良を施して改良熱処理析出硬化型ニッケル基合金材料を作成し、この改良熱処理ニッケル基合金を用いてジェットポンプビーム27の試作を行なった。
実際のジェットポンプビーム27の製造では、析出硬化型ニッケル基合金(インコネル718合金)の材料溶解後に、型鍛造を行ない、ジェットポンプビームの粗加工を行なった。この粗加工後に、インコネル718合金を所要温度範囲で固溶化熱処理を行なって、機械加工あるいは冷間加工を施して仕上げ加工を行なう。このジェットポンプビームの仕上げ加工後に、時効硬化熱処理を順次行なって、改良熱処理インコネル718合金を作成し、改良熱処理インコネル718合金製のジェットポンプビーム27を図5に示すように製造した。
このようにして、実際の沸騰水型原子炉に使用されるばね用部材としてのジェットポンプビーム27が、図5に示すように製造される。このジェットポンプビーム27は、高温高圧の環境下で使用されても、応力腐食割れ感受性が小さく、耐応力腐食割れ性に優れたものとなり、高弾性率および高温強度、さらには優れた延性を有するものとなる。
本発明に係るジェットポンプビームを備えたジェットポンプの取付状態を示す斜視図。 図1のジェットポンプの頭部(インレットミキサのエルボ)を押圧支持するジェットポンプビームの設置(据付)状態を示す斜視図。 ジェットポンプに備えられるジェットポンプビームの縦断面図。 図3に示されるジェットポンプビームの平面図。 本発明に係るジェットポンプビームを構成する改良熱処理インコネル718合金材料の成分組成の各実施例を示す図。 本発明に係る改良熱処理インコネル材料製のジェットポンプビームを示す斜視図。 ジェットポンプビーム材料で構成された試験片の応力腐食割れ感受性を評価する試験装置を示すもので、(A)は評価試験装置の概略的な正面図、(B)はその側面図。 図7の評価試験装置で評価された各実施例で示される試験片の応力腐食割れ試験結果を示す図。
符号の説明
10 ジェットポンプ
11 原子炉圧力容器
12 炉心シュラウド
13 ダウンカマ部
14 原子炉炉心
16 再循環入口ノズル
17 ライザ管
18 トランジションピース
19 エルボ
20 インレットミキサ
21 ディフューザ
22 ジェットポンプノズル
23 インレットスロート
25 支持ポスト
26 溝部(ポケット)
27 ジェットポンプビーム
27a 頂部ベース面
28 吊りボルト
30 ヘッドボルト
31 縦ねじ孔
32 雄ねじ
35 ボルト固定装置
36 多角形ヘッド部
37 ロックキャップ
38 本体ハウジング
39 ベースプレート
40 ばね部材
41 位置決めピン
42 小ねじ
50 CBB試験装置
51 試験片
52a,52b 試験治具
55 グラファイトウール
56 スペーサ

Claims (8)

  1. 質量%でNi:50.0%〜55.0%、Cr:17.0%〜21.0%、Nb+Ta:4.75%〜5.50%、Mo:2.8%〜3.3%、Ti:0.65%〜1.15%、Al:0.2%〜0.8%、C:0.08%以下、Mn:0.35%以下、Si:0.35%以下、S:0.015%以下、P:0.03%以下、Cu:0.30%以下、B:0.006%以下、Co:1.0%以下、ならびに残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成からなる析出強化型ニッケル基合金の材料を構成し、
    前記ニッケル基合金材料を1010℃〜1090℃で固溶化熱処理と、
    この固溶化熱処理後に694℃〜714℃で5〜7時間の時効硬化熱処理とを施して改良熱処理ニッケル基合金製のジェットポンプビームを構成したことを特徴とするジェットポンプビーム。
  2. 前記ニッケル基合金材料のうち、Bを質量%で0.001%以下とした材料を用いてなる請求項1に記載のジェットポンプビーム。
  3. 前記ニッケル基合金の成分組成のうち、Coを質量%で0.05%以下とした材料を用いてなる請求項1に記載のジェットポンプビーム。
  4. 前記ニッケル基合金材料は、固溶化熱処理後に機械加工あるいは製品加工により製品形状に加工され、その後に時効硬化熱処理を施した改良処理ニッケル基合金材料で製作された請求項1ないし3のいずれか1項に記載のジェットポンプビーム。
  5. 質量%でNi:50.0%〜55.0%、Cr:17.0%〜21.0%、Nb+Ta:4.75%〜5.50%、Mo:2.8%〜3.3%、Ti:0.65%〜1.15%、Al:0.2%〜0.8%、C:0.08%以下、Mn:0.35%以下、Si:0.35%以下、S:0.015%以下、P:0.03%以下、Cu:0.30%以下、B:0.006%以下、Co:1.0%以下、ならびに残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成からなる析出強化型ニッケル基合金の材料を用意し、
    前記ニッケル基合金材料を1010℃〜1090℃で固溶化熱処理後、機械加工あるいは冷間加工により製品形状に加工し、
    加工された製品形状の前記ニッケル基合金材料を694℃〜714℃で5〜7時間時効硬化熱処理を施して改良熱処理ニッケル基合金製のジェットポンプビームを製造することを特徴とするジェットポンプビームの製造方法。
  6. 前記ニッケル基合金材料の成分組成うち、質量%でBを0.001%以下、Coを0.05%以下とする請求項5に記載のジェットポンプビームの製造方法。
  7. 加工された製品形状の前記ニッケル基合金材料は、604℃およびその近傍温度でほぼ6時間時効硬化処理を施してジェットポンプビームを製造する請求項5に記載のジェットポンプビームの製造方法。
  8. 質量%でNi:50.0%〜55.0%、Cr:17.0%〜21.0%、Nb+Ta:4.75%〜5.50%、Mo:2.8%〜3.3%、Ti:0.65%〜1.15%、Al:0.2%〜0.8%、C:0.08%以下、Mn:0.35%以下、Si:0.35%以下、S:0.015%以下、P:0.03%以下、Cu:0.30%以下、B:0.006%以下、Co:1.0%以下、ならびに残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成からなる析出強化型ニッケル基合金を用意し、
    前記ニッケル基合金材料の材料溶解後、型鍛造により製品形状に粗加工し、
    粗加工したニッケル基合金材料を1010℃〜1090℃で固溶化熱処理し、機械加工あるいは冷間加工により仕上げ加工し、
    仕上げ加工したニッケル基合金材料を694℃〜714℃で5〜7時間時効硬化熱処理を施して改良熱処理ニッケル基合金製のジェットポンプビームを製造することを特徴とするジェットポンプビームの製造方法。
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