JP2006151223A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2006151223A
JP2006151223A JP2004345852A JP2004345852A JP2006151223A JP 2006151223 A JP2006151223 A JP 2006151223A JP 2004345852 A JP2004345852 A JP 2004345852A JP 2004345852 A JP2004345852 A JP 2004345852A JP 2006151223 A JP2006151223 A JP 2006151223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shallow groove
groove
curved
tire
pneumatic tire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004345852A
Other languages
English (en)
Inventor
Koyo Kiwaki
幸洋 木脇
Ryoichi Watabe
亮一 渡部
Kenichi Shibata
賢一 柴田
Kazuyoshi Tagawa
和義 田川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2004345852A priority Critical patent/JP2006151223A/ja
Publication of JP2006151223A publication Critical patent/JP2006151223A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/12Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes
    • B60C11/1204Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special shape of the sipe
    • B60C2011/1231Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special shape of the sipe being shallow, i.e. sipe depth of less than 3 mm

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】 使用初期での更なる性能向上を図ることが可能な空気入りタイヤを得る。
【解決手段】 ブロック20の踏面には、路面との間に生じた水分を吸収して、水膜を除去あるいは減少可能な第1曲線浅溝26、及び第2曲線浅溝27が設けられている。この第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27により、サブブロック28が微小陸部30に区画されている。第1曲線浅溝26は、タイヤ周方向に対して所定角度傾斜された波線状とされ、第2曲線浅溝27は、タイヤ周方向に対して第1曲線浅溝26と線対称の形状とされている。第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27の少なくとも一方の端部はいずれかの主溝38に達している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トレッド面に複数の主溝で区画された複数の陸部を有する空気入りに関し、さらに詳しくは、タイヤ使用初期での性能を向上させた空気入りタイヤに関する。
氷雪路面やウェット路面等での性能を向上させたタイヤとして、いわゆるスタッドレスタイヤがある。スタッドレスタイヤには、種々の充填剤を配合して、氷表面のエッジ効果を得るようにしたものや、発泡ゴムを使用して、使用期間中の発泡層による吸水・エッジ効果を得るようにしたもの等がある。
しかし、一般にゴムは、加硫硬化された場合に金型と直接接触するタイヤ表面に、上記の充填剤や発泡層が露出せず、タイヤ表面に皮膜が形成されてしまう傾向にある。その結果、タイヤの使用初期においては、充填剤や発泡層の効果が発揮されない(若しくは、その効果が小さい)ことになる。
これに対し、たとえば特許文献1や特許文献2には、トレッド表面に細溝を形成することで、摩耗初期における制駆動性能を向上させた氷雪路用空気入りタイヤが記載されている。また、特許文献3には、トレッドの接地陸部にタイヤ周方向と0°〜40°の角度をなす浅溝をタイヤ幅方向に並べて配置した空気入りタイヤが記載されている。
しかし、空気入りタイヤの実際の使用状況では、使用初期における更なる性能向上が求められている。
特開2004−34902号公報 特開2004−34903号公報 特開平7−186633号公報
本発明は上記事実を考慮し、使用初期での更なる性能向上を図ることが可能な空気入りタイヤを得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明は、トレッド面に複数の主溝で区画された複数の陸部を有し、タイヤ幅方向に延びる少なくとも1つのサイプによって前記陸部が分割されてサブブロックが形成された空気入りタイヤにおいて、前記陸部に、前記サイプよりも浅く少なくとも一方の端部が前記複数の主溝またはトレッド端のいずれかに達する曲線状の第1曲線浅溝と、前記サイプよりも浅く少なくとも一方の端部が前記複数の主溝のいずれかに達すると共に前記第1曲線浅溝と交差する曲線状の第2曲線浅溝と、を備えたことを特徴とする。
ここで、「陸部」としては、主溝によって区画されたブロックやリブを挙げることができる。また、「サイプ」は、陸部をタイヤ幅方向一端から他端へ連続している必要はなく、不連続の箇所において隣接するサブブロックが部分的に連なるような構造でも良い。
この空気入りタイヤでは、トレッド面に、主溝、サイプ及び第1曲線浅溝、第2曲線浅溝(第1曲線浅溝と第2曲線浅溝をまとめて、単に「浅溝」という)が形成されている。空気入りタイヤには種々な大きさ、レベルの力が加わるが、比較的大きな力に対しては主溝のエッジ効果が、陸部の変形に留まる程度の比較的小さな力に対してはサイプのエッジ効果が、そして更に微小な力に対しては浅溝のエッジ効果が発揮される。また、主にサイプ及び浅溝では吸水効果も発揮される。これにより、様々な力をより広範囲で受け止めることができ、空気入りタイヤの持つ摩擦力を効果的に向上させることができる。
特に本発明では、陸部に、少なくとも一方の端部が前記複数の主溝またはトレッド端のいずれかに達する曲線状の第1曲線浅溝と、前記サイプよりも浅く且つ幅狭とされ、少なくとも一方の端部が前記複数の主溝またはトレッド端のいずれかに達すると共に前記第1曲線浅溝と交差する曲線状の第2曲線浅溝と、が形成されている。両浅溝は、少なくとも一方の端部が主溝に達しているので、浅溝から主溝またはトレッド端への水分の移動が可能になり、排水効果をより高めることができる。また、両浅溝は曲線状とされているので、エッジ効果の異方性がなくなり、特にコーナリング時等の氷上性能を向上させることもできる。また、両浅溝は交差されているので、この交点を通って浅溝内の水分の移動が可能になり、除水効果をより高めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数の主溝のうちのタイヤ幅方向に延びるタイヤ幅方向主溝に対して、タイヤ回転方向後方側に位置する前記陸部の溝後方領域における前記第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝の形成密度が、タイヤ回転方向前方側に位置する前記陸部の溝前方領域における前記第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝の形成密度よりも大きいことを特徴とする。
タイヤ幅方向に延びるタイヤ幅方向主溝に対して、タイヤ回転方向後方側に位置する溝後方領域は、次に接地するタイヤ幅方向主溝までの距離が、タイヤ回転方向前方側に位置する陸部の溝前方領域よりも遠い。したがって、次のタイヤ幅方向主溝が接地されるまでの時間も長く、より多くの水分を吸収し排水する必要が生じる。そこで、本発明では、溝後方領域に形成される第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝の密度を溝前方領域に形成される第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝の密度よりも大きくする。
これにより、より効率よく吸水、排水を行なうことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1曲線浅溝及び前記第2曲線浅溝は、タイヤ周方向に対して所定角度傾斜された波線状とされ、前記溝後方領域での接線の平均傾斜角度が前記溝前方領域での接線の平均傾斜角度よりも大きい、ことを特徴とする。
このように、第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝のタイヤ周方向に対する接線の傾斜角度を変化させることにより、タイヤ幅方向主溝間の浅溝の密度を変化させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記浅溝が、0.1mm〜0.5mmの深さ及び、0.1mm〜1.0mmの幅とされていることを特徴とする。
このように、浅溝の深さを0.5mm以下とすることで、浅溝によって区画された微小陸部の接地時における変形を抑制して、摩耗を少なくすることができる。また、浅溝の幅を1.0mm以下とすることで、微小陸部の踏面面積を確保して、使用初期で高い性能を得ることが可能となる。
さらに、浅溝の深さ及び幅を0.1mm以上とすることで、浅溝内に取り込み可能な水分量を確保して、高い除水効果を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、複数の前記第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝によって区画された複数の微小陸部が、0.4mm2〜30mm2の踏面面積とされていることを特徴とする。
微小陸部の踏面面積を0.4mm2以上とすることで、接地面積を確保して使用初期で高い性能を得ることが可能となる。また、30mm2以下に制限することで、単位面積当りに占める浅溝の領域(ネガティブ率)を確保できるので、浅溝内に取り込み可能な水分量を多くして、高い除水効果を得ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明において、複数の前記第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝が、規則的なパターンにより配置されていることを特徴とする。
これにより、浅溝による性能の局所的な変化を無くし、陸部全体で均一な性能を得ることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記陸部を構成するゴムが、タイヤの半径方向外側の発泡ゴム層と、半径方向内側の未発泡ゴム層と、で構成されていることを特徴とする。
したがって、この空気入りタイヤでは、使用により接地面が摩耗すると、発泡ゴム層の発泡部分(発泡層)が露出するので、この発泡部分で路面との間に発生した水の吸収効果、及び路面に対するエッジ効果を得ることができる。空気入りタイヤの使用初期において発泡部分が露出していない場合でも、陸部に形成された複数の浅溝により、吸水効果、エッジ効果を得ることができる。
また、半径方向内側の未発泡ゴム層により、陸部の形状を安定的に維持可能となる。
本発明は上記構成としたので、空気入りタイヤの使用初期での更なる性能向上を図ることが可能となる。
図1には、本発明の第1実施形態の空気入りタイヤ10が示されている。この空気入りタイヤ10は、回転方向があらかじめ決められている。図面においてこの回転方向を矢印Sで、これと直交するタイヤ幅方向を矢印Wでそれぞれ示す。なお、空気入りタイヤ10の周方向は、回転方向及びその反対方向となる。
図2に示すように、この空気入りタイヤ10のトレッド12は、タイヤ径方向内側の内方ゴム層34と、タイヤ径方向外側の外方ゴム層36と、で構成されている。
外方ゴム層36は、内部に多数の気泡が存在する発泡ゴム層とされており、空気入りタイヤ10の使用時には、この気泡内に、トレッド12の踏面と路面との間の水分が吸収される。また、気泡によって路面に引っかかるエッジ効果も発揮される。ただし、一般に空気入りタイヤ10の使用初期では、タイヤ成形の金型と直接接触するタイヤ表面(踏面)に、気泡が露出しない。
これに対し、内方ゴム層34はこのような気泡が存在しない未発泡ゴム層とされており、外方ゴム層36よりも高い剛性を有している。これにより、トレッド12の形状を安定的に維持できる。
図1に示すように、空気入りタイヤ10のトレッド12には、タイヤ赤道面CL上に直線状の周溝14が形成され、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向両側にも周溝16が形成されている。空気入りタイヤ10のタイヤ幅方向両側からは、タイヤ赤道面CLに向かって湾曲し、周溝16に交差する横溝18が形成されている。横溝18は、周溝16と周溝14の中間部分において、回転方向に向かって屈曲しており、さらに、この屈曲部分の長手方向略中央からは、周溝14に連なる横溝24が形成されている。これらの周溝14、16、及び横溝18、24は、本発明に係る主溝38であり、この主溝38によって、空気入りタイヤ10のトレッド12には複数個のブロック20(陸部)が画成されている。
本実施形態の空気入りタイヤ10は、冬用のスタッドレスタイヤとして用いられるものであって、トレッド12を形成しているトレッドゴムは、硬度(0°C、JIS−A)が50度であり、損失係数tanδ(ピーク位置)が−45°C、動的弾性率(−20°C、0.1%歪)が180kgf/cm2であるが、本発明はこれに限定されない。
なお、冬用のスタッドレスタイヤとして用いる場合のトレッドゴムは、硬度(0°C、JIS−A)が40〜68度、損失係数tanδ(ピーク位置)が−30°C以下、動的弾性率(−20°C、0.1%歪)が300kgf/cm2以下であることが好ましい。
ここで、トレッドゴムの硬度が40度未満の場合は、柔らかすぎて耐摩耗性に劣り、68度より高い場合は硬すぎて氷雪路面との接触面積が減って制動性能・駆動性能等が劣るため好ましくない。また、損失係数tanδ(ピーク位置)が−30°より高いと、氷雪路面では剛すぎて接触面積が減って制動性能・駆動性能等に劣るため好ましくない。さらに、動的弾性率が300kgf/cm2よりも高いと、氷雪路面では剛すぎて接触面積が減って制動性能・駆動性能等に劣るため好ましくない。
一方、周溝14、16、及び横溝18、24は、排水性及び寿命の点から溝深さ8mm以上、溝幅3mm以上とすることが好ましく、トレッド12の踏面のネガティブ比率は、同じく排水性の点、ブロック20の剛性の点から25〜65%とすることが好ましい。
ここで、溝深さが8mm未満、また、溝幅が3mm未満では、溝による排水性が十分に発揮できないため好ましくない。また、ネガティブ比率が25%未満となると、排水性が低下するため好ましくなく、65%よりも高くなると陸部としてのブロック20が小さくなって剛性が低下するため、制動性能・駆動性能が低下する場合があり、耐摩耗性能も悪化するため好ましくない。
これらブロック20の踏面には、図3にも示すように、タイヤ幅方向(矢印W方向)に延びるジグザク状のサイプ22が設けられており、ブロック20のそれぞれが、主溝38−サイプ22間、又はサイプ22−サイプ22間の複数のサブブロック28に分割されている。
また、ブロック20の踏面には、路面との間に生じた水分を吸収して、水膜を除去あるいは減少可能な第1曲線浅溝26、及び第2曲線浅溝27が設けられている。この第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27により、サブブロック28が微小陸部30に区画されている。
第1曲線浅溝26は、タイヤ周方向に対して所定角度傾斜された波線状とされ、第2曲線浅溝27は、タイヤ周方向に対して第1曲線浅溝26と線対称の形状とされている。第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27の一端はいずれかの主溝38に達し、他端はトレッド端部に達している。
横溝18に対して、タイヤ回転方向後方側に位置する領域を溝後方領域R、タイヤ回転方向前方側に位置する領域を溝前方領域Fとすると、溝後方領域Rにおける第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27の接線のタイヤ周方向に対する平均傾斜角度は、溝前方領域Fにおける第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27の接線のタイヤ周方向に対する平均傾斜角度よりも大きくされている。これにより、溝後方領域Rにおける第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27の形成密度が、溝前方領域Fにおける第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27の形成密度よりも大きくなっている。
ここで、溝後方領域Rは、2つの横溝18のタイヤ周方向の間隔Kに対して、タイヤ周方向に1/2以下の領域をいう。なお、本実施形態では、溝後方領域Rを前述のように設定しているが、間隔Kに対して、横溝18の後方15%〜85%の範囲の領域であればよい。
第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27の幅W1(図4参照)は、少なくともサイプ22の幅W2(図3参照)よりも狭くされているが、これらの幅は同程度、あるいはW1がW2より広くてもよい。
図4に示すように、第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27は、断面形状が略矩形状を呈しており、その深さD1は0.1mm〜0.5mmの範囲が好ましく、幅W1は0.1mm〜1.0mmの範囲が好ましい。深さD1及び幅W1を0.1mm以上とすることで、第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27内に取り込み可能な水分量を確保して、高い除水効果を得ることができる。また、その深さD1を0.5mm以下、幅W1を1.0mm以下とすることで、微小陸部30の接地時における変形を抑制して、摩耗を少なくすることができる。
また、微小陸部30の踏面面積としては、0.4mm2〜30mm2とすることが好ましい。踏面面積を0.4mm2以上とすることで、接地面積を確保して、空気入りタイヤ10の使用初期で高い性能を得ることが可能となる。また、30mm2以下に制限することで、第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27内に取り込み可能な水分量を確保して、高い除水効果を得ることができる。
なお、第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27は、空気入りタイヤ10を加硫成型するモールドの内面に、切削加工、放電加工、エッチング加工等にて形成することができる。
また、第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27は成型後のタイヤや、走行に供されてある程度表面が摩耗したタイヤに形成することもでき、このようなタイヤにおいては、ナイフカットあるいは紙やすりなどによる表面バフ等により形成することができる。
次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用を説明する。
空気入りタイヤ10のトレッド12は、タイヤ径方向内側の内方ゴム層34(未発泡ゴム層)と、タイヤ径方向外側の外方ゴム層36(発泡ゴム層)とで構成されているが、使用初期では、踏面に、外方ゴム層36の気泡が露出していない。
使用初期状態の空気入りタイヤ10で氷雪路上を走行すると、トレッド12と氷または雪とが接触する際の圧力、摩擦等により水が発生する。摩擦力低下の原因となるこの水はブロック20の踏面に設けられた第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27内に取り込まれ、この溝部分を介して(あるいは、さらにサイプ22を介して)周溝14、16、及び横溝18、24へと排出されるため、踏面と路面との間の水膜が除去される。
このため、本実施形態の空気入りタイヤ10は、踏面に浅溝26が形成されていないタイヤに比較して、使用初期における氷雪路面での制動性能・駆動性能が向上すると共にウエット路面においても、浅溝26の排水効果によりウエット性能が向上する。
特に本実施形態では、第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27の一端が周溝14に達し、他端がトレッド端部に達しているので、第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27から周溝14またはトレッド端外側への水分の移動が可能になり、排水効果をより高めることができる。なお、第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27は少なくともその一端がいずれかの主溝38またはトレッド端に達していれば、排水効果の向上を図ることができる。
また、第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27は曲線状とされているので、エッジ効果の異方性がなくなり、特にコーナリング時等の氷上性能が向上している。また、第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27は交差されているので、この交点を通って両浅溝内の水分の移動が可能になり、除水効果をより高めることができる。
また、溝後方領域はRは、次に接地する横溝18までの距離が、溝前方領域Fよりも遠く、次の横溝18が接地されるまでの時間も長くなり、より多くの水分を吸収し排水する必要が生じるが、本実施形態では、溝後方領域Rにおける第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27の密度が、溝前方領域Fにおける第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27の密度よりも大きいので、効率よく排水を行なうことができる。
なお、本発明に係る第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝は、前述した実施形態のような波線状のものに限定されるものではない。図5に示すように、長径がタイヤ周方向に対して所定角度傾斜した楕円形状の第1楕円浅溝50と、タイヤ周方向に対して第1楕円浅溝50と線対称の形状の第2楕円浅溝52としてもよい。
また、本発明に係る第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝は、図6に示すように、半円形状の第1半円形浅溝54と、第1半円形浅溝54を180°回転させた第2半円形浅溝56としてもよい。第1半円形浅溝54及び第2半円形浅溝56は、半径がトレッド幅の1/4以上とされ、タイヤ回転方向に凸状となる略半円形状とされている。第1半円形浅溝54及び第2半円形浅溝56が、タイヤ周方向Sに所定間隔で並べて、浅溝群を構成することもできる。
また、第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝は必ずしも本実施形態のような規則的なパターンで配置する必要もないが、規則的にパターン化すると、構造が簡単になり、しかも、トレッド面全体にわたって均一な性能を確保できるので、好ましい。
なお、本実施形態では、ブロック20にサイプ22が形成された空気入りタイヤ10を例に挙げたが、サイプ22が形成されていない空気入りタイヤに本発明を適用し、第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27をブロック20に形成することも可能である。この場合には、少なくとも周溝14、16、及び横溝18、24よりも第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝を浅く且つ幅狭とすれば、空気入りタイヤの基本性能に第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27が与える影響を少なくでき、且つ第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝の本来的な効果である除水効果も維持できる。
また、主溝38によってブロック20が形成された空気入りタイヤ10に限らず、たとえばリブが形成された空気入りタイヤに対しても、このリブに浅溝を形成して本発明に係る空気入りタイヤとすることが可能である。
また、ブロック20(又はリブ)として、発泡ゴム層で構成された外方ゴム層に代えて、氷上性能を向上させるために充填剤が充填されたゴムで構成されていてもよい。この構成であっても、空気入りタイヤの使用初期では踏面に充填剤が露出していないことが想定されるが、本実施形態のような浅溝を形成することで、空気入りタイヤの使用初期での性能を向上させることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
本実施例では、図1〜図4に示す本実施形態の空気入りタイヤ10を乗用車に装着し、使用初期における氷上性能を評価した。第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27のタイヤ周方向に対する平均傾斜角度は33°とした。
また、比較例として、図7に示す空気入りタイヤ70を使用して、同じく使用初期における氷上性能を評価した。この空気入りタイヤ70は、図8にも示すように、実施例の空気入りタイヤ10の浅溝26に代えて、周方向に対し45°の角度を成し、互いに交差する2方向の複数本の浅溝72(間隔:1.09mm)を形成している点が空気入りタイヤ10と異なっている。これ以外の基本的構成は実施例の空気入りタイヤ10と同一であり、図7においても同一部分は図1と同符号を付している。
空気入りタイヤ10、70の基本的な構成と、氷上性能の評価を表1に示す。
Figure 2006151223
これら実施例及び比較例では、共通の条件として、
・タイヤサイズ:195/65R16
・使用リム :6J−15
・使用内圧 :210kPa(フロント、リヤ同じ)
とした。
<試験方法及び評価方法>
・氷上加速
氷上で5km/hから15km/hへと加速するのに要する時間を計測し、比較例を100として実施例を相対的に指数評価した。数値が大きくなるほど加速性能に優れていることを示す。
・制動距離
氷上で20km/hの定速走行中にブレーキロックにより0km/hへと減速するのに要した制動距離を測定し、比較例を100として実施例を相対的に指数評価した。数値が大きくなるほど制動性能に優れていることを示す。
・旋回性能
氷上での旋回安定性をテストドライバーによるフィーリングにより評価した。数値が大きくなるほど旋回安定性に優れていることを示す。
表1から、本実施例では、氷上での加速性能、制動性能、旋回性能のいずれにおいても比較例より優れていることが分かる。本実施例では第1曲線浅溝26及び第2曲線浅溝27が曲線形状であり、溝後方領域の密度が溝前方領域の密度よりも大きいためであると考えられる。
本実施形態の空気入りタイヤのトレッドを示す平面図である。 本実施形態の空気入りタイヤのブロックを拡大して示す断面図である。 本実施形態の空気入りタイヤのトレッドを部分的に拡大して示す平面図である。 本実施形態の空気入りタイヤのトレッドに形成された第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝の深さ及び幅を示す説明図である。 本実施形態の空気入りタイヤのトレッドの変形例を示す平面図である。 本実施形態の空気入りタイヤのトレッドの他の変形例を示す平面図である。 比較例の空気入りタイヤのトレッドを示す平面図である。 比較例の空気入りタイヤのトレッドに形成された浅溝のみを取り出して示す説明図である。
符号の説明
10 タイヤ
14 周溝
16 周溝
18 横溝
20 ブロック
22 サイプ
24 横溝
26 第1曲線浅溝
27 第2曲線浅溝
28 サブブロック
30 微小陸部
38 主溝
50 第1楕円浅溝
52 第2楕円浅溝
54 第1半円形浅溝
56 第2半円形浅溝
F 溝前方領域
R 溝後方領域
θ1 角度

Claims (7)

  1. トレッド面に複数の主溝で区画された複数の陸部を有し、タイヤ幅方向に延びる少なくとも1つのサイプによって前記陸部が分割されてサブブロックが形成された空気入りタイヤにおいて、
    前記陸部に、前記サイプよりも浅く少なくとも一方の端部が前記複数の主溝またはトレッド端のいずれかに達する曲線状の第1曲線浅溝と、前記サイプよりも浅く少なくとも一方の端部が前記複数の主溝またはトレッド端のいずれかに達すると共に前記第1曲線浅溝と交差する曲線状の第2曲線浅溝と、
    を備えたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記複数の主溝のうちのタイヤ幅方向に延びるタイヤ幅方向主溝に対して、タイヤ回転方向後方側に位置する前記陸部の溝後方領域における前記第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝の形成密度が、タイヤ回転方向前方側に位置する前記陸部の溝前方領域における前記第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝の形成密度よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1曲線浅溝及び前記第2曲線浅溝は、タイヤ周方向に対して所定角度傾斜された波線状とされ、前記溝後方領域での接線の平均傾斜角度が前記溝前方領域での接線の平均傾斜角度よりも大きい、ことを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝が、0.1mm〜0.5mmの深さ及び、0.1mm〜1.0mmの幅とされていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 複数の前記第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝によって区画された複数の微小陸部が、0.4mm2〜30mm2の踏面面積とされていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 複数の前記第1曲線浅溝及び第2曲線浅溝が、規則的なパターンにより配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記陸部を構成するゴムが、タイヤの半径方向外側の発泡ゴム層と、半径方向内側の未発泡ゴム層と、で構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
JP2004345852A 2004-11-30 2004-11-30 空気入りタイヤ Pending JP2006151223A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004345852A JP2006151223A (ja) 2004-11-30 2004-11-30 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004345852A JP2006151223A (ja) 2004-11-30 2004-11-30 空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006151223A true JP2006151223A (ja) 2006-06-15

Family

ID=36630019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004345852A Pending JP2006151223A (ja) 2004-11-30 2004-11-30 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006151223A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007062690A (ja) * 2005-09-02 2007-03-15 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
WO2010064452A1 (ja) * 2008-12-05 2010-06-10 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
KR101406725B1 (ko) 2011-12-26 2014-06-12 한국타이어 주식회사 공기입 타이어 패턴 블록
EP3753753A1 (de) * 2019-06-17 2020-12-23 Continental Reifen Deutschland GmbH Fahrzeugluftreifen

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007062690A (ja) * 2005-09-02 2007-03-15 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP4735137B2 (ja) * 2005-09-02 2011-07-27 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
WO2010064452A1 (ja) * 2008-12-05 2010-06-10 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JP2010132167A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
RU2470797C1 (ru) * 2008-12-05 2012-12-27 Бриджстоун Корпорейшн Пневматическая шина
KR101273803B1 (ko) 2008-12-05 2013-06-11 가부시키가이샤 브리지스톤 공기 타이어
US8800617B2 (en) 2008-12-05 2014-08-12 Bridgestone Corporation Pneumatic tire
KR101406725B1 (ko) 2011-12-26 2014-06-12 한국타이어 주식회사 공기입 타이어 패턴 블록
EP3753753A1 (de) * 2019-06-17 2020-12-23 Continental Reifen Deutschland GmbH Fahrzeugluftreifen

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4519141B2 (ja) 空気入りタイヤ
US7438100B2 (en) Pneumatic tire for ice-bound or snow-covered road
JP4285609B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3702958B2 (ja) 氷雪路用空気入りタイヤ
JP2005126055A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006256516A (ja) 空気入りタイヤ
JP4571482B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2006176055A (ja) 空気入りタイヤ
JP4621012B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5170416B2 (ja) 氷雪路用空気入りタイヤ
JP2006151229A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006151230A (ja) 空気入りタイヤ
JP4568099B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4557693B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2008049971A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006151231A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006151223A (ja) 空気入りタイヤ
JP4526364B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2004034902A (ja) 氷雪路用空気入りタイヤ
JP4621011B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2006151237A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006151226A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006151228A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006151236A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006151232A (ja) 空気入りタイヤ