JP2010112618A - 空気調和装置 - Google Patents

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Atsushi Yoshimi
敦史 吉見
Shuji Fujimoto
修二 藤本
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Abstract

【課題】多段圧縮運転を行う空気調和装置において、冷房運転時と暖房運転時の両方で運転効率を向上させる。
【解決手段】二段圧縮機50の中間冷却器として、熱源側ユニット3内に室外側中間冷却器10を設けるとともに、利用側ユニット4内に室内側中間冷却器11を設ける。冷房運転時は、室外側中間冷却器10を機能させ、室内側中間冷却器11の機能を停止させる。一方、暖房運転時は、室外側中間冷却器10の機能を停止させ、室内側中間冷却器11を機能させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、多段圧縮式の冷凍サイクルを行う空気調和装置に関する。
従来より、多段圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置の1つとして、特許文献1に示されるような、二段圧縮式冷凍サイクルを行う空気調和装置がある。この空気調和装置は、主として、直列に接続された2つの圧縮要素を有する圧縮機と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器とを有している。
上述の空気調和装置においては、圧縮機の前段側の圧縮要素から吐出された冷媒が圧縮機の後段側の圧縮要素に吸入されてさらに圧縮されるため、圧縮機の後段側の圧縮要素から吐出される冷媒の温度が高くなり、例えば、冷媒の放熱器として機能する室外熱交換器において、放熱ロスが大きくなることから、高い運転効率が得られにくいという問題がある。
この問題に対して、前段側の圧縮要素から吐出されて後段側の圧縮要素に吸入される冷媒の冷却器として機能する中間冷却器を、前段側の圧縮要素から吐出された冷媒を後段側の圧縮要素に吸入させるための中間冷媒管に設けることで、後段側の圧縮要素に吸入される冷媒の温度を低くし、その結果、後段側の圧縮要素から吐出される冷媒の温度を低くして、室外熱交換器における放熱ロスを小さくする方法が取られる(特許文献2参照)。
特開2007−232263号公報 特開2003−74999号公報
しかし、多段圧縮機から吐出される冷媒の温度を下げるために中間冷却器を用いた場合、暖房運転時においては、中間冷却器により熱を外に捨てることとなる。そこで、暖房運転時には中間冷却器が機能しないようにして熱を外に捨てないようにする構成も提案されているが、これでは暖房運転時には中間冷却器が働かなくなって冷房運転時のような効果を得ることができなくなるという問題が生じる。
本発明の課題は、多段圧縮運転を行う空気調和装置において、冷房運転時と暖房運転時の両方で運転効率を向上させることにある。
第1発明に係る空気調和装置は、圧縮機構と、膨張機構と、中間冷却路と、熱源ユニットと、利用ユニットとを備えている。そして、圧縮機構が冷媒の圧力を高め、熱源ユニットの熱源側熱交換器または利用ユニットの利用側熱交換器が冷媒に対して冷却機として機能し、膨張機構が冷媒を減圧し、利用ユニットの利用側熱交換器または熱源ユニットの熱源側熱交換器が冷媒に対して加熱器として機能する。一方、切換機構により切り換えが行われ、冷房時には熱源側中間冷却器が中間冷却路に流れる冷媒の冷却を行い、暖房時には利用側中間冷却器が中間冷却路に流れる冷媒の冷却を行う。中間冷却路は、第1圧縮要素の吐出口から吐出された冷媒を冷却して第2圧縮要素の吸入口に戻す。ここで、「圧縮機構」は、複数の圧縮要素が一体に組み込まれた圧縮機や、単一の圧縮要素が組み込まれた圧縮機及び/又は複数の圧縮要素が組み込まれた圧縮機を複数台接続したものを含む構成を意味している。
本発明によれば、暖房時には利用ユニットの利用側中間冷却器で冷媒の冷却が行われるので、利用側中間冷却器で冷媒から奪った熱は利用ユニットから利用ユニット設置場所へ供給できる。それにより、暖房運転時に中間冷却を行う場合には、中間冷却器から従来捨てざるを得なかった熱を暖房に利用できる。
第2発明に係る空気調和装置は、第1発明の空気調和装置であって、切換機構が、再熱除湿運転時に、利用側中間冷却器によって中間冷却路に流れる冷媒の冷却を行わせるように切り換える。
本発明によれば、切換機構によって、再熱除湿時に利用側ユニットにおいて利用側中間冷却器から発生する熱を再熱除湿に利用できるようになる。
第3発明に係る空気調和装置は、第1発明または第2発明の空気調和装置であって、切換機構が、冷房運転時に、膨張機構を経由する冷媒の一部を、利用側中間冷却器を通して蒸発させて吸入路に戻すように切り換える。
本発明によれば、切換機構によって、冷房運転時に、利用側中間冷却器が蒸発器として機能するので、冷房運転時の蒸発器の冷媒循環量を増加させることができる。
第4発明に係る空気調和装置は、第1発明から第3発明のいずれかの空気調和装置であって、切換機構が、暖房時に、膨張機構を経由する冷媒の一部を、熱源側中間冷却器を通して蒸発させて吸入路に戻すように切り換える。
本発明によれば、切換機構によって、暖房運転時に、熱源側中間冷却器が蒸発器として機能するので、暖房運転時の蒸発器の冷媒循環量を増加させることができる。
第5発明に係る空気調和装置は、第1発明から第4発明のいずれかの空気調和装置であって、圧縮機構が、冷媒の圧力を超臨界状態になる圧力まで高めて吐出路から吐出する。
本発明によれば、超臨界状態に達する高い圧力まで冷媒が圧縮されるので、中間冷却器による冷媒の冷却で圧縮機構の吐出温度を低く抑えることにより放熱ロスを防ぐ効果が大きくなる。
第6発明に係る空気調和装置は、第5発明の空気調和装置であって、圧縮機構が、二酸化炭素を主成分として含む冷媒の圧力を超臨界状態になる圧力まで高めて吐出路から吐出する。
本発明によれば、二酸化炭素を主成分として含む冷媒を用いる空気調和装置の圧縮機構の吐出温度を暖房運転時及び冷房運転時の両方で低く抑えつつ、暖房運転時及び冷房運転時の運転効率を向上させることができる。
第1発明の空気調和装置では、中間冷却器の熱エネルギーの有効利用が図れ、冷房運転時も暖房運転時も運転効率を向上させることができる。
第2発明の空気調和装置では、再熱除湿時に捨てていた中間冷却器の熱エネルギーの有効利用を図れ、冷房運転時及び暖房運転時に加え、再熱除湿運転時の運転効率を向上させることができる。
第3発明の空気調和装置では、冷房運転時の蒸発器の冷媒循環量を増加させて、冷房能力を向上させることができる。
第4発明の空気調和装置では、暖房運転時の蒸発器の冷媒循環量を増加させて、成績係数を向上させることができる。
第5発明の空気調和装置では、放熱ロスを防ぐ効果が大きく、暖房運転時の運転効率の改善効果が大きくなる。
第6発明の空気調和装置では、冷房運転時及び暖房運転時の運転効率を改善しつつ、圧縮機構からの吐出温度を低く抑えることで二酸化炭素を主成分として含む冷媒の運転範囲の拡大や信頼性の向上を図ることができる。
〔第1実施形態〕
(1)空気調和装置の基本構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気調和装置の概略構成図である。第1実施形態に係る空気調和装置1は、冷房運転及び暖房運転が可能となるように構成された冷媒回路2を有し、超臨界域で作動する冷媒(ここでは、二酸化炭素)を使用して二段圧縮式冷凍サイクルを行う装置である。
空気調和装置1の冷媒回路2は、室外に設けられる熱源ユニット3と室内に設けられる利用ユニット4を備えて構成されており、主として、熱源ユニット3に圧縮機構5と、室外側熱交換器6と、膨張機構7と、室外側中間冷却器10とが設けられ、利用ユニット4に室内側熱交換器8と、室内側中間冷却器11とが設けられ、熱源ユニット3に切換機構9が設けられている。さらに、空気調和装置1は、ここでは図示しないが、圧縮機構5、膨張機構7等の空気調和装置1を構成する各部の動作を制御する制御部を有している。
冷媒回路2は、主に、圧縮機構5と、室外側熱交換器6と、膨張機構7と、室内側熱交換器8を接続してなる主冷媒回路100と、圧縮機構5から分岐した冷媒を室外側中間冷却器10または室内側中間冷却器11に送るための中間冷却用冷媒回路200とを備えている。また、冷媒回路2の冷媒の流れの切り換えは切換機構9によって行われており、そのために、切換機構9は、四路切換弁9a,9bと、逆止機構9c,9dとを備えている。冷媒回路2の主冷媒回路100を構成するため、圧縮機構5などの各機器は、複数の冷媒管23〜25などによって接続されている。吸入戻し管23は、四路切換弁9aと吸入管51とを接続する。第1主冷媒管24は、膨張機構7と室内側熱交換器8の一端を接続する。第2主冷媒管25は、室内側熱交換器8の他端と四路切換弁9aとを接続する。
圧縮機構5は、本実施形態において、2つの圧縮要素で冷媒を二段圧縮する圧縮機50と、吸入路である吸入管51と、吐出路である吐出管52とから構成されている。圧縮機50は、ケーシング5a内に、圧縮機駆動モータ5bと、駆動軸5cと、2つの圧縮要素5d,5eとが収容された密閉式構造となっている。圧縮機駆動モータ5bは、駆動軸5cに連結されている。そして、この駆動軸5cは、2つの圧縮要素5d,5eに連結されている。すなわち、圧縮機50は、2つの圧縮要素5d,5eが単一の駆動軸5cに連結されており、2つの圧縮要素5d,5eがともに圧縮機駆動モータ5bによって回転駆動される、いわゆる一軸二段圧縮構造となっている。圧縮要素5d,5eは、本実施形態において、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素である。吸入管51は、圧縮機構5の圧縮機50の吸入口(圧縮要素5dの吸入口)と四路切換弁9bとを接続する。吐出管52は、圧縮機構5の圧縮機50の吐出口(圧縮要素5eの吐出口)と四路切換弁9aとを接続する。
冷媒回路2の中間冷却用冷媒回路200を構成するため、室外側中間冷却器10や室内側中間冷却器11などの各機器は、複数の冷媒管26〜29などによって接続されている。中間吐出管26は、圧縮機3の前段側の圧縮要素5dの吐出口と四路切換弁9bとを接続する。中間吸入管27は、逆止機構9cを介して室外側中間冷却器10の一端と圧縮機3の後段側の圧縮要素5eの吸入口とを接続する。また、中間吸入管27は、逆止機構9dを介して室内側中間冷却器11の他端と圧縮機3の後段側の圧縮要素5eの吸入口とを接続する。第1中間冷媒管28は、四路切換弁9bと室内側中間冷却器11の一端とを接続する。第2中間冷媒管29は、室内側中間冷却器11の他端と逆止機構9dとを接続する。
室外側熱交換器6は、室外に設けられ、室外に熱を放出して冷媒を冷却するためのガスクーラーまたは室外から熱を取り入れて冷媒を加熱するための蒸発器として機能する熱交換器である。ここでは図示しないが、室外側熱交換器6には、室外側熱交換器6を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源または加熱源としての水や空気が供給されるようになっている。室外側熱交換器6の一端は四路切換弁9aに接続され、室外側熱交換器6の他端は膨張機構7を介して第1主冷媒管24に接続されている。
室内側熱交換器8は、室内に設けられ、室内から冷媒に熱を取り入れて冷媒を加熱する蒸発器または冷媒から室内に熱を放出して冷媒を冷却するガスクーラーとして機能する熱交換器である。ここでは図示しないが、室内側熱交換器8には、室内側熱交換器8を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源または加熱源としての水や空気が供給されるようになっている。
膨張機構7は、ガスクーラーとしての室外側熱交換器6から蒸発器としての室内側熱交換器8に送られる冷媒を減圧する機構または、ガスクーラーとしての室内側熱交換器8から蒸発器としての室外側熱交換器6に送られる冷媒を減圧する機構である。膨張機構7は、本実施形態において、室外側熱交換器6において冷却された高圧の冷媒を室内側熱交換器8に送る前に冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧しまたは、室内側熱交換器8において冷却された高圧の冷媒を室外側熱交換器6に送る前に冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する。
室外側中間冷却器10は、圧縮機50の前段側の圧縮要素5dから吐出された冷媒を冷却して圧縮機50の後段側の圧縮要素5eに吸入させる熱交換器である。ここでは図示しないが、室外の雰囲気と熱交換するため、室外側中間冷却器10には、室外側中間冷却器10を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源しての水や空気が供給されるようになっている。このように、室外側中間冷却器10は、冷媒回路100を循環する冷媒を用いたものではないという意味で、外部熱源を用いた冷却器ということができる。
室内側中間冷却器11は、室外側中間冷却器10と同様に、圧縮機50の前段側の圧縮要素5dから吐出された冷媒を冷却して圧縮機50の後段側の圧縮要素5eに吸入させる熱交換器である。ここでは図示しないが、室内の雰囲気と熱交換するため、室内側中間冷却器11には、室内側中間冷却器11を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源しての水や空気が供給されるようになっている。このように、室内側中間冷却器11も、冷媒回路100を循環する冷媒を用いたものではないという意味で、外部熱源を用いた冷却器ということができる。
切換機構9は、主冷媒回路100内における冷媒の流れの方向を切り換えるための四路切換弁9aと、中間冷却用冷媒回路200における冷媒の流れを切り換えるための四路切換弁9bと、中間冷却用冷媒回路200内における冷媒の流れを規制するための逆止機構9c,9dを備えて構成される。
四路切換弁9aは、冷房運転時には、室外側熱交換器6を圧縮機構5によって圧縮される冷媒のガスクーラーとして、かつ、室内側熱交換器8を室外側熱交換器6において冷却された冷媒の蒸発器として機能させるために、圧縮機構5の吐出口(後段側の圧縮要素5eの吐出口)と室外側熱交換器6の一端とを接続するとともに吸入戻し管23すなわち圧縮機構5の吸入口(前段側の圧縮要素5dの吸入口)と第1主冷媒管25(室内側熱交換器8の他端)とを接続する。また、四路切換弁9bは、吸入管51に連結されており、冷房運転時には、室外側中間冷却器10を機能させるとともに室内側中間冷却器11の機能を停止させるために、中間吐出管26と室外側中間冷却器10の他端とを接続し、吸入管51と第1中間冷媒管28とを接続する。つまり、冷房運転時においては、図1に示す四路切換弁9a,9bの実線の接続が実現される。以下、四路切換弁9a,9bの両方において、このような実線の接続が実現されている切換機構9の状態を「冷房運転状態」という。
四路切換弁9aは、暖房運転時には、室内側熱交換器8を圧縮機構5によって圧縮される冷媒のガスクーラーとして、かつ、室外側熱交換器6を室内側熱交換器8において冷却された冷媒の蒸発器として機能させるために、圧縮機構5の吐出口と第1主冷媒管25(室内側熱交換器8の他端)とを接続するとともに吸入戻し管23(圧縮機構5の吸入口)と室外側熱交換器6の一端とを接続する。また、四路切換弁9bは、暖房運転時には、室外側中間冷却器10の機能を停止させるとともに室内側中間冷却器11を機能させるために、中間吐出管26と第1中間冷媒管28とを接続し、吸入管51と室外側中間冷却器10の他端とを接続する。つまり、暖房運転時においては、図1に示す四路切換弁9a,9bの破線の接続が実現される。以下、四路切換弁9a,9bの両方において、このような破線の接続が実現されている切換機構9の状態を「暖房運転状態」という。
四路切換弁9aは、再熱除湿運転時には、室外側熱交換器6を圧縮機構5によって圧縮される冷媒のガスクーラーとして、かつ、室内側熱交換器8を室外側熱交換器6において冷却された冷媒の蒸発器として機能させるために、圧縮機構5の吐出口(後段側の圧縮要素5eの吐出口)と室外側熱交換器6の一端とを接続するとともに吸入戻し管23すなわち圧縮機構5の吸入口(前段側の圧縮要素5dの吸入口)と第1主冷媒管25(室内側熱交換器8の他端)とを接続する。また、四路切換弁9bは、再熱除湿運転時には、室外側中間冷却器10の機能を停止させるとともに室内側中間冷却器11を機能させるために、中間吐出管26と第2中間冷媒管28(室外側中間冷却器10の他端)とを接続し、吸入管51と室外側中間冷却器10の他端とを接続する。つまり、冷房運転時においては、図1に示す四路切換弁9aの実線の接続が実現される。また、図1に示す四路切換弁9bの破線の接続が実現される。以下、四路切換弁9aで実線の接続が実現され,四路切換弁9bで破線の接続が実現されている切換機構9の状態を「再熱除湿運転状態」という。
ここで、冷房運転、暖房運転及び再熱除湿運転と室外側熱交換器6、室内側熱交換器8、室外側中間冷却器10及び室内側中間冷却器11が果たす機能との関係を表1にまとめて示す。
Figure 2010112618
逆止機構9cは、室外側中間冷却器10の一端と後段側の中間吸入管27との間に接続され、室外側中間冷却器10から中間吸入管27への冷媒の流れを許容し、かつ、中間吸入管27から室外側中間冷却器10への冷媒の流れを遮断するための機構であり、本実施形態において、逆止弁が使用されている。逆止機構9dは、室内側中間冷却器11の他端と中間吸入管27との間に接続され、室内側中間冷却器11から中間吸入管27への冷媒の流れを許容し、かつ、中間吸入管27から室内側中間冷却器11への冷媒の流れを遮断するための機構であり、本実施形態において、逆止弁が使用されている。
(2)空気調和装置の動作
次に、本実施形態の空気調和装置1の動作について、図1〜図4を用いて説明する。ここで、図2(a)は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図2(b)は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。図3(a)は、暖房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図3(b)は、暖房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。図4(a)は、再熱除湿運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図4(b)は、再熱除湿運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。なお、以下の冷房運転、暖房運転及び再熱除湿運転における運転制御は、上述の制御部(図示せず)によって行われる。また、以下の説明において、「高圧」とは、冷凍サイクルにおける高圧(すなわち、図2(a)、図4(a)の点D、D’、Eにおける圧力や図3(a)の点D、D’、Fにおける圧力)を意味し、「低圧」とは、冷凍サイクルにおける低圧(すなわち、図2(a)、図4(a)の点A、Fにおける圧力や図3(a)の点A、Eにおける圧力)を意味し、「中間圧」とは、冷凍サイクルにおける中間圧(すなわち、図2(a)の点B、C1における圧力や図3(a)、図4(a)の点B、C2における圧力)を意味している。
<冷房運転>
冷房運転時においては、切換機構9が冷房運転状態とされ、膨張機構7が、冷媒を減圧するように開度調節される。この冷媒回路2の状態において、低圧の冷媒(図1、図2の点A参照)は、吸入管51から圧縮機構5に吸入され、まず、圧縮要素5dによって中間圧まで圧縮された後に、中間吐出管26に吐出される(図1、図2の点B参照)。この前段側の圧縮要素5dから吐出された中間圧の冷媒は、四路切換弁9bから室外側中間冷却器10に流入し、室外側中間冷却器10において冷却源としての水や空気と熱交換を行うことで冷却される(図1、図2の点C1参照)。この室外側中間冷却器10において冷却された冷媒は、次に、圧縮要素5dの後段側に接続された圧縮要素5eに吸入されてさらに圧縮され、圧縮機構5の吐出管52から吐出される(図1、図2の点D参照)。ここで、圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、圧縮要素5d,5eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力(すなわち、図2に示される臨界点CPにおける臨界圧力Pcp)を超える圧力まで圧縮されている。
次に、この圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、冷媒のガスクーラーとして機能する室外側熱交換器6に送られる。そして、室外側熱交換器6に送られた高圧の冷媒は、室外側熱交換器6において、冷却源としての水や空気と熱交換を行って冷却される(図1、図2の点E参照)。そして、室外側熱交換器6において冷却された高圧の冷媒は、膨張機構7によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となり、冷媒の蒸発器として機能する室内側熱交換器8に送られる(図1、図2の点F参照)。そして、室内側熱交換器8に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、室内側熱交換器8において、加熱源としての水や空気と熱交換を行って加熱されて、蒸発することになる(図1、図2の点A参照)。そして、この室内側熱交換器8において加熱された低圧の冷媒は、四路切換弁9aから吸入戻し管23を経由して、再び、圧縮機構5に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
このように、空気調和装置1では、圧縮要素5dから吐出された冷媒を圧縮要素5eに吸入させるための経路に室外側中間冷却器10を設けることによって、室外側中間冷却器10を冷却器として機能する状態にしているため、室外側中間冷却器10を設けなかった場合(この場合には、図2において、点A→点B→点D’→点E→点Fの順で冷凍サイクルが行われる)に比べて、圧縮要素5dの後段側の圧縮要素5eに吸入される冷媒の温度が低下し(図2(b)の点B,C1参照)、圧縮要素5eから吐出される冷媒の温度も低下することになる(図2(b)の点D,D’参照)。このため、この空気調和装置1では、高圧の冷媒の放熱器として機能する室外側熱交換器6において、室外側中間冷却器10を設けなかった場合に比べて、放熱ロスを小さくできることから、運転効率を向上させることができる。
<暖房運転>
暖房運転時は、切換機構9が暖房運転状態とされ、膨張機構7が、冷媒を減圧するように開度調節される。この冷媒回路2の状態において、低圧の冷媒(図1、図3の点A参照)は、吸入管51から圧縮機構5に吸入され、まず、圧縮要素5dによって中間圧まで圧縮された後に、中間吐出管26に吐出される(図1、図3の点B参照)。この前段側の圧縮要素5dから吐出された中間圧の冷媒は、四路切換弁9bから室内側中間冷却器11に流入し、室内側中間冷却器11において冷却源としての水や空気と熱交換を行うことで冷却される(図1、図3の点C2参照)。この室内側中間冷却器11において冷却された冷媒は、次に、圧縮要素5dの後段側に接続された圧縮要素5eに吸入されてさらに圧縮され、圧縮機構5の吐出管52から吐出される(図1、図3の点D参照)。ここで、圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、冷房運転時と同様、圧縮要素5d,5eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力(すなわち、図3に示される臨界点CPにおける臨界圧力Pcp)を超える圧力まで圧縮されている。
次に、この圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室内側熱交換器8に送られて、冷却源としての水や空気と熱交換を行って冷却される(図1、図3の点F参照)。そして、室内側熱交換器8において冷却された高圧の冷媒は、膨張機構7によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となり、冷媒の蒸発器として機能する室外側熱交換器6に送られる(図1、図3の点E参照)。そして、室外側熱交換器6に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、加熱源としての水や空気と熱交換を行って加熱されて、蒸発することになる(図1、図3の点A参照)。そして、この室外側熱交換器6において加熱された低圧の冷媒は、四路切換弁9aから吸入戻し管23を経由して、再び、圧縮機構5に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
このように、空気調和装置1では、圧縮要素5dから吐出された冷媒を圧縮要素5eに吸入させるための経路に室内側中間冷却器11を設けることによって、室内側中間冷却器11を冷却器として機能する状態にしているため、室内側中間冷却器11を設けなかった場合(この場合には、図3において、点A→点B→点D’→点F→点Eの順で冷凍サイクルが行われる)に比べて、圧縮要素5dの後段側の圧縮要素5eに吸入される冷媒の温度が低下し(図3の点B,C2参照)、圧縮要素5eから吐出される冷媒の温度も低下することになる(図3の点D,D’参照)。このため、この空気調和装置1では、高圧の冷媒の放熱器として機能する室外側熱交換器6において、室内側中間冷却器11を設けなかった場合に比べて、放熱ロスを小さくできることから、運転効率を向上させることができる。ところで、室内側中間冷却器11によって圧縮機構5から吐出される冷媒の温度が下がることで、室内側熱交換器8から室内に与えられるエネルギーは、DF間に相当するものとなるためD´F間に相当するエネルギーが与えられる場合(室内側中間冷却器11がない場合)に比べて小さくなっている。しかし、室内側中間冷却器11が利用ユニット(室内)に設けられることにより、室内側中間冷却器11が放出する熱エネルギー(BC2間に相当するもの)が暖房に利用される。放熱ロスを考慮に入れればDD´間のエネルギーよりもBC2間のエネルギーの方が若干多くなることから、暖房能力は低下せず、むしろ向上する。
<再熱除湿運転>
再熱除湿運転時においても、冷房運転時と同様に、膨張機構7が冷媒を減圧するように開度調節される。再熱除湿運転と冷房運転で異なる点は、室外側中間冷却器10の機能を停止して室内側中間冷却器11を機能させるところにある。この冷媒回路2の状態において、低圧の冷媒(図1、図4の点A参照)は、吸入管51から圧縮機構5に吸入され、まず、圧縮要素5dによって中間圧まで圧縮された後に、中間吐出管26に吐出される(図1、図4の点B参照)。この前段側の圧縮要素5dから吐出された中間圧の冷媒は、四路切換弁9bから室内側中間冷却器11に流入し、室内側中間冷却器11において冷却源としての水や空気と熱交換を行うことで冷却される(図1、図4の点C2参照)。この室内側中間冷却器11において冷却された冷媒は、次に、圧縮要素5dの後段側に接続された圧縮要素5eに吸入されてさらに圧縮され、圧縮機構5の吐出管52から吐出される(図1、図4の点D参照)。ここで、圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、圧縮要素5d,5eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。
次に、この圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、冷媒のガスクーラーとして機能する室外側熱交換器6に送られる。そして、室外側熱交換器6に送られた高圧の冷媒は、室外側熱交換器6において、冷却源としての水や空気と熱交換を行って冷却される(図1、図4の点E参照)。そして、室外側熱交換器6において冷却された高圧の冷媒は、膨張機構7によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となり、冷媒の蒸発器として機能する室内側熱交換器8に送られる(図1、図4の点F参照)。そして、室内側熱交換器8に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、室内側熱交換器8において、加熱源としての水や空気と熱交換を行って加熱されて、蒸発することになる(図1、図4の点A参照)。そして、この室内側熱交換器8において加熱された低圧の冷媒は、四路切換弁9aから吸入戻し管23を経由して、再び、圧縮機構5に吸入される。このとき、室内側中間冷却器11から放出される熱によって温度低下が抑制されつつ、室内側熱交換器8において除湿され、除湿運転が行われる。
このように、空気調和装置1では、圧縮要素5dから吐出された冷媒を圧縮要素5eに吸入させるための経路に室内側中間冷却器11を設けることによって、室内側中間冷却器11を冷却器として機能する状態にしているため、室内側中間冷却器11を設けなかった場合(この場合には、図4において、点A→点B→点D’→点E→点Fの順で冷凍サイクルが行われる)に比べて、圧縮要素5dの後段側の圧縮要素5eに吸入される冷媒の温度が低下し(図4の点B,C2参照)、圧縮要素5eから吐出される冷媒の温度も低下することになる(図4の点D,D’参照)。このため、この空気調和装置1では、高圧の冷媒の放熱器として機能する室外側熱交換器6において、室内側中間冷却器11を設けなかった場合に比べて、放熱ロスを小さくできることから、運転効率を向上させることができる。また、室内側中間冷却器11が利用ユニット(室内)に設けられることにより、室内側中間冷却器11が放出する熱エネルギー(BC2間に相当するもの)が除湿時の温度低下防止に利用され、エネルギーが有効に活用される。
<変形例>
上記実施形態では、再熱除湿運転時に室内側中間冷却器11のみによって温度低下を抑えているが、例えば室内側熱交換器8を2つ設け、それらを直列に接続して間に補助膨張機構を設け、膨張機構7を全開にして補助膨張機構により減圧することで、室内側熱交換器8の一方をガスクーラーとして用いて室内側中間冷却器11の使用と合わせて温度低下を抑制してもよい。
〔第2実施形態〕
(1)空気調和装置の基本構成
次に、本発明の第2実施形態に係る空気調和装置について図5を用いて説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る空気調和装置の概略構成図である。第2実施形態に係る空気調和装置1Aは、第1実施形態の空気調和装置1と同様に、冷房運転及び暖房運転が可能となるように構成された冷媒回路2Aを有し、超臨界域で作動する二酸化炭素を冷媒として使用して二段圧縮式冷凍サイクルを行う装置である。
空気調和装置1Aの冷媒回路2Aは、室外に設けられる熱源ユニット3Aと室内に設けられる利用ユニット4Aを備えて構成されており、主として、熱源ユニット3Aに圧縮機構5と、室外側熱交換器6と、膨張機構7と、室外側中間冷却器10と、切換機構9Aとが設けられ、利用ユニット4Aに室内側熱交換器8と、室内側中間冷却器11とが設けられている。さらに、空気調和装置1Aは、ここでは図示しないが、圧縮機構5、膨張機構7等の空気調和装置1Aを構成する各部の動作を制御する制御部を有している。
第2実施形態の冷媒回路2Aは、第1実施形態の冷媒回路2と同様、主に、圧縮機構5と、室外側熱交換器6と、膨張機構7と、室内側熱交換器8を接続してなる主冷媒回路100Aと、圧縮機構5から分岐した冷媒を室外側中間冷却器10または室内側中間冷却器11に送るための中間冷却用冷媒回路200Aとを備えている。また、冷媒回路2Aは、冷媒回路2Aの冷媒の流れを切り換えるための切換機構9Aを備えており、切換機構9Aが四路切換弁9a,9bと逆止機構9c,9dとを備える点は、第1実施形態の冷媒回路2と同様であるが、後述する開閉弁9e,9fを切換機構9Aがさらに備えている。
冷媒回路2Aの主冷媒回路100Aを構成するため、圧縮機構5などの各機器が複数の冷媒管23〜25などによって接続されている点は、第1実施形態の冷媒回路2と同様である。また、冷媒回路2Aの中間冷却用冷媒回路200Aを構成するため、室外側中間冷却器10や室内側中間冷却器11などの各機器が複数の冷媒管26〜28などによって接続されている点も、第1実施形態の冷媒回路2と同様である。そのため、ここでは冷媒管23〜28の接続については説明を省略する。
第2実施形態の冷媒回路2Aが第1実施形態の冷媒回路2と異なる点は、主冷媒回路100Aと中間冷却用冷媒回路200Aとを結ぶバイパス管30,31を備え、そのバイパス管30,31に挿入された開閉弁9e,9fを備えている点である。開閉弁9e,9fは、切換機構9Aに含まれる。開閉弁9e,9fは本実施形態において電磁弁であり、冷房運転状態では開閉弁9eが閉じて開閉弁9fが開き、暖房運転状態では開閉弁9eが開いて開閉弁9fが閉じる。
第1実施形態の空気調和装置1では、室外側中間冷却器10と室内側中間冷却器11を切り換えて用い、使用しない方の中間冷却器を機能させないようにしていたが、第2実施形態の空気調和装置2では、バイパス管30,31を設けることにより中間冷却器として機能しない方を蒸発器として使用するよう構成されている。そのために、バイパス管30は室外側熱交換器6の他端と室外側中間冷却器10の他端とを接続し、バイパス管31は室内側熱交換器8の一端と室内側中間冷却器11の他端とを接続している。ここで、冷房運転及び暖房運転と室外側熱交換器6、室内側熱交換器8、室外側中間冷却器10及び室内側中間冷却器11が果たす機能との関係を表2にまとめて示す。
Figure 2010112618
なお、第2実施形態の空気調和装置1Aも第1実施形態の空気調和装置1と同様に制御部(図示せず)を備えており、バイパス管30,31に設けられている開閉機構9e,9fも他の機器と同様に上述の制御部によって運転の制御が行われる。
(2)空気調和装置の動作
次に、本実施形態の空気調和装置1Aの動作について、図5〜図7を用いて説明する。ここで、図6(a)は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図6(b)は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。図7(a)は、暖房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図7(b)は、暖房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。なお、以下の冷房運転及び暖房運転における運転制御は、上述の制御部(図示せず)によって行われる。また、以下の説明において、「高圧」とは、冷凍サイクルにおける高圧(すなわち、図6(a)の点D、D’、Eにおける圧力や図7(a)の点D、D’、Fにおける圧力)を意味し、「低圧」とは、冷凍サイクルにおける低圧(すなわち、図6(a)や図7(a)の点A、Eにおける圧力)を意味し、「中間圧」とは、冷凍サイクルにおける中間圧(すなわち、図6(a)の点B、C1における圧力や図7(a)の点B、C2における圧力)を意味している。
<冷房運転>
冷房運転時においては、切換機構9Aが冷房運転状態とされ、膨張機構7が、冷媒を減圧するように開度調節される。この冷媒回路2Aの状態において、低圧の冷媒(図5、図6の点A参照)は、吸入管51から圧縮機構5に吸入され、まず、圧縮要素5dによって中間圧まで圧縮された後に、中間吐出管26に吐出される(図5、図6の点B参照)。この前段側の圧縮要素5dから吐出された中間圧の冷媒は、四路切換弁9bから室外側中間冷却器10に流入し、室外側中間冷却器10において冷却源としての水や空気と熱交換を行うことで冷却される(図5、図6の点C1参照)。この室外側中間冷却器10において冷却された冷媒は、次に、圧縮要素5dの後段側に接続された圧縮要素5eに吸入されてさらに圧縮され、圧縮機構5の吐出管52から吐出される(図5、図6の点D参照)。ここで、圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、圧縮要素5d,5eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力(すなわち、図6に示される臨界点CPにおける臨界圧力Pcp)を超える圧力まで圧縮されている。
次に、この圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、冷媒のガスクーラーとして機能する室外側熱交換器6に送られる。そして、室外側熱交換器6に送られた高圧の冷媒は、室外側熱交換器6において、冷却源としての水や空気と熱交換を行って冷却される(図5、図6の点E参照)。そして、室外側熱交換器6において冷却された高圧の冷媒は、膨張機構7によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となり、冷媒の蒸発器として機能する室内側熱交換器8及び室内側中間冷却器11に送られる(図5、図6の点F、点C2参照)。そして、室内側熱交換器8に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、室内側熱交換器8及び室内側中間冷却器11において、加熱源としての水や空気と熱交換を行って加熱されて、蒸発することになる(図5、図6の点A参照)。そして、この室内側熱交換器8及び室内側中間冷却器11において加熱された低圧の冷媒は、四路切換弁9aから吸入戻し管23を経由して、再び、圧縮機構5に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
このように、空気調和装置1Aでは、膨張機構7で減圧された気液二相状態の冷媒が、室内側熱交換器8及び室内側中間冷却器11の両方に送られることによって、蒸発器を大きくすることができ、冷房能力を向上させることができる。また、空気調和装置1Aにおいて、室外側中間冷却器10を設けることにより放熱ロスを小さくして運転効率を向上させることができるのは第1実施形態の空気調和装置1と同様である。
<暖房運転>
暖房運転時は、切換機構9Aが暖房運転状態とされ、膨張機構7が、冷媒を減圧するように開度調節される。この冷媒回路2Aの状態において、低圧の冷媒(図5、図7の点A参照)は、吸入管51から圧縮機構5に吸入され、まず、圧縮要素5dによって中間圧まで圧縮された後に、中間吐出管26に吐出される(図5、図7の点B参照)。この前段側の圧縮要素5dから吐出された中間圧の冷媒は、四路切換弁9bから室内側中間冷却器11に注入し、室内側中間冷却器11において冷却源としての水や空気と熱交換を行うことで冷却される(図5、図7の点C2参照)。この室内側中間冷却器11において冷却された冷媒は、次に、圧縮要素5dの後段側に接続された圧縮要素5eに吸入されてさらに圧縮され、圧縮機構5の吐出管52から吐出される(図5、図7の点D参照)。ここで、圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、冷房運転時と同様、圧縮要素5d,5eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力(すなわち、図7に示される臨界点CPにおける臨界圧力Pcp)を超える圧力まで圧縮されている。
次に、この圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室内側熱交換器8に送られて、冷却源としての水や空気と熱交換を行って冷却される(図5、図7の点F参照)。そして、室内側熱交換器8において冷却された高圧の冷媒は、膨張機構7によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となり、冷媒の蒸発器として機能する室外側熱交換器6及び室外側中間冷却器10に送られる(図5、図7の点E、点C1参照)。そして、室外側熱交換器6及び室外側中間冷却器10に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、加熱源としての水や空気と熱交換を行って加熱されて、蒸発することになる(図5、図7の点A参照)。そして、この室外側熱交換器6において加熱された低圧の冷媒は、四路切換弁9bを経由して、再び、圧縮機構5に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
このように、空気調和装置1Aでは、膨張機構7で減圧された気液二相状態の冷媒が、室外側熱交換器6及び室外側中間冷却器10の両方に送られることによって、蒸発器を大きくすることができ、冷媒循環量を増加させて成績係数を向上させることができる。また、空気調和装置1Aにおいて、室内側中間冷却器11を設けることにより放熱ロスを小さくして運転効率を向上させることができるのは第1実施形態の空気調和装置1と同様である。
〔変形例〕
第2実施形態による空気調和装置1Aにおいては、二段圧縮式冷凍サイクルを用いた冷房運転と暖房運転の際に室外側中間冷却器10と室内側中間冷却器11を蒸発器として機能させる場合について説明したが、第2実施形態の構成(図5参照)に加えて、気液分離器を設けて2段圧縮2段膨張を行わせることにより、熱源側ユニットと利用側ユニットを接続する冷媒管を4管から3管へ減らすようにしてもよい。
(1)空気調和装置の基本構成
図8は、本発明の第2実施形態の変形例に係る空気調和装置の概略構成図である。本変形例に係る空気調和装置1Bは、冷房運転が可能となるように構成された冷媒回路2Bを有し、超臨界域で作動する冷媒として二酸化炭素を使用して二段圧縮式冷凍サイクルを行う装置である。
空気調和装置1Bの冷媒回路2Bは、室外に設けられる熱源ユニット3Bと室内に設けられる利用ユニット4Bを備えて構成されており、主として、熱源ユニット3Bに圧縮機構5と、室外側熱交換器6と、膨張機構7a,7bと、室外側中間冷却器10と気液分離器としてのレシーバ13とが設けられ、利用ユニット4Bに室内側熱交換器8と、室内側中間冷却器11とが設けられ、熱源ユニット3Bと利用ユニット4Bの両ユニットに切換機構9Bが設けられている。さらに、空気調和装置1Bは、ここでは図示しないが、圧縮機構5、膨張機構7a,7b等の空気調和装置1Bを構成する各部の動作を制御する制御部を有している。
冷媒回路2Bは、主に、圧縮機構5と、室外側熱交換器6と、膨張機構7a,7bと、室内側熱交換器8を接続してなる主冷媒回路100Bと、圧縮機構5から分岐した冷媒を室外側中間冷却器10または室内側中間冷却器11に送るための中間冷却用冷媒回路200Bとを備えている。ただし、主冷媒回路100Bと中間冷却用冷媒回路200Bとは、レシーバ13を共有しており、そのために一部の経路も共有している。
また、冷媒回路2Bは、冷媒回路2Bの冷媒の流れを切り換えるための切換機構9Bを備えており、切換機構9Bは、四路切換弁9a,9bと、逆止機構9c,9gとからなる。冷媒回路2Bの主冷媒回路100Bを構成するため、圧縮機構5などの各機器は、複数の冷媒管23、25、32、33などによって接続されている。吸入戻し管23は、四路切換弁9aと吸入管51とを接続する。熱源側の第1主冷媒管32は、膨張機構7aとレシーバ13の一方の出入口とを接続する。利用側の第1主冷媒管33は、レシーバ13の他方の出入口と膨張機構7bとを接続する。第2主冷媒管25は、室内側熱交換器8の他端と四路切換弁9aとを接続する。
冷媒回路2Bの中間冷却用冷媒回路200Bを構成するため、室外側中間冷却器10や室内側中間冷却器11などの各機器は、複数の冷媒管26,28,32〜37などによって接続されている。中間吐出管26は、圧縮機3の前段側の圧縮要素5dの吐出口と四路切換弁9bとを接続する。中間吸入管34は、レシーバ13から冷媒を抜き出して圧縮機構5の後段側の圧縮要素5eに戻すことが可能な冷媒管であり、本変形例において、レシーバ13の上部と圧縮機構5の後段側の圧縮要素5eの吸入口とを接続する。第1中間冷媒管28は、四路切換弁9bと室内側中間冷却器11の一端とを接続する。第2中間冷媒管35は、逆止機構9cを介して室外側中間冷却器10の他端と第1主冷媒管32とを接続する。第3中間冷媒管36は、逆止機構9gを介して利用側の第1主冷媒管33と室内側中間冷却器11の他端とを接続する。バイパス管37は、第1主冷媒管32と室外側中間冷却器10の他端とを接続する。このバイパス管37には、膨張機構7dが設けられている。
圧縮機構5、室外側熱交換器6、室内側熱交換器8、室外側中間冷却器10、及び室内側中間冷却器11については、第1実施形態で説明した通りであるので、ここでは説明を省く。なお、室外側熱交換器6の一端は四路切換弁9aに接続され、室外側熱交換器6の他端は膨張機構7aに接続されている。
膨張機構7a及び膨張機構7bは、ガスクーラーとしての室外側熱交換器6から蒸発器としての室内側熱交換器8に送られる冷媒を減圧する機構または、ガスクーラーとしての室内側熱交換器8から蒸発器としての室外側熱交換器6に送られる冷媒を減圧する機構である。膨張機構7aは、本実施形態において、室外側熱交換器6において冷却された高圧の冷媒をレシーバ13に送る前に冷凍サイクルにおける飽和圧力付近まで減圧しまたは、室内側熱交換器8において冷却され膨張機構7bにより飽和圧力付近まで減圧された冷媒を室外側熱交換器6に送る前に冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する。また、膨張機構7bは、室内側熱交換器8において冷却された高圧の冷媒をレシーバ13に送る前に冷凍サイクルにおける飽和圧力付近まで減圧しまたは、室外側熱交換器6において冷却され膨張機構7aにより飽和圧力付近まで減圧された冷媒を室内側熱交換器8に送る前に冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する。
膨張機構7cは、室外側熱交換器6において冷却され膨張機構7aにより飽和圧力付近まで減圧された冷媒を室内側中間冷却器11に送る前に冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する。膨張機構7dは、室内側熱交換器8において冷却され膨張機構7bにより飽和圧力付近まで減圧された冷媒を室外側中間冷却器10に送る前に冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する。
切換機構9Bは、主冷媒回路100B内における冷媒の流れの方向を切り換えるための四路切換弁9aと、中間冷却用冷媒回路200Bにおける冷媒の流れを切り換えるための四路切換弁9bと、中間冷却用冷媒回路200内における冷媒の流れを規制するための逆止機構9c,9gを備えて構成される。
四路切換弁9a,9bについては、第1実施形態で説明したとおりであるので、ここでは説明を省く。また、冷房運転及び暖房運転と室外側熱交換器6、室内側熱交換器8、室外側中間冷却器10及び室内側中間冷却器11が果たす機能との関係は表2に示すとおりである。
逆止機構9cは、室外側中間冷却器10の他端と第2中間冷媒管35との間に接続され、室外側中間冷却器10から第2中間冷媒管35への冷媒の流れを許容し、かつ、第2中間冷媒管35から室外側中間冷却器10への冷媒の流れを遮断するための機構であり、本実施形態において、逆止弁が使用されている。言い換えると、逆止機構9cは、室外側中間冷却器10の他端と熱源側の第1主冷媒管32との間において膨張機構7dと並列に接続されていることになる。そのため、冷房運転時には、室外側中間冷却器10から逆止機構9cを経由して第1主冷媒管32に冷媒が流れることによって室外側中間冷却器10が中間冷却器として機能し、暖房運転時には、第1主冷媒管32から膨張機構7dを経由して室外側中間冷却器10に冷媒が流れることによって室外側中間冷却器10が蒸発器として機能する。
逆止機構9gは、室内側中間冷却器11の他端と第3中間冷媒管36との間に接続され、室内側中間冷却器11から第3中間冷媒管36への冷媒の流れを許容し、かつ、第3中間冷媒管36から室内側中間冷却器11への冷媒の流れを遮断するための機構であり、本実施形態において、逆止弁が使用されている。言い換えると、逆止機構9gは、室内側中間冷却器11の他端と利用側の第1主冷媒管33との間において膨張機構7cと並列に接続されていることになる。そのため、冷房運転時には、室内側中間冷却器11から逆止機構9gを経由して第1主冷媒管33に冷媒が流れることによって室内側中間冷却器11が中間冷却器として機能し、暖房運転時には、第1主冷媒管33から膨張機構7cを経由して室内側中間冷却器11に冷媒が流れることによって室内側中間冷却器11が蒸発器として機能する。
(2)空気調和装置の動作
次に、本実施形態の空気調和装置1Bの動作について、図8〜図10を用いて説明する。ここで、図9(a)は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図9(b)は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。また、図10(a)は、暖房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図10(b)は、暖房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。なお、以下の冷房運転及び暖房運転における運転制御は、上述の制御部(図示せず)によって行われる。また、以下の説明において、「高圧」とは、冷凍サイクルにおける高圧(すなわち、図9(a)の点D、D’、Eにおける圧力や図10(a)の点D、D’、Fにおける圧力)を意味し、「低圧」とは、冷凍サイクルにおける低圧(すなわち、図9(a)の点A、C2、Fにおける圧力や図10(a)の点A、C1、Eにおける圧力)を意味し、「中間圧」とは、冷凍サイクルにおける中間圧(すなわち、図9(a)の点B、C1、G,M,I,Lにおける圧力や図10(a)の点B、C2、G,M,I,Lにおける圧力)を意味している。
<冷房運転>
冷房運転時は、切換機構9Bが図8の実線で示される冷房運転状態とされる。膨張機構7a,7b,7cは、膨張機構7aで中間圧まで減圧され、膨張機構7b、7cで低圧まで減圧されるように開度調節され、膨張機構7dは閉じられる。この冷媒回路2Bの状態において、低圧の冷媒(図8、図9の点A参照)は、吸入管51から圧縮機構5に吸入され、まず、圧縮要素5dによって中間圧まで圧縮された後に、中間吐出管26に吐出される(図8、図9の点B参照)。この前段側の圧縮要素5dから吐出された中間圧の冷媒は、四路切換弁9bから室外側中間冷却器10に流入し、室外側中間冷却器10において冷却源としての水や空気と熱交換を行うことで冷却される(図8、図9の点C1参照)。この室外側中間冷却器10において冷却された冷媒は、次に、第2中間冷媒管35と熱源側の第1主冷媒管32を通ってレシーバ13に流入する。レシーバ13においては、膨張機構7aで中間圧になった冷媒(図8、図9の点I参照)と室外側中間冷却器10において冷却された冷媒(図8、図9の点C1参照)とが合流し、気液分離された冷媒(図8、図9の点G参照)が中間吸入管34を通じて後段側の圧縮機構5eに戻される。圧縮要素5eに吸入された冷媒は、さらに圧縮されて圧縮機構5の吐出管52から吐出される(図8、図9の点D参照)。ここで、圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、圧縮要素5d,5eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力(すなわち、図9に示される臨界点CPにおける臨界圧力Pcp)を超える圧力まで圧縮されている。次に、この圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、冷媒のガスクーラーとして機能する室外側熱交換器6に送られる。そして、室外側熱交換器6に送られた高圧の冷媒は、室外側熱交換器6において、冷却源としての水や空気と熱交換を行って冷却される(図8、図9の点E参照)。そして、室外側熱交換器6において冷却された高圧の冷媒は、膨張機構7aによって減圧されて飽和圧力付近の気液二相状態の冷媒となり、レシーバ13に流入する。レシーバ13に流入した冷媒のうち液相部分が分離されて、レシーバ13から、膨張機構7b,7cに送られる(図8、図9の点L参照)。そして、膨張機構7b,7cによって減圧されて低圧になった気液二相状態の冷媒が、冷媒の蒸発器として機能する室内側熱交換器8及び室内側中間冷却器11に送られる(図8、図9の点F、点C2参照)。室内側熱交換器8及び室内側中間冷却器11に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、室内側熱交換器8及び室内側中間冷却器11において、加熱源としての水や空気と熱交換を行って加熱されて、蒸発することになる(図8、図9の点A参照)。そして、この室内側熱交換器8及び室内側中間冷却器11において加熱された低圧の冷媒は、四路切換弁9a,9bを経由して、再び、圧縮機構5に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
このように、空気調和装置1Bでは、圧縮要素5dから吐出された冷媒を圧縮要素5eに吸入させるための経路に室外側中間冷却器10を設けることによって、室外側中間冷却器10を冷却器として機能する状態にしているため、室外側中間冷却器10を設けなかった場合(この場合には、図9において、点A→点B→点D’→点E→点I→点L→点Fの順で冷凍サイクルが行われる)に比べて、圧縮要素5dの後段側の圧縮要素5eに吸入される冷媒の温度が低下し(図9(b)の点B,C1参照)、圧縮要素5eから吐出される冷媒の温度も低下することになる。このため、この空気調和装置1では、高圧の冷媒の放熱器として機能する室外側熱交換器6において、室外側中間冷却器10を設けなかった場合に比べて、放熱ロスを小さくできることから、運転効率を向上させることができる。
しかも、本変形例の構成では、レシーバ13を設けて室外側熱交換器6から膨張機構7bに送られる冷媒を分岐して後段側の圧縮要素5eに戻すようにしているため、外部への放熱を行うことなく、後段側の圧縮要素5eに吸入される冷媒の温度をさらに低く抑えることができる(図9の点G参照)。これにより、圧縮機構3から吐出される冷媒の温度がさらに低く抑えられ(図9(b)の点D,D’参照)、放熱ロスをさらに小さくすることができる。
<暖房運転>
暖房運転時は、切換機構9Bが暖房運転状態とされる。そして、膨張機構7a,7b,7dは、膨張機構7bで中間圧まで減圧され、膨張機構7a,7dで低圧まで減圧されるように開度調節され、膨張機構7cは閉じられる。この冷媒回路2Bの状態において、低圧の冷媒(図8、図10の点A参照)は、吸入管51から圧縮機構5に吸入され、まず、圧縮要素5dによって中間圧まで圧縮された後に、中間吐出管26に吐出される(図8、図9の点B参照)。
この前段側の圧縮要素5dから吐出された中間圧の冷媒は、四路切換弁9bから室内側中間冷却器11に流入し、室内側中間冷却器11において冷却源としての水や空気と熱交換を行うことで冷却される(図8、図10の点C2参照)。この室内側中間冷却器11において冷却された冷媒は、次に、第3中間冷媒管36と利用側の第1主冷媒管33を通ってレシーバ13に流入する。レシーバ13においては、膨張機構7bで中間圧になった冷媒(図8、図10の点L参照)と室内側中間冷却器11において冷却された冷媒(図8、図10の点C2参照)とが合流し、気液分離された冷媒(図8、図10の点G参照)が中間吸入管34を通じて後段側の圧縮機構5eに戻される。この室内側中間冷却器11において冷却された冷媒は、次に、圧縮要素5dの後段側に接続された圧縮要素5eに吸入されてさらに圧縮され、圧縮機構5の吐出管52から吐出される(図8、図10の点D参照)。ここで、圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、冷房運転時と同様、圧縮要素5d,5eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力(すなわち、図10に示される臨界点CPにおける臨界圧力Pcp)を超える圧力まで圧縮されている。
次に、この圧縮機構5から吐出された高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室内側熱交換器8に送られて、冷却源としての水や空気と熱交換を行って冷却される(図8、図10の点F参照)。室内側熱交換器8において冷却された高圧の冷媒は、膨張機構7bによって減圧されて飽和圧力付近の気液二相状態の冷媒となり、レシーバ13に流入する。レシーバ13に流入した冷媒のうち液相部分が分離されて、レシーバ13から、膨張機構7a,7dに送られる(図8、図10の点I参照)。そして、膨張機構7a,7dによって減圧されて低圧になった気液二相状態の冷媒が、冷媒の蒸発器として機能する室外側熱交換器6及び室外側中間冷却器10に送られる(図8、図10の点E、点C1参照)。そして、室外側熱交換器6及び室外側中間冷却器10に送られた飽和圧力付近の気液二相状態の冷媒は、加熱源としての水や空気と熱交換を行って加熱されて、蒸発することになる(図8、図10の点A参照)。そして、この室外側熱交換器6及び室外側中間冷却器10において加熱された低圧の冷媒は、四路切換弁9a,9bを経由して、再び、圧縮機構5に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
このように、空気調和装置1Bでは、圧縮要素5dから吐出された冷媒を圧縮要素5eに吸入させるための経路に室内側中間冷却器11を設けることによって、室内側中間冷却器11を冷却器として機能する状態にしているため、室内側中間冷却器11を設けなかった場合(この場合には、図7において、点A→点B→点D’→点F→点L→点I→点E、点C1の順で冷凍サイクルが行われる)に比べて、圧縮要素5dの後段側の圧縮要素5eに吸入される冷媒の温度が低下し(図7の点B,C2参照)、圧縮要素5eから吐出される冷媒の温度も低下することになる(図7の点D,D’参照)。このため、この空気調和装置1では、高圧の冷媒の放熱器として機能する室外側熱交換器6において、室内側中間冷却器11を設けなかった場合に比べて、放熱ロスを小さくできることから、運転効率を向上させることができる。ところで、室内側中間冷却器11によって圧縮機構5から吐出される冷媒の温度が下がることで、室内側熱交換器8から室内に与えられるエネルギーは、DF間に相当するものとなるためD´F間に相当するエネルギーが与えられる場合(室内側中間冷却器11がない場合)に比べて小さくなっている。しかし、室内側中間冷却器11が利用ユニット(室内)に設けられることにより、室内側中間冷却器11が放出する熱エネルギー(BC2間に相当するもの)が暖房に利用される。放熱ロスを考慮に入れればDD´間のエネルギーよりもBC2間のエネルギーの方が若干多くなることから、暖房能力は低下せず、むしろ向上する方向である。
しかも、本変形例の構成では、レシーバ13を設けて室内側熱交換器8から膨張機構7aに送られる冷媒を分岐して後段側の圧縮要素5eに戻すようにしているため、外部への放熱を行うことなく、後段側の圧縮要素5eに吸入される冷媒の温度をさらに低く抑えることができる(図10の点G参照)。これにより、圧縮機構3から吐出される冷媒の温度がさらに低く抑えられ(図10(b)の点D,D’参照)、放熱ロスをさらに小さくすることができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上述の実施形態及びその変形例において、室内側熱交換器8を流れる冷媒と熱交換を行う加熱源又は冷却源としての水やブラインを使用するとともに、室内側熱交換器8において熱交換された水やブラインと室内空気とを熱交換させる二次熱交換器を設けた、いわゆる、チラー型の空気調和装置に本発明を適用してもよい。
また、上述のチラータイプの空気調和装置の他の型式の冷凍装置であっても、超臨界域で作動する冷媒を冷媒として使用して多段圧縮式冷凍サイクルを行うものであれば、本発明を適用可能である。
また、超臨界域で作動する冷媒としては、二酸化炭素に限定されず、エチレン、エタンや酸化窒素等を使用してもよい。
〔特徴〕
(a)
上述の実施形態及び変形例によれば、暖房運転時には利用ユニット4,4A,4Bの室内側中間冷却器11(利用側中間冷却器)で冷媒の冷却が行われるので、室内側中間冷却器11(利用側中間冷却器)で冷媒から奪った熱は利用ユニット4,4A,4Bから利用場所へ供給できる。それにより、暖房運転時に中間冷却を行う場合には、中間冷却器から従来捨てざるを得なかった熱を暖房に利用できる。その結果、中間冷却器の熱エネルギーの有効利用が図れ、暖房運転時の運転効率を向上させることができる。
(b)
上述の実施形態及び変形例によれば、切換機構9,9A,9Bによって、再熱除湿時に利用側ユニット4,4A,4Bにおいて室内側中間冷却器11(利用側中間冷却器)から発生する熱を再熱除湿に利用できるようになる。その結果、再熱除湿時にも捨てていた中間冷却器の熱エネルギーの有効利用を図れ、暖房運転時に加え、再熱除湿運転時の運転効率を向上させることができる。
(c)
上述の第2実施形態によれば、切換機構9A、9Bによって、冷房運転時に、室内側中間冷却器11(利用側中間冷却器)が蒸発器として機能するので、冷房運転時の蒸発器の冷媒循環量を増加させることができる。その結果、冷房能力を向上させることができる。
(d)
上述の第2実施形態によれば、切換機構9A,9Bによって、暖房運転時に、室外側中間冷却器10(熱源側中間冷却器)が蒸発器として機能するので、暖房運転時の蒸発器の冷媒循環量を増加させることができる。その結果、成績係数を向上させることができる。
(e)
上述の実施形態及び変形例によれば、2段圧縮機50により超臨界状態に達する高い圧力まで冷媒が圧縮される際、室内側中間冷却器11による冷媒の冷却で圧縮機構5の吐出温度を低く抑えることにより放熱ロスを防ぐ効果が大きくなる。その結果、暖房運転時の運転効率の改善効果が大きくなる。
(f)
二酸化炭素を冷媒として用いるため圧縮機構5から吐出される冷媒が他の種類の冷媒に比べて高温高圧となるため、二酸化炭素を冷媒として用いる場合には、吐出温度を暖房運転時及び冷房運転時に低く抑えることが必要になってくる。上述の実施形態及び変形例によれば、暖房運転時及び冷房運転時の両方で、室外側中間冷却器10及び室内側中間冷却器11により吐出温度を低く抑えることができるとともに、暖房運転時及び冷房運転時の運転効率を向上させることができる。その結果、冷房運転時及び暖房運転時の運転効率を改善しつつ、圧縮機構からの吐出温度を低く抑えることで二酸化炭素を冷媒として用いる場合の運転範囲の拡大や信頼性の向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る空気調和装置の概略構成図である。 (a)冷房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。(b)冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。 (a)暖房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。(b)暖房冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。 (a)再熱除湿運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。(b)再熱除湿冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。 本発明の第2実施形態に係る空気調和装置の概略構成図である。 (a)冷房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。(b)冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。 (a)暖房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。(b)暖房冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。 第2実施形態の変形例に係る空気調和装置の概略構成図である。 (a)冷房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。(b)冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。 (a)暖房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。(b)暖房冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。
符号の説明
1,1A,1B 空気調和装置
5 圧縮機構
9,9A,9B 切換機構
6 室外側熱交換器(熱源側熱交換器)
7,7a,7b,7c、7d 膨張機構
8 室内側熱交換器(利用側熱交換器)
9,9A,9B 切換機構
10 室外側中間冷却器
11 室内側中間冷却器

Claims (6)

  1. 吸入路(51)、吐出路(52)、前記吸入路から吸入した冷媒の圧力を高める第1圧縮要素(5d)及び前記第1圧縮要素よりもさらに冷媒の圧力を高めて前記吐出路から吐出する第2圧縮要素(5e)を有する圧縮機構(5)と、
    前記圧縮機構の前記吐出路から送られる冷媒を減圧して前記圧縮機構の前記吸入路に戻す膨張機構(7,7a,7b,7c,7d)と、
    前記第1圧縮要素の吐出口から吐出された冷媒を冷却して前記第2圧縮要素の吸入口に戻すための中間冷却路(200,200A,200B)と、
    前記膨張機構と前記圧縮機構の前記吐出路または前記吸入路との間に設けられ前記膨張機構を経由する冷媒の冷却器または加熱器として機能する熱源側熱交換器(6)及び、前記中間冷却路を流れる冷媒を冷却可能な熱源側中間冷却器(10)を有する熱源ユニット(3)と、
    前記膨張機構と前記圧縮機構の前記吸入路または前記吐出路との間に設けられ前記膨張機構を経由する冷媒の加熱器または冷却器として機能する利用側熱交換器(8)及び、前記中間冷却路を流れる冷媒を冷却可能な利用側中間冷却器(11)を有する利用ユニット(4)と、
    冷房時には前記熱源側中間冷却器によって、暖房時には前記利用側中間冷却器によって前記中間冷却路に流れる冷媒の冷却を行わせるように切り換える切換機構(9,9A,9B)と
    を備える空気調和装置。
  2. 前記切換機構は、再熱除湿時には、前記利用側中間冷却器によって前記中間冷却路に流れる冷媒の冷却を行わせるように切り換える、請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記切換機構は、冷房時に、前記膨張機構を経由する冷媒の一部を、前記利用側中間冷却器を通して蒸発させて前記吸入路に戻すように切り換える、請求項1または請求項2に記載の空気調和装置。
  4. 前記切換機構は、暖房時に、前記膨張機構を経由する冷媒の一部を、前記熱源側中間冷却器を通して蒸発させて前記吸入路に戻すように切り換える、請求項1から3のいずれかに記載の空気調和装置。
  5. 前記圧縮機構は、冷媒の圧力を超臨界状態になる圧力まで高めて前記吐出路から吐出する、請求項1から4のいずれかに記載の空気調和装置。
  6. 前記圧縮機構は、二酸化炭素を主成分として含む冷媒の圧力を超臨界状態になる圧力まで高めて前記吐出路から吐出する、請求項5に記載の空気調和装置。
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