JP2010127901A - プローブカードおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外力の印加方向の方向性に依存せずに接触子が大きな弾性力を発揮し、かつ、それを簡易な構造によって実現することができるプローブカードおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のプローブカード1においては、接触子3がドーム形状に形成されているとともに、その頂部3tから裾部3rにかけて形成された複数個の貫通溝3hが回転対称に配置される。また、逃げ穴4hを有するドーナツ形状に形成されており、接触子3の内部において接触子3の裾部3rと配線板2との間に介在している第1の緩衝部材が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のプローブカード1においては、接触子3がドーム形状に形成されているとともに、その頂部3tから裾部3rにかけて形成された複数個の貫通溝3hが回転対称に配置される。また、逃げ穴4hを有するドーナツ形状に形成されており、接触子3の内部において接触子3の裾部3rと配線板2との間に介在している第1の緩衝部材が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、プローブカードおよびその製造方法に係り、特に、アレイ配置された複数個の接触子を備えるプローブカードに好適に利用できるプローブカードおよびその製造方法に関する。
一般的に、集積回路の製造工程においては、ウェハを個々のチップに切り離す前にウェハテストを行なうため、プローブカードが用いられている。そのプローブカードにおいてウェハと導通するために用いられる端子がプローブピンといわれる接触子である。
従来のプローブカードにおける接触子については、大きく分けて、プローブカードの配線板に対して水平配置された細長い片持板からなるカンチレバー型と、その垂直方向(高さ方向)に起立した垂直伸縮自在の針からなる垂直型といわれる2つの構造がある。カンチレバー型の接触子については、その構造が簡易であり、レバー長やレバー幅を変更することによって機械的特性を容易に調整することができる点にメリットがあるといわれている。その一方、垂直型の接触子については、カンチレバー型の接触子よりもレイアウトの自由度が高く、アレイ配置することができる点にメリットがあるといわれている。
ここで、接触子と接触するウェハの電極が接触子の伸縮方向、通常であれば垂直方向(高さ方向)に押し込まれる理想的な場合ではなく、ウェハ自体が傾いていたり、ウェハの電極の形成面が傾いていたりすることにより、ウェハの電極が傾きながら接触子と接触した場合を考える。この場合、ウェハの電極から印加される外力が接触子の垂直方向(高さ方向)だけでなくその水平方向のいずれかの方向にも働く。
しかしながら、従来のプローブカードにおけるカンチレバー型の接触子については、垂直方向(高さ方向)に伸縮することのみを想定して形成されていたため、水平方向のいずれかの方向に湾曲した場合、接触子の形状に依存して不規則な弾性変形を生じてしまう。つまり、従来のカンチレバー型の接触子については、その弾性力が外力の印加方向の方向性に依存してしまうという問題があった。接触子の弾性力が外力の印加方向の方向性に依存すると、ウェハの電極に接触子を確実に接触させることができず、ウェハテストを正確に実施することが困難になる。
また、従来のプローブカードにおける垂直型の接触子は、垂直方向(高さ方向)に伸縮するばねが接触部となる針に垂直方向(高さ方向)への付勢を与えることによって垂直伸縮自在に形成されているため、上記と同様、外力の印加方向の方向性に依存せずに弾性力を発揮することができないという問題だけでなく、その構造が複雑になってしまうという問題があった。接触子の構造が複雑化すると、接触子を高密度配置することが困難になるので、アレイ配置できるというメリットを生かしきれない。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、外力の印加方向の方向性に依存せずに接触子が大きな弾性力を発揮し、かつ、それを簡易な構造によって実現することができるプローブカードおよびその製造方法を提供することを本発明の目的としている。
前述した目的を達成するため、本発明のプローブカードは、その第1の態様として、配線板と、ドーム形状に形成されているとともに、その頂部から裾部にかけて形成された複数個の貫通溝がその頂点を高さ方向に通過する仮想軸を対称軸として回転対称に配置されている接触子と、接触子の内部において接触子の裾部と配線板との間に介在しており、接触子の押圧動作により下方に湾曲変形した接触子の頂部が当接することを回避するための逃げ穴を接触子の頂部の下方に有するドーナツ形状に形成されている第1の緩衝部材とを備えていることを特徴としている。
本発明の第1の態様のプローブカードによれば、接触子がドーム形状に形成されているので、接触子に加わる力の印加方向がいずれの方向であっても規則的な弾性変形を生じさせることができる。また、接触子の内部に第1の緩衝部材を設けているので、湾曲変形した接触子の裾部が第1の緩衝部材を押圧した際に第1の緩衝部材の弾性力を利用して接触子の弾性力を段階的に強めることができる。さらに、接触子には回転対称配置された貫通溝が設けられているので、接触子おける弾性力の対称性を崩すことなく、貫通溝の幅、長さまたは個数に応じて接触子の弾性力を調整することができる。そのうえ、貫通溝の形成により接触子に設けられた稜線がウェハの電極の表面に形成された酸化膜を切削するので、ウェハの電極と接触子とを確実に導通させることができる。
本発明の第2の態様のプローブカードは、第1の態様のプローブカードにおいて、複数個の貫通溝は、接触子の頂部を中心にして渦巻状に形成されていることを特徴としている。
本発明の第2の態様のプローブカードによれば、接触子の頂部から裾部までの距離が長くなるので、疲労による接触子の永久変形を生じにくくさせることができる。
本発明の第3の態様のプローブカードは、第1または第2の態様のプローブカードにおいて、第1の緩衝部材の逃げ穴周辺と配線板との間に介在し、かつ、第1の緩衝部材の逃げ穴から露出しているとともに、接触子の押圧動作により下方に湾曲変形した接触子の頂部と当接するように形成されている第2の緩衝部材を備えていることを特徴としている。
本発明の第3の態様のプローブカードによれば、湾曲変形した接触子の頂部が第2の緩衝部材を押圧した際に第2の緩衝部材の弾性力を利用して接触子の弾性力を段階的に強めることができる。
本発明の第4の態様のプローブカードは、第1または第2の態様のプローブカードにおいて、配線板に形成されるパッド電極は、第1の緩衝部材の逃げ穴周辺と配線板との間に介在し、かつ、第1の緩衝部材の逃げ穴から露出しているとともに、接触子の押圧動作により下方に湾曲変形した接触子の頂部と当接するように配置されていることを特徴としている。
本発明の第4の態様のプローブカードによれば、接触子が湾曲変形してその頂部がパッド電極に接触したときに接触子とパッド電極とが導通するので、接触子に適切な荷重をかけてウェハテストを行なったか否かを導通検査とあわせて検査することができる。
また、前述した目的を達成するため、本発明のプローブカードの製造方法は、その第1の態様として、逃げ穴を有するドーナツ形状の第1の緩衝部材を弾性材料を用いて配線板の表面に形成する第1の緩衝部材形成工程と、第1の緩衝部材の逃げ穴にレジスト材を充填してレジスト蓋を形成するレジスト蓋形成工程と、レジスト蓋の形成後に配線板、第1の緩衝部材およびレジスト蓋の表面にドーム形状のシード膜を形成するシード膜形成工程と、ドーム形状のシード膜の頂部からその裾部に向かってシード膜の表面から線状に隆起する筋形状に形成されているとともにシード膜の頂点を高さ方向に通過する仮想軸を対称軸として回転対称に配置された複数個のレジスト筋をレジスト材を用いて形成するレジスト筋形成工程と、レジスト筋の形成後、シード膜の表面にレジスト筋の厚さよりも薄いめっき膜を形成することにより、貫通溝を有するドーム形状の接触子をめっき形成する接触子形成工程と、接触子の形成後にレジスト筋を除去するレジスト筋除去工程と、レジスト筋の除去によって部分的に露出したシード膜を除去するシード膜部分除去工程と、シード膜の部分除去によってシード膜に形成された溝からレジスト蓋を除去するレジスト蓋除去工程とを備えることを特徴としている。
本発明の第1の態様のプローブカードの製造方法によれば、接触子がドーム形状に形成されているので、接触子に加わる力の印加方向がいずれの方向であっても規則的な弾性変形を生じる接触子を形成することができる。また、接触子の内部に第1の緩衝部材が形成されるので、湾曲変形した接触子の裾部が第1の緩衝部材を押圧した際に第1の緩衝部材の弾性力を利用して段階的に弾性力が強まる接触子を形成することができる。さらに、接触子には貫通溝が設けられているので、接触子の形成後にその内部に形成されたレジスト蓋を除去することができる。そして、接触子には貫通溝が回転対称配置されているので、接触子おける弾性力の対称性を崩すことなく、貫通溝の幅、長さまたは個数に応じて接触子の弾性力を調整することができる。
本発明の第2の態様のプローブカードの製造方法は、第1の態様のプローブカードの製造方法において、レジスト筋および接触子の貫通溝は、シード膜または接触子の頂部を中心にして渦巻状に形成されていることを特徴としている。
本発明の第2の態様のプローブカードの製造方法によれば、接触子の頂部から裾部までの距離が長くなるので、疲労による接触子の永久変形が生じにくいプローブカードを形成することができる。
本発明の第3の態様のプローブカードの製造方法は、第1または第2の態様のプローブカードの製造方法において、第1の緩衝部材形成工程よりも前に、第1の緩衝部材の逃げ穴の形成予定領域に、逃げ穴よりも大きく第1の緩衝部材よりも小さな幅を有する点状突起形状の第2の緩衝部材を弾性材料を用いて形成する第2の緩衝部材形成工程を備えていることを特徴としている。
本発明の第3の態様のプローブカードの製造方法によれば、湾曲変形した接触子の頂部が第2の緩衝部材を押圧した際に第2の緩衝部材の弾性力を利用して段階的に弾性力が強まる接触子を形成することができる。
本発明の第4の態様のプローブカードの製造方法は、第1または第2の態様のプローブカードの製造方法において、第1の緩衝部材は、配線板に形成されたパッド電極が第1の緩衝部材の逃げ穴から露出する位置に形成されていることを特徴としている。
本発明の第4の態様のプローブカードの製造方法によれば、接触子が湾曲変形してその頂部がパッド電極に接触したときに接触子とパッド電極とが導通する構造になっているので、接触子に適切な荷重をかけてウェハテストを行なったか否かを導通検査とあわせて検査することができるプローブカードを形成することができる。
本発明のプローブカードおよびその製造方法によれば、接触子がドーム形状に形成されていたり、接触子に貫通溝を有していたり、接触子の内部に第1の緩衝部材または第2の緩衝部材を有していたりするので、外力の印加方向の方向性に依存せずに接触子が大きな弾性力を発揮し、かつ、それを簡易な構造によって実現することができるという効果を奏するとともに、そのようなプローブカードを製造することができるという効果を奏する。また、本発明のプローブカードによれば、配線板のパッド電極を湾曲変形した接触子の頂部と接触する位置に配置しているので、接触子に圧力センサの機能を付加させることができるという効果を奏するとともに、接触子に圧力センサの機能を付加させたプローブカードを製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明のプローブカードおよびその製造方法をその一実施形態により説明する。
はじめに、本実施形態のプローブカード1を説明する。
図1は本実施形態のプローブカード1を示す斜視図であり、図2は本実施形態のプローブカード1を示す縦断面図であり、図3は本実施形態の接触子3および第1の緩衝部材4を示す平面図である。本実施形態のプローブカード1は、図1および図2に示すように、配線板2、接触子3および第1の緩衝部材4を備えている。
配線板2としては、図1に示すように、従来からプローブカードの配線板として用いられているものを使用する。この配線板2には、図2に示すように、接触子3に接続する配線パターン2rが形成されている。
接触子3は、図1から図3に示すように、Ni−P系合金、Ni−P−Cu系合金、Ni−P−Cu−Ti系合金、Ni−Co系合金などのNi系合金を用いて、膜厚1μm〜30μm程度の円形ドーム形状に形成されている。接触子3の外径としては、例えば130μm〜150μmに設定する。接触子3の導電性を向上させたい場合、接触子3の表面にAuなどの良導電性金属を導電層として形成しても良い。
また、この接触子3には、その頂部3tから裾部3rにかけて、4個の貫通溝3hが形成されている。これら4個の貫通溝3hは、図2および図3に示すように、90度間隔で配置されることにより、その頂点3cを高さ方向に通過する仮想軸Lを対称軸として回転対称に配置されている。
これら4個の貫通溝3hの形状としては、種々のパターンを採用することができる。たとえば、図1および図3に示すような直線形状でもよいし、図4および図5に示すような接触子3の頂部3tを中心にして渦巻状に形成されていてもよい。また、これら4個の貫通溝3hを前述した渦巻状に形成する場合、貫通溝3hによって分割された接触子3の4個のばね片7は、図4に示すように、頂部3tから裾部3rに向かって末広形状に形成されていても良いし、図5に示すように、同一幅形状に形成されていても良い。貫通溝3hの幅寸法としては、例えば最小10μm〜20μmに設定する。
第1の緩衝部材4は、図1から図3に示すように、円形ドーナツ形状に形成されており、接触子3の内部において接触子3の裾部3rと配線板2との間に介在させている。この第1の緩衝部材4は、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、発泡ウレタン、ポリイミドなどの弾性材料を用いて形成されている。また、この第1の緩衝部材4は、図2に示すように、接触子3の頂部3tの下方に逃げ穴4hを有している。この逃げ穴4hは、接触子3の押圧動作により接触子3の頂部3tが下方に湾曲変形した際、その頂部3tが第1の緩衝部材4に当接することを回避する位置および大きさに形成されている。この逃げ穴4hの内径としては、例えば100μm〜110μmに設定する。
図6は、本実施形態のプローブカード1に第2の緩衝部材5を任意に備えた状態を示す縦断面図である。本実施形態のプローブカード1は、図6に示すように、円形の点状突起形状に形成された第2の緩衝部材5を備えていることが好ましい。この第2の緩衝部材5は、第1の緩衝部材4の逃げ穴4h周辺と配線板2との間に介在し、かつ、第1の緩衝部材4の逃げ穴4hから露出している。また、この第2の緩衝部材5は、接触子3の押圧動作により下方に湾曲変形した接触子3の頂部3tと当接する程度の高さを有するように形成されていることが好ましい。
また、図7は、本実施形態の接触子3の内部にパッド電極2pを任意に備えた状態を示す縦断面図である。本実施形態のプローブカード1においては、図6に示した第2の緩衝部材5が設けられていない場合、図7に示すように、配線板2に形成されるパッド電極2pが接触子3の内部に設けられていることが好ましい。このパッド電極2pは、第1の緩衝部材4の逃げ穴4h周辺と配線板2との間に介在し、かつ、第1の緩衝部材4の逃げ穴4hから露出する位置に設けられている。また、このパッド電極2pは、第1の緩衝部材4の厚さを調整することにより、接触子3の押圧動作により下方に湾曲変形した接触子3の頂部3tと当接するように配置されている。パッド電極2pは配線パターン2rの一種である。そのため、パッド電極2pは、Cuなどの配線パターン2rに用いられる材料を用いて形成されている。
図8は、本実施形態の接触子3の内部にパッド電極2pを任意に備え、かつ、接触子3の裾部3rに配線パターン2rを設けた状態を示す縦断面図である。本実施形態の接触子3の内部にパッド電極2pを配設する場合、図7に示すように、接触子3の内部にパッド電極2pを設け、接触子3の裾部3rに配線パターン2rを設けなくても良いし、図8に示すように、接触子3の内部にパッド電極2pを設け、かつ、接触子3の裾部3rにも配線パターン2rを設けても良い。
次に、本実施形態のプローブカード1の製造方法を説明する。
図9は、本実施形態のプローブカード1の製造方法をA〜Hの順に示す縦断面図である。本実施形態のプローブカード1は、図9A〜Hの順に示すように、第1の緩衝部材形成工程、レジスト蓋形成工程、シード膜形成工程、レジスト筋形成工程、接触子形成工程、レジスト筋除去工程、シード膜部分除去工程およびレジスト蓋除去工程を経て、製造される。
第1の緩衝部材形成工程においては、図9Aに示すように、配線板2の表面に弾性材料をドーナツ形状に形成することにより、逃げ穴4hを有する第1の緩衝部材4を配線板2の表面に形成する。具体的な形成方法としては、感光性材料を用いて露光、現像、熱処理を行い形成する方法や、非感光材料を用いて印刷、熱処理により形成する方法などが挙げられる。弾性材料としては、前述の通り、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、発泡ウレタン、ポリイミドなどを用いる。
レジスト蓋形成工程においては、図9Bに示すように、第1の緩衝部材4の逃げ穴4hにレジスト材を充填してレジスト蓋10を形成する。レジスト蓋10の厚さが厚くなるほど接触子3の高さが高くなるので、所望する接触子3の高さに応じてレジスト蓋10の厚さを設定する。
シード膜形成工程においては、図9Cに示すように、レジスト蓋10の形成後に、配線板2、第1の緩衝部材4およびレジスト蓋10の表面に、ドーム形状のシード膜11を形成する。シード膜11の材質はCu−TiなどのCu系合金であり、スパッタにより0.3μm程度の厚さにシード膜11を均一に形成する。
レジスト筋形成工程においては、図9Dおよび図10に示すように、レジスト材を用いてシード膜11の表面に4個のレジスト筋12を形成する。レジスト筋12は、ドーム形状のシード膜11の頂部11tからその裾部11rに向かって、シード膜11の表面から線状に隆起する筋形状に形成されている。また、これら4個のレジスト筋12は、図9および図10に示すように、ドーム形状のシード膜11の11cを高さ方向に通過する仮想軸Lを対称軸として回転対称に配置されている。
これら4個のレジスト筋12の形状としては、種々のパターンを採用することができる。たとえば、直線形状でもよいし、ドーム形状のシード膜11の頂部11tを中心にして渦巻状に形成されていてもよい。また、これら4個のレジスト筋12を前述した渦巻状に形成する場合、レジスト筋12は、ドーム形状のシード膜11の頂部11tから裾部11rに向かって末広形状に形成されていても良いし、同一幅形状に形成されていても良い。レジスト筋12の幅寸法としては、例えば最小10μm〜20μmに設定するとよい。
接触子形成工程においては、図9Eに示すように、レジスト筋12の形成後、シード膜11の表面に接触子3をめっき形成する。シード膜11がドーム形状なので、めっき形成される接触子3の形状もドーム形状になる。めっき材は、Ni−P系合金、Ni−P−Cu系合金、Ni−P−Cu−Ti系合金、Ni−Co系合金などのNi系合金を選択する。また、接触子3の膜厚は、レジスト筋12の厚さよりも薄く形成する。前述した4個のレジスト筋12が渦巻状に形成された場合、接触子3の貫通溝3hは、接触子3の頂部3tを中心にして渦巻状に形成される。
レジスト筋除去工程においては、図9Fに示すように、接触子3の形成後にレジスト筋12を除去する。レジスト筋12の除去剤としては、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)が選択されている。
シード膜部分除去工程においては、図9Gに示すように、レジスト筋12の除去によって部分的に露出したシード膜11を除去する。このシード膜11は、イオンミリングにより行なう。
レジスト蓋除去工程においては、図9Hに示すように、シード膜11の部分除去によってシード膜11に形成された溝からレジスト蓋10を除去する。レジスト蓋10の除去剤としては、前述と同様、NMPが選択されている。
なお、本実施形態のプローブカード1に図6に示した第2の緩衝部材5を設ける場合、図9Aに示した第1の緩衝部材形成工程よりも前に、第2の緩衝部材形成工程を備えていることが好ましい。第2の緩衝部材形成工程においては、図11に示すように、前述と同様の弾性材料を用いて、第1の緩衝部材4の逃げ穴4hの形成予定領域に第2の緩衝部材5を点状突起形状に形成する。第2の緩衝部材5の外径は、逃げ穴4hよりも大きく、かつ、第1の緩衝部材4よりも小さく設定されている。そして、第2の緩衝部材5の形成後、図12に示すように、第1の緩衝部材4の逃げ穴4hから第2の緩衝部材5が露出するように第1の緩衝部材形成工程を行なう。
また、本実施形態の接触子3の内部に図7または図8に示したパッド電極2pを設ける場合、第1の緩衝部材4は、図13に示すように、配線板2に形成されたパッド電極2pが第1の緩衝部材4の逃げ穴4hから露出するように形成されている。
次に、本実施形態のプローブカード1の作用を説明する。
本実施形態のプローブカード1においては、図1から図3に示すように、ドーム形状の接触子3が設けられている。そのため、テストウェハ20の電極21(図14参照)から印加された力が垂直方向だけでなく水平方向にも加わった場合においても、規則的な弾性変形を生じさせることができる。
このドーム形状の接触子3には回転対称配置された貫通溝3hが設けられている。複数個の貫通溝3hを形成することにより、貫通溝3hの幅、長さまたは個数に応じて接触子3の弾性力を調整することができる。また、複数個の貫通溝3hを回転対称配置させたことにより、接触子3おける弾性力の対称性を崩すことなく弾性力を発揮させることができる。
また、ドーム形状の接触子3に貫通溝3hを設けることにより、ドーム形状の接触子3は複数個のばね片7に分割され、それぞれのばね片7の両側に稜線7eが形成される。これら稜線7eは、テストウェハ20の電極21の表面に形成された酸化膜(図示せず)を線状に切削するので、テストウェハ20の電極21と接触子3とを確実に導通させることができる。
さらに、図4または図5に示すように、複数個の貫通溝3hが渦巻状に形成されていると、接触子3の頂部3tから裾部3rまでの距離が長くなるので、疲労による接触子3の永久変形を生じにくくさせることができる。また、複数個の貫通溝3hが渦巻状に形成されていると、それぞれのばね片7の両側に形成される稜線7eも渦巻状に湾曲して形成される。稜線7eが湾曲形成されると、湾曲形成された稜線7eが自動車のワイパーのごとく酸化膜を面切削するので、酸化膜を切削効率を向上させることができる。さらに、貫通溝3hの幅を変更することにより、ばね片7の幅は図4に示すような末広形状または図5に示すような同一幅形状に形成されるので、ばね片7の弾性力を自由に変更することができる。
図14は、本実施形態のプローブカード1にテストウェハ20を押圧した状態を示している。本実施形態のプローブカード1においては、図2および図3に示すように、接触子3の内部に第1の緩衝部材4が設けられている。テストウェハ20の電極21が本実施形態のプローブカード1の接触子3を押圧すると、図14に示すように、接触子3の頂部3tが内側に丸まりながら第1の緩衝部材4の逃げ穴4hに収納されるように湾曲変形する。接触子3の湾曲変形の初期段階においては接触子3が単独で弾性力を発揮し、接触子3をさらに押圧すると湾曲変形した接触子3の裾部3rが第1の緩衝部材4を押圧する。このとき、接触子3は、接触子3の弾性力だけでなく、第1の緩衝部材4の弾性力も利用して接触子3の弾性力とすることができる。つまり、接触子3の裾部3rが第1の緩衝部材4を押圧した際に第1の緩衝部材4の弾性力を利用して接触子3の弾性力を段階的に強めることができる。
図15は、本実施形態のプローブカード1に第2の緩衝部材5を設けてテストウェハ20を押圧した状態を示している。第2の緩衝部材5は、図6に示すように、第1の緩衝部材4の逃げ穴4hから露出し、かつ、接触子3の押圧動作により下方に湾曲変形した接触子3の頂部3tと当接するように形成されている。前述の通り、接触子3の湾曲変形の初期段階においては接触子3が単独で弾性力を発揮し、接触子3の裾部3rが第1の緩衝部材4を押圧した際には接触子3の弾性力に第1の緩衝部材4の弾性力が加わる。さらに、図15に示すように、湾曲変形した接触子3の頂部3tが第2の緩衝部材5を押圧すると、第1の緩衝部材4の弾性力だけでなく、第2の緩衝部材5の弾性力も接触子3に加わる。このように、第1の緩衝部材4および第2の緩衝部材5の弾性力を利用して、接触子3の弾性力を段階的に強めることができる。
図16は、本実施形態のプローブカード1にパッド電極2pを設けてテストウェハ20を押圧した状態を示している。本実施形態の接触子3の内部に図7または図8に示すようなパッド電極2pを設けた場合、図16に示すように、接触子3が押圧されると、下方に湾曲変形した接触子3の頂部3tがパッド電極2pと当接する。つまり、テストウェハ20が接触子3を適切に押圧し、接触子3が湾曲変形してその頂部3tがパッド電極2pに接触したときに、接触子3とパッド電極2pとを導通させることができる。
前述の導通現象については、2つの利用法が考えられる。第1の利用法としては、図7に示すように、パッド電極2p以外に接触子3に配線板2の配線パターン2rが接触していない場合、テストウェハ20が接触子3を適切に押圧したときのみ、テストウェハ20の電極21が接触子3を介してパッド電極2pに導通する。言い換えると、テストウェハ20が接触子3を適切に押圧しないときには、テストウェハ20の電極21が接触子3を介してパッド電極2pに導通することができない。
第2の利用法としては、図8に示すように、接触子3に配線板2の配線パターン2rを接触させた場合、テストウェハ20が接触子3を適切に押圧しなくとも、テストウェハ20の電極21が接触子3を介して配線パターン2rに導通する。そして、図16に示すように、テストウェハ20が接触子3を適切に押圧したとき、テストウェハ20の電極21が接触子3を介して配線パターン2rだけでなくパッド電極2pにも導通する。つまり、テストウェハ20の電極21が接触子3に接触したときと接触子3を適切に押圧したときの2段階を検査することができるので、テストウェハ20の電極21と接触子3との導通を確保しつつ、テストウェハ20が接触子3を適切に押圧したか否かも検査することができる。
前述した2つの利用法については、いずれの利用法においても、接触子3が湾曲変形してその頂部3tがパッド電極2pに接触したときに接触子3とパッド電極2pとが導通するので、接触子3に適切な荷重をかけてウェハテストを行なったか否かを導通検査とあわせて検査することができる。
次に、本実施形態のプローブカード1の製造方法の作用を説明する。
本実施形態のプローブカード1の製造方法においては、図9Aに示すように、逃げ穴4hを有するドーナツ形状の第1の緩衝部材4が配線板2の表面に形成されており、図9Bに示すように、第1の緩衝部材4の逃げ穴4hにレジスト蓋10が設けられている。これら第1の緩衝部材4およびレジスト蓋10を型とすることにより、それらの表面にドーム形状の接触子3を形成することができる。また、図9Dおよび図10に示すように、接触子3の形成前には複数個のレジスト筋12が設けられているので、接触子3に複数の貫通溝3hを形成することができる。また、図9Gに示すように、接触子3に複数の貫通溝3hが設けられているので、接触子3の形成後にレジスト蓋10を除去することができるとともに、残った第1の緩衝部材4をそのまま利用することができる。
また、レジスト筋12は、シード膜11の頂部11tを中心にして渦巻状に形成されている。そのため、接触子3の貫通溝3hを渦巻状に形成することができる。接触子3の貫通溝3hが渦巻状に形成されると、接触子3の頂部3tから裾部3rまでの距離が長くなるので、疲労による接触子3の永久変形が生じにくいプローブカード1を形成することができる。
第2の緩衝部材5を形成する場合、図11および図12に示すように、第1の緩衝部材4の形成前に第1の緩衝部材4の逃げ穴4hの形成予定領域に第2の緩衝部材5を形成しておく。第2の緩衝部材5の厚さは接触子3の弾性力を考慮して決定する。これにより、湾曲変形した接触子3の頂部3tを第2の緩衝部材5に当接させることができる。
それに対し、接触子3の内部にパッド電極2pを形成する場合、図13に示すように、パッド電極2pが第1の緩衝部材4の逃げ穴4hから露出する位置に第1の緩衝部材4を形成する。これにより、接触子3の頂部3tが湾曲変形した際にパッド電極2pに接触させることができるので、接触子3に適切な荷重をかけてウェハテストを行なったか否かを導通検査とあわせて検査することができるプローブカード1を形成することができる。
すなわち、本実施形態のプローブカード1およびその製造方法によれば、接触子3がドーム形状に形成されていたり、接触子3に貫通溝3hを有していたり、接触子3の内部に第1の緩衝部材4または第2の緩衝部材5を有していたりするので、外力の印加方向の方向性に依存せずに接触子3が大きな弾性力を発揮し、かつ、それを簡易な構造によって実現することができるという効果を奏するとともに、そのようなプローブカード1を製造することができるという効果を奏する。また、本実施形態のプローブカード1によれば、配線板2のパッド電極2pを湾曲変形した接触子3の頂部3tと接触する位置に配置しているので、接触子3に圧力センサの機能を付加させることができるという効果を奏するとともに、接触子3に圧力センサの機能を付加させたプローブカード1を製造することができるという効果を奏する。
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態の接触子3は円形ドーム形状に形成されているが、他の実施形態においては、接触子3は楕円形ドーム形状であってもよいし、八角錐などの多角錐の頂部3tを丸めたドーム形状であってもよい。多角錐の頂部3tを丸めたドーム形状に接触子3を形成する場合、その多角錐の角数は多いほど好ましい。
1 プローブカード
2 配線板
2p パッド電極
3 接触子
3c 頂点
3h 貫通溝
3r 裾部
3t 頂部
4 第1の緩衝部材
4h 逃げ穴
5 第2の緩衝部材
2 配線板
2p パッド電極
3 接触子
3c 頂点
3h 貫通溝
3r 裾部
3t 頂部
4 第1の緩衝部材
4h 逃げ穴
5 第2の緩衝部材
Claims (8)
- 配線板と、
ドーム形状に形成されているとともに、その頂部から裾部にかけて形成された複数個の貫通溝がその頂点を高さ方向に通過する仮想軸を対称軸として回転対称に配置されている接触子と、
前記接触子の内部において前記接触子の裾部と前記配線板との間に介在しており、前記接触子の押圧動作により下方に湾曲変形した前記接触子の頂部が当接することを回避するための逃げ穴を前記接触子の頂部の下方に有するドーナツ形状に形成されている第1の緩衝部材と
を備えていることを特徴とするプローブカード。 - 前記複数個の貫通溝は、前記接触子の頂部を中心にして渦巻状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。 - 前記第1の緩衝部材の逃げ穴周辺と前記配線板との間に介在し、かつ、前記第1の緩衝部材の逃げ穴から露出しているとともに、前記接触子の押圧動作により下方に湾曲変形した前記接触子の頂部と当接するように形成されている第2の緩衝部材を備えている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプローブカード。 - 前記配線板に形成されるパッド電極は、前記第1の緩衝部材の逃げ穴周辺と前記配線板との間に介在し、かつ、前記第1の緩衝部材の逃げ穴から露出しているとともに、前記接触子の押圧動作により下方に湾曲変形した前記接触子の頂部と当接するように配置されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプローブカード。 - 逃げ穴を有するドーナツ形状の第1の緩衝部材を弾性材料を用いて配線板の表面に形成する第1の緩衝部材形成工程と、
前記第1の緩衝部材の逃げ穴にレジスト材を充填してレジスト蓋を形成するレジスト蓋形成工程と、
前記レジスト蓋の形成後に前記配線板、前記第1の緩衝部材および前記レジスト蓋の表面にドーム形状のシード膜を形成するシード膜形成工程と、
ドーム形状の前記シード膜の頂部からその裾部に向かって前記シード膜の表面から線状に隆起する筋形状に形成されているとともに前記シード膜の頂点を高さ方向に通過する仮想軸を対称軸として回転対称に配置された複数個のレジスト筋をレジスト材を用いて形成するレジスト筋形成工程と、
前記レジスト筋の形成後、前記シード膜の表面に前記レジスト筋の厚さよりも薄いめっき膜を形成することにより、貫通溝を有するドーム形状の接触子をめっき形成する接触子形成工程と、
前記接触子の形成後に前記レジスト筋を除去するレジスト筋除去工程と、
前記レジスト筋の除去によって部分的に露出したシード膜を除去するシード膜部分除去工程と、
前記シード膜の部分除去によって前記シード膜に形成された溝から前記レジスト蓋を除去するレジスト蓋除去工程と
を備えることを特徴とするプローブカードの製造方法。 - 前記レジスト筋および前記接触子の貫通溝は、前記シード膜または前記接触子の頂部を中心にして渦巻状に形成されている
ことを特徴とする請求項5に記載のプローブカードの製造方法。 - 前記第1の緩衝部材形成工程よりも前に、前記第1の緩衝部材の逃げ穴の形成予定領域に、前記逃げ穴よりも大きく前記第1の緩衝部材よりも小さな幅を有する点状突起形状の第2の緩衝部材を弾性材料を用いて形成する第2の緩衝部材形成工程を備えている
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のプローブカードの製造方法。 - 前記第1の緩衝部材は、前記配線板に形成されたパッド電極が前記第1の緩衝部材の逃げ穴から露出する位置に形成されている
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のプローブカードの製造方法。
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JP2008306513A JP2010127901A (ja) | 2008-12-01 | 2008-12-01 | プローブカードおよびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP7450574B2 (ja) | 2021-03-17 | 2024-03-15 | 三菱電機株式会社 | コンタクトプローブおよび電気的特性測定方法 |
-
2008
- 2008-12-01 JP JP2008306513A patent/JP2010127901A/ja not_active Withdrawn
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