JP2007055071A - 構造体及びその製造方法、並びに液滴吐出装置 - Google Patents

構造体及びその製造方法、並びに液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 接着剤を用いてベース基板に接合固定される構成ユニットの位置ずれを抑え、高精度に位置決め固定することができる構造体を得る。
【解決手段】 ベース基板となる長尺基板に記録ヘッドユニット32が接着剤Uにより接合固定されて保持される構造体において、接着剤Uを、少なくとも記録ヘッドユニット32の接合面32Aにおける周縁の端部(角部32B)近傍に塗布する。
【選択図】 図15

Description

本発明は、構造体及びその製造方法、並びに液滴吐出装置に係り、詳細には、ノズルからインク滴を吐出して記録媒体に画像を記録する記録ヘッドユニットがベース基板に保持されて構成されたインクジェット記録ヘッド等の構造体、及びその製造方法、並びに、インクジェット記録ヘッドからなる構造体を備えたインクジェット記録装置等に適用される液滴吐出装置に関する。
ヘッドを往復走査する従来のPWA方式インクジェット記録装置において、高速印字のためにノズル数を増加すると、ヘッド質量も増加しヘッド走査機構への負荷が大きくなるため、多ノズル化に限界があった。また、往復走査の反転時に余分な走査距離が生じるため、高速化をはかる上で不利になる。
これらを解決する方法として、記録媒体幅方向に解像度と同ピッチで多数のノズルを配置した記録媒体幅対応(フルライン)の非走査型のFWA方式インクジェットラインヘッドが既に知られている。多数のノズルを備えるラインヘッドは、一体ヘッドとして製造すると、歩留りが低下したり、例えば大口径シリコンプロセス装置等の高額な製造設備を必要とするなどの問題がある。
そこで、比較的ノズル数の少ないヘッドユニットをライン状に複数個接続し、長尺化する技術が開示されている。例えば、金属等のベースプレート上に、圧力発生素子が設けられた複数の素子基板(ユニット)をライン状に並べて接着固定し、この素子基板上にノズル及びインク流路を備えた長尺部材を接合してラインヘッドを実現しているものや(例えば、特許文献1参照)、ベースプレートを用いずにヘッドチップ(ヘッドユニットに相当)を並べて接合していく方式があり(例えば、特許文献2参照)、この他、フレームにヘッドチップを千鳥状配列した構造が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
これらの技術は、いずれも、構成部品の中で最も低歩留まりな素子基板をユニット分割して製造する方式であり、隣接ユニット同士を相互に高精度位置決め固定することが必須となる。
例えば、接着剤を用いて長尺のベース基板又は長尺のベース基板に対して着脱可能とされたスペーサー部材に記録ヘッドユニットを位置決め固定する場合などに、常温硬化型接着剤では、硬化に長時間を要するため生産性に課題があり、熱硬化型接着剤では、夫々の構成部材の熱膨張率が異なるため、熱膨張差によって発生する位置ずれが問題となる。
これに対し、光硬化型接着剤であれば、常温硬化型よりも硬化時間を短縮することができ、熱硬化型のような高温加熱処理で生じる構成部材の熱膨張差による位置ずれも抑えられるため、このようなユニットを上記のベース基板やスペーサー部材に接合固定して構成される構造体の製造に適している。また、光硬化型接着剤を用いて更に高精度な位置決め固定を実現するには、光照射に伴う温度上昇や温度変動を極力低減し、かつ接着剤硬化の収縮による応力発生を抑制することが重要になる。
しかしながら、特に、ノズルがマトリックス状に形成された複数の記録ヘッドユニットを高精度に位置決め固定して並べるラインヘッドでは、装置サイズに関わるラインヘッド部の占有体積やノズル配列等の都合上、特殊な平面形状(略平行四辺形状等)のユニットを使用することがあり、このような特殊形状のユニットの場合、光照射時の熱影響により、照射位置、照射エネルギー等によってユニット各部(ノズル)のずれ量が変化することもあるため、その改善が求められる。
また、複数の記録ヘッドユニットを並べるラインヘッドの場合、その複数の記録ヘッドユニットを保持するベース基板やスペーサー部材と記録ヘッドユニット間の接合固定部で高い接合強度を得るためには、面接合させることが好ましいが、各記録ヘッドユニットのノズル面を揃える必要性から、ノズル面を基準とした各記録ヘッドユニットの高さ公差(記録ヘッドユニット間の高さのばらつき)を吸収できるよう、この接合固定部には大きな隙間を設けざるを得ない。そのため、この隙間における接着剤の量が多くなり、接着剤の硬化収縮による各記録ヘッドユニットの位置ずれや傾斜、記録ヘッドユニット間のずれ量ばらつきが発生しやすくなり、複数の記録ヘッドユニットを高精度に位置決め固定する上で問題となる。
特開平10−181004号公報 特開2003−266710号公報 特開2001−199074号公報
本発明は上記事実を考慮して、接着剤を用いてベース基板又はベース基板に対して着脱可能とされたスペーサー部材に接合固定されて保持される構成ユニットの位置ずれを抑え、高精度に位置決め固定することができる構造体、及びその製造方法、並びに液滴吐出装置を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、ベース基板に構成ユニットが第1の接着剤により接合固定されて保持された構造体において、前記第1の接着剤は、少なくとも前記構成ユニットの接合面における周縁の端部近傍に設けられていることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、ベース基板に対して着脱可能とされたスペーサー部材を備えるとともに、そのスペーサー部材に構成ユニットが接合固定されることによりスペーサー部材を介して前記ベース基板に保持された構造体において、前記第1の接着剤は、少なくとも前記構成ユニットの接合面における周縁の端部近傍に設けられていることを特徴としている。
本発明では、例えば構成ユニットの接合面が平面視多角形状であったり角部を有する形状等の場合、各辺の端部や角部等となる周縁の端部近傍に第1の接着剤を設け、その第1の接着剤によって構成ユニットをベース基板又はベース基板に着脱可能に取り付けられたスペーサー部材に接合固定し構造体を形成する。これにより、例えば接着剤を接合面の全面や周縁全周等の広い領域に設けるような場合、あるいは接合面の中央部等に設ける場合に比べて、接合強度は確保しつつ接着剤量を減少させることができ、接着剤の硬化収縮に伴う構成ユニットのベース基板に対する位置ずれや傾斜が抑えられる。
また、ベース基板に対して着脱可能とされたスペーサー部材に構成ユニットを接合固定して、ベース基板に保持する請求項2の構成であれば、構成ユニットがスペーサー部材とともにベース基板に着脱できるようになって、構成ユニットの交換が可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の構造体において、前記第1の接着剤は、点状に形成されるとともに1点の平面形状が略円形であることを特徴としている。
本発明では、第1の接着剤を点状に形成(点塗布)することで接着剤の塗布量が減少され、1点の平面形状が略円形であることとの相乗効果によって、形状の非対称性による接着剤の硬化収縮に伴う構成ユニットの位置ずれや傾きの抑制効果が高められる。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の構造体において、前記第1の接着剤は、前記接合面における周縁の端部近傍を含む少なくとも2辺に沿って設けられ、実質的に多数の点状に形成されていることを特徴としている。
本発明では、第1の接着剤を多数の点状に形成することで高い接合強度が得られるとともに、接着剤の少量化、及び、点状接着剤の間隔の短縮化によって、構成ユニットの位置ずれを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の構造体において、前記第1の接着剤は、前記構成ユニットの重心に対して略点対称位置に設けられていることを特徴としている。
本発明では、例えば構成ユニットが複雑な形状であったり、マトリックス状に配列されたノズルを有する記録ヘッドユニット等に代表される大型の構成ユニット等であっても、第1の接着剤を構成ユニットの重心に対して略点対称位置に設けることにより、すなわち、構成ユニットの重心を中心として略均等に配分したパターンを形成することにより、構成ユニットの位置ずれを抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の構造体において、前記第1の接着剤は、光硬化型接着剤であることを特徴としている。
本発明では、第1の接着剤に光硬化型接着剤を用いることにより、熱硬化型接着剤を用いた場合の高温加熱処理で生じる構成ユニットの熱膨張/収縮や、構成ユニットとベース基板又はスペーサー部材の間での熱膨張差による位置ずれが抑えられるとともに、光照射処理によって硬化する光硬化型であれば、常温硬化型等に比べて硬化時間の短縮化が図られ生産性を向上することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項記載の構造体において、前記接合面における前記第1の接着剤の近傍に第2の接着剤を設け、前記ベース基板と前記構成ユニットの接合固定部が、前記第1の接着剤による主固定部と、前記第2の接着剤による補強部とにより構成されていることを特徴としている。
本発明では、ベース基板と構成ユニットとが接合固定される接合固定部において、第1の接着剤からなる主固定部が、第2の接着剤からなる補強部によって補強されるため、接合強度(固定強度)が高められる。また、第1の接着剤の少量化に伴って低下する接合強度を、第2の接着剤によって補うこともできる。
請求項8に記載の発明は、請求項7記載の構造体において、前記第2の接着剤は、前記第1の接着剤とは異なる材料からなる常温硬化型接着剤であることを特徴としている。
本発明では、例えば第1の接着剤が熱硬化型や光硬化型等である場合に、第2の接着剤に常温硬化型を用いることにより、第2の接着剤の熱歪に伴う構成ユニットの位置ずれを抑制した補強が行える。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8の何れか1項記載の構造体において、前記構成ユニットは、ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドユニットであることを特徴としている。
本発明では、ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドユニットがベース基板又はスペーサー部材に接合固定されて保持された構造体において、ベース基板又はスペーサー部材に対する液滴吐出ヘッドユニットの位置ずれ(予め位置決めした液滴吐出ヘッドユニットの位置からの位置ずれ)が抑えられて、高精度に位置決め固定することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の構造体において、前記液滴吐出ヘッドユニットを保持する、又は、液滴吐出ヘッドユニットを前記スペーサー部材を介して保持する前記ベース基板は長尺基板であり、その長尺基板に保持された液滴吐出ヘッドユニットを複数備える長尺状の液滴吐出ヘッドであることを特徴としている。
本発明では、複数の液滴吐出ヘッドユニットが長尺基板又はスペーサー部材を介して長尺基板に保持された長尺状の液滴吐出ヘッドからなる構造体において、長尺基板又はスペーサー部材に対する各液滴吐出ヘッドユニットの位置ずれが抑えられて、高精度に位置決め固定することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜請求項10の何れか1項記載の構造体を製造する構造体の製造方法であって、少なくとも前記構成ユニットの接合面における周縁の複数箇所の端部近傍に前記第1の接着剤を塗布する第1の接着剤塗布工程と、前記第1の接着剤塗布工程後に、前記ベース基板又はベース基板に取り付けられた前記スペーサー部材と前記構成ユニットを接合する接合工程と、前記接合工程後に、前記構成ユニットの接合面における複数箇所の端部近傍に塗布された前記第1の接着剤のうち、初めに少なくとも2箇所に硬化処理を施して略同時に硬化させて前記ベース基板又は前記スペーサー部材と前記構成ユニットを接合固定する第1の接着剤硬化工程と、を有することを特徴としている。
本発明では、第1の接着剤塗布工程で、少なくとも構成ユニットの接合面における周縁の複数箇所の端部近傍に第1の接着剤を塗布し、接合工程で、ベース基板又はベース基板に取り付けられたスペーサー部材と構成ユニットを接合してから、第1の接着剤硬化工程で、上記の複数箇所の端部近傍に塗布された第1の接着剤のうち、初めに少なくとも2箇所に硬化処理を施して略同時に硬化させてベース基板又はスペーサー部材と構成ユニットを接合固定する。これにより、第1の接着剤が略同時に硬化された接合面の各端部を結ぶ方向での構成ユニットの位置ずれが抑えられ、構成ユニット全体の位置ずれを効果的に抑制することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項11記載の構造体の製造方法において、前記第1の接着剤硬化工程では、前記構成ユニットの重心に対して略点対称位置となる2箇所に設けられた第1の接着剤を硬化させることを特徴としている。
本発明では、構成ユニットの重心を中心とする略点対称位置の2箇所に設けられた第1の接着剤に初めに硬化処理を施して略同時に硬化させることにより、接着剤の硬化に伴う構成ユニットの位置ずれ、特に構成ユニットの重心を中心とした回転方向の位置ずれを抑制することができる。
請求項13に記載の発明は、請求項12記載の構造体の製造方法において、前記第1の接着剤硬化工程後に、未硬化の第1の接着剤を、前記構成ユニットの重心に対して略点対称位置となる2箇所毎に硬化処理を施して順次硬化させる第2の接着剤硬化工程を有することを特徴としている。
本発明では、所定の2箇所に設けられた第1の接着剤を初めに硬化させた上記第1の接着剤硬化工程で硬化処理が施されずに、未硬化となっている第1の接着剤に対し、第2の接着剤硬化工程でも同様に、所定の2箇所毎に、すなわち、構成ユニットの重心に対して略点対称位置となる2箇所毎に硬化処理を施すことにより、その未硬化接着剤を順次硬化させる。このように、上記第1の接着剤硬化工程以降も、未硬化接着剤を同様に所定の2箇所毎に順次硬化させることにより、その未硬化接着剤の硬化に伴う構成ユニットの位置ずれ、特に構成ユニットの重心を中心とした回転方向の位置ずれを効果的に抑制することができる。
請求項14に記載の発明は、請求項11〜請求項13の何れか1項記載の構造体の製造方法において、前記接合工程前に、前記接合面における第1の接着剤の近傍に、第1の接着剤の塗布状態を崩さないように前記第2の接着剤を塗布する第2の接着剤塗布工程を有し、前記第2の接着剤塗布工程後に、前記接合工程を行うことを特徴としている。
本発明では、ベース基板又はベース基板に取り付けられたスペーサー部材と構成ユニットを接合する前に、構成ユニットの接合面への第1及び第2の接着剤の塗布が完了する。例えば、ベース基板又はスペーサー部材と構成ユニットの接合に、それらの相対位置を高精度に保った状態で接合するアライメント接合装置等を用いる場合に、接合工程では、前工程で予め第1及び第2の接着剤が塗布された構成ユニットと、ベース基板又はスペーサー部材が取り付けられたベース基板とを装置にセットし、それらを装置上で接合させ、第1の接着剤を硬化させるだけとなる。これにより、接着剤塗布から接合固定までの装置占有時間が短縮され、生産性の向上や設備投資の削減を図ることができる。
請求項15に記載の発明は、請求項11〜請求項13の何れか1項記載の構造体の製造方法において、前記第1の接着剤硬化工程後に、前記接合面における前記第1の接着剤の近傍に前記第2の接着剤を塗布する第2の接着剤塗布工程を有することを特徴としている。
本発明では、第1の接着剤を用いたベース基板又はベース基板に取り付けられたスペーサー部材と構成ユニットの接合固定後に、構成ユニットの接合面(構成ユニットとベース基板又はスペーサー部材の間)に第2の接着剤を塗布することで、接合固定部を第2の接着剤によって補強する。ここでも、アライメント接合装置等を用いてベース基板又はベース基板に取り付けられたスペーサー部材と構成ユニットを接合する場合に、装置を用いる接合工程後に、装置から構造体を取り外して第2の接着剤を塗布することができるため、接合から補強に掛かる装置占有時間を短縮することができて、生産性向上や設備投資削減などの効果が得られる。またこの場合は、第2の接着剤の塗布によって、硬化済みの第1の接着剤が形状変化するなどの影響を受けないため、第1の接着剤は、第2の接着剤に対する塗布位置や形状等を考慮することなく塗布できるようになる。これにより、第1の接着剤の塗布パターンの自由度が高まり、構成ユニットの重心位置や接合面形状等の応じた位置ずれ抑制効果の高い塗布パターンを選択できるようになる。
請求項16に記載の発明は、液滴吐出装置において、請求項9又は請求項10記載の構造体を備えることを特徴としている。また、請求項17に記載の発明は、請求項16記載の液滴吐出装置において、前記構造体が請求項11〜請求項15の何れか1項記載の製造方法によって製造されていることを特徴としている。
本発明では、液滴吐出ヘッドユニットがベース基板(長尺基板)又はスペーサー部材を介してベース基板に高精度に位置決め固定された構造体を備える液滴吐出装置が得られる。
本発明の構造体及びその製造方法、並びに液滴吐出装置によれば、接着剤を用いてベース基板又はベース基板に対して着脱可能とされたスペーサー部材に接合固定されて保持される構成ユニットの位置ずれが抑えられて、高精度に位置決め固定することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る構造体であるインクジェット記録ヘッド、及び、そのインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置について説明する。
(第1の実施形態)
図1には、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置が示されている。
図1に示すように、インクジェット記録装置10は、用紙Pをストックすると共に画像記録時に送り出す用紙供給部12、用紙供給部12から送り込まれた用紙Pの姿勢を制御して記録ヘッド部16に送り出すレジ調整部14、レジ調整部14から送り込まれた用紙Pに対しインク滴を吐出して画像を記録する記録ヘッド部16、及び、記録ヘッド部16のメンテナンスを行なうメンテナンス部18を備えた記録部20、記録部20で画像記録された用紙Pが排出される排出部22によって基本構成されている。
用紙供給部12には、複数枚の用紙Pが積層されてストックされるストッカ24と、ストッカ24から1枚ずつ枚葉してレジ調整部14に搬送する搬送装置26とが設けられている。
レジ調整部14には、ループ形成部28と、用紙の姿勢を制御するガイド部材29とが設けられており、用紙供給部12から送り込まれた用紙Pは、これらのループ形成部28及びガイド部材29を通過することにより、用紙Pのコシを利用してスキューが矯正されると共に搬送タイミングが制御されて記録部20に送り込まれる。
記録部20では、上下に対向する記録ヘッド部16とメンテナンス部18が設けられており、それらの間には、レジ調整部14から送り込まれた用紙Pが搬送される用紙搬送路が構成されている。記録ヘッド部16には、用紙搬送路に沿って所定の間隔で配列された複数のインクジェット記録ヘッド(ヘッドバー)30が設けられており、用紙搬送路における各インクジェット記録ヘッド30の上流側と下流側には、上下に対向するスターホイール17と搬送ロール19が複数対設けられている。
用紙Pは、これらのスターホイール17と搬送ロール19に挟持されつつ用紙搬送路を連続的に(停止することなく)搬送され、記録ヘッド部16の各インクジェット記録ヘッド30からインク滴が吐出されることにより画像が記録される。そして、排出部22では、記録部20で画像記録された用紙Pが排紙ベルト23により搬送されてトレイ25に収納される。
メンテナンス部18は、複数のインクジェット記録ヘッド30の各々に対向して配置された複数のメンテナンス装置21を備えている。メンテナンス装置21は、インクジェット記録ヘッド30に対するキャッピングを行なうキャップCP(図9参照)を備えており、その他、ワイピング、さらにダミージェットやバキューム等の処理を行うことができる。
インクジェット記録装置10は以上の構成とされており、次に、このインクジェット記録装置10に搭載されたインクジェット記録ヘッド30について詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、インクジェット記録ヘッド30は、紙送り方向Xと直交する方向(紙幅方向Y)に沿って配列された、複数の記録ヘッドユニット32を備えている。図3(B)に示すように、記録ヘッドユニット32には、紙幅方向Yに沿ってライン状に複数のノズル54が形成されており、記録ヘッドユニット32は、上記の用紙搬送路を連続的に搬送される用紙Pに対し、ノズル54からインク滴を吐出することで、用紙P上に画像を記録する。なお、インクジェット記録装置10に搭載されたこのインクジェット記録ヘッド30は、例えば、いわゆるフルカラーの画像を記録するために、YMCKの各色に対応して、少なくとも4つ配置されている。
図4に示すように、1つのインクジェット記録ヘッド30にライン状に形成されたノズル54による印字領域幅は、このインクジェット記録装置10での画像記録が想定される用紙Pの用紙最大幅PWよりも長くされており、インクジェット記録ヘッド30を紙幅方向Yに移動させることなく用紙Pの全幅にわたる画像記録が可能とされている(いわゆるFull Width Array(FWA))。ここで、印字領域とは、用紙Pの両端から印字しないマージンを引いた記録領域のうち最大のものが基本となるが、一般的には印字対象となる用紙最大幅PWよりも大きくとっている。これは、用紙が搬送方向に対して所定角度傾斜して(スキューして)搬送されるおそれがあること、また縁無し印字の要請が高いためである。
このインクジェット記録ヘッド30は、図2及び図3に示すように、長尺基板40、上述した複数の記録ヘッドユニット32、及び、複数のスペーサー部材42を含んで構成されている。長尺基板40は、紙幅方向Yに長尺とされ、長手方向に沿って所定の間隔で配列された複数の開口部40Aが形成されている。長尺基板40の紙送り方向Xの幅は、記録ヘッドユニット32の同方向の幅よりも狭幅とされており、これによって、インクジェット記録ヘッド30が小型に構成されている。
長尺基板40の下面には、スペーサー部材42が取り付けられている。スペーサー部材42は、透明樹脂材料により形成されて板状とされ、各記録ヘッドユニット32毎に、図5に示すように、紙送り方向Xに互いに離間して2個配置されている。スペーサー部材42は、図6(A)(B)に示すように、長尺基板40に2箇所でねじ46によりねじ止めされている。これにより、スペーサー部材42は長尺基板40から取り外し可能とされている。2個のスペーサー部材42の間には、図示しないインクタンクからインクを記録ヘッドユニット32へ供給するインク供給ユニット44(図5参照)が配置される。2個のスペーサー部材42を、互いに離間して配置することにより、スペーサー部材42自体にインク供給用の流路を設ける必要はなく、離間部分にインク供給ユニット44を配置でき、インク供給経路を確保することが可能となる。更には、スペーサー部材42にインク供給経路を形成する必要が無く、耐インク性を考慮しない材料選定が可能となり、スペーサー部材42に使用する材料選定に自由度が得られる。また、ここでは各記録ヘッドユニット32毎に互いに離間した2個のスペーサー部材を使用する場合を記載したが、この形態に限られるものではなく、例えば、上記互いに離間した2個のスペーサー部材42を1個のスペーサー部材とし、インク供給経路を配置する部分にはスペーサー部材42が存在しないようにその一部が離間するような、例えば貫通孔42Bとする形態とすればよい(図13参照)。
また、本実施形態では、各記録ヘッドユニット32毎にスペーサー部材42を用いる場合を示したが、必要に応じて、複数の記録ヘッドユニット32単位に対してスペーサー部材42を用いる形態としても良い。この場合には、複数の記録ヘッドユニット32単位で交換可能となり、使用するスペーサー部材42の数を減らすことができる為、製造コストを低減させることができる(図14参照)。
記録ヘッドユニット32は、図6(A)に示すように、液体中継部材50及びヘッド基板52で構成されている。ヘッド基板52は、インクの吐出側に配置され、ノズル面52A側にはインクを吐出させるノズル54が紙幅方向Yに1列に形成されており、このヘッド基板52には、インクを吐出させるための圧電素子、振動板、圧力室などが備えられている。なお、ここではヘッド基板52にノズルを紙幅方向Yに1列に形成した例を挙げているが、この形態に限らない。例えば高画質化や高速化の為に、ヘッド基板52にはノズルを、紙幅方向Y及び紙送り方向Xの2次元平面にマトリックス配列状となるように形成しても良い(図17(B)参照)。
液体中継部材50は、スペーサー部材42側に配置され、インク供給ユニット44と連通されて各ノズル54へインクを供給する個別供給路50Aが形成されている。
記録ヘッドユニット32は、スペーサー部材42を挟んで、長尺基板40と逆側に配置されている。スペーサー部材42と記録ヘッドユニット32とは、ノズル面52A側からみて、紙幅方向Yに沿った長尺基板40よりも外側の端辺部が、ほぼ同一形状とされている。記録ヘッドユニット32は、紙幅方向Yに沿った両端辺部で、すなわち、記録ヘッドユニット32の長手方向に沿った両端辺部で、スペーサー部材42と接合固定されている。本実施形態では、記録ヘッドユニット32のスペーサー部材42への接合固定は、UV(紫外線)硬化型の接着剤Uで行なわれ、詳細については後述する記録ヘッドユニット32とスペーサー部材42との間の所定箇所に接着剤Uが介在している。
記録ヘッドユニット32とスペーサー部材42との間には、接着剤Uの厚み分のギャップGが構成され、このギャップGを調整することにより、複数の記録ヘッドユニット32のノズル面52Aの高さをそろえることができる。
図6(B)に示すように、スペーサー部材42の長尺基板40が重ねられていない部分には、電気配線用の貫通孔42Aが形成されている。図示しない電気配線は、貫通孔42Aを通って記録ヘッドユニット32と図示しないコントローラーとを接続している。
次に、本実施形態のインクジェット記録ヘッド30の製造方法を、図7(A)〜図7(D)を参照して説明する。
まず、図7(A)に示すように、長尺基板40に、すべてのスペーサー部材42を取り付ける。ここでの取り付けは、ねじ46によるねじ止めで行なう。
次に、図7(B)に示すように、長尺基板40をアライメント接合装置に設けられた接合用下降アームSAに取り付け、取り付けられた長尺基板40と平行に配置されたアライメント接合装置の位置決めステージST上に、1つのインクジェット記録ヘッド30を構成するために必要な個数の記録ヘッドユニット32を1列に並べる。このとき、記録ヘッドユニット32は、各記録ヘッドユニット32間でのノズル54の位置を正確に位置決めして並べる。記録ヘッドユニット32には、所定箇所にUV硬化型の接着剤Uを塗布しておく。
次に、図7(C)に示すように、平行状態を保ちながら、接合用下降アームSAを位置決めステージSTに近づけていき、ノズル面52Aが所定のノズル面を構成する位置で止める。このとき、記録ヘッドユニット32に塗布されていた接着剤Uは、スペーサー部材42に押し当てられ、所定の厚み以上の厚さ部分は押しつぶされる(接合)。
次に、接合用下降アームSAと位置決めステージSTとの距離を上記の状態で維持したまま接着剤UにUV光を照射して硬化処理を行ない(接合固定)、図7(D)に示すように、接合用下降アームSA及び位置決めステージSTから取り外して、インクジェット記録ヘッド30が完成する。なお、この接着剤Uに照射するUV光は、例えばフォーカス照射やマスク等を用いて、接着剤Uが塗布された所定箇所を含む所定範囲内のみに照射するよう、すなわち、接着剤Uが塗布されていない箇所には照射しないよう照射範囲を制限する。
上記製造方法によれば、スペーサー部材42はねじ止めで長尺基板40へ取り付けられるが、記録ヘッドユニット32の接合前に長尺基板40に取り付けられるので、スペーサー部材42の多少の位置ずれは記録ヘッドユニット32の位置あわせに影響しない。そして、記録ヘッドユニット32は、長尺基板40に取り付けられた状態のスペーサー部材42へ接着剤Uを用いて接合されるので、位置決めステージST上にアライメントした状態で接合固定を行なうことができ、長尺基板40と記録ヘッドユニット32を直接ねじ止めする場合と比較して、正確に位置あわせがなされたまま接合固定することができる。
なお、上記製造方法では、位置決めステージST上に、長尺基板40を構成するために必要なすべての記録ヘッドユニット32を並べて一度に接合固定を行なったが、記録ヘッドユニット32の接合固定は、必ずしも1度で行なう必要はない。例えば、図8に示すように、1個、2個など、一部の記録ヘッドユニット32のみを並べて接合固定を行ない(図8(A)では2個ずつ)、同様の処理を複数回繰り返すことにより、インクジェット記録ヘッド30を完成させてもよい。
次に本実施形態のインクジェット記録装置10の動作について説明する。
インクジェット記録装置10に印字ジョブが入力されて印字(画像記録)動作が開始されると、ストッカ24から用紙Pが1枚ピックアップされ、搬送装置26により、記録部20へ搬送される。
一方、インクジェット記録ヘッド30には、すでにインクタンクからインク供給ポートを介して記録ヘッドユニット32の個別供給路50Aにインクが注入(充填)されている。このとき、ノズル54の先端(吐出口)では、インクの表面が僅かに凹んだメニスカスが形成されている。
用紙Pを所定の搬送速度で搬送しつつ、記録ヘッドユニット32の複数のノズル54から選択的にインク滴を吐出することにより、用紙Pに、画像データに基づく画像を記録する。
記録ヘッドユニット32をメンテナンスする際には、図9に示すように、キャップCPをメンテナンス位置M1に配置し、キャップCPで記録ヘッドユニット32をキャップする。このとき、記録ヘッドユニット32の長手方向(紙幅方向Yと同方向)に沿った端辺部TにはキャップCPが押し当てられる。これにより、インクジェット記録ヘッド30のノズル面52A側がキャップCPに覆われて密閉空間Hが構成される。この状態で、メンテナンス装置21の図示しないポンプが作動されて密閉空間Hが負圧とされ、ノズル54を吸引することにより、ノズル54を詰まらせているインク塊などを排出させることができる。
本実施形態のインクジェット記録ヘッド30は、スペーサー部材42と記録ヘッドユニット32との接合が、上記メンテナンス時にキャップCPにより押圧される端辺部T部分で行なわれているので、押圧により作用される力を接合部で適切に受けることができ、インクジェット記録ヘッド30の変形などを防止することができる。
また、インクジェット記録ヘッド30は、図10に示すように、長尺基板40及び記録ヘッドユニット32の両方を、スペーサー部材42の下側に配置することもできるが、本実施形態のように配置することにより、メンテナンス時にキャップCPによる押圧力を、長尺基板40とスペーサー部材42の両方で受けることができ、強度を向上させることができる。
また、本実施形態では、長尺基板40の紙送り方向の幅を、記録ヘッドユニット32の幅よりも狭くしたが、長尺基板40の紙送り方向の幅は、図11に示すように、記録ヘッドユニット32の幅と同程度にしてもよい。この場合には、電気配線用の貫通孔42Aは必要なく、離間されたスペーサー部材42の間で長尺基板40の開口部40Aに連通する位置に、電気配線を行なえばよい。
また、本実施形態のスペーサー部材42は透明樹脂製であるため、接着剤Uの硬化処理では、図12に示すように、接着剤Uへ向けて出射されたUV光がスペーサー部材42を透過して、接着剤U全体に照射される。そしてこの場合には、図12(A)のように、長尺基板40の紙送り方向の幅を、記録ヘッドユニット32の幅よりも狭くした構成の方が、図12(B)のように、長尺基板40の紙送り方向の幅を、記録ヘッドユニット32の幅と同幅とした構成よりも光照射領域が広くなり、照射効率が向上する。
次に、前述したインクジェット記録ヘッド30の製造方法における接着剤Uの塗布箇所について説明する。
本実施形態の記録ヘッドユニット32は、直方体状とされており(図2及び図3参照)、図15(C)に示すように、スペーサー部材42への接合面32A(液体中継部材50の上面)が平面視にて矩形状とされている。この接合面32Aに塗布される前述の接着剤Uは、図示のように、接合面32Aにおける4つの角部32Bの近傍にそれぞれほぼ同量塗布される(計4箇所)。すなわち、接着剤Uは、矩形状とされた接合面32Aの周縁(4辺部)における各辺の端部に塗布される。接着剤Uの塗布形状については、例えば図示のように、平面視にて接合面32Aの短辺に沿った縦長の略楕円形状などとされている。また、この接着剤Uの塗布にはディスペンサー等の自動塗布装置を用いており、これによって、塗布位置、塗布量、及び塗布形状のばらつきが抑えられている。
そして、接合面32Aの上記4箇所に接着剤Uが塗布された複数の記録ヘッドユニット32は、図15(A)に示すように紙幅方向Yに沿って一列に配列された状態で、あるいは、図15(B)に示すように千鳥状に配列された状態で、前述した製造方法により各スペーサー部材42に接合固定される。このようにして、複数の記録ヘッドユニット32が各スペーサー部材42を介して長尺基板40に保持され、これら複数の記録ヘッドユニット32、複数のスペーサー部材42、及び長尺基板40を備えたインクジェット記録ヘッド30は一つの構造体として構成される。
以上説明したように、本実施形態のインクジェット記録ヘッド30では、記録ヘッドユニット32の接合面32Aが矩形状であり、その接合面32Aにおける周縁の端部近傍の4箇所に接着剤Uを設け、その接着剤Uによって複数の記録ヘッドユニット32を各スペーサー部材42に接合固定することにより、複数の記録ヘッドユニット32が各スペーサー部材42を介して長尺基板40に保持された構造体を形成している。これにより、記録ヘッドユニット32の接合強度は確保されつつ接着剤量が減少され、接着剤Uの硬化収縮に伴う各々位置決めした各記録ヘッドユニット32の位置ずれ、各記録ヘッドユニット32の長尺基板40に対する位置ずれやノズル面52Aの傾きが抑えられて、高精度に位置決め固定することができる。
図16に、本実施形態のように、UV硬化型接着剤を用いた場合の照射エネルギーや塗布パターンと、記録ヘッドユニットの位置ずれ量や接着強度の関係をグラフ図にて示す。
図16(A)には、UV光の単位面積当たりの照射エネルギーと位置ずれ量の関係を示しており、このグラフ図からわかるように、照射エネルギーに対する位置ずれ量は、照射エネルギーの増加に伴って大きくなる。したがって、接着強度を確保しつつ位置ずれ量を小さくするには、単位面積当たりの照射エネルギーを接着剤硬化必要量程度に抑えることが重要になる。
図16(B)には、UV光の総照射エネルギーと位置ずれ量の関係を示しており、このグラフ図からわかるように、総照射エネルギーに対する位置ずれ量は、総照射エネルギーの増加に伴って大きくなる。したがって、位置ずれ量を小さくするには、照射面積を低減して総照射エネルギーを抑えることが重要になる。
図16(C)には、接着剤の塗布量と位置ずれ量の関係を示しており、このグラフ図からわかるように、接着剤塗布量に対する位置ずれ量は、塗布量の少ない範囲では塗布量の増加に伴って急激に大きくなり、塗布量が多くなるに従い増大幅が小さくなって所定量を超えるとさほど変化しなくなる。したがって、位置ずれ量を小さくするには、要求する接着強度が確保できる程度に接着剤塗布量を抑えることが重要になる。
図16(D)には、接着剤の塗布点数と接着強度の関係を示しており、このグラフ図からわかるように、接着剤塗布点数に対する接着強度は、塗布点数の少ない範囲では塗布点数の増加に伴って急激に大きくなり、塗布点数が多くなるに従い増大幅が小さくなって所定量を超えるとさほど変化しなくなる。したがって、接着強度を確保しつつ位置ずれ量を小さくするには、要求する接着強度が確保できる程度に接着剤塗布点数を抑えることが重要になる。
図16(E)には、点状に塗布した接着剤の塗布間隔と位置ずれ量の関係を示しており、このグラフ図からわかるように、接着剤塗布間隔に対する位置ずれ量は、塗布間隔の増加に伴って大きくなる。したがって、位置ずれ量を小さくするには、塗布間隔を小さくすることが重要になる。
この図16からもわかるように、接着剤Uの塗布量及び塗布点数を必要範囲に抑えて、接合強度は確保しつつ接着剤量を減少させるとともに、UV光の照射範囲を接着剤Uの塗布箇所に制限して照射エネルギーを必要範囲に抑えた本実施形態の製造方法であれば、接着剤Uの硬化収縮、及び、UV光照射による熱変形に伴う記録ヘッドユニット32の位置ずれを抑えた、高精度な位置決め固定を実現できる。
また、本実施形態では、UV硬化型(光硬化型)の接着剤を用いていることにより、例えば熱硬化型接着剤を用いた場合の高温加熱処理で生じる記録ヘッドユニット32の熱膨張/収縮や、記録ヘッドユニット32とスペーサー部材42及び長尺基板40の間での熱膨張差による位置ずれが抑えられるとともに、UV光の照射処理によって迅速に硬化できるため、常温硬化型等に比べて硬化時間の短縮化が図られ生産性が向上する。
また、本実施形態では、長尺基板40に対して着脱可能とされたスペーサー部材42に記録ヘッドユニット32を接合固定して、長尺基板40に保持していることにより、製造過程、あるいはインクジェット記録装置10の使用中に一部の記録ヘッドユニット32のみに不具合が生じた場合でも、長尺基板40とスペーサー部材42を固定しているねじ46を緩めることで、その不具合が生じた記録ヘッドユニット32だけを簡単に取り外し、新しい記録ヘッドユニット32と交換することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、ノズルがマトリックス状に形成された特殊な平面形状の記録ヘッドユニットを、長尺基板に複数個接合固定して構成されたインクジェット記録ヘッドに関するものであり、以下、その特殊形状の記録ヘッドユニットを備える第2の実施形態のインクジェット記録ヘッドの構成、及び製造時の接着剤塗布箇所について説明する。
図17に示すように、本実施形態のインクジェット記録ヘッド60は、紙幅方向Yに長尺とされた長尺基板41、長尺基板41に着脱可能に取り付けられた複数のスペーサー部材43、及び、各スペーサー部材43に接合固定された複数の記録ヘッドユニット62を備えており、第1実施形態のインクジェット記録ヘッド30と同様に長尺ヘッド(FWAヘッド)として構成されている。
長尺基板41の下面に、ねじ46によって着脱可能に取り付けられたスペーサー部材43は、透明樹脂製で板状に形成されており、図17(B)に示すように、各記録ヘッドユニット62毎に、紙送り方向Xに互いに離間して斜め向いに2個配置されている。なお、このスペーサー部材43についても、第1の実施形態と同様に、上記の2個を組み合わせた形状の1個のスペーサー部材に置き換えることができる。
スペーサー部材43の下面に接着剤Uによって接合固定された本実施形態の記録ヘッドユニット62は、平面視が略平行四辺形状(紙送り方向Xの中央部が平行四辺形状)で、ノズル面63の中央部にインクを吐出させるノズル64がマトリクス状に形成されており、上記の斜め向いに配置された一対のスペーサー部材43に架け渡されるように配置されている。また、このインクジェット記録ヘッド60も、長尺基板41の紙送り方向Xの幅が記録ヘッドユニット62の同方向の幅よりも狭幅とされて、ヘッド全体が小型に構成されている。
本実施形態のインクジェット記録ヘッド60は以上の構成とされており、このインクジェット記録ヘッド60も、第1の実施形態と同様の製造方法によって製造される。
製造過程では、前述したように、記録ヘッドユニット62をスペーサー部材43に接合固定するためのUV硬化型の接着剤Uが塗布されるが、本実施形態では、図18(B)に示すように、略平行四辺形状とされた接合面62Aにおける4つの角部62Bの近傍にそれぞれほぼ同量塗布される(計4箇所)。すなわち、本実施形態も、接着剤Uが接合面62Aの周縁における各辺(紙幅方向Yに沿った一対の辺部62C)の端部に塗布されている。接着剤Uの塗布形状については、例えば図示のように、一対の辺部62Cに沿った横長の略楕円形状などとされている。
そして、接合面62Aの上記4箇所に接着剤Uが塗布された複数の記録ヘッドユニット62は、図18(A)に示すように紙幅方向Yに沿って一列に配列された状態で、前述した製造方法により各スペーサー部材43に接合固定される。このようにして、複数の記録ヘッドユニット62が各スペーサー部材43を介して長尺基板41に保持され、これら複数の記録ヘッドユニット62、複数のスペーサー部材43、及び長尺基板41を備えた本実施形態のインクジェット記録ヘッド60も一つの構造体として構成される。
以上説明したように、本実施形態のような特殊形状の記録ヘッドユニット62を備えるインクジェット記録ヘッド60においても、記録ヘッドユニット62の接合面62Aにおける周縁の端部近傍の4箇所に接着剤Uを設け、その接着剤Uによって複数の記録ヘッドユニット62を各スペーサー部材43に接合固定することにより、記録ヘッドユニット62の接合強度は確保しつつ接着剤量を減少することができ、接着剤Uの硬化収縮に伴う各々位置決めした各記録ヘッドユニット62の位置ずれ、各記録ヘッドユニット62の長尺基板41に対する位置ずれやノズル面63の傾きが抑えられる。特に、このような特殊形状の記録ヘッドユニット62では、UV光照射時の熱影響により、照射位置、照射エネルギー等によってユニット各部(ノズル64)のずれ量が変化しやすくなるが、そのような不具合が改善され、高精度に位置決め固定することができる。
また、第1の実施形態と同様に、光硬化型(UV硬化型)接着剤を使用したことによる高い位置ずれ抑制効果、及び、生産性の向上効果や、長尺基板41に対して記録ヘッドユニット62がスペーサー部材43とともに着脱できることによるユニット交換性の向上効果が得られる。
第3〜第5の実施形態は、第1実施形態の記録ヘッドユニット32、及び、第2実施形態の記録ヘッドユニット62において、接合面に塗布する接着剤のパターンを変更したものであり、以下、その接着剤パターンについて説明する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、図19(A)に示すように、記録ヘッドユニット32では、接合面32Aの各角部32B近傍に塗布される接着剤Uが点状に形成されるとともに、1点の平面形状が略円形とされている。さらに、1つの角部32Bには、上記点状の接着剤Uが略正方形を形成するように4箇所塗布されており、これによって、略円形形状の接着剤パターンが構成されている。
また、図19(B)に示すように、記録ヘッドユニット62では、接合面62Aの各角部62B近傍に塗布される接着剤Uがそれぞれ点状に形成されるとともに、1点の平面形状が略円形とされており、ここでは、この点状の接着剤Uが1つの角部62Bに1箇所塗布されている。
これにより、本実施形態では、接着剤Uを点状に形成(点塗布)することで接着剤塗布量が減少され、1点の平面形状が略円形であることとの相乗効果によって、形状の非対称性による接着剤Uの硬化収縮に伴う記録ヘッドユニット32、62の位置ずれやノズル面の傾きの抑制効果が高められる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、図20(A)に示すように、記録ヘッドユニット32では、接合面32Aの各角部32B近傍を含む周縁全周に、点状の接着剤Uが周縁(4辺)に沿って多数塗布されている。図20(B)に示すように、記録ヘッドユニット62においても、接合面62Aの各角部62B近傍を含む周縁のうちの3辺に、点状の接着剤Uが各辺に沿って多数塗布されている。また、これら接合面32A、62Aの周縁に沿って設ける点状の接着剤Uは、要求される接合強度等の条件に応じて、各辺において一列又は複数列に並べて配置することができ(図20(A)参照)、さらに、塗布間隔や塗布数も変更することができる(図20(B)参照)。
このように、本実施形態では、接着剤Uを、接合面32A、62Aにおける周縁の端部(角部32B、62B)近傍を含む少なくとも2辺に沿って設け、実質的に多数の点状に形成していることにより、例えば、第3実施形態の塗布パターン等に比べて高い接合強度が得られるとともに、接着剤の少量化、及び、点状接着剤の間隔の短縮化によって、記録ヘッドユニット32、62の位置ずれを抑制することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、図21(A)に示すように、記録ヘッドユニット32では、接合面32Aの周縁における長手方向(紙幅方向Y)に沿った一対の長辺部32Cに、点状の接着剤Uが多数塗布されており、これら点状の接着剤Uによって一対の接着剤パターンが設けられている。各接着剤パターンでは、点状の接着剤Uが、長辺部32Cの端部(角部32B)近傍を含むとともに辺縁に沿って直線状に2列設けられている。さらに、この一対の接着剤パターンは、すなわち、各接着剤パターンを構成する個々の点状接着剤Uは、記録ヘッドユニット32の重心G1に対して略点対称位置に配置されている。
図21(B)に示すように、記録ヘッドユニット62では、接合面62Aの周縁全周に、すなわち、紙幅方向Yに沿った一方の一対の辺部62Cと、紙送り方向Xに対して傾斜した他方の一対の辺部62Dとに、点状の接着剤Uが多数塗布されており、これら点状の接着剤Uによって二対の接着剤パターンが設けられている。一方の辺部62Cに設けられた各接着剤パターンでは、点状の接着剤Uが、辺部62Cの端部(角部62B)近傍を含むとともに辺縁に沿って直線状に2列設けられている。また、他方の辺部62Dに設けられた各接着剤パターンでは、点状の接着剤Uが、辺部62Dに沿って直線状に1列設けられている。さらに、この二対の接着剤パターンの各対は、すなわち、各対の接着剤パターンを構成する個々の点状接着剤Uは、記録ヘッドユニット62の重心G2に対して略点対称位置に配置されている。
また、図21(C)に、本実施形態の記録ヘッドユニット62に塗布する接着剤パターンの変形例を示す。図21(C)に示すように、この変形例では、接合面62Aの周縁における紙幅方向Yに沿った一対の辺部62Cのみに、点状の接着剤Uが5箇所ずつ塗布されており、これら点状の接着剤Uによって一対の接着剤パターンが設けられている。各接着剤パターンでは、点状の接着剤Uが、辺部62Cの端部(角部62B)近傍を含むとともに辺縁に沿って1列設けられている。さらに、この一対の接着剤パターン(個々の点状接着剤U)についても、記録ヘッドユニット62の重心G2に対して略点対称位置に配置されている。
このように、本実施形態では、接着剤Uを記録ヘッドユニット32、62の重心(G1/G2)に対して略点対称位置に設けることにより、すなわち、重心を中心として略均等に配分したパターンを形成することにより、高い接合強度を確保しつつユニットの位置ずれを抑制することができ、特に、ノズル64がマトリックス状に配列された大型の記録ヘッドユニット62であっても、上記の接着剤パターンによって位置ずれを効果的に抑制することができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態は、上述の記録ヘッドユニット32、62において、接合面に、UV硬化型接着剤に加えて常温硬化型接着剤を設けることにより、接合固定部を補強するものであり、以下、その2種類の接着剤の各パターンについて説明する。
図22(A)に示すように、記録ヘッドユニット32では、接合面32Aにおける一対の長辺部32Cの各々に、点状に形成したUV硬化型の接着剤Uが辺縁に沿って直線状に1列設けられている。また、長辺部32Cの端縁部となる接着剤Uの外側には、接着剤Uから少し離間して常温硬化型の接着剤Vが一様に塗布されている。さらにこの接着剤Vは、長辺部32Cの端部となる接合面32Aの角部32Bから短辺部32Dの途中まで連続的に設けられている。
一方、図22(B)に示すように、記録ヘッドユニット62では、接合面62Aにおける一対の辺部62Cの各々に、点状に形成したUV硬化型の接着剤Uが辺縁に沿って直線状に1列設けられている。また、辺部62Cの端縁部となる接着剤Uの外側には、接着剤Uから少し離間して常温硬化型の接着剤Vが一様に塗布されており、この接着剤Vは、辺部62Cの端部となる接合面62Aの角部62Bまで及んでいる。
また、図22(C)及び(D)に、本実施形態の記録ヘッドユニット62に塗布する常温硬化型接着剤の塗布パターンの変形例を示す。
図22(C)に示す変形例では、接合面62Aにおける辺部62Cの端縁部に塗布した常温硬化型の接着剤Vが、点状とされたUV硬化型の各接着剤Uの周囲に及んで、接着剤Uをコ字状に囲むパターンとされている。
また、図22(D)に示す変形例では、図22(A)に示した接着剤パターンに加え、接着剤Uの内側にも、接着剤Uから少し離間して常温硬化型の接着剤Vが直線状に一様に塗布されている。
これら2種類の接着剤U、Vの塗布については、前述の製造方法において、接合工程前に、先に接着剤Uを塗布し、次に、接合面32A、62Aにおける接着剤Uの上記近傍に、接着剤Uの塗布パターンを崩さないように接着剤Vを塗布し、その塗布工程後に接合工程を行う。
このように、本実施形態では、長尺基板40、41と記録ヘッドユニット32、62とが接合固定される接合固定部において、UV硬化型の接着剤Uからなる主固定部が、常温硬化型の接着剤Vからなる補強部によって補強されるため、接合強度(固定強度)が高められる。
また、このような補強に用いる接着剤Vを常温硬化型とすることにより、接着剤Vの熱歪に伴う記録ヘッドユニット32、62の位置ずれを抑制した補強を行うことができる。
また、本実施形態の製造方法では、長尺基板40、41と記録ヘッドユニット32、62とを接合する前に、記録ヘッドユニット32、62の接合面32A、62Aへの2種類の接着剤U、Vの塗布が完了する。これにより、前述のアライメント接合装置を用いる場合に、接合工程では、前工程で予め接着剤U、Vが塗布された記録ヘッドユニット32、62と、長尺基板40、41とを装置にセットし、それらを装置上で接合し、UV硬化型の接着剤Uを硬化させるだけとなり、接着剤塗布から接合固定までの装置占有時間が短縮されて、生産性の向上や設備投資の削減を図ることができる。
第7〜第11の実施形態は、第2実施形態の記録ヘッドユニット62の製造方法において、接着剤硬化工程の硬化処理に関するものであり、以下、その製造方法における硬化処理について説明する。
(第7の実施形態)
第7の実施形態は、図23に示すように、記録ヘッドユニット62の接合面62Aには、点状の接着剤Uが、紙幅方向Yに沿った辺部62Cにその端部(角部62B)近傍を含むとともに辺縁に沿って直線状に2列塗布されている。
このような接着剤パターンを備える記録ヘッドユニット62に対し、本実施形態の製造方法では、接着剤塗布工程で、接合面62Aに上記パターンの接着剤Uを塗布し、接合工程で、長尺基板41(スペーサー部材43)と記録ヘッドユニット62を接合する。そして、接着剤硬化工程で、初めに、図23(A)に示すように、辺部62Cの端部近傍に配置された2箇所の接着剤UAに硬化処理(UV光照射)を施して略同時に硬化させ、その2箇所の接着剤UAの硬化後に、図23(B)に示すように、残りの(未硬化)の接着剤UBに硬化処理を施して硬化させる。なお、この未硬化領域の接着剤UBについては、更に分割しての硬化処理を行うようにしてもよい。
これにより、接合面62Aにおける辺部62Cの各端部を結ぶ方向(紙幅方向Y)での記録ヘッドユニット62の位置ずれが抑えられて、位置ずれを効果的に抑制することができる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態は、図24に示すように、記録ヘッドユニット62の接合面62Aには、点状の接着剤Uが、紙幅方向Yに沿った一対の辺部62Cに、それぞれの端部(角部62B)近傍を含むとともに辺縁に沿って直線状に2列ずつ塗布されている。
このような接着剤パターンを備える記録ヘッドユニット62に対し、本実施形態の製造方法では、接着剤塗布工程で、接合面62Aに上記パターンの接着剤Uを塗布し、接合工程で、長尺基板41(スペーサー部材43)と記録ヘッドユニット62を接合した後に、接着剤硬化工程で、記録ヘッドユニット62の重心G2に対して略点対称位置となる2箇所の接着剤U(UH)に硬化処理を施して硬化させる。ここでは、図24に示すように、一対の辺部62Cに塗布された点状の各接着剤Uは、全て重心G2に対して略点対称位置であり、これら一対(2箇所)の端部(角部62B)および辺部62Cの接着剤UHに硬化処理を施して略同時に硬化させる。このように、本実施形態では、記録ヘッドユニット62の重心G2を中心とする略点対称位置の2箇所に設けられた接着剤UHの全てに硬化処理を施して略同時に硬化させることにより、接着剤パターンの硬化に伴う記録ヘッドユニット62の位置ずれ、特に記録ヘッドユニット62のX方向(紙送り方向X)の位置ずれを抑制することができる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態は、第8の実施形態の接着剤パターンに対する硬化処理の変形例である。
本実施形態の製造方法では、図25に示すように、第8の実施形態の接着剤パターンを備える記録ヘッドユニット62に対し、接着剤塗布工程で、接合面62Aに上記パターンの接着剤Uを塗布し、接合工程で、長尺基板41(スペーサー部材43)と記録ヘッドユニット62を接合した後に、接着剤硬化工程で、接着剤Uを、記録ヘッドユニット62の重心G2に対して略点対称位置となる2箇所毎に硬化処理を施して順次硬化させる。ここでは、初めに、図25(A)に示すように、一対の辺部62Cの端部のうち、重心G2に対して略点対称位置となり、且つ、互いの間隔が大きい方の各端部に配置された2箇所の接着剤UCに硬化処理を施して略同時に硬化させ、その2箇所の接着剤UCの硬化後に、図25(B)に示すように、一対の辺部62Cの端部のうち、重心G2に対して略点対称位置となり、且つ、互いの間隔が小さい方の各端部に配置された2箇所の接着剤UDに硬化処理を施して略同時に硬化させる。最後に、図25(C)に示すように、残りの(未硬化)の接着剤UEに硬化処理を施して硬化させる。なお、この未硬化領域の接着剤UEについても、更に分割した硬化処理を施すようにしてもよく、その場合も、重心G2に対して略点対称位置となる2箇所毎に硬化処理を施すようにしてもよい。
このように、本実施形態では、記録ヘッドユニット62の重心G2を中心とする略点対称位置の2箇所に設けられた接着剤UCに初めに硬化処理を施して略同時に硬化させることにより、接着剤パターンの硬化に伴う記録ヘッドユニット62の位置ずれ、特に記録ヘッドユニット62の重心G2を中心とした回転方向の位置ずれを抑制することができる。さらに、残りの(未硬化)の接着剤Uに対しても同様に、重心G2に対して略点対称位置となる2箇所毎(接着剤UD、UE)に硬化処理を施して順次硬化させることにより、その未硬化接着剤の硬化に伴う記録ヘッドユニット62の重心G2を中心とした回転方向の位置ずれを効果的に抑制することができる。
(第10の実施形態)
第10の実施形態も、第8の実施形態の接着剤パターンに対する硬化処理の変形例である。
本実施形態の製造方法では、図26に示すように、第8の実施形態の接着剤パターンを備える記録ヘッドユニット62に対し、接着剤硬化工程で、初めに、図26(A)に示すように、記録ヘッドユニット62の重心G2に対して略点対称位置となる、一対の辺部62Cの各端部に配置された4箇所の接着剤UFに硬化処理を施して略同時に硬化させ、その4箇所の接着剤UFの硬化後に、図26(B)に示すように、残りの(未硬化)の接着剤UGに硬化処理を施して硬化させる。なお、この未硬化領域の接着剤UGについても、更に分割した硬化処理を施すようにしてもよく、その場合も、重心G2に対して略点対称位置となる箇所毎に硬化処理を施すようにしてもよい。
このように、本実施形態では、記録ヘッドユニット62の接合面62Aにおける周縁の各端部(角部62B)近傍で、且つ、記録ヘッドユニット62の重心G2を中心とする略点対称位置の4箇所に配置された接着剤UFに初めに硬化処理を施して略同時に硬化させることにより、接合面62Aにおける辺部62Cの各端部を結ぶ方向(紙幅方向Y)及びその直交方向(紙送り方向X)での位置ずれと、重心G2を中心とした回転方向の位置ずれを共に効果的に抑制することができる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態は、第8の実施形態の接着剤パターンと第10の実施形態の硬化処理との組み合わせに対し、第6の実施形態で説明した常温硬化型接着剤による接合固定部の補強を行った変形例である。
本実施形態では、図27に示すように、記録ヘッドユニット62の接合面62Aに、第8の実施形態で説明したパターンでUV硬化型の接着剤Uが塗布され、更に、各辺部62Cの端縁部(接着剤Uの外側)に、常温硬化型の接着剤Vが塗布されている。
このように2種類の接着剤を設けた記録ヘッドユニット62に対し、本実施形態の製造方法では、接着剤塗布工程で、接合面62Aに上記パターンの接着剤Uを塗布した後に、接着剤Uの塗布パターンを崩さないように接着剤Vを塗布し(図27(A)参照)、その接着剤塗布工程後に接合工程を行う。続く、接着剤硬化工程では、アライメント装置上で、第10の実施形態で説明した硬化処理によって接着剤Uを硬化させ(図27(B)、(C)参照)、接着剤Uの硬化後に、アライメント装置から記録ヘッドユニット62を取り外して、接着剤Vを常温下で硬化させる。
これにより、本実施形態では、アライメント装置上で、接着剤Uに第10の実施形態で説明した硬化処理が施されることにより、記録ヘッドユニット62のX−Y方向及び回転方向の位置ずれが抑制され、更に、接合固定部が常温硬化型の接着剤Vよって補強され、接合強度が高められる。
また、この製造方法では、長尺基板41に取り付けられたスペーサー部材43と記録ヘッドユニット62を接合する前に、接合面62Aへの接着剤U、Vの塗布が完了するため、接合工程では、前工程で予め接着剤U、Vが塗布された記録ヘッドユニット62と、スペーサー部材43が取り付けられた長尺基板41とをアライメント接合装置にセットし、それらを装置上で接合させ、接着剤Uを硬化させるだけとなる。これにより、接着剤塗布から接合固定までの装置占有時間が短縮され、生産性の向上や設備投資の削減を図ることができる。
(第12の実施形態)
第12の実施形態は、第8の実施形態の接着剤パターンと第10の実施形態の硬化処理との組み合わせに対し、第11の実施形態とは異なる方法で常温硬化型接着剤を塗布し、接合固定部を補強する変形例である。
本実施形態の製造方法では、図28(A)、(B)に示すように、第8の実施形態の塗布パターンで接着剤Uが接合面62Aに塗布された記録ヘッドユニット62に対し、第10の実施形態で説明した硬化処理を施して、接着剤Uを硬化させる。このUV硬化型接着剤の硬化工程後に、アライメント装置から記録ヘッドユニット62を取り外し、記録ヘッドユニット62とスペーサー部材43の隙間から、図28(C)に示すように、接合面62Aにおける各辺部62Cの端縁部(接着剤Uの外側)に、常温硬化型の接着剤Vを注入して塗布し、常温下で硬化させる。
このように、本実施形態では、UV硬化型の接着剤Uを用いた長尺基板41(スペーサー部材43)と記録ヘッドユニット62の接合固定後に、接合面62Aに常温硬化型の接着剤Vを塗布することで、接合固定部を補強する。この場合、アライメント接合装置を用いる接合工程及び接着剤Uの硬化工程後に、装置からインクジェット記録ヘッド60を取り外して接着剤Vを塗布することができるため、この製造方法によっても、接合固定から補強に掛かる装置占有時間を短縮又は削除することができて、生産性向上や設備投資削減などの効果が得られる。またこの場合は、接着剤Vの塗布によって、硬化済みの接着剤Uが形状変化するなどの影響を受けないため、接着剤Uは、接着剤Vに対する塗布位置や形状等を考慮することなく塗布できるようになる。これにより、接着剤Uの塗布パターンの自由度が高まり、記録ヘッドユニット62の重心位置や接合面形状等の応じた位置ずれ抑制効果の高い塗布パターンを選択できるようになる。
(第13の実施形態)
第13の実施形態は、第1の実施形態で説明したノズル54がライン状に形成された記録ヘッドユニット32を、長尺基板に対してスペーサー部材を介さずに直接、接合固定して構成されたインクジェット記録ヘッドに関するものであり、以下、その第13の実施形態のインクジェット記録ヘッドについて説明する。
図29及び図30に示すように、本実施形態のインクジェット記録ヘッド70は、透明樹脂材料により形成されて紙幅方向Yに長尺とされた長尺基板40と、その長尺基板40に接合固定された複数の記録ヘッドユニット32を備えており、第1実施形態のインクジェット記録ヘッド30と同様に長尺ヘッド(FWAヘッド)として構成されている。
そして各記録ヘッドユニット32は、接着剤Uによって長尺基板40に直接、接合固定されており(図31及び32参照)、これにより、複数の記録ヘッドユニット32が長尺基板40に保持されたインクジェット記録ヘッド70が構成されている。また、記録ヘッドユニット32と長尺基板40の接合固定において、接着剤の種類、塗布位置、及び硬化処理方法は、上述した第1〜第12の実施形態で説明した方法がすべて適用可能であり、ここでは、その詳細説明を省略する。
このように、長尺基板40に対して記録ヘッドユニット32が直接、接合固定されて保持された本実施形態のインクジェット記録ヘッド70においても、第1〜第12の実施形態で説明した製造方法によって、記録ヘッドユニット32の接合強度は確保されつつ接着剤量が減少され、接着剤Uの硬化収縮に伴う各々位置決めした各記録ヘッドユニット32の位置ずれ、各記録ヘッドユニット32の長尺基板40に対する位置ずれやノズル面52Aの傾きが抑えられて、高精度に位置決め固定することができる。
以上、本発明を上述した第1〜第13の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の形態が実施可能である。
上述の実施形態においては、フルカラー画像を記録する為に、YMCKの各色に対応して、インクジェット記録ヘッド30を少なくとも4つ配置される例について説明したが、本発明のインクジェット記録ヘッドは、これに限定されない。
例えば、1つの長尺基板40に対し、紙幅方向Yと紙送り方向Xへ2次元配列させた複数の記録ヘッドユニット32へ、紙幅方向Y方向に配列させた複数の記録ヘッドユニットの列毎に各々YMCKの各色を対応させ、記録ヘッドユニット32C、32M、32Y、32K、とすることにも適用できる。(図33参照)。
また、上述の実施形態においては、紙幅対応のFWAの例について説明したが、本発明のインクジェット記録ヘッドは、これに限定されず、主走査機構と副走査機構を有するPartial Width Array(PWA)の装置にも適用することができる。
その他、上記実施例のインクジェット記録装置10では、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクジェット記録ヘッド30、60、70から画像データに基づいて選択的にインク滴が吐出されてフルカラーの画像が用紙Pに記録されるようになっているが、本発明におけるインクジェット記録は、用紙P上への文字や画像の記録に限定されるものではない。
すなわち、記録媒体は紙に限定されるものでなく、また、吐出する液体もインクに限定されるものではない。例えば、高分子フィルムやガラス上にインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルターを作成したり、溶接状態の半田を基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成するなど、工業的に用いられる液滴吐出(噴射)装置全般に対して、本発明に係るインクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)を適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの斜視図である。 図2のインクジェット記録ヘッドの(A)は正面図、(B)は下面図である。 図2のインクジェット記録ヘッドによる印字領域を示す図である。 図2のインクジェット記録ヘッドのスペーサー部材の取り付け部分の構成を示す上面図である。 図2のインクジェット記録ヘッドの記録ヘッドユニットの取り付け部分の構成を示す(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを製造する工程(A)、(B)を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを製造する工程(C)、(D)を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを製造する工程の変形例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドのメンテナンス時におけるキャップとの位置関係を示す側面図である。 本発明の適用された他の実施形態のインクジェット記録ヘッドのメンテナンス時におけるキャップとの位置関係を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの変形例を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの他の変形例を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドのスペーサー部材の取り付け部分の他の構成を示す上面図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドにおけるスペーサー部材の変形例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 UV硬化型接着剤による照射エネルギーや接着剤の塗布パターンと、記録ヘッドユニットの位置ずれ量や接着強度の関係を示すグラフ図である。 本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの(A)は正面図、(B)は下面図である。 本発明の第2の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 本発明の第3の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 本発明の第5の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 本発明の第6の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 本発明の第7の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 本発明の第8の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 本発明の第9の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 本発明の第10の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 本発明の第11の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 本発明の第12の実施形態に係る記録ヘッドユニットの接合面に塗布された接着剤パターンを示す上面図である。 本発明の第13の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの斜視図である。 図29のインクジェット記録ヘッドの(A)は正面図、(B)は下面図である。 図29のインクジェット記録ヘッドの記録ヘッドユニットの取り付け部分の構成を示す上面図である。 図26のインクジェット記録ヘッドの記録ヘッドユニットの取り付け部分の構成を示す(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの長尺基板、及び記録ヘッドユニットの配列の変形例を示す下面図である。
符号の説明
10 インクジェット記録装置(液滴吐出装置)
30 インクジェット記録ヘッド(構造体)
32 記録ヘッドユニット(構成ユニット)
32A 接合面
32B 角部
32C 長辺部
32D 短辺部
40、41 長尺基板(ベース基板)
42、43 スペーサー部材
60 インクジェット記録ヘッド(構造体)
62 記録ヘッドユニット(構成ユニット)
62A 接合面
62B 角部
62C 辺部
62D 辺部
70 インクジェット記録ヘッド(構造体)
G1、G2 重心
U 接着剤(第1の接着剤/光硬化型接着剤)
V 接着剤(第2の接着剤/常温硬化型接着剤)

Claims (17)

  1. ベース基板に構成ユニットが第1の接着剤により接合固定されて保持された構造体において、
    前記第1の接着剤は、少なくとも前記構成ユニットの接合面における周縁の端部近傍に設けられていることを特徴とする構造体。
  2. ベース基板に対して着脱可能とされたスペーサー部材を備えるとともに、そのスペーサー部材に構成ユニットが接合固定されることによりスペーサー部材を介して前記ベース基板に保持された構造体において、
    前記第1の接着剤は、少なくとも前記構成ユニットの接合面における周縁の端部近傍に設けられていることを特徴とする構造体。
  3. 前記第1の接着剤は、点状に形成されるとともに1点の平面形状が略円形であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の構造体。
  4. 前記第1の接着剤は、前記接合面における周縁の端部近傍を含む少なくとも2辺に沿って設けられ、実質的に多数の点状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の構造体。
  5. 前記第1の接着剤は、前記構成ユニットの重心に対して略点対称位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項記載の構造体。
  6. 前記第1の接着剤は、光硬化型接着剤であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項記載の構造体。
  7. 前記接合面における前記第1の接着剤の近傍に第2の接着剤を設け、
    前記ベース基板と前記構成ユニットの接合固定部が、前記第1の接着剤による主固定部と、前記第2の接着剤による補強部とにより構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項記載の構造体。
  8. 前記第2の接着剤は、前記第1の接着剤とは異なる材料からなる常温硬化型接着剤であることを特徴とする請求項7記載の構造体。
  9. 前記構成ユニットは、ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドユニットであることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項記載の構造体。
  10. 前記液滴吐出ヘッドユニットを保持する、又は、液滴吐出ヘッドユニットを前記スペーサー部材を介して保持する前記ベース基板は長尺基板であり、その長尺基板に保持された液滴吐出ヘッドユニットを複数備える長尺状の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする請求項9記載の構造体。
  11. 請求項1〜請求項10の何れか1項記載の構造体を製造する構造体の製造方法であって、
    少なくとも前記構成ユニットの接合面における周縁の複数箇所の端部近傍に前記第1の接着剤を塗布する第1の接着剤塗布工程と、
    前記第1の接着剤塗布工程後に、前記ベース基板又はベース基板に取り付けられた前記スペーサー部材と前記構成ユニットを接合する接合工程と、
    前記接合工程後に、前記構成ユニットの接合面における複数箇所の端部近傍に塗布された前記第1の接着剤のうち、初めに少なくとも2箇所に硬化処理を施して略同時に硬化させて前記ベース基板又は前記スペーサー部材と前記構成ユニットを接合固定する第1の接着剤硬化工程と、
    を有することを特徴とする構造体の製造方法。
  12. 前記第1の接着剤硬化工程では、前記構成ユニットの重心に対して略点対称位置となる2箇所に設けられた第1の接着剤を硬化させることを特徴とする請求項11記載の構造体の製造方法。
  13. 前記第1の接着剤硬化工程後に、未硬化の第1の接着剤を、前記構成ユニットの重心に対して略点対称位置となる2箇所毎に硬化処理を施して順次硬化させる第2の接着剤硬化工程を有することを特徴とする請求項12記載の構造体の製造方法。
  14. 前記接合工程前に、前記接合面における第1の接着剤の近傍に、第1の接着剤の塗布状態を崩さないように前記第2の接着剤を塗布する第2の接着剤塗布工程を有し、
    前記第2の接着剤塗布工程後に、前記接合工程を行うことを特徴とする請求項11〜請求項13の何れか1項記載の構造体の製造方法。
  15. 前記第1の接着剤硬化工程後に、前記接合面における前記第1の接着剤の近傍に前記第2の接着剤を塗布する第2の接着剤塗布工程を有することを特徴とする請求項11〜請求項13の何れか1項記載の構造体の製造方法。
  16. 請求項9又は請求項10記載の構造体を備えることを特徴とする液滴吐出装置。
  17. 前記構造体が請求項11〜請求項15の何れか1項記載の製造方法によって製造されていることを特徴とする請求項16記載の液滴吐出装置。
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