JP2010127411A - 継手用インナーコア - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で確実に樹脂製管体を接続することができ、地震時の地盤変位などによって接続部が離脱することをより確実に防止することができる継手用インナーコアを提供する。
【解決手段】管体端部に形成した受口の内周面を外周側が凸となる円弧面に形成するとともに、樹脂製管体端部の挿口の内周に金属製のインナーコアを配置して前記受口内に挿入した状態で前記インナーコアを拡径変形させることにより挿口を拡径変形させ、拡径変形した挿口外周面と受口内周面とを環状シール材を介して圧接させて両管体を接続する継手に用いるインナーコアであって、前記インナーコア17の外周面には、前記挿口の内周面に圧着する突起部(環状突起17a)が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】管体端部に形成した受口の内周面を外周側が凸となる円弧面に形成するとともに、樹脂製管体端部の挿口の内周に金属製のインナーコアを配置して前記受口内に挿入した状態で前記インナーコアを拡径変形させることにより挿口を拡径変形させ、拡径変形した挿口外周面と受口内周面とを環状シール材を介して圧接させて両管体を接続する継手に用いるインナーコアであって、前記インナーコア17の外周面には、前記挿口の内周面に圧着する突起部(環状突起17a)が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、継手用インナーコアに関し、詳しくは、金属製管体の受口に樹脂製管体の挿口(挿口)を挿入して接続する継手に用いるインナーコアに関する。
比較的柔軟な樹脂管を接続する際の継手構造としては、受口に挿入した樹脂管の端部(挿口)を管内外から押圧することによって抜け止めするとともにシールする構造が採用されており、樹脂管の内周にインナーコアを嵌合させた状態で接続相手の受口内に挿入し、受口を外周側から押圧して内側に変形させる構造が一般的である。しかし、接続相手が鋳物やコンクリート製の受口の場合は、受口を変形させることができないため、挿口の内周に拡径部材を配置した状態で受口に挿入した後、拡径部材を拡径させることによって挿口外周面を受口内周面に圧着させるようにしている。
一方、管体としてポリエチレン管を使用した水道管路では、ポリエチレン管同士の接続には、スパナのような工具を必要としない電気融着継手が多く用いられているため、鋳物製のバルブを管路中に設置する際には、バルブ両端の受口にポリエチレン管をあらかじめ接続しておくことが行われており、受口とポリエチレン管との接続には、地震時の地盤変位などによって接続部が離脱しないような継手構造を採用している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−61549号公報
しかし、特許文献1に記載された継手構造は、部品点数が多く、複雑な構造のため、製造コストが掛かっていた。
そこで本発明は、簡単な構造で確実に樹脂製管体を接続することができ、地震時の地盤変位などによって接続部が離脱することをより確実に防止することができる継手用インナーコアを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の継手用インナーコアは、管体端部に形成した受口の内周面を外周側が凸となる円弧面に形成するとともに、樹脂製管体端部の挿口の内周に金属製のインナーコアを配置して前記受口内に挿入した状態で、前記インナーコアを拡径変形させることにより挿口を拡径変形させ、拡径変形した挿口外周面と受口内周面とを環状シール材を介して圧接させて両管体を接続する継手に用いるインナーコアであって、前記インナーコアの外周面に前記挿口の内周面に圧着する突起部を設けたことを特徴としている。
また、前記継手用インナーコアにおける前記突起部が前記インナーコアの周方向に環状に設けられていること、あるいは、前記突起部が前記インナーコアの周壁を外側に切り起こして形成された突起であることを特徴としている。
本発明の継手用インナーコアによれば、金属製のインナーコアが拡径変形して挿口を受口内周面の円弧面に対応した形状に拡径変形させる際に、インナーコアの外周面に設けた突起部が挿口の内周面に食い込むようにして圧着するので、樹脂製管体に抜け方向の力が作用しても受口から挿口が離脱することを防止できる。
図1は本発明の継手用インナーコアの第1形態例を示す断面図、図2は本発明の継手用インナーコアを用いた継手構造を採用した仕切弁の一形態例を示す一部断面正面図、図3はインナーコアを拡径変形させている状態を示す断面図、図4はインナーコアの第2形態例を示す断面図、図5は第2形態例のインナーコアを拡径変形させている状態を示す断面図、図6はインナーコアの第3形態例を示す要部断面図、図7はインナーコアの第4形態例を示す要部断面図である。
仕切弁11は、弁体12を収納した鋳物製弁箱13の両側に樹脂製管体を接続するための受口14をそれぞれ設けたもので、受口14の内周面は、軸線方向中央部が外周側に向かって凸となった樽状の円弧面14aに形成されている。受口14の開口部14b及び弁箱13の管体部13a側の端部である最奥部14cは、管体部13aの内径より大径で、接続する合成樹脂製管体、例えばポリエチレン管15の外径に対応した内径に形成されている。さらに、円弧面14aの中央部には、シール材装着溝14dが周設されており、該シール材装着溝14dに環状シール材16が装着されている。また、円弧面14aの開口部14b側には、ポリエチレン管15を接続したときに、ポリエチレン管15の外周面に食い込んでポリエチレン管15が受口14から離脱することを防止するための複数の係止突起14eが設けられている。
ポリエチレン管15は、一端に前記受口14に挿入されて接続される挿口15aを有し、他端が周知の各種継手構造や電気融着継手によって給水系統を構成するポリエチレン管に接続される接続部を有するもので、全長は、口径によっても異なるが、数十cmから1m程度である。前記挿口15aの内部には、金属製のインナーコア17が配置されている。
このインナーコア17は、金属製短管の周方向に複数の環状突起17aを設けたものであって、環状突起17aの頂点部分の外径は、ポリエチレン管15の内径に応じた寸法に設定され、管体部分17bからの突出量は、数mm〜1cm程度である。
仕切弁11とポリエチレン管15との接続は、まず、仕切弁11の受口14内に前記環状シール材16を装着するとともに、ポリエチレン管15の挿口15aの内周にインナーコア17を挿入して所定位置に配置した状態で、挿口15aの先端が受口14の最奥部14cに当接するまで挿口15aを受口14内に挿入する。
次に、ポリエチレン管15の他端開口からポリエチレン管15内にインナーコア17を拡径変形させるための拡径治具18を挿入する。この拡径治具18は、管状部材19の内部に軸部材20を軸方向に移動可能に挿入したものであって、管状部材19の先端フランジ部19aと軸部材20の先端フランジ部20aとの間に押圧部材21が配置されている。押圧部材21は、両フランジ部19a,20aが離間した状態ではインナーコア17の内径より小さな外径で、両フランジ部19a,20aを接近させたときに、両フランジ部19a,20aによって両側から押圧されることで軸線方向中央部が外周方向に膨らむように変形し、インナーコア17を拡径変形させるように形成されている。
拡径治具18の両フランジ部19a,20aを離間させて押圧部材21の外径が小さくなっている状態で、押圧部材21をポリエチレン管15内に挿入し、押圧部材21をインナーコア17の内周の所定位置に配置する。次いで、両フランジ部19a,20aが近接するように管状部材19と軸部材20とを軸方向に相対的に移動させることにより、押圧部材21の軸線方向中央部を外周方向に膨らませ、膨らんだ状態の押圧部材21の外周面でインナーコア17の軸線方向中央部の内周面を外周方向に押圧し、インナーコア17を樽状に拡径変形させる。
このようにしてインナーコア17が樽状に拡径変形することにより、インナーコア17の拡径変形に伴って挿口15aも拡径変形し、インナーコア17の外周面と受口14の内周面との間に挿口15aが挟まれた状態になるとともに、インナーコア17の管体部分17bから外周方向に突出させた突起部である環状突起17aが挿口15aの内周面に食い込むようにして圧着する。また、挿口15aの外周面は、軸線方向中央部が前記環状シール材16に圧接するとともに、挿口15aの受口開口側外周面には、前記係止突起14eが食い込むようにして圧着し、挿口15aと受口14とが環状シール材16によりシールされて強固に接続した状態になる。接続作業終了後は、両フランジ部19a,20aを離間させて押圧部材21を縮径させ、拡径治具18をポリエチレン管15内から抜き取る。
仕切弁11のメーカーにて弁箱13の両側の受口14にポリエチレン管15をそれぞれ接続した状態としてから出荷することにより、配管工事現場では、スパナ等の工具を使用せずに、ポリエチレン管同士の接続と同様にして仕切弁11を水道管路中に設置することができる。水道管路中に設置した状態で、地震時の地盤変位などによって仕切弁11とポリエチレン管5との間に離脱方向の力が作用しても、受口14内に挿入した挿口15aは、インナーコア17と共に樽状に拡径変形して受口14の円弧面14aに嵌合した状態になっており、さらに、挿口15aの外周側が前記係止突起14eによって抜け止めされるとともに、内周側が前記環状突起17aによって抜け止めされた状態になっているので、仕切弁11とポリエチレン管5との離脱を確実に防止することができる。また、インナーコア17に設ける突起部を周方向の環状突起17aとしたことにより、インナーコア17の強度を向上させることができ、より大きな抜け止め効果が得られる。
インナーコア17における突起部の形状は、前記環状突起17aに限らず、ポリエチレン管15の抜け止め効果が得られれば各種形状の突起部を用いることができる。例えば、図4及び図5に示すように、インナーコア17の管体部分17bの周壁に切り込みを入れて外側に三角形状に切り起こした突起部17cを多数設け、使用時に突起部17cの先端を挿口15aの先端側に向けることにより、ポリエチレン管15の抜け止めを図ることができる。また、図6に示すように、インナーコア17の管体部分17bの周壁に内周側から三角形に押出加工して突起部17dを多数設けるようにすることもできる。さらに、図7に示すように、インナーコア17の管体部分17b周壁に内周側から円孔17eを打ち抜き加工する際に、外側にバリが残るような打ち抜き加工を行うことにより、円孔17eの外側周囲に発生したバリを突起部17fとして使用することができる。また、これらを組み合わせることも可能であり、環状突起を螺旋状に形成することもできる。
なお、本発明のインナーコアは、ポリエチレン管のような比較的軟質な樹脂管とダクタイル鋳鉄管との接続、軟質樹脂管と硬質樹脂管との接続など、挿口がインナーコアの拡径変形に伴って変形可能な樹脂管と、受口が変形したり、破壊したりしない強度を有する各種管体との接続に適用することができる。また、環状シール材は、挿口外周に装着することも可能であり、複数の環状シール材を組み合わせることもできる。さらに、インナーコアを拡径させる手段は任意の構造のものを用いることができる。
11…仕切弁、12…弁体、13…弁箱、13a…管体部、14…受口、14a…円弧面、14b…開口部、14c…最奥部、14d…シール材装着溝、14e…係止突起、15…ポリエチレン管、15a…挿口、16…環状シール材、17…インナーコア、17a…環状突起、17b…管体部分、17c,17d,17f…突起部、17e…円孔、18…拡径治具、19…管状部材、19a…先端フランジ部、20…軸部材、20a…先端フランジ部、21…押圧部材
Claims (3)
- 管体端部に形成した受口の内周面を外周側が凸となる円弧面に形成するとともに、樹脂製管体端部の挿口の内周に金属製のインナーコアを配置して前記受口内に挿入した状態で、前記インナーコアを拡径変形させることにより挿口を拡径変形させ、拡径変形した挿口外周面と受口内周面とを環状シール材を介して圧接させて両管体を接続する継手に用いるインナーコアであって、前記インナーコアの外周面に前記挿口の内周面に圧着する突起部を設けたことを特徴とする継手用インナーコア。
- 前記突起部は、前記インナーコアの周方向に環状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の継手用インナーコア。
- 前記突起部は、前記インナーコアの周壁を外側に切り起こして形成された突起であることを特徴とする請求項1記載の継手用インナーコア。
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