JP2008063602A - 明細書耐食性オーステナイト系合金及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より高い耐応力腐食割れ進展性を有する耐食性オーステナイト系合金及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】オーステナイト系合金に30%を超える冷間加工と加熱処理とを施して、オーステナイト結晶粒内に双晶境界を形成するとともに、オーステナイト粒界及び/又は双晶境界上に析出物を分散形成してなることを特徴とする耐食性オーステナイト系合金を使用する。
【選択図】図1
【解決手段】オーステナイト系合金に30%を超える冷間加工と加熱処理とを施して、オーステナイト結晶粒内に双晶境界を形成するとともに、オーステナイト粒界及び/又は双晶境界上に析出物を分散形成してなることを特徴とする耐食性オーステナイト系合金を使用する。
【選択図】図1
Description
本発明は、耐食性オーステナイト系合金及びその製造方法に関し、特に高い耐応力腐食割れ進展性を有する耐食性オーステナイト系合金及びその製造方法に関する。
オーステナイト系合金であるオーステナイト系ステンレス鋼及びニッケル基合金は高温強度、耐食性、加工性などに優れた材料として工業的に広く使用されている。例えば、オーステナイト系ステンレス鋼は、図5に示すように、原子力発電プラントのうち沸騰水型原子炉11の炉心シュラウド12と呼ばれる円筒型の機器などに使用されている。この炉心シュラウドは、初期には比較的炭素含有量の高い(0.03%以上の)ステンレス鋼であるSUS304鋼で作られており、例えば溶接線近傍の熱影響部の結晶粒界上にクロム炭化物が生成し、これに伴って生じる結晶粒界に沿ったクロム欠乏相に沿って応力腐食割れ(SCC)、特に粒界型応力腐食割れ(IGSCC)が進展する傾向があった。このように、オーステナイト系合金は、高温下、例えば高温水中において応力腐食割れが生じるという欠点を有することが知られている。
これを改良するために、オーステナイト系合金の結晶粒界における炭化クロム析出物の生成によるクロム欠乏を起こりにくくして粒界耐食性を改善した、低炭素ステンレス鋼が開発され、応力腐食割れに対する感受性の低減が図られている。
しかしながら、例えば図6に示すように、表面を加工硬化した材料において、その表面で粒内型腐食割れ(TGSCC)が発生すると、材料の内部では粒界に沿って粒界型腐食割れ(IGSCC)が進展し、低炭素ステンレス鋼のクロム欠乏の低減による粒界耐食性の改善によっては応力腐食割れの進展を完全に防止し得るものではないことが判明した。これは、オーステナイト系合金では外部から応力がかかった場合、結晶粒界において転位のすべり現象による変形が起こりやすいので、粒内よりも粒界において変形しやすいことが割れ進展に寄与するためと考えられる。
したがって、粒界耐食性に加え、粒界における変形抵抗を増加させて、粒界強度を高めることにより、耐応力腐食割れ(SCC)進展性、特に耐粒界型応力腐食割れ(IGSCC)進展性を飛躍的に高めることができると考えられる。
したがって、粒界耐食性に加え、粒界における変形抵抗を増加させて、粒界強度を高めることにより、耐応力腐食割れ(SCC)進展性、特に耐粒界型応力腐食割れ(IGSCC)進展性を飛躍的に高めることができると考えられる。
オーステナイト系合金の粒界における変形抵抗、すなわち粒界強度を高めるために、オーステナイト結晶粒内に形成される双晶境界を増加させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−15896号公報
しかしながら、このような双晶境界を増加させる方法では、耐応力腐食割れ進展性は十分ではなく、さらなる改善が望まれている。
本発明は上述した事情を考慮してなされたものであって、粒界強度を高めることにより、より高い耐応力腐食割れ進展性を有する耐食性オーステナイト系合金及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を解決するため、本発明の一実施形態である耐食性オーステナイト系合金は、オーステナイト系合金に30%を超える冷間加工と加熱処理とを施して、オーステナイト結晶粒内に双晶境界を形成するとともに、オーステナイト粒界及び/又は双晶境界上に析出物を分散形成してなることを特徴とする。
本発明によれば、オーステナイト結晶粒内に双晶境界を形成するとともに、オーステナイト粒界及び/又は双晶境界上に析出物を分散形成させたので、粒界強度を高めることができ、より高い耐応力腐食割れ進展性を有する耐食性オーステナイト系合金及びその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。まず、本発明の第1の実施形態に係る耐食性オーステナイト系合金について図面を参酌して説明する。図1は、この実施形態に係る耐食性オーステナイト系合金の模式的な組織を示す図である。耐食性オーステナイト系合金は、オーステナイト系合金に30%を超える冷間加工と加熱処理とを施すことによりオーステナイト結晶粒内に双晶境界が形成され、オーステナイト粒界及び/又は双晶境界上に析出物が分散形成される。
耐食性オーステナイト系合金1の組織は、オーステナイト結晶粒界2、双晶境界3、オーステナイト結晶粒界上の析出物4及び双晶境界上の析出物5から主として構成される。オーステナイト組織とは、面心立方格子のγ鉄に炭素(C)を最大2.1%まで固溶した固溶体組織で、727℃以上の高温で安定した組織であり、通常、常温では存在しない。しかし、オーステナイト生成元素であるNi、Mnなどを多量に固溶すると、常温においても図1に示すような多角形の結晶粒を示すオーステナイト組織が得られる。
双晶とは、二つの隣り合った結晶がある特定の面または軸について対称の関係にあるとき、それら二つの結晶のことをいい、その境界を双晶境界という。このような双晶(境界)は、例えば、塑性変形による結晶面のすべりなどによって、双晶面(双晶境界)3が生成する。形成される双晶境界3の合計の長さは、双晶境界が形成される結晶粒(界)の外周の長さに対して1倍以上であれば好ましく、2倍以上であればより好ましい。このような双晶の形成により転位のすべりを抑制することができ、粒界の変形抵抗が高くなる。そのため、粒界強度が高くなり、より高い耐応力腐食割れ進展性、特に耐粒界型応力腐食割れ進展性を得ることができる。
オーステナイト結晶粒界上に、加熱処理を施すことなどにより形成されるオーステナイト結晶粒界上の析出物4の組成は、オーステナイト系合金を構成する合金(材料)の化学組成により異なるが、オーステナイト系ステンレス鋼を使用する場合には、通常クロム炭化物(主としてCr23C6)の析出物が主として形成される。また、例えばオーステナイト系ニッケル基合金を使用する場合には、通常ニッケル炭化物(主としてNiC)の析出物が主として形成される。
図2は、オーステナイト結晶粒界上の析出物の例を示す写真である。このような析出物の粒子径は50〜5000nm程度である。
図2は、オーステナイト結晶粒界上の析出物の例を示す写真である。このような析出物の粒子径は50〜5000nm程度である。
また、オーステナイト系合金、例えばオーステナイト系ステンレス鋼及びオーステナイト系ニッケル基合金が、上記のクロム炭化物やニッケル炭化物よりも炭化物を形成しやすい金属、例えばチタン、ニオブなどを含有する場合には、クロム炭化物よりも先にチタン炭化物(主としてTiC)やニオブ炭化物(主としてNbC)などが形成される。クロム炭化物やニッケル炭化物の析出物も形成されるが、チタン炭化物やニオブ炭化物の析出物の方が、クロム炭化物やニッケル炭化物の析出物よりも多く形成される。なお、オーステナイト系合金は、チタン及びニオブの両方の金属を含んでもよい。
このようなオーステナイト結晶粒界上の析出物4の形成により、転位のすべりを抑制することができ、粒界の変形抵抗が高くなる。そのため、粒界強度が高くなり、より高い耐応力腐食割れ進展性、特に耐粒界型応力腐食割れ進展性を得ることができる。
次に、双晶境界上の析出物5は、通常オーステナイト結晶粒界上の析出物4に比べて形成が起こりにくいが、後述のようにオーステナイト系合金に適切な冷間加工と加熱処理を組み合わせて施すことにより形成される。双晶境界上の析出物5の組成は、オーステナイト系合金を構成する合金(材料)の化学組成により異なるが、オーステナイト系ステンレス鋼を使用する場合には、通常クロム炭化物(主としてCr23C6)の組成の析出物が主として形成される。また、例えば、オーステナイト系ニッケル基合金を使用する場合には、通常ニッケル炭化物(主としてNiC)の析出物が主として形成される。双晶境界上の析出物5は、オーステナイト結晶粒界上の析出物4と同様の組成等を有する析出物となる。このような析出物の粒子径は5〜500nm程度である。
オーステナイト系合金、例えばオーステナイト系ステンレス鋼及びオーステナイト系ニッケル基合金が、クロム炭化物やニッケル炭化物よりも炭化物を形成しやすい金属、例えばチタン、ニオブなどを含有する場合には、クロム炭化物よりも先にチタン炭化物(主としてTiC)やニオブ炭化物(主としてNbC)などが双晶境界上に形成される。クロム炭化物やニッケル炭化物も形成されるが、チタン炭化物やニオブ炭化物の析出物の方が、クロム炭化物やニッケル炭化物の析出物よりも多く形成される。オーステナイト系合金は、チタン及びニオブの両方の金属を含んでもよい。
このような双晶境界上の析出物5の形成により、転位のすべりを抑制することができ、粒界の変形抵抗が高くなる。そのため、粒界強度が高くなり、より高い耐応力腐食割れ進展性、特に耐粒界型応力腐食割れ進展性を得ることができる。
なお、例えばオーステナイト系ステンレス鋼において、オーステナイト結晶粒界上の析出物4及び/又は双晶境界上の析出物5が、例えば特にクロム炭化物であり、耐食性に寄与すると考えられるクロムの母材中のクロム濃度が低下する場合には、例えば予め母材中のクロム濃度を高めに設定することや、クロムよりも炭素との反応速度及び/又は結合力が大きい元素、例えばチタン、ニオブを添加すること等を行なうことができる。これにより、オーステナイト結晶粒界及び/又は双晶境界上にクロム炭化物が析出して粒界近傍にクロム濃度が低下したクロム欠乏相を生じることによる粒界の耐食性低下を抑制することも可能である。
次に、この実施形態に係る耐食性オーステナイト系合金の製造方法について説明する。
まず、オーステナイト系合金、例えばオーステナイト系ステンレス鋼、オーステナイト系ニッケル基合金を準備する。例えば、オーステナイト系ステンレス鋼は通常は圧延や鍛造をした後、1000〜1100℃程度の高温でオーステナイト生成元素、例えばニッケル、マンガンを固溶させた後に急冷した溶体化組織にする。また、必要に応じて加工歪除去の熱処理を行なった後に使用に供する。図3は、例えば1000〜1100℃程度の高温で、元素を固溶させた後に急冷した溶体化結晶の組織を模式的に示す図である。この段階では、双晶境界はまだわずかしか形成されていない。
まず、オーステナイト系合金、例えばオーステナイト系ステンレス鋼、オーステナイト系ニッケル基合金を準備する。例えば、オーステナイト系ステンレス鋼は通常は圧延や鍛造をした後、1000〜1100℃程度の高温でオーステナイト生成元素、例えばニッケル、マンガンを固溶させた後に急冷した溶体化組織にする。また、必要に応じて加工歪除去の熱処理を行なった後に使用に供する。図3は、例えば1000〜1100℃程度の高温で、元素を固溶させた後に急冷した溶体化結晶の組織を模式的に示す図である。この段階では、双晶境界はまだわずかしか形成されていない。
この溶体化組織にしたオーステナイト系ステンレス鋼を、例えば冷間圧延機にかけて
30%を超える冷間加工を行なう。冷間加工としては、冷間圧延、引抜き、冷間鍛造などが挙げられる。冷間加工の条件としては、温度条件は、結晶化温度未満であればよいが、通常常温で行なわれる。冷間加工の上限は90%以下である。冷間加工が30%以下であると、後述の加熱工程の後に、十分な双晶界面が得られなくなる。また、冷間加工が90%を超えると、後述の加熱工程の後に、双晶界面上に十分な析出物が得られなくなる。なお、冷間加工は、50〜70%の範囲が好ましい。また、30%を超える冷間加工(ステンレス鋼の30%を超える板厚さの低減)であれば、冷間加工は1段階であっても、2段階以上の多段階の冷間加工であってもよい。冷間加工の条件は、オーステナイト系合金の成分などに応じて適宜決めることができる。
30%を超える冷間加工を行なう。冷間加工としては、冷間圧延、引抜き、冷間鍛造などが挙げられる。冷間加工の条件としては、温度条件は、結晶化温度未満であればよいが、通常常温で行なわれる。冷間加工の上限は90%以下である。冷間加工が30%以下であると、後述の加熱工程の後に、十分な双晶界面が得られなくなる。また、冷間加工が90%を超えると、後述の加熱工程の後に、双晶界面上に十分な析出物が得られなくなる。なお、冷間加工は、50〜70%の範囲が好ましい。また、30%を超える冷間加工(ステンレス鋼の30%を超える板厚さの低減)であれば、冷間加工は1段階であっても、2段階以上の多段階の冷間加工であってもよい。冷間加工の条件は、オーステナイト系合金の成分などに応じて適宜決めることができる。
この冷間加工の後に、オーステナイト系合金に対して加熱処理を行う。オーステナイト系合金のうち、オーステナイト系ステンレス鋼に対しては850℃以上1000℃以下の加熱温度範囲により、またオーステナイト系ニッケル基合金については900℃以上1000℃以下の加熱温度範囲により加熱を行なう。この加熱により、オーステナイト系合金について、双晶境界の導入、及びオーステナイト結晶粒界及び/又は双晶境界上の析出物の形成が行なわれる。なお、オーステナイト系ステンレス鋼については850℃未満、そして、オーステナイト系ニッケル基合金については900℃未満で加熱する場合には、結晶粒界及び双晶境界上に十分な析出物を形成することができないおそれがある。また、これらのオーステナイト系合金について、1000℃を超える温度で加熱する場合には、ステンレス鋼及びニッケル基合金が溶体化して析出物が形成されなくなるおそれがある。
加熱時間は、結晶粒界及び双晶境界上に十分な量の析出物の形成を行なうことができる時間であればよく、オーステナイト系合金の成分などに応じて適宜決めることができるが、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼に対しては1〜10時間程度、オーステナイト系ニッケル基合金に対しては1〜10時間程度である。
また、この加熱処理は、1段階の加熱処理であっても、2段階以上の多段階の加熱処理であってもよい。これらのうち、多段階の加熱処理、例えば2段階の加熱処理のほうが、加熱条件の制御が容易であり、加熱処理による結晶粒界及び双晶境界上に析出物を形成しやすいため好ましい。オーステナイト系ステンレス鋼に対して2段階の加熱処理を行う場合には、第1段階の加熱処理は850℃以上1000℃以下の加熱温度範囲、そして第2段階の加熱処理は600℃以上1000℃以下の加熱温度範囲により、加熱処理を行なうことができる。第2段階の加熱処理が600℃未満の場合には、析出物の形成の促進が十分に図れないおそれがあるからである。また、オーステナイト系ニッケル基合金に対して2段階の加熱処理を行う場合には、第1段階の加熱処理は900℃以上1000℃以下の加熱温度範囲、そして第2段階の加熱処理は600℃以上1000℃以下の加熱温度範囲により、加熱処理を行なうことができる。第2段階の加熱処理が600℃未満の場合には、析出物の形成の促進が十分に図れないおそれがあるからである。これらの2段階の加熱処理を行う場合の加熱時間は、使用するオーステナイト系合金の材料の化学組成などに応じて適宜決めることができる。例えば、オーステナイト系ステンレス鋼について第1段階の加熱時間を1〜10時間程度、第2段階の加熱時間を1〜10時間程度の範囲内でそれぞれ決めることができる。また、オーステナイト系ニッケル基合金について第1段階の加熱時間を1〜10時間程度、第2段階の加熱時間を1〜10時間程度の範囲内でそれぞれ決めることができる。
ここで、この実施形態における冷間加工及び加熱処理との対比のために、図4に、例えば溶接等により、約600℃以上に加熱された部位の粒界上にクロム炭化物が析出した鋭敏化組織を模式的に示す図を示す。これは、この実施形態とは異なり、冷間加工処理をせずに、単にオーステナイト系合金が加熱されるだけであるので、双晶境界が形成されず、また、オーステナイト結晶粒界上にクロム炭化物が析出された、母材中のクロム濃度が低下した鋭敏化組織が形成されるだけである。
次に、この実施形態において冷間加工及び加熱処理の対象となるオーステナイト系合金の化学成分組成について説明する。まず、オーステナイト系合金のうち、オーステナイト系ステンレス鋼としては、18〜20質量%のクロム及び8〜13質量%のニッケルを含む系、16〜19質量%のクロム、10〜15質量%のニッケル及び2〜3質量%のモリブデンを含む系及び24〜26質量%のクロム及び19〜25質量%のニッケルを含む系などが対象として挙げられる。これらの配合量のクロム、ニッケル、モリブデンの金属を含むことにより、冷間加工及び加熱処理の後に双晶境界が形成され、オーステナイト粒界及び双晶境界上に析出物が形成される。
なお、これらの対象となる系は、例えば、それぞれSUS304、SUS316、SUS316L、SUS310Sなどの主たるオーステナイト系ステンレス鋼に基づく系及び/又はその改良された系である。よって、例えばSUS304に基づく系(及び/又は改良された系)である18〜20質量%のクロム及び8〜13質量%のニッケルを含む系においては、例えばSUS304に規定されるC、Si、Mn、P、Sなどの各成分をそれぞれ所定の含有量などで含むことも可能である。例えば、SUS304に規定されるようにC、Si、Mn、P、Sの各成分をそれぞれ、C=0.08質量%以下、Si=1.00質量%以下、Mn=2.00質量%以下、P=0.045質量%以下、S=0.030質量%以下のように含むことも可能である。
同様に、SUS316又はSUS316Lに基づく系(及び/又は改良された系)である16〜19質量%のクロム、10〜15質量%のニッケル及び2〜3質量%のモリブデンを含む系においては、例えばSUS316又はSUS316Lに規定されているような各成分をそれぞれ所定の含有量などで含むことも可能である。例えば、SUS316にいては、C=0.08質量%以下、Si=1.00質量%以下、Mn=2.00質量%以下、P=0.045質量%以下、S=0.030質量%以下、SUS316Lについては、C=0.030質量%以下、Si=1.00質量%以下、Mn=2.00質量%以下、P=0.045質量%以下、S=0.030質量%以下で含むことも可能である。さらに、SUS310Sに基づく系(及び/又は改良された系)である24〜26質量%のクロム及び19〜25質量%のニッケルを含む系も、同様に、例えばSUS310Sに規定されているような各成分をそれぞれ所定の含有量などで含むことも可能である。例えば、C=0.08質量%以下、Si=1.50質量%以下、Mn=2.00質量%以下、P=0.045質量%以下、S=0.030質量%以下で含むことも可能である。
オーステナイト系合金のうち、ニッケル基合金についてはすべての成分系を対象として挙げることができる。例えば、インコネル600、インコネルX750、ハステロイB、ハステロイC、ハステロイX、インコネル690(9Fe−60Ni−30Cr)などが挙げられる。ニッケル基合金については、例えば、上記の合金系に含まれる化学成分、例えば、C、Si、Mn、P、S、Co、W、Mo、Nb、Al、Ti、Cuなどをそれぞれ所定量、例えば上記の合金系のそれぞれの成分の配合量(質量%)含むことができる。
また上述のように、オーステナイト系合金は、クロムやニッケルに比べてオーステナイト粒界及び双晶境界上に炭化物としての析出物を形成しやすいチタン、ニオブなどの金属を含有することができる。チタンの配合量は、オーステナイト系合金の合計を100質量%として、0.3〜0.6質量%である。ニオブの場合には、オーステナイト系合金の合計を100質量%として、0.2〜0.6質量%である。チタンの配合量が0.3質量%未満である場合には、オーステナイト結晶粒界及び/又は双晶界面上に十分な量のチタン炭化物の析出物が形成されず、0.6質量%を超える場合には、十分な量のクロム炭化物やニッケル炭化物などの析出物が形成されないおそれがある。同様に、ニオブの配合量が0.2質量%未満である場合には、オーステナイト結晶粒界及び/又は双晶界面上に十分な量のチタン炭化物の析出物が形成されず、0.6質量%を超える場合には、十分な量のクロム炭化物やニッケル炭化物などの析出物が形成されないおそれがある。
なお、オーステナイト系合金は、上記の配合量のチタン及びとニオブの両方を含むこともできる。
なお、オーステナイト系合金は、上記の配合量のチタン及びとニオブの両方を含むこともできる。
この実施形態に係る耐熱性オーステナイト系合金は、応力腐食割れ(SCC)、特に粒界型応力腐食割れ(IGSCC)が発生する可能性がある機器、その一部に応力腐食割れが発生する可能性がある機器及びその機器の対象となる箇所などに用いることができる。特に、原子炉内または炉外において高温の冷却水に接し、応力腐食割れ、特に粒界型応力腐食割れの発生する可能性がある機器、例えば原子力プラントの炉内機器、例えば軽水炉炉心材料や原子炉周辺の配管などに好適に使用することができる。具体的には、例えば原子力発電プラントのうちの沸騰水型原子炉の中の炉心シュラウドと呼ばれる円筒型の機器に好適に用いることができる。
この実施形態によれば、従来のオーステナイト系合金材の化学成分を大きく変更しなくても、所定の条件の冷間加工と加熱処理を施すことによって、オーステナイト結晶粒内に双晶境界を形成するとともに、オーステナイト粒界及び/又は双晶境界上に析出物を形成できるので、結晶粒界における転位のすべり現象による変形を抑制するので粒界の変形抵抗が増加する。そのため、粒界強度が高くなり、より高い耐応力腐食割れ(SCC)進展性、特に耐粒界型応力腐食割れ(IGSCC)進展性を飛躍的に高めることが可能となる。
また、この実施形態によれば、冷間加工と加熱処理の条件を調整するだけであるので、オーステナイト系合金材料の機械的特性や加工性は従来の合金材と大きな違いはなく、その設計と材料のコストには大きな影響をもたらさない。
また、この実施形態によれば、冷間加工と加熱処理の条件を調整するだけであるので、オーステナイト系合金材料の機械的特性や加工性は従来の合金材と大きな違いはなく、その設計と材料のコストには大きな影響をもたらさない。
次に、本発明の具体的な実施例及びその評価結果について説明する。
(実施例1)
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼の代表的な化学成分を、表1に示す。
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼の代表的な化学成分を、表1に示す。
この実施例1のオーステナイト系ステンレス鋼は、SUS316ステンレス鋼をベースとして、クロム、ニッケル及びモリブデンの化学組成配合量(質量%)を調整し、さらに、ニオブを0.5質量%添加した材料である。
このようなオーステナイト系ステンレス鋼を準備し、冷間加工として、常温で31%の板厚減となる冷間圧延を加えた。このオーステナイト系ステンレス鋼に900℃×1時間の加熱処理を施した。その結果、オーステナイト結晶粒界の外周の長さに対し、合計で約2倍の長さの双晶境界を導入できた。また、オーステナイト結晶粒界及び双晶境界上に析出物を生成できた。
このように、双晶境界が形成され、粒界界面及び双晶境界上に析出物が形成されたので、粒界すべりが抑制されて粒界強度が高くなり、腐食応力割れを抑制することができることが確認された。
また、耐食性については、この材料をもちいて、溶存酸素濃度8ppm、温度290℃の高温水中で実施したところ、従来のオーステナイト系ステンレス鋼(SUS316ステンレス鋼)と同等の耐食性を示すことが確認できた。
また、耐食性については、この材料をもちいて、溶存酸素濃度8ppm、温度290℃の高温水中で実施したところ、従来のオーステナイト系ステンレス鋼(SUS316ステンレス鋼)と同等の耐食性を示すことが確認できた。
(比較例1)
実施例1のオーステナイト系ステンレス鋼(材)を用いて、冷間加工として、10%の板厚減となる冷間圧延を加える以外は、実施例1と同様の方法で行なった。
その結果、双晶境界上に析出物を生成することはできなかった。
実施例1のオーステナイト系ステンレス鋼(材)を用いて、冷間加工として、10%の板厚減となる冷間圧延を加える以外は、実施例1と同様の方法で行なった。
その結果、双晶境界上に析出物を生成することはできなかった。
(実施例2)
本発明のオーステナイト系ニッケル基合金の代表的な化学成分を、表2に示す。
本発明のオーステナイト系ニッケル基合金の代表的な化学成分を、表2に示す。
この実施例2のオーステナイト系ニッケル基合金は、29質量%のクロム及び10質量%の鉄を含むインコネル690合金をベースとした材料に、さらに、ニオブを0.5質量%添加した材料である。
この実施例2のオーステナイト系ニッケル基合金に、冷間加工として、常温で、31%の板厚減となる冷間圧延を加えた。この鋼材に950℃×1時間の加熱処理を施した。
その結果、オーステナイト結晶粒界の外周の長さに対し、合計で約2倍の長さの双晶境界を導入できた。また、オーステナイト結晶粒界及び双晶境界上に析出物を生成できた。
その結果、オーステナイト結晶粒界の外周の長さに対し、合計で約2倍の長さの双晶境界を導入できた。また、オーステナイト結晶粒界及び双晶境界上に析出物を生成できた。
このように、結晶粒界及び双晶境界上に析出物が形成されたので粒界すべりが抑制されて粒界強度が高くなり、腐食応力割れを抑制することができることが確認された。
また、耐食性については、この材料をもちいて、溶存酸素濃度8ppm、温度290℃の高温水中で実施したところ、従来のオーステナイト系ニッケル基合金(インコネル690合金)と同等の耐食性を示すことが確認できた。
また、耐食性については、この材料をもちいて、溶存酸素濃度8ppm、温度290℃の高温水中で実施したところ、従来のオーステナイト系ニッケル基合金(インコネル690合金)と同等の耐食性を示すことが確認できた。
(実施例3)
実施例1のオーステナイト系ステンレス鋼(材)を用いて、加熱処理条件を、900℃×1時間の第1段階の加熱処理、及び600℃×1時間の第2段階の加熱処理とした以外は、実施例1と同様に行なった。その結果、実施例1と比較してオーステナイト結晶粒界及び双晶境界上にさらに多くの析出物が形成された。このように、オーステナイト結晶粒界及び双晶境界上にさらに多くの析出物が形成されたので、粒界すべりがより抑制されて粒界強度がより高くなり、腐食応力割れをより抑制することができることが確認された。また、耐食性については、この材料をもちいて、溶存酸素濃度8ppm、温度290℃の高温水中で実施したところ、従来のオーステナイト系ステンレス鋼(材)と同等の耐食性を示すことが確認できた。
実施例1のオーステナイト系ステンレス鋼(材)を用いて、加熱処理条件を、900℃×1時間の第1段階の加熱処理、及び600℃×1時間の第2段階の加熱処理とした以外は、実施例1と同様に行なった。その結果、実施例1と比較してオーステナイト結晶粒界及び双晶境界上にさらに多くの析出物が形成された。このように、オーステナイト結晶粒界及び双晶境界上にさらに多くの析出物が形成されたので、粒界すべりがより抑制されて粒界強度がより高くなり、腐食応力割れをより抑制することができることが確認された。また、耐食性については、この材料をもちいて、溶存酸素濃度8ppm、温度290℃の高温水中で実施したところ、従来のオーステナイト系ステンレス鋼(材)と同等の耐食性を示すことが確認できた。
(実施例4)
実施例2のオーステナイト系ニッケル基合金(材)を用いて、加熱処理条件を、950℃×1時間の第1段階の加熱処理、及び600℃×1時間の第2段階の加熱処理とした以外は、実施例2と同様に行なった。その結果、実施例2と比較してオーステナイト結晶粒界及び双晶境界上にさらに多くの析出物が形成された。このように、オーステナイト結晶粒界及び双晶境界上にさらに多くの析出物が形成されたので、粒界すべりがより抑制されて粒界強度がより高くなり、腐食応力割れをより抑制することができることが確認された。また、耐食性については、この材料をもちいて、溶存酸素濃度8ppm、温度290℃の高温水中で実施したところ、従来のオーステナイト系ニッケル基合金(インコネル690合金)と同等の耐食性を示すことが確認できた。
実施例2のオーステナイト系ニッケル基合金(材)を用いて、加熱処理条件を、950℃×1時間の第1段階の加熱処理、及び600℃×1時間の第2段階の加熱処理とした以外は、実施例2と同様に行なった。その結果、実施例2と比較してオーステナイト結晶粒界及び双晶境界上にさらに多くの析出物が形成された。このように、オーステナイト結晶粒界及び双晶境界上にさらに多くの析出物が形成されたので、粒界すべりがより抑制されて粒界強度がより高くなり、腐食応力割れをより抑制することができることが確認された。また、耐食性については、この材料をもちいて、溶存酸素濃度8ppm、温度290℃の高温水中で実施したところ、従来のオーステナイト系ニッケル基合金(インコネル690合金)と同等の耐食性を示すことが確認できた。
1…耐食性オーステナイト系合金、2…オーステナイト結晶粒界、3…双晶境界、4…オーステナイト結晶粒界上の析出物、5…双晶境界上の析出物、11…沸騰水型原子炉、12…炉心シュラウド、13…原子炉圧力容器、14…炉心支持板、15…上部格子板、16…給水スパージャ、17…炉心スプレイスパージャ、18…案内棒、19…頂部スプレイノズル、20…蒸気乾燥器、21…炉心スプレイライン、22…再循環入り口ノズル、23…ジェットポンプ、24…圧力容器ペデスタル、25…制御棒駆動機構ハウジング金具、26…制御棒駆動機構ハウジング、27…シュラウドサポートリング
Claims (12)
- オーステナイト系合金に30%を超える冷間加工と加熱処理とを施して、オーステナイト結晶粒内に双晶境界を形成するとともに、オーステナイト粒界及び/又は双晶境界上に析出物を分散形成してなることを特徴とする耐食性オーステナイト系合金。
- 前記加熱処理が、第1段の加熱処理及び第2段の加熱処理を含むことを特徴とする請求項1記載の耐食性オーステナイト系合金。
- 前記オーステナイト系合金がオーステナイト系ステンレス鋼であり、前記加熱処理が、850℃以上1000℃以下の加熱温度範囲で行われることを特徴とする請求項1記載の耐食性オーステナイト系合金。
- 前記オーステナイト系合金がオーステナイト系ステンレス鋼であり、第1段目の加熱処理が、850℃以上1000℃以下の加熱温度範囲で行われ、第2段目の加熱処理が、600℃以上1000℃以下の加熱温度範囲で行われることを特徴とする請求項2記載の耐食性オーステナイト系合金。
- 前記オーステナイト系ステンレス鋼が、18〜20質量%のクロム及び8〜13質量%のニッケルを含むこと特徴とする請求項3又は4に記載の耐食性オーステナイト系合金。
- 前記オーステナイト系ステンレス鋼が、16〜19質量%のクロム、10〜15質量%のニッケル及び2〜3質量%のモリブデンを含むこと特徴とする請求項3又は4に記載の耐食性オーステナイト系合金。
- 前記オーステナイト系ステンレス鋼が、24〜26質量%のクロム及び19〜25質量%のニッケルを含むこと特徴とする請求項3又は4に記載の耐食性オーステナイト系合金。
- 前記オーステナイト系ステンレス鋼が、0.2〜0.6質量%のニオブ及び0.3〜0.6質量%のチタンの少なくとも一方をさらに含むこと特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項記載の耐食性オーステナイト系ステンレス鋼合金。
- 前記オーステナイト系合金がニッケル基合金であり、前記加熱処理が900℃以上1000℃以下の加熱温度範囲で行われることを特徴とする請求項1記載の耐食性オーステナイト系合金。
- 前記オーステナイト系合金がニッケル基合金であり、前記第1段目の加熱処理が900℃以上1000℃以下の加熱温度範囲で行われ、第2段目の加熱処理が、600℃以上1000℃以下の加熱温度範囲で行われることを特徴とする請求項2記載の耐食性オーステナイト系合金。
- 前記ニッケル基合金が、0.2〜0.6質量%のニオブ及び0.3〜0.6質量%のチタンの少なくとも一方をさらに含むこと特徴とする請求項9又は10記載の耐食性オーステナイト系合金。
- オーステナイト系合金に、30%を超える冷間加工を施すステップと、
850℃以上1000℃以下の加熱温度範囲で加熱処理を施すステップと
を含むことにより
オーステナイト結晶粒内に双晶境界を形成するとともに、オーステナイト粒界及び/又は双晶境界上に析出物を分散形成してなることを特徴とする耐食性オーステナイト系合金の製造方法。
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