JPH11201343A - 鋼管の拡管接合継手構造 - Google Patents

鋼管の拡管接合継手構造

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JPH11201343A
JPH11201343A JP10013148A JP1314898A JPH11201343A JP H11201343 A JPH11201343 A JP H11201343A JP 10013148 A JP10013148 A JP 10013148A JP 1314898 A JP1314898 A JP 1314898A JP H11201343 A JPH11201343 A JP H11201343A
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pipe
steel pipe
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sleeve
expanded
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JP10013148A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Hagamida
裕章 羽上田
Hayao Yanagimoto
速雄 柳本
Yoshitaka Yano
嘉孝 矢野
Katsuhiko Iguchi
勝彦 井口
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L21/00Joints with sleeve or socket

Abstract

(57)【要約】 【課題】 配管工事や組立現場において迅速に作業がで
き、かつ、必要な継ぎ手強度、止水性能、スライド機能
などの要求に適合可能な鋼管の継ぎ手構造を提供するこ
とを目的としたものである。 【解決手段】 軸方向に隣接する鋼管1,2の管端が突
き合わせられ、その突き合わせ部を跨いだ外側に該鋼管
1,2の外径よりわずかに大きい内径のスリーブ3が被
せられ、それぞれの鋼管1,2の管端部に管内に挿入し
た拡管装置により外側のスリーブ3とともに塑性変形し
て所定突出高h1に拡管された拡管部4を設けた拡管接
合継手構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス、上下水道等の
本管や保護管、地中電線保護管等の配管および鋼構造物
の部材に用いられる鋼管の迅速継手構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、配管工事や構造物の加工組立にお
いて、鋼管の接合構造は主として溶接継手、フランジ継
手、ネジ継手が用いられていた。
【0003】しかし、溶接継手の場合は溶接技能工を要
し、芯だし、仮付け、本溶接等、現場作業が煩雑で接合
作業に長時間要する。また、フランジ継手、メカニカル
継手の場合はあらかじめ鋼管の端部に継手材を取り付け
ておく必要があり、製品コストが高くなるとともに接合
部から漏水等のトラブルが生じやすい問題があった。さ
らに、ネジ継手は小径管に適用が限られる。
【0004】前記の他に、簡易な作業で能率を高めた接
合構造が各種提案されている。図12は特願平7−25
5716号で開示されている一例を示し、その構造は、
端部を隣接して配置した鋼管1,2の外側に継手部を覆
い両側の端部に内側に向けたフランジ21を設け、上部
に空気抜き孔22、下部に注入孔23を備え、かつ周方
向に分割可能とした筒状の外管24を、該鋼管1,2に
被せてフランジ21と外管24の間に膨張モルタル25
を充填した無溶接鋼管継手である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の接合継
手構造は、対向させた鋼管1,2の管端部の外側に分割
可能な筒状の外管24を配置し、継手空間に膨張モルタ
ル25を充填して、その膨張圧で鋼管1,2の端部を締
め付け拘束して継手強度を確保し止水材の配置で止水性
を確保する構造である。
【0006】従って、現場作業は簡易であるが、継手強
度を膨張モルタル25の膨張圧による鋼管1,2の締め
付け拘束に依存しているため、膨張モルタル25の施工
品質管理が重要となるとともにモルタルの強度発現に日
数を要する課題があり、継手強度があまり問題にならな
い配管に適用が限られる。
【0007】本発明は前記従来技術の課題を解消して、
配管工事や組立現場において迅速に作業ができ、かつ、
必要な継手強度、止水性能、スライド機能などの要求に
適合可能な鋼管の接合継手構造を提供することを目的と
したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では前記目的を達
成するため以下の手段とした。請求項1に記載の鋼管の
拡管接合継手構造は、軸方向に隣接する鋼管の管端が突
き合わせられ、その突き合わせ部を跨いだ外側に該鋼管
の外径よりわずかに大きい内径のスリーブが被せられ、
それぞれの鋼管の管端部に管内に、挿入した拡管装置に
より外側のスリーブとともに塑性変形して所定突出高に
拡管された拡管部を1または複数箇所設けたことを特徴
とする。
【0009】請求項2に記載の鋼管の拡管接合継手構造
は、軸方向に隣接する鋼管の一方の管端部を接合する鋼
管の外径よりわずかに大きく拡管してソケットを形成
し、該ソケット内に他方の管端部を挿入し、それぞれの
鋼管の管端部に、管内に挿入した拡管装置により外側の
ソケットとともに塑性変形して所定突出高に拡管された
拡管部を1または複数箇所設けたことを特徴とする。
【0010】また、請求項1,2に記載する構成の鋼管
の拡管接合継手構造において、以下の構成を付加して接
合継手の止水性能、接合強度性能の増大を図ることとし
た。すなわち、請求項3に記載の構成では、スリーブま
たはソケットにあらかじめ設けた止水用拡管部に、止水
材を充填する。
【0011】請求項4に記載の構成では、スリーブまた
はソケットの拡管部内周と鋼管の拡管部外周を除く隙間
に水膨張性止水剤を塗布しておく。請求項5に記載の構
成では、少なくとも拡管部の鋼管内に固化材が充填す
る。請求項6に記載の構成では、スリーブまたはソケッ
トの拡管部内周または鋼管の拡管部外周に摩擦力増強手
段を付与する。さらに、前記の拡管接合継手構造をスラ
イド可能とするため以下の構成とした。
【0012】すなわち、請求項7に記載の鋼管の拡管接
合継手構造は、軸方向に隣接する鋼管の管端が突き合わ
せられ、その突き合わせ部を跨いだ外側に該鋼管の外径
よりわずかに大きい内径のスリーブが被せられ、一方の
鋼管の管端部に、管内に挿入した拡管装置により外側の
スリーブとともに塑性変形して所定突出高に拡管された
拡管部を1または複数箇所設けてスリーブと該鋼管を固
定的に接合し、他方の鋼管の端部の外側に位置するスリ
ーブの一部に、軸方向と平行なスライド拡管部を所定長
さ形成し、端部は拡管しないで鋼管外周との隙間をシー
ルする止水パッキンを設け、該スリーブ内に挿入した他
方の鋼管の管端部に、拡管装置により該鋼管のみスライ
ド拡管部の内径より小径の拡管部を設け隣接する鋼管を
軸方向にスライド可能としたことを特徴とする。
【0013】請求項8に記載の鋼管の拡管接合継手構造
は、軸方向に隣接する鋼管の一方の管端部を接合する鋼
管の外径よりわずかに大きく拡管したソケットの一部
に、軸方向と平行なスライド拡管部を所定長さ形成し、
端部は拡管しないで鋼管外周との隙間をシールする止水
パッキンを設け、該ソケット内に挿入した他方の鋼管の
管端部に、拡管装置により該鋼管のみスライド拡管部の
内径より小径の拡管部を設け隣接する鋼管を軸方向にス
ライド可能としたことを特徴とする。
【0014】本発明は、軸方向に隣接する鋼管の溶接等
の煩雑な手段を用いることなく迅速、かつ簡単な作業に
よって、継手部の外側に被せたスリーブまたは一方の鋼
管の管端に形成したソケットに挿入して、鋼管内に挿入
した拡管装置によって鋼管とスリーブまたはソケットを
塑性化するまで拡管し、継手部に作用する軸方向力に対
して摩擦力と接触圧で抵抗させて接合するものである。
また、本発明は必要な継手強度、止水性能、スライド機
能などの要求に適合可能な鋼管の接合継手構造とするこ
とを可能としている。
【0015】すなわち、請求項1、請求項2に係る発明
では、拡管部の拡管量(塑性変形する突出高)および、
それぞれの鋼管の拡管部の箇所数によって継手強度の大
きさを設定可能としている。なお、拡管部の数を複数に
すると継手部に曲げモーメントが作用した際、高い曲げ
抵抗を発揮できる。また、請求項3、請求項4に係る発
明は、止水性能をさらに向上させる必要がある場合に選
択するものである。
【0016】また、請求項5、請求項6に係る発明は、
継手強度の大きさを増大させる必要がある場合に選択す
る。前記の請求項1乃至請求項6の発明に係る接合構造
は、継手を固定的に接合するものであるが、配管途中に
耐震対策、不等沈下対策、温度膨張・収縮吸収のためス
ライド可能な継手が要求される場合がある。請求項7、
請求項8に係る発明はこの要求に応えるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様について
図を参照して説明する。図1は、請求項1の発明に対応
するものとして,第1実施形態を示す図であって、同図
には、軸方向に隣接する鋼管1,2の管端が突き合わせ
られ、その突き合わせ部を跨いだ外側に該鋼管1,2の
外径よりわずかに大きい内径のスリーブ3が被せられ、
それぞれの鋼管1,2の管端部に管内に挿入した拡管装
置14(図9に示す)により外側のスリーブ3ととも
に、塑性変形して所定突出高h1に拡管された拡管部4
を設けた拡管接合継手構造が示されている。
【0018】スリーブ3はスムーズに嵌挿できれば内側
の鋼管1,2との隙間gができるだけ小さくした方が鋼
管1,2の拡幅量h1を減らせるが、あまり小さくする
と、鋼管の偏平、造管誤差等により施工現場での鋼管挿
入が難しくなる。従って、スリーブ3内径と鋼管1,2
外径の隙間gは、鋼管1,2半径の1%〜2%程度にす
るのがよい。また、スリーブ3の板厚はあまり薄いと拘
束力が弱まるため鋼管1,2と同等以上にする方が望ま
しい。
【0019】また、図8に示すように、鋼管拡管量h1
およびスリーブの拡管量h2は接合強度に大きな誤差が
あり、最低限スリーブ3を塑性化させることとし、でき
るだけ拡管量(突出高さ)を大きくしたほうがよい。し
かし、あまり大きくすると、拡管部4(内側拡管部4
a,外側拡管部4bとして示す)の板厚が減少してその
分強度が低下することと、変曲部に曲げ応力が生じてし
まうため留意する必要がある。従って、スリーブ3の拡
幅量h2は鋼管1,2半径の1%〜30%の突出高さ程
度にするのがよい。なお、鋼管の拡管量h1はスリーブ
3との隙間g分大きくなる。
【0020】拡管部4の拡管形状は図1に示すような円
弧状の他、台形、三角形状としてもよい。拡管部4はそ
れぞれの管端部に1箇所あればよいが、複数箇所にする
とその分軸方向の接合継手強度を高めることができると
ともに曲げ強度を高めることができるので、曲げモーメ
ントが作用する継手部に適用すると効果的である。
【0021】図2は請求項2の発明に対応するものとし
て、第2実施形態を示す図であって、軸方向に隣接する
鋼管1,2の一方の管端部をあらかじめ工場または現地
で接合する鋼管1,2の外径よりわずかに大きく拡管し
てソケット5を形成し、該ソケット5内に他方の管端部
を挿入し、管内に挿入した拡管装置14(図9に示す)
により外側のソケット5とともに塑性変形して内側と外
側の拡管部4a,4bを介して接合するものである。こ
の第2実施形態は第1実施形態におけるスリーブ3をソ
ケット5に置き換えたものであり、ソケット5の板厚、
形状、拡管部の構造等については前記スリーブ接合と同
様する。図3は拡管部4を複数箇所にした例である。
【0022】図4は請求項3の発明に対応するものとし
て、第3実施形態を示す図であって、第1実施形態の接
合継手構造に使用するスリーブ3にあらかじめ止水用拡
管部6を設けておき、継手接合後にこの拡管部6にパッ
キン7で端部をシールしたうえで止水材8を充填したも
のであって、止水性能を一段と向上させたものである。
止水材8としては高分子系止水材、セメントミルク、モ
ルタル、合成樹脂等を用いる。
【0023】なお、止水用拡管部6を設けないで、スリ
ーブ3またはソケット5と鋼管1,2の隙間gに水膨張
性止水材(但し、図示を省略する)を塗布しておいて止
水性能を向上させることもできる。これは請求項4の発
明に対応するものである。この場合、スリーブ3または
ソケット4と鋼管1,2が接触する接合部4は摩擦力を
確保するため塗布範囲から除く必要がある。
【0024】図5は、請求項5の発明に対応するものと
して、第4実施形態を示す図であって、第1実施形態の
接合継手構造における拡管部4の鋼管1,2内にコンク
リート、モルタル等の固化材9を充填したものである。
スリーブ3またはソケット5の板厚を鋼管1,2の板厚
以上にした場合、鋼管1,2とスリーブ3あるいはソケ
ット5の接触面に生じる半径方向の接触力に対するソケ
ット5あるいはスリーブ3の抵抗力が鋼管1,2の該力
を上回るので最大接合強度は鋼管1,2側の変形(縮
径)で決まる。この第4実施形態の構成にすれば鋼管
1,2の変形を内部に充填した固化材9で抑制して接合
強度を高めることができる。この第4実施形態は鋼管
1,2内を閉塞するため鋼構造物のブレース、鋼管杭等
の鋼管部材に適用される。なお、鋼管1,2内に充填す
る固化材9の充填範囲は拡管部4のみに限定しないで鋼
管1,2の内部全体にしてもよい。
【0025】図6aは、請求項6の発明に対応するもの
として第5実施形態を示す図であって、拡管部4のスリ
ーブ3またはソケット5の内周に複数の溝10を設けて
摩擦力を増大して接合強度を高めたものである。溝10
は母材の強度をあまり損なわないように深さは1〜2m
m程度と浅くし、端部を鋭利に形成する必要がある。摩
擦力を増大する手段としては溝の他、接合面全体の表面
祖度を大きくすることにしてもよい。
【0026】また、図6bに示すように拡管部4の接合
面に鋼管1,2またはスリーブ3(ソケット5)より硬
い金属、セラミック等の粒体11や粉体を塗布した摩擦
力増強手段にすると、拡管時および継手部に荷重が作用
した際この粒体11や粉体が鋼管1,2またはスリーブ
3(ソケット5)の表面に食い込むため極めて強固な摩
擦力(接合強度)を発揮できる。摩擦力増強手段は拡管
部4の鋼管外周に施してもよく、スリーブ3またはソケ
ット5の内周と鋼管外周の両面に施してもよい。請求項
7に係る発明は、請求項8に係る発明と類似するのでそ
の対応する実施形態を両者一括して説明する。
【0027】図7は請求項7およひ請求項8の発明に対
応するものとして、第6実施形態を示す図であって、ス
ライド可能な継手としたものである。第1又は第2実施
形態に示す鋼管1のソケット5又はスリーブ3の一部
に、軸方向と平行な円筒状のスライド拡管部12を所定
長さ形成してその内側を空間とし、端部は拡管しないで
鋼管2外周との隙間をシールする止水パッキン7を設け
て止水し、該ソケット5内に挿入した他方の鋼管2の管
端部に該鋼管2のみスライド拡管部12のソケット5内
径より小径の拡管部13を設けて鋼管2がソケット5内
のスライド拡管部12をスライド自在としたものであ
る。この接合構造は地震時または鋼管の温度膨張収縮な
どによって発生する鋼管の伸縮を吸収させる継手に適用
される。スライド範囲Lは所定の長さのスライド拡管部
12で定まりこれ以上は拡管していない部分で鋼管2の
抜け出しを防止している。
【0028】図7において、スリーブ3の場合、右側は
隣接する右側鋼管1に前記の請求項1(図1に示す)の
手段で固定されている。ソケット5の場合は、拡管され
ていない鋼管1本体である。
【0029】[実施例]以下本発明の実施例を説明す
る。本発明において、拡管作業はスリーブ3(ソケット
5)内に鋼管1,2を挿入配置し、鋼管1,2内に拡管
装置14を挿入して行う。図9、図10は本発明に使用
する拡管装置14の例で軸方向断面と拡管ブロック15
の断面を示す。
【0030】この拡管装置14は鋼管1,2内に挿入可
能な複動の油圧シリンダー16と、拡管機構部からな
り、拡管機構は外側を円弧状の当て座15aとし内側を
テーパー状15bにした複数(6個)拡管ブロック15
を伸縮可能なスプリングロープ17で保持し、内側のテ
ーパー15b面に受け座18の貫通孔18aを通して油
圧シリンダー16のピストンロッド16aに連結された
円錐楔19を配置してあり、該シリンダー16の作動に
よって連結された円錐楔19を軸方向に移動させ拡管ブ
ロック15を軸直角方向に拡管、縮径可能としたもので
ある。
【0031】拡管装置14はこの例の他に、当て座15
aを取付けた油圧シリンダー16を軸直角方向に、かつ
放射状に多数配置してシリンダー16の推進力で直接鋼
管の内面に押圧して拡管するものとしてもよい。なお、
鋼管のサイズが大きい場合は後者が有利となる場合があ
る。当て座15aの鋼管押当側は拡管形状に応じて円弧
状、台形状、三角形状に形成したものとする。
【0032】[実験例]以下、本発明の実施に際して鋼
管およびスリーブまたは、ソケットの板厚、拡管量は接
合強度に大きな影響を及ぼすため図1と図6に示す継手
構造にて実験した結果の例を説明する。
【0033】(1)供試体緒元 ・鋼管サイズ 外径114.3mm、板厚4.5mm
(SGP100A) ・スリーブ 内径116.3mm、板厚2mm〜9m
m4種類(STKM−13A) ・拡管形状 曲率半径57.5mmの円弧状。 (2)スリーブ板厚を変えた実験結果を表1に示す。
【表1】 (3)スリーブ拡幅量を変えた実験結果を表2に示す。
【表2】 本実験は鋼管外周に片側1mmの隙間を有する各種板厚
のスリーブを被せて、鋼管内面から拡管して接合したも
ので、スリーブ板厚の違いによる拡管荷重および接合後
の軸方向引張力に対する接合強度を求めた。また、鋼管
の拡管量(h1)を変えて接合強度の変化を確認した。
【0034】実験の結果は表−1および表−2に示すと
おりで、この結果よりスリーブ板厚の接合強度に対する
影響をみると、スリーブ板厚が鋼管の板厚より薄い供試
体A,Bの場合はスリーブの変形(膨らみ)ですべりが
生じており、接合強度も母材降伏強度との比12〜24
%と低い値であった。
【0035】これに対してスリーブ板厚を鋼管の板厚よ
り厚くした供試体C,Dでは、鋼管の変形(つまり、拡
管部の縮小)ですべりが生じているが接合強度は母材降
伏強度との比24〜30%と前者より高い。なお、2×
2mm2条の摩擦増強溝付きの供試体Eの場合は、摩擦
増強手段を付けていないものに比べて著しく接合強度が
高くなっており、母材降伏強度との比74%に達してい
る。拡管荷重はスリーブ板厚が厚くなるに従って大きく
なっているが、摩擦増強溝付きにしたことによる変化は
認められない。
【0036】次に、拡管量(h1)と拡管荷重、接合強
度との関係をみると、表−2に示すように拡管荷重は拡
管量の増加に比較してそれ程大きくなっていないが、接
合強度は拡管量の増加にともない大きな値を発揮してい
ることがわかる。スリーブの板厚4.1mmに対して、
ほぼ同じスリーブ拡管量4mmとした供試体Bでは母材
降伏強度との比24%であるが、この約2.2倍のスリ
ーブ拡管量9mmの供試体Fでは母材降伏強度との比5
7%となっている。なお、鋼管に軸方向引張り荷重を与
えて接合強度を求めた接合強度実験で得られた荷重と鋼
管のすべり量の関係は、図11のグラフで示すように数
mmでピーク荷重となった後、その荷重を保持してすべ
りが続いている。
【0037】以上の結果より、本発明における拡管接合
継手構造において接合強度を高めるにはスリーブの板厚
を厚く、好ましくは鋼管の板厚以上とし、拡管量を大き
くすることが有効である。なお、あまり拡幅量を大きく
すると拡幅の変曲部に過大な曲げ応力が発生し接合強度
の低下を招くことが懸念されるが、本試験の結果より鋼
管半径の30%程度までならば変曲部の曲げ応力が接合
強度に大きな影響を与えないことが確認できた。
【0038】継手の接合強度は拡管部を複数にすればそ
の分大きくすることができ、また、スリーブの板厚を十
分厚くした場合は、鋼管内部にコンクリートやモルタル
等の固化材を充填すると鋼管の変形を抑制できるので接
合強度をさらに高めることができる。また、接合部に摩
擦増強手段を付加すると極めて大きな接合強度を発揮す
る。
【0039】このように本発明の接合構造は、接合部の
スリーブの板厚、拡管量などの構造緒元、摩擦力増強手
段の付加および接合箇所数、鋼管内部への固化材の充填
などにより、要求される接合継手強度に応じたものとす
ることができる。例えば、供試体E、供試体Fでは拡管
箇所を2箇所にすると母材強度以上の継手強度が得られ
る。以上、接合構造はスリーブを用いた例で説明した
が、ソケットの場合も同じである。
【0040】本発明の拡管接合構造は、鋼管とスリーブ
またはソケットの拡管部が密接して止水性を発揮する。
前記の実験において拡幅接続した鋼管内に水を注入し、
30kgf/cm2 水圧を負荷して48時間保持する水
密試験を実施した。その結果、供試体A,Bのみわずか
な漏水が認められた。従って、止水性を確実にしたい場
合はスリーブ(ソケット)に止水用拡管部を設けて止水
材を充填したり、鋼管とスリーブ(ソケット)の隙間に
水膨張性の止水材を塗布したり、スリーブ(ソケット)
の端部にゴムリング等の止水パッキンを設けることとす
る。
【0041】
【発明の効果】本発明に係る鋼管の拡管継手構造は以上
説明したように、配管工事や組立現場において迅速に作
業ができ、かつ、必要な継手強度、止水性能、スライド
機能などの要求に応じて容易に適合可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態として示す、スリ−ブを
用いた拡管接合継手構造の断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態として示す、ソケットを
用いた拡管接合継手構造の断面図である。
【図3】第2実施形態の変形例として示す、拡管部を複
数箇所設けた拡管接合継手構造の断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態として示す、止水用拡管
部を付加した拡管接合継手構造の断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態として示す、鋼管内に固
化材を充填した拡管接合継手構造の断面図である。
【図6】(a)は本発明の第5実施形態として示す、拡
管部に摩擦力増強溝を設けた拡管接合継手構造の断面
図、(b)は第5実施形態の変形例の部分断面図であ
る。
【図7】本発明の第6実施形態として示す、スライド可
能な拡管接合継手構造の断面図である。
【図8】本発明の拡管接合継手構造の拡管部の詳細断面
図である。
【図9】本発明の拡管接合に用いる拡管装置の実施例縦
断面図である。
【図10】図9のAーA線位置における拡管ブロック図
である。
【図11】本発明の拡管接合継手構造の接合強度実験結
果例を示すグラフの図である。
【図12】従来技術例の断面図である。
【符号の説明】
1 鋼管 2 鋼管 3 スリ−ブ 4 拡管部 5 ソケット 6 止水用拡管部 7 パッキン 8 止水材 9 固化材 10 摩擦力増大溝 11 摩擦力増大粒 12 スライド外管拡管部 13 内管拡管部 14 拡管装置 15 拡管ブロック 16 油圧シリンダ− 17 スプリンググロ−ブ 18 受け座 19 円錐クサビ
フロントページの続き (72)発明者 井口 勝彦 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に隣接する鋼管の管端が突き合わ
    せられ、その突き合わせ部を跨いだ外側に該鋼管の外径
    よりわずかに大きい内径のスリーブが被せられ、それぞ
    れの鋼管の管端部に、管内に挿入した拡管装置により外
    側のスリーブとともに塑性変形して所定突出高に拡管さ
    れた拡管部を1または複数箇所設けたことを特徴とする
    鋼管の拡管接合継手構造。
  2. 【請求項2】 軸方向に隣接する鋼管の一方の管端部を
    接合する鋼管の外径よりわずかに大きく拡管してソケッ
    トを形成し、該ソケット内に他方の管端部を挿入し、そ
    れぞれの鋼管の管端部に、管内に挿入した拡管装置によ
    り外側のソケットとともに塑性変形して所定突出高に拡
    管された拡管部を1または複数箇所設けたことを特徴と
    する鋼管の拡管接合継手構造。
  3. 【請求項3】 スリーブまたはソケットにあらかじめ設
    けた止水用拡管部に、止水材が充填されていることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の鋼管の拡管接合
    継手構造。
  4. 【請求項4】 スリーブまたはソケットの拡管部内周と
    鋼管の拡管部外周を除く隙間に、水膨張性止水剤を塗布
    したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
    に記載の鋼管の拡管接合継手構造。
  5. 【請求項5】 少なくとも拡管部の鋼管内に固化材が充
    填されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    いすれかに記載の鋼管の拡管接合継手構造。
  6. 【請求項6】 スリーブまたはソケットの拡管部内周ま
    たは鋼管の拡管部外周に摩擦力増強手段を付与したこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
    鋼管の拡管接合継手構造。
  7. 【請求項7】 軸方向に隣接する鋼管の管端が突き合わ
    せられ、その突き合わせ部を跨いだ外側に該鋼管の外径
    よりわずかに大きい内径のスリーブが被せられ、一方の
    鋼管の管端部に、管内に挿入した拡管装置により外側の
    スリーブとともに塑性変形して所定突出高に拡管された
    拡管部を1または複数箇所設けてスリーブと該鋼管を固
    定的に接合し、他方の鋼管の端部の外側に位置するスリ
    ーブの一部に、軸方向と平行なスライド拡管部を所定長
    さ形成し、端部は拡管しないで鋼管外周との隙間をシー
    ルする止水パッキンを設け、該スリーブ内に挿入した他
    方の鋼管の管端部に、拡管装置により該鋼管のみスライ
    ド拡管部の内径より小径の拡管部を設け隣接する鋼管を
    軸方向にスライド可能としたことを特徴とする鋼管の拡
    管接合継手構造。
  8. 【請求項8】 軸方向に隣接する鋼管の一方の管端部を
    接合する鋼管の外径よりわずかに大きく拡管したソケッ
    トの一部に、軸方向と平行なスライド拡管部を所定長さ
    形成し、端部は拡管しないで鋼管外周との隙間をシール
    する止水パッキンを設け、該ソケット内に挿入した他方
    の鋼管の管端部に、拡管装置により該鋼管のみスライド
    拡管部の内径より小径の拡管部を設け隣接する鋼管を軸
    方向にスライド可能としたことを特徴とする鋼管の拡管
    接合継手構造。
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