JP2010126745A - 溶銑の脱りん方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱りんを行うに際して未滓化のCaOの低減をしつつ脱りん効率を向上させる。
【解決手段】底吹きを行うことができる転炉1又は取鍋に溶銑3を装入して、当該溶銑3の脱りんを行う溶銑の脱りん方法において、溶銑3に投入する生石灰及び転炉スラグをそれぞれ大きさ毎に分け、大きさ毎に溶銑3に供給する供給量を決める。大きさ毎に分けられた生石灰及び転炉スラグの供給量に基づいて溶銑3を攪拌する底吹きの攪拌動力密度を適正化する。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶銑の脱りん方法に関する。
従来より、高炉から出銑した溶銑に対して脱りんを行う様々な技術が開発されてきている(例えば、特許文献1〜特許文献5)。
特許文献1の溶銑の脱珪・脱りん方法では、CaO源と酸素源を添加し、溶銑の脱珪脱りん処理を行うに際し、転炉において溶銑上の空間容積を溶銑1t当たり0.20m3/t以上、0.6m3/t以下とし、粒径5mm未満のCaO源の添加を行うと共に、スラグ塩基度が1.4相当分以上の粒径5mm未満のCaO源を末期に添加している。
特許文献2の溶銑の脱りん方法では、CaO含有カバースラグを生成した後、CaO含有脱りん剤を吹き付けると共に、CaO含有カバースラグはCaO含有物が上置き添加された溶銑をガス攪拌し、かつ、酸素含有ガスを上吹きして生成させている。
特許文献3の上底吹き機能を有する精錬炉を用いた溶銑脱燐処理において、石灰と酸素及び/又は酸化鉄の量を調整して、スラグ塩基度を0.8〜1.8、スラグ中T.Feを質量パーセントで8〜19%とし、10mm以上の塊状石灰源の原単位を10kg/t以下としている。
特許文献4の溶銑予備処理方法では、塊状の石灰源を溶銑に上方投入する場合には、その添加時期を[Si]濃度が0.15%まで低下した後とし、塊状石灰源投入と粉体石灰源吹き込みを併用する場合であっても、その両方あるいは少なくとも塊状石灰源の添加時期を[Si]濃度が0.15%まで低下した後としている。
特許文献5の溶銑の脱りん方法では、溶銑にCaO源及び酸素源を添加して溶銑の脱りん処理を行うに際し、溶銑に付与する撹拌力εを1.2〜10kw/tとし、CaF2 、CaCl2 等の滓化剤を添加すること無く微粉CaO源をスラグ中のCaOとSiO2 比が1.7〜2.1モル比となるように添加している。
特開2002−256320号公報 特許第3687433号 特開2005−105526号公報 特開2003−105419号公報 特許第3288208号
特許文献1〜特許文献5の技術であっても、溶銑に供給するCaO源の供給量と、溶銑の動力攪拌密度との関係が示されていないため、操業に適用しても未滓化のCaO(Free−CaO)が多くなる場合があると共に、脱りんの効率が低下することが実情である。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、脱りんを行うに際して未滓化のCaOの低減をしつつ脱りん効率の優れた溶銑の脱りん方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、底吹きを行うことができる転炉又は取鍋に溶銑を装入して、当該溶銑の脱りんを行う溶銑の脱りん方法において、前記溶銑に投入する生石灰と転炉スラグとのそれぞれを式(1)〜式(2)としたとき、溶銑を攪拌する底吹きの攪拌動力密度とが式(3)を満たすように、攪拌動力密度を設定する点にある。
発明者は、脱りんを行うに際して未滓化のCaOの低減をしつつ脱りん効率を向上させることについて様々な観点から検証を行った。
その結果、CaO源として生石灰と転炉スラグとの両者を溶銑に供給することとし、それぞれを式(1)〜式(2)と定義した上で、溶銑を攪拌する攪拌動力密度を式(3)に示す如く設定することによって、未滓化CaOの低減を確実に行うと共に脱りん効率を向上させることを見出した。
言い換えれば、溶銑に供給する生石灰及び転炉スラグについて、球換算直径が5mm以上20mm未満である中粒と、球換算直径が20mm以上60mm未満である大粒に分けた上で、全供給量に対する大粒の生石灰及び転炉スラグの配分比率に基づいて攪拌動力密度を設定している。
本発明によれば、脱りんを行うに際して未滓化のCaOの低減をしつつ脱りん効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の溶銑の脱りん方法を行う転炉の全体側面図を示している。
なお、説明の便宜上、溶銑や溶鋼のことを溶湯ということがある。
図1は、上底吹き機能を有する転炉1であって、この転炉1は脱りん処理を行うことができるものである。転炉1は、上方に向かって開口する炉口2を備えている。転炉1には、当該転炉1に装入された溶湯3に対して酸素を吹き込む上吹ランス4が炉口2から挿入自在に設けられている。また、転炉1には、副原料を投入するシュート5が配備されている。転炉1の炉壁には炉体の傾動により溶湯3を出鋼できるように出湯口6が形成され、転炉1の炉底には溶湯3内へ撹拌用ガスを供給できるように底吹き用の羽口7が形成されている。
本発明の溶銑の脱りん方法を転炉の動作と共に説明する。
転炉1を用いて脱りん処理を行うには、高炉から出銑した溶銑3を転炉1に装入し、CaO源となる生石灰や転炉での吹錬等で使用した転炉スラグ(プリメルトスラグ)をシュート5等を介して転炉1に投入する。転炉1の炉底の羽口7からアルゴン、窒素、一酸化炭素などのガスを吹き込んで溶銑3を攪拌しながら脱りん処理を行う。
[生石灰の供給量について]
本発明の溶銑の脱りん方法では、脱りん剤として溶銑3に供給する生石灰を大きさ毎に分け、大きさ毎に溶銑3に供給する供給量を規定している。即ち、溶銑3に生石灰を供給するにあたっては、生石灰の大きさを球の直径に換算して、その球換算直径が5mm〜20mm未満の生石灰の供給量をAとし、球換算直径が20mm以上〜60mm未満となる生石灰の供給量をBとしている。
なお、図5に示すように、球換算直径とは、粒を3次元に見たときの最大長をaとし、これと垂直に交わる直線の中で、粒表面で区切られる線分長さが最短ものの長さをbとし、さらにこれら2本の直線に垂直に交わるもう一本の直線が、粒表面で区切られる線分長さをcとしたときに、図中の式で表されるものである。
球換算直径が5mm未満の生石灰を溶銑3に添加した場合、小さ過ぎるために生石灰が大気中に舞い上がり易く、歩留まりが悪くなることがある。一方で、球換算直径が60mmよりも大きな生石灰を溶銑3に添加した場合、大き過ぎるために生石灰が溶銑3に溶解するのに時間がかかり、脱りん効率が悪く、脱りん処理後のスラグ中にFree−CaOが多く残留することがある。
したがって、本発明の溶銑の脱りん方法では、上述したように、溶銑3に供給する生石灰の大きさを、球換算直径で5mm以上60mm未満としている。
ここで、球換算直径で5mm以上60mm未満の生石灰を大きさ毎に分けて、それぞれの生石灰を溶銑3に供給して脱りん処理を行った後のスラグに含まれるFree−CaOの濃度について測定する実験を行ったところ、生石灰の粒径(直径)が20mm前後でFree−CaOの濃度の違いが見受けられた。
この実験では、0.3tの銑鉄を高周波溶解炉で溶解し、1330℃に維持した後、所定粒径に揃えた生石灰3kgを溶銑3上に投入し、60L/分のN2をキャリアガスを吹き込んだ。また、実験では、酸素源となる鉄鉱石を60kg/tを4kg/分の速度で投入し、生石灰の反応を調査した。生石灰の反応性は、鉄鉱石の吹き込み開始から3分後のスラグを分析に供し、スラグ中の遊離しているCaO濃度(Free-CaO)を分析することにより評価した。このFree-CaO濃度が低いほど、反応性が高い。
図2は、実験の結果を示したもので、攪拌動力密度とFree-CaO質量%との関係を生石灰の粒径(直径)毎にまとめたものである。図2に示すように、粒径が20mm〜60mmの生石灰を溶銑3に供給した場合は、粒径が5mm〜20mm未満の生石灰を溶銑3に供給した場合と比べ、Free−CaOの濃度が高くなる傾向があり、粒径が5mm〜20mm未満の生石灰と、粒径が20mm〜60mmの生石灰とでFree−CaOの濃度の傾向が異なる。
したがって、このようなことに鑑み、本発明では、生石灰の供給量を球換算直径が5mm以上20mm未満であるものと球換算直径が20mm以上60mm未満であるものとに分け、後述するように、それぞれの供給量を規定している。
[転炉スラグの供給量について]
本発明の溶銑の脱りん方法では、溶銑3に供給する転炉スラグを大きさ毎に分け、大きさ毎に溶銑3に供給する供給量を規定している。即ち、溶銑3に転炉スラグを供給するにあたっては、転炉スラグの大きさを球の直径に換算して、その球換算直径が5mm以上20mm未満の転炉スラグの供給量をCとし、球換算直径が20mm以上60mm未満となる転炉スラグの供給量をDとしている。
生石灰と同様に、球換算直径が5mm未満の転炉スラグを溶銑3に添加した場合、小さ過ぎるために転炉スラグが大気中に舞い上がり易く、歩留まりが悪くなることがある。一方で、球換算直径が60mmよりも大きな転炉スラグを溶銑3に添加した場合、大き過ぎるために転炉スラグが溶銑3に溶解するのに時間がかかり、脱りん効率が悪くなる可能性がある。
したがって、本発明の溶銑の脱りん方法では、上述したように、生石灰と同様に、溶銑3に供給する転炉スラグの大きさを、球換算直径で5mm以上60mm未満としている。
転炉スラグは、脱炭吹錬等で1600℃以上の高温で一旦溶融させたもの(プリメルト)であるため、生石灰に比べてCaOが未滓化状態になることはほとんどないが、生石灰に比べて密度が高く、気孔性が小さい。このため、転炉スラグを塊で溶銑3に供給した場合は、浸潤し難く、脱りん性が低下する可能性がある。そこで、脱りん性を向上させるためには、溶銑3に供給する転炉スラグの大きさを極力小さくすることが好ましい。
転炉スラグの大きさに対する脱りん特性を調べる実験を行ったところ、転炉スラグの粒径(直径)によって脱りん特性の違いが見られた。
この実験では、0.3tの銑鉄([P]=0.11〜0.12%)を高周波溶解炉で溶解し、1330℃に維持した後、所定粒径に揃えた転炉スラグを9kg溶銑3上に投入した。また、実験では、60L/分のN2をキャリアガスとして、酸素源となる鉄鉱石を57kg/tを4kg/分で投入して、脱りん特性については、処理後の溶銑3の[P]を調査した。
図3は、実験の結果を示したもので、転炉スラグの粒径(直径)と溶銑3の[P]質量%との関係を示したものである。図3に示すように、転炉スラグの粒径が20mmを超えると溶銑3の[P]が急激に上昇している。
したがって、このようなことに鑑み、本発明では、転炉スラグの供給量を、球換算直径が5mm以上20mm未満であるものと球換算直径が20mm以上60mm未満であるものとに分け、後述するように、それぞれの供給量を規定している。
[攪拌動力密度について]
生石灰及び転炉スラグの供給について、大きさの観点から見たが、脱りん処理においては、ある程度、溶銑3を攪拌しないとスラグの滓化性や溶銑3の脱りん性が悪くなるため、溶銑3に供給する生石灰の供給量及び転炉スラグの供給量に基づいて、底吹きの攪拌動力を式(1)〜式(3)を満たすように設定した。
即ち、式(1)は、生石灰及び転炉スラグの全供給量に対しての球換算直径が20mm以上60mm未満の生石灰の割合(配分比率)を示し、式(2)は、生石灰及び転炉スラグの全供給量に対しての球換算直径が20mm以上60mm未満の転炉スラグの割合(配分比率)を示し、生石灰及び転炉スラグの配分比率から溶銑2を攪拌する攪拌動力密度を設定している。
式(3)に示すように、粒度の大きな生石灰や粒度の大きな転炉スラグの比率が高い場合は、攪拌動力密度の下限値を高め、特に、転炉スラグは生石灰に比べて密度が高く気孔率が小さいため、同量の生石灰の添加時よりも強い攪拌を与えることとしている。なお、攪拌力(攪拌動力密度)を過剰に強くすると溶銑3中の[C]がスラグ中のFeOを多量に還元してしまい、スラグによる脱りん能力を著しく低下させてしまう。また、後で行う脱炭処理(脱炭精錬)における溶銑昇温用の熱源を失うこととなり操業上好ましくない。これらの理由によって、攪拌動力密度の上限値は、1900W/tonとしている。
式(4)は、攪拌動力密度の計算式であり、『出展 森一美、佐野正道、「インジェクション冶金の動力学」鉄と鋼,第64巻,1981年,687頁、第64式』に記載されている一般的なものである。ただし、第64式において、η=0としている。
以上、本発明によれば、溶銑3に投入する生石灰と転炉スラグとのそれぞれの配分比率を式(1)〜式(2)としたとき、底吹きの攪拌動力密度が式(3)を満たすように、攪拌動力密度を設定することによって、CaO源となる生石灰や転炉スラグの反応性を高めると共に、脱りんに必要なスラグ量を確保し、未滓化のCaOの低減をしつつ脱りん効率の優れた操業を行うことができる。
表1は、溶銑の脱りんを行った実施条件を示している。表2及び表3は、表1の実施条件に基づき、本発明の溶銑の脱りん方法によって処理を行った実施例をまとめたものである。また、表4及び表5は、表1の実施条件に基づき、本発明の溶銑の脱りん方法とは異なる方法で処理を行った比較例をまとめたものである。
実施条件について詳しく説明する。
表1に示すように、溶銑の脱りんを行うにあたっては、高周波溶解炉を用いた。なお、本発明では、脱りん効率等の化学反応を見ているために、高周波溶解炉であっても転炉における溶銑3の脱りんと同じように考えることができる。転炉での操業では一般的に上吹きランスもガス(酸素)を吹き込んで脱りん処理を行うが、上吹きガスが溶銑の有効に作用するエネルギーは、底吹きが略100%であるに対して上吹きは10%程度であることが後述する甲斐らの文献に示す如く知られおり、底吹きに比べて非常に小さいため、本発明の溶銑の脱りん方法では、底吹きによる攪拌動力密度についてのみ規定している。上吹きと底吹きとの関係は、『甲斐、大河平、平居、村上、佐藤「上底吹き転炉の冶金反応特性に対する鋼浴攪拌強さの影響」、鉄と鋼、第68巻、第14号、1982年、1946〜1954頁』に記載されている。
また、銑鉄を高周波溶解炉に投入し、溶融後の銑鉄(溶銑3)の成分は、表1に示すものを用いた。酸素源としては、固体酸素(鉄鉱石)を投入した。即ち、ランスを溶銑3中に挿入し、鉄鉱石をN2のキャリアガスと共に吹き込んだ。ランスの吹き込み深さ(吹き込み位置)は静止浴面から300mm又は260mmの位置とした。
表2及び表3の実施例及び比較例では、脱りん処理終了後における[C]、[P]の実績値が予め定めた値を満たしているか評価すると共に、スラグ内のFree−CaOについて、予め定めた値を満たしているか否かを評価した。
溶銑3の脱りん処理を行うと、同時に脱炭反応が進行することになるが、脱りん処理の際に脱炭を行い過ぎる(過脱炭する)と、溶銑3の凝固温度が上がり過ぎ、脱りん処理後の溶銑3の運搬する際に(脱りん後の溶銑3を脱炭を行う転炉に運搬する際)に支障をきたす場合があるため、実操業として[C]の下限値を3.3質量%以上としている。
溶銑3脱りんに続いて行われる、脱炭処理において[C]を0.03〜0.8%程度に低下させながら、脱りんを行うことが可能であるが、転炉での脱炭処理時には燃焼させることによって、溶銑温度を上昇させるため、発熱反応である脱りんには不利な条件となる。不利な条件な中で、脱りんを行うには、転炉にて用いるスラグ量や酸素量を増加する必要があり、大きなコスト上昇を招く。これらのことにより、溶銑3の脱りん処理後には、[P]の上限値を0.020質量%以下にする必要がある。
脱りん処理後のスラグは、埋め立て資材や路盤の下地などの土木資源として再利用されることがある。脱りん処理後のスラグに未滓化石灰(Free−CaO)が残留していると、雨水や大気中の水分と反応して膨張することになる。スラグを再利用する際には膨張を予め促進させるエージング処理がなされるが、Free−CaOの濃度が3.0質量%を超えると、エージング処理に多大な時間を要するばかりか、スラグの再利用も難しくなるのが実情である。
したがって、脱りん処理終了後の[C]の下限値が3.3質量%以上となるものを良好「○」とし、[P]の上限値が0.020質量%以下となるものを良好「○」とし、Free−CaOの濃度が3.0質量%以下となるものを良好「○」とした。
表2に示すように、生石灰又は転炉スラグを溶銑3に供給するにあたって、実験番号1〜実験番号3の実施例では、球換算直径が5mm以上20mm未満の生石灰(焼石灰)のみを用い、実験番号10〜実験番号12の実施例では、球換算直径が20mm以上60mm未満の生石灰のみを用いた。その他の実施例では、5〜20mm未満の生石灰、20〜60mm未満の生石灰、5〜20mm未満の転炉スラグ、20〜60mm未満の転炉スラグ、少なくとも1つ以上のものを用いた。
表3に示すように、生石灰又は転炉スラグの供給量と攪拌動力密度との関係が式(3)を満たしていれば、脱りん処理終了後の[C]を3.3質量%以下(評価「○」)、[P]を0.03質量%以下(評価「○」)、Free-(CaO)を3.0質量%以下(評価「○」)にすることができた。
表4及び表5に示すように、実験番号24〜実験番号44の比較例では、生石灰又は転炉スラグを溶銑3に供給するにあたって、実施例と同じ組み合わせの生石灰や転炉スラグを用いたとしても、生石灰又は転炉スラグの供給量と攪拌動力密度との関係が式(3)を満たしていれば、生石灰又は転炉スラグの供給量と攪拌動力密度との関係が式(3)を満たさなければ、[C]、[P]、Free-(CaO)の少なくとも1つが基準から外れるものとなった(評価「×」)。
図4は、実施例及び比較例において攪拌動力密度と、脱りん処理後の[C]との関係をまとめたものである。図4に示すように、攪拌動力密度Eが1900(Watt/T)を超えると、[C]が3.3質量%未満となるものがあった。これから分かるように、攪拌動力密度Eの上限値は、式(4)の右辺の値と同じ1900(Watt/T)とする必要がある。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上記の実施形態では、転炉にて脱りん処理を行うものとしているが、本発明の溶銑の脱りん方法は、取鍋に溶銑3を装入して溶銑3を攪拌することによって脱りん処理を行うものに適用してもよい。
転炉の全体側面図である。 攪拌動力密度とFree-CaO質量%との関係を生石灰の粒径(直径)毎にまとめた図である。 転炉スラグの粒径(直径)と溶銑の[P]質量%との関係を示したものである。 攪拌動力密度と、脱りん処理後の[C]との関係図である。 球換算直径を説明する説明図である。
符号の説明
1 転炉
2 炉口
3 溶湯(溶銑)
4 上吹ランス
5 シュート
6 出湯口
7 羽口

Claims (1)

  1. 底吹きを行うことができる転炉又は取鍋に溶銑を装入して、当該溶銑の脱りんを行う溶銑の脱りん方法において、
    前記溶銑に投入する生石灰と転炉スラグとのそれぞれを式(1)〜式(2)としたとき、溶銑を攪拌する底吹きの攪拌動力密度とが式(3)を満たすように、攪拌動力密度を設定することを特徴とする溶銑の脱りん方法。
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