JP5939080B2 - パージノズルユニット、パージ装置、ロードポート - Google Patents

パージノズルユニット、パージ装置、ロードポート Download PDF

Info

Publication number
JP5939080B2
JP5939080B2 JP2012175103A JP2012175103A JP5939080B2 JP 5939080 B2 JP5939080 B2 JP 5939080B2 JP 2012175103 A JP2012175103 A JP 2012175103A JP 2012175103 A JP2012175103 A JP 2012175103A JP 5939080 B2 JP5939080 B2 JP 5939080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
purge
purge gas
foup
introduction
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012175103A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014036049A (ja
Inventor
夏目 光夫
光夫 夏目
源五郎 小倉
源五郎 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sinfonia Technology Co Ltd
Original Assignee
Sinfonia Technology Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sinfonia Technology Co Ltd filed Critical Sinfonia Technology Co Ltd
Priority to JP2012175103A priority Critical patent/JP5939080B2/ja
Publication of JP2014036049A publication Critical patent/JP2014036049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5939080B2 publication Critical patent/JP5939080B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

本発明は、パージ対象空間を有するパージ対象容器に対してパージ処理を行うパージノズルユニット、及びそのパージノズルユニットを備えたパージ装置並びにロードポートに関するものである。
半導体の製造工程においては、歩留まりや品質の向上のため、クリーンルーム内でウェーハの処理がなされている。近年では、クリーンルーム内全体の清浄度向上に代わる方法として、ウェーハの周囲の局所的な空間についてのみ清浄度をより向上させる「ミニエンバイロメント方式」を取り入れ、ウェーハの搬送その他の処理を行う手段が採用されている。ミニエンバイロメント方式では、ウェーハを高清浄な環境で搬送・保管するためのFOUP(Front-Opening Unified Pod)と呼ばれる格納用容器と、FOUP内のウェーハを半導体製造装置との間で出し入れするとともに搬送装置との間でFOUPの受け渡しを行うインターフェース部の装置であるロードポート(Load Port)が重要な装置として利用されている。
ところで、半導体製造装置内はウェーハの処理または加工に適した所定の気体雰囲気に維持されているが、FOUP内から半導体製造装置内にウェーハを送り出す際にはFOUPの内部空間と半導体製造装置の内部空間とが相互に連通することになる。したがって、FOUP内の環境が半導体製造装置内よりも低清浄度であると、FOUP内の気体が半導体製造装置内に進入して半導体製造装置内の気体雰囲気に悪影響を与え得る。また、ウェーハを半導体製造装置内からFOUP内に収納する際に、FOUP内の気体雰囲気中の水分、酸素或いはその他のガス等によって、ウェーハの表面に酸化膜が形成され得るという問題もある。
このような問題に対応するための技術として、特許文献1には、FOUPの扉をロードポートのドア部で開けて、FOUPの内部空間と半導体製造装置の内部空間とを連通させた状態で、開口部よりも半導体製造装置側に設けたパージ部(パージノズル)により所定の気体(例えば窒素や不活性ガス等)をFOUP内に吹き込むパージ装置を備えたロードポートが開示されている。
しかしながら、このような搬出入口を介して半導体製造装置の内部空間に開放されたFOUP内にその前面側(半導体製造装置側)から所定の気体をFOUP内に注入してFOUP内を所定の気体雰囲気に置換するいわゆるフロントパージ方式のパージ装置は、FOUPの開口部を開放して当該FOUPの内部空間を半導体製造装置の内部空間全体に直接連通させた状態でパージ処理を行うため、FOUP内を高い所定気体雰囲気濃度に維持することが困難であり、所定の気体雰囲気の到達濃度が低いというデメリットがあった。
一方、特許文献2には、ウェーハが収納されているFOUPをロードポートの載置台に載置した状態で所定の気体(例えば窒素や不活性ガス等)をFOUPの底面側から内部に注入して充満させて、FOUP内を所定の気体雰囲気に置換するパージ装置を備えたロードポートが開示されている。このようなFOUPの底面側から窒素や乾燥空気等の気体をFOUP内に注入してFOUP内を所定の気体雰囲気に置換するいわゆるボトムパージ方式は、フロントパージ方式のパージ装置と比較して、所定の気体雰囲気の到達濃度が高いという利点がある。
ところで、ボトムパージ方式を採用した場合に、パージノズルが載置台の上向き面よりも常に上方に突出したものであれば、載置台上にFOUPが載置される時に、載置台上の位置決めピンによってFOUPが位置決めされる前に、パージノズルが、FOUPの一部に当たったり、引っ掛かり易く、FOUPを所期の位置に載置することができないという事態が生じる可能性がある。
特に、FOUPはOHT(Overhead Hoist Transfer)などの搬送装置を介してロードポートの上方から載置台上に載置されるが、この搬送時や載置時にFOUPが揺れることによって上記不具合が発生し易くなる傾向がある他にも、FOUPの底面に設けられる樹脂製部材であって、パージ処理時にはパージノズルと接触(密着)する注入部(パージ用ポート)が、パージ処理時よりも前の処理である載置台上へのFOUPの載置処理時にパージノズルと擦れ合って摩耗してしまう可能性もある。
そこで、特許文献2では、FOUPの底面に設けた位置決め溝に載置台上の位置決めピンが係合した状態で、ノズルをFOUPの底面に形成したパージ用ポートに接触させるように、ノズルを駆動する駆動部を備えたパージ装置が開示されている。
特開2009−038074号公報 特開2011−187539号公報
特許文献2には、駆動部の具体例として、ノズルを保持するノズルホルダの両サイドにそれぞれ取り付けられた左右一対のエアシリンダと、両端部に各エアシリンダの作用端が接続され、且つ中央部にノズルが取り付けられた共通の昇降板とを備え、各エアシリンダが同期駆動させて昇降板を昇降移動させることでノズルを昇降させる態様が開示されている。
しかしながら、このような態様であれば、ノズルホルダの両サイドにそれぞれエアシリンダを取り付けなければならず、その分だけ少なくとも平面寸法がノズルホルダの平面寸法よりも大きくなり、コンパクト化を図ることが困難であるとともに、左右一対のエアシリンダを同期駆動させなければ昇降板の昇降動作、及び昇降板の昇降動作に伴うノズルホルダ並びにノズルの昇降移動が不安定となったり、昇降不能になる事態も想定される。
なお、このような不具合は、ロードポートのパージ装置に限らず、ロードポート以外のパージ装置、例えばストッカーのパージ装置やパージステーションのパージ装置にも生じ得ることである。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、所定の気体雰囲気の到達濃度が高いパージ処理を行うことが可能なボトムパージ方式を採用しつつ、部品点数の削減及びコンパクト化を実現可能なパージノズルユニット、及びこのようなパージノズルユニットを備えたパージ装置、並びにロードポートを提供することにある。
すなわち本発明は、パージ対象容器の底面に設けたポートを通じてパージ対象容器内の気体雰囲気を窒素又は乾燥空気の何れかからなるパージ用気体に置換可能なパージノズルユニットに関するものである。ここで、本発明における「パージ対象容器」は、FOUPなど内部にパージ対象空間を有する容器全般を包含する。
そして、本発明に係るパージノズルユニットは、下方から上方に向かうパージ用気体供給方向に沿って延伸するパージ用気体流路を内部に形成した胴部、及び胴部よりも側方に張り出した鍔部を有するノズル本体と、鍔部の外向き面に添接する側壁、及び胴部の外向き面を添接させ且つ挿通させた貫通孔を形成した底壁を有するホルダと、ノズル本体を下方へ付勢する付勢手段とを備え、さらに、胴部が、パージ用気体流路のうち前記パージ用気体供給方向下流側に形成され且つパージ用気体供給源に直接的又は間接的に接続した通気孔と、パージ用気体流路に連通し且つノズル本体とホルダとの間に形成された圧力調整空間にパージ用気体を導入可能な導入路と、パージ用気体流路のうち導入路よりもパージ用気体供給方向下流側に設けられ且つ通気孔からパージ用気体流路に供給されたパージ用気体を導入路に優先して導入する導入路優先状態になり得る優先導入手段とを備えたものであり、導入路優先状態にある優先導入手段により導入路を通じてパージ用気体を圧力調整空間に導入して圧力調整空間の圧力を上げることで、付勢手段の付勢力に抗してノズル本体をホルダに対して上昇移動させるように構成し、少なくともパージ用気体流路のうち導入優先手段よりもパージ用気体供給方向上流側領域の圧力が所定値以上になった時点以降に導入路優先状態が解除されて通気孔からパージ用気体流路に供給されるパージ用気体の全部または略全部を導入優先手段よりも前記パージ用気体供給方向下流側に導入可能に構成していることを特徴としている。
このように、本発明に係るパージノズルユニットであれば、パージ用気体流路に連通する導入路を通じて圧力調整空間にパージ用気体を導入して、圧力調整空間内の圧力を上げることにより、ノズル本体を付勢手段の付勢力に抗してホルダに対して昇降移動させるように構成しているため、これらのパーツ以外にノズル本体を昇降移動させるための専用の機構を別途設ける必要がなく、構造の簡素化及びコスト削減を有効に図ることができるとともに、パージ処理に用いるパージ用気体を、ノズル本体を昇降させる駆動源として兼用することができ、専用の駆動源を別途用意する必要がなく、この点においても有利である。
さらに、本発明に係るパージノズルユニットでは、パージ用気体流路のうち導入路よりもパージ用気体供給方向下流側に、パージ用気体流路に供給されたパージ用気体を導入路に優先して導入する導入路優先状態になり得る優先導入手段を配置し、導入路優先状態にある優先導入手段により導入路を通じてパージ用気体を圧力調整空間に適切且つスムーズに導入して圧力調整空間の圧力を上げることができる一方で、少なくともパージ用気体流路のうち導入優先手段よりもパージ用気体供給方向上流側領域の圧力が所定値以上になった時点以降に導入路優先状態が解除され、パージ用気体流路に供給されるパージ用気体の全部または略全部を導入優先手段よりもパージ用気体供給方向下流側に導入可能に構成しているため、圧力調整空間の圧力調整時におけるパージ用気体の供給口と、パージ処理時におけるパージ用気体の供給口を、パージ用気体流路に形成した共通の通気孔で実現することができる。特に、本発明では、導入優先手段よりもパージ用気体供給方向上流側領域の圧力の程度によって導入路優先状態にあるか否かが切り替わる優先導入手段を通気孔及び導入路よりもパージ用気体供給方向下流側に設けているため、パージ用気体流路のうち導入優先手段よりもパージ用気体供給方向上流側領域の圧力を所定値まで上げる処理、つまりノズル本体を上昇させる処理に引き続いて、パージ用気体をノズル本体のパージ用気体流路及びパージ対象容器の底面に設けたポートを通じてパージ対象容器内に注入するパージ処理を行うことが可能になり、ノズル本体を上昇させる処理とパージ処理とを連続して行うことができ、これらの処理を時間差でしか行うことができない構成と比較して、処理効率の向上を図ることができる。
また、ノズル本体、ホルダ及び付勢手段の3パーツをユニット化してなる本発明のパージノズルユニットであれば、パージノズルユニット全体のコンパクト化も実現することができるとともに、例えば複数本のシリンダを同時に伸縮させることでノズル本体を昇降移動させる態様と比較して、シリンダを同時に伸縮させる制御が不要であり、圧力調整空間内の圧力を調整する比較的簡単な制御でノズル本体を精度高く昇降移動させることができ、信頼性が向上する。
加えて、本発明に係るパージノズルユニットでは、ノズル本体のうち鍔部の外向き面がホルダのうち側壁の内向き面に添接し且つノズル本体のうち胴部の外向き面がホルダのうち底壁の貫通孔に添接した状態でノズル本体を昇降移動させることができ、ノズル本体の昇降移動をスムーズ且つ適切に行うことができる。
特に、本発明のパージノズルユニットにおける優先導入手段の具体例としては、弁体と、導入路優先状態において弁体を気密状態で支持する弁座とを少なくとも備え、弁体に対して下方(パージ用気体供給方向上流側)から作用するパージ用気体の圧力が上述の所定値(導入路優先状態が解除される所定値)以上になった時点で弁体が弁座から離間するように構成したものを挙げることができる。このような優先導入手段であれば、簡素な構造でありながら、弁体が気密状態で弁座に支持されている状態で導入路優先状態を実現でき、弁体が、下方から受ける圧力に応じて弁座から離間することにより導入路優先状態を解除した状態を実現することができる。
優先導入手段の異なる一例としては、導入路の径よりも小さい径に設定したオリフィスによって構成した態様を挙げることができる。この場合、通気孔からパージ用気体に供給されオリフィスのパージ用気体供給方向上流端に達したパージ用気体は、導入路よりも径が絞られたオリフィスに優先して導入路へと流れ、圧力調整空間内に導入される。そして、オリフィスよりもパージ用気体供給方向上流側領域の圧力が所定値以上になった時点でパージ用気体がオリフィスを通過する状態、すなわち「導入路優先状態を解除した状態」になる。
また、本発明のパージ装置は、上述したパージノズルユニットを複数備え、パージ対象容器の底面に設けた複数のポートにそれぞれパージノズルユニットのノズル本体を連通させた状態で、パージ対象容器内の気体雰囲気を窒素又は乾燥空気に置換可能に構成していることを特徴としている。
また、本発明のロードポートは、クリーンルーム内において半導体製造装置に隣接して設けられ、搬送されてきたパージ対象容器であるFOUPを受け取りFOUP内に格納されているウェーハを半導体製造装置内とFOUP内との間でFOUPの前面に形成した搬出入口を介して出し入れするものであり、上述した構成をなすパージ装置を備えていることを特徴としている。
このようなパージ装置及びロードポートであれば、パージノズルユニットにより、上述した作用効果を奏するものとなり、コンパクト化を図ることが可能な構造でありながら、所定の気体雰囲気の到達濃度が高いパージ処理を効率良く的確に行うことができる。
本発明によれば、ノズル本体とホルダとの間に形成した空間内にパージ用気体を導入して気圧を調整することによって、ノズル本体自体を昇降させるという斬新な技術的思想を採用したことによって、パージ対象容器に対して所定の気体雰囲気の到達濃度が高いパージ処理を行うことができるとともに、部品点数の削減及びコンパクト化を実現可能なパージノズルユニット、及びそのようなパージノズルユニットを用いて構成したパージ装置、並びにそのパージ装置を備えたロードポートを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るロードポートの全体構成図。 同実施形態においてノズル本体が待機位置にあるパージノズルユニットの断面模式図。 同実施形態における優先導入手段の断面模式図。 同実施形態においてノズル本体がパージ位置にあるパージノズルユニットの図2対応図。 同実施形態における優先導入手段の他の一例を図2に対応して示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るパージノズルユニット1は、例えば図1に示すロードポートXに適用されるパージ装置Pに取付可能なものである。ロードポートXは、半導体の製造工程において用いられ、クリーンルーム内において半導体製造装置(図示省略)に隣接して配置されるものであり、本発明のパージ対象容器の一例であるFOUP100の扉にドア部Dを密着させて開閉し、半導体製造装置との間でFOUP100内に収容された被収容体であるウェーハ(図示省略)の出し入れを行うものである。
本実施形態で適用するFOUP100は、内部に複数枚のウェーハを収容し、前面に形成した搬出入口を介してこれらウェーハを出し入れ可能に構成され、搬出入口を開閉可能な扉を備えた既知のものであるため、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態においてFOUP100の前面とは、ロードポートXに載置した際にロードポートXのドア部Dと対面する側の面を意味する。FOUP100の底面には、後述する図2に示すように、パージ用のポート101が所定箇所に設けられている。ポート101は、例えば、FOUP100の底面に形成した開口部102に嵌め込まれた中空筒状のグロメットシールを主体としてなり、グロメットシール内に、後述する窒素や不活性ガス又は乾燥空気等の気体(本実施形態では窒素ガスを用いており、以下の説明では「パージ用気体」と称する場合がある)の注入圧または排出圧によって閉状態から開状態に切り替わる弁(図示省略)を設けている。
半導体製造装置は、例えば、相対的にロードポートXから遠い位置に配置される半導体製造装置本体と、半導体製造装置本体とロードポートXとの間に配置される移送室とを備えたものであり、移送室内に、例えばFOUP100内のウェーハを1枚ずつFOUP100内と移送室内との間、及び移送室内と半導体製造装置本体内との間で移送する移送機を設けている。なお、FOUP100と半導体製造装置(半導体製造装置本体及び移送室)との間でウェーハを複数枚格納したカセットごと移送することも可能である。このような構成により、クリーンルームにおいて、半導体製造装置本体内、移送室内、及びFOUP100内は高清浄度に維持される一方、ロードポートXを配置した空間、換言すれば半導体製造装置本体外、移送室外、及びFOUP100外は比較的低清浄度となる。
ロードポートXは、図1に示すように、起立姿勢で配置されてFOUP100の搬出入口に連通し得る開口部を開閉可能なドア部Dを有するフレームFと、フレームFのうち半導体製造装置から遠ざかる方向に略水平姿勢で延伸する載置台Bと、FOUP100内にパージ用気体を注入し、FOUP100内の気体雰囲気を窒素ガスなどのパージ用気体に置換可能なパージ装置Pとを備えたものである。
フレームFに設けたドア部Dは、FOUP100を載置台Bに載置した状態においてFOUP100の前面に設けた扉(図示省略)に密着した状態でその扉を開けて搬出入口を開放する開放位置と、搬出入口を閉止する閉止位置との間で作動可能なものである。ドア部Dを開放位置と閉止位置との間で少なくとも昇降移動させるドア昇降機構(図示省略)としては既知のものを適用することができる。
載置台Bは、フレームFのうち高さ方向中央部からやや上方寄りの位置に略水平姿勢で配置されたものであり、上向きに突出させた複数の位置決め用突起B1(キネマティックピン)を有する。そして、これらの位置決め用突起B1をFOUP100の底面に形成された位置決め用凹部(図示省略)に係合させることで、載置台B上におけるFOUP100の位置決めを図っている。位置決め用突起B1の一例としては、対向する傾斜壁面からなる断面視下向きV字状の位置決め用凹部に接触する上部を曲面状にし、この上部曲面を位置決め用凹部の各傾斜壁面にバランスよく接触可能に構成した態様を挙げることができる。また、載置台Bには、FOUP100が載置台B上に所定の位置に載置されているか否かを検出する着座センサB2を設けている。位置決め用突起B1及び着座センサB2の構造や配置箇所は規格などに応じて適宜設定・変更することができる。なお、載置台Bとして、載置状態にあるFOUP100を、その搬出入口(扉)がフレームFの開口部(ドア部D)に最も近付く位置と開口部(ドア部D)から所定距離離間した位置との間で移動させる移動機構を備えたものを適用することもできる。
パージ装置Pは、載置台B上に上端部を露出させた状態で所定箇所に配置される複数のパージノズルユニット1を備え、これら複数のパージノズルユニット1を、パージ用気体を注入する注入用パージノズルユニットや、FOUP100内の気体雰囲気を排出する排出用パージノズルユニットとして機能させている。パージノズルユニットの総数に占める注入用パージノズルユニット及び排出用パージノズルユニットの比率は、同率であってもよいし、何れか一方が他方よりも大きくてもよい。
これら複数のパージノズルユニット1は、FOUP100の底面に設けたポート101の位置に応じて載置台B上の適宜位置に取り付けることができる。各パージノズルユニット1(注入用パージノズルユニット、排出用パージノズルユニット)は、気体の逆流を規制する弁機能を有するものであり、FOUP100の底部に設けたポート101に接触可能なものである。なお、FOUP100の底部に設けた複数のポート101のうち、注入用パージノズルユニット1に接触するポート101は注入用ポートとして機能し、排出用パージノズルユニット1に接触するポート101は排出用ポートとして機能する。
各パージノズルユニット1は、図2(図2はパージノズルユニット1の断面模式図である)に示すように、ノズル本体2と、ノズル本体2を昇降可能な状態で保持するホルダ3と、ノズル本体2を下方へ付勢する付勢手段4とを備えたものである。
ノズル本体2は、円筒状の胴部21と、胴部21よりも側方に張り出した鍔部22とを備えたものである。本実施形態では、胴部21の軸心部分には高さ方向に貫通するパージ用気体流路23を形成している。以下の説明では、パージ用気体流路23のうち、上方に開口している上端部分を上方開口部24と称する場合がある。胴部21の上向き面には、ポート101(注入用ポート、排出用ポート)に接触可能なポート接触部25を設けている。本実施形態では、ポート接触部25を、胴部21の水平な上向き面よりも上方に突出したリング状の上方突出部によって構成している。また、鍔部22の外側面には後述するホルダ3の側壁31に接触するシール部材5を取り付けている。
ホルダ3は、ノズル本体2の鍔部22の外向き面(外周面)が添接する側壁31と、側壁31の下端部から内方(中心側)に突出してノズル本体2のうち胴部21のみが挿通可能な下側貫通孔32を中央部に形成した底壁33と、側壁31の上端部から内方(中心側)に突出してノズル本体2のうち胴部21のみが挿通可能な上側貫通孔34を中央部に形成した天井壁35とを備えている。また、底壁33に形成した下側貫通孔32の開口径及び天井壁35に形成した上側貫通孔34の開口径は、ノズル本体2のうち昇降移動時に対面する胴部21の外向き面と添接し得る大きさに設定されている。下側貫通孔32の内向き面及び上側貫通孔34の内向き面には、それぞれノズル本体2の胴部21に接触するシール部材5を取り付けている。
このようなホルダ3にノズル本体2を保持させた状態において、ホルダ3とノズル本体2との間に空間が形成される。そして、本実施形態では、この空間のうちノズル本体2の胴部21及び鍔部22とホルダ3の側壁31及び天井壁35によって仕切られる空間S1に付勢手段4を配置している。本実施形態では、付勢手段4として、ノズル本体2の鍔部22とホルダ3の天井壁35との間に圧縮状態で配置したコイルバネを適用している。この付勢手段4の復元力が鍔部22、ひいてはノズル本体2全体を下方へ付勢する付勢力として作用する。
また、本実施形態では、ホルダ3とノズル本体2の間に形成される空間のうちノズル本体2の胴部21及び鍔部22とホルダ3の側壁31及び底壁33によって仕切られる空間を圧力調整空間S2として機能させている。本実施形態では、鍔部22と側壁31との間、及び胴部21と底壁33との間にそれぞれシール部材5を介在させることで、圧力調整空間S2の高い気密性を確保している。
そして、本実施形態に係るパージノズルユニット1は、ノズル本体2の胴部21に、パージ用気体流路23のうちパージ用気体供給方向A下流側に形成され且つパージ用気体供給源V1に配管Hを介して接続された通気孔26と、パージ用気体流路23に連通し且つ圧力調整空間S2にパージ用気体を導入可能な導入路27と、パージ用気体流路23のうち導入路27よりも上方開口部24側(パージ用気体供給方向A下流側)に設けられ且つ通気孔26からパージ用気体流路23に供給されたパージ用気体をパージ用気体流路23の上方開口部24よりも優先して導入路27に導入する導入路優先状態になり得る優先導入手段28を設けている。
本実施形態のパージノズルユニット1では、パージ用気体流路23における下方に開口した下端部分を通気孔26として機能させている。なお、パージ用気体流路23が下方に開口していない有底筒状のものである場合には、パージ用気体流路23のうち下端領域側の側面に、胴部21を厚み方向に貫通する孔を形成し、その孔を通気孔として機能させればよい。本実施形態では、通気孔26に配管Hを接続し、この配管H及び通気孔26を通じてパージ用気体をパージ用気体流路23内に注入可能に構成している。
導入路27は、パージ用気体流路23のうち通気孔26よりも上方開口部24側(パージ用気体供給方向A下流側)に設けられ、胴部21を厚み方向に貫通する孔によって形成したものである。本実施形態では、胴部21の軸心を挟んで径方向に対向する2箇所(言い換えれば、胴部21の周方向に180度ずらした位置)にそれぞれ導入路27を形成している。導入路27の基端はパージ用気体流路23に連通し、先端は圧力調整空間S2に連通している。また、導入路27の径は、パージ用気体流路23の径よりも小さく設定されている。
優先導入手段28は、図3に示すように、弁体281と、弁体281を支持する弁座282とを備え、所定値以上の圧力が弁体281に作用した場合に、弁体281が弁座282から離間することによって、弁座282に形成した弁開口部283が開放するように構成したものである。すなわち、優先導入手段28は、チェック弁や逆支弁と称される弁を用いて構成することができる。なお、図2では優先導入手段28の外縁形状だけを模式的に示している。
本実施形態で用いる優先導入手段28は、パージ用気体流路23の内向き面に対して隙間の無い状態で適宜の手段によって固定可能な中空のケーシング284内に、弁体281と、この弁体281を弁座282として機能するケーシング284の底壁285に向かって付勢する圧縮コイルバネ286とを配置している。ケーシング284の底壁285には弁体281の底部面積よりも小さい開口径に設定した弁開口部283を形成し、ケーシング284の天井壁287には、弁体281の先端部があそびを持った状態で挿通可能な挿通孔288を形成している。
このような構成を有する優先導入手段28は、圧縮コイルバネ286の付勢力によって下方に付勢された弁体281が弁座282に密着して弁座282の弁開口部283を閉止した状態(弁閉止状態)と、弁体281が下方から受ける所定値以上の圧力によって上昇して弁座282から離間し、弁開口部283と挿通孔288がケーシング284の内部空間を介して相互に連通する状態(弁開放状態:図示省略)との切替可能であり、弁閉止状態が、本発明の「導入路優先状態」に相当し、弁開放状態が、本発明の「導入路優先状態が解除された状態」に相当する。
本実施形態では、このような胴部21を備えたノズル本体2とホルダ3と付勢手段4によってパージノズルユニット1を構成し、ノズル本体2をホルダ3に対して昇降移動させるように構成している。また、本実施形態に係るパージノズルユニット1は、ノズル本体2をホルダ3に対して昇降移動させる駆動源としてパージ用気体を適用し、導入路27を通じてパージ用気体を圧力調整空間S2内に供給したり、または圧力調整空間S2内のパージ用気体を圧力調整空間S2外に排出することで圧力調整空間S2の圧力を調整し、ノズル本体2をホルダ3に対して昇降移動させるように構成している。
本実施形態では、通気孔26に接続した配管Hに、この配管H及び通気孔26を通じてパージ用気体をパージ用気体流路23に注入するパージ・加圧状態と、パージノズルユニット1内においてパージ用気体が流通可能な空間(パージ用気体流通可能空間)のうち優先導入手段28よりも通気孔26側(パージ用気体供給方向A上流側)の空間内、具体的には、パージ用気体流路23のうち優先導入手段28よりも通気孔26側の空間内、導入路27内、及び圧力調整空間S2内を真空引きして圧力調整空間S2の圧力を下げる負圧状態とに切替可能な切替部V(例えば電磁弁(ソレノイドバルブ))を接続し、この切替部Vの作動を制御することによって、ノズル本体2がホルダ3に対して昇降移動するように構成している。この切替部Vには、パージ用気体供給源V1及びバキューム源V2をパラレルで接続している。
本実施形態では、圧力調整空間S2内の圧力を調整することによって、ノズル本体2を、図2に示す位置、すなわちノズル本体2の上向き面(胴部21の上向き面)とホルダ3の上向き面(天井壁35の上向き面)がほぼ同じ高さ位置にあり、且つポート接触部25がFOUP100のポート101に接触しない待機位置(a)と、図4に示す位置、すなわちノズル本体2の上向き面(胴部21の上向き面)がホルダ3の上向き面(天井壁35の上向き面)よりも高い位置にあり、且つノズル本体2のポート接触部25がFOUP100のポート101に接触可能なパージ位置(b)と間で昇降移動させることができる。ノズル本体2の昇降移動時には、ノズル本体2のうち鍔部22の外向き面がホルダ3本体34のうち側壁31の内向き面に摺接するとともに、ノズル本体2のうち胴部21の外向き面が底壁33に形成した下側貫通孔32の内向き面及び天井壁35に形成した上側貫通孔34の内向き面に摺接するように構成し、ノズル本体2の昇降移動をスムーズ且つ適切に行えるようにしている。
以上に詳述した本実施形態に係るパージノズルユニット1は、ユニット化した状態でロードポートXの載置台Bにおける複数の所定箇所(本実施形態では載置台Bの四隅近傍)に取り付けることで、載置台B上に載置されるFOUP100内の気体雰囲気をパージ用気体に置換可能なパージ装置Pとして機能する。なお、載置台Bに対する各パージノズルユニット1の取付処理は、ネジなどの適宜の固定具を用いて載置台Bの所定箇所に固定することで実現できる。この固定状態において、ホルダ3の上向き面が載置台Bの上向き面とほぼ同じレベルとなるように設定している。
次に、このような構成をなすパージノズルユニット1を載置台Bに実装したロードポートXの使用方法及び作用について説明する。
先ず、図示しないOHT等の搬送装置によりFOUP100がロードポートXに搬送され、載置台B上に載置される。この際、切替部Vを負圧状態に設定しておくことで、ノズル本体2を待機位置(a)に位置付けることができ、位置決め用突起B1がFOUP100の位置決め用凹部に嵌まって接触することによってFOUP100を載置台B上の所定の正規位置に載置することができる。また、着座センサB2によりFOUP100が載置台B上の正規位置に載置されたことを検出する。この時点では、ノズル本体2は待機位置(a)にあるため、ポート101に接触することはない。すなわち、ノズル本体2の待機位置(a)は、位置決め用凹部に位置決め用突起B1が係合してFOUP100が載置台B上に載置された状態において、ノズル本体2の上端(ポート接触部25)がFOUP100に設けたポート101の下端よりも低くなる位置である。
そして、本実施形態のロードポートXは、着座センサB2によりFOUP100の正規の着座状態を検出した後、切替部Vを負圧状態からパージ・加圧状態に切り替えて、ノズル本体2を待機位置(a)からパージ位置(b)へ上昇移動させる。すなわち、胴部21に形成した通気孔26及びこの通気孔26に接続している配管Hを通じてパージ用気体流路23に供給されたパージ用気体は、導入路優先状態(弁閉止状態)にある優先導入手段28によりパージ用気体流路23の上方開口部24へは導入されずに、導入路27を通じて圧力調整空間S2に導入される。すると、圧力調整空間S2の圧力は上昇し、付勢手段4によって下方に付勢されているノズル本体2は、付勢手段4の付勢力に抗してパージ位置(b)まで上昇移動する。本実施形態では、胴部21の外周面に段部29を設け、この段部29がホルダ3の天井壁35の下向き面に当たることによってそれ以上のノズル本体2の上昇移動を規制している(図4参照)。
ノズル本体2がパージ位置(b)まで上昇移動し終えた時点以降も引き続いて切替部Vをパージ・加圧状態にしておき、配管H及び通気孔26を通じてパージ用気体流路23にパージ用気体を供給し続けると、そのパージ用気体は、それ以上継続して導入路27を流れて圧力調整空間S2に導入されることなく、パージ用気体流路23のうち優先導入手段28よりもパージ用気体供給方向A上流側領域(下方開口部26側領域)の圧力を上げる気体として作用する。
そして、パージ用気体流路23のうち優先導入手段28よりもパージ用気体供給方向A上流側領域の圧力が所定値以上になった時点で、優先導入手段28の弁体281が圧縮コイルバネ286の付勢力に抗して上昇し、弁体281と弁座282との気密状態が解除され、優先導入手段28は、導入路優先状態(弁閉止状態)から、弁座282の弁開口部283とケーシング284の挿通孔288がケーシング284の内部空間を介して相互に連通する弁開放状態に切り替わる。この時点(優先導入手段28が導入路優先状態から弁開放状態に切り替わった時点)以降に通気孔26からパージ用気体流路23に供給されるパージ用気体の全部または略全部は、優先導入手段28を通過して上方開口部24に向かって流れる。
その結果、本実施形態に係るパージノズルユニット1は、図4に示すように、ノズル本体2のポート接触部がポート101の下端に接触し、ポート101の内部空間103とノズル本体2のパージ用気体流路23が連通した状態になり、パージ用気体を、パージ用気体流路23及びポート101の内部空間103を通じてFOUP100内に注入する(パージ処理を実施する)ことができる。これにより、FOUP100内に充満していた気体は、排出用ポート及び排出用パージノズルユニット1を通じてFOUP100外へ排出される。なお、排出処理を注入処理よりも先に開始してFOUP100内のエアをある程度FOUP100外へ排出してFOUP100内を減圧した状態で注入処理を行うようにしてもよい。
以上のようなパージ処理を行った後、あるいはパージ処理中に、本実施形態のロードポートXは、フレームFの開口部に連通するFOUP100の搬出入口を通じて、FOUP100内のウェーハを半導体製造装置内に順次払い出す。半導体製造装置内に移送されたウェーハは引き続いて半導体製造装置本体による半導体製造処理工程に供される。半導体製造装置本体により半導体製造処理工程を終えたウェーハはFOUP100内に順次格納される。
本実施形態のロードポートXでは、ウェーハの出し入れ時においてもパージ装置Pによるボトムパージ処理を継続して行うことが可能であり、ウェーハを出し入れする間もFOUP100内の気体雰囲気を窒素ガスなどのパージ用気体に置換し続けて、高濃度に保つことができる。
全てのウェーハが半導体製造処理工程を終えてFOUP100内に収納されると、ドア部DをFOUP100の扉に密着させた状態で開放位置から閉止位置に移動させる。これにより、ロードポートXの開口部及びFOUP100の搬出入口は閉止される。引き続き、載置台Bに載置されているFOUP100は図示しない搬送機構により次工程へと運び出される。なお、必要であれば、半導体製造処理工程を終えたウェーハを収納したFOUP100に対して再度ボトムパージ処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、半導体製造処理工程を終えたウェーハを収納したFOUP100に対して直ぐにパージ処理を開始することができ、処理済みのウェーハの酸化防止を図ることができる。
以上に詳述したように、本実施形態に係るロードポートXは、パージ装置Pによるボトムパージ処理により、FOUP100内におけるパージ用気体の充填度(置換度)を高い値に維持することができる。
また、共通のFOUP100内に収容される複数のウェーハのうち、最初に半導体製造処理工程を終えてFOUP100内に収容されたウェーハは、最後に半導体製造処理工程を経るウェーハがFOUP100内に収容されるまで、通常であればFOUP100内においてウェーハの出し入れ作業時間の経過とともにパージ用気体の充填度(置換度)が低下する気体雰囲気に晒されることにより僅かながらも悪影響を受け得るが、パージ装置Pによりパージ用気体をFOUP100内に注入することにより、FOUP100内におけるパージ用気体充填度(置換度)の低下を効果的に抑制することができ、ウェーハを良好な状態でFOUP100内に収納しておくことができる。
また、半導体製造処理工程を終えたウェーハが収納されているFOUP100を搬送機構に受け渡す際、または受け渡した後の所定のタイミングで、パージ用気体供給源V1からパージ用気体をパージ用気体流路23に供給する処理を停止すると、優先導入手段28の弁体281は弁座282に密着して弁開口部283を閉止し、その時点でパージ用気体流路23のうち優先導入手段28よりも上方開口部24側(パージ用気体供給方向A下流側)の領域に存在するパージ用気体は大気中に開放される。また、パージ用気体流路23のうち優先導入手段28よりも下方側の領域は、切替部Vをパージ・加圧状態から負圧状態に切り替えることで、通気孔26及びこの通気孔26に接続している配管Hを通じて真空引きされる。これにより、圧力調整空間S2の圧力は下がり、付勢手段4の付勢力(弾性復元力)によってホルダ3に対して下降するノズル本体2をパージ位置(b)から待機位置(a)に移動させることができる。その結果、次に処理すべき未処理のウェーハが収納されているFOUP100を搬送機構から載置台B上に受け取る際に、ノズル本体2がFOUP100の下向き面に干渉する事態を防止することができる。なお、バキューム源V2を設けずに、パージ用気体流路23のうち優先導入手段28よりも通気孔26側の空間内、導入路27内、及び圧力調整空間S2内のパージ用気体をノズル本体2の下降に伴って自然排気するように構成してもよい。
このように、ノズル本体2、ホルダ3及び付勢手段4の3パーツをユニット化してなる本実施形態のパージノズルユニット1は、パージ用気体流路23に連通する導入路27を通じて圧力調整空間S2にパージ用気体を導入して、圧力調整空間S2内の圧力を上げることにより、ノズル本体2を付勢手段4の付勢力に抗してホルダ3に対して昇降移動させるように構成しているため、これらのパーツ以外にノズル本体2を昇降移動させるための専用の機構を別途設ける必要がない上に、パージ処理に用いるパージ用気体を、ノズル本体2を昇降させる駆動源として併用することができ、専用の駆動源を別に準備する必要がなく、これらの点において構造の簡素化及びコスト削減を有効に図ることができる。
さらに、本実施形態に係るパージノズルユニット1では、パージ用気体流路23のうち導入路27よりも上方開口部24側(パージ用気体供給方向A下流側)に、パージ用気体流路23に供給されたパージ用気体を導入路27に優先して導入する導入路優先状態になり得る優先導入手段28を配置し、導入路優先状態にある優先導入手段28により導入路27を通じてパージ用気体を圧力調整空間S2に適切且つスムーズに導入して圧力調整空間S2の圧力を上げることができる一方で、少なくともパージ用気体流路23のうち優先導入手段28よりもパージ用気体供給方向A上流側領域の圧力が所定値以上になった時点以降に導入路優先状態が解除され、パージ用気体流路23に供給されるパージ用気体の全部または略全部を上方開口部24に向かって導入可能に構成しているため、圧力調整空間S2の圧力調整時におけるパージ用気体の供給出入口と、パージ処理時におけるパージ用気体の供給出入口を、パージ用気体流路23に形成した共通の通気孔26で実現することができる。特に、本実施形態では、優先導入手段28よりもパージ用気体供給方向A上流側領域の圧力の程度によって導入路優先状態にあるか否かが切り替わる優先導入手段28を通気孔26及び導入路27よりも上方開口部24側に設けているため、パージ用気体流路23のうち優先導入手段28よりもパージ用気体供給方向A上流側領域の圧力を所定値まで上げる処理、つまりノズル本体2を上昇させる処理に引き続いて、パージ用気体をノズル本体2の上方開口部24及びFOUP100の底面に設けたポート101を通じてFOUP100に注入するパージ処理を行うことが可能になり、ノズル本体2を上昇させる処理とパージ処理とを連続して行うことができ、これらの処理を連続して行うことができない構成と比較して、処理効率の向上及び処理に要する時間(タクトタイム)の短縮化を図ることができる。
また、ノズル本体2、ホルダ3及び付勢手段4の3パーツをユニット化してなる本実施形態のパージノズルユニット1は、例えば複数本のシリンダを同時に伸縮させることでノズル本体2を昇降移動させる態様と比較して、シリンダを同時に伸縮させる制御が不要であり、圧力調整空間S2内の圧力を調整する比較的簡単な制御でノズル本体2を精度高く昇降移動させることができ、信頼性が向上する。また、本実施形態のパージノズルユニット1は、ホルダ3をシリンダとみなした場合に、ノズル本体2をピストン(シリンダシャフト)として作動させることによって、ノズル本体2の昇降動作を実現しているため、これらのパーツ以外にノズル本体2を昇降移動させるための機構を別途設ける必要がなく、部品点数の削減及びコスト削減を図ることができるのみならず、パージノズルユニット1全体のコンパクト化も実現することができる。
加えて、本実施形態に係るパージノズルユニット1では、ノズル本体2のうち鍔部22の外向き面がホルダ3のうち側壁31の内向き面に添接し且つノズル本体2のうち胴部21の外向き面がホルダ3のうち底壁33の貫通孔に添接した状態でノズル本体2を昇降移動させることができ、ノズル本体2の昇降移動をスムーズ且つ適切に行うことができる。
特に、本実施形態のパージノズルユニット1では、優先導入手段28として、弁体281と、導入路優先状態において弁体281を気密状態で支持する弁座282とを少なくとも備え、弁体281に対して下方から作用するパージ用気体の圧力が上述の所定値(導入路優先状態が解除される所定値)以上になった時点で弁体281が弁座282から離間するように構成したもの適用している。このような優先導入手段28を適用することによって、簡素な構造でありながら、弁体281が気密状態で弁座282に支持されている状態で導入路優先状態を実現でき、弁体281が、下方から受ける圧力に応じて弁座282から離間することにより導入路優先状態を解除した状態を実現することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、優先導入手段として、図5に示すように、パージ用気体流路23の一部を導入路の径よりも小さい径に設定することで形成可能なオリフィス28Aを用いて構成した態様を採用することができる。この場合、通気孔26からパージ用気体流路23に供給されてオリフィス28Aのパージ用気体供給方向A上流端に到達したパージ用気体は、導入路27よりも径が絞られたオリフィス28Aよりも優先して導入路27へと流れ、圧力調整空間S2内に導入される。この状態が、導入路優先状態である。そして、オリフィス28Aよりもパージ用気体供給方向A上流側領域の圧力が所定値以上になった時点でパージ用気体がオリフィス28Aを通過する状態、すなわち「導入路優先状態を解除した状態」に切り替わる。
このように、オリフィス28Aを用いて優先導入手段を実現した場合は、チェックバルブ等の弁機構を利用して優先導入手段を実現する態様と比較して、構造の簡素化及び部品点数の削減を図ることができる。
また、上述した実施形態では、圧力調整空間に通じる導入路の数を2に設定した態様を例示したが、圧力調整空間に連通する導入路の数を1つ或いは3以上に設定してもよい。
また、ノズル本体2を、ポートと接触し得るポート接触部を有するノズル頭部と、それ以外のパーツである本体部とから構成し、本体部に対してノズル頭部を、圧入や、螺合、係合、或いは接着などによって一体的に組付可能に構成することもできる。この場合、ノズル本体の本体部とノズル頭部とを別々のパーツから構成しているため、ノズル本体のうちポートと接触し得るポート接触部が、経年劣化や使用頻度に応じて摩耗損傷・変形した場合であっても、使用中のノズル頭部に替えて、新品のノズル頭部、あるいは摩耗損傷・変形していていない別のノズル頭部に交換することによって、ポートとの高い気密性を確保した良好な接触状態を確保することができる。
さらにまた、圧力調整空間の気密性を確保できる構成であれば、ノズル本体とホルダの間にシール部材を介在させなくてもよい。
ノズル本体に形成した通気孔をパージ用気体供給源に切替弁を介さずに直通するように構成することもできる。この場合、パージ位置まで上昇したノズル本体を待機位置まで下降移動させる際に、パージ用気体流通空間のうち優先導入手段よりも下方側の空間を積極的に真空引きすることはできないが、部材同士の適当な隙間や優先導入手段を構成する弁体と弁座の隙間、或いはオリフィスなどから大気中へ放出されることで、圧力調整空間の圧力は下がり、付勢手段の付勢力(弾性復元力)によってノズル本体をホルダに対して下降移動させることができる。
また、上述した実施形態では、パージ対象容器としてFOUPを例示したが、他の容器(キャリア)であってもよく、パージ対象容器内に収容される被収容体も、ウェーハに限らず、表示デバイスや光電変換デバイスなどに用いられるガラス基板であっても構わない。
また、パージ装置を、ロードポート以外のもの、例えばパージ対象容器を保管するストッカーや、パージ専用ステーションに適用することもできる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…パージノズルユニット
2…ノズル本体
21…胴部
22…鍔部
23…パージ用気体流路
26…通気孔
27…導入路
28…優先導入手段
281…弁体
282…弁座
28A…オリフィス
3…ホルダ
31…側壁
33…底壁
4…付勢手段
100…パージ対象容器(FOUP)
101…ポート
P…パージ装置
S2…圧力調整空間
X…ロードポート

Claims (5)

  1. パージ対象容器の底面に設けたポートを通じて当該パージ対象容器内の気体雰囲気を窒素又は乾燥空気の何れかからなるパージ用気体に置換可能なパージノズルユニットであり、
    下方から上方に向かうパージ用気体供給方向に沿って延伸するパージ用気体流路を内部に形成した胴部、及び前記胴部よりも側方に張り出した鍔部を有するノズル本体と、
    前記鍔部の外向き面に添接する側壁、及び前記胴部の外向き面を添接させ且つ挿通させた貫通孔を形成した底壁を有するホルダと、
    ノズル本体を下方へ付勢する付勢手段とを備え、
    前記胴部は、
    前記パージ用気体流路のうち前記パージ用気体供給方向下流側に形成され且つパージ用気体供給源に直接的又は間接的に接続した通気孔と、
    前記パージ用気体流路に連通し且つ前記ノズル本体と前記ホルダとの間に形成された圧力調整空間にパージ用気体を導入可能な導入路と、
    前記パージ用気体流路のうち前記導入路よりも前記パージ用気体供給方向下流側に設けられ、且つ前記通気孔から前記パージ用気体流路に供給されたパージ用気体を前記導入路に優先して導入する導入路優先状態になり得る優先導入手段とを備えたものであり、
    前記導入路優先状態にある前記優先導入手段により前記導入路を通じてパージ用気体を前記圧力調整空間に導入して前記圧力調整空間の圧力を上げることで、前記付勢手段の付勢力に抗して前記ノズル本体を前記ホルダに対して上昇移動させるように構成し、少なくとも前記パージ用気体流路のうち前記導入優先手段よりも前記パージ用気体供給方向上流側領域の圧力が所定値以上になった時点以降に前記導入路優先状態が解除されて前記通気孔から前記パージ用気体流路に供給されるパージ用気体の全部または略全部を前記導入優先手段よりも前記パージ用気体供給方向下流側に導入可能に構成していることを特徴とするパージノズルユニット。
  2. 前記優先導入手段が、弁体と、前記導入路優先状態において前記弁体を気密状態で支持する弁座とを少なくとも備え、前記弁体に対して下方から作用するパージ用気体の圧力が前記所定値以上になった時点で前記弁体が弁座から離間するように構成したものである請求項1に記載のパージノズルユニット。
  3. 前記優先導入手段を前記導入路の径よりも小さい径に設定したオリフィスによって構成している請求項1に記載のパージノズルユニット。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のパージノズルユニットを複数備え、パージ対象容器の底面に設けた複数のポートにそれぞれ前記パージノズルユニットの前記ノズル本体を連通させた状態で、前記パージ対象容器内の気体雰囲気を窒素又は乾燥空気に置換可能に構成していることを特徴とするパージ装置。
  5. クリーンルーム内において半導体製造装置に隣接して設けられ、搬送されてきたパージ対象容器であるFOUPを受け取り当該FOUP内に格納されているウェーハを前記半導体製造装置内と当該FOUP内との間でFOUPの前面に形成した搬出入口を介して出し入れするロードポートであって、
    請求項4に記載のパージ装置を備えていることを特徴とするロードポート。
JP2012175103A 2012-08-07 2012-08-07 パージノズルユニット、パージ装置、ロードポート Active JP5939080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012175103A JP5939080B2 (ja) 2012-08-07 2012-08-07 パージノズルユニット、パージ装置、ロードポート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012175103A JP5939080B2 (ja) 2012-08-07 2012-08-07 パージノズルユニット、パージ装置、ロードポート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014036049A JP2014036049A (ja) 2014-02-24
JP5939080B2 true JP5939080B2 (ja) 2016-06-22

Family

ID=50284871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012175103A Active JP5939080B2 (ja) 2012-08-07 2012-08-07 パージノズルユニット、パージ装置、ロードポート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5939080B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180134626A (ko) * 2017-06-09 2018-12-19 주식회사 저스템 웨이퍼 용기의 가스공급장치

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5958446B2 (ja) * 2013-10-28 2016-08-02 Tdk株式会社 ロードポート装置
JP7132488B2 (ja) * 2017-04-28 2022-09-07 シンフォニアテクノロジー株式会社 気体供給装置、気体供給装置の制御方法、ロードポート及び半導体製造装置
JP7038524B2 (ja) * 2017-11-14 2022-03-18 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置の洗浄装置および洗浄方法
JP7422577B2 (ja) * 2020-03-23 2024-01-26 平田機工株式会社 ロードポート及び制御方法
CN116564854B (zh) * 2023-05-16 2024-03-19 弥费科技(上海)股份有限公司 一种洁净设备及其气嘴装置、气路装置、控制方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004345715A (ja) * 2003-05-26 2004-12-09 Tdk Corp 製品収容容器用パージシステム
JP2005101484A (ja) * 2003-09-02 2005-04-14 Kyocera Corp 光半導体装置
JP5236518B2 (ja) * 2009-02-03 2013-07-17 株式会社ダン・タクマ 保管システムおよび保管方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180134626A (ko) * 2017-06-09 2018-12-19 주식회사 저스템 웨이퍼 용기의 가스공급장치
KR101956797B1 (ko) 2017-06-09 2019-03-12 주식회사 저스템 웨이퍼 용기의 가스공급장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014036049A (ja) 2014-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102288697B1 (ko) 퍼지 노즐 유닛, 적재대, 로드 포트 및 스토커
JP6519897B2 (ja) パージノズルユニット、ロードポート
JP5887719B2 (ja) パージ装置、ロードポート、ボトムパージノズル本体、ボトムパージユニット
US20190145641A1 (en) Method for manufacturing semiconductor
JP5939080B2 (ja) パージノズルユニット、パージ装置、ロードポート
JP6135066B2 (ja) パージノズルユニット、パージ装置、ロードポート
JP5381054B2 (ja) ロードポート
JP7100243B2 (ja) 排気ノズルユニット、ロードポート、及びefem
KR20060135536A (ko) 제품 컨테이너용 퍼지 시스템 및 퍼지 시스템에 사용하기위한 테이블
JP6044169B2 (ja) パージ装置、ロードポート
JP6327374B2 (ja) パージノズルユニット、ロードポート
JP6409898B2 (ja) パージノズルユニット、ロードポート、ストッカー
KR102509334B1 (ko) 기체 공급 장치, 기체 공급 장치의 제어 방법, 로드 포트 및 반도체 제조 장치
CN108807225B (zh) 气体供给装置、其控制方法、装载站、半导体制造装置
JP6882706B2 (ja) パージノズルユニット、ロードポート
JP6646236B2 (ja) パージノズルユニット、ロードポート、ストッカー
JP6882698B2 (ja) パージノズルユニット、ロードポート
JP2018074177A (ja) ロードポート
JP6614278B2 (ja) 容器パージ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150713

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160414

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160502

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5939080

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250