JP2010132167A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】氷上ブレーキ性能を向上する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤのトレッド踏面1に、トレッド周方向に延びる複数の周方向溝3と、トレッド幅方向に延びる複数の幅方向溝4とにより複数のブロックを区画し、該ブロックにトレッド幅方向に延びる複数のサイプ21を設けた空気入りタイヤにおいて、ブロック20はサイプ21により複数のブロック片に分断され、かつ該ブロック片のトレッド周方向の幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸減する第1ブロック片22Rと、トレッド幅方向におけるブロックの端部から中央部に向かって漸増する第2ブロック片22Tとが隣り合わせに配置されてなる組を少なくとも1組有し、前記第1ブロック片22Rのトレッド周方向の幅がトレッド表面に向かって漸減し、第2ブロック片22Tのトレッド周方向の幅がトレッド表面に向かって漸増する。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤのトレッド踏面に多数のサイプを有し、特に氷上ブレーキ性能を向上した空気入りタイヤに関するものである。
従来、冬用の空気入りタイヤでは、氷上における発進時の加速性、制動性を改良するため、タイヤトレッドパターンのブロックやリブ(以下、ブロックと総称する)にトレッド幅方向に延びるサイプを付加することがなされてきた。
特に、氷上ブレーキ性能を向上させる従来技術として、特許文献1には、トレッド踏面にトレッド周方向に延びる複数の周方向溝と、これらの周方向溝と交わる多数の幅方向溝によってブロックを区画し、このブロックがそれぞれ複数のサイプを有する空気入りタイヤにおいて、サイプは、少なくとも深さ方向の何れかの位置において、サイプ長手方向と直交方向に振幅を有し、サイプ深さ方向位置の1箇所または複数箇所で振幅が大小大または小大小に変化していることを特徴とする空気入りタイヤが記載されている。
この空気入りタイヤでは、サイプは、深さ方向に振幅が変化しているので、深さ方向に真っ直ぐ延びるサイプに比較して、サイプに分断されたブロック片相互の接触面積が大きくなる。また、サイプの振幅が変化しているので、ブロック片壁面が傾斜することになり、ブロック片が圧縮変形を受けるだけでも対向する壁面同士が容易に接触する。このため、ブロック変形時のブロック片相互の接触力が更に強くなり、サイプ本数を増加した際にも制動駆動時におけるブロックの倒れこみを抑制することができ、ブロックの倒れこみによる接地面積の減少を抑制できる。
特開2000−6619号公報
タイヤの氷上摩擦特性の向上を考えた場合、「ブロックと氷の接地面積」および、「ブロックのエッジ部による氷の掘り起こす力」をともに増加させることが必要となる。しかし、上述した空気入りタイヤでは、ブロックの倒れこみの抑制により接地面積減少を抑制することができる一方で、サイプにより分断したブロック片ごとのエッジ圧は減少してしまうこととなる。このため、サイプ付加による効果が十分に得られず、氷上性能について改善する余地があった。
そこで、本発明の目的は、上述した問題点を解消して、「接地面積の増加」と「エッジ圧の増加」という背反する特性を両立させ、特に、氷上ブレーキ性能をさらに向上した空気入りタイヤを提供することにある。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)タイヤのトレッド踏面に、トレッド周方向に延びる複数の周方向溝と、トレッド幅方向に延びる複数の幅方向溝とにより複数のブロックを区画し、該ブロックにトレッド幅方向に延びる複数のサイプを設けた空気入りタイヤであって、
前記ブロックは、前記サイプにより複数のブロック片に分断され、かつ該ブロック片のトレッド周方向の幅が、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸減する第1ブロック片と、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸増する第2ブロック片とが隣り合わせに配置されてなる組を少なくとも1組有し、
前記第1ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、トレッド表面に向かって漸減し、前記第2ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、トレッド表面に向かって漸増する、
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
(2)前記第1ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、前記タイヤの径方向内側から外側に向かって漸増した後漸減し、
前記第2ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、前記タイヤの径方向内側から外側に向かって漸減した後漸増する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記第1ブロック片と前記第2ブロック片との、サイプを挟んで向かい合う側壁の曲率が等しいことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記第1ブロック片と前記第2ブロック片との間に、前記第1ブロック片と前記第2ブロック片とを接続する少なくとも1つの底上げ部を設けたことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、第1ブロック片および第2ブロック片にて役割を分担させて、接地面積の増加とエッジ圧の増加とを両立し、特に氷上でのブレーキ性能を向上した空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の空気入りタイヤの実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、タイヤの内部補強構造等は一般的なラジアルタイヤのそれと同様であるので図示を省略する。
図1は、本発明の空気入りタイヤの実施形態を示すトレッドパターンの展開図である。
図示のトレッドパターンは、タイヤのトレッド踏面1に、タイヤ赤道CLと平行なトレッド周方向に延びる複数の周方向溝3と、トレッド幅方向に延びる複数の幅方向溝4とにより複数のブロック20を区画してなる。このブロック20には、トレッド幅方向に延びる複数のサイプ21を設けている。サイプ21は、隣り合う周方向溝3同士を接続するように、ブロック20を貫通し、このブロック20を、複数、図示例で7個のブロック片に分断する。
なお、この図示例では、ブロック20は、タイヤ赤道CLを挟んでトレッド幅方向に2つずつ配置しているが、ブロック20の配置数はこの図示例に限定されるものではない。例えば、タイヤ赤道CLを挟んでトレッド幅方向一方側に2列、他方側に3列のように非対称な配置も可能である。
図2に、本発明の空気入りタイヤの第1実施形態に係るブロック20の斜視図を示す。図中矢印でトレッド周方向C、トレッド幅方向W、タイヤ径方向R(矢印方向がタイヤ径方向内側)を表す。
各ブロック20は、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとが隣り合わせに配置されてなる組を少なくとも1組、有する。第1ブロック片22Tは、その幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部S、Sから中央部Cに向かって漸減する。ここで、トレッド周方向端に配置された第1ブロック片22Tは、ブロック内側の壁面が漸減し、ブロック外側の壁面は漸減していない。第2ブロック片22Rは、その幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部S、Sから中央部Cに向かって漸増する。
さらに、第1ブロック片22Tのトレッド周方向の幅が、トレッド表面に向かって漸減し、第2ブロック片22Rの前記トレッド周方向の幅が、トレッド表面に向かって漸増している。すなわち、ブロック20の側面から見ると分かるように、サイプ21はトレッド踏面に対して垂直ではなく傾斜している。
なお、トレッド幅方向におけるブロック20の中央部Cとは、ブロック20のトレッド幅方向中央線を含み、当該中央線を中心としてブロック20の幅Wの50%以下の幅の領域を指すものとし、トレッド幅方向におけるブロック20の端部S、Sとは、中央部Cの両側の領域を指すものとする。
次に、図3を参照して、この第1実施形態に係る第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rについて説明する。図3(a)は、図2のA−A線、すなわち、ブロック20のトレッド幅方向中央部におけるブロック20の断面図であり、図3(b)は、図2のB−B線、すなわち、トレッド幅方向のブロック20の端部におけるブロック20の断面図である。
図3(a)に示す、トレッド幅方向のブロック20の中央部における第1ブロック片22Tのトレッド周方向の幅WTCは、図3(b)に示す、トレッド幅方向のブロック20の端部における第1ブロック片22Tのトレッド周方向の幅WTSより短い。すなわち、第1ブロック片22Tは、その幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸減しているため、第1ブロック片22Tの接地面積は、ブロック20のトレッド幅方向中央部ではトレッド幅方向端部より減少している。
また、図3(a)に示す、トレッド幅方向のブロック20の中央部における第2ブロック片22Rのトレッド周方向の幅WRCは、図3(b)に示す、トレッド幅方向のブロック20の端部における第2ブロック片22Rのトレッド周方向の幅WRSより長い。すなわち、第2ブロック片22Rは、その幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸増しているため、第2ブロック片22Rの接地面積は、ブロック20のトレッド幅方向中央部ではトレッド幅方向端部より増加している。
図4に、本発明の空気入りタイヤの第2実施形態に係るブロック20の斜視図を示す。図2との構成の違いは、ブロック20の側面から見ると分かるように、サイプ21の傾斜方向がブロック20のタイヤ径方向中央付近で変わっているということである。すなわち、第1ブロック片22Tは、そのトレッド周方向の幅が、タイヤの径方向内側から外側に向かって漸増した後漸減し、第2ブロック片22Rは、そのトレッド周方向の幅が、タイヤの径方向内側から外側に向かって漸減した後漸増している。
次に、図5を参照して、この第2実施形態に係る第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rについて説明する。図5(a)は、図4のC−C線、すなわち、ブロック20のトレッド幅方向中央部におけるブロック20の断面図であり、図5(b)は、図4のD−D線、すなわち、トレッド幅方向のブロック20の端部におけるブロック20の断面図である。
第1ブロック片22Tは、トレッド周方向の幅が、タイヤの径方向内側(サイプ21の底)から外側に向かって漸増した後漸減している。一方、第2ブロック片22Rは、タイヤの径方向内側から外側に向かって漸減した後漸増している。図5の例では、タイヤ周方向の断面図において、第1ブロック片22Tは、トレッド周方向の幅がサイプ21の深さ中心部分で最大の、いわゆるタル形状であり、断面図で見るサイプ21の溝壁はなだらかな弧を描き、曲率中心は溝壁に対して第1ブロック片22Tの内側方向に存在する。一方、第2ブロック片22Rは、トレッド周方向の幅がサイプ21の深さ中心部分で最小の、いわゆるラッパ形状であり、断面図で見るサイプ21の溝壁はなだらかな弧を描き、曲率中心は溝壁に対して第2ブロック片22Rの外側方向に存在する。
このようなタル形状、ラッパ形状のブロック片の場合も、図5(a)に示す、トレッド幅方向のブロック20の中央部における第1ブロック片22Tのトレッド周方向の幅WTCは、図5(b)に示す、トレッド幅方向のブロック20の端部における第1ブロック片22Tのトレッド周方向の幅WTSより短い。すなわち、第1ブロック片22Tは、その幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸減しているため、第1ブロック片22Tの接地面積は、ブロック20のトレッド幅方向中央部ではトレッド幅方向端部より減少している。
また、図5(a)に示す、トレッド幅方向のブロック20の中央部における第2ブロック片22Rのトレッド周方向の幅WRCは、図5(b)に示す、トレッド幅方向のブロック20の端部における第2ブロック片22Rのトレッド周方向の幅WRSより長い。すなわち、第2ブロック片22Rは、その幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸増しているため、第2ブロック片22Rの接地面積は、ブロック20のトレッド幅方向中央部ではトレッド幅方向端部より増加している。
次に、図6を参照して、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rの作用効果について説明する。
一般的に、エッジ圧を高めるためにはブロックの倒れこみを発生させることが有効である反面、接地面積を増やすためには倒れこみの発生を抑制しなくてはならない。従来の空気入りタイヤでは、ブロックの倒れこみを抑制することにより、接地面積減少を抑制することはできたが、エッジ圧が減少してしまうのは上述の通りであり、この背反性が問題であった。
そこで、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、この背反性を解消するために、ブロック片毎に機能を分離する手法を見出すに至った。すなわち、ブロックを同等の形状のブロック片に分断するのではなく、異なる機能を持たせたるために、異なる形状の第1および第2のブロック片を少なくとも1組は形成する。具体的には、第1のブロック片を、エッジ圧を高めるために、倒れこみが発生しやすいように、トレッド周方向の幅が、ブロック片表面23(トレッド踏面)に向かって漸減する形状とする。また、第2のブロック片を、接地面積の減少につながる、倒れこみが発生しないように、トレッド周方向の幅が、ブロック片表面23に向かって漸増する形状とする。
図6に示すように、タイヤが矢印方向に、例えば氷路面15を転動しているときに制動力がはたらくと、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとには、進行方向と逆向きに倒れこむ力が働く。ここで、第1ブロック片22Tには、後述するように倒れこみが容易に発生し、図中点線の丸で囲んで示すエッジ部の局所変形が大きくなるため、エッジ部のエッジ圧が向上する。これは、第1ブロック片の路面に対して漸減する形状とすることで、荷重負荷時における第1ブロック片のエッジ部が鈍角となり、エッジ部のゴムの膨出方向が、路面に平行ではなく、路面に向かう方向となる結果、路面に対してエッジ端が拘束されやすいためである。一方、第2ブロック片22Rは、ブロック片表面23に向かって幅が拡がる形状であることから倒れこみが発生せず、エッジ部が接地面から離れず、荷重下では氷路面23に対して拡がるように変形をする。そのため、第2ブロック片22Rは無負荷時よりも接地面積が大きくなり、該ブロック片22Rの浮き上がりが抑制される。このように、エッジ圧増加と接地面積増大の機能をブロック片毎に分離させることにより、ブロックとして見たとき氷上摩擦特性、特に氷上ブレーキ性能を向上させることができる。
ここで、第1ブロック片22Tのトレッド周方向の幅を、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸減させ、かつ、第2ブロック片22Rのトレッド周方向の幅を、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸増させることにより、エッジ効果および接地面積増加効果のそれぞれがより強調され、大幅に氷上摩擦性能を向上させることができる。
これは、ブロック中央部の変形が、ブロック端部の変形より大きいため、上記エッジ効果及び接地面積増加効果をより効果的に引き出すことができるからである。
サイプ21の幅が広すぎると、ブロック20におけるブロック片の割合が少なくなり、ブロック剛性が低下するので好ましくない。それゆえ、隣り合う第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとの間の、サイプ21を挟んで向かい合う溝壁の曲率が等しく、サイプ21の溝幅がタイヤの径方向内側から外側まで一定であることが好ましい。
また、第1ブロック片22Tの幅を第2ブロック片22Rの幅より小さくすることで、第1ブロック片22Tの剛性を低下させ、第1ブロック片22Tの倒れこみをさらに発生しやすくすることが好適である。
さらに、第1ブロック片22Tを、そのサイプ21の溝底部分の幅を短く、くびれた形状にすることによって、第1ブロック片22Tの剛性を低下させ、第1ブロック片22Tの倒れこみをさらに発生しやすくすることが好適である。
さらに、1つのブロック20の全体にわたって、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとがトレッド周方向に向かって交互に配置されることが好適であり、上述した例ではこのような配置となっているが、1つのブロック20において、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとが隣り合わせに配置されてなる組が少なくとも1組存在することが必要である。例えば図7にブロック表面を示すように、第1ブロック片22T相互および第2ブロック片22R相互が隣り合って配置されてもよい。
図8に、本発明の空気入りタイヤの第3実施形態に係るブロック20の一部分の斜視図を示す。図4との構成の違いは、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとの間のサイプ21に、好ましくは図示例のようにサイプ21の底に、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとを接続する少なくとも1つの、図示例では3つの底上げ部24を設けている点である。この底上げ部24を設けることにより、第2ブロック片22Rの倒れこみがさらに抑制されるので、確実に接地面積を確保することができる。
なお、図示例では、図面手前のサイプ21にのみ底上げ部24を設けた例を示しているが、全てのサイプ21に底上げ部24を設けることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤ(発明例タイヤ)、従来の空気入りタイヤ(従来例タイヤ)および比較例の空気入りタイヤ(比較例タイヤ)を、後述する仕様のもとに試作し、氷上ブレーキ性能の評価を行ったので以下に説明する。
各供試タイヤは、図1に示すトレッドパターンを有し、一般の空気入りタイヤと同様の内部構造を有する。各供試タイヤのサイプ形状(図中上がサイプ底を示す)を図9に模式的に示す。
発明例タイヤ1は、図4、図5に示すようなブロック片およびサイプの形状(図9(a))を有する。
発明例タイヤ2は、図8に示すような底上げ部24を有し、図9(b)に示すサイプ形状を有する点以外は、発明例タイヤ1と同様である。
発明例タイヤ3は、図2、図3に示すようなブロック片およびサイプの形状を有する。
比較例タイヤは、図9(c)に示すサイプを有し、ブロック片のトレッド周方向の幅が、ブロックのトレッド幅方向端部とトレッド幅方向中央部とにおいて同一である点以外は、発明例タイヤ1と同様である。
従来例タイヤは、いわゆる、Washboard型のサイプ形状(図9(d))を有する。
各供試タイヤは、タイヤサイズがともに195/65R15である。これらのタイヤを標準リムに組み付けてタイヤ車輪とし、タイヤ内圧を200kPaに調整した。上記タイヤを乗用車に装着し、氷路において制動試験を行った。試験は初速度40km/hからフルブレーキをかけて静止状態になるまでの制動距離を計測し、初速度と制動距離から平均減速度を算出した。結果は平均減速度の指数で表現し、表1に示す。この指数は、従来例タイヤの平均減速度を100とした場合の指数で表示し、値が大きいほど良好な結果を表す。
Figure 2010132167
表1より、発明例タイヤでは、従来例タイヤおよび比較例タイヤに比べて氷上性能が向上していることが分かる。
従って、第1ブロック片のトレッド周方向の幅を、トレッド幅方向端部からトレッド幅方向中央部に向かって漸減させ、第2ブロック片のトレッド周方向の幅を、トレッド幅方向端部からトレッド幅方向中央部に向かって漸増させることにより、氷上性能を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施形態を示すトレッドパターンの展開図である。 本発明の空気入りタイヤの第1実施形態に係るブロックの斜視図である。 (a)は、図2のA−A線におけるブロックの断面図であり、(b)は、図2のB−B線におけるブロックの断面図である。 本発明の空気入りタイヤの第2実施形態に係るブロックの斜視図である。 (a)は、図4のC−C線におけるブロックの断面図であり、(b)は、図4のD−D線におけるブロックの断面図である。 本発明の空気入りタイヤの作用効果を説明するための図である。 本発明の空気入りタイヤのブロック表面の一例を示す。 本発明の空気入りタイヤの第3実施形態に係るブロックの一部分の斜視図である。 (a)、(b)は発明例タイヤ、(c)は比較例タイヤ、(d)は従来例タイヤのサイプ形状の模式図である。
符号の説明
CL タイヤ赤道
1 トレッド踏面
3 周方向溝
4 幅方向溝
15 氷路面
20 ブロック
21 サイプ
22R 第1ブロック片
22T 第2ブロック片
23 ブロック片表面
24 底上げ部

Claims (4)

  1. タイヤのトレッド踏面に、トレッド周方向に延びる複数の周方向溝と、トレッド幅方向に延びる複数の幅方向溝とにより複数のブロックを区画し、該ブロックにトレッド幅方向に延びる複数のサイプを設けた空気入りタイヤであって、
    前記ブロックは、前記サイプにより複数のブロック片に分断され、かつ該ブロック片のトレッド周方向の幅が、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸減する第1ブロック片と、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸増する第2ブロック片とが隣り合わせに配置されてなる組を少なくとも1組有し、
    前記第1ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、トレッド表面に向かって漸減し、前記第2ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、トレッド表面に向かって漸増する、
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第1ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、前記タイヤの径方向内側から外側に向かって漸増した後漸減し、
    前記第2ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、前記タイヤの径方向内側から外側に向かって漸減した後漸増する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1ブロック片と前記第2ブロック片との、サイプを挟んで向かい合う側壁の曲率が等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1ブロック片と前記第2ブロック片との間に、前記第1ブロック片と前記第2ブロック片とを接続する少なくとも1つの底上げ部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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