JP2003198139A - コンデンサ素子内蔵多層配線基板 - Google Patents

コンデンサ素子内蔵多層配線基板

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JP2003198139A
JP2003198139A JP2001392263A JP2001392263A JP2003198139A JP 2003198139 A JP2003198139 A JP 2003198139A JP 2001392263 A JP2001392263 A JP 2001392263A JP 2001392263 A JP2001392263 A JP 2001392263A JP 2003198139 A JP2003198139 A JP 2003198139A
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Isao Miyatani
勲 宮谷
Tadashi Nagasawa
忠 長澤
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサ素子内蔵多層配線基板において、
小型化・接続信頼性および絶縁信頼性を満足できない。 【解決手段】 有機材料から成る複数の絶縁層1を積層
するとともにこれら絶縁層1の表面に配線導体2を形成
し、絶縁層1を挟んで上下に位置する配線導体2間を絶
縁層1に形成された貫通導体3を介して電気的に接続し
て成り、絶縁層1の少なくとも一層に設けられた空洞部
4の内部に、多数の電極層5およびセラミック誘電体層
6を交互に積層して成るコンデンサ素子7を内蔵したコ
ンデンサ素子内蔵多層配線基板8であって、空洞部4の
底部は絶縁層1に形成された凹部9により構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、各種AV機器や家
電機器・通信機器・コンピュータやその周辺機器等の電
子機器に使用される配線基板に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、配線基板はアルミナ等のセラミッ
ク材料から成る絶縁層あるいはガラスエポキシ樹脂等の
有機樹脂材料から成る絶縁層の内部および表面に複数の
配線導体を形成し、上下に位置する配線導体間を絶縁層
に形成した貫通導体を介して電気的に接続して成り、こ
の配線基板の表面に半導体素子やコンデンサ・抵抗素子
等の電子素子を搭載取着するとともにこれらの電極を各
配線導体に接続することによって電子機器に使用される
電子装置が形成されている。 【0003】しかしながら、近年、電子機器は、移動体
通信機器に代表されるように小型・薄型・軽量化が要求
されてきており、このような電子機器に搭載される配線
基板も小型・高密度化が要求されるようになってきてい
る。 【0004】このような要求に対応するために、特開平
11-67961号公報や特開平11-220262号公報には、配線基
板の表面に搭載される電子素子の数を減らして配線基板
を小型化する目的で、配線基板の内部にチップ状コンデ
ンサ素子を実装することが提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
11-67961号公報に示されるように、樹脂基板上に導体回
路を形成するとともに、この導体回路にチップコンデン
サを実装後、チップコンデンサの形状に相当する開口の
形成された層間絶縁フィルムを載置し、さらにその上に
樹脂基板を積層することによりコンデンサ内蔵多層プリ
ント配線板を製作した場合、層間絶縁フィルムおよび樹
脂基板を積層する際に、層間絶縁フィルムと樹脂基板と
が界面でずれを生じ、層間絶縁フィルムが横方向よりチ
ップコンデンサに応力を加えるために、チップコンデン
サが傾き接続不良が生じてしまうという問題点を有して
いた。 【0006】また、特開平11-220262号公報に示される
ように、あらかじめ離型フィルム上の配線パターンにコ
ンデンサ素子等の回路部品を実装し、これを未硬化樹脂
から成る板状体に位置合わせして重ねるとともに加圧し
て回路部品を樹脂に埋設することにより、回路部品が埋
設された回路部品内蔵モジュールを製作した場合、未硬
化樹脂の粘度が高い場合は、樹脂の流動性が低いために
回路部品を埋設する際に、回路部品に強度の応力が加わ
り、回路部品の位置がずれて接続不良を生じてしまった
り、あるいは十分に埋設されずに回路部品が突出した状
態と成り、多層化の際に積層不良を生じて断線してしま
うという問題点を有していた。また、未硬化樹脂の粘度
を回路部品を埋設しやすいように低くした場合は、配線
パターンや貫通導体が樹脂流れによって本来の位置から
流され位置ずれを起こしてショート不良を発生させてし
まうという問題点を有していた。 【0007】本発明はかかる従来技術の問題点に鑑み案
出されたものであり、その目的は、位置精度に優れると
ともに接続信頼性・絶縁信頼性に優れた小型で軽量なコ
ンデンサ素子内蔵多層配線基板を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明のコンデンサ素子
内蔵多層配線基板は、有機材料から成る複数の絶縁層を
積層するとともにこれら絶縁層の表面に配線導体を形成
し、絶縁層を挟んで上下に位置する配線導体間を絶縁層
に形成された貫通導体を介して電気的に接続して成り、
絶縁層の少なくとも一層に設けられた空洞部の内部に、
多数の電極層およびセラミック誘電体層を交互に積層し
て成るコンデンサ素子を内蔵したコンデンサ素子内蔵多
層配線基板であって、空洞部の底部は絶縁層に形成され
た凹部により構成されていることを特徴とするものであ
る。 【0009】本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板
によれば、絶縁層の少なくとも一層に設けられた空洞部
の内部に、多数の電極層およびセラミック誘電体層を交
互に積層して成るコンデンサ素子を内蔵するとともに、
空洞部の底部を絶縁層に形成された凹部により構成した
ことから、コンデンサ素子を絶縁層の凹部に固定するこ
とができるため、絶縁層を積層した際に、絶縁層同士が
界面でずれを生じたとしてもコンデンサ素子が傾くこと
はなく、接続信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層配
線基板とすることができる。また、絶縁層の少なくとも
一層に設けられた空洞部の内部にコンデンサ素子を挿入
するため、コンデンサ素子を埋設する際に、絶縁層の樹
脂が妨げになることはなく容易に埋設することが可能と
なり、コンデンサ素子の位置ずれを生じることがない。
さらに、コンデンサ素子が埋設しやすいように絶縁層の
樹脂粘度を極度に低くする必要もないため、配線導体や
貫通導体が位置ずれをしてショート不良が発生すること
のない絶縁信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層配線
基板とすることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】次に本発明のコンデンサ素子内蔵
多層配線基板を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板の実
施の形態の一例を示す断面図であり、本例では、コンデ
ンサを1個内蔵した場合を示している。また、図2は、
本発明のコンデンサ内蔵多層配線基板に内蔵されるコン
デンサ素子の実施の形態の一例を示す断面図である。こ
れらの図において、1は絶縁層、2は配線導体、3は貫
通導体、7はコンデンサ素子で、主にこれらで本発明の
コンデンサ素子内蔵多層配線基板8が構成されている。
なお、本例のコンデンサ素子内蔵多層配線基板8は、絶
縁層1を3層積層して成るとともに、絶縁層1の少なく
とも1層には空洞部4が形成され、さらに、空洞部4の
底部は絶縁層1に形成された凹部9により形成されてお
り、これらの内部には、コンデンサ素子7が埋設されて
いる。また、コンデンサ素子7は、引き出し電極部10に
より配線導体2あるいは貫通導体3と電気的に接続され
ている。 【0011】コンデンサ素子内蔵多層配線基板8に内蔵
されるコンデンサ素子7は、縦・横・高さがそれぞれ1
〜5mmの直方体であり、図2に断面図で示すように、
電極層5とセラミック誘電体層6とを交互に積層するこ
とにより形成されている。 【0012】このようなセラミック誘電体層6の材料と
しては、種々の誘電体セラミック材料を用いることがで
き、例えば、BaTiO3やLaTiO3・CaTiO3
・SrTiO3等のセラミック組成物、あるいは、Ba
TiO3の構成元素であるBaをCaで、TiをZrや
Snで部分的に置換した固溶体等のチタン酸バリウム系
材料や、鉛系ペロブスカイト型構造化合物等が挙げられ
る。 【0013】また、電極層5を形成する材料としては、
例えばPdやAg・Pt・Ni・Cu・Pb等の金属や
それらの合金が用いられる。 【0014】さらに、コンデンサ素子7は、多数の電極
層5に電気的に接続した複数の引き出し電極部10を有し
ており、これらはコンデンサ素子7の電極層5とコンデ
ンサ素子内蔵多層配線基板12の配線導体2あるいは貫通
導体3と電気的に接続する作用を成す。 【0015】このような引き出し電極部10は、コンデン
サ素子7の端面に半田ペーストを印刷することによっ
て、あるいは電極層5とセラミック誘電体層6との積層
体に貫通孔を形成し、これに導体を埋め込むことによっ
て形成される。なお、微細化および工程の容易性という
観点からは、引き出し電極部10は、貫通孔を形成後、こ
れに導体を埋め込むことによって形成されることが好ま
しい。 【0016】このようなコンデンサ素子7に形成される
貫通孔は、電極層5とセラミック誘電体層6とから成る
積層体に、パンチングによる打ち抜き加工やUV−YA
Gレーザやエキシマレーザ・炭酸ガスレーザ等によるレ
ーザ穿設加工等の方法により形成され、特に微細な貫通
孔とするためには、レーザによる穿設加工により形成さ
れることが好ましい。また、貫通孔の径は数10μm〜数
mmであり、コンデンサ素子7の大きさにあわせて適宜
決めればよい。 【0017】なお、貫通孔は、内部に充填される導体と
電極層5との電気的接続を良好にするために、打ち抜き
加工やレーザ穿設加工後に超音波洗浄処理やデスミア処
理等を施しても良い。 【0018】また、貫通孔に充填される導体としては、
PdやAg・Pt・Ni・Cu・Pb等の金属やそれら
の合金が用いられ、特に電極層5との電気的接続を良好
にするという観点からは、電極層5と同じ材質のものを
含有することが好ましい。 【0019】このような貫通孔に充填される導体は、有
機溶剤に有機バインダ樹脂を溶解させた有機ビヒクル中
に金属粉末を分散させて成る導電ペーストを貫通孔にス
クリーン印刷法等の方法で充填することにより形成され
る。なお、ビヒクル中には、これらの他、各種分散剤・
活性剤・可塑剤などが必要に応じて添加されても良い。 【0020】また、導電ペーストに用いられる有機バイ
ンダ樹脂は、金属粉末を均質に分散させるとともに貫通
孔への埋め込みに適正な粘度とレオロジーを与える役割
をもっており、例えば、アクリル樹脂やフェノール樹脂
・アルキッド樹脂・ロジンエステル・エチルセルロース
・メチルセルロース・PVA(ポリビニルアルコール)・
ポリビニルブチラート等が挙げられる。特に、金属粉末
の分散性を良くするという観点からは、アクリル樹脂を
用いることが好ましい。 【0021】さらに、導電ペーストに用いられる有機溶
剤は、有機バインダ樹脂を溶解して金属粉末粒子を分散
させ、このような混合系全体をペースト状にする役割を
なし、例えば、α-テルピネオールやベンジルアルコー
ル等のアルコール系や炭化水素系・エーテル系・BCA
(ブチルカルビトールアセテート)等のエステル系・ナ
フサ等が用いられ、特に、金属粉末の分散性を良くする
という観点からは、α-テルピネオール等のアルコール
系溶剤を用いることが好ましい。 【0022】さらにまた、導電ペーストは、埋め込み・
焼成後のコンデンサ磁器への接着強度を上げるために、
ガラスフリットやセラミックフリットを加えたペースト
とすることができる。この場合のガラスフリットやセラ
ミックフリットとしては特に限定されるものではなく、
例えば、ホウ珪酸塩系やホウ珪酸亜鉛系のガラス・チタ
ニア・チタン酸バリウムなどのチタン系酸化物などを適
宜用いることができる。 【0023】このようなコンデンサ素子7は、次の方法
により製作される。まず、周知のシート成形法により作
成されたセラミック誘電体層6と成る、例えばBaTi
3誘電体セラミックグリーンシート表面に、周知のペ
ースト作成法により作成したNi金属ペーストをスクリ
ーン印刷法により所定形状と成るように印刷して未焼成
電極層を形成し、続いてこれらを所定順序に積層し、圧
着して積層体を得る。そしてこれを800〜1600℃の温度
で焼成することにより製作される。 【0024】また、コンデンサ素子7の表面は、絶縁層
1とコンデンサ素子7の接着性を向上させるという観点
からは、セラミック誘電体層6の表面の算術平均粗さR
の最大値Rmaxが0.2μmより大きく、望ましくは0.5
μm以上、最適には1.0μm以上とすることが好まし
い。なお、セラミック誘電体層6の表面粗さRの最大値
Rmaxが5μmを超えると、コンデンサ素子7に割れ
や欠けが発生し易くなる傾向があるため、表面粗さRの
最大値Rmaxを5μm以下としておくことが好まし
い。 【0025】このようなコンデンサ素子7表面のセラミ
ック誘電体層6の表面は、焼成前のグリーンシート積層
体の段階で、積層体の表面をブラシ研磨による粗化処理
やあらかじめ凹凸加工した平板を押し付けるなどの方法
で物理的に凹凸をつけた後、あるいはレーザによりグリ
ーンシート積層体表面に非貫通孔を開けることによりデ
ィンプル加工を施した後、焼成することにより所望の表
面粗さとすることができる。また、セラミック誘電体層
6に用いられるセラミック材料よりも焼成時の耐熱性が
高く平均粒子径が10μm以上のセラミック粉末、あるい
はセラミック誘電体層6に用いられるセラミック材料の
一部と反応性を有し平均径が10μm以上のセラミック粉
末を一部が埋入するようにグリーンシート積層体表面に
付着させて焼成することによって所望の表面粗さとして
も良い。さらに、グリーンシート積層体の焼成後のコン
デンサ素子の表面をサンドブラスト等の物理的手法ある
いはエッチング等の化学的手法により粗化しても良い。 【0026】次に、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配
線基板8の製造方法を添付の図3に基づいて詳細に説明
する。図3は、図1のコンデンサ素子内蔵多層配線基板
8を製作するための工程毎の断面図である。 【0027】まず、図3(a)に断面図で示すように、
絶縁層1と成る未硬化の前駆体シートを準備し、この前
駆体シートにレーザ加工により所望の個所に直径が17〜
150μm程度の貫通孔11を穿設する。 【0028】このような絶縁層1と成る未硬化の前駆体
シートは、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹
脂・熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂・液晶ポリマ
ー樹脂等の有機樹脂材料から成り、機械的強度を向上さ
せるためのシラン系やチタネート系等のカップリング
剤、熱安定性を改善するための酸化防止剤や耐光性を改
善するための紫外線吸収剤等の光安定剤、難燃性を改善
するためのハロゲン系もしくはリン酸系の難燃性剤、ア
ンチモン系化合物やホウ酸亜鉛・メタホウ酸バリウム・
酸化ジルコニウム等の難燃助剤、潤滑性を改善するため
の高級脂肪酸や高級脂肪酸エステル・高級脂肪酸金属塩
・フルオロカーボン系界面活性剤等の滑剤、熱膨張係数
を調整するためおよび/または機械的強度を向上させる
ための酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化チタン・酸化
バリウム・酸化ストロンチウム・酸化ジルコニウム・酸
化カルシウム・ゼオライト・窒化珪素・窒化アルミニウ
ム・炭化珪素・ホウ酸アルミニウム・スズ酸バリウム・
ジルコン酸バリウム・ジルコン酸ストロンチウム等の充
填材、あるいは繊維状ガラスを布状に織り込んだガラス
クロス等や耐熱性有機樹脂繊維から成る不織布等の基材
を含有させてもよい。 【0029】このような前駆体シートは、例えば、絶縁
材料として熱硬化性樹脂と無機絶縁粉末との複合材料を
用いる場合、以下の方法によって製作される。まず、前
述した無機絶縁粉末に熱硬化性樹脂を無機絶縁粉末量が
17〜80体積%となるように溶媒とともに加えた混合物を
得、この混合物を混練機(ニーダ)や3本ロール等の手
段によって混合してペーストを製作する。そして、この
ペーストを圧延法や押し出し法・射出法・ドクターブレ
ード法などのシート成形法を採用してシート状に成形し
た後、熱硬化性樹脂が完全硬化しない温度に加熱して乾
燥することにより絶縁層1となる前駆体シートが製作さ
れる。なお、ペーストは、好適には、熱硬化性樹脂と無
機絶縁粉末の複合材料に、トルエン・酢酸ブチル・メチ
ルエチルケトン・メタノール・メチルセロソルブアセテ
ート・イソプロピルアルコール・メチルイソブチルケト
ン・ジメチルホルムアミド等の溶媒を添加してなる所定
の粘度を有する流動体であり、その粘度は、シート成形
法にもよるが100〜3000ポイズが好ましい。 【0030】次に、図3(b)に断面図で示すように、
貫通孔11内に銅・銀・金・半田等から成る導電性ペース
トを従来周知のスクリーン印刷法等を採用して充填し、
貫通導体3を形成する。 【0031】次に、図3(c)に断面図で示すように、
前駆体シートの表面と裏面とに被着する配線導体2を準
備する。そして、図3(d)に断面図で示すように、配
線導体2を前駆体シートの表面および裏面に、必要な配
線導体2と貫通導体3とが電気的に接続するように重ね
合わせて転写する。 【0032】なお、本実施例では、配線導体2の形成を
転写法によって行っており、このような配線導体2は、
次に述べる方法により形成される。まず、離型シート等
の支持体12の表面にめっき法などによって製作され、銅
・金・銀・アルミニウム等から選ばれる1種または2種
以上の合金からなる厚さ1〜35μmの電解金属箔を接着
し、その表面に所望の配線パターンの鏡像パターンとな
るようにレジスト層を形成した後、エッチング・レジス
ト除去によって所定の配線パターンの鏡像の配線導体2
を形成する。次に、配線導体2の前駆体シートの表面お
よび裏面への被着は、配線導体2が形成された支持体12
を前駆体シートの表面および裏面へ重ね合わせ、しかる
後、圧力が0.5〜10MPa、温度が60〜150℃の条件で加
圧加熱した後、支持体12を剥がすことにより、図3
(e)に断面図に示すように配線導体2が前駆体シート
に被着される。なお、この時、貫通導体3は、完全に硬
化していない未硬化状態としておくことが重要である。 【0033】また、支持体12としては、ポリエチレンテ
レフタレートやポリエチレンナフタレート・ポリイミド
・ポリフェニレンサルファイド・塩化ビニル・ポリプロ
ピレン等公知のものが使用できる。支持体12の厚みは10
〜100μmが適当であり、望ましくは25〜50μmが良
い。支持体12の厚みが10μm未満であると支持体12の変
形や折れ曲がりにより形成した配線導体2が断線し易く
なり、厚みが100μmを超えると支持体12の柔軟性がな
くなって、前駆体シートからの支持体12の剥離が困難と
なる傾向がある。また、支持体12表面に電解金属箔を形
成するために、アクリル系やゴム系・シリコン系・エポ
キシ系等公知の接着剤を使用してもよい。 【0034】そして、図3(f)に断面図で示すよう
に、上記(a)〜(f)の工程を経て製作した複数の前駆体シ
ートと、コンデンサ素子7とを準備し、次に、コンデン
サ素子7の引き出し電極部10と貫通導体3および配線導
体2との位置合わせを行いコンデンサ素子7を載置する
とともに前駆体シートを積層し、温度が150〜300℃、圧
力が0.5〜10MPaの条件で30分〜24時間ホットプレス
して前駆体シートおよび導電性ペーストを完全硬化させ
ることによって、図3(g)に断面図で示す本発明のコ
ンデンサ素子内蔵多層配線基板8が完成する。 【0035】本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板
8によれば、絶縁層1の少なくとも一層に設けられた空
洞部4の内部に、多数の電極層5およびセラミック誘電
体層6を交互に積層して成るコンデンサ素子7を内蔵す
るとともに、空洞部4の底部を絶縁層1に形成された凹
部9により構成したことから、コンデンサ素子7を絶縁
層1の凹部9に固定することができるため、絶縁層1を
積層した際に、絶縁層1同士が界面でずれを生じたとし
てもコンデンサ素子7が傾くことはなく、接続信頼性に
優れたコンデンサ素子内蔵多層配線基板8とすることが
できる。また、絶縁層1の少なくとも一層に設けられた
空洞部4の内部にコンデンサ素子7を挿入するため、コ
ンデンサ素子7を埋設する際に、絶縁層1の樹脂が妨げ
になることはなく容易に埋設することが可能となり、コ
ンデンサ素子7の位置ずれを生じることがない。さら
に、コンデンサ素子7が埋設しやすいように絶縁層1の
樹脂粘度を極度に低くする必要もないため、配線導体2
や貫通導体3が位置ずれをしてショート不良が発生する
ことのない絶縁信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層
配線基板8とすることができる。 【0036】なお、コンデンサ素子7を設置する空洞部
4は、前駆体シートを積層する前に、前駆体シートのコ
ンデンサ素子7が収容される個所にレーザ法やパンチン
グ法により穿設しておけばよい。さらに凹部9も同様に
前駆体シートを積層する前に、前駆体シートのコンデン
サ素子7が収容される個所にレーザ法により穿設してお
けばよい。 【0037】また、空洞部4の大きさは、コンデンサ素
子7の幅をLμmとすると、L+3〜L+30μmであ
り、貫通導体3とコンデンサ素子7との接続における位
置精度の観点からはL+30μm以下が好ましく、コンデ
ンサ素子7を空洞部4に挿入する際にコンデンサ素子7
を挿入し易くするという観点からはL+3μm以上が好
ましい。凹部9の大きさは、空洞部4と同様に、L+3
〜L+30μmで、貫通導体3とコンデンサ素子7との接
続における位置精度の観点からはL+30μm以下が好ま
しく、コンデンサ素子7を凹部9に挿入する際にコンデ
ンサ素子7を挿入し易くするという観点からはL+3μ
m以上が好ましい。また凹部9の深さはコンデンサ素子
7の厚みに対して5〜90%であり、コンデンサ素子7を
上下の絶縁層1で圧縮して強固に固定するという観点か
らはコンデンサ素子7の厚みに対して90%以下が好まし
く、絶縁層1同士の界面ズレによるコンデンサ素子7の
傾斜防止という観点からはコンデンサ素子7の厚みに対
して5%以上が好ましい。 【0038】かくして、本発明の本発明のコンデンサ素
子内蔵多層配線基板によれば、位置精度に優れるととも
に接続信頼性・絶縁信頼性に優れた小型で軽量なものと
することができる。 【0039】なお、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配
線基板は上述の実施例に限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能で
あり、例えば、上述の実施例では3層の絶縁層を積層す
ることによってコンデンサ素子内蔵多層配線基板を製作
したが、4層や5層以上の絶縁層を積層してコンデンサ
内蔵多層配線基板を製作してもよい。また、上述の実施
例ではコンデンサ素子を収容する空洞部を1層の絶縁層
1に形成したが3層や4層以上にわたって形成したり、
あるいは、凹部のみで空洞部を形成しても良い。さら
に、コンデンサ素子をより強固に固定するために、凹部
の底部に熱硬化性樹脂等の接着剤を用いてコンデンサ素
子を接着してもよい。 【0040】 【発明の効果】本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基
板によれば、絶縁層の少なくとも一層に設けられた空洞
部の内部に、多数の電極層およびセラミック誘電体層を
交互に積層して成るコンデンサ素子を内蔵するととも
に、空洞部の底部を絶縁層に形成された凹部により構成
したことから、コンデンサ素子を絶縁層の凹部に固定す
ることができるため、絶縁層を積層した際に、絶縁層同
士が界面でずれを生じたとしてもコンデンサ素子が傾く
ことはなく、接続信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多
層配線基板とすることができる。また、絶縁層の少なく
とも一層に設けられた空洞部の内部にコンデンサ素子を
挿入するため、コンデンサ素子を埋設する際に、絶縁層
の樹脂が妨げになることはなく容易に埋設することが可
能となり、コンデンサ素子の位置ずれを生じることがな
い。さらに、コンデンサ素子が埋設しやすいように絶縁
層の樹脂粘度を極度に低くする必要もないため、配線導
体や貫通導体が位置ずれをしてショート不良が発生する
ことのない絶縁信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層
配線基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板の実
施の形態の一例を示す断面図である。 【図2】本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板に内
蔵されるコンデンサ素子の実施の形態の一例を示す断面
図である。 【図3】(a)〜(g)は、それぞれ本発明のコンデン
サ素子内蔵多層配線基板の製造方法を説明するための工
程毎の断面図である。 【符号の説明】 1・・・・・・・・・絶縁層 2・・・・・・・・・配線導体 3・・・・・・・・・貫通導体 4・・・・・・・・・空洞部 5・・・・・・・・・電極層 6・・・・・・・・・セラミック誘電体層 7・・・・・・・・・コンデンサ素子 8・・・・・・・・・コンデンサ素子内蔵多層配線基板 9・・・・・・・・・凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E336 AA08 BB03 BB15 BC26 CC43 CC53 DD26 EE05 GG09 GG12 5E346 AA12 AA15 AA32 AA43 CC04 CC06 CC08 CC16 CC32 CC34 CC38 CC39 CC40 CC55 CC57 CC58 DD02 DD12 DD42 EE24 FF01 FF18 GG05 GG08 GG15 GG28 HH08 HH33

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 有機材料から成る複数の絶縁層を積層す
    るとともにこれら絶縁層の表面に配線導体を形成し、前
    記絶縁層を挟んで上下に位置する前記配線導体間を前記
    絶縁層に形成された貫通導体を介して電気的に接続して
    成り、前記絶縁層の少なくとも一層に設けられた空洞部
    の内部に、多数の電極層およびセラミック誘電体層を交
    互に積層して成るコンデンサ素子を内蔵したコンデンサ
    素子内蔵多層配線基板であって、前記空洞部の底部は前
    記絶縁層に形成された凹部により構成されていることを
    特徴とするコンデンサ素子内蔵多層配線基板。
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