JP2010136137A - 受信装置および方法、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】非同調型のシリコンチューナにおいて、中間周波信号の歪みを抑制する。
【解決手段】複数のチューナ132は、AGC電圧信号に応じた利得で、入力された入力信号を増幅または減衰する可変利得増幅器151を有し、AGC電圧選択部137は、複数のチューナ132のそれぞれに入力される入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、入力信号の信号レベルに応じて可変利得増幅器151の利得を低減するようにAGC電圧信号を生成し、複数のチューナ132それぞれにおける可変利得増幅器151は、複数のチューナ132のそれぞれに入力される入力信号のいずれかが、所定の信号レベルより高い場合に、AGC電圧選択部137によって生成されたAGC電圧信号に応じた利得で入力信号を増幅する。本発明は、例えば、アナログ放送とデジタル放送とを受信するテレビジョン受像機に適用することができる。
【選択図】図4
【解決手段】複数のチューナ132は、AGC電圧信号に応じた利得で、入力された入力信号を増幅または減衰する可変利得増幅器151を有し、AGC電圧選択部137は、複数のチューナ132のそれぞれに入力される入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、入力信号の信号レベルに応じて可変利得増幅器151の利得を低減するようにAGC電圧信号を生成し、複数のチューナ132それぞれにおける可変利得増幅器151は、複数のチューナ132のそれぞれに入力される入力信号のいずれかが、所定の信号レベルより高い場合に、AGC電圧選択部137によって生成されたAGC電圧信号に応じた利得で入力信号を増幅する。本発明は、例えば、アナログ放送とデジタル放送とを受信するテレビジョン受像機に適用することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、受信装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、中間周波信号の歪みを抑制することができるようにする受信装置および方法、並びにプログラムに関する。
テレビジョン受像機は、複数の放送局(チャンネル)のうちの選局された放送局から送信されてくるテレビジョン信号を受信するチューナを備えている。
図1は、従来のテレビジョン受像機のチューナの構成例を示している。
図1のチューナ31は、アナログテレビジョン信号およびデジタルテレビジョン信号を受信し、図示せぬ復調部に供給する。なお、以降、アナログテレビジョン信号およびデジタルテレビジョン信号を併せて、単にテレビジョン信号ともいう。
図1のチューナ31は、入力同調回路51、可変利得増幅器52、段間同調回路53、ミキサ54、局部発振器55、PLL(Phase Locked Loop)回路56、第1中間周波増幅器57、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ58、第2中間周波増幅器59、検波部60、およびオペアンプ61から構成される。
入力同調回路51は、受信すべきチャンネルのテレビジョン信号(以下、希望波という)の周波数に同調するように、同調周波数を制御する。入力同調回路51は、単同調回路で構成されており、その同調特性は、比較的緩やかである。可変利得増幅器52は、入力同調回路51からのテレビジョン信号を、オペアンプ61からのAGC(Automatic Gain Control)電圧に応じた利得で増幅する。段間同調回路53は、入力同調回路51と同様に、受信すべきチャンネルのテレビジョン信号(希望波)の周波数に同調するように、同調周波数を制御する。段間同調回路53は、複同調回路で構成されており、その同調特性は、入力同調回路51のものより、選択度が高く、妨害波(受信すべきチャンネル以外のテレビジョン信号)の排除特性に優れている。ミキサ54は、段間同調回路53からのテレビジョン信号と、局部発振器55から供給される所定の周波数の局部発振信号とを乗算することで、受信したテレビジョン信号を周波数変換し、中間周波信号(IF(Intermediate Frequency)信号)を生成する。局部発振器55は、PLL回路56より出力されるバリキャップ制御電圧により発振周波数が制御されて、所定の周波数の局部発振信号をミキサ54に供給する。
このような構成により、受信したテレビジョン信号は、IF信号に周波数変換されるが、通常は同調回路があるため、妨害波は排除(減衰)され、希望波のみが所定の中間周波数の帯域内のIF信号に変換される。妨害波は、入力同調回路51および段間同調回路53の同調特性によって減衰するため、周波数変換された妨害波の信号(妨害波によるIF信号)レベルは、希望波のIF信号の信号レベルより低くなる。
第1中間周波増幅器57は、ミキサ54からのIF信号を所定の比率で増幅する。SAWフィルタ58は、第1中間周波増幅器57からのIF信号の、中間周波数の帯域の信号のみを通過させ、それ以外の帯域の信号を減衰する。第2中間周波増幅器59は、SAWフィルタ58からのIF信号を所定の比率で増幅し、図示せぬ復調部に供給する。
このような構成により、SAWフィルタ58から出力されるIF信号のうち、妨害波のIF信号の信号レベルは、希望波のIF信号の信号レベルと比較して低くなる。
検波部60は、SAWフィルタ58から出力されるIF信号において、妨害波によるIF信号を除いた希望波によるIF信号のみ検波し、その結果を、AGC電圧として、オペアンプ61を介して、可変利得増幅器52に供給する。オペアンプ61は、検波部60からのAGC電圧の信号レベルを所定の信号レベルに変換し、可変利得増幅器52に供給する。
このような構成により、可変利得増幅器52において、受信したテレビジョン信号の利得が制御されるので、第2中間周波増幅器59からは、受信すべきチャンネルのテレビジョン信号(希望波)に対応するIF信号が、ほぼ一定のレベルで出力されるようになる。
ところで、近年、半導体技術の進歩に伴い、シリコンチューナと呼ばれるチューナが開発されている。このシリコンチューナは、上述した従来のチューナと異なり、同調回路を備えない非同調型のチューナである。同調回路を設けないことで、集積回路(IC(Integrated Circuit))にチューナの機能を集積しやすくするとともに、外付け部品の点数を減らし、調整を不要にすることが可能となる。また、シリコンチューナにおいては、中間周波数を、従来の数十MHzから数MHzにまで下げることができ、後段の信号処理を軽減することができる(例えば、非特許文献1参照)。
図2は、Low-IF型のシリコンチューナの構成例を示している。
図2のチューナ71は、可変利得増幅器91、ミキサ92、局部発振器93、PLL回路94、第1中間周波増幅器95、BPF(Band Pass Filter)96、第2中間周波増幅器97、検波部98、およびオペアンプ99から構成される。なお、可変利得増幅器91、ミキサ92、局部発振器93、PLL回路94、第1中間周波増幅器95、第2中間周波増幅器97、およびオペアンプ99は、図1のチューナ31に設けられた可変利得増幅器52、ミキサ54、局部発振器55、PLL回路56、第1中間周波増幅器57、第2中間周波増幅器59、検波部60、およびオペアンプ61とそれぞれ同様の機能を備えるので、その説明は省略する。
BPF96は、中間周波数帯域を通過帯域として、第1中間周波増幅器95からのIF信号を通過させる。検波部98は、可変利得増幅器91から出力されるテレビジョン信号を検波し、その結果を、AGC電圧として、オペアンプ99を介して、可変利得増幅器91に供給する。
図2のチューナ71においては、図1のチューナ31と異なり、同調回路が設けられていないので、不要な信号成分(妨害波)を排除することができない。これにより、可変利得増幅部91およびミキサ92に入力される信号の数は増え、また、信号レベルが高くなり、後段の回路において歪みが発生しやすくなる。
このため、図2のチューナ71において、検波部98に可変利得増幅器91から出力される全てのテレビジョン信号(希望波、妨害波)が供給されると、検波部98は、この全てのテレビジョン信号(希望波、妨害波)を検波し、その結果を、AGC電圧として出力する。このときのAGC電圧は、希望波および妨害波の全てのテレビジョン信号を合わせた信号レベルを示すことになる。しかしながら、実際には、検波部98は、全ての周波数帯域のテレビジョン信号を検波することはできず、所定の周波数帯域(検波可能周波数帯域、±100MHz程度)のテレビジョン信号のみを検波するにとどまる。これは、チューナ72が受信できる周波数帯域幅に比べて、AGC電圧を発生させる検波部98の検波可能帯域幅が狭いためである。
"CXA3746ER 高受信感度と耐妨害性能に優れたシリコンチューナIC"、[online]、[平成20年9月19日検索]、インターネット<http://www.sony.co.jp/Products/SC-HP/cx_pal/vol76/pdf/cxa3746er.pdf>
ところで、デジタルテレビジョン信号は、既存のアナログテレビジョン信号のチャンネル以外のチャンネルを利用して送信されるが、デジタルテレビジョン信号の信号レベルは、アナログテレビジョン信号の信号レベルよりも35dB乃至45dB程度低くなることがある。
このような状態において、非同調型のシリコンチューナで、希望波としてのデジタルテレビジョン信号と、妨害波としての信号レベルの高いアナログテレビジョン信号とを同時に受信する場合、この妨害波が検波可能周波数帯域内にあるときには、妨害波(アナログテレビジョン信号)の信号レベルに応じたAGC電圧に基づいて、可変利得増幅部91の利得が制御され、ミキサ92において歪みが発生しない信号レベルの信号が、ミキサ92に供給される。
一方、妨害波としての、信号レベルの高い電界強度の強いアナログテレビジョン信号が検波可能周波数帯域外にあるときには、検波可能周波数帯域外に大きな妨害波があることが検知されず、希望波としてのデジタルテレビジョン信号に応じた(低い入力信号レベルに応じた)AGC電圧が出力される。その結果、可変利得増幅部91は、受信したアナログテレビジョン信号(妨害波)の信号レベルに適応しないAGC電圧に基づいて最大限に増幅したアナログテレビジョン信号(妨害波)を、ミキサ92に供給する。ミキサ92は、可変利得増幅部91から供給されたアナログテレビジョン信号の信号レベルが高すぎて、不要な歪み成分を中間周波数帯域内に発生させて、受信不能状態に陥ってしまう。また、可変利得増幅部91においては、大振幅の信号により出力が飽和すると、振幅が大きくなり、増幅度が低下し始めるように見える、いわゆるゲインコンプレッションが発生する。その結果、受信すべきデジタルテレビジョン信号が十分に増幅できないことがあった。
そこで、受信されるテレビジョン信号の信号レベルの低い段階から、その信号レベルに応じたAGC電圧を出力するようにすることも考えられるが、この場合、受信すべきテレビジョン信号のチャンネルのIF信号のS/N(Signal to Noise)比が低下してしまう。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、非同調型のシリコンチューナにおいて、中間周波信号の歪みを抑制できるようにするものである。
本発明の一側面の受信装置は、AGC(Automatic Gain Control)信号に応じた利得で、入力された入力信号を増幅または減衰する増幅/減衰部を有する複数の受信手段と、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記入力信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成する生成手段とを備え、前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部は、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号のいずれかが、所定の信号レベルより高い場合に、前記生成手段によって生成された前記AGC信号に応じた利得で、前記入力信号を増幅または減衰する。
前記受信手段のそれぞれには、前記入力信号を検波し、前記入力信号の信号レベルに応じた検波信号を生成する検波部をさらに設け、前記生成手段には、前記受信手段のそれぞれにおいて生成される前記検波信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記検波信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成させ、前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部には、前記受信手段のそれぞれにおいて生成される前記検波信号のいずれかが、前記所定の信号レベルより高い場合に、前記生成手段によって生成された前記AGC信号に応じた利得で、前記入力信号を増幅または減衰させることができる。
前記生成手段には、前記受信手段のそれぞれにおいて生成される前記検波信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記検波信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成して、前記AGC信号のうち、最大の信号レベルの前記検波信号に対応する前記AGC信号を選択させ、前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部には、前記生成手段によって選択された前記AGC信号に応じた利得で、前記入力信号を増幅または減衰させることができる。
前記受信手段それぞれにおける前記検波部には、それぞれ異なる周波数帯域の前記入力信号を検波させることができる。
前記受信手段のそれぞれには、受信すべき入力信号である希望信号と、受信すべき入力信号でない妨害信号とが入力され、前記生成手段には、前記妨害信号の信号レベルが、前記希望信号の信号レベルより高い場合に、前記妨害信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成させ、前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部には、前記妨害信号の信号レベルが、前記希望信号の信号レベルより高い場合に、前記生成手段によって生成された前記AGC信号に応じた利得で、前記希望信号および前記妨害信号を増幅または減衰させることができる。
前記受信手段のそれぞれには、前記受信手段それぞれに入力される前記入力信号の信号レベルが、所定の信号レベルより低い場合に、前記入力信号に対応する前記AGC信号を生成し調整する調整部をさらに設け、前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部には、前記調整部によって調整された前記AGC信号に応じた利得で前記入力信号を増幅させることができる。
前記受信手段のそれぞれには、前記増幅/減衰部で用いられる前記AGC信号の取得を、前記生成手段と、前記調整部とで切り替える切替部をさらに設けることができる。
本発明の一側面の受信方法は、AGC(Automatic Gain Control)信号に応じた利得で、入力された入力信号を増幅または減衰する増幅/減衰部を有する複数の受信手段と、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記入力信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成する生成手段とを備える受信装置の受信方法であって、前記生成手段によって、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記入力信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成する生成ステップと、前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部によって、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号のいずれかが、所定の信号レベルより高い場合に、前記生成ステップにおいて生成された前記AGC信号に応じた利得で前記入力信号を増幅または減衰する増幅/減衰ステップとを含む。
本発明の一側面のプログラムは、AGC(Automatic Gain Control)信号に応じた利得で、入力された入力信号を増幅または減衰する増幅/減衰部を有する複数の受信手段と、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記入力信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成する生成手段とを備える受信装置を制御する処理をコンピュータを実行させるプログラムであって、前記生成手段によって、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記入力信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成する生成ステップと、前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部によって、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号のいずれかが、所定の信号レベルより高い場合に、前記生成ステップにおいて生成された前記AGC信号に応じた利得で前記入力信号を増幅または減衰する増幅/減衰ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
本発明の一側面においては、受信手段のそれぞれに入力される入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、入力信号の信号レベルに応じて増幅/減衰部の利得を低減するようにAGC信号が生成され、受信手段のそれぞれに入力される入力信号のいずれかが、所定の信号レベルより高い場合に、生成されたAGC信号に応じた利得で、入力信号が増幅または減衰される。
本発明の一側面によれば、非同調型のシリコンチューナにおいて、中間周波信号の歪みを抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
<1.第1の実施の形態>
[テレビジョン受像機の構成例]
図3は、本発明を適用した受信装置の一実施の形態としてのテレビジョン受像機の構成例を示している。
[テレビジョン受像機の構成例]
図3は、本発明を適用した受信装置の一実施の形態としてのテレビジョン受像機の構成例を示している。
図3のテレビジョン受像機111は、分配器131、チューナ132−1乃至132−4、復調部133−1乃至133−4、セレクタ134、ディスプレイ135、スピーカ136、AGC電圧選択部137、およびマイクロコンピュータ138から構成される。
分配器131は、図示せぬアンテナから入力されるアナログテレビジョン信号およびデジタルテレビジョン信号(単に、テレビジョン信号ともいう)を、チューナ132−1乃至132−4のそれぞれに、等しく分配する。
チューナ132−1乃至132−4は、分配器131によって分配されたテレビジョン信号から、図示せぬ操作入力部が操作されることで選局されたチャンネルのテレビジョン信号を抽出し、IF信号として、復調部133−1乃至133−4のそれぞれに供給する。ここで、チューナ132−1乃至132−4のそれぞれによって抽出されるテレビジョン信号のチャンネル(周波数帯域)は、それぞれ異なるものとする。
また、チューナ132−1乃至132−4は、それぞれ、分配されたテレビジョン信号を検波し、そのテレビジョン信号の信号レベルに応じた検波信号を、AGC電圧選択部137に供給する。さらに、チューナ132−1乃至132−4は、AGC電圧選択部137からの、テレビジョン信号の増幅または減衰の利得を制御するためのAGC電圧に応じて、テレビジョン信号を増幅または減衰し、復調部133−1乃至133−4のそれぞれに供給する。
なお、チューナ132−1乃至132−4それぞれは、全ての周波数帯域(放送帯域)のテレビジョン信号を検波せず、所定の周波数帯域(検波可能周波数帯域、±100MHz程度)の信号を検波する。
復調部133−1乃至133−4は、それぞれ、チューナ132−1乃至132−4から供給されたIF信号を復調し、その復調結果を、セレクタ134に供給する。
セレクタ134は、復調部133−1乃至133−4からの復調結果のうち、少なくとも1つを選択し、選択した復調結果の映像信号をディスプレイ135に出力するとともに、選択した復調結果の音声信号をスピーカ136に出力する。また、セレクタ134は、復調部133−1乃至133−4からの復調結果のうち、少なくとも1つを選択し、図示せぬビデオレコーダなどに出力することができる。
AGC電圧選択部137は、チューナ132−1乃至132−4からの検波信号に応じてチューナ132−1乃至132−4それぞれにおける可変利得増幅器の利得を制御するAGC電圧を生成する。また、AGC電圧選択部137は、生成したAGC電圧のうち、所定の信号レベルより大きい検波信号に対応するAGC電圧を選択し、チューナ132−1乃至132−4に供給する。
マイクロコンピュータ138は、例えば、図示せぬ操作入力部から入力される操作信号等に基づいて、チューナ132−1乃至132−4やAGC電圧選択部137等、テレビジョン受像機111の各部を制御する。
以上のような構成により、テレビジョン受像機111は、AGC電圧選択部137によって選択されたAGC電圧に応じた利得で、チューナ132−1乃至132−4のそれぞれに入力されたテレビジョン信号を、一律に増幅または減衰することができる。したがって、受信されたテレビジョン信号の信号レベルに適応しないAGC電圧に応じて、テレビジョン信号を最大限に増幅することなく、適切な利得でテレビジョン信号を増幅することができる。
なお、チューナ132−1乃至132−4のそれぞれや、復調部133−1乃至133−4のそれぞれを区別する必要がない場合は、単に、チューナ132、復調部133と称するものとする。
また、テレビジョン受像機111において、チューナ132および復調部133は、図3に示されるように、それぞれ4個のチューナ132および復調部133に限らず、その他の1以上の数から構成されるようにしてもよい。
[チューナの構成例]
次に、図4を参照して、チューナ132の具体的な構成例について説明する。
次に、図4を参照して、チューナ132の具体的な構成例について説明する。
図4のチューナ132は、可変利得増幅器151、ミキサ152、局部発振器153、PLL回路154、第1中間周波増幅器155、BPF156、第2中間周波増幅器157、検波部158、およびオペアンプ159から構成される。
可変利得増幅器151は、分配器131からの分配されたテレビジョン信号を、AGC電圧選択部137からのAGC電圧に応じた利得で増幅または減衰し、ミキサ152および検波部158に供給する。
ミキサ152は、可変利得増幅器151からのテレビジョン信号と、局部発振器153から供給される所定の周波数の局部発振信号とを乗算することで、受信したテレビジョン信号が周波数変換された中間周波信号(IF信号)を生成し、第1中間周波増幅器155に供給する。
局部発振器153は、PLL回路154より出力されるバリキャップ制御電圧により発振周波数が制御されて、所定の周波数の局部発振信号をミキサ152に供給する。
第1中間周波増幅器155は、ミキサ152からのIF信号を所定の比率で増幅し、BPF156に供給する。
BPF156は、中間周波数帯域を通過帯域として、第1中間周波増幅器155からのIF信号を通過させ、第2中間周波増幅器157に供給する。
第2中間周波増幅器157は、BPF156からのIF信号を所定の比率で増幅し、復調部133に供給する。
検波部158は、可変利得増幅器151から出力されるテレビジョン信号を検波し、そのテレビジョン信号の信号レベルに応じた検波信号を生成して、オペアンプ159を介して、AGC電圧選択部137に供給する。すなわち、検波部158は、可変利得増幅器151から出力される、希望波としてのデジタルテレビジョン信号、および、妨害波としてのアナログテレビジョン信号を検波し、それらのテレビジョン信号の信号レベルに応じた検波信号を生成する。
オペアンプ159は、検波部158からのAGC電圧の信号レベルを所定の信号レベルに変換し、AGC電圧選択部137に供給する。
[テレビジョン受像機におけるチューナの利得制御処理]
次に、図5のフローチャートを参照して、テレビジョン受像機111におけるチューナ132(132−1乃至132−4)の利得制御処理について説明する。なお、図5のフローチャートにおいては、チューナ132−1乃至132−4のいずれか1つ(以下、適宜、注目チューナ132ともいう)に注目して説明することとする。また、ステップS11乃至S14,S16,S18の処理は、注目チューナ132以外の他のチューナ132についても並行して実行されるものとする。
次に、図5のフローチャートを参照して、テレビジョン受像機111におけるチューナ132(132−1乃至132−4)の利得制御処理について説明する。なお、図5のフローチャートにおいては、チューナ132−1乃至132−4のいずれか1つ(以下、適宜、注目チューナ132ともいう)に注目して説明することとする。また、ステップS11乃至S14,S16,S18の処理は、注目チューナ132以外の他のチューナ132についても並行して実行されるものとする。
ステップS11において、注目チューナ132の検波部158は、可変利得増幅器151から出力されるテレビジョン信号(入力信号)を検波し、その信号レベルに応じた検波信号を生成して、オペアンプ159を介して、AGC電圧選択部137に供給する。より具体的には、検波部158は、図6に示される特性に基づいて、入力信号の信号レベルに応じた信号レベルの検波信号を生成し、オペアンプ159を介して、AGC電圧選択部137に供給する。
図6は、検波部158における、入力信号レベル対検波信号レベル特性を示している。
図6に示されるように、入力信号レベルと検波信号レベルとは、比例関係にあり、入力信号の信号レベルが高くなるほど、検波信号の信号レベルも高くなる。なお、図6中の希望波1乃至4、妨害波についての説明は後述する。
ステップS12において、AGC電圧選択部137は、注目チューナ132の検波部158からの検波信号について、その検波信号の信号レベルが所定の信号レベルより高いか否かを判定する。より具体的には、AGC電圧選択部137は、図7に示す特性に基づいて、注目チューナ132の検波部158からの検波信号の信号レベルが、所定の信号レベルQSより高いか否かを判定する。
図7は、AGC電圧選択部137における、検波信号レベル対AGC電圧特性を示している。
図7に示されるように、検波信号の信号レベルが信号レベルQSとなるまでは、AGC電圧の信号レベルは一定とされる(図中、丸の中に数字の1が付された信号レベル)。また、検波信号の信号レベルが信号レベルQSを超えると、検波信号の信号レベルの高さに応じて、AGC電圧の信号レベルも高くなる。なお、図7中の希望波1乃至4、妨害波についての説明は後述する。
ステップS12において、検波信号の信号レベルが信号レベルQSより高くないと判定された場合、処理は、ステップS13に進む。
ステップS13において、AGC電圧選択部137は、可変利得増幅器151が最大利得となるAGC電圧を生成し、処理は、ステップS15に進む。
ここで、図8を参照して、可変利得増幅器151における、AGC電圧対利得特性について説明する。なお、図8において、丸の中に数字の1および5が付されたAGC電圧の信号レベルと、図7中、丸の中に数字の1および5が付されたAGC電圧の信号レベルとは、それぞれ対応している。
図8に示されるように、丸の中に数字の1が付されたAGC電圧の信号レベルに対応する利得を最大利得として、可変利得増幅器151の利得は、AGC電圧の信号レベルが高くなるほど下がっていく。
したがって、検波信号の信号レベルが信号レベルQSより高くない場合、AGC電圧の信号レベルは、丸の中に数字の1が付されたAGC電圧の信号レベルとなり(図7)、対応する可変利得増幅器151における利得は、最大利得となる(図8)。また、検波信号の信号レベルが信号レベルQSより高い場合(図7)、AGC電圧の信号レベルは、検波信号の信号レベルに比例して高くなり、対応する可変利得増幅器151における利得は、比例して下がる(図8)。
すなわち、ステップS13において、AGC電圧選択部137は、図8において最大利得をとるAGC電圧(図8中、丸の中に数字の1が付された信号レベルのAGC電圧)を生成し、処理は、ステップS15に進む。
一方、ステップS12において、図7の特性において、検波信号の信号レベルが信号レベルQSより高いと判定された場合、処理は、ステップS14に進む。
ステップS14において、AGC電圧選択部137は、図7の特性に基づいて、検波信号の信号レベルに応じたAGC電圧を生成し、処理は、ステップS15に進む。
ステップS15において、AGC電圧選択部137は、注目チューナ132と、注目チューナ132以外の他のチューナ132についてのAGC電圧が全て最大利得となる信号レベルであるか否かを判定する。言い換えれば、AGC電圧選択部137は、全てのチューナ132における検波信号の信号レベルが信号レベルQSより高くないか否か、ひいては、入力信号の信号レベルが所定の信号レベルより高くないか否かを判定する。
ステップS15において、全てのチューナ132についてのAGC電圧が全て最大利得となる信号レベルであると判定された場合、AGC電圧選択部137は、可変利得増幅器151の最大利得に対応するAGC電圧を生成し、全てのチューナ132の可変利得増幅器151に供給する。その後、処理は、ステップS16に進む。
ステップS16において、注目チューナ132の可変利得増幅器151は、入力されたテレビジョン信号を、AGC電圧選択部137からのAGC電圧に応じた利得、つまり、最大利得で増幅し、ミキサ152に供給する。
一方、ステップS15において、全てのチューナ132についてのAGC電圧が全て最大利得となる信号レベルでないと判定された場合、言い換えれば、全てのチューナ132のうちの少なくとも1つにおいて、信号レベルQSを超える検波信号が生成された場合、処理は、ステップS17に進む。
ステップS17において、AGC電圧選択部137は、全てのチューナ132についてのAGC電圧のうち、最大の信号レベルの検波信号に対応するAGC電圧を選択し、全てのチューナ132の可変利得増幅器151に供給する。より具体的には、AGC電圧選択部137は、図7において、信号レベルQSより高い信号レベルの検波信号に対応するAGC電圧のうち、最大の信号レベルの検波信号に対応するAGC電圧を選択する。そして、AGC電圧選択部137は、選択したAGC電圧を、全てのチューナ132の可変利得増幅器151に供給する。
ステップS18において、注目チューナ132の可変利得増幅器151は、入力されたテレビジョン信号を、AGC電圧選択部137からのAGC電圧に応じた利得、すなわち、図8において、最大利得より小さい利得で増幅、または、減衰し、ミキサ152に供給する。
以上の処理によれば、信号レベルの高いテレビジョン信号(入力信号)が入力された場合、その入力信号に対応するAGC電圧を選択し、選択されたAGC電圧に基づいて、複数のチューナに対して一律に可変利得増幅器の利得を制御するので、信号レベルの高い入力信号を必要以上に増幅させることなく、中間周波信号の歪みを抑制することができる。また、不要な歪み成分を中間周波数帯域内に発生させないので、受信不能状態に陥ることなく、テレビジョン信号を受信することが可能となる。
以上の処理において、検波部158に入力される入力信号の信号レベルと、可変利得増幅器151の利得との間には、図9に示されるような関係が成り立つ。
すなわち、入力信号の信号レベルが、信号レベルPS(AGCスタートポイント)を超えるまでは、可変利得増幅器151の利得は、一定の値(最大利得)とされる。また、入力信号の信号レベルが信号レベルPSを超えると、入力信号の信号レベルの高さに応じて、可変利得増幅器151の利得は低減する。なお、図9においては、利得を表す縦軸中央付近に示される破線を利得0dBとし、それより利得が大きい場合には、可変利得増幅器151によってテレビジョン信号は増幅され、それより利得が小さい場合には、可変利得増幅器151によってテレビジョン信号は減衰される。また、図9中の希望波1乃至4、妨害波についての説明は後述する。
さらに、図9においては、可変利得増幅器151の利得は、入力信号の信号レベルが信号レベル信号レベルPSを超えたとき、入力信号の信号レベルの高さに応じて、比例的に低減するようにしたが、例えば、入力信号の信号レベルがAGCスタートポイントを超えたときに、一定の値に定めた利得に下がるようにしてもよい。
[入力信号に希望波のみが含まれる場合、または希望波および妨害波のレベルに大きな差がない場合のチューナの動作]
ここで、図10を参照して、チューナ132−1乃至132−4の検波部158の検波可能周波数帯域について説明する。
ここで、図10を参照して、チューナ132−1乃至132−4の検波部158の検波可能周波数帯域について説明する。
図10において、横軸は周波数を表し、左側から右側に向けて周波数は高くなる。図10に示されるように、テレビジョン信号の放送帯域において、チューナ132−1乃至132−4の検波可能周波数帯域が、左から順番に割り当てられている。すなわち、テレビジョン信号の放送帯域において、チューナ132−1の検波可能周波数帯域は、最も低い帯域であり、チューナ132−4の検波可能周波数帯域は、最も高い帯域となっている。また、チューナ132−1乃至132−4の検波可能周波数帯域において、チューナ132−1乃至132−4それぞれが受信すべきデジタルテレビジョン信号(希望波)が、希望波1乃至4として含まれている。図10において、横軸(周波数軸)上に示されている希望波1乃至4の垂直方向の高さは、希望波1乃至4それぞれの信号レベルを表している。すなわち、希望波1乃至4の中で、希望波4の信号レベルが最も高く、希望波1の信号レベルが2番目に高く、希望波2の信号レベルが3番目に高く、希望波3の信号レベルが最も低い。
以上のような、希望波1乃至4を含むテレビジョン信号を、テレビジョン受像機111が受信したときの、チューナ132−1乃至132−4それぞれの動作について説明する。
すなわち、希望波1乃至4を含むテレビジョン信号を、テレビジョン受像機111が受信した場合、チューナ132−1乃至132−4の検波部158は、それぞれ、希望波1乃至4を検波する。希望波1乃至4の信号レベルには、希望波4>希望波1>希望波2>希望波3の関係がある。このため、チューナ132−1乃至132−4の検波部158から出力される検波信号の信号レベルは、図11に示される通り、それぞれ、図6中、丸の中に数字の2,3,4,1が付された信号レベルとなる(ステップS11)。
ここで、図11は、チューナ132−1乃至132−4の各部からの出力の状態を説明している。
図11において、上から1段目は、チューナ132−1乃至132−4それぞれの区分を示している。2段目は、チューナ132−1乃至132−4それぞれの検波部158の検波信号レベルを示しており、3段目は、チューナ132−1乃至132−4それぞれの、検波信号レベルに応じてAGC電圧選択部137により生成されるAGC電圧の信号レベルを示している。4段目は、チューナ132−1乃至132−4それぞれの、AGC電圧に応じて可変利得増幅器151が決定する利得を示しており、5段目は、最終的にチューナ132−1乃至132−4それぞれから出力されるIF信号を示している。
次に、チューナ132−1乃至132−4の検波部158からは、希望波1乃至4に対応して出力された検波信号が、オペアンプ159を介してAGC電圧選択部137に供給される。このとき、AGC電圧選択部137によって生成されるAGC電圧の信号レベルは、図11に示される通り、図7中、丸の中に数字の1が付された、入力信号レベルに応じたレベルとなる(ステップS12,S13)。
入力信号レベルに応じたレベルのAGC電圧が生成されると、図11に示される通り、チューナ132−1乃至132−4の可変利得増幅器151はそれぞれ、図8の特性より、最大の利得で、入力信号(テレビジョン信号)を増幅する(ステップS16)。チューナ132−1乃至132−4の可変利得増幅器151は、増幅したテレビジョン信号を、ミキサ152に供給する。このとき、チューナ132−1乃至132−4のミキサ152においては、可変利得増幅部151から適切な信号レベルの希望波(デジタルテレビジョン信号)が供給されるので、不要な歪み成分を中間周波数帯域内に発生させることはない。したがって、チューナ132−1乃至132−4は、受信不能状態になることはなく、図11に示される通り、最終的に希望波1乃至4に応じたIF信号を、復調部133−1乃至133−4それぞれに供給することができる。
[入力信号に希望波よりレベルの高い妨害波が含まれるときのチューナの動作]
次に、図12を参照して、チューナ132−1乃至132−4の検波可能周波数帯域に妨害波が含まれる場合について説明する。
次に、図12を参照して、チューナ132−1乃至132−4の検波可能周波数帯域に妨害波が含まれる場合について説明する。
図12に示されるテレビジョン信号の放送帯域においては、図10の場合と異なり、チューナ132−1の検波可能周波数帯域に、チューナ132−1乃至132−4それぞれが受信すべきチャンネル以外のアナログテレビジョン信号(妨害波)が含まれている。この妨害波の信号レベルは、希望波2乃至4の信号レベルと比較して高い。
以上のような、妨害波および希望波2乃至4を含むテレビジョン信号を、テレビジョン受像機111が受信したときの、チューナ132−1乃至132−4それぞれの動作を説明する。
すなわち、妨害波および希望波2乃至4を含むテレビジョン信号を、テレビジョン受像機111が受信した場合、チューナ132−1乃至132−4の検波部158は、それぞれ、妨害波および希望波2乃至4を検波する。妨害波および希望波2乃至4の信号レベルには、妨害波>希望波4>希望波2>希望波3の関係がある。このため、チューナ132−1乃至132−4の検波部158から出力される検波信号の信号レベルは、図13に示される通り、それぞれ、図6中、丸の中に数字の5,3,4,1が付された信号レベルとなる(ステップS11)。
ここで、図13は、チューナ132−1乃至132−4の各部からの出力の状態を説明している。なお、図13の構成は、図11と同様であるので、その説明は省略する。
次に、チューナ132−1乃至132−4の検波部158からは、妨害波および希望波2乃至4に対応して出力された検波信号が、オペアンプ159を介してAGC電圧選択部137に供給される。このとき、チューナ132−2乃至132−4からの検波信号の信号レベルに対応して、AGC電圧選択部137によって生成されるAGC電圧の信号レベルは、図13に示される通り、図7中、丸の中に数字の1が付された、入力信号レベルに応じたレベルとなる(ステップS12,S13)。また、チューナ132−1からの検波信号の信号レベルに対応して、AGC電圧選択部137によって生成されるAGC電圧の信号レベルは、図13に示される通り、図7中、丸の中に数字の5が付された信号レベルとなる(ステップS12,S14)。
ここで、チューナ132−1乃至132−4が、従来の非同調型のチューナであった場合、チューナそれぞれからの検波信号の信号レベル、ひいては、チューナそれぞれが受信したテレビジョン信号に応じたAGC電圧が生成され、可変利得増幅器151に供給される。すなわち、図13に示されるように、チューナ132−1の可変利得増幅器151には、妨害波に応じたAGC電圧が供給されるので、チューナ132−1の可変利得増幅器151は、入力信号を減衰する。また、チューナ132−2乃至132−4の可変利得増幅器151には、希望波2乃至4の信号レベルに応じたAGC電圧が供給されるので、チューナ132−2乃至132−4の可変利得増幅器151は、最大利得で入力信号を増幅する。
このとき、チューナ132−2乃至132−4の可変利得増幅器151には、同調回路がないので、排除されることのない妨害波も入力されるので、最大利得で妨害波を増幅させることになる。結果として、チューナ132−2乃至132−4のミキサ152には、最大利得で増幅された妨害波が入力され、不要な歪み成分を中間周波数帯域内に発生させて、受信不能状態に陥ってしまう。なお、チューナ132−1のミキサ152には、減衰された妨害波が入力される。図13に示される通り、最終的に、チューナ132−1は、妨害波に応じたIF信号を、チューナ132−2乃至132−4は、妨害波により歪んだIF信号を、復調部133−1乃至133−4それぞれに供給することになる。
そこで、本発明のテレビジョン受像機111においては、AGC電圧選択部137は、チューナ132−1乃至132−4それぞれからの検波信号の信号レベルに応じたAGC電圧を、チューナ132−1乃至132−4それぞれに供給しない。すなわち、AGC電圧選択部137は、チューナ132−1乃至132−4からの検波信号の信号レベルに対応するAGC電圧のうち、最大の信号レベルの検波信号に対応するAGC電圧を選択し、チューナ132−1乃至132−4に供給する(ステップS17)。
すなわち、図12の例においては、AGC電圧選択部137は、妨害波に応じた検波信号レベルに対応するAGC電圧を選択し、チューナ132−1乃至132−4に供給する。これにより、チューナ132−2乃至132−4の可変利得増幅器151においても、妨害波を減衰するので、チューナ132−2乃至132−4は、不要な歪み成分を中間周波数帯域内に発生させて、受信不能状態に陥ることなく、テレビジョン信号を受信することができる。
以上のようにして、信号レベルの高い妨害波が入力された場合、その妨害波に対応するAGC電圧を選択し、選択されたAGC電圧に基づいて、複数のチューナに対して一律に可変利得増幅器の利得を制御することで、信号レベルの高い妨害波を必要以上に増幅させることなく、中間周波信号の歪みを抑制することができる。また、不要な歪み成分を中間周波数帯域内に発生させないので、受信不能状態に陥ることなく、テレビジョン信号を受信することが可能となる。
以上においては、複数のチューナにおいて、一律に可変利得増幅器の利得を制御する構成としたが、入力信号(検波信号)の信号レベルが所定のレベルより小さい場合は、それぞれのチューナ毎に、可変利得増幅器の利得を制御するようにしてもよい。
<2.第2の実施の形態>
[チューナの構成例]
図14は、テレビジョン受像機111の初期設定時や起動時にのみ、複数のチューナにおいて最大の入力信号レベル(検波信号レベル)に対応するAGC電圧に基づいて、可変利得増幅器の利得を制御し、初期設定後や起動後、入力信号レベル(検波信号レベル)が所定のレベルより小さい場合に、それぞれのチューナ毎に、可変利得増幅器の利得を制御するようにしたチューナの構成例を示している。
[チューナの構成例]
図14は、テレビジョン受像機111の初期設定時や起動時にのみ、複数のチューナにおいて最大の入力信号レベル(検波信号レベル)に対応するAGC電圧に基づいて、可変利得増幅器の利得を制御し、初期設定後や起動後、入力信号レベル(検波信号レベル)が所定のレベルより小さい場合に、それぞれのチューナ毎に、可変利得増幅器の利得を制御するようにしたチューナの構成例を示している。
また、図14のチューナ132において、図4のチューナ132に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は、適宜省略するものとする。
すなわち、図14のチューナ132において、図4のチューナ132と異なるのは、切替スイッチ201、AGC電圧調整部202、および切替スイッチ203を新たに設けた点である。
図14の検波部158は、図4の検波部158と同様の機能を有する他、可変利得増幅器151からのテレビジョン信号(入力信号)の信号レベルが、所定の信号レベルより高いか否かを判定する。
切替スイッチ201は、マイクロコンピュータ138の制御によって、検波部158からの検波信号の供給先として、オペアンプ159と、AGC電圧調整部202とを切り替える。
AGC電圧調整部202は、検波部158からの検波信号の信号レベルに対応するAGC電圧を生成し、その信号レベルを調整して、切替スイッチ203を介して、可変利得増幅器151に供給する。
切替スイッチ203は、切替スイッチ201と連動して、可変利得増幅器151に供給するAGC電圧の供給元として、AGC電圧選択部137と、AGC電圧調整部202とを切り替える。
なお、初期状態(初期設定時または起動時)においては、切替スイッチ201は、検波部158とオペアンプ159とを接続し、切替スイッチ203は、AGC電圧選択部137と可変利得増幅器151とを接続している。
[テレビジョン受像機におけるチューナの利得制御処理]
次に、図15のフローチャートを参照して、テレビジョン受像機111における図14のチューナ132(132−1乃至132−4)の利得制御処理について説明する。なお、図15のフローチャートにおけるステップS31乃至S35,S39,S40の処理は、図5のフローチャートを参照して説明した利得制御処理におけるステップS11乃至S18と同様であるので、その説明は省略するものとする。また、図15の利得制御処理は、テレビジョン受像機111の初期設定時、または起動時に実行されるものとする。
次に、図15のフローチャートを参照して、テレビジョン受像機111における図14のチューナ132(132−1乃至132−4)の利得制御処理について説明する。なお、図15のフローチャートにおけるステップS31乃至S35,S39,S40の処理は、図5のフローチャートを参照して説明した利得制御処理におけるステップS11乃至S18と同様であるので、その説明は省略するものとする。また、図15の利得制御処理は、テレビジョン受像機111の初期設定時、または起動時に実行されるものとする。
すなわち、ステップS35において、全てのチューナ132についてのAGC電圧が全て最大利得となる信号レベルでないと判定された場合、言い換えれば、全てのチューナ132のうちの少なくとも1つにおいて、信号レベルQSを超える検波信号が生成された場合、処理は、ステップS36に進む。
ステップS36において、マイクロコンピュータ138の制御によって、切替スイッチ201は、検波部158からの検波信号の供給先をAGC電圧調整部202に切り替えるとともに、切替スイッチ203は、可変利得増幅器151に供給するAGC電圧の供給元をAGC電圧調整部202に切り替える。
ステップS37において、AGC電圧調整部202は、検波部158から切替スイッチ201を介して供給された検波信号の信号レベルに対応するAGC電圧を生成し、その信号レベルを調整して、切替スイッチ203を介して、可変利得増幅器151に供給する。
ステップS38において、可変利得増幅器151は、入力されたテレビジョン信号(入力信号)を、AGC電圧調整部202からのAGC電圧に応じた利得で増幅し、ミキサ152に供給する。
以上の処理によれば、テレビジョン信号の信号レベルが、所定の信号レベルより高くない場合に、チューナ132−1乃至132−4は、それぞれの内部でAGC電圧を生成、調整し、可変利得増幅器151の利得を制御することができるので、テレビジョン信号に信号レベルの高い妨害波が含まれていない場合には、それぞれのチューナにおいて最適な利得の制御を行うことができ、受信感度の劣化を防ぐことが可能となる。また、信号レベルの高い妨害波が入力された場合には、その妨害波に対応するAGC電圧を選択し、選択されたAGC電圧に基づいて、複数のチューナに対して一律に可変利得増幅器の利得を制御するので、信号レベルの高い妨害波を必要以上に増幅させることなく、中間周波信号の歪みを抑制することができる。
以上においては、テレビジョン信号の信号レベルに応じて、チューナの外部からのAGC電圧による利得の制御と、チューナの内部で生成し、調整したAGC電圧による利得の制御とを切り替えるようにしたが、例えば、図示せぬ操作入力部から入力される操作信号に基づいて、必要に応じて利得の制御の方法を切り替えるようにしてもよい。
これによって、適宜、それぞれのチューナにおいて最適な利得の制御を行うことができ、受信感度の劣化を防ぐことが可能となる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、プログラム記録媒体からインストールされる。
図16は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、マイクロコンピュータ138に対応するCPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。
バス904には、さらに、入出力インタフェース905が接続されている。入出力インタフェース905には、キーボード、マウス、マイクロホン等よりなる入力部906、ディスプレイ、スピーカ等よりなる出力部907、ハードディスクや不揮発性のメモリ等よりなる記憶部908、ネットワークインタフェース等よりなる通信部909、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等のリムーバブルメディア911を駆動するドライブ910が接続されている。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU901が、例えば、記憶部908に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース905およびバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等よりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア911に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
そして、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インタフェース905を介して、記憶部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記憶部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記憶部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
111 テレビジョン受像機, 132,132−1乃至132−4 チューナ, 137 AGC電圧選択部, 138 マイクロコンピュータ, 151 可変利得増幅器, 152 ミキサ, 158 検波部, 201 切替スイッチ, 202 AGC電圧調整部, 203 切替スイッチ
Claims (9)
- AGC(Automatic Gain Control)信号に応じた利得で、入力された入力信号を増幅または減衰する増幅/減衰部を有する複数の受信手段と、
前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記入力信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成する生成手段と
を備え、
前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部は、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号のいずれかが、所定の信号レベルより高い場合に、前記生成手段によって生成された前記AGC信号に応じた利得で、前記入力信号を増幅または減衰する
受信装置。 - 前記受信手段のそれぞれは、前記入力信号を検波し、前記入力信号の信号レベルに応じた検波信号を生成する検波部をさらに有し、
前記生成手段は、前記受信手段のそれぞれにおいて生成される前記検波信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記検波信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成し、
前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部は、前記受信手段のそれぞれにおいて生成される前記検波信号のいずれかが、前記所定の信号レベルより高い場合に、前記生成手段によって生成された前記AGC信号に応じた利得で、前記入力信号を増幅または減衰する
請求項1に記載の受信装置。 - 前記生成手段は、前記受信手段のそれぞれにおいて生成される前記検波信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記検波信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成して、前記AGC信号のうち、最大の信号レベルの前記検波信号に対応する前記AGC信号を選択し、
前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部は、前記生成手段によって選択された前記AGC信号に応じた利得で、前記入力信号を増幅または減衰する
請求項2に記載の受信装置。 - 前記受信手段それぞれにおける前記検波部は、それぞれ異なる周波数帯域の前記入力信号を検波する
請求項2に記載の受信装置。 - 前記受信手段のそれぞれには、受信すべき入力信号である希望信号と、受信すべき入力信号でない妨害信号とが入力され、
前記生成手段は、前記妨害信号の信号レベルが、前記希望信号の信号レベルより高い場合に、前記妨害信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成し、
前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部は、前記妨害信号の信号レベルが、前記希望信号の信号レベルより高い場合に、前記生成手段によって生成された前記AGC信号に応じた利得で、前記希望信号および前記妨害信号を増幅または減衰する
請求項1に記載の受信装置。 - 前記受信手段のそれぞれは、前記受信手段それぞれに入力される前記入力信号の信号レベルが、所定の信号レベルより低い場合に、前記入力信号に対応する前記AGC信号を生成し調整する調整部をさらに有し、
前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部は、前記調整部によって調整された前記AGC信号に応じた利得で前記入力信号を増幅する
請求項1に記載の受信装置。 - 前記受信手段のそれぞれは、前記増幅/減衰部で用いられる前記AGC信号の取得を、前記生成手段と、前記調整部とで切り替える切替部をさらに有する
請求項6に記載の受信装置。 - AGC(Automatic Gain Control)信号に応じた利得で、入力された入力信号を増幅または減衰する増幅/減衰部を有する複数の受信手段と、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記入力信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成する生成手段とを備える受信装置の受信方法であって、
前記生成手段によって、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記入力信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成する生成ステップと、
前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部によって、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号のいずれかが、所定の信号レベルより高い場合に、前記生成ステップにおいて生成された前記AGC信号に応じた利得で前記入力信号を増幅または減衰する増幅/減衰ステップと
を含む受信方法。 - AGC(Automatic Gain Control)信号に応じた利得で、入力された入力信号を増幅または減衰する増幅/減衰部を有する複数の受信手段と、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記入力信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成する生成手段とを備える受信装置を制御する処理をコンピュータを実行させるプログラムであって、
前記生成手段によって、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号が所定の信号レベルより高い場合に、前記入力信号の信号レベルに応じて前記増幅/減衰部の利得を低減するように前記AGC信号を生成する生成ステップと、
前記受信手段それぞれにおける前記増幅/減衰部によって、前記受信手段のそれぞれに入力される前記入力信号のいずれかが、所定の信号レベルより高い場合に、前記生成ステップにおいて生成された前記AGC信号に応じた利得で前記入力信号を増幅または減衰する増幅/減衰ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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