JP2015149655A - テレビ放送受信機 - Google Patents

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Keikiyoku Sai
炯旭 崔
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Abstract

【課題】 アンテナ端子間で受信障害を起こすような場合に高価なRFスイッチを使用する必要をなくす。
【解決手段】 アンテナ端子11a,11bはそれぞれ別個独立したチューナ12a,12bに接続され、各チューナ12a,12bは信号処理部13からの制御に基づいて地上波テレビ放送やケーブル放送を選局して受信可能である。選局した放送内容はIF信号の状態として出力され、IFスイッチ12cの独立した二つの入力端子に入力されている。IFスイッチ12cは、中間周波数の周波数帯域に対応しており、帯域幅も狭いので、IFスイッチ12cは高価なRFスイッチまでは必要としない。IFスイッチ12cでの切換は、信号処理部13からのチューナ12a,12bの選択の制御と同期して行われる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、地上波テレビ放送のアンテナ端子と、ケーブル放送のアンテナ端子とを備えたテレビ放送受信機に関する。
複数のアンテナ端子を備えたテレビ放送受信機では、一方のアンテナ端子に地上波テレビ放送のアンテナを接続し、他方のアンテナ端子にケーブル放送のケーブルを接続し、両方のテレビ放送を受信することがある。
この場合、選択された側のアンテナ端子からの受信信号に対して、非選択の側のアンテナ端子からの信号の漏れが加わると、受信障害が起こる。これため、アンテナ端子間で十分なアイソレーションを確保する必要がある。
図10は、従来のテレビ放送受信機の要部の概略ブロック図である。
同図に示すテレビ放送受信機は、二つのアンテナ端子1a,1bを備え、いずれか一方を選択する切替器2を介してチューナ3が接続されている。一方のアンテナ端子1aに地上波テレビ放送のアンテナを接続し、他方のアンテナ端子1bにケーブル放送のケーブルを接続できる仕様であるとする。
日本の地上波であれば、地上波テレビ放送とケーブル放送とでは90〜770MHzという高周波かつ広帯域にわたり60dB以上のアイソレーションを満足させることを要求される。このような要求を満足するため、二つのアンテナ端子1a,1b間の切替器2として、高性能なRF(Radio Frequency)用スイッチ素子が使用されている。
特許文献1は、受信用チューナおよび受信装置に関し、受信する放送波が多くなった場合でも、出力信号線を受信チャンネル数よりも少なくすることができるように改良された受信用チューナを提供する技術を開示している。
複数の中間周波数変換器を備え、それらが互いに重ならない中間周波数信号に変換して出力し、これらを合成している。
特許文献2は、多方式対応受信装置に関し、アナログ放送番組からデジタル放送番組に切換える際に、画面チェンジがスムーズに出来る受信装置を開示している。
特許文献3は、デジタル放送用ダイバーシティ受信装置に関し、受信信号の電界強度とDU比に応じて帯域通過フィルタの特性を適切に選択できるデジタル放送用ダイバーシティ受信装置を開示している。
ダイバーシティ受信装置なので、複数のチューナは同時に同じ放送を受信する。
特許文献4は、高価な切換用スイッチングICを使用しない衛星放送用の受信装置に関する。複数の各チューナに対応して増幅回路を設け、制御回路は、選択されたチューナから信号入出力端子を介して与えられる選択信号に従って、複数の増幅回路のうちのいずれか1つの対応する増幅回路を活性化させている。
特開2007-081878号公報 特開2001-285752号公報 特開2011-120006号公報 特開2005-303962号公報
上述した二つのアンテナ端子間に高性能なRF(Radio Frequency)用スイッチ素子を備える場合、高性能であるので高コストの要因となっていた。
特許文献1に示すものでは、互いに重ならない中間周波数信号に変換して出力して合成しているが、その後の処理に専用の処理回路が必要になる。
特許文献2に示すものでは、デジタル放送とアナログ放送を受信可能なチューナを搭載しているが、複数のアンテナ端子を備えて放送波を切り替えて受信するものではない。
特許文献3に示すものでは、ダイバーシティ受信装置なので、複数のチューナは同時に同じ放送を受信し、アイソレーションの問題は生じない。
特許文献4に示すものでは、元々混在可能な放送波のいずれかを選択的に受信するものであり、アイソレーションの問題は生じない。
本発明は、地上波テレビ放送とケーブル放送のようにアンテナ端子間で受信障害を起こすような場合に、高価なRFスイッチを使用する必要のないテレビ放送受信機を提供する。
本発明は、地上波テレビ放送のアンテナ端子と、ケーブル放送のアンテナ端子とを備えたテレビ放送受信機であって、前記地上波テレビ放送のアンテナ端子に接続され、所定のチャンネルを受信してIF出力する第一のチューナと、前記ケーブル放送のアンテナ端子に接続され、第一のチューナとは独立した選局動作をし、所定のチャンネルを受信してIF出力する第二のチューナと、前記第一のチューナと前記第二のチューナのいずれか一方を選択し、かつ、他方の出力の影響を受けない状態で、選択した前記一方のIF出力を出力する選択回路を備える構成としてある。
前記構成において、テレビ放送受信機は、地上波テレビ放送のアンテナ端子と、ケーブル放送のアンテナ端子とを備えている。第一のチューナは、地上波テレビ放送のアンテナ端子に接続され、所定のチャンネルを受信してIF出力し、第二のチューナは、ケーブル放送のアンテナ端子に接続され、第一のチューナとは独立した選局動作をし、所定のチャンネルを受信してIF出力する。選択回路は、第一のチューナと第二のチューナのいずれか一方を選択し、かつ、他方の出力の影響を受けない状態で、選択した前記一方のIF出力を出力する。
本発明のテレビ放送受信機では、第一のチューナと第二のチューナの一方を選択する際に、他方の出力の影響を受けない状態とするが、選択するのがIF出力であるため、狭帯域であり、高性能なRFスイッチは必要としない。
本発明のテレビ放送受信機の概略のブロック図である。 第一実施例のチューナ部の概略ブロック図である。 第二実施例のチューナ部の概略ブロック図である。 第三実施例のチューナ部の概略ブロック図である。 第四実施例のチューナ部の概略ブロック図である。 第五実施例のチューナ部の概略ブロック図である。 第六実施例のチューナ部の概略ブロック図である。 ダイバーシティ受信装置の概略ブロック図である。 衛星放送受信装置の概略ブロック図である。 従来のテレビ放送受信機の要部の概略ブロック図である。
(第一実施例)
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるテレビ放送受信機をブロック図により示している。
同図において、独立したアンテナ端子11a,11bが二つ備えられ、それぞれ別個の受信ケーブルに接続可能である。この場合、一方のアンテナ端子11aを図示しない地上波テレビ放送のアンテナに接続し、他方のアンテナ端子11bを図示しないケーブル放送のケーブルに接続するということも可能である。
これらのアンテナ端子11a,11bはチューナ部12に備えられている。チューナ部12の構成は後述するが、いずれかのアンテナ端子11a,11bから入力されるテレビ放送波から所定のチャンネルの放送を受信し、中間周波数変換したIF信号を出力する。なお、図ではIF信号は差動信号として出力しているが、不平衡信号でもよい。
チューナ部12のIF信号は信号処理部13に入力されている。信号処理部13は、アナログ放送信号及び/または、デジタル放送信号の処理回路なども備えている。リモコン入力部14と操作部15に接続され、図示しないリモコンの操作による操作入力をリモコン入力部14を介して入力したり、操作部15での操作入力を得て、チューナ部12での選局や映像や音声の出力に関する全ての制御を実行する。
信号処理部13からは音声信号が出力され、アンプ16を介してスピーカ17より音声が出力される。また、信号処理部13から出力される映像信号は、ドライバー回路18で所定の信号処理を施され、ディスプレイパネル19を駆動制御して所定の映像を表示する。
この他、信号処理部13には図示しない入力端子から映像音声信号が入力され、また、前記チューナ部12以外の他のチューナ部から衛星放送などのテレビ放送を受信した放送信号が入力され、所定の操作に対応してスピーカ17やディスプレイパネル19から音声や映像が出力されるようになっている。
図2は、第一実施例のチューナ部の概略構成をブロック図により示している。
同図において、アンテナ端子11a,11bはそれぞれ別個独立したチューナ12a,12bに接続されている。これらのチューナ12a,12bはいわゆるシリコンチューナで形成されている。シリコンチューナは、半導体プロセスを用いてアナログRF回路を集積することで、テレビ放送を受信するチューナ機能を実現している。むろん、本発明はシリコンチューナに限定されるものではなく、CANチューナを採用することも可能である。
各チューナ12a,12bは、信号処理部13からの制御に基づいて地上波テレビ放送やケーブル放送を選局して受信可能である。選局した放送内容はIF信号の状態として出力され、IFスイッチ12cの独立した二つの入力端子に入力されている。IFスイッチ12cは、テレビ放送における中間周波数の周波数帯域に対応しており、地上波テレビ放送やケーブル放送における90〜770MHzという高周波かつ広帯域にわたるものではない。中間周波数は、数十MHzまたは数MHzの比較的低い周波数であり、周波数帯域幅も狭いので、IFスイッチ12cは高価なRFスイッチまでは必要としない。またチューナが独立していることにより、高いアイソレーション特性が要求されないため、60dB以上のアイソレーションを確保する必要があっても、比較的安価なもので満足させることができる。チューナ12a,12bのIF出力が差動出力であるため、IFスイッチ12cもこれに対応して+−両信号を個別に切り替えるようにしている。
なお、IFスイッチ12cでのアイソレーションとは、選択されたチューナの出力と、非選択のチューナの出力との間でのアイソレーションを指す。
IFスイッチ12cでの切換は、信号処理部13からのチューナ12a,12bの選択の制御と同期して行われる。すなわち、チューナ12aを選択すれば、IFスイッチ12cは同チューナ12aの出力を選択して出力するとともに、チューナ12bの出力は必要とされるアイソレーションを確保して出力させない。また、同様のことがチューナ12bを選択した場合にも言える。そして、選択された側の出力のIF信号は信号処理部13に入力され、テレビ放送の内容である映像や音声が出力されることになる。
ここで、アンテナ端子11aに接続されるチューナ12aは第一のチューナに相当し、アンテナ端子11bに接続されるチューナ12bは第二のチューナに相当し、IFスイッチ12cおよびこれを制御する信号処理部13とで選択回路に相当することになる。
すなわち、選択回路は、第一のチューナと第二のチューナの出力端子に接続されて一方の出力だけを選択的に出力するIFスイッチを備えている。
本実施例の構成では、アンテナ入力毎に別々のチューナ回路を使用する為、アンテナ入力間のアイソレーションを確保するのは容易である。また、スイッチはチューナ回路の出力であるIF(Intermediate Frequency中間周波数)ラインに設けられるため、高コストなRF用スイッチ素子の代わりに、低コストかつ汎用的なスイッチ素子を使用することができる。近年、Si−チューナICへの移行により、チューナ回路の低価格化が進み、チューナ回路を複数とIF用スイッチを用意する方が低コストとできるようになった。
本構成では、IFラインを共用する複数のチューナ回路は、選択動作により一つのチューナ回路からのIF信号を後段の信号処理回路へ出力することになる。IFスイッチ素子の役割として、選択したチューナ回路の信号のみを通す他に、非選択のチューナ回路が接続されていることによりIF信号ラインのインピーダンスがずれてしまうことを防止する役割もある。
(第二実施例)
非選択側のチューナ回路から信号出力がなく、かつIFラインのインピーダンスに影響を及ぼさない場合は、直接、IFラインを接続した構成も可能となる。
図3は、第二実施例のチューナ部の概略構成をブロック図により示している。
第一実施例との相違は、二つのチューナ12a,12bのIF出力が、IFスイッチ12cを介在することなく、直にチューナ部12の出力とされている点である。すなわち、チューナ12a,12bにおける二つの差動出力端子がそれぞれ直結されている。
チューナ12a,12bを構成するチューナICが、非作動時にIF出力がハイインピーダンスに保持されるので、単に一方を非作動とさせるだけで、チューナ部12の出力は、非選択となったチューナの影響を受けることはない。
この場合、第一のチューナと第二のチューナに相当するチューナ12a,12bは動作停止時にその出力端子がハイインピーダンスに保持されるものであり、チューナ12a,12bのいずれかを動作させまたは停止させる信号処理部13が選択回路に相当することになる。
(第三実施例)
IF出力のための信号線であるIFラインを共用する複数のチューナ12a,12bは、異なる回路構成であったり、異なるチューナICを採用していてもよく、また使用形態が異なっていてもよい。
図4は、第三実施例のチューナ部の概略構成をブロック図により示している。
本実施例の構成では、IFラインの合流部から見て片方のチューナ側にのみIFスイッチ12dが入っている。
すなわち、二つのチューナ12a,12bの一方のチューナ12bのIF出力が、直にチューナ部12の出力とされており、他方のチューナ12aのIF出力と本チューナ部12の出力との間にIFスイッチ12dを介在させている。
なお、信号処理部13は、二つのチューナ12a,12bでの選局動作を制御するとともに、チューナ12aを選択するときに、チューナ12aでの選局動作を指示しつつIFスイッチ12dは導通させてチューナ12aのIF出力をチューナ部12の出力とし、また、チューナ12bの動作を停止させる。一方、チューナ12bを選択するときに、少なくともIFスイッチ12dは非導通とさせてチューナ12aのIF出力とチューナ部12の出力との間のアイソレーションを確保し、チューナ12bの選局動作を指示する。
この場合、第二のチューナであるチューナ12bが動作停止時に出力端子がハイインピーダンスに保持されるものであり、選択回路であるIFスイッチ12dが第一のチューナであるチューナ12aの出力端子に接続されて同出力を出力するか否かを選択可能となっている。なお、選択回路はIFスイッチ12dを制御する信号処理部13も備えていることになる。
このような構成をとるケースとして、例えば、チューナ12bは非選択時Hi−Z(高インピーダンス)にできるが、チューナ12aはHi−Zにできない場合等が考えられる。
具体的な例として、
・チューナ12aに受信以外の機能(Loop Throughや他回路へのClock供給等)を持たせており、非選択時もOFFに出来ない場合、
・チューナ12aのみHi−Zにできない回路構成であったり、Hi−ZとならないチューナICである場合
等が考えられる。
(第四実施例)
地上波とケーブル、アナログとデジタル等、複数放送方式に対応したテレビ受信機では、複数のIF出力が必要となり、それぞれ別個の処理回路を接続する場合がある。
図5は、第四実施例のチューナ部の概略構成をブロック図により示している。
本実施例では、そのようなテレビ受信機におけるチューナ部12の複数あるIF出力のそれぞれに、IFスイッチ回路を設けた構成である。
すなわち、チューナ部12には二つのIF出力であるIFOutput1,IFOutput2があり、二つのチューナ12a,12bのそれぞれは動作状況に応じて二種類のIF出力を出力可能となっている。そして、二種類のIF出力は、それぞれ対応するIFOutput1,IFOutput2のそれぞれから出力されるものとする。
このような場合、二つのチューナ12a,12bのうち、選択された側のみ二つのIF出力が、IFOutput1かIFOutput2のいずれかから出力される。このため、二つのIFスイッチ12e,12fの出力をそれぞれIFOutput1とIFOutput2とに専用のものとして割り当てている。そして、二つのIFスイッチ12e,12fのそれぞれにおける独立した二つの入力端子には、チューナ12a,12bのそれぞれのIF出力を供給している。また、信号処理部13は、二つのチューナ12a,12bの選局の制御とIF出力の形式選択に加え、チューナ12a,12bのいずれを選択するかを二つのIFスイッチ12e,12fにて切換の制御を行う。なお、IFスイッチ12e,12fが選択するのは、共にチューナ12aであるか、共にチューナ12bであるかのいずれかであるのが基本である。ただし、二つのIFスイッチ12e,12fがそれぞれ別のチューナ12a,12bを選択しても良い。
この場合、第一のチューナであるチューナ12aと第二のチューナであるチューナ12bとが複数の種類のIF出力を有しており、IFスイッチ12e,12fはそれぞれの種類のIF出力ごとに第一のチューナであるチューナ12aと第二のチューナであるチューナ12bのいずれかを選択して切り替えている。
IF出力が複数種類ある場合、必ずしもIFスイッチを個別に備えなければならないわけではなく、第二実施例や第三実施例のようにすることもできる。すなわち、チューナ部12にはIFOutput1とIFOutput2を設けつつ、第二実施例のようにそれぞれのチューナ12a,12bのIF出力を直結することも可能である。また、第三実施例のように、チューナの一方にのみIF出力を導通させるか非導通とさせるIFスイッチを介在させる構成とすればよい。
(第五実施例)
チューナ部12に複数種類のIF出力があるとしても、全ての種類のIF出力に対して、同じ組み合わせでIF出力を共用する必要はない。
例えば、地上波テレビはデジタル放送だけであるが、ケーブルテレビではデジタルとアナログの放送がされており、一方のIF出力であるIFOutput1にはデジタル放送信号の復調回路が接続され、他方のIF出力であるIFOutput2にはアナログ放送信号の復調回路が接続されているようなケースを想定できる。
図6は、第五実施例のチューナ部の概略構成をブロック図により示している。
本実施例では、チューナ部12の一方のIF出力IFOutput1にだけチューナ12a,12bのいずれかを選択するIFスイッチ12gを介在させる構成としている。
すなわち、地上波テレビのアンテナ端子11aに接続されるチューナ12aは、デジタル放送だけに対応しており、IFスイッチ12gを介してチューナ部12のデジタル用のIF出力であるIFOutput1だけに接続されている。一方、ケーブルテレビのアンテナ端子11bに接続されるチューナ12bは、デジタル放送とアナログ放送に対応しているので、デジタル放送用のIF出力はIFスイッチ12gを介してチューナ部12のデジタル用のIF出力であるIFOutput1だけに接続され、アナログ放送用のIF出力はIFスイッチを介在させることなくチューナ部12のアナログ用のIF出力であるIFOutput2に直に接続されている。そして、信号処理部13は、二つのチューナ12a,12bの選局の制御に加え、チューナ12aを選択するかチューナ12bを選択するかに応じてIFスイッチ12gでの切換の制御を行う。なお、アナログ放送については切換を行う必要もないので信号処理部13による切換制御も行わない。
なお、このようにIF出力が複数種類ある場合でも、必ずしもIFスイッチを備えなければならないわけではなく、第五実施例と同様、第二実施例や第三実施例のように切換を実現することもできる。
(第六実施例)
これまでの実施例では、チューナ回路の出力がIF出力だったのに対し、出力がベースバンド信号である場合でも本発明を実現可能である。例えば、衛星放送用チューナでは特にDirect ConversionによるI/Q出力が主流であり、IFスイッチとIF出力の代わりに、I/QスイッチとI/Q出力とする構成もありうる。むろん、I/Q出力は衛星放送に限らない。
図7は、第六実施例のチューナ部の概略構成をブロック図により示している。
第一のチューナであるチューナ12aと第二のチューナであるチューナ12bは、IF出力に代えてI/Q出力しており、それぞれのチューナ12a,12bの出力がI/Qスイッチ12jにおける独立した二つの入力端子に入力され、I/Qスイッチ12jの切換出力がチューナ部12の出力となっている。
そして選択回路である信号処理部13は、チューナ12a,12bのいずれか一方を選択し、I/Qスイッチ12jによって他方の出力の影響を受けない状態で、選択した一方のI/Q出力を出力させている。
この場合、複数のアンテナ端子11a,11bを備えたテレビ放送受信機であって、同一周波数帯域のテレビ放送を受信可能で、前記複数のアンテナ端子にそれぞれ個別に接続されて独立して選局動作し、選局出力としてI/Q出力する個別のチューナ12a,12bと、個別のチューナ12a,12bの出力について他の個別のチューナ12a,12bの出力から必要なアイソレーションを確保するアイソレーション手段としてのI/Qスイッチ12jを備え、さらに、所定の操作に基づいて個別のチューナ12a,12bの独立選局を指示していずれかのチューナ12a,12bの出力だけを出力させる選局制御回路としての信号処理部13を備えていることになる。なお、この場合も、I/Qスイッチの有無、配置方法については、第二実施例や第三実施例のように実現することもできる。
(ダイバーシティ受信装置)
上述した本発明の構成と、一見すると類似するように思われるダイバーシティ受信装置や衛星放送受信装置の構成が存在するが、目的及び使用形態が大きく異なるので、以下に差異を説明しておく。
図8は、ダイバーシティ受信装置の概略ブロック図である。
ダイバーシティ受信機では、無線アンテナ入力とチューナとからなる受信系統が複数備えられており、各系統のチューナのIF信号をA/D変換し、復調、合成する方式である。このような構成は、携帯電話、1セグ、車載テレビ、無線LAN等の移動端末でよく用いられる。移動端末特有の厳しい受信電波環境で、信号品質を良くする目的で使用される。
本発明とは以下の差異がある。
・ダイバーシティでは、複数の無線アンテナで同一信号(同一放送チャンネル)を受信し、選択または合成を行うのに対し、本発明では、各チューナは独立した選局動作を行っており、複数アンテナ端子で異なる方式や異なるチャンネルを受信し、選択を行なっている。
・ダイバーシティではIF信号またはI/Q信号の信号処理(A/D変換、復調)後に合成したり選択するのに対し、本発明ではIF信号またはI/Q信号の段階で選択する。
(衛星放送受信装置)
図9は、衛星放送受信装置の概略ブロック図である。
衛星放送受信機でパラボラアンテナに取り付けられるコンバーター(LNB=Low Noise Blockとも呼ぶ)を備えているが、本発明とは以下のように構成が異なる。
衛星放送信号は12GHz帯の円偏波信号(左旋円偏波または右旋円偏波)であり、信号の垂直及び水平偏波成分が重畳されている。コンバーター側ではこれら成分を垂直及び水平偏波アンテナで受信し、後段の衛星チューナの受信周波数(中間周波数)である1〜2GHz帯に周波数変換する。その後、これら成分は、スイッチにより時分割合成されて元の衛星信号に復元され、衛星チューナへ出力される。
本発明とは以下の差異がある。
・衛星放送では、複数アンテナ(水平及び垂直)で同一信号(同一衛星放送チャンネル信号)を受信し、スイッチで時分割合成するのに対し、本発明では、各チューナは独立した選局動作を行っており、複数のアンテナ端子で異なる方式や異なるチャンネルを受信し、選択を行う。
・衛星放送では、スイッチで合成される前の信号の片方だけを取り出して受信することはできない(衛星信号は水平・垂直量偏波成分で構成されているため)のに対し、本発明では、各チューナは独立した選局動作を行っており、スイッチで選択される前の一方の信号だけを取り出して信号処理することができる。
なお、本発明は前記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
11a,11b…アンテナ端子、12a,12b…チューナ、12c,12d,12e,12f,12g…IFスイッチ、12j…I/Qスイッチ、13…信号処理部、14…リモコン入力部、15…操作部、16…アンプ、17…スピーカ、18…ドライバー回路、19…ディスプレイパネル。

Claims (8)

  1. 地上波テレビ放送のアンテナ端子と、ケーブル放送のアンテナ端子とを備えたテレビ放送受信機であって、
    前記地上波テレビ放送のアンテナ端子に接続され、所定のチャンネルを受信してIF出力する第一のチューナと、
    前記ケーブル放送のアンテナ端子に接続され、前記第一のチューナとは独立した選局動作をし、所定のチャンネルを受信してIF出力する第二のチューナと、
    前記第一のチューナと前記第二のチューナのいずれか一方を選択し、かつ、他方の出力の影響を受けない状態で、選択した前記一方のIF出力を出力する選択回路を備えることを特徴とするテレビ放送受信機。
  2. 前記選択回路は、前記第一のチューナと前記第二のチューナの出力端子に接続されて一方の出力だけを選択的に出力するIFスイッチを備えることを特徴とする請求項1に記載のテレビ放送受信機。
  3. 前記第一のチューナと前記第二のチューナとが動作停止時に出力端子がハイインピーダンスに保持されるものであり、
    前記選択回路は、前記第一のチューナと前記第二のチューナのいずれかを動作させまたは停止させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテレビ放送受信機。
  4. 前記第二のチューナが動作停止時に出力端子がハイインピーダンスに保持されるものであり、
    前記選択回路は、前記第一のチューナの出力端子に接続されて同出力を出力するか否かを選択可能なIFスイッチを備えることを特徴とする請求項1に記載のテレビ放送受信機。
  5. 前記第一のチューナと前記第二のチューナが複数の種類のIF出力を有し、前記IFスイッチはそれぞれの種類のIF出力ごとに前記第一のチューナと前記第二のチューナのいずれかを選択して切り替えることを特徴とする請求項2または請求項4に記載のテレビ放送受信機。
  6. 前記第一のチューナと前記第二のチューナは、シリコンチューナであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のテレビ放送受信機。
  7. 前記第一のチューナと前記第二のチューナは、IF出力に代えてI/Q出力し、
    前記選択回路は、前記第一のチューナと前記第二のチューナのいずれか一方を選択し、かつ、他方の出力の影響を受けない状態で、選択した前記一方のI/Q出力を出力することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のテレビ放送受信機。
  8. 複数のアンテナ端子を備えたテレビ放送受信機であって、
    同一周波数帯域のテレビ放送を受信可能で、前記複数のアンテナ端子にそれぞれ個別に接続されて独立して選局動作し、選局出力としてIF出力またはI/Q出力する個別のチューナと、
    前記個別のチューナの出力について他の前記個別のチューナの出力から必要なアイソレーションを確保するアイソレーション手段と、
    所定の操作に基づいて前記個別のチューナの独立選局を指示していずれかのチューナの出力だけを出力させる選局制御回路とを備えることを特徴とするテレビ放送受信機。
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