JP2010058359A - 液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の液体噴射ヘッドを組み付けてモジュール化する際の組み付け精度を向上させることが可能な液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】アライメントピン40をピン挿通穴51に挿通し、ピン保持プレート43と仲介プレート44を接合する第1の接合工程と、基準マーク52と第2アライメントマーク49とに基づいて仲介プレートに対しアライメントプレート42を位置決めした状態で接合してアライメント治具38とする第2の接合工程と、フランジ部32に位置決めプレート33を配置した状態で位置決め穴35にアライメントピンを挿通して位置決め部材とアライメント治具との位置決めを行う第1の位置決め工程と、基準ノズル開口と第1のアライメントマーク47との平面位置を合わせて単位ヘッドとアライメント治具との位置決めを行う第2の位置決め工程と、フランジ部に位置決めプレートを固定する位置決め部材固定工程とを経る。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、インクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドの製造方法に関し、特に、モジュール化する際の組み付け精度を向上させることが可能な液体噴射ヘッドの製造方法に関する。
例えば、液体噴射装置は、液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズル開口から液体状のインクを記録紙等の記録媒体(噴射対象物)に対して噴射・着弾させてドットを形成することで画像等の記録を行うインクジェット式プリンタ等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造装置等、各種の製造装置にも液体噴射装置が応用されている。
近年、液体噴射装置の一種であるインクジェット式記録装置(以下、プリンタ)には、ノズル開口を複数列設してなるノズル群を有する記録ヘッド(単位ヘッド)と記録媒体とが相対的に移動する第1の方向と直交する第2の方向に記録ヘッドを複数配列したヘッド群を有し、このヘッド群によって形成されるノズル群の全長が記録媒体の最大記録幅に対応したヘッドモジュールを、記録媒体に対して移動させることなくインクを噴射するように構成したものが提案されている。この構成によれば、記録ヘッドの主走査方向の移動が不要となり、例えば、記録媒体の副走査方向の搬送のみで画像等の記録を行うことができるので、シリアルヘッドを用いる構成と比較して記録時間を短縮化することができる。
このように、記録ヘッドをヘッドホルダなどの保持部材に複数並べてヘッドモジュールとする構成では、これらの記録ヘッドを高精度に位置決めした状態で保持部材に配置することが肝要となる。特に、各記録ヘッドのノズル開口の平面上の位置を高精度にアライメントした状態、即ち、ノズル開口が規定位置(設計上、望ましい位置)に配置された状態で各記録ヘッドを取り付ける必要があった。このため、従来においては、保持部材に対して様々なアライメント方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
上記特許文献1に提案されているアライメント方法は、ヘッド保持部材としてのキャリッジに位置決めの基準となる部分(基準面)を形成し、複数のインクジェットヘッドに共通なカバー部材をこの基準面に当接させることで、各インクジェットヘッドの位置決めを行うものである。
また、上記特許文献2に提案されているアライメント方法は、ヘッドユニット内における各インクジェットヘッドの基準位置に対する位置合わせを、インクジェットヘッドのノズル列方向についてのみ行い、他の方向は機械加工により精度出しを行うものである。即ち、ノズルの位置が所定の位置となるように基準面を加工(研削)することにより、ヘッド保持部材としての取り付け部材に対する配置位置を調整する。
特開平5−16339号公報 特開2003−57430号公報
しかしながら、通常、液体噴射ヘッドは多数の部品を組み付けて構成されているため、各部品の公差が累積することにより、全体的な部品公差が大きくなる傾向にある。このため、特許文献1に開示されている構成のように、カバー部材に何らの対策を施さないで各インクジェットヘッドを取り付け、これをキャリッジに対して位置決めしても、各インクジェットヘッド間でノズルの相対位置がずれてしまう虞がある。
また、上記特許文献2のように機械加工によって位置精度を出すためには、削り込み精度を追い込むために、加工した後、規定位置に配置されたか否かの測定をし、規定位置に配置されていなければ再度加工を施す、といった手順を踏む必要があり、また、削りカスを除去するために洗浄を行わなければならず、時間や手間が掛るという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の液体噴射ヘッドを組み付けてモジュール化する際の組み付け精度を向上させることが可能な液体噴射ヘッドの製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、先端面に液体を噴射するノズル開口が形成されたヘッド本体部と、該ヘッド本体部よりも基端面側に形成された保持部とを有する液体噴射ヘッドの前記保持部に、ヘッドホルダに対する配置位置を規定する位置決め穴が形成された位置決め部材を取り付ける液体噴射ヘッドの製造方法であって、
アライメントピンをプレート両面に対して垂直な状態で保持するピン保持穴を有する第1プレートと、
前記第1プレートに保持されたアライメントピンが挿通されるピン挿通穴、及び、当該ピン挿通穴を基準として位置が定められた基準マークを有する第2プレートと、
前記液体噴射ヘッドとの相対位置を規定するための第1アライメントマーク、及び、前記第2プレートとの相対位置を規定する第2アライメントマークを有する第3プレートと、を用い、
前記第1プレートに保持されたアライメントピンをピン挿通穴に挿通し、前記第1プレートと前記第2プレートとを積層状態で接合する第1の接合工程と、
前記基準マークと前記第2アライメントマークとに基づいて前記第2プレートに対し前記第3プレートを位置決めした状態で接合してアライメント治具とする第2の接合工程と、
前記保持部に前記位置決め部材を配置した状態で、前記位置決め穴に前記アライメント治具のアライメントピンを挿通して位置決め部材とアライメント治具との位置決めを行う第1の位置決め工程と、
位置決め部材とアライメント治具とが位置決めされた状態で、前記ノズル形成面に設けられたノズル基準部と前記第1のアライメントマークとの平面位置を合わせることにより、前液体噴射ヘッドと前記アライメント治具との位置決めを行う第2の位置決め工程と、
前記保持部に前記位置決め部材を固定する位置決め部材固定工程と、
位置決め部材が固定された液体噴射ヘッドから前記アライメント治具を取り外す取り外し工程と、
を経て製造することを特徴とする。
上記構成によれば、ピン保持穴及び第1の挿通窓を有する第1プレートと、ピン挿通穴、基準マーク、及び第2の挿通窓が形成された第2プレートと、第1アライメントマーク、及び第2アライメントマークが形成された第3プレートとでアライメント治具を構成し、当該アライメント治具を利用して液体噴射ヘッドの保持部に位置決め部材を取り付けるので、位置決め穴を液体噴射ヘッドに対して高い精度で配置することができる。そして、この位置決め穴を利用してヘッドホルダに対して液体噴射ヘッドを位置決めすることにより、ヘッドホルダにおいて各液体噴射ヘッドのノズル開口が本来望ましい位置に配置される。その結果、噴射対象物に対する液体の着弾位置ずれを抑制することが可能となる。
また、アライメント治具は、再利用することができるため、汎用性が高く、位置決め作業効率を向上させることが可能となる。
上記構成において、前記位置決め部材と前記保持部との間に接着剤を塗布して仮留めし、
前記第2の位置決め工程において、前記液体噴射ヘッドを前記アライメント治具側に付勢した状態で位置決めを行い、前記位置決め部材を前記保持部に本固定した後に前記付勢を解放する構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、位置決め部材と保持部との間に接着剤を塗布して仮留めし、第2の位置決め工程において、液体噴射ヘッドをアライメント治具側に付勢した状態で位置決めを行い、位置決め部材を保持部に本固定した後に付勢を解放するので、位置決め後の位置決め部材の位置ずれを抑制することができる。
上記構成において、前記第1プレートとして、前記ピン保持穴のプレート両面に対する垂直度、プレート両面の平行度及び平面度が所定の精度に確保し易いセラミックス板を用いる構成を採用することが望ましい。
また、前記第1プレートとして単結晶基板を用い、前記ピン挿通穴、前記基準マーク、及び、前記第2の挿通窓を、エッチング加工によって形成する構成を採用することが望ましい。
さらに、前記第3プレートとして透視性を有する板材を用い、前記第1アライメントマーク、及び、前記第2アライメントマークを、フォトリソグラフィを利用して形成する構成を採用することが望ましい。
また、前記第3プレートは、透視性を有する板材を用い、前記第1アライメントマーク、及び、前記第2アライメントマークが、フォトマスクの開口である構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。なお、本実施形態では、液体噴射装置の一形態である画像記録装置、詳しくは、ノズル開口群を等間隔で噴射対象物(又は記録媒体)となる記録紙の最大記録幅に相当する長さに配置した長尺な液体噴射ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を搭載したインクジェット式プリンタ(以下、プリンタという)を例に挙げて説明する。
図1は本発明に係るプリンタ1の概略構成を説明する断面図、図2はプリンタ1におけるヘッドモジュール3の周囲の平面図である。本実施形態のプリンタ1は、搬送ユニット7による記録紙4の搬送方向(相対送り方向。以下、第2方向Y)に直交する方向(以下、第1方向X)に複数の単位ヘッド11(本発明の液体噴射ヘッドの一種)を配列して構成されるヘッドモジュール3(本発明の液体噴射ヘッドモジュールの一種)と、記録紙4(噴射対象物の一種)を積層状態で収納する給紙トレイ5a及び装置下部に設けられた下段給紙カセット5bからなる給紙部5と、これらの給紙部5a,5bから給紙された記録紙4をヘッドモジュール3の下方を通過させて排紙トレイ10側に搬送する搬送ユニット7と、ヘッドモジュール3によって記録が行われ、搬送ユニット7側から排出された記録紙4を保持する排紙トレイ10とを備え、ヘッドモジュール3を第1方向Xに走査することなく記録紙4の記録領域の全幅にテキストや画像等を記録できるように構成されている。
また、図示しないが、筐体2の内部にはインクを貯留したインクカートリッジ(液体供給源の一種)が配置される。そして、エアポンプ等によるインクカートリッジ内の加圧によって、カートリッジ内に貯留されているインクがインク供給チューブを通じてヘッドモジュール3の各単位ヘッド11に供給(圧送)されるように構成されている。なお、記録紙4に対してヘッドモジュール3を第1方向Xに走査しながら記録を行う構成を採用することもできる。
上記給紙トレイ5aは、上下方向に移動可能に構成されており、記録紙束の上面(最上部の記録紙4の上面)が常にピックアップローラ6と一定圧で当接するように筐体2に対する上下方向の位置が制御されている。そして、ヘッドモジュール3による記録動作の実行タイミングに応じて、記録紙束の最上部から記録紙4がピックアップローラ6により引き出され、分離ローラ12と分離パッド13とにより一枚毎に分離されて下流側へ給送されるようになっている。記録紙4は、図示しない紙センサ間を通った後、上下一対のレジストローラ14a,14bのニップ部に突き当たる。なお、下段給紙カセット5bからの記録紙4は、複数の中間ローラ15を経由してからレジストローラ14a,14bのニップ部に到達する。これにより、記録紙4の先端姿勢が揃い、記録紙4のスキューが補正される。その後、レジストローラ14a,14bは、規定のタイミングで記録紙4を互いにニップした状態で1枚ずつ搬送ユニット7側へと給送し、記録紙4が搬送ユニット7の搬送ベルト17に到達してから所定のタイミングでニップ状態を解放する。
搬送ユニット7は、図示しない駆動モータの駆動力によって回転される駆動ローラ18と、駆動ローラ18よりも上流側に配設された従動ローラ19と、駆動ローラ18及び従動ローラ19の間に張設される無端状の搬送ベルト17と、搬送ベルト17に張力を付与するテンションローラ20と、押えローラ21とにより構成されている。テンションローラ20は、駆動ローラ18と、従動ローラ19との間に配設されて搬送ベルト17に内側から当接し、ばね等の付勢部材の付勢力により搬送ベルト17に張力を付与している。また、押えローラ21は、搬送ベルト17を挟んで従動ローラ19の直上に配設され、搬送ベルト上の記録紙4を搬送ベルト17側に押し付けて、記録紙4の搬送ベルト17に対する密着性を高める。
駆動ローラ18は、ヘッドモジュール3の記録動作に同期して駆動されることで搬送ベルト17を回転させ、記録紙4をヘッドモジュール3の下方を通過させて下流側へと搬送するように構成されている。また、搬送ベルト17の回転量は、エンコーダによって検出されるようになっている。そして、このエンコーダの検出信号は、エンコーダパルスとしてプリンタコントローラ9に出力される。
記録紙4に対し一方の面のみに記録を行う場合は、一方の面の記録が終了した後、搬送ユニット7から排紙トレイ10へと排紙される。一方、記録紙4の両面に記録を行う場合は、一方の面の記録が終了した後、搬送ユニット7の下流に配設されたフラッパ22により、用紙反転経路R2へ搬送される。記録紙4が用紙反転経路のUターン部Tまで到達した後、搬送方向を転換させ、記録紙4は再度レジストローラ14a,14b、搬送ベルト17へと順次送られて他方の面の記録が終了した後、搬送ユニット7から排紙トレイ10へと排紙される。
図2は、ヘッドモジュール3を単位ヘッド11のノズル形成面26側から観た平面図である。本実施形態におけるヘッドモジュール3は、第1方向Xに長尺な矩形のヘッドホルダ24(ヘッド保持部材)に複数の単位ヘッド11を配設して構成されている。なお、このヘッドホルダ24の各ヘッド配置領域には、単位ヘッド11に取り付けられた位置決めプレート33の位置決め穴35(後述)に対応して、図示しないヘッド受け部が設けられている。このヘッド受け部は、単位ヘッド11の位置決めプレート33と連結するための位置決めピン(図示せず)が挿通されるピン受け穴から構成されている。即ち、位置決めピンを位置決め穴35とピン受け穴に挿通することによってヘッドホルダ24に対して単位ヘッド11の配置位置が規定されるようになっている。
図3は、単位ヘッド11の構成を説明する図であり、(a)は単位ヘッド11をノズル形成面26側(ケース先端面側)から観た平面図、(b)は内部構造を省略した単位ヘッド11の断面図である。単位ヘッド11は、ノズル開口30に連通する圧力発生室を含むインク流路を形成する流路ユニット39や、圧力発生室内のインクに圧力変動を生じさせる圧電振動子或いは発熱素子などの圧力発生手段(図示せず)をヘッドケース31に備えており、プリンタコントローラ9側からの駆動信号を圧力発生手段に印加して圧力発生手段を駆動することにより、ノズル開口30からインク(本発明における液体の一種)を噴射して記録紙4に着弾させる記録動作を行うように構成されている。
ヘッドケース31は、中空箱体状部材であり、その先端面にはノズル形成面26が設けられ、ケース内部に形成された収容空部内には圧力発生手段などが収容されている。また、ケース31の基端側には、側方に向けて延びるフランジ部32(32a,32b:本発明における保持部の一種)がノズル列方向、即ち、第1方向Xの両側にそれぞれ形成されている。このフランジ部32には、ヘッドホルダ24に対する単位ヘッド11の配置位置を規定するために用いられる位置決めプレート33(位置決め部材の一種)が、その中央部に開設された挿通開口部34にヘッドケース31の本体31′(フランジ部32よりも先端面側の部分)を挿通した状態で配設されている。
上記位置決めプレート33は、例えば、表面が結晶方位面(110)面に設定されたシリコン単結晶基板である。そして、この位置決めプレート33は、(110)面に直交する第1(111)面(第1結晶方位面)が第1方向Xに平行となる状態でフランジ部32に取り付けられている。本実施形態における位置決めプレート33の大きさに関し、第1方向Xの寸法は、ケース本体31′の第1方向Xの寸法よりも長く且つフランジ部32の第1方向Xの全長よりも短く設定され、第2方向Yの寸法は、ケース本体31′の第2方向Yの寸法より少し長く設定されている。上記の挿通開口部34の寸法に関し、第1方向X及び第2方向Yの両方でケース本体31′の平面形状よりも少し大きく設定され、ケース本体との間に僅かに隙間が形成されるようになっている。
また、位置決めプレート33には、挿通開口部34を挟んで第1方向Xの両側に位置決め穴35a,35bが開設されている。これらの位置決め穴35a,35bは、ヘッドホルダ24に対する位置決めをするための位置決めピンが挿通される穴である。一方(図3の左側)の位置決め穴35aは、第1(111)面と、この第1(111)面に70.53°で交差すると共に(110)面に直交する第2(111)面(第2結晶方位面)とにより、4辺の長さが等しい菱形状に構成されている。位置決め穴35aの寸法に関し、向かい合う辺同士の距離が位置決めピンの直径と同程度となるように定められている。即ち、この位置決め穴35aは、位置決めピンがガタツキなく挿入されるように構成されている。
これに対し、他方の位置決め穴35bは、第1(111)面を長辺とすると共に第2(111)面を短辺とする平行四辺形状の長穴に構成されている。この位置決め穴35bの短辺の寸法は、位置決め穴35aの各辺の寸法に揃えられている。一方、向かい合う短辺同士の距離は、短辺の寸法よりも十分に長くなっている。即ち、位置決め穴35bは、第1(111)面方向(第1方向X、又は、位置決め穴35aとの並び方向)に長尺な長穴となっている。したがって、この位置決め穴35bに位置決めピンを挿通した状態では、この位置決めピンと位置決め穴35bの内周面との間に、位置決め穴35bの長尺方向の内寸に応じた間隙が形成される。このため、この間隙の範囲内で位置決めピンの第1(111)面方向における配置位置の自由度が確保される。これにより、単位ヘッド11の位置決め穴35a,35bの間隔とヘッドホルダ24のピン受け穴の間隔との間の寸法誤差に対応することができるようになっている。
このように、位置決めプレート33としてシリコン等の単結晶プレートを用い、この単結晶プレートに対し異方性エッチング等によって各位置決め穴35a,35bを形成することで、各穴の寸法精度、位置精度をより高く確保することができる。このため、ヘッドホルダ24に対する単位ヘッド11の配置位置精度の向上に寄与することが可能となる。
ヘッドケース31における位置決め穴35a,35bにそれぞれ対応する位置には、位置決めピンが挿通される貫通穴36a,36bがフランジ部32の厚さ方向を貫通した状態で形成されている。この貫通穴36a,36bの内径は、位置決めピンの直径よりも十分に大きく設定されている。そして、貫通穴36a,36bにそれぞれ挿入された位置決めピンの一端部を、位置決めプレート33の対応する位置決め穴35a,35bに嵌合し、当該位置決めピンの他端部をヘッドホルダ24のヘッド受け部のピン受け穴に嵌合することで、位置決め穴35とピン受け穴の平面上の位置が合わせられる。これにより、ヘッドホルダ24に対する単位ヘッド11の配置位置が規定される。したがって、位置決めプレート33は、ヘッドホルダ24における各単位ヘッド11の配置位置精度、ひいては各単位ヘッド11のノズル開口30の位置精度に拘る重要な部品である。このため、単位ヘッド11のノズル開口30を基準として位置決め穴35を高い精度でアライメントした状態で位置決めプレート33を単位ヘッド11に取り付けることが肝要となる。この位置決めプレート33のアライメントの詳細については後述する。
各単位ヘッド11のノズル形成面26には、インクを噴射するノズル開口30を第1方向Xに沿って複数列設してノズル列27(ノズル群の一種)を構成し、このノズル列27を第2方向Yに複数並設している。1つのノズル列27は、例えば360dpiのピッチで開設された360個のノズル開口から成る。そして、各単位ヘッド11には合計2列のノズル列27が第2方向Yに並べて形成されている。上述のように本実施形態における単位ヘッド11のノズル形成面26は、平面視において第1方向Xに長尺な形状となっている。そして、ヘッドホルダ24に取り付けられた状態において、平面視におけるノズル形成面26の長辺(若しくはノズル列)が第1方向Xに平行となるように構成されている。
図2に示すように、本実施形態においては、1つのヘッドホルダ24に対して合計6つの単位ヘッド11を2段の千鳥状に取り付けて1つのヘッドモジュール3が構成されている。このヘッドモジュール3は、第1方向Xで見て全体としてノズル開口が360dpiで並ぶような配置間隔で単位ヘッド11が互い違いに千鳥状に並ぶような配置レイアウトとなっている。なお、1つのヘッドモジュール3における単位ヘッド11の個数は、プリンタ1が対応可能な記録紙4の最大サイズに応じて決定される。
図4は、アライメント治具38を用いて単位ヘッド11に位置決め穴35(位置決めプレート33)をアライメントするための装置構成を説明する図であり、(a)は装置の平面図、(b)は装置の断面図である。アライメント工程では、定盤等の基台39と、この基台39の上に積層された載置台37との間に、ノズル形成面26を上方に向けた姿勢で単位ヘッド11をセットし、載置台37上にはアライメント治具38をセットした状態で行われる。載置台37は、アライメント治具38が載置される天板37aと、この天板37aの周縁部から下方(載置台37側)に延出する脚部37bとから構成された部材である。また、載置台37の脚部37bには開口部45が開設されており、この開口部45を通じてヘッドクランプ50が載置台37の内部に挿入されて、単位ヘッド11を保持する。載置台37の天板37aには、ヘッドケース31の本体31′が挿通される貫通口41と、アライメント治具38に保持されたアライメントピン40a,40bが挿通されるピン挿通口46a,46bが開設されている。
上記アライメント治具38は、ノズル開口30の位置を規定するためのアライメントプレート42(本発明における第3プレートの一種)と、アライメントピン40(40a,40b)を保持するピン保持プレート43(本発明における第1プレートの一種)と、ピン保持プレート43に保持されたアライメントピン40をアライメントプレート42に対し高い精度で位置づける仲介プレート44(本発明における第2プレートの一種)とを積層して構成された複合部材である。このアライメント治具38の役割は、ノズル開口30を基準として単位ヘッド11に対して位置決めプレート33(位置決め穴35)を可及的に高い精度で位置づけることにある。
図5は、アライメントプレート42の構成を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は側面図を示している。このアライメントプレート42は、線膨張係数が可及的に小さいガラスなどの板材から構成されており、単位ヘッド11のノズル開口30(詳しくは、後述する基準ノズル開口30a,30b)を基準としてアライメント治具38を単位ヘッド11に対して高い精度で位置付ける機能を果たす。このアライメントプレート42には、単位ヘッド11との相対位置を規定するための第1アライメントマーク47(ヘッド用基準部)と、アライメントピン40が挿通されるピン逃げ穴48と、仲介プレート44との相対的な位置を規定する第2アライメントマーク49(プレート用基準部)とが設けられている。これらのマーク47,49は、フォトリソグラフィを利用して形成されている。即ち、アライメントプレート42の表面に形成されたレジスト層を露光してマーク等のパターンを形成し、これを現像することによってマーク47,49が高い位置精度で形成されている。なお、現像の後、レジスト層を除去せずにそのままフォトマスクとして用いても良いし、スパッタリング又はエッチング等によってアライメントプレート42にアライメントマーク47,49の開口形状を形成した後、レジスト層を除去してから用いても良い。
本実施形態における第1アライメントマーク47は、ノズル開口30の直径よりも少し大きい円形の開口部である。本実施形態における第1アライメントマーク47は、単位ヘッド11に設けられている複数のノズル列27のうちの何れかのノズル列27の両端に位置するノズル開口30a,30b(本発明におけるノズル基準部の一種)に対応してアライメントプレート42に合計2つ設けられている。即ち、ノズル列27の一方の端部に位置するノズル開口30aに対応する第1アライメントマーク47aと、ノズル列27の他方の端部に位置するノズル開口30bに対応する第1アライメントマーク47bとがアライメントプレート42に形成されている。以下、アライメントで基準となるノズル開口30a,30bを基準ノズル開口という。この基準ノズル開口としては、ノズル列27の両端部に位置するノズル開口30a,30bに限らず、任意の複数のノズル開口30を選ぶことができる。
なお、ノズル形成面26においてノズル開口30とは異なる位置にノズル基準マーク(ノズル基準部の一種)を別途形成し、アライメントプレート42には、このノズル基準マークに対応する位置に第1アライメントマーク47を形成する構成を採用することもできる。要は、単位ヘッド11に対してアライメント治具38を高精度で位置決めできるような構成であればよい。
ピン逃げ穴48は、アライメントピン40の直径よりも十分に大きい直径に設定された円形の貫通穴であり、ピン保持プレート43に保持される2つのアライメントピン40a,40bにそれぞれ対応してアライメントプレート42に合計2つ(48a,48b)設けられている。このピン逃げ穴48には、各プレート42〜44を積層した際に、ピン保持プレート43に保持されたアライメントピン40が挿通される。
第2アライメントマーク49は、仲介プレート44の基準マーク52に対応する位置に設けられた円形の開口であり、アライメントプレート42に合計2つ形成されている。即ち、仲介プレート44の一側基準マーク52aに対応する一側第2アライメントマーク49aと、仲介プレート44の他側基準マーク52bに対応する他側第2アライメントマーク49bがアライメントプレート42上に設けられている。そして、各プレート42〜44を積層する際に、第2アライメントマーク49a,49bをそれぞれ仲介プレート44の基準マーク52a,52bに平面上で合わせることで、アライメントプレート42が仲介プレート44及びピン保持プレート43に対して設計上の配置位置に精度良く位置付けられるように構成されている。この位置決め状態における第1アライメントマーク47a,47bとアライメントピン40a,40bとの相対位置関係は、単位ヘッド11における基準ノズル開口30a,30bと位置決めプレート33の位置決め穴35a,35bとの相対位置関係に対応している。
なお、マスク開口48,49の寸法や形状は例示したものには限られず、アライメントに支障がなければ任意の寸法・形状(例えば、十文字状など)を採用することができる。
図6は、仲介プレート44の構成を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は側面図を示している。この仲介プレート44は、例えば、上記仲介プレート44と同様に、表面が結晶方位面(110)面に設定されたシリコン単結晶基板である。この仲介プレート44には、ピン挿通穴51a,51b、基準マーク52a,52b、及び、第2挿通窓53が、本実施形態においては異方性エッチング加工によって形成されている。第2挿通窓53は、ヘッドケース31の本体31′(ヘッド本体部)が挿通される貫通穴であり、第1(111)面を長辺とすると共に第2(111)面を短辺とする平行四辺形状の長穴に構成されている。この第2挿通窓53の寸法に関し、第1方向X及び第2方向Yの両方でケース本体31′の平面形状よりも少し大きく設定され、ケース本体31′との間に隙間が形成されるようになっている。
ピン挿通穴51a,51bは、第2挿通窓53を挟んで第1(111)面方向の両側に開設されている。これらのピン挿通穴51a,51bは、ピン保持プレート43に保持される2つのアライメントピン40a,40bにそれぞれ対応して設けられている。このピン挿通穴51には、各プレート42〜44を積層した際に、ピン保持プレート43に保持されたアライメントピン40が挿通される。これらのピン挿通穴51のうち、一方(図6の左側)のピン挿通穴51aは、第1(111)面と第2(111)面とにより、4辺の長さが等しい平行四辺形(即ち、菱形)状に構成されている。ピン挿通穴51aの寸法は、位置決めプレート33の位置決め穴35aの寸法に揃えられている。即ち、向かい合う辺同士の距離が位置決めピン若しくはアライメントピン40の直径と同程度となるように定められている。これにより、ピン挿通穴51aは、アライメントピン40がガタツキなく挿入されるように構成されている。
また、他方のピン挿通穴51bは、第1(111)面を長辺とすると共に第2(111)面を短辺とする平行四辺形状の長穴に構成されている。このピン挿通穴51bの寸法は、位置決めプレート33の位置決め穴35aの寸法に揃えられている。即ち、ピン挿通穴51bは、第1(111)面方向(ピン挿通穴51aとの並び方向)に長尺な長穴となっている。したがって、このピン挿通穴51bにアライメントピン40を挿通した状態では、このアライメントピン40とピン挿通穴51bの内周面との間に、ピン挿通穴51bの長尺方向の内寸に応じた間隙が形成される。これにより、ピン挿通穴51a,51bの間隔とピン保持プレート43に保持される2つのアライメントピン40a,40bの間隔との間の寸法誤差に対応することができる。
基準マーク52a,52bは、アライメントプレート42の第2アライメントマーク49a,49bに対応する位置に開設されている。これらの基準マーク52a,52bは、第1(111)面と第2(111)面とにより、4辺の長さが等しい菱形状に構成されており、その寸法は、ピン挿通穴51a,51bの寸法よりも小さく設定されている。
本実施形態においては、図10(c)に示すように、各基準マーク52a,52bの4つの頂点のうちの1つの頂点V(図において右下の頂点)の位置を、それぞれアライメントプレート42の第2アライメントマーク49a,49bの中心Cに平面上で合わせることにより、アライメントプレート42に対して仲介プレート44を精度良く位置決めすることができるようになっている。
このように、仲介プレート44としてシリコン等の単結晶プレートを用い、この単結晶プレートに対しエッチング処理によってピン挿通穴51a,51b、基準マーク52a,52bを形成することで、各穴の寸法精度、位置精度をより高く確保することができる。このため、ヘッドホルダ24に対する単位ヘッド11の位置精度の向上に寄与することが可能となる。
図7は、ピン保持プレート43の構成を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は側面図を示している。このピン保持プレート43は、セラミックスにより作製された板材であり、その厚さは仲介プレート44やアライメントプレート42の板厚よりも十分に厚くなっている。より詳しくは、2つのアライメントピン40a,40bをそれぞれプレートの表面及び裏面の両面に対する垂直度を高精度に維持した状態で保持するのに十分な厚さが確保されている。アライメントピン40は、上記位置決めピンと同じ太さのピンであり、その全長は、ピン保持プレート43と仲介プレート44とを積層した厚さよりも十分に長く設定されている。このピン保持プレート43の両面には研磨処理が施され、表裏面の平行度及び平面度が高い精度に確保されている。このピン保持プレート43には、2つのアライメントピン40a,40bを保持するピン保持穴55a,55bと、第1層通窓56とが開設されている。第1挿通窓56は、ヘッドケース31の本体31′が挿通される矩形状の貫通穴であり、その寸法は、縦横の両方でケース本体31′の平面形状よりも少し大きく設定され、ケース本体との間に隙間が形成されるようになっている。また、ピン保持穴55a,55bは、アライメントピン40の直径と同程度に設定された貫通穴である。このピン保持穴55a,55bに関し、直径等の寸法や、プレート表裏面に対する垂直度が可及的に高い精度に加工することが望ましい。また、ピン保持プレート43としては、ピン保持穴55a,55bの寸法、垂直度や、プレート両面の平行度及び平面度が高い精度に確保できるものであれば、他の素材を用いることも出来る。
次に、上記構成のアライメント治具38の組み立て工程について説明する。
まず、ピン保持プレート43のピン保持穴55a,55bに、それぞれアライメントピン40a,40bを嵌入し、プレート両面に対して垂直に貫く状態で保持させる。この保持状態では、アライメントピン40の両端部をピン保持プレート43の両面からそれぞれ突出させる。続いて、図8に示すように、ピン保持プレート43に保持された各アライメントピン40a,40bを、それぞれ仲介プレート44のピン挿通穴51a,51bに挿通し、ピン保持プレート43と仲介プレート44を積層状態で接着剤等によって接合する(第1の接合工程)。これにより、両プレートが高い精度で位置決めされた状態で一体化される。この位置決め状態では、ピン保持プレート43の第1挿通窓56と仲介プレート44の第2挿通窓53とが一連に連通する。
ピン保持プレート43と仲介プレート44とを接合したならば、図9に示すように、仲介プレート44の上にアライメントプレート42を積層状態で接合してアライメント治具38とする(第2の接合工程)。この第2の接合工程では、ピン保持プレート43と仲介プレート44の位置を固定し、仲介プレート44とアライメントプレート42との間に接着剤を塗布して積層して仮接着し、図10(a),(b)に示すように、クランプ58によってアライメントプレート42の表面の4箇所でプレート積層方向に均等に押さえつけた状態で調整爪59によってアライメントプレート42を仲介プレート44上で移動させることにより、仲介プレート44及びピン保持プレート43に対するアライメントプレート42の相対位置を調整する。より具体的には、図10(c)に示すように、各基準マーク52a,52bの頂点Vの位置を、それぞれ第2アライメントマーク49a,49bの中心Cに平面上で合わせることにより、仲介プレート44及びピン保持プレート43に対してアライメントプレート42を位置決めする。この位置決め状態で接着剤を硬化させる、即ち、本固定することにより、第1アライメントマーク47a,47bと、アライメントピン40a,40bとの相対位置が高い精度で規定されたアライメント治具38を形成することができる。この第1アライメントマーク47a,47bと、アライメントピン40a,40bとの相対位置関係は、基準ノズル開口30a,30bと、位置決めプレート33の位置決め穴35a,35bとの設計上の相対位置関係に対応している。なお、この第2の接合工程では、アライメントプレート42の位置を固定した状態で、仲介プレート44及びピン保持プレート43をアライメントプレート42に対して相対的に移動させる構成を採用してもよい。
このようにして作製されたアライメント治具38を利用し、アライメント工程が行われる。このアライメント工程では、まず、ピン保持プレート42を下側にアライメントプレート42を上側にした姿勢で載置台37の天板37aの上にアライメント治具38をセットする。この際、アライメントピン40a,40bをそれぞれピン挿通口46a,46bに挿通することで、天板37aに対してアライメント治具38が位置決めされた状態で配置される。単位ヘッド11は、位置決めプレート33をフランジ部32に接着剤等で仮留した状態で載置台37の天板37aと基台39の載置面との間に配置される。そして、図4(b)において矢印で示すように、単位ヘッド11は、バネ等の付勢部材によって天板37a側に付勢される。この際、アライメント治具38に設けられたアライメントピン40a,40bを位置決め穴35a,35bに挿通することにより、アライメント治具38に対して位置決めプレート33が位置決めされる(第1の位置決め工程)。
続いて、アライメント治具38に対して位置決めプレート33が位置決めされ、位置決めプレート33を天板37aに押し付けた状態で、アライメント治具38に対する単位ヘッド11のアライメント調整が行われる(第2の位置決め工程)。このアライメント調整では、ノズル形成面26に対してアライメントプレート42を挟んで対向配置されたカメラなどの撮像手段を通じて観察しながら、ヘッドクランプ50によって単位ヘッド11を基台39の載置面上でX方向又はY方向に移動させつつ、第1アライメントマーク47a,47bの中心と、これに対応する基準ノズル開口30a,30bの中心の平面上の位置をそれぞれ合わせる。この際、位置決めプレート33はフランジ部32に仮接着された状態、即ち、接着剤が完全に硬化していない状態であるため、単位ヘッド11の移動に伴って位置決めプレート33に対してフランジ部32が摺動する。
このように、アライメント治具38に対して単位ヘッド11をアライメント調整することにより、単位ヘッド11に対する位置決めプレート33の配置位置を高い精度で定めることができる。即ち、単位ヘッド11の基準ノズル開口30a,30bに対して位置決め穴35a,35bの相対位置が高い精度で規定される。そして、この状態で、位置決めプレート33をヘッドケース31のフランジ部32に本固定する(位置決め部材固定工程)。この固定方法としては、接着やネジ留め等、種々の固定方法を採用することができる。位置決めプレート33をヘッドケース31のフランジ部32に固定したならば、単位ヘッド11からアライメント治具38を取り外す(取り外し工程)。即ち、載置台37の天板37aからアライメント治具38を取り外す。また、単位ヘッド11は、天板37a側への付勢が解放され、位置決めプレート33をフランジ部32に固定した状態で、載置台37から取り外される。このように、本実施形態においては、位置決め部材33とフランジ部32との間に接着剤を塗布して仮留めし、単位ヘッド11をアライメント治具38に対して位置決めして、位置決めプレート33をフランジ部32に本固定した後に付勢を解放するので、位置決め後の位置決めプレート33の位置ずれを抑制することができる。
以上のように、単位ヘッド11に対し、ノズル開口30(基準ノズル開口30a,30b)を基準として位置決め穴35a,35bの相対位置が高精度で定められた位置決めプレート33を配設し、位置決めピンの一端部を各位置決めプレート33の位置決め穴35a,35bに嵌合し、各位置決めピンの他端部をヘッドホルダ24のヘッド受け部のピン受け穴に嵌合することで、各位置決め穴35a,35bとこれに対応するピン受け穴との平面上の位置が合わせられる。これにより、ヘッドホルダ24に対する単位ヘッド11の配置位置が高い精度で規定される。これにより、ヘッドホルダ24において各単位ヘッド11のノズル開口30が本来望ましい位置に配置される。その結果、記録紙4等の噴射対象物に対するインクの着弾位置ずれを抑制することができ、記録画像の画質の低下を防止することが可能となる。
また、アライメント治具38は、位置決め作業に繰り返し利用することができるため、汎用性が高く、位置決め作業効率を向上させることが可能となる。
さらに、ヘッドモジュール3における一部の単位ヘッド11に不具合が生じた場合に、当該単位ヘッド11を交換する際、別途アライメント工程を行わなくても、位置決めプレート33の位置決め穴35a,35bを利用して位置決めした状態で新しい単位ヘッド11をヘッドホルダ24に取り付けるだけで当該単位ヘッド11がヘッドホルダ24に対して高精度で位置決めされる。即ち、複数の単位ヘッド11から構成されるヘッドモジュールにおいて単位ヘッド単体の交換に対応することができ、交換コストを削減することが可能となる。
本発明は、複数の液体噴射ヘッドから成るヘッドモジュールを備えたものであれば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の他の液体噴射ヘッド、及び、これを備える液体噴射装置にも適用することができる。
プリンタの構成を説明する断面図である。 ヘッドモジュールの構成を示す図である。 単位ヘッドの構成を説明する図である。 アライメント装置の構成を説明する図である。 アライメントプレートの構成を説明する図である。 仲介プレートの構成を説明する図である。 ピン保持プレートの構成を説明する図である。 ピン保持プレートと仲介プレートを接合した状態の構成を説明する図である。 アライメント治具の構成を説明する図である。 ピン保持プレートと仲介プレートに対してアライメントプレートを位置決めする構成を説明する図である。
符号の説明
1…プリンタ,3…ヘッドモジュール,4…記録紙,11…単位ヘッド,24…ヘッドホルダ,26…ノズル形成面,30…ノズル開口,31…ヘッドケース,33…位置決めプレート,35…位置決め穴,38…アライメント治具,40…アライメントピン,42…アライメントプレート,43…ピン保持プレート,44…仲介プレート,47…第1アライメントマーク,49…第2アライメントマーク,51…ピン挿通穴,52…基準マーク,53…第2挿通窓,55…ピン保持穴,56…第1挿通窓

Claims (6)

  1. 先端面に液体を噴射するノズル開口が形成されたヘッド本体部と、該ヘッド本体部よりも基端面側に形成された保持部とを有する液体噴射ヘッドの前記保持部に、ヘッドホルダに対する配置位置を規定する位置決め穴が形成された位置決め部材を取り付ける液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    アライメントピンをプレート両面に対して垂直な状態で保持するピン保持穴を有する第1プレートと、
    前記第1プレートに保持されたアライメントピンが挿通されるピン挿通穴、及び、当該ピン挿通穴を基準として位置が定められた基準マークを有する第2プレートと、
    前記液体噴射ヘッドとの相対位置を規定するための第1アライメントマーク、及び、前記第2プレートとの相対位置を規定する第2アライメントマークを有する第3プレートと、を用い、
    前記第1プレートに保持されたアライメントピンをピン挿通穴に挿通し、前記第1プレートと前記第2プレートとを積層状態で接合する第1の接合工程と、
    前記基準マークと前記第2アライメントマークとに基づいて前記第2プレートに対し前記第3プレートを位置決めした状態で接合してアライメント治具とする第2の接合工程と、
    前記保持部に前記位置決め部材を配置した状態で、前記位置決め穴に前記アライメント治具のアライメントピンを挿通して位置決め部材とアライメント治具との位置決めを行う第1の位置決め工程と、
    位置決め部材とアライメント治具とが位置決めされた状態で、前記ノズル形成面に設けられたノズル基準部と前記第1のアライメントマークとの平面位置を合わせることにより、前液体噴射ヘッドと前記アライメント治具との位置決めを行う第2の位置決め工程と、
    前記保持部に前記位置決め部材を固定する位置決め部材固定工程と、
    位置決め部材が固定された液体噴射ヘッドから前記アライメント治具を取り外す取り外し工程と、
    を経て製造することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  2. 前記位置決め部材と前記保持部との間に接着剤を塗布して仮留めし、
    前記第2の位置決め工程において、前記液体噴射ヘッドを前記アライメント治具側に付勢した状態で位置決めを行い、前記位置決め部材を前記保持部に本保持した後に前記付勢を解放することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 前記第1プレートは、セラミックス板であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  4. 前記第2プレートは単結晶基板から成り、前記ピン挿通穴及び前記基準マークがエッチング加工によって形成されたことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  5. 前記第3プレートは、透視性を有する板材から成り、前記第1アライメントマーク、及び、前記第2アライメントマークが、フォトリソグラフィを利用して形成されたことを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  6. 前記第3プレートは、透視性を有する板材から成り、前記第1アライメントマーク、及び、前記第2アライメントマークが、フォトマスクであることを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
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