JP2010137520A - 画像形成装置、ヘッドユニット及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドを接着剤で高精度にベース部材に接合固定できる画像形成装置の提供。
【解決手段】液滴を吐出する複数のヘッド101がベース部材上に配置されたヘッドユニットを備え、ヘッド101の一端部に固定されたヘッド固定部材111にはベース部材に接着剤で接合する略円形状の接合部112が設けられ、接合部112の略重心位置にヘッド101の位置決め部113が設けられて、位置決め部113に位置調整部材を嵌め合わせて、位置決め部113の周囲を押圧した状態で、接着剤を硬化させる。
【選択図】図5

Description

本発明は画像形成装置、ヘッドユニット及びその製造方法に関し、特に液滴を吐出する複数のヘッドからなるヘッドユニットを記録ヘッドに備える画像形成装置、当該ヘッドユニット及びその製造方法に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
なお、本願において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体にインクを着弾させて画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。また、「用紙」とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。
ライン型画像形成装置で使用する用紙幅相当分のノズル列長さを有するフルライン型ヘッドや用紙幅の半分相当分のノズル列長さを有する長尺ヘッド(両者を併せて単に「長尺ヘッド」という。)としては、複数の短尺ヘッドを用紙幅方向に複数個並べて配列したヘッドユニット(ヘッドモジュール、ヘッドアレイ、マルチアレイヘッドなどとも称する)ものが知られている。
このようなヘッドユニットにおいてヘッドをベース部材に固定する構造としては、ヘッド長手方向両端をネジ固定するものが知られている。
また、特許文献1に記載されているように、記録ヘッドユニット(本願発明のヘッドに相当)の接合面に塗布したUV硬化型の接着剤を、最初に一部領域(初期硬化領域)に硬化処理を施してその一部領域を硬化させた後に、他部領域(最終硬化領域)を硬化させることにより、接着剤の全領域の硬化を複数段階に分けて行うことで、記録ヘッドユニットを長尺基板に接合固定すること、この場合、先行硬化領域を構成ユニットの重心に対して点対称nもうけること、あるいは、先行硬化領域を接合面における対角位置に設けることが知られている。
また、特許文献2に記載されているように、接着剤Uを、少なくとも記録ヘッドユニットの接合面における周縁の端部(角部)近傍に塗布してベース基板に接合することが知られている。
特開2007−050662号公報 特許2007−055071号公報
上述したように、ヘッドの長手方向(ノズル配列方向)端部の2箇所をネジ固定すると、固定スペースは少なく、作業時間もネジ締めに要する時間のみで短くて済むが、ネジ締め時にヘッドへ応力がかかってしまい、位置決めしようとした位置からヘッドが動いてしまうという課題がある。
そこで、ヘッドに力を作用させないように接着剤にてベース部材に接合固定することが行われるが、接着剤による接合であっても高精度にヘッドを位置決め固定することは難しいという課題がある。例えば、ヘッド位置調整手段によってヘッド位置決め部にコンタクトし、狙いの位置にヘッドを位置決めした状態で、ヘッドを押圧しながら接着剤を硬化させた後、位置調整手段が位置決め部より離間し、かつ押圧を解除すると、位置調整手段と押圧による内部応力や変形分が開放されることによって位置ズレが発生してしまい、高精度にヘッド位置決めを行うことができなくなる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、ヘッドを接着剤で高精度にベース部材に接合固定できるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する複数のヘッドがベース部材上に配置されたヘッドユニットを備え、
前記ヘッドの一端部に形成された板状部に前記ベース部材へ接着接合する接合部が設けられ、
前記ヘッドの前記ベース部材に対する位置決め部が前記接合部の略重心位置に設けられている
構成とした。
ここで、前記接合部の平面形状が環状である構成とできる。
また、前記接合部が複数箇所設けられている構成とできる。
また、前記ヘッドの位置決め部はノズル配列方向の略中心線上に設けられている構成とできる。
また、前記ヘッドと前記ベース部材とは光硬化型接着剤により接着されている構成とできる。
本発明に係るヘッドユニットは、
液滴を吐出する複数のヘッドがベース部材上に配置され、
前記ヘッドの一端部に形成された板状部に前記ベース部材へ接着接合する接合部が設けられ、
前記ヘッドの前記ベース部材に対する位置決め部が前記接合部の略重心位置に設けられている
構成とした。
本発明に係るヘッドユニットの製造方法は、
液滴を吐出するヘッドの一端部の板状部に設けられた接合部、もしくは前記接合部と接合されるベース部材のどちらかに接着材を塗布する工程と、
前記ヘッドの位置決め調整を行う位置調整部材を前記ヘッドの板状部の前記接合部の重心位置と略同じ位置に設けられた位置決め部に嵌め合わせ、
前記位置調整部材の周囲に設けられた押圧手段で前記ヘッドの板状部を押圧する工程と、前記位置調整部材で前記ヘッドの前記ベース部材への接合位置を調整して位置決めを行う工程と、
前記接着剤を硬化する工程と、を含む
構成とした。
本発明に係る画像形成装置及びヘッドユニットによれば、ヘッドの一端部に形成された板状部に前記ベース部材へ接着接合する接合部が設けられ、ヘッドのベース部材に対する位置決め部が接合部の略重心位置に設けられている構成としたので、接合時の位置調整力や接着剤の硬化収縮による内部応力や歪、変形が低減し、接合後に位置調整手段が離間して位置調整力や押圧力が取り除かれたときの内部応力開放や変形の戻りによるヘッドの位置ズレが低減し、ヘッドの位置決め精度が向上する。
本発明に係るヘッドユニットの製造方法によれば、ヘッドの一端部の板状部に設けられた接合部、もしくは接合部と接合されるベース部材のどちらかに接着材を塗布する工程と、ヘッドの位置決め調整を行う位置調整部材をヘッドの板状部の接合部の重心位置と略同じ位置に設けられた位置決め部に嵌め合わせ、位置調整部材の周囲に設けられた押圧手段でヘッドの板状部を押圧する工程と、位置調整部材でヘッドの前記ベース部材への接合位置を調整して位置決めを行う工程と、接着剤を硬化する工程とを含む構成としたので、接合時の位置調整力や接着剤の硬化収縮による内部応力や歪、変形が低減し、接合後に位置調整手段が離間して位置調整力や押圧力が取り除かれたときの内部応力開放や変形の戻りによるヘッドの位置ズレが低減し、ヘッドの位置決め精度が向上する。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する概略構成図、図2は同装置の平面説明図である。
この画像形成装置はライン型画像形成装置であり、装置本体1と、用紙Pを積載し給紙する給紙トレイ2と、印刷された用紙Pを排紙積載する排紙トレイ3と、用紙Pを給紙トレイ2から排紙トレイ3まで搬送する搬送ユニット4と、搬送ユニット4によって搬送される用紙Pに液滴を吐出し印字する画像形成ユニット5と、印刷終了後又は所要のタイミングで画像形成ユニット5の各ヘッドの維持回復を行う維持回復機構であるクリーニング装置6とを備えている。
装置本体1は、図示しない前後側板及びステーなどで構成されており、給紙トレイ2上に積載されている用紙Pは、分離ローラ21及び給紙ローラ22によって1枚ずつ搬送ユニット4に給紙される。
搬送ユニット4は、搬送駆動ローラ41Aと搬送従動ローラ41Bと、これらのローラ41A、41B間に掛け回された無端状の搬送ベルト43とを備えている。この搬送ベルト43の表面には複数の図示しない穴が形成されており、搬送ベルト43の下部には用紙Pを吸引する吸引ファン44が配置されている。また、搬送駆動ローラ41A、搬送従動ローラ41B上部には、それぞれ搬送ガイドローラ42A、42Bが図示しないガイドに保持されて、自重にてベルト43に当接している。
搬送駆動ローラ41Aは図示しないモータにより回転されることで搬送ベルト43が周回移動し、用紙Pは搬送ベルト43上に吸引ファン44により吸い付けられ、搬送ベルト43の周回移動によって搬送される。なお、搬送従動ローラ41B、搬送ガイドローラ42A、42Bは搬送ベルト43に従動して回転する。
搬送ユニット4の上部には用紙Pに印字する液滴を吐出する複数のヘッドユニットで構成される記録ヘッドとしてのヘッドアレイユニット5が矢示A方向に移動可能に配置されている。また、このヘッドアレイユニット5は、維持回復動作時(クリーニング時)にはクリーニング装置6の上方まで移動する。
画像形成ユニット5は、図3及び図4に示すように、液滴を吐出する複数のノズルを配列したノズル列を二列有する複数のヘッド101をベース部材102上に一列に配列したヘッドユニットであるヘッドモジュール51A、51B、51C、51Dが、用紙搬送方向に沿って並べてアレイベース部材52上に配置された記録ヘッドユニット50を備えている。ここでは、ヘッドモジュール51A、51Bの2つのノズル列の一方でイエロー(Y)の液滴を、他方でマゼンタ(M)の液滴を吐出し、また、ヘッドモジュール51C、51Dの2つのノズル列の一方でシアン(C)の液滴を、他方でブラック(K)の液滴を吐出する。
つまり、この画像形成ユニット5の記録ヘッドユニット50は、同じ色の液滴を吐出する2つのヘッドモジュール51が用紙搬送方向に並べて配置され、2つのヘッドモジュール51で用紙幅相当の1列分のノズル列が構成されている構成としている。
この画像形成ユニット5の上流側にはインクタンクユニット8のインクタンク81(図示の都合上1つのインクタンクのみ符号を付している。)が配置され、供給チューブ82を介して各ヘッドモジュールユニット51に供給され、インクタンク81とヘッドモジュール51との水頭差によりヘッドモジュール51の各ヘッドに対する負圧が形成される。このインクタンクユニット8は画像形成ユニット5とともに矢示A方向に移動可能に配置されている。なお、インクタンク81からヘッドモジュール51に対する供給チューブ82は分かり易くするためヘッドモジュール51の上方から接続して状態で図示しているが、実際にはヘッドモジュール51の長手方向(用紙搬送方向と直交する方向)の端部に接続される。
さらに、インクタンク81の上流側にはメインタンクユニット9が配置され、メインタンク91から供給チューブ92を介してインクがインクタンク81に供給される。
搬送ユニット4の下流側には用紙Pを排紙トレイ3に排紙する搬送ガイド部7が設けられている。搬送ガイド部7にて案内されて搬送される用紙Pは排紙トレイ3に排紙される。排紙トレイ3は、用紙Pの幅方向を規制する対のサイドフェンス31と用紙Pの先端を規制するエンドフェンス32を備えている。
維持回復機構(クリーニング装置)6は、画像形成ユニット5の各ヘッドモジュール51に対応して、4列分のクリーニング手段61A〜61Dが配置され、1つのクリーニング手段61はヘッドモジュール51の各ヘッドに対応するキャップ部材62及び図示しないがワイパ部材などで構成されている。なお、各クリーニング手段61のキャップ部材62は各列ごとに独立して上下動させることができる構成としている。さらに、クリーニング手段61の下方には、キャップ部材62でヘッドモジュール51のノズル面をキャッピングした状態でノズルからインクを吸引するための吸引ポンプ63A〜63Dが配置されている。
また、この画像形成装置においては、印刷終了後、液滴を吐出するヘッドモジュール51の各ヘッドのノズル面をクリーニング手段61でキャッピングした状態でノズルからインクを吸引する場合、あるいは、ヘッドモジュール51の各ヘッドのノズル面に付着したインクをワイピング部材で清掃する場合は、図1にも示すように、印刷停止後、搬送ユニット4全体が搬送従動ローラ41Bを支点に矢印B方向に回動し、画像形成ユニット5との間の空間を画像形成時よりも大きくすることで、画像形成ユニット5の移動スペースを確保するようにしている。このとき、クリーニング装置6上部に配置されている搬送ガイド部7も支点71にて矢印C方向上方に回動され、クリーニング装置6の上方が開放される。
そして、搬送ユニット4と搬送ガイド部7がそれぞれ解放(解除)された後に、画像形成ユニット5が用紙通紙方向(矢示A方向)に移動し、クリーニング装置6上方で停止され、クリーニング手段61が上昇して各ヘッドモジュール51のクリーニング動作(維持回復動作)に移行する。
次に、本発明の第1実施形態について図5及び図6をも参照して説明する。なお、図5は同実施形態の説明に供するヘッドユニット(ヘッドモジュール)の要部模式的平面説明図、図6は同じく要部模式的正面説明図である。
ヘッドモジュール51は、前述したように、複数のヘッド101がノズル配列方向と直交する方向の断面が略L字状であるベース部材102上に固定配置されている。ヘッド101の一端部には板状部である紫外線透過性の樹脂部材などからなるヘッド固定部材(アジャスタ、中間部材)111がネジなどで固定されている。なお、本発明において「ヘッドの一端部に形成された板状部」はこのような別部材の固定も含む意味である。
そして、ヘッド101の一端部側は接着接合でベース部材102に固定し、他端部はベース部材102に設けた副走査(用紙送り方向)基準ピン103に対して押圧バネ104で押圧して用紙送り方向に位置決めをし、高さ方向押圧バネ105でヘッド101をベース部材102に押圧して、ヘッド101を固定している。
ここで、ヘッド101の一端部の板状部であるヘッド固定部材111には、ベース部材102に接合する平面形状で略円形状の接合部112が設けられ、この接合部112の略重心位置にヘッド101の位置決め部113が設けられている。
この位置決め部113は、後述する位置調整部材が嵌め合わせられる凹部形状とし、この位置決め部113の周囲を押圧して接合部112とベース部材102とを接着剤121を介して接合する。つまり、接合時の押圧位置(加圧位置)の重心と接合部112(接着領域)の重心とが略同じになる。
この場合、ヘッド101のベース部材102との位置決め部113はノズル列配列方向の略中心線上設けられていることになる。
このように、ヘッド101に板状部(ヘッド固定部材111)を用いることで、接合のための押圧時(加圧時)にヘッド101の撓みや変形によるズレが防止され、加圧(押圧)位置の重心と接合部(接着領域)の重心が略同じになることで、接着剤121の硬化時のヘッド101の位置ずれや加重(押圧、押圧解除)による位置ずれを抑えることができる。
次に、本発明のヘッドユニットの製造方法を適用したヘッドユニット51の製造工程について図7ないし図11を参照して説明する。
先ず、図7は接着剤塗布工程を説明する説明図である。ここでは、ヘッド101の他端側をベース部材102の副走査(用紙送り方向)基準ピン103に対して押圧バネ104で押圧し、高さ方向押圧バネ105でヘッド101をベース部材102に押圧した状態に取り付け、ベース部材102のヘッド101の一端部のヘッド固定部材111を接合する部分に例えば光硬化性(紫外線硬化性)接着剤121を塗布する。
次いで、図8は押圧工程を説明する説明図である。この押圧工程及び次の位置決め工程では、ヘッド101の位置決め部113に嵌め合う段付きピン123の周囲に押圧手段(部材)としての圧縮バネ124を配設した位置調整部材122を、XYZ方向に移動する移動機構を含む位置調整機構を使用する。
そして、位置調整部材122を下降させて段付きピン123をヘッド101のヘッド固定部材111の位置決め部113に嵌め合わせ、圧縮バネ124により接合部112の重心位置の近傍を所定の圧力で押圧する。このとき、圧縮バネ124による加圧位置(押圧位置)の重心は接合部112の重心位置と略同じになる。
次いで、図9(b)に示すように、ヘッド101のノズル201を形成したノズル面202に設けた位置調整用のアライメントマーク203a、203bを使用して、アライメントマーク203、203を位置調整機構のカメラによって撮像しながら位置を計測して、図9(a)に示す位置調整部材122を移動させながら、ヘッド101をベース部材102に対して所定の位置に位置決めする。
この場合、ヘッド101の副走査方向(用紙送り方向:Y方向)の他端部は基準ピン103にて位置決めされているので、例えばヘッド101の一端部側のアライメントメーク203aの主走査方向(ノズル配列方向:X方向)位置を所定の位置に合わせ、他端部側のアライメントマーク203bのY方向位置と一致するように一端部側のアライメントメーク203aのY方向位置を合わせる。これにより、X方向位置と傾きθの位置調整を行うことができる。
次いで、図10は接着硬化によるヘッドの固定を説明する説明図である。ここでは、位置調整部材122の圧縮バネ124による押圧状態にてヘッド位置合わせを行って所定の位置に調整を完了した後、UVランプ127によってヘッド101の接合部112の接着剤121に紫外線照射を行って硬化させる。
その後、図11に示すように、位置調整部材122を上昇させてヘッド101の位置決め部113から段付きピン122を離間させるとともに、圧縮バネ123による押圧を解除する。
このとき、ヘッドのベース部材との接合部に対して位置決め部が接合部の略重心位置にあるので、接合時の位置調整力によるヘッド固定部材の内部応力による歪や変形を最小限に低減でき、位置調整、接合固定後に内部応力が開放され歪、変形の戻りによる位置ズレが低減し、ヘッド位置決め精度を高精度にして固定することができる。
このように、ヘッドの一端部に形成された板状部にベース部材へ接着接合する接合部が設けられ、ヘッドのベース部材に対する位置決め部が接合部の略重心位置に設けられている構成とすることで、接合時の位置調整力や接着剤の硬化収縮による内部応力や歪、変形が低減し、接合後に位置調整手段が離間して位置調整力や押圧力が取り除かれたときの内部応力開放や変形の戻りによるヘッドの位置ズレが低減し、ヘッドの位置決め精度が向上する。
また、ヘッドの位置決め調整を行う位置調整部材をヘッドの板状部の接合部の重心位置と略同じ位置に設けられた位置決め部に嵌め合わせ、位置調整部材の周囲に設けられた押圧手段でヘッドの板状部を押圧する工程と、位置調整部材でヘッドの位置決めを行う工程とを行うことで、接合時の位置調整力や接着剤の硬化収縮による内部応力や歪、変形が低減し、接合後に位置調整手段が離間して位置調整力や押圧力が取り除かれたときの内部応力開放や変形の戻りによるヘッドの位置ズレが低減し、ヘッドの位置決め精度が向上する。
つまり、位置調整機構の位置調整部材をヘッドの位置決め部に嵌合させ、位置決め部の周囲を圧縮バネなどの押圧部材で押圧することで、接合部を略均一に押圧することができて、接着硬化による収縮が均一に発生し、位置ズレが生じない。また、接合部品(ヘッド固定部材、アジャスタ)を樹脂で構成する場合、特に紫外線硬化性接着剤を用いる場合には、透明な樹脂、例えばポリカーボネイト、アクリルなどでヘッド固定部材を形成する必要があるが、このとき、接合部の略重心位置を押圧重心位置として押圧することで、部品の変形が殆ど生じないために、位置調整を行って接着剤を硬化して固定した後に押圧を解除しても、変形の戻りが生じないので、位置ズレを低減することができ、高精度の位置合わせ固定が可能となる。
また、ヘッドのベース部材との位置決め部をノズル列配列方向の略中心線上設けることで、副走査方向(用紙送り方向)に接合部が略均等に配置されることになり、接着による接合の場合、硬化による収縮が副走査方向に均等になり、副走査方向の位置ズレが低減でき、更に接合力も副走査方向に均等になり、副走査方向の固定強度を確保することができる。
また、ヘッドユニットの製造工程として、ヘッドの一端部の板状部に設けられた接合部、もしくは接合部と接合されるベース部材のどちらかに接着材を塗布する工程と、ヘッドの位置決め調整を行う位置調整部材をヘッドの板状部の接合部の重心位置と略同じ位置に設けられた位置決め部に嵌め合わせ、位置調整部材の周囲に設けられた押圧手段でヘッドの板状部を押圧する工程と、位置調整部材でヘッドの前記ベース部材への接合位置を調整して位置決めを行う工程と、接着剤を硬化する工程とを含む構成とすることで、接合時の位置調整力や接着剤の硬化収縮による内部応力や歪、変形が低減し、接合後に位置調整手段が離間して位置調整力や押圧力が取り除かれたときの内部応力開放や変形の戻りによるヘッドの位置ズレが低減し、ヘッドの位置決め精度が向上する。
次に、本発明の第2実施形態について図12を参照して説明する。なお、図12は同実施形態の説明に供するヘッドユニット(ヘッドモジュール)の要部模式的平面説明図である。
ここでは、ヘッド101のヘッド固定部材111に設けた接合部112を平面形状で略ドーナツ形状(環状)に形成している。
これにより、位置決め部113を貫通穴で構成しても、嵌め合わせる位置調整部材122(例えば前記の段付きピン123)に接着剤121が付着しないので、位置決め部113を簡単な形状で構成できる。また、接着接合を、UV樹脂接着剤を用いて行う場合は、嵌め合わせる位置調整部材122(例えば前記の段付きピン123)の下部に硬化領域が存在しないので、接合部全面に光を照射でき、安定した接着固定が可能となる。
効果がある。
次に、本発明の第3実施形態について図13を参照して説明する。なお、図13は同実施形態の説明に供するヘッドユニット(ヘッドモジュール)の要部模式的平面説明図である。
ここでは、ヘッド101のヘッド固定部材111の4箇所に接合部112を設け、これら4箇所の接合部112の略重心位置に位置決め部113を設けている。なお、この例では、4つの接合部112は平面形状で点対称又は線対称に配置している。
これにより、第2実施形態のようにドーナツ形状に接着剤121を塗布をする必要がなく、接着剤の塗布を簡単に行うことができる。
次に、本発明をヘッドユニット以外の構造体に適用した例について図14及び図15を参照して説明する。なお、図14は同実施形態を説明する説明図、図15は図14の底面図である。
この例は、光ファイバ401とレンズ410とを高精度に位置合わせして接合した光モジュー400に適用したものである。レンズ410を配列したレンズアレイ411のレンズ配列方向の両端部に、それぞれ光ファイバ401を保持したファイバホルダ402と接合する接合部412を2箇所ずつ設けるとともに、それぞれ2つの接合部412の略重心位置に位置決め部413を設けている。
これにより、光ファイバ401とレンズ410との位置ズレのない高精度な位置決め固定が可能となる。
また、これ以外にも高精度の位置決め固定を必要とする基板への発光素子、受光素子の固定やアームへの磁気ヘッドの固定などにも適用できる。
本発明に係る画像形成装置の一例の全体構成を説明する概略構成図である。 同装置の平面説明図である。 本発明に係るヘッドユニットの一例を示す平面説明図である。 図3の側面説明図である。 本発明の第1実施形態の説明に供するヘッドユニット(ヘッドモジュール)の要部模式的平面説明図である。 同じく要部模式的正面説明図である。 本発明に係るヘッドユニットの製造方法の説明に供する接着剤塗布工程を説明する説明図である。 同じく押圧工程を説明する説明図である。 同じく位置決め工程を説明する説明図である。 同じく接着剤硬化工程を説明する説明図である。 同じく接合完了後の工程を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態の説明に供するヘッドユニット(ヘッドモジュール)の要部模式的平面説明図である。 本発明の第3実施形態の説明に供するヘッドユニット(ヘッドモジュール)の要部模式的平面説明図である。 本発明を適用した構造体の説明に供する説明図である。 図14の底面図である。
符号の説明
1…装置本体
4…搬送ユニット(搬送部)
5…画像形成ユニット
6…クリーニング装置(維持回復機構)
51、51a〜51d…ヘッドユニット(ヘッドモジュール)
52…共通ベース部材
61a〜61d…クリーニング手段
101…ヘッド
102…ベース部材
111…ヘッド固定部材(中間部材、アジャスタ)
112…接合部
113…位置決め部
121…接着剤
122…位置調整部材
123…段付きピン
124…圧縮バネ

Claims (7)

  1. 液滴を吐出する複数のヘッドがベース部材上に配置されたヘッドユニットを備え、
    前記ヘッドの一端部に形成された板状部に前記ベース部材へ接着接合する接合部が設けられ、
    前記ヘッドの前記ベース部材に対する位置決め部が前記接合部の略重心位置に設けられている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記接合部の平面形状が環状であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記接合部が複数箇所設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記ヘッドの位置決め部はノズル配列方向の略中心線上に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記ヘッドと前記ベース部材とは光硬化型接着剤により接着されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 液滴を吐出する複数のヘッドがベース部材上に配置され、
    前記ヘッドの一端部に形成された板状部に前記ベース部材へ接着接合する接合部が設けられ、
    前記ヘッドの前記ベース部材に対する位置決め部が前記接合部の略重心位置に設けられている
    ことを特徴とするヘッドユニット。
  7. 液滴を吐出するヘッドの一端部の板状部に設けられた接合部、もしくは前記接合部と接合されるベース部材のどちらかに接着材を塗布する工程と、
    前記ヘッドの位置決め調整を行う位置調整部材を前記ヘッドの板状部の前記接合部の重心位置と略同じ位置に設けられた位置決め部に嵌め合わせ、
    前記位置調整部材の周囲に設けられた押圧手段で前記ヘッドの板状部を押圧する工程と、前記位置調整部材で前記ヘッドの前記ベース部材への接合位置を調整して位置決めを行う工程と、
    前記接着剤を硬化する工程と、を含む
    ことを特徴とするヘッドユニットの製造方法。
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