JP2010114395A - 積層コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部電極とセラミック誘電体層との接続信頼性を向上する積層コンデンサの製造方法を提供する
【解決手段】未焼成セラミック誘電体層110と内部電極用ペーストを印刷してなる未焼成内部電極層120とが積層された未焼成積層体131を貫通する貫通孔132cを形成し、貫通孔内にビア導体用ペーストを充填して未焼成ビア導体140を形成し、未焼成ビア導体と接続された外部電極用ペーストを印刷してなる未焼成外部電極150を形成するに際して、ビア導体用ペースト中の導電性粒子径R、外部電極用ペースト中の導電性粒子径RがR≧Rであり、外部電極用ペーストの剪断速度1s−1における粘度VO(1)、剪断速度100s−1における粘度VO(100)がVO(1)/VO(100)≦100である。
【選択図】図6

Description

本発明は積層コンデンサの製造方法に関する。更に詳しくは、複数のセラミック誘電体層と複数の内部電極層とが交互に積層された構造を有する積層コンデンサの製造方法に関する。
従来、複数のセラミック層と複数の内部電極層とが交互に積層された構造を有する積層コンデンサが知られている。この積層コンデンサの各内部電極層同士は、積層方向に貫通されたビア導体と電気的に接続されると共に、積層コンデンサの外表面に配設された外部電極へと導出されている(特許文献1及び2参照)。そして、この積層コンデンサは外部電極を介して、外部部品(半導体素子など)と電気的に接続されて使用されることとなる。このため、積層コンデンサの各部には、外部部品素子の能力をより効果的に引き出すために高い接続信頼性が求められる。
下記特許文献1には、外部部品との接続信頼性を向上させる目的で、積層コンデンサの外部電極を多段形状とすることが開示されている。一方、下記特許文献2には、積層コンデンサの積層体内におけるビア導体周辺のクラックを防止する目的で、特定量の共素地セラミック粉末を含有することが開示されている。
特開2005−347648号公報 特開2007−081351号公報
上記特許文献1及び2においては、各々の部分における接続信頼性の向上に寄与するものの、近年、積層コンデンサには、益々高い接続信頼性が要求され、更なる接続信頼性の向上が求められている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、積層コンデンサの外部電極とセラミック誘電体層との接続信頼性を従来に比べて更に向上させることができる積層コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下に示す通りである。
(1)一面及び対面を有し、該一面と該対面との間で交互に積層された複数のセラミック誘電体層及び複数の内部電極層と、上記複数の内部電極層同士を電気的に接続したビア導体と、上記一面及び/又は上記対面に配設されると共に上記ビア導体と電気的に接続された外部電極と、を備えた積層コンデンサの製造方法であって、
上記セラミック誘電体層となる未焼成セラミック誘電体層と、内部電極用ペーストを印刷して形成した上記内部電極層となる未焼成内部電極層と、が交互に積層された構造を有する未焼成積層体を形成する工程(以下「未焼成積層体形成工程」という)と、
上記未焼成積層体の上記一面側の表面と上記対面側の表面とを貫通する貫通孔を形成する工程(以下「貫通孔形成工程」という)と、
上記貫通孔内に上記ビア導体となるビア導体用ペーストを充填して未焼成ビア導体を形成する工程(以下「未焼成ビア導体形成工程」という)と、
上記未焼成積層体の上記一面側の表面及び上記対面側の表面のうちの少なくとも一方の表面に、上記未焼成ビア導体と接続された上記外部電極となる外部電極用ペーストを印刷して未焼成外部電極を形成する工程(以下「未焼成外部電極形成工程」という)と、をこの順に備え、
上記内部電極層用ペースト、上記ビア導体用ペースト及び上記外部電極用ペーストは、各々導電性粒子を含有し、
上記ビア導体用ペースト中の導電性粒子の平均粒径をRとし、上記外部電極用ペースト中の導電性粒子の平均粒径をRとした場合に、R≧Rであり、且つ、
上記外部電極用ペーストの剪断速度1s−1における粘度をVO(1)とし、剪断速度100s−1における粘度をVO(100)とした場合に、VO(1)/VO(100)≦100であることを特徴とする積層コンデンサの製造方法。
(2)上記内部電極層用ペースト中の導電性粒子の平均粒径をRとした場合に、R>Rである上記(1)に記載の積層コンデンサの製造方法。
(3)上記ビア導体用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rは、2.0μm≦R≦10.0μmである上記(1)又は(2)に記載の積層コンデンサの製造方法。
(4)外部電極用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rは、1.0μm≦R≦5.0μmである上記(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載の積層コンデンサの製造方法。
(5)上記内部電極層用ペースト中の導電性粒子の平均粒径をRとした場合に、該Rは、0.05μm≦R<1.0μmである上記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の積層コンデンサの製造方法。
(6)剪断速度5s−1における上記内部電極層用ペーストの粘度をVI(5)とし、剪断速度5s−1における上記ビア導体用ペーストの粘度をVV(5)とし、剪断速度5s−1における上記外部電極用ペーストの粘度をVO(5)とした場合に、VI(5)≦VO(5)<VV(5)である上記(1)乃至(5)のうちのいずれかに記載の積層コンデンサの製造方法。
(7)1つの上記未焼成ビア導体の上記未焼成外部電極との接続面積をSとし、1つの該未焼成外部電極の平面面積をSとした場合に、S/S≧1.5である上記(1)乃至(6)のうちのいずれかに記載の積層コンデンサの製造方法。
本発明の積層コンデンサの製造方法によれば、外部電極とセラミック誘電体層との接続信頼性を従来に比べて更に向上させることができる。特に内部電極層の積層数が少ない部位と内部電極層の積層数が多い部位とを有することにより、積層コンデンサ表面に凹凸を生じている場合にも、セラミック誘電体層表面と外部電極との高い密着性を得ることができる。
外部電極用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rに対して、内部電極層用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rが、R>Rである場合は、各ペーストを各対応部位に印刷性よく印刷できると共に、セラミック誘電体層表面と外部電極との間の特に高い密着性を得ることができる。
ビア導体用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rが、2.0μm≦R≦10.0μmである場合は、未焼成ビア導体を印刷により確実に充填できると共に、ビア導体とその周辺との間で特に優れた密着性を得ることができる。
外部電極用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rが、1.0μm≦R≦5.0μmである場合は、未焼成セラミック誘電体層と未焼成外部電極との間に間隙が形成されることを防止しつつ未焼成外部電極を印刷により確実に形成できると共に、焼成後におけるセラミック誘電体層と外部電極との間で特に優れた密着性を得ることができる。
内部電極層用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rが、0.05μm≦R<1.0μmである場合は、未焼成セラミック誘電体層の表面に未焼成内部電極層を印刷性よく形成できると共に、焼成後におけるセラミック誘電体層と内部電極層との間で特に優れた密着性を得ることができる。
剪断速度5s−1における内部電極層用ペーストの粘度VI(5)、剪断速度5s−1におけるビア導体用ペーストの粘度VV(5)、剪断速度5s−1における外部電極用ペーストの粘度VO(5)、がVI(5)≦VO(5)<VV(5)である場合は、各々の導体における各部の密着性をとりわけ高度に得ることができ、積層コンデンサ全体として優れた接続信頼性が得られる。
1つの未焼成ビア導体の未焼成外部電極との接続面積をSとし、1つの未焼成外部電極の平面面積をSとした場合にS/S≧1.5である場合は、
内部電極層の積層数が少ない部位と内部電極層の積層数が多い部位とが混在することで積層コンデンサ表面に凹凸が形成されていたとしても、この凹凸による印刷不具合を防止して、各導体における優れた接続信頼性を得ることができる。
[1]積層コンデンサ
以下、本発明において製造する積層コンデンサを図1〜12を参照して説明する。尚、便宜上、各部の符号として焼成前後で同じ符号を用いる。
本発明の製造方法は、一面100a及び対面100bを有し、該一面100aと該対面100bとの間で交互に積層された複数のセラミック誘電体層110及び複数の内部電極層120と、上記複数の内部電極層120同士を電気的に接続したビア導体140と、上記一面100a及び/又は上記対面100bに配設されると共に上記ビア導体140と電気的に接続された外部電極150と、を備えた積層コンデンサ100にかかる。
上記「積層コンデンサ(100)」(図1参照)は、一面101及び対面100bを有し、該一面100aと該対面100bとの間で交互に積層された複数のセラミック誘電体層110及び複数の内部電極層120と、上記複数の内部電極層120同士を電気的に接続したビア導体140と、上記一面100a及び/又は上記対面100bに配設されると共に上記ビア導体140と電気的に接続された外部電極150と、を備える。
この積層コンデンサ100の概形は特に限定されないが、通常、直方体形状であり、特に板状が好ましい。また、積層コンデンサ100の対面100bは、積層コンデンサ100の一面100aに対向した面であり、これらの面は搭載時(実装時)にいずれの面が上方、下方、又は側方に配置されてもよい。更に、積層コンデンサ100を構成するセラミック誘電体層110、内部電極層120、ビア導体140及び外部電極150は、一体的に同時に焼成して得られる。このうちセラミック誘電体層110と内部電極層120とは各々複数層を備えて交互に積層された構造を含む積層体130(積層コンデンサ100のうちのセラミック誘電体層110と内部電極層120とのみからなる部位)を構成する。更に、ビア導体140は、通常、1つの積層コンデンサ100内に複数備えられ、更には、これらはアレイ状に配置して備えることができる。即ち、ビアアレイ型積層コンデンサとすることができる。
上記「セラミック誘電体層(110)」は、内部電極層120の層間に配置されたセラミックスからなる誘電体層である。このセラミック誘電体層110は、図1に例示するように、通常、焼成により他のセラミック誘電体層同士と一体化されたセラミック誘電体層部となっている。また、このセラミック誘電体層110を構成する誘電体材料はセラミックスであること以外特に限定されないが、通常、チタン酸塩が用いられる。このチタン酸塩としては、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、及びチタン酸ストロンチウム(SrTiO)などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、セラミック誘電体層110の厚さは特に限定されないが、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。このセラミック誘電体層110の総数(積層数)は特に限定されないが、例えば、50〜150層とすることができる。
上記「内部電極層(120)」は、セラミック誘電体層110を介して対向配置される導体層である。この内部電極層120を構成する導電性材料は特に限定されないが、ニッケル、銅、タングステン、金、白金、パラジウム及び銀等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらのなかでは、ニッケルが好ましい。ニッケルは、チタン酸塩等のセラミック誘電材料との同時焼成に適しているからである。尚、内部電極層を構成する導電性材料は、後述する外部電極及びビア導体を構成する導電性材料と、同じであってもよく異なっていてもよいが、各導体同士の密着性及び接合強度の観点から同じであることが好ましい。
また、内部電極層120は、上記導電性材料以外に他の成分を含有できる。他の成分としては、セラミック誘電体層110を構成するセラミックスが挙げられる。即ち、共素地材料である。この共素地材料が含有されることで、内部電極層120とセラミック誘電体層110との焼成後の密着性及び接合強度をより向上させることができる。
また、内部電極層120の形状等は特に限定されないが、その厚さはセラミック誘電体層110よりも薄いことが好ましく、より具体的には、0.5〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。この内部電極層120の総数(積層数)は特に限定されないが、例えば、セラミック誘電体層110と同様に50〜150層とすることができる。
上記「ビア導体(140)」は、複数の内部電極層120同士を電気的に接続した導体である。通常、複数のセラミック誘電体層110と複数の内部電極層120とを積層方向に貫通して配置される。また、ビア導体140の端面は外部電極150と接続される。更に、ビア導体140は、その側面において一部の内部電極層120と電気的に接続されている。このビア導体140を構成する導電性材料は特に限定されないが、前記内部電極層120を構成する導電性材料をそのまま適用できる。
また、ビア導体140は、上記内部電極層120と同様に導電性材料以外に他の成分として共素地材料を含有できる。共素地材料が含有されることで、ビア導体140とセラミック誘電体層110との焼成後の密着性及び接合強度をより向上させることができる。
更に、ビア導体140の各部の大きさは特に限定されないが、その直径は50〜150μmが好ましく、60〜120μmがより好ましく、70〜110μmが更に好ましい。また、ビア導体の総数は特に限定されないが、50本/cm以上とすることができる。更に、複数のビア導体140を備える場合、ビア導体140のピッチ(隣接するビア導体140同士の中心間距離)は200〜1000μmであることが好ましく、300〜600μmであることがより好ましい。
上記「外部電極150」は、積層コンデンサ100の外表面のうちの一面100a及び/又は対面100bに配設されると共にビア導体140と電気的に接続された導体である。この外部電極150は、積層体130の一面100a側及び対面100b側の両方に形成されていてもよく、一面100a側又は対面100b側のいずれか一方にのみ形成されていてもよい。外部電極150は、積層コンデンサ100に対しては外部からの電源供給用端子としてや、グランド接続用端子等として機能させることができる。
この外部電極150の形態は特に限定されず、(1)ビア導体140の数に対応して個別に形成された電極であってもよく(図3参照)、(2)複数のビア導体140に共用された電極であってもよい(図4参照)。上記(1)の形態における各外部電極の平面形状は特に限定されないが、例えば、円形状、楕円形状、四角形状、5角以上の多角形状、及び十字形状等とすることができる。これらの形状は1つの積層コンデンサ内において単用してもよく併用してもよい。更に、上記(2)の形態における外部電極の平面形状も特に限定されないが、例えば、内部電極と同様な他群のビア導体との接続を避けるためのクリアランスホール153を備えたひと続きの形状の電極とすることができる。
また、外部電極150を構成する導電性材料は特に限定されず、前記内部電極層120を構成する導電性材料をそのまま適用できる。更に、外部電極150は、上記内部電極層120と同様に導電性材料以外に他の成分として共素地材料を含有できる。共素地材料が含有されることで、外部電極150とセラミック誘電体層110との焼成後の密着性及び接合強度をより向上させることができる。
更に、外部電極150の外表面(セラミック誘電体層110及びビア導体140と接しない表面)にはめっき層160(図5参照)を備えることができる。このめっき層160は1層のみを備えてもよく2層以上を備えてもよい。めっき層160を備えることで、外部電極150の酸化を防止することができ、はんだに対する濡れ性を向上させることができ、更には、外部電極150表面の低抵抗化を図ることができ、結果的に外部電極150と接続される他の導体との接合性(密着性及び接合強度など)を向上させることができる。
めっき層160(外表面めっき層161)を備える場合、このめっき層160は、導電性材料のみからなることが好ましい。即ち、前記内部電極層120、ビア導体140及び外部電極150等に含むことができる共素地材料が含有されないことが好ましい。このめっき層160(外表面めっき層161)を構成する導電性材料としては、金及び銅が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、2層以上のめっき層(外表面めっき層161及び層間めっき層162)を備える場合(図5参照)、層間めっき層162を構成する導電性材料は、外部電極150を構成する導電性材料と同じであることが好ましい。即ち、例えば、外部電極150の導電性材料としてニッケルが用いられている場合には、層間めっき層162はニッケルめっき層であることが好ましい。特に、外部電極150に共素地材料を含有する場合には、層間めっき層162を備えることが好ましい。層間めっき層162を備えることで外部電極150と外表面めっき層161との密着性を向上させることができ、結果的に、外部電極150と接続される他の導体との接合性(密着性)をより向上させることができる。
そして、積層コンデンサ100を構成する導体である、各内部電極層120、ビア導体140及び外部電極150は、通常、各々互いに電気的に独立した少なくとも2つ以上の群からなる。即ち、例えば、内部電極層120は、第1群の内部電極層121と、第1群の内部電極層121とは絶縁された第2群の内部電極層122と、を有する。同様に、ビア導体140は、第1群のビア導体141と、第1群のビア導体141とは絶縁された第2群のビア導体142と、を有する。更に、外部電極150は、第1群の外部電極151と、第1群の外部電極151とは絶縁された第2群の内部電極層122と、を有する。この電気的に独立した各群は、上記のように2群を備えてもよく、3群以上を備えてもよい。
上記2群よりなる場合について更に具体的に説明すれば、図1〜5等に例示されるように、第1群の内部電極層121、第1群のビア導体141、及び第1群の外部電極151は、互いに電気的に接続されている。また、第2群の内部電極層122、第2群のビア導体142、及び第2群の外部電極152は、互いに電気的に接続されている。そして、第1群の内部電極層121、第1群のビア導体141、及び第1群の外部電極151は、第2群の内部電極層122、第2群のビア導体142、及び第2群の外部電極152と絶縁されている。このうち、第1群の内部電極層121と第2群の内部電極層122とは、互いにセラミック誘電体層110を介して対向配置されることで絶縁されこれによりキャパシタとして機能される。
上記第1群と第2群との絶縁は、例えば、図1〜2に例示される内部電極層においては、第1群のビア導体141と第1群の内部電極層121とは電気的に接続される一方、第1群のビア導体141と第2群の内部電極層122とはクリアランスホール123を介して絶縁することができる。同様に、第2群の内部電極層122と第2群のビア導体142とは電気的に接続される一方、第2群のビア導体142と十分に第1群の内部電極層121とはクリアランスホール123を介して絶縁することができる。
[2]積層コンデンサの製造方法
以下、本発明の積層コンデンサの製造方法について図6〜10を用いて説明する。尚、便宜上、各部の符号として焼成前後で同じ符号を用いる。
本発明の製造方法は、前述のように、未焼成積層体形成工程(P1)と、貫通孔形成工程(P2)と、未焼成ビア導体形成工程(P3)と、未焼成外部電極形成工程(P4)と、をこの順に備える(図6参照)。
尚、以下では、未焼成積層体形成工程(P1)で形成された未焼成積層体を「未焼成第1積層体(131)」、貫通孔形成工程(P2)で未焼成第1積層体に貫通孔が形成されたものを「未焼成第2積層体(132)」、未焼成ビア導体形成工程(P3)で未焼成第2積層体に未焼成ビア導体が形成されたものを「未焼成第3積層体(133)」、未焼成外部電極形成工程(P4)で未焼成第3積層体に未焼成外部電極が形成されたものを「未焼成第4積層体(134)」、各々いうものとする。
上記「未焼成積層体形成工程(P1)」は、セラミック誘電体層110となる未焼成セラミック誘電体層110と、内部電極用ペーストを印刷して形成した内部電極層120となる未焼成内部電極層120と、が交互に積層された構造を有する未焼成積層体130(未焼成第1積層体131)を形成する工程である。
上記「未焼成セラミック誘電体層(110)」は、焼成後にセラミック誘電体層110となる層であり、前記セラミック誘電体層110を構成するセラミック誘電体材料(通常、セラミック粉末として含有される)を含み、形態は、通常、グリーンシートである。この未焼成セラミック誘電体層110の構成は特に限定されないが、通常、前記セラミック誘電体材料と、ビヒクル成分と、を含有する。
このグリーンシートに含まれるセラミック粉末の平均粒径は、0.1μm以上且つ1.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上且つ0.7μm以下であることがより好ましい。この範囲では、後述する各種未焼成導電材(未焼成内部電極層、未焼成ビア導体、及び未焼成外部電極)との相関において、未焼成積層体の形成時の印刷性、焼成時の収縮挙動、及び得られる積層コンデンサの各導体の密着性に特に優れる。
上記「未焼成内部電極層(120)」は、内部電極用ペーストを印刷して形成された層であり、焼成後に内部電極層120となる。また、通常、未焼成内部電極層120は、内部電極用ペーストを未焼成セラミック誘電体層110の表面に印刷して形成される。また、未焼成内部電極層120は、前記内部電極層120において説明したように、一部のビア導体140との絶縁を図るために、クリアランスホール123が形成されるように印刷される。このクリアランスホール123の形状及び大きさは特に限定されないが、キャパシタ性能の観点から十分な絶縁を図れる範囲で可能な限り小さいことが好ましい。特に上記クリアランスホール123の口径H1と、後述するビア導体用の貫通孔の口径H2と、の比(H1/H2)は2以上であることが好ましい。
上記「内部電極用ペースト」は、印刷することで未焼成内部電極層120を形成するペーストである。この内部電極用ペーストは、焼成後に内部電極層120を構成することとなる導電性材料を導電性粒子として含有する。その他、通常、セラミック誘電体層との焼成後の密着性及び接合強度を向上させるための共素地材料(セラミック誘電体層を構成するセラミックスであり、通常、セラミック粉末である)、及び、内部電極用ペーストの性状等の調整のためのビヒクル成分を含有する。
上記導電性粒子(導電性粉末)としては、前記導電性材料として列挙した各種金属を適宜用いることができる。即ち、導電性粒子を構成する金属成分としては、ニッケル、銅、タングステン、金、白金、パラジウム及び銀等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらのなかでは、ニッケルが好ましい。ニッケルは、チタン酸塩等のセラミック誘電材料との同時焼成に適しているからである。
更に、上記共素地材料としては、前記セラミック誘電体層を構成するセラミックスを用いることができ、なかでもチタン酸バリウムが好ましい。
内部電極層用ペーストに含まれる導電性粒子の平均粒径Rは、0.05μm≦R<1.0μmであることが好ましく、0.1μm≦R≦0.6μmであることがより好ましく、0.2μm≦R≦0.4μmであることが更に好ましい。この範囲では、ビア導体用ペースト及び外部電極用ペーストとの相関において、未焼成積層体の形成時の印刷性、焼成時の収縮挙動、及び得られる積層コンデンサの各導体の密着性に特に優れる。
また、内部電極層用ペーストに含まれる共素地材料(セラミック粉末)の平均粒径は、0.05μm以上且つ0.7μm以下であることが好ましく、0.1μm以上且つ0.3μm以下であることがより好ましい。この範囲では、ビア導体用ペースト及び外部電極用ペーストとの相関において、未焼成積層体の形成時の印刷性、焼成時の収縮挙動、及び得られる積層コンデンサの各導体の密着性に特に優れる。
また、上記有機バインダとしては、アクリル系樹脂、アルキルセルロース(エチルセルロース、メチルセルロース)及びニトロセルロース等のセルロース類、ポリメチルメタクリレート等のアクリルエステル系樹脂、ポリビニルブチラール等のブチラール系樹脂、フェノール系樹脂、及びポリエステル系樹脂(アルキド樹脂等)などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記可塑剤は、有機バインダの種類に応じて適宜選択することが好ましい。
更に、溶剤としては、ケトン系溶剤(アセトン及びメチルエチルケトン等)、炭化水素系溶剤(シクロヘキサン及びトルエン等)、1価アルコール(ターピネオール及びブチルカルビトール等)、並びに多価アルコール(エチレングリコール及びジエチレングリコール等)などが挙げられる。これらの溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
内部電極層用ペーストを構成する各成分の含有量は特に限定されないが、例えば、無機成分(導電性粒子及び共素地材料)とビヒクル成分(有機バインダ、可塑剤及び溶剤)が含有される場合、これらのペースト全体を100体積%とした場合に、通常、無機成分は5〜20体積%(好ましくは7.5〜18体積%)の範囲で含有され、更に、導電性粒子は4〜17体積%(好ましくは6〜16体積%)であり、共素地材料は0.8〜3.5体積%(好ましくは1〜3体積%)であることが好ましい。一方、ビヒクル成分は80〜95体積%(好ましくは82〜92.5体積%)の範囲で含有され、更に、このうち有機バインダは1.5〜10体積%が好ましい。これらの範囲ではビア導体用ペースト及び外部電極用ペーストとの相関において、未焼成積層体の形成時の印刷性、焼成時の収縮挙動、及び得られる積層コンデンサの各導体の密着性に特に優れる。
尚、この内部電極用ペーストの粘度等については、他のペーストと共に後述する。
上記「未焼成積層体(130)」は、前述の未焼成第1積層体131である。この未焼成第1積層体131は、前記未焼成セラミック誘電体層110と、前記未焼成内部電極層120と、が交互に積層された構造を有する。そして、この未焼成第1積層体131は、その後、未焼成第2積層体132、未焼成第3積層体133及び未焼成第4積層体134を経た後、更に、焼成されて積層コンデンサ100となる。
未焼成第1積層体131の形成方法は特に限定されず種々の方法で行うことができる。即ち、例えば、図7に例示されるように、(1)複数の未焼成セラミック誘電体層110の各々の表面に未焼成内部電極層120を印刷形成した後、この未焼成内部電極層120が設けられた各未焼成セラミック誘電体層110を一括積層して未焼成第1積層体131を形成することができる。
また、図8に例示されるように、(2)1つの未焼成セラミック誘電体層110の一面に未焼成内部電極層120を印刷形成した後、形成した未焼成内部電極層120を覆うように、他の未焼成セラミック誘電体層110を積層し、次いで、他の未焼成セラミック誘電体層110の表面に更に未焼成内部電極層120を印刷形成するという工程を繰り返して未焼成第1積層体131を形成することができる。
これらの方法はいずれか一方のみを用いてもよく、2つの方法を併用してもよい。
上記「貫通孔形成工程(P2)」は、未焼成第1積層体132の一面132a及び対面132bの間を貫通する貫通孔132cを形成する工程である。この貫通孔形成工程により未焼成第2積層体132(未焼成ビア導体140が充填されていない貫通孔132cを有する未焼成積層体)が得られる。貫通孔132cの形成方法は特に限定されず、パンチングによる穿孔であってもよく、レーザーによる穿孔であってもよく、これらの併用であってもよい。更に、その他の方法を用いることもできる。
また、形成する貫通孔132cの口径は特に限定されるものではないが、通常、50μm以上であり、特に貫通孔132cの口径(即ち、未焼成ビア導体の外径)が70〜140μmである場合には、本発明の製造方法を用いることによる密着性向上効果をより顕著に得ることができる。この口径は85〜130μmであることがより好ましい。
上記「未焼成ビア導体形成工程(P3)」は、貫通孔132c内にビア導体140となるビア導体用ペーストを充填して未焼成ビア導体140を形成する工程である。この未焼成ビア導体形成工程により未焼成第3積層体133(未焼成ビア導体140を有し且つ外部電極150を有さない未焼成積層体)が得られる。
上記ビア導体用ペーストを貫通孔132cへ充填する方法は特に限定されず、印刷(スクリーン印刷等)により充填してもよく、ディスペンサーにより充填してもよく、これらの方法を併用してもよい。更に、その他の方法を用いることもできる。
上記「ビア導体用ペースト」は、貫通孔132cに充填することで未焼成ビア導体140を形成するペーストである。このビア導体用ペーストは、焼成後にビア導体140を構成することとなる導電性材料を導電性粒子として含有する。その他、セラミック誘電体層との焼成後の密着性及び接合強度を向上させるための共素地材料(セラミック誘電体層を構成するセラミックスであり、通常、セラミック粉末である)、及び、ビア導体用ペーストの性状等の調整のためのビヒクル成分を含有する。
上記導電性粒子(導電性粉末)としては、前記内部電極層用ペーストにおける導電性材粒子をそのまま適用できる。
このビア導体用ペーストに含まれる導電性粒子の平均粒径Rは、2.0μm≦R≦10.0μmであることが好ましく、2.0μm≦R≦7.5μmであることがより好ましく、2.0μm≦R≦5.0μmであることが更に好ましい。この範囲では、内部電極層用ペースト及び外部電極用ペーストとの相関において、未焼成積層体の形成時の充填性、印刷性、焼成時の収縮挙動、及び得られる積層コンデンサの各導体の密着性に特に優れる。
また、ビア導体用ペーストに含まれる共素地材料(セラミック粉末)の平均粒径は、0.1μm以上且つ1.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上且つ0.7μm以下であることがより好ましい。この範囲では、内部電極層用ペースト及び外部電極用ペーストとの相関において、未焼成積層体の形成時の充填性、印刷性、焼成時の収縮挙動、及び得られる積層コンデンサの各導体の密着性に特に優れる。
ビア導体用ペーストを構成する各成分の含有量は特に限定されないが、例えば、無機成分(導電性粒子及び共素地材料)とビヒクル成分(有機バインダ、可塑剤及び溶剤)が含有される場合、これらのペースト全体を100体積%とした場合に、通常、無機成分は30〜70体積%(好ましくは40〜60体積%)の範囲で含有され、更に、導電性粒子は20〜50体積%(好ましくは25〜45体積%)であり、共素地材料は8〜25体積%(好ましくは10〜20体積%)であることが好ましい。一方、ビヒクル成分は30〜70体積%(好ましくは40〜60体積%)の範囲で含有され、更に、このうち有機バインダは3.5〜15体積%が好ましい。
尚、このビア導体用ペーストの粘度等については、他のペーストと共に後述する。
上記「未焼成外部電極形成工程(P4)」は、一面及び対面のうちの少なくとも一方の面に、外部電極用ペーストを印刷して未焼成ビア導体と接続された外部電極となる未焼成外部電極を形成する工程である。この未焼成外部電極形成工程により未焼成第4積層体134(未焼成ビア導体140及びこれに接続された未焼成外部電極150を有する未焼成積層体)が得られる。
この工程で形成する未焼成外部電極の形態は特に限定されず、前記積層コンデンサ100における外部電極の形状として説明した各種形態及び形状をそのまま適用できる。
上記「未焼成外部電極(150)」は、外部電極用ペーストを印刷して形成された層であり、焼成後に外部電極層150となる。また、通常、未焼成内部電極層120は、内部電極用ペーストを未焼成セラミック誘電体層110の表面に印刷して形成される。
上記「外部電極用ペースト」は、印刷することで未焼成外部電極150を形成するペーストである。この外部電極用ペーストは、焼成後に外部電極層150を構成することとなる導電性材料を導電性粒子として含有する。その他、セラミック誘電体層との焼成後の密着性及び接合強度を向上させるための共素地材料(セラミック誘電体層を構成するセラミックスであり、通常、セラミック粉末である)、及び、外部電極用ペーストの性状等の調整のためのビヒクル成分を含有する。
上記導電性粒子(導電性粉末)としては、前記内部電極層用ペーストにおける導電性材粒子をそのまま適用できる。
この外部電極用ペーストに含まれる導電性粒子の平均粒径Rは、1.0μm≦R≦5.0μmであることが好ましく、1.3μm≦R≦4.0μmであることがより好ましく、1.5μm≦R≦3.0μmであることが更に好ましい。この好ましい範囲では、内部電極層用ペースト及びビア導体用ペーストとの相関において、未焼成積層体の形成時の印刷性、焼成時の収縮挙動、及び得られる積層コンデンサの各導体の密着性に特に優れる。
特に外部電極用ペースト中の導電性粒子は、平均粒径が異なる2種以上(2種がより好ましい)の導電性粒子を用いることができる。この場合、平均粒径RO1が2.0≦RO1≦3.0μmである大径の導電性粒子と、平均粒径RO2が1.0≦RO1≦1.5μmである小径の導電性粒子と、を混合し、全体としての平均粒径を上記範囲におさめて用いることがとりわけ好ましい。この好ましい範囲では、未焼成外部電極内に占める無機成分量を十分に維持しつつも優れた印刷性を確保できるために、焼成収縮を抑制できクラックの発生を防止できる。
また、外部電極用ペーストに含まれる共素地材料(セラミック粉末)の平均粒径は、0.05μm以上且つ0.7μm以下であることが好ましく、0.1μm以上且つ0.3μm以下であることがより好ましい。この範囲では、内部電極層用ペースト及びビア導体用ペーストとの相関において、未焼成積層体の形成時の印刷性、焼成時の収縮挙動、及び得られる積層コンデンサの各導体の密着性に特に優れる。
外部電極用ペーストを構成する各成分の含有量は特に限定されないが、例えば、無機成分(導電性粒子及び共素地材料)とビヒクル成分(有機バインダ、可塑剤及び溶剤)が含有される場合、これらのペースト全体を100体積%とした場合に、通常、無機成分は15〜30体積%(より好ましくは18〜25体積%)の範囲で含有さ
れ、更に、導電性粒子は10〜25体積%(より好ましくは12〜18体積%)であり、共素地材料は4〜12体積%(より好ましくは4〜10体積%)であることが好ましい。一方、ビヒクル成分は70〜85体積%(より好ましくは72.5〜82.5体積%)の範囲で含有され、更に、このうち有機バインダは7〜18体積%が好ましい。
尚、この外部電極用ペーストの粘度等については、他のペーストと共に後述する。
この未焼成外部電極形成工程(P4)において形成する未焼成外部電極の大きさ及び形状等は前記外部電極とすることができればよく、特に限定はされないものの、1つの未焼成ビア導体の未焼成外部電極との接続面積をSとし、1つの未焼成外部電極の平面面積をSとした場合に、S/S≧1.5となる大きさで形成することが好ましい(図10参照)。
即ち、通常、未焼成外部電極150は、未焼成ビア導体140との接触面積を最大限得るために、未焼成ビア導体140の端面の全面と接触されるため、面積Sは未焼成ビア導体140の端面面積に等しい。また、面積Sは、未焼成外部電極150が追従している未焼成積層体表面の凹凸形態に関係なく、積層方向から未焼成外部電極150を平面視した場合の面積である。
特に図3に例示されるように、1つのビア導体に対応した1つの外部電極を有する形態を有する場合には、このS/Sは、1.5≦S/S≦30がより好ましく、2.0≦S/S≦25が更に好ましい。上記範囲内では、外部電極がビアを確実に覆うことができ、セラミック誘電体層との密着性に特に優れた外部電極を得ることができる。
より具体的には、Sは、0.003mm≦S≦0.53mmであることが好ましく、0.003mm≦S≦0.48mmであることがより好ましく、0.004mm≦S≦0.44mmであることが更に好ましい。一方、Sは、0.0020mm≦S≦0.018mmであることが好ましく、0.0024mm≦S≦0.014mmであることがより好ましく、0.0028mm≦S≦0.011mmであることが更に好ましい。
前述のように、従来の製造方法では、図12に示すように、間隙20を生じてしまう場合があり、より高い接続信頼性が求められている。この間隙20を生じる原因は、前述の凹凸、即ち、図6(図6においては分かり易さのために凹凸の大きさを誇張して示している。図5、9及び12においても同様。)に示されるように、未焼成第1積層体131の積層方向に生じる厚みの差に起因するものと考えられる。未焼成第1積層体131には、積層方向により密に未焼成内部電極層120が積層された領域Xと、この部分に比べてより粗に未焼成内部電極層120が積層された領域Xと、を有する。このため、未焼成第1積層体131の外表面のうちより密に未焼成内部電極層120が積層された領域Xは凸形状となり、より粗に未焼成内部電極層120が積層された領域Xは凹形状となり、凹凸が形成されることとなる(図7及び図8においても図示されないが、上記凹凸が形成される)。
上記凹凸の大きさは特に限定されないが、例えば、この凹凸の最大高低差(図5における符号T)が3〜25μmである場合には本発明の方法を用いることによる効果がより得られ易く、ビア導体140及びセラミック誘電体層110と外部電極150との間の密着性を顕著に向上させ易い。
即ち、本方法のように、ビア導体用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rと、外部電極用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rとを、R≧Rとし、且つ、外部電極用ペーストの剪断速度1s−1における粘度VO(1)と、剪断速度100s−1における粘度VO(100)とを、VO(1)/VO(100)≦100とすることにより、上記間隙20の形成を防止できる。
即ち、上記相関を有する各導電性ペーストを利用することで、内部電極層用ペースト、外部電極層ペースト及びビア導体用ペーストとの相関において、未焼成積層体の形成時の印刷性(レベリング性等を含む)、焼成時の収縮挙動、及び得られる積層コンデンサの各導体の密着性の各特性を向上させることができる。
特に、外部電極用ペーストの前記凹凸に対する追従性は、平均粒径がより小さい導電性粒子を利用することで対応できる場合がある。しかし、この小径化に伴う外部電極用ペーストの粘度増加を抑えるために添加する溶剤が増加し、印刷面となる未焼成セラミック誘電体層に対する影響が大きくなるという問題がある。これに対して、外部電極用ペーストに含まれる導電性粒子の平均粒径を上記の比較的大きな範囲で使用した場合には、未焼成セラミック誘電体層に対する問題も生じることなく、印刷性及び焼成収縮挙動を好適な範囲に制御することができる。更に、未焼成外部電極と未焼成ビア導体との間の密着性も十分に得られると共に、得られる積層コンデンサ表面(表面近傍)に外部電極の適度な焼成収縮により生じる残留圧縮応力を生じさせることができ、積層コンデンサ全体の機械的強度を向上させることができる。
加えて、形成する未焼成外部電極150の大きさが大きいほど、ビア導体140及びセラミック誘電体層110と外部電極150との間の密着性を顕著に向上させ易い。即ち、図3に示すような各個別のビア導体140に対応した外部電極150の形成に用いるよりも、図4に示すような複数のビア導体140に対応して共用される外部電極150の形成に用いる方が、ビア導体140及びセラミック誘電体層110と外部電極150との間の密着性を顕著に向上させ易い。
より具体的には、1つの未焼成ビア導体140の未焼成外部電極150との接続面積をSとし、1つの未焼成外部電極150の平面面積をSとした場合に、S/S≧1.5である未焼成外部電極を形成する場合に、本発明の製造方法を用いることによる効果をより顕著に得易い。このS/Sは、1.5≦S/S≦30がより好ましく、1.7≦S/S≦27が更に好ましく、2.0≦S/S≦25が特に好ましい。
更に、ビア導体用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rと、外部電極用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rとは、R≧Rの関係を満たせばよいが、更に、1.0≦R/R≦10であることが好ましく、1.0≦R/R≦5であることがより好ましく、特に1.1≦R/R≦3であることが好ましい。好ましい範囲では、各導体(内部電極層、ビア導体及び外部電極)同士の焼成収縮マッチングを取ることができ、クラックや剥離等の問題発生をより確実に抑制できる。
また、外部電極用ペーストの剪断速度1s−1における粘度VO(1)と、剪断速度100s−1における粘度VO(100)とは、VO(1)/VO(100)≦100を満たせばよいが、0.1≦VO(1)/VO(100)≦50であることが好ましく、0.25≦VO(1)/VO(100)≦45であることがより好ましく、0.5≦VO(1)/VO(100)≦40であることが特に好ましい。好ましい範囲では、未焼成積層体の表面の凹凸への追従性により優れた外部電極用ペーストを得ることができる。なかでも、VO(1)/VO(100)がより小さい範囲では、1≦VO(1)/VO(100)≦18であることが更に好ましく、1≦VO(1)/VO(100)≦5であることが特に好ましい。一方、VO(1)/VO(100)がより大きい範囲では、20≦VO(1)/VO(100)≦40であることが更に好ましく、20≦VO(1)/VO(100)≦30であることが特に好ましい。これらのうちでは、VO(1)/VO(100)がより小さい上記範囲がとりわけ好ましい。
尚、本明細書における各種粘度はいずれも温度25℃における粘度であり、回転型粘度計の測定方法に従うものとする。
より具体的には、VO(1)は、100Pa・s≦VO(1)≦1000Pa・sであることが好ましく、100Pa・s≦VO(1)≦400Pa・sであることがより好ましく、150Pa・s≦VO(1)≦300Pa・sであることが更に好ましい。一方、VO(100)は、10Pa・s≦VO(100)≦500Pa・sであることが好ましく、30Pa・s≦VO(100)≦200Pa・sであることがより好ましく、40Pa・s≦VO(100)≦100Pa・sであることが更に好ましい。
更に、外部電極用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rと、内部電極層用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rとは、R>Rとすることが好ましく、1.1≦R/R≦100がより好ましく、1.5≦R/R≦50が更に好ましく、3≦R/R≦30が特に好ましい。好ましい範囲では、各導体(内部電極層、ビア導体及び外部電極)同士の焼成収縮マッチングを取ることができ、クラックや剥離等の問題発生をより確実に抑制できる。
更に、剪断速度5s−1における内部電極層用ペーストの粘度VI(5)と、剪断速度5s−1におけるビア導体用ペーストの粘度VV(5)と、剪断速度5s−1における外部電極用ペーストの粘度VO(5)とは、VI(5)≦VO(5)<VV(5)であることが好ましい。好ましい範囲では、より信頼性の高いコンデンサを作製できる。
より具体的には、VI(5)は、5Pa・s≦VI(5)≦30Pa・sが好ましく、6Pa・s≦VI(5)≦23Pa・sがより好ましく、7Pa・s≦VI(5)≦15Pa・sが更に好ましい。また、VO(5)は、100Pa・s≦VO(5)≦300Pa・sが好ましく、120Pa・s≦VO(5)≦270Pa・sがより好ましく、150Pa・s≦VO(5)≦250Pa・sが更に好ましい。更に、VV(5)は、500Pa・s≦VV(5)≦10,000Pa・sが好ましく、800Pa・s≦VV(5)≦7,000Pa・sがより好ましく、1,000Pa・s≦VV(5)≦5,000Pa・sが更に好ましい。
更に、内部電極層用ペースト、外部電極用ペースト及びビア導体用ペーストの各々に、前記共素地材料が含有される場合、内部電極層用ペーストに占める共素地材料の体積割合をC(体積%)とし、外部電極用ペーストに占める共素地材料の体積割合をC(体積%)とし、ビア導体用ペーストに占める共素地材料の体積割合をC(体積%)とした場合に、C<C≦Cvであり且つ0.2≦C/C≦1.0であることが好ましい。
未焼成積層体内における各部1つ1つの積層方向の厚みは、通常、未焼成内部電極層<未焼成外部電極<未焼成ビア導体の順に大きく、積層方向の焼成収縮もこの順に大きくなる。このため未焼成外部電極及び未焼成ビア導体内の共素地材料の含有量を、未焼成内部電極層内の共素地材料の含有量より多くすることで、未焼成セラミック誘電体層との焼成収縮挙動をより巧く合わせ込むことができ、焼成後のクラックや剥がれ等をより効果的に抑制できる。
より具体的には、Cは、0.8体積%≦C≦3.5体積%が好ましく、1.0体積%≦C≦3.0体積%がより好ましい。Cは、4.0体積%≦C≦12.0体積%が好ましく、4.0体積%≦C≦10.0体積%がより好ましい。Cは、8.0体積%≦C≦25.0体積%が好ましく、10.0体積%≦C≦20.0体積%がより好ましい。
[3]キャパシタ内蔵配線基板用の積層コンデンサ
本発明の方法により得られる積層コンデンサは、そのまま1つの部品として用いてもよいが、キャパシタ内蔵配線基板用の積層コンデンサ(基板内蔵用積層コンデンサ)としてとりわけ好適である。
キャパシタ内蔵配線基板10は、通常、基板コア部20と、基板コア部20内に収容されたキャパシタ部21(前記積層コンデンサ100が内蔵されてなる)と、半導体素子90を搭載可能であり且つ少なくともキャパシタ部21上に積層されたビルドアップ部30と、を備える。
上記「基板コア部(20)」は、キャパシタ部21を収容し、配線基板10全体を支持するコアとなる部位である。基板コア20は、単なる板状体であってもよいが、通常、キャパシタ部21を収容する収容部201を有する。収容部201は、基板コア部20に設けられた貫通孔及び/又は有底穴を利用できる。基板コア20を構成する材料は特に限定されないが、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の耐熱性を有する高分子材料を用いることが好ましい。更に、より優れた強度及びより優れた熱特性を得るためのガラス繊維、ガラス繊維織布、ガラス繊維不織布、ポリアミド繊維、ポリアミド繊維不織布、ポリアミド繊維織布等を芯材として有していてもよい。
基板コア20には、図11に例示するように、その上面側20aと下面側20bとを導通するスルーホール導体202を設けることができる。スルーホール内はスルーホール導体以外の部分は導体により充填してもよいが、絶縁性硬化体203で閉塞できる。
上記「キャパシタ部21」は、基板コア部20内に本発明の方法により得られた積層コンデンサ100が収容されてなるキャパシタである。このキャパシタ部21は、通常、基板コア20内に収容された状態で、エポキシ樹脂等の樹脂材料などの充填剤204によって収容部201内に固定される(図11参照)。
上記「ビルドアップ部30」は、基板コア20上及び基板コア20に収容されたキャパシタ部21上に積層された部位であって、導体層(31a及び31b)と層間絶縁層(32a及び32b)とを交互に積層して形成されると共に、最外層には、通常、レジスト層(321a及び321b)を備える部位である。
このビルドアップ部30(30a及び30b)は、配線基板10の一面側にのみ備えてもよいが、通常、両面側に備え、更には、対象形状に備えることが好ましい。一般に、キャパシタ内蔵配線基板10の半導体素子90側の接続端子311aの端子間ピッチと、キャパシタ内蔵配線基板10のマザーボード側の接続端子311bの端子間ピッチとには大きな差がある。このため、ビルドアップ部30(30a及び30b)を設けることで、ビルドアップ部30(30a及び30b)内でピッチを自在に調整して配線基板10の上面側(半導体素子搭載側)から下面側(マザーボード搭載側)へ異なる端子間ピッチの出力を行うことができる(図11参照)。
また、ビルドアップ部30(30a及び30b)の層間絶縁層32(32a及び32b)を構成する材料は特に限定されないが、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の耐熱性を有する高分子材料を用いることが好ましい。
更に、ビルドアップ部30(30a及び30b)を構成する導体層31(31a及び31b)は、必要に応じて他層の導体層とビア等を通じて導通をとることができる。ビアを用いる場合には、各ビアの直上を避けて接続する非スタックドビア方式(各ビアはフィルドビアであってもよく、コンフォーマルビアであってもよい)で積層してもよく、各ビアの直上にビアを形成するスタックドビア方式(各ビアは、通常、フィルドビアである)で積層してもよい。また、この各ビアの形式は上面側ビルドアップ部30aと下面側ビルドアップ部30bとで同じものとしてもよく、異なるものとしてもよい。
以下、本発明を実施例によりより詳細に説明する。
[1]積層コンデンサの製造
(1)未焼成セラミック誘電体層となるグリーンシートの調製
チタン酸バリウム粉末(平均粒径0.5μm)、有機バインダ及び可塑剤を、エタノール及びトルエンの混合溶媒中で湿式混合した。その後、バインダを添加して更に混合し、得られたスラリーをドクターブレード法により厚さ7μmのシート状に成形して未焼成セラミック誘電体層となるグリーンシートを製造した。
(2)外部電極用ペーストの調製
〈2−1〉実施例1の外部電極用ペースト
外部電極用ペーストの導電性粒子として、平均粒径RO1が2.5μmである第1ニッケル粉末と、平均粒径RO2が1.0μmである第2ニッケル粉末とを体積割合75%:25%で混合して、平均粒径R(粒度分布におけるD50)が約2.0μmである混合ニッケル粉末を得た。得られた混合ニッケル粉末と、共素地粉末(チタン酸バリウム粉末、平均粒径0.1μm)と、ビヒクル成分と、を体積割合16%:8%:76%で、湿式混合して、粘度比VO(1)/VO(100)≦100(VO(1)/VO(100)=5、VO(1)=350Pa・s、VO(100)=70Pa・s、VO(5)=200Pa・s)である外部電極用ペースト(実施例1)を得た。
〈2−2〉比較例1の外部電極用ペースト
外部電極用ペーストの導電性粒子として、平均粒径RO1が0.4μmである第1ニッケル粉末と、平均粒径RO2が1.0μmである第2ニッケル粉末とを体積割合50%:50%で混合して、平均粒径R(粒度分布におけるD50)が約0.8μmである混合ニッケル粉末を得た。得られた混合ニッケル粉末と、共素地粉末(チタン酸バリウム粉末、平均粒径0.1μm)と、ビヒクル成分と、を体積割合30%:10%:60%で、混合溶媒中で湿式混合して、粘度比VO(1)/VO(100)>100(VO(1)/VO(100)=125、VO(1)=500Pa・s、VO(100)=4Pa・s、VO(5)=150Pa・s)である外部電極用ペースト(比較例1)を得た。
(3)内部電極用ペーストの調製
内部電極用ペーストの導電性粒子{平均粒径Rが0.2μmであるニッケル粉末}と、共素地粉末(チタン酸バリウム粉末、平均粒径0.1μm)と、ビヒクル成分と、を体積割合12%:3%:85%で、湿式混合して内部電極用ペースト(VI(5)=11Pa・s)を得た。
(4)ビア導体用ペーストの調製
ビア導体用ペーストの導電性粒子{平均粒径Rが2.5μmであるニッケル粉末}と、共素地粉末(チタン酸バリウム粉末、平均粒径0.5μm)と、ビヒクル成分と、を体積割合40%:16%:44%で、湿式混合してビア導体用ペースト(VV(5)=2500Pa・s)を得た。
尚、本明細書における各ペーストの粘度は、以下の測定及び換算によるものである。即ち、内部電極用ペーストの粘度{VI(5)}は、共軸二重円筒型粘度計(HAAKE社製)を用いて温度25℃において剪断速度5〜500s−1の範囲で測定して得られた剪断速度5s−1における粘度値である。また、外部電極用ペーストの粘度{VO(1)、VO(5)、VO(100)}は、前記共軸二重円筒型粘度計を用いて温度25℃において剪断速度1〜100s−1の範囲で測定した時に得られた各剪断速度における粘度値である。更に、ビア電極用ペーストの粘度{VV(5)}は、B型粘度計にTバー型スピンドルを用いて、1s−1以下の低剪断速度領域において測定した粘度値をプロットした近似曲線上の剪断速度5s−1における粘度値である。
(5)未焼成積層体形成工程(P1)
上記(1)で得られたグリーンシート(未焼成セラミック誘電体層)の表面に、上記(3)で得られた内部電極用ペーストをスクリーン印刷により図2(a)及び図2(b)に対応した形状となるように各グリーンシートに印刷した。この際には、未焼成内部電極層120のクリアランスホール123の口径は約400μmとした。
その後、未焼成内部電極層が形成された各未焼成セラミック誘電体層100〜150枚を圧着(60〜80℃、約300kgf/cm)積層して、未焼成第1積層体131を得た(図8参照)。
得られた未焼成第1積層体131は厚さが約1200μmであり、未焼成第1積層体131に生じた前記凹凸(未焼成状態における図5の「T」に相当する)は10〜20μm(無作為に選択した10個の凹部について表面粗さ計により測定した平均値)であった。
(6)貫通孔形成工程(P2)
上記(5)で得られた未焼成第1積層体131に、レーザー成形機を用いて、口径約120μmのビアホール132cを450〜700μmピッチで穿孔して、未焼成第2積層体132を得た。
(7)未焼成ビア導体形成工程(P3)
上記(6)までに得られた未焼成第2積層体132のビアホール132c内に、上記(3)で得られたビア導体用ペーストをスクリーン印刷により充填して、未焼成ビア導体140が形成された未焼成第3積層体133を得た。
(8)未焼成外部電極形成工程(P4)
上記(7)までに得られた未焼成第3積層体133の表面に、上記(2)で得られた実施例1の外部電極用ペーストと、比較例1の外部電極用ペーストと、を各々スクリーン印刷して、図3に示す形状となる未焼成外部電極150が形成された未焼成第4積層体134を各々得た。得られた未焼成外部電極150の未焼成ビア導体140と未焼成外部電極150との接続面積Sは0.00785mmであり、未焼成外部電極の平面面積Sは0.1256mmであった。即ち、S/S=16であり、S/S≧1.5を満たした。上記面積S及び上記面積Sは、各々光学測定装置により測定した直径から求めた面積の平均値である。
その後、この未焼成第4積層体134に形成された未焼成外部電極150について、下記[2]に示す評価方法により、未焼成外部電極150がその直下の未焼成セラミック誘電体層110から剥離している部位が有るか無いかを観察した。
(9)焼成工程
上記(8)までに得られた実施例1及び比較例1の各未焼成第4積層体134を(パネル状のまま)、大気中250〜300℃で10〜20時間脱脂した後、還元雰囲気下1200〜1300℃で焼成し、実施例1の外部電極用ペーストを用いて得られた積層コンデンサ(実施例1)と、比較例の外部電極用ペーストを用いて得られた積層コンデンサ(比較例1)と、を各々50個づつ得た。
[2]評価
(1)未焼成外部電極の剥がれ評価
上記[1](8)で得られた実施例1の未焼成第4積層体(5個)と、比較例1の未焼成第4積層体(5個)と、の表面の未焼成外部電極150を光学顕微鏡により100倍に拡大して撮影して得られたデジタル画像を用い、未焼成外部電極150と未焼成セラミック誘電体層110との界面での剥離の兆候であるクラック(ヒビ割れ)の各不具合の有無を各未焼成第4積層体の全数について確認した。そして、これらの不具合を生じている個体(1つでも生じた固体は加算)の個数を換算した。その結果、未焼成第4積層体5個に対して、上記不具合を生じている個体の個数が0個である場合は「○」と評価し、その個数が1個以上である場合は「×」と評価し、表1に記載した。
その結果、実施例1の未焼成第4積層体は「○」である一方、比較例1の未焼成第4積層体は「×」であった。
(2)外部電極の密着性の評価
上記[1](9)で得られた実施例1の積層コンデンサ(20個)と、比較例1の積層コンデンサ(20個)と、を超音波探傷により外部電極150とセラミック誘電体層110との界面での密着不足による隙間等の不良の有無を評価し、不良有りと判断された箇所については断面研磨し、その断面を観察した。そして、これらの不具合を生じている個体(1つでも生じた固体は加算)の個数を換算した。その結果、積層コンデンサ20個に対して、上記不具合を生じている個体の個数が0個である場合は「○」と評価し、その個数が1個以上である場合は「×」と評価し、表1に記載した。
その結果、実施例1の積層コンデンサは「○」である一方、比較例1の積層コンデンサは「×」であった。
Figure 2010114395
尚、本発明においては、上記の具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
積層コンデンサの概略断面図である。 積層コンデンサの内部電極層の一例を説明する概略平面図であり、(a)は第1群の内部電極層を表し、(b)は第2群の内部電極層を表す。 外部電極の一例の平面形状を説明する概略平面図である。 外部電極の他例の平面形状を説明する概略平面図である。 外部電極の一例の断面形状を説明する概略拡大断面図である。 本発明の製造方法における各工程を説明する説明図である。 未焼成積層体形成工程の一例の工程を説明する説明図である。 未焼成積層体形成工程の他例の工程を説明する説明図である。 片面にのみ貫通したビア導体を備える積層コンデンサの製造方法を説明する説明図である。 未焼成ビア導体と未焼成外部電極との接続面積Sと、未焼成外部電極の平面面積Sとを説明する説明図である。 積層コンデンサを内蔵したキャパシタ内蔵配線基板の一例を示す概略断面図である。 従来における未焼成外部電極近傍における問題を説明する概略拡大断面図である。
符号の説明
100;積層コンデンサ(未焼成積層コンデンサ)、101;一面、102;対面、110;セラミック誘電体層(未焼成積層セラミック誘電体層)、120;内部電極層(未焼成積層内電極層)、121;第1群の内部電極層、122;第2群の内部電極層、130;積層体(未焼成積層体)、140;ビア導体(未焼成ビア導体)、150;外部電極(未焼成外部電極)、めっき層;160、外表面めっき層161、層間めっき層162、10;キャパシタ内蔵配線基板、20;基板コア、201;収容部、204;充填剤、202;スルーホール導体、203;硬化体、21;キャパシタ部(積層コンデンサ100)、30;ビルドアップ部、30a;上面側ビルドアップ部、30b;下面側ビルドアップ部、31a及び31b;導体層、311a及び311b;接続端子(キャパシタ内蔵配線基板表面の接続端子)、32a及び32b;層間絶縁層、321a及び321b;ソルダーレジスト層、40;接続端子群、90;半導体素子。

Claims (7)

  1. 一面及び対面を有し、該一面と該対面との間で複数のセラミック誘電体層を介して交互に積層された複数の内部電極層と、上記複数の内部電極層同士を電気的に接続したビア導体と、上記一面及び/又は上記対面に配設されると共に上記ビア導体と電気的に接続された外部電極と、を備えた積層コンデンサの製造方法であって、
    上記セラミック誘電体層となる未焼成セラミック誘電体層と、内部電極用ペーストを印刷して形成した上記内部電極層となる未焼成内部電極層と、が交互に積層された構造を有する未焼成積層体を形成する工程と、
    上記未焼成積層体の上記一面側の表面と上記対面側の表面とを貫通する貫通孔を形成する工程と、
    上記貫通孔内に上記ビア導体となるビア導体用ペーストを充填して未焼成ビア導体を形成する工程と、
    上記未焼成積層体の上記一面側の表面及び上記対面側の表面のうちの少なくとも一方の表面に、上記未焼成ビア導体と接続された上記外部電極となる外部電極用ペーストを印刷して未焼成外部電極を形成する工程と、をこの順に備え、
    上記内部電極層用ペースト、上記ビア導体用ペースト及び上記外部電極用ペーストは、各々導電性粒子を含有し、
    上記ビア導体用ペースト中の導電性粒子の平均粒径をRとし、上記外部電極用ペースト中の導電性粒子の平均粒径をRとした場合に、R≧Rであり、且つ、
    上記外部電極用ペーストの剪断速度1s−1における粘度をVO(1)とし、剪断速度100s−1における粘度をVO(100)とした場合に、VO(1)/VO(100)≦100であることを特徴とする積層コンデンサの製造方法。
  2. 上記内部電極層用ペースト中の導電性粒子の平均粒径をRとした場合に、R>Rである請求項1に記載の積層コンデンサの製造方法。
  3. 上記ビア導体用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rは、2.0μm≦R≦10.0μmである請求項1又は2に記載の積層コンデンサの製造方法。
  4. 外部電極用ペースト中の導電性粒子の平均粒径Rは、1.0μm≦R≦5.0μmである請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の積層コンデンサの製造方法。
  5. 上記内部電極層用ペースト中の導電性粒子の平均粒径をRとした場合に、該Rは、0.05μm≦R<1.0μmである請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の積層コンデンサの製造方法。
  6. 剪断速度5s−1における上記内部電極層用ペーストの粘度をVI(5)とし、剪断速度5s−1における上記ビア導体用ペーストの粘度をVV(5)とし、剪断速度5s−1における上記外部電極用ペーストの粘度をVO(5)とした場合に、VI(5)≦VO(5)<VV(5)である請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の積層コンデンサの製造方法。
  7. 1つの上記未焼成ビア導体の上記未焼成外部電極との接続面積をSとし、1つの該未焼成外部電極の平面面積をSとした場合に、S/S≧1.5である請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の積層コンデンサの製造方法。
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