JP2010126477A - フッ化カルボニルを用いた含フッ素環状エステルの製造方法 - Google Patents

フッ化カルボニルを用いた含フッ素環状エステルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010126477A
JP2010126477A JP2008302095A JP2008302095A JP2010126477A JP 2010126477 A JP2010126477 A JP 2010126477A JP 2008302095 A JP2008302095 A JP 2008302095A JP 2008302095 A JP2008302095 A JP 2008302095A JP 2010126477 A JP2010126477 A JP 2010126477A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituents
partially
substituted
side chain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008302095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5437622B2 (ja
Inventor
Yasuyuki Fujiwara
泰行 藤原
Naoko Saino
直子 才野
Gen Ko
原 高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanto Denka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Kanto Denka Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanto Denka Kogyo Co Ltd filed Critical Kanto Denka Kogyo Co Ltd
Priority to JP2008302095A priority Critical patent/JP5437622B2/ja
Publication of JP2010126477A publication Critical patent/JP2010126477A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5437622B2 publication Critical patent/JP5437622B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】モノフルオロ化反応により効率的に含フッ素環状エステルへと誘導する方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で示されるケトアルコール又はケトチオールを塩基存在下、フッ化カルボニルと反応させることを特徴とする、下記一般式(2)で示される含フッ素環状エステルの製造方法。
Figure 2010126477

[式中の置換基R1〜R5はそれぞれ、H原子、C1〜C30の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基、C2〜C30の単一若しくは複数の二重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルケニル基、C2〜C30の単一若しくは複数の三重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルキニル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、CN基、又は、NO2基の何れかを示す。Yは酸素又は硫黄原子を示し、nは0から6の整数である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の電解液溶媒及び添加剤、機能性材料中間体、医薬品用中間体及び有機溶剤等に使用が期待される含フッ素環状エステルの製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池の電解液は、一般には電解質と有機溶媒から構成されており、有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートに代表される環状炭酸エステルと、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートに代表される鎖状炭酸エステル、又は、γ−ブチロラクトン等の混合物から構成される場合が多い。しかしながら、こうした有機溶媒は、その使用温度範囲、粘度、電気化学的な安定性等に問題がある。そこで、このような問題を解決する手段として、上述の有機化合物にフッ素原子を導入してそれらの問題の改善を試みる検討が行われている。
中でもモノフッ素化はパーフルオロ化と比較して大きく極性を変化させることから、誘電率、粘度、密度等の物性を大きく変化させると考えられている(非特許文献1及び2参照)。
モノフルオロ環状炭酸エステルの例としては、4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-クロロ-5-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐5‐メチル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐4‐メチル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-クロロ‐5-フルオロ‐5‐メチル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-(フルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-(フルオロメチル)-4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-(フルオロメチル)-5,5-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-(1-フルオロエチル))-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-(1-フルオロプロピル)-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-(1-フルオロブチル)-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐5‐エチル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐4,5‐ジメチル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐4‐エチル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐4‐プロピル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐5‐プロピル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐4‐ブチル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐5‐ブチル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐4‐ペンチル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐5‐ペンチル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐4‐ヘキシル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐5‐ヘキシル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐4‐フェニル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ‐5‐フェニル‐1,3-ジオキソラン-2-オン、4-フルオロ-1,3-ジオキサン-2-オン等がこれまでに報告されている。
上記のようなモノフルオロ化合物を合成する方法としては、フッ素を含まない化合物に対してフッ素化剤を用い直接フッ素化する方法と、あらかじめフッ素を含む最小構成単位の出発物質を化学変換する方法(合成ブロック法)の2通りがある。
そのうち直接フッ素化する方法としては、1:ハロゲン交換反応、2:フッ素ガスを用いた直接フッ素化反応、3:電解フッ素化反応等が知られている。
ハロゲン交換反応では、例えば4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オンは、相当する塩素化体をフッ化カリウムでフッ素化する方法が報告されているが、一般に高い反応温度、長い反応時間を要する場合が多い(特許文献1参照)。
フッ素ガスを用いた直接フッ素化反応の場合、例えば、4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン、トランス-4,5-ジフルオロ−1,3−ジオキソラン-2-オン等が、フッ素ガスと1,3-ジオキソラン-2-オン(エチレンカーボネートとも呼ばれる)との反応により得られたことが報告されている(特許文献2、3及び4参照)。
一方、γ-ブチロラクトンをフッ素ガスによりフッ素化した場合、目的生成物の選択性は非常に低く、γ-フルオロ-γ-ブチロラクトン以外に数種類のモノフルオロ化体が得られ、それら混合物から目的のモノフルオロ化体を単離精製することは非常に困難である(非特許文献3及び5参照)。
また、ジメチルカーボネートをフッ素ガスでフッ素化した場合、モノフルオロ化体であるフルオロメチル−メチルカーボネートの他に、ジフルオロ化体やトリフルオロ化体であるビス(フルオロメチル)カーボネート及びフルオロメチル−ジフルオロメチルカーボネート等が副生するため、精製が非常に困難となる(特許文献6参照)。
このように、フッ素ガスを用いた直接フッ素化反応による方法では、モノフルオロ環状炭酸エステルを高選択的に得ることは困難である。
また、電解フッ素化法としては、環状炭酸エステルやラクトン、鎖状炭酸エステル、環状エーテルのモノフルオロ化が報告されている。しかし、この方法では非常に高価な白金電極を使用する必要があることや、電解時に電極がイオン化し溶出してしまうこと等から、コストや設備設計の面において課題が残されている (特許文献7及び8並びに非特許文献4参照)。
また、合成ブロック法としては、フッ素置換メチル基含有プロピレングリコールと、炭酸ジメチル等の鎖状炭酸エステルとのエステル交換により、フッ素置換メチル基を持つ環状炭酸エステル類の合成が報告されている(特許文献9参照)。しかし、水酸基と同一炭素に有るフッ素原子を持つ化合物は非常に不安定であるため、この方法では炭酸エステルの環内部にフッ素を持つ環状炭酸エステル類は合成することは不可能である。
また、フッ化カルボニルとビアセチル又は2,3-ペンタンジオンから4,5-ジフルオロ-4,5-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン又は4,5-ジフルオロ-4-エチル-5-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オンを得る方法が知られている(非特許文献5参照)。しかしながら、この方法で得られる生成物はジフルオロ環状炭酸エステルであり、モノフルオロ環状炭酸エステルを得る方法は未だ報告されていない。
国際公開第98/15024号パンフレット 特開2000-309583号公報 米国特許出願公開第2006/0167279A1号明細書 特開2000-344763号公報 特開2001-226367号公報 特開2004-10491号公報 特開2006-1843号公報 特開2003-73873号公報 特開平10-233345号公報 Electrochemistry, 76, p.2 (2008). Chem.Lett.,37, No.4, p.476 (2008). J. Fluorine Chem., 108, p.107, (2001). Tetrahedron Lett., 43, p.1502, (2002). J. Am. Chem. Soc., 84, p.4275, (1962).
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決し、モノフルオロ化反応により効率的に含フッ素環状エステルへと誘導する方法を提供することにある。
本発明者らは、モノフルオロ化反応により含フッ素環状エステルを簡便に得る目的で鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]下記一般式(1)で示されるケトアルコール又はケトチオールを塩基存在下、フッ化カルボニルと反応させることを特徴とする、下記一般式(2)で示される含フッ素環状エステルの製造方法。
Figure 2010126477
Figure 2010126477
[式中の置換基R1〜R5は互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い。置換基R1〜R5はそれぞれ、H原子、C1〜C30の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基、C2〜C30の単一若しくは複数の二重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルケニル基、C2〜C30の単一若しくは複数の三重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルキニル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、CN基、又は、NO2 基の何れかを示す。また、置換基R1〜R5のうちの任意の置換基が共同で環状構造を形成していてもよい。これらの置換基R1〜R5に含まれるH原子は、ハロゲン原子によって部分的に若しくは完全に、又は、CN基若しくはNO2基によって部分的に置換できる。また、これらの置換基R1〜R5に含まれる炭素原子は、-O-, -C(O)-, -C(O)O-, -S-, -S(O)-, -SO2-, -SO3-, -N=, -N=N-, -NR'-, -N(R')2, -PR'-,-P(O)R'-, -P(O)R'-O-, -O-P(O)R'-O-, 及びP(R')2=N-の群から選択した原子、及び/又は、原子団によって置換できる(ここで、R'はC1〜C10の直鎖状若しくは側鎖を有するアルキル基、又はハロゲン原子によって部分的若しくは完全に置換されたアルキル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、非置換若しくは置換されたフェニル基、又は、非置換若しくは置換されたヘテロシクルスを示す)。Yは酸素又は硫黄原子を示し、nは0から6の整数である。]
[2]下記一般式(3)で示されるケトアルコール又はケトチオールを塩基存在下、フッ化カルボニルと反応させることを特徴とする、下記一般式(4)で示される含フッ素環状エステルの製造方法。
Figure 2010126477
Figure 2010126477
[式中の置換基R6〜R10は、互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い。置換基R6〜R10はそれぞれ、H原子、C1〜C30の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基、C2〜C30の単一若しくは複数の二重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルケニル基、C2〜C30の単一若しくは複数の三重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルキニル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、CN基、又は、NO2基の何れかを示す。また、置換基R6〜R10のうちの任意の置換基が共同で環状構造を形成していてもよい。これらの置換基R6〜R10に含まれるH原子は、ハロゲン原子によって部分的に若しくは完全に、又は、CN基若しくはNO2 基によって部分的に置換できる。また、これらの置換基R6〜R10に含まれる炭素原子は、-O-, -C(O)-, -C(O)O-, -S-, -S(O)-, -SO2-, -SO3-,-N=, -N=N-,-NR'-, -N(R')2, -PR'-,-P(O)R'-, -P(O)R'-O-, -O-P(O)R'-O-, 及びP(R')2=N-の群から選択した原子、及び/又は、原子団によって置換できる(ここで、R'はC1〜C10の直鎖状若しくは側鎖を有するアルキル基、又はハロゲン原子によって部分的若しくは完全に置換されたアルキル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、非置換若しくは置換されたフェニル基、又は、非置換若しくは置換されたヘテロシクルスを示す)。Zは酸素又は硫黄原子を示し、mは0から6の整数である。]
[3]使用する塩基が、有機塩基であることを特徴とする、前記[1]又は[2]に記載の含フッ素環状エステルの製造方法。
[4]前記有機塩基が、環状アミンであることを特徴とする、前記[3]に記載の含フッ素環状エステルの製造方法。
[5]前記一般式(1)及び(2)中の置換基R1〜R5が、互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い、H原子、C1〜C30の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基、C2〜C30の単一若しくは複数の二重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルケニル基、C2〜C30の単一若しくは複数の三重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルキニル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、CN基、又は、NO2 基の何れかを示す、前記[1]に記載の含フッ素環状エステルの製造方法。
[6]前記一般式(1)及び(2)中の置換基R1〜R5が、互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い、C1〜C20の直鎖状若しくは側鎖を有するアルキル基又はアルコキシ基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、又は、アリール基の何れかを示す、前記[1]に記載の含フッ素環状エステルの製造方法。
本発明によれば、特定のケトアルコール又はケトチオールを塩基触媒の存在下でフッ化カルボニルと反応させることにより、モノフルオロ化反応が進行し、含フッ素環状エステルを、容易且つ高選択的に製造することができる。
以下、本発明について好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。

先ず、本発明に係る前記一般式(1)〜(4)で示される化合物について説明する。
本発明に係る前記一般式(1)及び(2)で示される化合物としては、前記一般式(1)及び(2)中の置換基R1〜R5が、互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い、H原子、C1〜C30の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基、C2〜C30の単一若しくは複数の二重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルケニル基、C2〜C30の単一若しくは複数の三重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルキニル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、CN基、又は、NO2基の何れかである化合物が好ましい。
また、前記一般式(1)中のR1〜R5が、互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い、C1〜C20の直鎖状若しくは側鎖を有するアルキル基又はアルコキシ基、又は、アリール基である化合物が入手の容易さやフッ化カルボニルとの副反応の起こりにくさの観点から更に好ましい。
また、置換基R1〜R5は、任意の置換基が共同で環状構造を形成していてもよい。これらの置換基Rに含まれるH原子は、ハロゲン原子によって部分的に若しくは完全に、或いは、CN基、又は、NO2基によって部分的に置換された物であってもよい。また、これらの置換基Rに含まれる炭素原子は、-O-, -C(O)-, -C(O)O-, -S-, -S(O)-, -SO2-, -SO3-, -N=, -N=N-, -NR'-, -N(R')2, -PR'-,-P(O)R'-, -P(O)R'-O-, -O-P(O)R'-O-, 及びP(R')2=N-の群(ここで、R'はC1〜C10の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基、又はハロゲン原子によって部分的若しくは完全に置換されたアルキル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、非置換若しくは置換されたフェニル基、又は、非置換若しくは置換されたヘテロシクルスを示す)から選択した原子、及び/又は、原子団によって置換された物であってもよい。
また前記一般式(1)及び(2)中のYは酸素又は硫黄原子を示し、nは 0から6の整数が好ましく、0若しくは1が更に好ましい。
本発明の前記一般式(3)及び(4)で示される化合物としては、前記一般式(3)及び(4)中の置換基R6〜R10が、互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い、H原子、C1〜C30の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基、C2〜C30の単一若しくは複数の二重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルケニル基、C2〜C30の単一若しくは複数の三重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルキニル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、CN基、又は、NO2 基である化合物が好ましい。
また、前記一般式(3)及び(4)中のR6〜R10が、互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い、C1〜C20の直鎖状若しくは側鎖を有するアルキル基又はアルコキシ基、又は、アリール基である化合物が入手の容易さやフッ化カルボニルとの副反応の起こりにくさの観点から、更に好ましい。
また、置換基R6〜R10は、任意の置換基が共同で環状構造を形成していてもよい。これらの置換基Rに含まれるH原子は、ハロゲン原子によって部分的に若しくは完全に、或いは、CN基、NO2基によって部分的に置換された物であってもよい。また、これらの置換基Rに含まれる炭素原子は、-O-, -C(O)-, -C(O)O-, -S-, -S(O)-, -SO2-, -SO3-, -N=, -N=N-, -NR'-, -N(R')2, -PR'-,-P(O)R'-, -P(O)R'-O-, -O-P(O)R'-O-, 及びP(R')3=N-の群(ここで、R'はC1 〜C10の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基、又はハロゲン原子によって部分的若しくは完全に置換されたアルキル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、非置換若しくは置換されたフェニル基、又は、非置換若しくは置換されたヘテロシクルスを示す)から選択した原子及び/又は原子団によって置換された物であってもよい。
また、前記一般式(3)及び(4)中のZは、酸素又は硫黄原子を示し、mは0〜6の整数が好ましく、0若しくは1が更に好ましい。
上記C1〜C30のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デカニル、n-ドデカニル等の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基を挙げることができる。
上記C2〜C30のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、クロチル基、ゲラニル基等の単一若しくは複数の二重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルケニル基を挙げることができる。
上記C2〜C30のアルキニル基としては、CH≡C−、CH≡C−CH2−、CH≡C-CH2−CH2−、CH3−C≡C−CH2−等の単一若しくは複数の三重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルキニル基を挙げることができる。
上記シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等を挙げることができる。また、該シクロアルキル基は、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基等の部分的に若しくは完全に不飽和の結合を有するものも含み、又ハロゲン原子によって部分的に若しくは完全に置換でき、或いは、CN基、又は、NO2基によって部分的に置換できる。
上記アリール基としては、フェニル、クメニル、メシチル、トリル、キシリル基等(これらのアリール基にはアルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アシル基、ホルミル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、チオール基、アルキルチオ基並びにハロゲン原子を、一個又は複数個含有していてもよい)を挙げることができる。
上記複素環基としては、ピロジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラロゾリジニル、ピラゾニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チエニル基等を挙げることができる。また、これらの複素環基にはアルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、チオール基、アルキルチオ基並びにハロゲン原子を、一個又は複数個含有していてもよい。
上記ハロゲン原子としては、F、Cl、Br及びIを挙げることができる。
上記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。
上記置換基R1〜R5が共同で形成してもよい環状構造としては、ベンゼン環、シクロヘキサン環等を挙げることができる。

次に、本発明の含フッ素環状エステルの製造方法について説明する。
本発明の前記一般式(2)又は(4)で表わされる含フッ素環状エステルは、前記一般式(1)若しくは(3)で表わされるケトアルコール又はケトチオ―ルと、フッ化カルボニルとを、加熱下で且つ加圧下で、塩基触媒の存在下に接触させることにより、製造することができる。
本発明の製造方法において、フッ化カルボニルの量は、前記一般式(1)若しくは(3)で表わされるケトアルコール又はケトチオ―ルに対して、0.1〜10当量が好ましく、特に1.0当量が最も好ましい。
触媒となる塩基としては、例えば、芳香族窒素化合物、脂肪族窒素化合物等の有機塩基が挙げられる。具体的には、芳香族窒素化合物として、ピリジン、キノリン、イソキノリン、インドール、ピリミジン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン、2,6-ルチジン等を挙げることができ、脂肪族窒素化合物として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン等を挙げることができる。本発明の製造方法としては、環状アミン化合物が好ましく、特にピリジン及びピリジン誘導体が最も好ましい。
触媒となる塩基の添加量は、前記一般式(1)若しくは(3)で表わされるケトアルコール又はケトチオ―ルに対して、0.01〜100mol%が好ましく、特に0.05〜10mol%が最も好ましい。添加量が0.01mol%未満だと反応の進行が遅く、100mol%を超えると副反応を起こし、精製が困難となる。
本発明の製造方法における反応は、溶媒存在下に行ってもよく、反応溶媒としては、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、及びエーテル系溶媒等を用いることができ、特にハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、その中でも塩化メチレンやクロロホルムが最も好ましい。また、この反応は無溶媒系でも行うこともできる。
本発明の製造方法で用いられる反応器は、耐圧性の容器が好ましく、その中でもステンレス製オートクレーブが最も好ましい。
本発明の製造方法では、フッ化カルボニル導入時の反応系内の温度は-100〜30℃の範囲であることが好ましく、-100〜-50℃の範囲であることが更に好ましい。-100℃未満だと工業的な方法として実用的でなく、30℃を超えるとガスの導入が困難である。またフッ化カルボニルを導入後の、環化反応時の反応系内の温度は、0〜200℃の範囲であることが好ましく、30〜100℃の範囲であることが更に好ましい。0℃未満だと環化反応が進行しにくく反応時間を要し、200℃を超えると生成物自体の分解を起こす可能性がある。
反応圧力は、通常、常圧〜10MPaの範囲で行うことができるが、0.1〜5MPaの範囲で行うことが好ましい。使用できる反応器の汎用性と安全性の面から10MPa以上での反応は実際的ではない。
反応時間は、通常0.1〜100時間の範囲で行うことができるが、1〜24時間の範囲で行うことが好ましい。100時間を超える長時間の反応は実際的でない。
上記の反応終了後は、直接蒸留精製、又は、反応終了液を水若しくはアルカリ金属の無機塩基、例えば炭酸水素ナトリウム等の水溶液に流し込み、有機溶媒、例えば、塩化メチレン等により抽出することにより粗生成物を得ることができる。必要に応じて蒸留、再結晶等により更に高い化学純度に精製することができる。
以下、実施例により本発明の製造方法を具体的に説明するが、本発明の製造方法はこれらの実施例に制限されるものではない。
<実施例1> 4-フルオロ-4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オン(1)の製造
Figure 2010126477
500mLオートクレーブに、ヒドロキシアセトン(東京化成製;70g, 0.94mol)、ピリジン(15mL)、塩化メチレン(40mL)を仕込み、液体窒素により-100℃に冷却してボンベよりフッ化カルボニル(65 g, 0.98mol)を導入した。昇温して室温に戻した後、器内温度70℃で22時間加熱した(圧力は0.6MPaまで上昇)。加熱を止め、圧力を常圧に戻してオートクレーブ中より黒色液体を得た。
得られた黒色液体に塩化メチレン150mLと水100mLを加え分液した。さらに有機溶媒相を飽和重曹水100mLで2回洗浄し、硫酸マグネシウム25gを加えて乾燥した。溶媒を留去し黒色液体を93.4g得た。この液体を蒸留(64〜66℃, 0.8kPa)して透明液体1-1(81.3g, 0.68mol)を得た。収率は72%であった。得られた透明液体1-1は、以下に示す本留の機器分析データーにより目的物であることが確認された。
1H-NMR(300MHz, 基準物質:Me4Si, 重溶媒:CDCl3), δ ppm:1.84(d, 3H, J=17.1), 4.33(dd, 1H, J=10.2, 30.6), 4.57(dd, 1H, J=10.2, 17.1)
19F-NMR(282MHz, 基準物質:CFCl3, 重溶媒:CDCl3), δ ppm:-92.47(double quintet, J= 30.6, 17.3)
<実施例2> 4-フルオロ-4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オン(1)の製造
500mLオートクレーブに、ヒドロキシアセトン(東京化成製;52.2g, 0.705mol)、ピリジン(6.0mL)を仕込み、液体窒素により-100℃に冷却してボンベよりフッ化カルボニル(52g, 0.788mol)を導入した。昇温して室温に戻した後、器内温度100℃で24時間加熱した(圧力は0.6MPaまで上昇)。加熱を止め、圧力を常圧に戻してオートクレーブ中より黒色液体95.0g)を得た。
得られた黒色液体に塩化メチレン150mLと水100mLを加え分液した。さらに有機溶媒相を飽和重曹水100mLで2回洗浄し、硫酸マグネシウム25gを加えて乾燥した。溶媒を留去し黒色液体を72.0g得た。この液体を蒸留(70〜72℃, 1.0kPa)して透明液体1-2(48.7g, 0.575mol)を得た。収率は57%であった。得られた透明液体1-2は、実施例1と同様の機器分析データーにより目的物であることが確認された。
<実施例3> 4-フルオロ-4,5-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン(2)の製造
Figure 2010126477
500mLオートクレーブに、アセトイン(東京化成製;74.3g, 0.843mol)、ピリジン(12.0mL)、塩化メチレン(40mL)を仕込み、液体窒素により-100℃に冷却してボンベよりフッ化カルボニル(54g, 0.818mol)を導入した。昇温して室温に戻した後、器内温度60℃で12時間加熱した(圧力は0.6 MPaまで上昇)。加熱を止め、圧力を常圧に戻してオートクレーブ中より黒色液体(182g)を得た。
得られた黒色液体に塩化メチレン150mLと水120mLを加え分液した。さらに有機溶媒相を飽和重曹水100mLで2回洗浄しさらに飽和塩水100mLで洗浄した。有機相へ硫酸マグネシウム:25gを加えて乾燥した。溶媒を留去し黒色液体を119.4g得た。この液体を蒸留(64〜66℃, 0.6kPa)して透明液体2(86.4g, 0.644mol)(trans/cis=1.0/0.15)を得た。収率は76%であった。得られた透明液体2は、以下に示す本留の機器分析データーにより目的物であることが確認された。
2-trans
1H-NMR(300MHz, 基準物質:Me4Si, 重溶媒:CDCl3), δ ppm: 1.50(dd, 3H, J=2.1,6.6), 1.76(d, 3H,J= 17.7), 4.59(dq, 1H, J= 21.3, 6.6)
19F-NMR(282MHz, 基準物質:CFCl3, 重溶媒:CDCl3), δ ppm:-110.85(m, 1F)
2-cis
1H-NMR(300MHz, 基準物質:Me4Si, 重溶媒:CDCl3), δ ppm:1.41(d, 3H, J=6.9), 1.72(d, 3H, J= 18.3), 4.79(dq, 1H, J= 17.7, 6.9)
19F-NMR(282MHz, 基準物質:CFCl3, 重溶媒:CDCl3), δ ppm:-88.74(quintet, 1F, J= 18.3)
<実施例4> 4-フルオロ-4,5,5-トリメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン(3)の製造
Figure 2010126477
500mLオートクレーブに、3-ヒドロキシ-3-メチル-2-ブタノン(東京化成製;24.5g, 0.239mol)、ピリジン(5.0mL)、塩化メチレン(30mL)を仕込み、液体窒素により-100℃に冷却してボンベよりフッ化カルボニル(20g, 0.303mol)を導入した。昇温して室温に戻した後、器内温度37℃で11時間加熱した(圧力は0.2 MPaまで上昇)。加熱を止め、圧力を常圧に戻してオートクレーブ中より黒色液体を得た。
得られた黒色液体に塩化メチレン70mLと水50mLを加え分液した。さらに有機溶媒相を飽和重曹水50mLで洗浄しさらに水50mLで洗浄した。有機相へ硫酸マグネシウム15gを加えて乾燥した。溶媒を留去し白黄色固体を32.2g得た。この液体をヘキサン-エーテルにより再結晶して白色固体3(20.6g, 0.138mol)を得た。収率は58%であった。得られた白色固体3は、以下に示す結晶の機器分析データーにより目的物であることが確認された。
3
1H-NMR(基準物質:Me4Si, 重溶媒:CDCl3), δ ppm: 1.46(s, 3H), 1.54(d, 3H, J= 3.0), 1.69(d, 3H, J= 18.6)
19F-NMR(基準物質:CFCl3, 重溶媒:CDCl3), δ ppm:-103.38(qq, 1F, J= 18.6, 3.0)
<実施例5> 4-フルオロ-4,5-ジフェニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(4)の製造
Figure 2010126477
500mLオートクレーブに、ベンゾイン(東京化成製;25.0g, 0.118mol)、ピリジン(5.0mL)、塩化メチレン(20mL)を仕込み、液体窒素により-100 ℃に冷却してボンベよりフッ化カルボニル(12g, 0.181 mol)を導入した。昇温して室温に戻した後、器内温度56 ℃で12時間加熱した(圧力は0.3 MPaまで上昇)。加熱を止め、圧力を常圧に戻してオートクレーブ中より黒色液体を得た。
得られた黒色液体に塩化メチレン150mLと水100mLを加え分液した。さらに有機溶媒相を飽和重曹水100mLで2回洗浄した。有機相へ硫酸マグネシウム20gを加えて乾燥した。溶媒を留去し白黄色固体を30g得た。この液体をヘキサン―塩化メチレンにより再結晶して白色固体4(5.0g, 0.019mol)(trans体のみ)を得た。収率は16%であった。得られた白色固体4は、以下に示す結晶の機器分析データーにより目的物であることが確認された。
4-trans
1H-NMR(300MHz, 基準物質:Me4Si, 重溶媒:CDCl3), δ ppm: 5.60(d, 1H, J=21.3), 7.2-7.7(m, 10H)
19F-NMR(282MHz, 基準物質:CFCl3, 重溶媒:CDCl3), δ ppm:-112.66(d, 1F, J= 21.3)
<実施例6> 4-フルオロ-4-メチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-2-オン(5)の製造
Figure 2010126477
500mLオートクレーブに、2'-ヒドロキシアセトフェノン(東京化成製;25.0g, 0.183mol)、ピリジン(5.0mL)、塩化メチレン(20mL)を仕込み、液体窒素により-100℃に冷却してボンベよりフッ化カルボニル(14g, 0.21mol)を導入した。昇温して室温に戻した後、器内温度50℃で14時間加熱した(圧力は0.2MPaまで上昇)。加熱を止め、圧力を常圧に戻してオートクレーブ中より黄色液体を得た。
この液体を蒸留(102〜104℃, 0.1kPa)して透明液体5(18.2g, 0.099mol)を得た。収率は54%であった。得られた透明液体5は、以下に示す本留の機器分析データーにより目的物であることが確認された。
5
1H-NMR(300MHz, 基準物質:Me4Si, 重溶媒:CDCl3), δ ppm: 2.12(d, 3H, J=17.2), 7.2-7.7(m, 5H)
19F-NMR(282MHz, 基準物質:CFCl3, 重溶媒:CDCl3), δ ppm:-69.43(q, 1F, J= 17.2)

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されるケトアルコール又はケトチオールを塩基存在下、フッ化カルボニルと反応させることを特徴とする、下記一般式(2)で示される含フッ素環状エステルの製造方法。
    Figure 2010126477
    Figure 2010126477
    [式中の置換基R1〜R5は互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い。置換基R1〜R5はそれぞれ、H原子、C1〜C30の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基、C2〜C30の単一若しくは複数の二重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルケニル基、C2〜C30の単一若しくは複数の三重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルキニル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、CN基、又は、NO2 基の何れかを示す。また、置換基R1〜R5のうちの任意の置換基が共同で環状構造を形成していてもよい。これらの置換基R1〜R5に含まれるH原子は、ハロゲン原子によって部分的に若しくは完全に、又は、CN基若しくはNO2基によって部分的に置換できる。また、これらの置換基R1〜R5に含まれる炭素原子は、-O-, -C(O)-, -C(O)O-, -S-, -S(O)-, -SO2-, -SO3-, -N=, -N=N-, -NR'-, -N(R')2, -PR'-,-P(O)R'-, -P(O)R'-O-, -O-P(O)R'-O-, 及びP(R')2=N-の群から選択した原子、及び/又は、原子団によって置換できる(ここで、R'はC1〜C10の直鎖状若しくは側鎖を有するアルキル基、又はハロゲン原子によって部分的若しくは完全に置換されたアルキル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、非置換若しくは置換されたフェニル基、又は、非置換若しくは置換されたヘテロシクルスを示す)。Yは酸素又は硫黄原子を示し、nは0から6の整数である。]
  2. 下記一般式(3)で示されるケトアルコール又はケトチオールを塩基存在下、フッ化カルボニルと反応させることを特徴とする、下記一般式(4)で示される含フッ素環状エステルの製造方法。
    Figure 2010126477
    Figure 2010126477
    [式中の置換基R6〜R10は、互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い。置換基R6〜R10はそれぞれ、H原子、C1〜C30の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基、C2〜C30の単一若しくは複数の二重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルケニル基、C2〜C30の単一若しくは複数の三重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルキニル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、CN基、又は、NO2基の何れかを示す。また、置換基R6〜R10のうちの任意の置換基が共同で環状構造を形成していてもよい。これらの置換基R6〜R10に含まれるH原子は、ハロゲン原子によって部分的に若しくは完全に、又は、CN基若しくはNO2 基によって部分的に置換できる。また、これらの置換基R6〜R10に含まれる炭素原子は、-O-, -C(O)-, -C(O)O-, -S-, -S(O)-, -SO2-, -SO3-, -N=, -N=N-,-NR'-, -N(R')2, -PR'-,-P(O)R'-, -P(O)R'-O-, -O-P(O)R'-O-, 及びP(R')2=N-の群から選択した原子、及び/又は、原子団によって置換できる(ここで、R'はC1〜C10の直鎖状若しくは側鎖を有するアルキル基、又はハロゲン原子によって部分的若しくは完全に置換されたアルキル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、非置換若しくは置換されたフェニル基、又は、非置換若しくは置換されたヘテロシクルスを示す)。Zは酸素又は硫黄原子を示し、mは0から6の整数である。]
  3. 使用する塩基が、有機塩基であることを特徴とする、請求項1又は2記載の含フッ素環状エステルの製造方法。
  4. 前記有機塩基が、環状アミンであることを特徴とする、請求項3記載の含フッ素環状エステルの製造方法。
  5. 前記一般式(1)及び(2)中の置換基R1〜R5が、互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い、H原子、C1〜C30の直鎖状又は側鎖を有するアルキル基、C2〜C30の単一若しくは複数の二重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルケニル基、C2〜C30の単一若しくは複数の三重結合を持つ直鎖状又は側鎖を有するアルキニル基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、CN基、又は、NO2 基の何れかを示す、請求項1記載の含フッ素環状エステルの製造方法。
  6. 前記一般式(1)及び(2)中の置換基R1〜R5が、互いに独立していて、同一であっても異なっていても良い、C1〜C20の直鎖状若しくは側鎖を有するアルキル基又はアルコキシ基、飽和又は部分的に若しくは完全に不飽和のシクロアルキル基、又は、アリール基の何れかを示す、請求項1記載の含フッ素環状エステルの製造方法。
JP2008302095A 2008-11-27 2008-11-27 フッ化カルボニルを用いた含フッ素環状エステルの製造方法 Active JP5437622B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008302095A JP5437622B2 (ja) 2008-11-27 2008-11-27 フッ化カルボニルを用いた含フッ素環状エステルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008302095A JP5437622B2 (ja) 2008-11-27 2008-11-27 フッ化カルボニルを用いた含フッ素環状エステルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010126477A true JP2010126477A (ja) 2010-06-10
JP5437622B2 JP5437622B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=42327098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008302095A Active JP5437622B2 (ja) 2008-11-27 2008-11-27 フッ化カルボニルを用いた含フッ素環状エステルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5437622B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012528116A (ja) * 2009-05-28 2012-11-12 ゾルファイ フルーオル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 4−フルオロ−4−r−5−r’−1,3−ジオキソラン−2−オンの調製方法
WO2018179767A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 ダイキン工業株式会社 電解液、電気化学デバイス、リチウムイオン二次電池及びモジュール
KR20190090808A (ko) * 2016-12-05 2019-08-02 바이엘 크롭사이언스 악티엔게젤샤프트 3-치환된 2-비닐페닐 설포네이트의 제조 방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009203225A (ja) * 2008-01-29 2009-09-10 Daikin Ind Ltd 1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートの製造法
JP2012528116A (ja) * 2009-05-28 2012-11-12 ゾルファイ フルーオル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 4−フルオロ−4−r−5−r’−1,3−ジオキソラン−2−オンの調製方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009203225A (ja) * 2008-01-29 2009-09-10 Daikin Ind Ltd 1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートの製造法
JP2012528116A (ja) * 2009-05-28 2012-11-12 ゾルファイ フルーオル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 4−フルオロ−4−r−5−r’−1,3−ジオキソラン−2−オンの調製方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013047626; FAWCETT,F. S.,ET AL.: '"The Chemistry of Carbonyl Fluoride. I. The Fluorination of Organic Compounds"' JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY VOL.84,NO.22, 1962, PP.4275-4285 *

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012528116A (ja) * 2009-05-28 2012-11-12 ゾルファイ フルーオル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 4−フルオロ−4−r−5−r’−1,3−ジオキソラン−2−オンの調製方法
KR20190090808A (ko) * 2016-12-05 2019-08-02 바이엘 크롭사이언스 악티엔게젤샤프트 3-치환된 2-비닐페닐 설포네이트의 제조 방법
KR102546866B1 (ko) 2016-12-05 2023-06-22 바이엘 크롭사이언스 악티엔게젤샤프트 3-치환된 2-비닐페닐 설포네이트의 제조 방법
WO2018179767A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 ダイキン工業株式会社 電解液、電気化学デバイス、リチウムイオン二次電池及びモジュール
CN110383567A (zh) * 2017-03-31 2019-10-25 大金工业株式会社 电解液、电化学器件、锂离子二次电池和组件
JPWO2018179767A1 (ja) * 2017-03-31 2019-11-07 ダイキン工業株式会社 電解液、電気化学デバイス、リチウムイオン二次電池及びモジュール
CN110383567B (zh) * 2017-03-31 2022-08-23 大金工业株式会社 电解液、电化学器件、锂离子二次电池和组件
US11489204B2 (en) 2017-03-31 2022-11-01 Daikin Industries, Ltd. Electrolyte solution, electrochemical device, lithium ion secondary battery and module
US11888122B2 (en) 2017-03-31 2024-01-30 Daikin Industries, Ltd. Electrolyte solution, electrochemical device, lithium ion secondary battery and module

Also Published As

Publication number Publication date
JP5437622B2 (ja) 2014-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5048508B2 (ja) 非対称直鎖状カーボネートの製造方法
JP5437622B2 (ja) フッ化カルボニルを用いた含フッ素環状エステルの製造方法
JP4946864B2 (ja) ジスルホニルフロリド化合物の製造方法
WO2011040497A1 (ja) エーテル構造を有するペルフルオロスルホン酸及びその誘導体の製造方法、並びに含フッ素エーテルスルホン酸化合物及びその誘導体を含む界面活性剤
JP2006219419A (ja) パーフルオロビニルエーテルモノマーの製造法
JP5186910B2 (ja) トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド酸塩の製造方法
JP2011524401A (ja) グリシジルエステルの製造方法
JP3885497B2 (ja) 1,2,4−ブタントリオールの製造方法
JP2006348382A (ja) 電解フッ素化方法
JP4440006B2 (ja) フッ素化カーボナート類とその製造方法
KR102149415B1 (ko) 신규한 베타 셀레닐 케톤 유도체 및 이의 제조방법
EP2888250B1 (en) Process for the synthesis of substituted gamma lactams
TW201533019A (zh) 具有3,3,3-三氟丙酸基之酯及其製造方法
JP6488638B2 (ja) α−フルオロアルデヒド類等価体の製造方法
JP4618781B2 (ja) 新規プロリン誘導体、その製造方法、及びそれを用いた光学活性二級アルコール化合物の製造方法
CN1680241A (zh) 氟卤醚的制备方法
JPWO2005085187A1 (ja) フッ素化合物の製造方法
JP5121346B2 (ja) 光学活性プロリンエステル誘導体およびn−ホルミル光学活性プロリン誘導体の製造方法
JP4030164B2 (ja) テトラハイドロピリジン誘導体及びその製造方法
US6703521B2 (en) Alkyl esters of the 2-(2-fluorosulphonyl)-perfluoroethylenoxy-3-halogen-propionic acid
JP4857984B2 (ja) 含フッ素ジオール及びその誘導体の製造方法
RU2230057C1 (ru) Способ получения фторангидридов полифторированных алкоксипропионовых кислот
JP4364545B2 (ja) 新規なジフルオロテトラヒドロチオフェン1,1−ジオキシド及びその製造方法
TW202315857A (zh) 非對稱線性碳酸酯及其製備方法
JP2010126508A (ja) シクロヘキシル系含フッ素ジオールの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5437622

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250