JP2010135355A - ロードポート - Google Patents

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Abstract

【課題】パージ作業中であってもウェーハをFOUP内と半導体製造装置内との間で出し入れすることができるロードポートを提供する。
【解決手段】共通のクリーンルーム内において半導体製造装置に隣接して設けられるロードポート1として、FOUP内部の気体雰囲気を窒素ガスに置換するパージポート(注入用パージポート23、排出用パージポート24)を有するパージステージ2と、パージステージ2に並べて設けられ且つ半導体製造装置B内に通じる開口部33及び開口部33を開閉可能なドア部34を有するオープナステージ3と、FOUPをパージステージ2とオープナステージ3との間で移動させる移動機構4とを備えた構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、クリーンルーム内において半導体製造装置に隣接して設けられるロードポートに関するものである。
半導体の製造工程においては、歩留まりや品質の向上のため、クリーンルーム内でのウェーハの処理がなされている。しかしながら、素子の高集積化や回路の微細化、ウェーハの大型化が進んでいる今日では、小さな塵をクリーンルーム内の全体で管理することは、コスト的にも技術的にも困難となってきている。このため、近年では、クリーンルーム内全体の清浄度向上に代わる方法として、ウェーハの周囲の局所的な空間についてのみ清浄度をより向上させる「ミニエンバイロメント方式」を取り入れ、ウェーハの搬送その他の処理を行う手段が採用されている。ミニエンバイロメント方式では、ウェーハを高清浄な環境で搬送・保管するためのFOUP(Front-Opening Unified Pod)と呼ばれる格納用容器と、FOUP内のウェーハを半導体製造装置との間で出し入れするとともに搬送装置との間でFOUPの受け渡しを行うインターフェース部の装置であるロードポート(Load Port)が重要な装置として利用されている。すなわち、クリーンルーム内において特にFOUP内と半導体製造装置内とを高清浄度に維持しながら、ロードポートを配置した空間、換言すればFOUP外と半導体製造装置外を低清浄度とすることで、クリーンルーム建設・稼働コストを抑制するようにされている。
そして、ロードポートに設けたドア部をFOUPの背面に設けた扉に密着させた状態でこれらドア部及び扉が同時に開けられ、FOUP内のウェーハが半導体製造装置内に供給される。その後、種々の処理または加工が施されたウェーハは、半導体製造装置内からFOUP内に再度収容される。
ところで、半導体製造装置内はウェーハの処理または加工に適した所定の気体雰囲気に維持されているが、FOUP内から半導体製造装置内にウェーハを送り出す際にはFOUPの内部空間と半導体製造装置の内部空間とが相互に連通することになる。したがって、FOUP内の環境が半導体製造装置内よりも低清浄度であると、FOUP内の気体が半導体製造装置内に進入して半導体製造装置内の気体雰囲気に悪影響を与え得る。また、ウェーハを半導体製造装置内からFOUP内に収納する際に、FOUP内の気体雰囲気中の水分、酸素或いはその他のガス等によって、ウェーハの表面に酸化膜が形成され得るという問題もある。
そこで、特許文献1には、FOUPの内部空間と半導体製造装置の内部空間とを連通させる前に、FOUP内を半導体製造装置内と同一又はほぼ同一の気体雰囲気にすべく、ウェーハが収納されているFOUPをロードポートの載置板に載置されたことを検出した際に、所定の気体(例えば窒素や不活性ガス等)をFOUP内に注入して充満させてFOUP内を所定の気体雰囲気に置換するようにしたロードポートが開示されている。
また、ロードポートとは別に窒素や乾燥空気等の所定の気体をFOUP内に注入して、FOUP内を所定の気体に置換するパージ専用装置を設け、このパージ専用装置でFOUP内を所定の気体雰囲気に置換した後にロードポートに搬送して以降の処理を行うようにした態様も知られている。
特開2006−351619号公報
しかしながら、FOUPがロードポートの載置板に載置されたことを検出した際に、窒素や乾燥空気等の気体をFOUP内に注入してFOUP内を所定の気体雰囲気に置換するようにしたロードポートであれば、置換作業(パージ作業)中は、載置部がパージ作業中のFOUPに占有されるため、ロードポート本来の機能、つまり、ウェーハをFOUP内と半導体製造装置内との間で出し入れするという機能を発揮することができず、作業効率が低下するという問題があった。
一方、後者の態様では、ロードポートとは別に専用のパージ装置が必要であることに加えて、ロードポートとパージ専用装置との相対離間距離が大きければ大きいほどFOUPをパージ専用装置からロードポートの載置板まで移動させる距離が増大し、やはり作業効率が低下するという問題が生じる。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、パージ作業中であってもウェーハをFOUP内と半導体製造装置内との間で出し入れすることができるとともに、パージ作業を行う位置と、ウェーハをFOUP内と半導体製造装置内との間で出し入れする位置とを可及的に近付けてFOUPの移動距離を小さくし、作業効率を向上させることができるロードポートを提供することにある。
すなわち、本発明のロードポートは、半導体の製造工程において用いられるものであって、クリーンルーム内において半導体製造装置に隣接して設けられ、搬送されてきたFOUPを受け取りFOUP内に格納されているウエーハを半導体製造装置内とFOUP内との間で出し入れするものであって、FOUP内の気体雰囲気を窒素又は乾燥空気に置換可能なパージポートを有するパージステージと、パージステージに並べて設けられ且つ半導体製造装置内に通じる開口部及び開口部を開閉可能なドア部を有するオープナステージと、FOUPをパージステージとオープナステージとの間で移動させる移動機構とを備えたものであることを特徴とする。
このようなものであれば、パージステージにおいてパージポートからFOUP内に窒素又は乾燥空気を吹き込んでFOUP内の気体雰囲気を窒素又は乾燥空気に置換する作業、つまりパージ作業と、オープナステージにおいてウェーハをFOUP内と半導体製造装置内との間で出し入れする作業とを同時に行うことが可能であるため、置換作業(パージ作業)中であっても、ロードポートがパージ作業中のFOUPに占有されるという事態を回避することができ、置換作業(パージ作業)中であってもウェーハをFOUP内と半導体製造装置内との間で出し入れすることができ、作業効率が向上する。しかも、パージステージとオープナステージとを並べて設け、移動機構によりFOUPをこれらパージステージとオープナステージとの間で移動可能に構成しているため、パージ作業を行う位置と、ウェーハをFOUP内と半導体製造装置内との間で出し入れする位置とを可及的に近付けることができ、FOUPの移動距離を小さくして、作業効率のさらなる向上を図ることができる。ここで、本発明における「半導体製造装置」は、ロードポートに直接隣接する位置に配設される移送室を備えたもの、又は移送室を備えないもの、これら何れをも含むものである。なお、移送室内には、FOUP内のウェーハを1枚ずつ、又はFOUP内に着脱可能にセットされウェーハを複数枚格納する多段式カセットをFOUP内と半導体製造装置本体内との間で移送する移送機を設けている。
また、オープナステージにおける開閉部を開放してFOUP内と半導体製造装置内とを連通させた場合に、FOUP内の気体雰囲気が、パージ作業直後と比較して清浄度が低下し、FOUP内の気体雰囲気中の水分、酸素或いはその他のガス等によって、ウェーハの表面に酸化膜が形成され得るという問題を解消するためには、オープナステージに、ドア部を作動させて開閉部を開放した際に、FOUP内に窒素又は乾燥空気を吹き込み得るサブパージ部を設ければよい。
本発明のロードポートによれば、パージ作業中であってもウェーハをFOUP内と半導体製造装置内との間で出し入れすることができるとともに、パージ作業を行う位置と、ウェーハをFOUP内と半導体製造装置内との間で出し入れする位置との間でFOUPを移動機構により好適に移動させることができ、作業効率が向上する。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るロードポート1は、図1に示すように、半導体の製造工程において用いられ、共通のクリーンルームA内において半導体製造装置Bに隣接して配置されるものであり、FOUP9側のドアを密着させて開閉し、半導体製造装置Bとの間でFOUP9内に収容されたウェーハ(図示省略)の出し入れを行うものである。なお、図1はロードポート1とその周辺を上から見た平面図として、クリーンルームAにおけるロードポート1と半導体製造装置Bとの相対位置関係を模式的に示している。
ロードポート1は、図1〜図5(図2及び図3はロードポート1を相互に異なる角度から見た全体概略図であり、図4はロードポート1の正面図であり、図5は図4における矢印X方向から見たロードポート1の側面図である)に示すように、FOUP9内に窒素や不活性ガス又は乾燥空気等の気体(本実施形態では窒素ガスを用いる)を注入し、FOUP9内の気体雰囲気を窒素ガスに置換するパージステージ2と、FOUP9内に収容されたウェーハを半導体製造装置B内に払い出すとともに、半導体製造装置Bで処理されたウェーハをFOUP9内に収容するオープナステージ3とを一体的に備え、さらに、FOUP9をパージステージ2とオープナステージ3との間で移動させる移動機構4を備えたものである。
本実施形態で適用するFOUP9は、既知のものであるため、詳細な説明は省略する。半導体製造装置Bは、図1に示すように、半導体製造装置本体B1と、半導体製造装置本体B1に隣接して配置される移送室B2とを備えたものであり、移送室B2内に、例えばFOUP9内のウェーハを1枚ずつFOUP9内と移送室B2内との間、及び移送室B2内と半導体製造装置本体B1内との間で移送する移送機(図示省略)を設けている。なお、FOUP9と半導体製造装置B(半導体製造装置本体B1及び移送室B2)との間でウェーハを複数枚格納したカセットごと移送することも可能である。このような構成により、クリーンルームAにおいて、半導体製造装置本体B1内、移送室B2内、及びFOUP9内は高清浄度に維持される一方、ロードポート1を配置した空間、換言すれば半導体製造装置本体B1外、移送室B2外、及びFOUP9外は比較的低清浄度となる。以下、本実施形態のロードポート1の構成について主として説明する。
パージステージ2は、ほぼ矩形板状をなし略鉛直姿勢で配置されるパージステージ側フレーム21と、このパージステージ側フレーム21の高さ方向中央部からやや上方寄りの位置に略水平姿勢で設けたパージステージ側載置板22と、パージステージ側載置板22に設けたパージポート(注入用パージポート23、排出用パージポート24)を主として備えたものである。パージステージ側フレーム21は、後述するオープナステージ側フレーム31とともに共通のベースフレーム5の前面に配されるものである。本実施形態のロードポート1は、ベースフレーム5の背面を半導体製造装置B(具体的には移送室B2)の前面に密着させた状態で使用可能なものである(図1参照)。
パージステージ側載置板22は、後述する移動機構4のうち昇降移動及び水平移動可能なメインテーブル41との干渉を避けるパージステージ側切欠部22aを形成したものである。また、このパージステージ側載置板22には、上向きに突出させた3つの突起22bを形成しており、これらの突起22bをFOUP9の底面に形成された穴(図示省略)に係合させることで、パージステージ側載置板22上におけるFOUP9の位置決めを図っている。
パージポート(注入用パージポート23、排出用パージポート24)は、パージステージ側載置板22の幅方向に沿って離間した位置に対にして設けられ、一方が窒素ガスを注入する注入用パージポート23として機能するものであり、他方がFOUP9内の気体雰囲気を排出する排出用パージポート24として機能するものである。注入用パージポート23及び排出用パージポート24は、気体の逆流を規制する弁機能を有するものであり、FOUP9の底部に設けた注入口及び排出口(ともに図示省略)に嵌合した状態で連結可能なものである。なお、各パージポート(注入用パージポート23、排出用パージポート24)と注入口及び取出口との嵌合部分は、注入用パージポート23及び排出用パージポート24の先端部に設けたパッキン等によって密閉状態になる。
また、パージステージ側載置板22に、加圧センサを設け、FOUP9のうち底部が加圧センサの被押圧部を押圧したことを検出した際に、図示しない制御部からの信号によって、注入用パージポート23から窒素ガスが噴出し、注入口を通じてFOUP9内に窒素ガスを注入する。この際、FOUP9内に充満していた空気などの気体は、FOUP9の排出口から排出用パージポート24を通じてFOUP9の外へ排出される。
オープナステージ3は、ほぼ矩形板状をなし略鉛直姿勢で配置されるオープナステージ側フレーム31と、このオープナステージ側フレーム31の高さ方向中央部からやや上方寄りの位置に略水平姿勢で設けたオープナステージ側載置板32と、オープナステージ側フレーム31のうちオープナステージ側載置板32とほぼ同じ高さ位置に開口下縁を設定し半導体製造装置B内(具体的には移送室B2内)に連通し得る開口部33と、この開口部33を開閉するドア部34とを備えたものである。ここでオープナステージ側フレーム31及びパージステージ側フレーム21は共通のベースフレーム5の前面に並べて設けられ、これらオープナステージ側フレーム31及びパージステージ側フレーム21は平面視同一直線状に配される(図1参照)。
オープナステージ側載置板32は、後述する移動機構4のうち昇降移動及び水平移動可能なメインテーブル41との干渉を避けるオープナステージ側切欠部32aを形成したものである。また、このオープナステージ側載置板32には、上向きに突出させた3つの突起32bを形成している。これら3つの突起32bは、パージステージ側載置板22に設けた3つの突起22bと対応する箇所に設けたものであり、これら3つの突起32bをFOUP9の底面に形成された穴(図示省略)に係合させることで、オープナステージ側載置板32上におけるFOUP9の位置決めを図っている。本実施形態では、オープナステージ側載置板32の高さ位置をパージステージ側載置板22と同一又はほぼ同一高さ位置に設定している。
ドア部34は、FOUP9をオープナステージ側載置板32に載置した状態においてFOUP9の背面に設けた扉(図示省略)に密着した状態でその扉を開ける開状態と、隣接する半導体製造装置B(具体的には移送室B2)の内部空間とFOUP9の内部空間とを遮断する閉状態との間で作動可能なものであり、具体的な開閉構造は既知のものに準じたものである。
また、オープナステージ3には、図6に示すように、開口部33近傍に、ドア部34を開放した際、つまりドア部34が開状態となった際に、FOUP9内に窒素や不活性ガス又は乾燥空気等の気体(本実施形態では窒素ガスを用いる)を吹き込むサブパージ部(トップサブパージ部35、サイドサブパージ部36)を設けている。本実施形態では、開口部33のうち開口上縁部近傍にトップサブパージ部35を設け、開口部33のうち両側縁部近傍にサイドサブパージ部36を設けている。これらトップサブパージ部35及びサイドサブパージ部36は、ドア部34よりも奥方(半導体製造装置B側)に設けられている。なお、トップサブパージ部35及びサイドサブパージ部36は、通常の使用状態において外観から視認できないようにオープナステージ側フレーム31内に組み込まれている。また、図6は図3の一部を拡大してサブパージ部(トップサブパージ部35、サイドサブパージ部36)の構造及びサブパージ部と開口部33との相対位置関係を模式的に示す図であり、説明の便宜上、ドア部34等は省略している。
トップサブパージ部35は、ガス管351から分岐させた複数のトップノズル352によって構成したものである。本実施形態では、計4つのトップノズル352をそれぞれ先端を下方且つ前方(FOUP9側)に向けた姿勢で開口部33の上辺に沿って等ピッチで配している。
サイドサブパージ部36は、ガス管361から分岐させた複数のサイドノズル362によって構成したものである。本実施形態では、開口部33の両サイドにそれぞれ計4つのサイドノズル362をそれぞれ先端を側方且つ前方(FOUP9側)に向けた姿勢で開口部33の側辺に沿って等ピッチで配している。
また、本実施形態に係るロードポート1は、オープナステージ3に、FOUP9内に格納されたウェーハの枚数や位置をマッピングするマッピング装置(図示省略)を設けている。
このように本実施形態に係るロードポート1は、パージステージ2及びオープナステージ3を、半導体製造装置B(具体的には移送室B2)の前面にその面方向に沿って且つ水平方向に並んだ状態で配置可能に構成し、次に説明する移動機構4によりFOUP9をパージステージ2とオープナステージ3との間で移動させるようにしている。
移動機構4は、FOUP9を上面に載せ置くことが可能なメインテーブル41と、メインテーブル41を昇降移動させる昇降移動部42と、メインテーブル41をパージステージ2とオープナステージ3との間で水平移動させる水平移動部43とを備えたものである。
メインテーブル41は、例えば平面視略三角形状をなす板状の部材であり、上向きに突出させた3つの突起41aを形成しており、これらの突起41aをFOUP9の底面に形成された前述とは異なる穴(図示省略)に係合させることで、メインテーブル41上におけるFOUP9の位置決めを図っている。すなわちFOUP9の底面には、6つの位置決め用の穴が形成されており、そのうちの3つをメインテーブル41の突起41aと、残りの3つをパージステージ側載置板22の突起22b又はオープナステージ側載置板32の突起32bと、それぞれ係合させ得るようにしている。
昇降移動部42は、メインテーブル41を、パージステージ側載置板22及びオープナステージ側載置板32よりも低位置に設定される降下位置と、パージステージ側載置板22及びオープナステージ側載置板32よりも高位置に設定される上昇位置との間で昇降動作させるものである。昇降移動部42は、複数の液圧式又はガス圧式のシリンダ421を用いて構成される(図4参照)。シリンダ421はカバー体422によって被覆されている。
水平移動部43は、メインテーブル41を、パージステージ側載置板22に形成したパージステージ側切欠部22aに少なくとも平面視において嵌合し得るパージステージ側位置(図1に実線で示す位置)と、オープナステージ側載置板32に形成したオープナステージ側切欠部32aに少なくとも平面視において嵌合し得るオープナステージ側位置(図1に破線で示す位置)との間で水平移動させるものである。水平移動部43は、パージステージ側フレーム21及びオープナステージ側フレーム31に亘る領域に水平姿勢に設けられたレール支持板431と、レール支持板431上に設けられ、且つ長手方向をロードポート1の幅方向に一致させたレール432(図示例では2本のレール432)と、レール432に沿って移動可能な台車433とを備えたものである。本実施形態では、台車433上に昇降移動部42及びメインテーブル41を配設している。
なお、ロードポート1の通常使用時は、移動機構4のうち昇降移動部42及び水平移動部43をカバー(図示省略)で覆っている。また、この移動機構4が、メインテーブル41に載置しているFOUP9をドア部34に接離するようにメインテーブル41を移動させる機能や、搬送装置から任意の方向で載置されたFOUP9の向きを正しい方向に変更する(移動させる)機能を有するものであってもよい。
次に、このような構成をなすロードポート1の使用方法及び作用について説明する。
先ず、図示しない搬送装置によりFOUP9がロードポート1に搬送される。搬送されたFOUP9は、パージステージ側位置であって且つ上昇位置に位置付けられたメインテーブル41に載置され、このメインテーブル41が昇降移動部42により上方位置から降下位置へ移動する動作に伴って、FOUP9がパージステージ側載置板22に載置される。この際、パージステージ側載置板22上に設けた突起22bがFOUP9の底部に形成した穴に係合する。FOUP9がパージステージ側載置板22に載置されると同時またはほぼ同時に、パージステージ側載置板22に設けた注入用パージポート23及び排出用パージポート24が、FOUP9の底部に形成した注入口及び排出口にそれぞれ連結し、注入用パージポート23から窒素ガスをFOUP9内に注入し、FOUP9内に充満していた気体を、排出用パージポート24からFOUP9外へ排出する。
次いで、内部空間を窒素ガスで充填したFOUP9を、移動機構4によりパージステージ2からオープナステージ3へ移動させる。具体的には、降下位置に位置付けられているメインテーブル41を昇降移動部42により上昇位置へ移動させる。この上昇移動の途中でFOUP9はパージステージ側載置板22からメインテーブル41上に移載される。この際、メインテーブル41上に設けた突起41aがFOUP9の底部に形成した穴に係合する。引き続き、メインテーブル41を水平移動部43によりパージステージ側位置からオープナステージ側位置へ移動する。メインテーブル41を昇降移動部42により上方位置から降下位置へ移動させて、FOUP9をオープナステージ側載置板32に載置する。この際、オープナステージ側載置板32上に設けた突起32bがFOUP9の底部に形成した穴に係合する。
そして、オープナステージ側載置板32にFOUP9を載置した直後に、FOUP9内のウェーハをオープナステージ3から半導体製造装置B内に順次払い出す。具体的には、オープナステージ3のドア部34がFOUP9の扉(図示省略)に密着した状態で閉状態から開状態となり、開口部33を開放した状態で移送室B2内に設けた移送機によりFOUP9内のウェーハを半導体製造装置B内に順次移送する。移送室B2内に移送されたウェーハは引き続いて半導体製造装置本体B1内に移送されて半導体製造装置本体B1による半導体製造処理工程に供される。半導体製造装置本体B1により半導体製造処理工程を終えたウェーハは移送機により移送室B1内を経由してFOUP9内に順次格納される。本実施形態に係るロードポート1は、オープナステージ3の開口部33が開放した際、換言すればドア部34が開状態となった際、さらに言えばウェーハをFOUP9内と半導体製造装置B内との間で出し入れする際に、トップサブパージ部35及びサイドサブパージ部36からそれぞれ窒素ガスをFOUP9内に向かって吹き付ける。これにより、ウェーハをFOUP9内と半導体製造装置B内との間で出し入れする際に、FOUP9内の気体雰囲気を低いレベルではあるものの窒素ガスに置換したり、余計な水分を除去することが可能である。
全てのウェーハが半導体製造処理工程を終えてFOUP9内に収納されると、オープナステージ3のドア部34がFOUP9の扉に密着した状態で開状態から閉状態となり、開口部33は閉止される。引き続き、オープナステージ側載置板32に載置されたFOUP9は図示しない搬送機構により次工程へと運び出される。なお、必要であれば、半導体製造処理工程を終えたウェーハを収納したFOUP9を、移動機構4によりオープナステージ3からパージステージ2に移動し、パージステージ2において再度パージ処理工程を経るようにしてもよい。このようにすれば、半導体製造処理工程を終えたウェーハを収納したFOUP9に対して直ぐにパージ処理を開始することができ、処理済みのウェーハの酸化防止を図ることができる。
また、オープナステージ3においてウェーハをFOUP9内と半導体製造装置B内との間で出し入れする処理を行うと同時またはほぼ同時に、パージステージ2に搬送されてきた次ロットのFOUP9に対してパージ処理を行うことにより、ロードポート1上におけるウェーハの出し入れ処理工程とパージ処理工程とを効率良く行うことができ、一つのFOUP9に対する処理時間の短縮化を図ることが可能である。
このように、本実施形態に係るロードポート1は、注入用パージポート23及び排出用パージポート24を有するパージステージ2と、半導体製造装置B内に通じる開口部33を開閉可能なドア部34を有するオープナステージ3とを幅方向に並べて設けているため、パージステージ2において注入用パージポート23及び排出用パージポート24を通じてFOUP9内の気体雰囲気を窒素又は乾燥空気等の気体に置換するパージ作業を行いながら、オープナステージ3ではウェーハをFOUP9内と半導体製造装置B内との間で出し入れすることができ、パージ作業中であってもウェーハをFOUP9内と半導体製造装置B内との間で出し入れするというFOUP9本来の機能を発揮することができ、作業効率が大幅に向上する。また、ウェーハをFOUP9内と半導体製造装置B内との間で出し入れした後に、パージ作業を行う場合であっても、FOUP9をオープナステージ3に留めておく必要がなく、次ロットのFOUP9に対して大きなタイムロスが発生することなく引き続いてウェーハの出し入れ処理を行うことができる。
しかも、本実施形態に係るロードポート1は、FOUP9をパージステージ2とオープナステージ3との間で移動させる移動機構4をさらに備えたものであるため、パージ作業を行う位置と、ウェーハをFOUP9内と半導体製造装置B内との間で出し入れする位置との離間距離を可及的に近付けることができ、FOUP9の移動距離を短くしてFOUP9の移動時間の短縮化を図ることができ、さらなる作業効率の向上を図ることができる。
特に、オープナステージ3は、開口部33を開放した際に、FOUP9内に窒素ガスを吹き込み得るサブパージ部(トップサブパージ部35、サイドサブパージ部36)を備えたものであるため、上述したように、ウェーハをFOUP9内と半導体製造装置B内との間で出し入れする際に、トップサブパージ部35及びサイドサブパージ部36からそれぞれ窒素ガスをFOUP9内に向かって吹き付けることにより、FOUP9内の気体雰囲気を窒素ガスに置換したり、余計な水分を除去することが可能であり、ウェーハの酸化防止を図ることができるとともに、湿気による悪影響を回避することができる。また、共通のFOUP9内に収容される複数のウェーハのうち、最初に半導体製造処理工程を終えてFOUP9内に収容されたウェーハは、最後に半導体製造処理工程を経るウェーハがFOUP9内に収容されるまで、通常であればFOUP9内においてウェーハの出し入れ作業時間の経過とともに窒素ガスの充填度(置換度)が低下する気体雰囲気に晒されることにより僅かながらも悪影響を受け得るが、トップサブパージ部35及びサイドサブパージ部36からそれぞれ窒素ガスをFOUP9内に向かって吹き付けることにより、FOUP9内における窒素ガス充填度(置換度)の低下を効果的に抑制することができ、ウェーハを良好な状態でFOUP9内に収納しておくことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、パージステージとオープナステージとの相対位置関係は逆であってよい。また、図7に示すように、本実施形態に係るロードポート1を2台並べ、各ロードポート1におけるオープナステージ3が相互に隣接するように、各ロードポート1におけるパージステージ2とオープナステージ3との相対位置関係を設定すれば、各オープナステージ3上に載置されたFOUP9内のウェーハを共通の半導体製造装置B内に効率良く出し入れすることができる。この場合、各ロードポート1のパージステージ2は半導体製造装置Bに直に接していなくても構わない。
また、パージステージにおけるパージポート(注入用パージポート、排出用パージポート)の数や配置箇所を適宜変更してもよい。オープナステージにおけるサブパージ部を、トップサブパージ部又はサイドサブパージ部の何れか一方のみによって構成してもよく、或いは、開口部の下縁近傍に設けたボトムサブパージ部によって構成してもよい。サブパージ部における吹出口(上述した実施形態におけるノズルに相当するもの)の数や形状も適宜変更しても構わない。
また、移動機構は、少なくともFOUPをパージステージとオープナステージとの間で移動させるものであればよく、FOUPを水平移動させる機能のみを有するものであっても構わない。また、移動機構がメインテーブルを備えたものである場合、メインテーブルの平面視形状等は適宜変更してもよく、パージステージ側載置板及びオープナステージ側載置板にそれぞれメインテーブルとの干渉を回避する所定形状の切欠部を形成すればよい。移動機構が、メインテーブルを備えず、FOUPを吊った状態でパージステージとオープナステージとの間で移動させるもの、またはFOUPを所定のベルト上を滑らせてパージステージとオープナステージとの間で移動させるものであっても構わない。
さらにまた、上述した実施形態における移送室内に設けた移送機が、FOUP内に着脱可能にセットされウェーハを複数枚格納する多段式カセットをFOUP内と半導体製造装置本体内との間で移送するものであってもよい。また、ロードポートを、移送室を有さない半導体製造装置に隣接して設けても構わない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態に係るロードポートの平面図であって、クリーンルームにおけるロードポートと半導体製造装置との相対位置関係を模式的に示す図。 同実施形態に係るロードポートの全体概略図。 同実施形態に係るロードポートを図2とは異なる角度から見た全体概略図。 同実施形態に係るロードポートの正面図。 図4におけるX方向矢視図。 同実施形態に係るロードポートにおけるサブパージ部を模式的に示す図。 同実施形態に係るロードポートを2台並べて配置した態様を図1に対応させて示す図。
符号の説明
1…ロードポート
2…パージステージ
23、24…パージポート(注入用パージポート、排出用パージポート)
3…オープナステージ
33…開口部
34…ドア部
35、36…サブパージ部(トップサブパージ部、サイドサブパージ部)
4…移動機構
9…FOUP
A…クリーンルーム
B…半導体製造装置

Claims (2)

  1. クリーンルーム内において半導体製造装置に隣接して設けられ、搬送されてきたFOUPを受け取り当該FOUP内に格納されているウェーハを前記半導体製造装置内と当該FOUP内との間で出し入れするロードポートであって、
    前記FOUP内の気体雰囲気を窒素又は乾燥空気に置換可能なパージポートを有するパージステージと、
    当該パージステージに並べて設けられ、且つ前記半導体製造装置内に通じる開口部及び当該開口部を開閉可能なドア部を有するオープナステージと、
    前記FOUPを前記パージステージと前記オープナステージとの間で移動させる移動機構とを具備してなることを特徴とするロードポート。
  2. 前記オープナステージに、前記ドア部を作動させて前記開口部を開放した際に、前記FOUP内に窒素又は乾燥空気を吹き込み得るサブパージ部を設けている請求項1に記載のロードポート。
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