JP2009257704A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作動冷媒が超臨界状態となる冷凍装置において、多段圧縮式の冷媒循環量の調整自由度を増大させつつ、起動時の圧縮機の動きを安定させることが可能な冷凍装置を提供する。
【解決手段】第1中間冷却管61,62は、第1圧縮要素303cから吐出した冷媒を第2圧縮要素303dに吸入させる。第1中間冷却器60は、第1中間冷却管62を通過する冷媒を冷却させる。第2中間冷却管72は、第3圧縮要素304cから吐出した冷媒を第4圧縮要素304dに吸入させる。第2中間冷却器70は、第2中間冷却管71、72を通過する冷媒を冷却させる。吸入側配管302aは、利用側熱交換器6を通過した冷媒を分岐させて、冷媒を第1圧縮要素303cの吸入側と第3圧縮要素304cの吸入側に導く。吐出側配管302bは、第2圧縮要素303dの吐出側と第4圧縮要素304dの吐出側から流出した冷媒とを合流させて、熱源側熱交換器4に導く。
【選択図】図1
【解決手段】第1中間冷却管61,62は、第1圧縮要素303cから吐出した冷媒を第2圧縮要素303dに吸入させる。第1中間冷却器60は、第1中間冷却管62を通過する冷媒を冷却させる。第2中間冷却管72は、第3圧縮要素304cから吐出した冷媒を第4圧縮要素304dに吸入させる。第2中間冷却器70は、第2中間冷却管71、72を通過する冷媒を冷却させる。吸入側配管302aは、利用側熱交換器6を通過した冷媒を分岐させて、冷媒を第1圧縮要素303cの吸入側と第3圧縮要素304cの吸入側に導く。吐出側配管302bは、第2圧縮要素303dの吐出側と第4圧縮要素304dの吐出側から流出した冷媒とを合流させて、熱源側熱交換器4に導く。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷凍装置、特に、冷凍サイクルの少なくとも一部で作動冷媒が超臨界状態となる多段圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置に関する。
従来より、冷却運転と加熱運転とを切り換え可能に構成された冷媒回路を有し、超臨界域で作動する冷媒を使用して多段圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置の1つとして、特許文献1に示されるような、冷房運転と暖房運転とを切り換え可能に構成された冷媒回路を有し、二酸化炭素を冷媒として使用して二段圧縮式冷凍サイクルを行う空気調和装置がある。この空気調和装置は、主として、直列に接続された2つの圧縮要素を有する圧縮機と、冷房運転と暖房運転とを切り換えるための四路切換弁と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器とを有している。
特開2007−232263号公報
上述の空気調和装置では、冷媒として使用される二酸化炭素の臨界温度(約31℃)が冷媒の冷却器として機能する室外熱交換器や室内熱交換器の冷却源となる水や空気の温度と同程度であり、R22やR410A等の冷媒に比べて低いことから、これらの熱交換器における水や空気による冷媒の冷却が可能になるように、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高い状態で運転がなされることになる。このことに起因して、圧縮機の後段側の圧縮要素から吐出される冷媒の温度が高くなるため、冷媒の冷却器として機能する室外熱交換器において、冷却源としての水や空気と冷媒との間の温度差が大きくなってしまい、室外熱交換器における放熱ロスが大きくなることから、高い運転効率が得られにくいという問題がある。
さらに、上述の空気調和装置では、圧縮機が1つしか設けられていないため、循環冷媒量の調整自由度が限られたものになってしまう。また、仮に、圧縮機を並列に複数用いる場合には、運転効率を向上させる解決手段を用いても、複数の圧縮機同士の圧力バランスを調節できず、起動時の動きを安定させることが困難になる場合がある。
本発明の課題は、冷凍サイクルの少なくとも一部で作動冷媒が超臨界状態となる冷凍装置において、多段圧縮式の圧縮要素による冷媒循環量の調整自由度を増大させつつ、起動時の圧縮機の動きを安定させることが可能な冷凍装置を提供することにある。
第1発明の冷凍装置は、冷凍サイクルの少なくとも一部で作動冷媒が超臨界状態となる冷凍装置であって、熱源側熱交換器、膨張機構、利用側熱交換器、第1二段圧縮要素、第1中間冷却管、第1中間冷却器、第2二段圧縮要素、第2中間冷却管、第2中間冷却器、吸入側配管、および、吐出側配管を備えている。熱源側熱交換器は、冷媒の冷却器又は加熱器として機能する。膨張機構は、冷媒を減圧させる。利用側熱交換器は、冷媒の加熱器又は冷却器として機能する。第1二段圧縮要素は、第1圧縮要素および第2圧縮要素を有している。第1圧縮要素は、冷媒を吸入し圧縮させて吐出する。第2圧縮要素は、第1圧縮要素から吐出された冷媒を吸入してさらに圧縮させて吐出する。第1中間冷却管は、第1圧縮要素から吐出した冷媒を第2圧縮要素に吸入させる。第1中間冷却器は、第1中間冷却管を通過する冷媒を冷却させる。第2二段圧縮要素は、第3圧縮要素および第4圧縮要素を有している。第3圧縮要素は、冷媒を吸入し圧縮させて吐出する。第4圧縮要素は、第3圧縮要素から吐出された冷媒を吸入してさらに圧縮させて吐出する。第2中間冷却管は、第3圧縮要素から吐出した冷媒を第4圧縮要素に吸入させる。第2中間冷却器は、第2中間冷却管を通過する冷媒を冷却させる。吸入側配管は、利用側熱交換器を通過した冷媒を分岐させて、一部の冷媒を第1圧縮要素の吸入側に導きつつ、他の一部の冷媒を第3圧縮要素の吸入側に導く。吐出側配管は、第2圧縮要素の吐出側から流出した冷媒と第4圧縮要素の吐出側から流出した冷媒とを合流させて、熱源側熱交換器に導く。
この冷凍装置では、二段圧縮要素が並列に配置されている場合において、中間冷却器を共通化させると、各二段圧縮要素の起動時において、一方の低段側の圧縮要素(例えば、第1圧縮要素)からの吐出冷媒の圧力が、他方の二段圧縮要素の低段側の圧縮要素(例えば、第3圧縮要素)からの吐出冷媒に対する抵抗として作用してしまうおそれがある。
これに対して、この冷凍装置では、中間冷却管および中間冷却器を各二段圧縮要素にそれぞれ独立させて設けている。このため、二段圧縮要素間の圧力バランスの問題を回避することができる。また、二段圧縮要素を並列接続させることで、流量の調節幅を向上させることが可能になる。さらに、中間冷却器を設けることで、高段側の吸入冷媒の密度を上げることができ、圧縮仕事を小さくすることができる。
これにより、冷凍サイクルの少なくとも一部で作動冷媒が超臨界状態となる冷凍装置において、多段圧縮式の圧縮要素による冷媒循環量の調整自由度を増大させつつ、起動時の圧縮機の動きを安定させ、圧縮仕事を小さくさせることが可能になる。
第2発明の冷凍装置は、第1発明の冷凍装置において、熱源膨張接続配管、バイパス回路、および、エコノマイザ熱交換器をさらに備えている。熱源膨張接続配管は、熱源側熱交換器と膨張機構とを接続している。バイパス回路は、第1バイパス膨張機構、第1バイパス回路、第2バイパス膨張機構、および、第2バイパス回路を有している。第1バイパス膨張機構は、冷媒を減圧させる。第1バイパス回路は、第1バイパス上流配管および第1バイパス下流配管を有している。第1バイパス上流配管は、熱源膨張接続配管から分岐して第1バイパス膨張機構まで延びている。第1バイパス下流配管は、第1バイパス膨張機構から第1中間冷却管まで延びている。第2バイパス膨張機構は、冷媒を減圧させる。第2バイパス回路は、第2バイパス上流配管および第2バイパス下流配管を有している。第2バイパス上流配管は、熱源膨張接続配管から分岐して第2バイパス膨張機構まで延びている。第2バイパス下流配管は、第2バイパス膨張機構から第2中間冷却管まで延びている。エコノマイザ熱交換器は、熱源膨張接続配管を流れる冷媒、第1バイパス下流配管を流れる冷媒、および、第2バイパス下流配管を流れる冷媒の間で熱交換を行わせる。
この冷凍装置では、高段側の圧縮要素に吸入される冷媒を、中間冷却器だけでなく、エコノマイザ熱交換器によっても冷却させることができ、中間冷却器の冷却負荷を分散させて軽減させるか、中間冷却器だけでは不足する冷却を補うことが可能になる。
第3発明の冷凍装置は、第2発明の冷凍装置において、第1バイパス下流配管は、第1中間冷却器と第2圧縮要素の吸入側との間の位置で第1中間冷却管と接続されている。第2バイパス下流配管は、第2中間冷却器と第4圧縮要素の吸入側との間の位置で第2中間冷却管と接続されている。
この冷凍装置では、エコノマイザ熱交換器を通過した冷媒が合流する前に中間圧力の冷媒を冷却させることで、中間冷却器の能力を十分に発揮させることが可能になる。
第4発明の冷凍装置は、第2発明または第3発明の冷凍装置において、熱源膨張接続配管から第1バイパス上流配管が分岐している位置、および、熱源膨張接続配管から第2バイパス上流配管が分岐している位置は、エコノマイザ熱交換器と熱源側熱交換器との間である。そして、エコノマイザ熱交換器内で熱源膨張接続配管に対して第1バイパス下流配管および第2バイパス下流配管が接している箇所の少なくとも一部において、熱源膨張接続配管を流れる冷媒の流れ方向と、第1バイパス下流配管および第2バイパス下流配管を流れる冷媒の流れ方向とが略対向方向の関係となっている。
熱源膨張接続配管から第1、第2バイパス上流配管が分岐している位置が、エコノマイザ熱交換器と熱源側熱交換器との間に設けられている場合には、熱源膨張接続配管から第1、第2バイパス上流配管が分岐している位置が、エコノマイザ熱交換器と膨張機構との間に設けられている場合に比較して、第1、第2バイパス下流配管を流れる冷媒を加熱させるために要する熱量が少なくて済む。
これにより、この冷凍装置では、エコノマイザ熱交換器を小型化させることが可能になる。
さらに、第1、第2バイパス上流配管を流れる冷媒に過熱が付いたり超臨界状態になったとしても、並行流で流す場合と比較して熱交換効率を向上させることが可能になる。
第5発明の冷凍装置は、第1発明の冷凍装置において、熱源膨張接続配管、バイパス回路、および、エコノマイザ熱交換器をさらに備えている。熱源膨張接続配管は、熱源側熱交換器と膨張機構とを接続している。バイパス回路は、バイパス膨張機構、バイパス上流配管、分岐バイパス下流配管、第1バイパス下流配管、および、第2バイパス下流配管を有している。バイパス膨張機構は、冷媒を減圧させる。バイパス上流配管は、熱源膨張接続配管から分岐してバイパス膨張機構まで延びている。分岐バイパス下流配管は、バイパス膨張機構から分岐点まで延びている。第1バイパス下流配管は、少なくとも冷媒の通過を許容する状態と許容しない状態とに切り換え可能な切換弁を含んでおり、分岐点と第1中間冷却管とを接続している。第2バイパス下流配管は、分岐点と第2中間冷却管とを接続している。エコノマイザ熱交換器は、熱源膨張接続配管を流れる冷媒と、分岐バイパス下流配管を流れる冷媒との間で熱交換を行わせる。
この冷凍装置では、1つのエコノマイザ熱交換器を用いて第1中間冷却管だけでなく第2中間冷却管にもインジェクションさせることが可能になるとともに、第1二段圧縮要素と第2二段圧縮要素との間の圧力バランスの問題を回避することが可能になる。
第6発明の冷凍装置は、第5発明の冷凍装置において、第1バイパス下流配管は、第1中間冷却器と第2圧縮要素の吸入側との間の位置で第1中間冷却管と接続されている。そして、第2バイパス下流配管は、第2中間冷却器と第4圧縮要素の吸入側との間の位置で第2中間冷却管と接続されている。
この冷凍装置では、エコノマイザ熱交換器を通過した冷媒が合流する前に中間圧力の冷媒を冷却させることで、中間冷却器の能力を十分に発揮させることが可能になる。
第7発明の冷凍装置は、第5発明または第6発明の冷凍装置において、熱源膨張接続配管からバイパス上流配管が分岐している位置は、エコノマイザ熱交換器と熱源側熱交換器との間である。そして、エコノマイザ熱交換器内で熱源膨張接続配管に対して分岐バイパス下流配管が接している箇所の少なくとも一部において、熱源膨張接続配管を流れる冷媒の流れ方向と、分岐バイパス下流配管を流れる冷媒の流れ方向とが略対向方向の関係となっている。
熱源膨張接続配管からバイパス上流配管が分岐している位置が、エコノマイザ熱交換器と熱源側熱交換器との間に設けられている場合には、熱源膨張接続配管からバイパス上流配管が分岐している位置が、エコノマイザ熱交換器と膨張機構との間に設けられている場合に比較して、バイパス下流配管を流れる冷媒を加熱させるために要する熱量が少なくて済む。
これにより、この冷凍装置では、エコノマイザ熱交換器を小型化させることが可能になる。
さらに、バイパス上流配管を流れる冷媒に過熱が付いていたり超臨界状態になったとしても、並行流で流す場合と比較して熱交換効率を向上させることが可能になる。
第8発明の冷凍装置は、第1発明から第7発明のいずれかの冷凍装置において、第1中間冷却器による第1中間冷却管を流れる冷媒の冷却、および、第2中間冷却器による第2中間冷却管を流れる冷媒の冷却、の少なくともいずれか一方は、周辺空気による冷却である。
この冷凍装置では、周辺空気を用いて圧縮仕事を小さくすることができる。
第9発明の冷凍装置は、第1発明から第7発明のいずれかの冷凍装置において、第1中間冷却器による第1中間冷却管を流れる冷媒の冷却、および、第2中間冷却器による第2中間冷却管を流れる冷媒の冷却、の少なくともいずれか一方は、水による冷却である。
この冷凍装置では、水を用いて圧縮仕事を小さくすることができる。
第10発明の冷凍装置は、第9発明の冷凍装置において、第1中間冷却器による第1中間冷却管を流れる冷媒の冷却量、および、第2中間冷却器による第2中間冷却管を流れる冷媒の冷却量、の少なくともいずれか一方は、水量および/または水温を調節することにより調節する。
この冷凍装置では、流量制御によって、高段側圧縮要素の吸入冷媒の状態を調節することができるため、圧縮仕事をより確実に調節することが可能になる。
第11発明の冷凍装置は、第1発明から第10発明のいずれかの冷凍装置において、第1圧縮要素、および、第2圧縮要素は、それぞれ回転駆動することで圧縮仕事を行うための共通の回転軸を有している。
この冷凍装置では、この冷凍装置では、遠心力を互いに相殺させながら駆動することで、振動の発生やトルク負荷の変動を抑えることが可能になる。
第12発明の冷凍装置は、第1発明から第11の発明のいずれかの冷凍装置において、作動冷媒は、二酸化炭素である。
この冷凍装置では、臨界点近傍の超臨界状態の二酸化炭素は、冷媒圧力を少し変えるだけで冷媒の密度を劇的に変化させることができる。このため、少ない圧縮仕事によって、冷凍装置の効率を向上させることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1発明では、冷凍サイクルの少なくとも一部で作動冷媒が超臨界状態となる冷凍装置において、多段圧縮式の圧縮要素による冷媒循環量の調整自由度を増大させつつ、起動時の圧縮機の動きを安定させ、圧縮仕事を小さくさせることが可能になる。
第2発明では、中間冷却器の冷却負荷を分散させて軽減させるか、中間冷却器だけでは不足する冷却を補うことが可能になる。
第3発明では、中間冷却器の能力を十分に発揮させることが可能になる。
第4発明では、エコノマイザ熱交換器を小型化させることが可能になる。
第5発明では、1つのエコノマイザ熱交換器を用いて第1中間冷却管だけでなく第2中間冷却管にもインジェクションさせることが可能になるとともに、第1二段圧縮要素と第2二段圧縮要素との間の圧力バランスの問題を回避することが可能になる。
第6発明では、エコノマイザ熱交換器を通過した冷媒が合流する前に中間圧力の冷媒を冷却させることで、中間冷却器の能力を十分に発揮させることが可能になる。
第7発明では、エコノマイザ熱交換器を小型化させることが可能になる。
第8発明では、周囲空気を用いて圧縮仕事をちいさくすることができる。
第9発明では、水を用いて圧縮仕事を小さくすることができる。
第10発明では、流量制御によって、高段側圧縮要素の吸入冷媒の状態を調節することができるため、圧縮仕事をより確実に調節することが可能になる。
第11発明では、遠心力を互いに相殺させながら駆動することで、振動の発生やトルク負荷の変動を抑えることが可能になる。
第12発明では、臨界点近傍の超臨界状態の二酸化炭素は、冷媒圧力を少し変えるだけで冷媒の密度を劇的に変化させることができる。このため、少ない圧縮仕事によって、冷凍装置の効率を向上させることができる。
以下、図面に基づいて、本発明にかかる冷凍装置の実施形態について説明する。
(1)空気調和装置の構成
図1は、本発明にかかる冷凍装置の一実施形態としての空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、冷房運転と暖房運転を切り換え可能に構成された冷媒回路10を有し、超臨界域で作動する冷媒(ここでは、二酸化炭素)を使用して二段圧縮式冷凍サイクルを行う装置である。
図1は、本発明にかかる冷凍装置の一実施形態としての空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、冷房運転と暖房運転を切り換え可能に構成された冷媒回路10を有し、超臨界域で作動する冷媒(ここでは、二酸化炭素)を使用して二段圧縮式冷凍サイクルを行う装置である。
空気調和装置1の冷媒回路310は、主として、圧縮機構302と、切換機構3と、熱源側熱交換器4と、後段側インジェクション管19と、エコノマイザ熱交換器20と、利用側熱交換器6と、第1中間冷却器60と、第1中間冷却管61,62と、第2中間冷却器70と、第2中間冷却管71,72とを有している。
<圧縮機構>
圧縮機構302は、多段(ここでは、2段)圧縮式の圧縮機構を複数系統(ここでは、2系統)並列に接続した並列多段圧縮式の圧縮機構であり、本実施形態において、圧縮要素303c、303dを有する二段圧縮式の第1圧縮機構303と、圧縮要素304c、304dを有する二段圧縮式の第2圧縮機構304とから構成されている。
圧縮機構302は、多段(ここでは、2段)圧縮式の圧縮機構を複数系統(ここでは、2系統)並列に接続した並列多段圧縮式の圧縮機構であり、本実施形態において、圧縮要素303c、303dを有する二段圧縮式の第1圧縮機構303と、圧縮要素304c、304dを有する二段圧縮式の第2圧縮機構304とから構成されている。
第1圧縮機構303は、本実施形態において、2つの圧縮要素303c、303dで冷媒を二段圧縮する圧縮機36から構成されており、圧縮機構302の吸入母管302aから分岐された第1吸入枝管303a、及び、圧縮機構302の吐出母管302bに合流する第1吐出枝管303bに接続されている。第2圧縮機構304は、本実施形態において、2つの圧縮要素304c、304dで冷媒を二段圧縮する圧縮機37から構成されており、圧縮機構302の吸入母管302aから分岐された第2吸入枝管304a、及び、圧縮機構302の吐出母管302bに合流する第2吐出枝管304bに接続されている。
圧縮機36は、ケーシング36a内に、圧縮機駆動モータ36bと、駆動軸36cと、圧縮要素303c、303dとが収容された密閉式構造となっている。圧縮機駆動モータ36bは、駆動軸36cに連結されている。そして、この駆動軸36cは、2つの圧縮要素303c、303dに連結されている。すなわち、圧縮機36は、2つの圧縮要素303c、303dが単一の駆動軸36cに連結されており、2つの圧縮要素303c、303dがともに圧縮機駆動モータ36bによって回転駆動される、いわゆる一軸二段圧縮構造となっている。そして、圧縮機36は、第1吸入枝管303aから冷媒を吸入し、この吸入された冷媒を圧縮要素303cによって圧縮した後に中間冷媒管8を構成する第1入口側中間枝管81に吐出し、第1入口側中間枝管81に吐出された冷媒を中間冷媒管8を構成する中間母管82及び第1出口側中間枝管83を通じて圧縮要素303dに吸入させて冷媒をさらに圧縮した後に第1吐出枝管303bに吐出するように構成されている。
圧縮機37は、ケーシング37a内に、圧縮機駆動モータ37bと、駆動軸37cと、圧縮要素304c、304dとが収容された密閉式構造となっている。圧縮機駆動モータ37bは、駆動軸37cに連結されている。そして、この駆動軸37cは、2つの圧縮要素304c、304dに連結されている。すなわち、圧縮機37は、2つの圧縮要素304c、304dが単一の駆動軸37cに連結されており、2つの圧縮要素304c、304dがともに圧縮機駆動モータ37bによって回転駆動される、いわゆる一軸二段圧縮構造となっている。そして、圧縮機37は、第1吸入枝管304aから冷媒を吸入し、この吸入された冷媒を圧縮要素304cによって圧縮した後に中間冷媒管8を構成する第2入口側中間枝管84に吐出し、第2入口側中間枝管84に吐出された冷媒を中間冷媒管8を構成する中間母管82及び第2出口側中間枝管85を通じて圧縮要素304dに吸入させて冷媒をさらに圧縮した後に第2吐出枝管304bに吐出するように構成されている。
第1中間冷却管61は、圧縮要素303cから吐出される冷媒を第1中間冷却器60まで導く配管である。また、第1中間冷却管62は、第1中間冷却器60から流出した冷媒を圧縮要素303dの吸入側に導く配管である。
第2中間冷却管71は、圧縮要素304cから吐出される冷媒を第2中間冷却器70まで導く配管である。また、第2中間冷却管72は、第2中間冷却器70から流出した冷媒を圧縮要素304dの吸入側に導く配管である。
また、吐出母管302bは、圧縮機構302から吐出された冷媒を切換機構3に送るための冷媒管であり、吐出母管302bに接続される第1吐出枝管303bには、第1油分離機構341と第1逆止機構342とが設けられており、吐出母管302bに接続される第2吐出枝管304bには、第2油分離機構343と第2逆止機構344とが設けられている。
第1油分離機構341は、第1圧縮機構303から吐出される冷媒に同伴する冷凍機油を冷媒から分離して圧縮機構302の吸入側へ戻す機構であり、主として、第1圧縮機構303から吐出される冷媒に同伴する冷凍機油を冷媒から分離する第1油分離器341aと、第1油分離器341aに接続されており冷媒から分離された冷凍機油を圧縮機構302の吸入側に戻す第1油戻し管341bとを有している。
第2油分離機構343は、第2圧縮機構304から吐出される冷媒に同伴する冷凍機油を冷媒から分離して圧縮機構302の吸入側へ戻す機構であり、主として、第2圧縮機構304から吐出される冷媒に同伴する冷凍機油を冷媒から分離する第2油分離器343aと、第2油分離器343aに接続されており冷媒から分離された冷凍機油を圧縮機構302の吸入側に戻す第2油戻し管343bとを有している。
本実施形態において、第1油戻し管341bは、第2吸入枝管304aに接続されており、第2油戻し管343cは、第1吸入枝管303aに接続されている。このため、第1圧縮機構303内に溜まった冷凍機油の量と第2圧縮機構304内に溜まった冷凍機油の量との間に偏りに起因して第1圧縮機構303から吐出される冷媒に同伴する冷凍機油の量と第2圧縮機構304から吐出される冷媒に同伴する冷凍機油の量との間に偏りが生じた場合であっても、圧縮機構303、304のうち冷凍機油の量が少ない方に冷凍機油が多く戻ることになり、第1圧縮機構303内に溜まった冷凍機油の量と第2圧縮機構304内に溜まった冷凍機油の量との間の偏りが解消されるようになっている。
また、本実施形態において、第1吸入枝管303aは、第2油戻し管343bとの合流部から吸入母管302aとの合流部までの間の部分が、吸入母管302aとの合流部に向かって下り勾配になるように構成されており、第2吸入枝管304aは、第1油戻し管341bとの合流部から吸入母管302aとの合流部までの間の部分が、吸入母管302aとの合流部に向かって下り勾配になるように構成されている。このため、圧縮機構303、304のいずれか一方が停止中であっても(ここでは、第1圧縮機構303が優先的に運転されるため、第2圧縮機構304が停止中となる)、運転中の第1圧縮機構303に対応する第1油戻し管341bから停止中の第2圧縮機構304に対応する第2吸入枝管304aに戻される冷凍機油は、吸入母管302aに戻ることになり、運転中の第1圧縮機構303の油切れが生じにくくなっている。油戻し管341b、343bには、油戻し管341b、343bを流れる冷凍機油を減圧する減圧機構341c、343cが設けられている。逆止機構342、344は、圧縮機構303、304の吐出側から切換機構3への冷媒の流れを許容し、かつ、切換機構3から圧縮機構303、304の吐出側への冷媒の流れを遮断するための機構である。
このように、圧縮機構302は、本実施形態において、2つの圧縮要素303c、303dを有するとともにこれらの圧縮要素303c、303dのうちの前段側の圧縮要素から吐出された冷媒を後段側の圧縮要素で順次圧縮するように構成された第1圧縮機構303と、2つの圧縮要素304c、304dを有するとともにこれらの圧縮要素304c、304dのうちの前段側の圧縮要素から吐出された冷媒を後段側の圧縮要素で順次圧縮するように構成された第2圧縮機構304とを、中間圧の冷媒が互いに混ざり合うことがないように、並列に接続した構成となっている。
<切換機構>
切換機構3は、冷媒回路310内における冷媒の流れの方向を切り換えるための機構であり、冷房運転時には、熱源側熱交換器4を圧縮機構302によって圧縮される冷媒の冷却器として、かつ、利用側熱交換器6を熱源側熱交換器4において冷却された冷媒の加熱器として機能させるために、圧縮機構302の吐出側と熱源側熱交換器4の一端とを接続するとともに圧縮機構302の吸入側と利用側熱交換器6とを接続し(図1の切換機構3の実線を参照、以下、この切換機構3の状態を「冷却運転状態」とする)、暖房運転時には、利用側熱交換器6を圧縮機構302によって圧縮される冷媒の冷却器として、かつ、熱源側熱交換器4を利用側熱交換器6において冷却された冷媒の加熱器として機能させるために、圧縮機構302の吐出側と利用側熱交換器6とを接続するとともに圧縮機構302の吸入側と熱源側熱交換器4の一端とを接続することが可能である(図1の切換機構3の破線を参照、以下、この切換機構3の状態を「加熱運転状態」とする)。本実施形態において、切換機構3は、圧縮機構302の吸入側、圧縮機構302の吐出側、熱源側熱交換器4及び利用側熱交換器6に接続された四路切換弁である。尚、切換機構3は、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせる等によって、上述と同様の冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。
切換機構3は、冷媒回路310内における冷媒の流れの方向を切り換えるための機構であり、冷房運転時には、熱源側熱交換器4を圧縮機構302によって圧縮される冷媒の冷却器として、かつ、利用側熱交換器6を熱源側熱交換器4において冷却された冷媒の加熱器として機能させるために、圧縮機構302の吐出側と熱源側熱交換器4の一端とを接続するとともに圧縮機構302の吸入側と利用側熱交換器6とを接続し(図1の切換機構3の実線を参照、以下、この切換機構3の状態を「冷却運転状態」とする)、暖房運転時には、利用側熱交換器6を圧縮機構302によって圧縮される冷媒の冷却器として、かつ、熱源側熱交換器4を利用側熱交換器6において冷却された冷媒の加熱器として機能させるために、圧縮機構302の吐出側と利用側熱交換器6とを接続するとともに圧縮機構302の吸入側と熱源側熱交換器4の一端とを接続することが可能である(図1の切換機構3の破線を参照、以下、この切換機構3の状態を「加熱運転状態」とする)。本実施形態において、切換機構3は、圧縮機構302の吸入側、圧縮機構302の吐出側、熱源側熱交換器4及び利用側熱交換器6に接続された四路切換弁である。尚、切換機構3は、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせる等によって、上述と同様の冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。
このように、切換機構3は、冷媒回路310を構成する圧縮機構302、熱源側熱交換器4、膨張機構5及び利用側熱交換器6だけに着目すると、圧縮機構302、熱源側熱交換器4、膨張機構5、利用側熱交換器6の順に冷媒を循環させる冷却運転状態と、圧縮機構302、利用側熱交換器6、膨張機構5、熱源側熱交換器4の順に冷媒を循環させる加熱運転状態とを切り換えることができるように構成されている。
<熱源側熱交換器>
熱源側熱交換器4は、冷媒の冷却器又は加熱器として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器4は、その一端が切換機構3に接続されている。尚、ここでは図示しないが、熱源側熱交換器4には、熱源側熱交換器4を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源又は加熱源としての水や空気が供給されるようになっている。
熱源側熱交換器4は、冷媒の冷却器又は加熱器として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器4は、その一端が切換機構3に接続されている。尚、ここでは図示しないが、熱源側熱交換器4には、熱源側熱交換器4を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源又は加熱源としての水や空気が供給されるようになっている。
<利用側熱交換器>
利用側熱交換器6は、冷媒の加熱器又は冷却器として機能する熱交換器である。利用側熱交換器6は、その一端が膨張機構5に接続されており、その他端が切換機構3に接続されている。尚、ここでは図示しないが、利用側熱交換器6には、利用側熱交換器6を流れる冷媒と熱交換を行う加熱源又は冷却源としての水や空気が供給されるようになっている。
利用側熱交換器6は、冷媒の加熱器又は冷却器として機能する熱交換器である。利用側熱交換器6は、その一端が膨張機構5に接続されており、その他端が切換機構3に接続されている。尚、ここでは図示しないが、利用側熱交換器6には、利用側熱交換器6を流れる冷媒と熱交換を行う加熱源又は冷却源としての水や空気が供給されるようになっている。
<第1中間冷却器>
第1中間冷却器60は、本実施形態において、第1中間冷媒管61,62の途中に設けられており、第1圧縮機構303の前段側の圧縮要素303cから吐出された冷媒を冷却して後段側の圧縮要素303dに吸入させる熱交換器である。尚、ここでは図示しないが、第1中間冷却器60には、第1中間冷却器60を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源としての水や空気が供給されるようになっている。このように、第1中間冷却器60は、冷媒回路310を循環する冷媒を用いたものではないという意味で、外部熱源を用いた冷却器ということができる。
第1中間冷却器60は、本実施形態において、第1中間冷媒管61,62の途中に設けられており、第1圧縮機構303の前段側の圧縮要素303cから吐出された冷媒を冷却して後段側の圧縮要素303dに吸入させる熱交換器である。尚、ここでは図示しないが、第1中間冷却器60には、第1中間冷却器60を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源としての水や空気が供給されるようになっている。このように、第1中間冷却器60は、冷媒回路310を循環する冷媒を用いたものではないという意味で、外部熱源を用いた冷却器ということができる。
<第2中間冷却器>
第2中間冷却器70は、本実施形態において、第2中間冷媒管71,72の途中に設けられており、第2圧縮機構304の前段側の圧縮要素304cから吐出された冷媒を冷却して後段側の圧縮要素304dに吸入させる熱交換器である。尚、ここでは図示しないが、第2中間冷却器70には、第2中間冷却器70を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源としての水や空気が供給されるようになっている。このように、第2中間冷却器70は、冷媒回路310を循環する冷媒を用いたものではないという意味で、外部熱源を用いた冷却器ということができる。
第2中間冷却器70は、本実施形態において、第2中間冷媒管71,72の途中に設けられており、第2圧縮機構304の前段側の圧縮要素304cから吐出された冷媒を冷却して後段側の圧縮要素304dに吸入させる熱交換器である。尚、ここでは図示しないが、第2中間冷却器70には、第2中間冷却器70を流れる冷媒と熱交換を行う冷却源としての水や空気が供給されるようになっている。このように、第2中間冷却器70は、冷媒回路310を循環する冷媒を用いたものではないという意味で、外部熱源を用いた冷却器ということができる。
さらに、空気調和装置1には、各種のセンサが設けられている。また、空気調和装置1は、ここでは図示しないが、圧縮機構302、切換機構3、膨張機構5等の空気調和装置1を構成する各部の動作を制御する制御部99を有している。
(2)空気調和装置の動作
次に、本実施形態の空気調和装置1の動作について、図1〜図5を用いて説明する。ここで、図2は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図3は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図であり、図4は、暖房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図5は、暖房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。尚、以下の冷房運転や暖房運転における運転制御は、上述の制御部(図示せず)によって行われる。また、以下の説明において、「高圧」とは、冷凍サイクルにおける高圧(すなわち、図2、3の点D、Eにおける圧力や図4、5の点D、Fにおける圧力)を意味し、「低圧」とは、冷凍サイクルにおける低圧(すなわち、図2、3の点A、Fにおける圧力や図4、5の点A、Eにおける圧力)を意味し、「中間圧」とは、冷凍サイクルにおける中間圧(すなわち、図2〜5の点B、Cにおける圧力)を意味している。
次に、本実施形態の空気調和装置1の動作について、図1〜図5を用いて説明する。ここで、図2は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図3は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図であり、図4は、暖房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図5は、暖房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。尚、以下の冷房運転や暖房運転における運転制御は、上述の制御部(図示せず)によって行われる。また、以下の説明において、「高圧」とは、冷凍サイクルにおける高圧(すなわち、図2、3の点D、Eにおける圧力や図4、5の点D、Fにおける圧力)を意味し、「低圧」とは、冷凍サイクルにおける低圧(すなわち、図2、3の点A、Fにおける圧力や図4、5の点A、Eにおける圧力)を意味し、「中間圧」とは、冷凍サイクルにおける中間圧(すなわち、図2〜5の点B、Cにおける圧力)を意味している。
<冷房運転>
冷房運転時は、切換機構3が図1の実線で示される冷却運転状態とされる。そして、切換機構3が冷却運転状態となる。
冷房運転時は、切換機構3が図1の実線で示される冷却運転状態とされる。そして、切換機構3が冷却運転状態となる。
この冷媒回路310の状態において、低圧の冷媒(図1〜図3の点A参照)は、吸入母管302aから圧縮機構302の圧縮機構303、304に吸入され、まず、圧縮要素303c、304cによって中間圧力まで圧縮された後に、それぞれ第1中間冷媒管61、第2中間冷却管71に吐出される(図1〜図3の点B参照)。この前段側の圧縮要素303c、304cから吐出された中間圧の冷媒は、互いに混ざり合うことなく第1中間冷媒器60と第2中間冷却器70のそれぞれにおいて、冷却源としての空気又は水と熱交換を行うことで冷却される(図1〜図3の点C参照)。次に、中間圧の冷媒は、互いに混ざり合うことが無い状態を維持したまま、圧縮要素303c、304cの後段側に接続された圧縮要素303d、304dに吸入されてさらに圧縮されて、吐出枝管303a、304a、油分離器341a、343b、及び、逆止機構342、344を通じて、圧縮機構303、304から吐出される(図1〜図3の点D参照)。そして、圧縮機構303、304から吐出された冷媒は、吐出母管302bにおいて合流する。ここで、圧縮機構302から吐出された高圧の冷媒は、第1圧縮機構303の圧縮要素303c、303d、及び、第2圧縮機構304の圧縮要素304c、304dによる二段圧縮動作によって、臨界圧力(すなわち、図2に示される臨界点CPにおける臨界圧力Pcp)を超える圧力まで圧縮されている。そして、この圧縮機構302から吐出された高圧の冷媒は、切換機構3を経由して、冷媒の冷却器として機能する熱源側熱交換器4に送られて、冷却源としての空気又は水と熱交換を行って冷却される(図1〜図3の点E参照)。そして、膨張機構5によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となり、冷媒の加熱器として機能する利用側熱交換器6に送られる(図1〜図3の点F参照)。そして、利用側熱交換器6に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、加熱源としての水又は空気と熱交換を行って加熱されて、蒸発することになる(図1〜図3の点A参照)。そして、この利用側熱交換器6において加熱された低圧の冷媒は、切換機構3を経由して、再び、圧縮機構302に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
このように、空気調和装置1では、第1圧縮機構303だけでなく、さらに第2圧縮機構304を設けている。そして、空気調和装置1の制御部99は、これら第1圧縮機構303および第2圧縮機構304の両方を同時に駆動状態とさせる制御を行うことができる。また、このように第1圧縮機構303および第2圧縮機構304の両方を同時に駆動状態とさせつつ、第1中間冷却器60および第2中間冷却器70による冷媒冷却効果をそれぞれ得ることができるようにする場合であっても、第1圧縮機構303の中間圧の部分と第2圧縮機構304の中間圧の部分とが繋がっておらず、互いに独立して存在しているため、起動時等の第1圧縮機構303と第2圧縮機構304との圧力バランスを考慮する必要がなく、制御を簡素化させることができている。また、第1圧縮機構303および第2圧縮機構304の両方を同時に駆動状態とさせることで、空気調和装置1の循環冷媒量が、第1圧縮機構303のみの場合と比べて、増大している。よって、冷凍能力を向上させることができている。また、第1圧縮機構303と第2圧縮機構304との駆動状況を制御部99が調節することで、いずれも停止している流量0の状態から、いずれも最大出力で運転している流量MAXの状態まで、流量の調整自由度の幅が広がっている。
また、空気調和装置1では、第1中間冷却器60および第2中間冷却器70をそれぞれ冷却器として機能する状態にしているため、第1中間冷却器60および第2中間冷却器70を設けなかった場合に比べて、後段側の圧縮要素303d、304dに吸入される冷媒の温度が低下し、圧縮要素303d、304dから吐出される冷媒の温度も低下することになる。このため、この空気調和装置1では、高圧の冷媒の冷却器として機能する熱源側熱交換器4において、第1中間冷却器60および第2中間冷却器70を設けなかった場合に比べて、冷却源としての水や空気と冷媒との温度差を小さくすることが可能になり、放熱ロスを小さくできることから、運転効率を向上させることができる。
<暖房運転>
暖房運転時は、切換機構3が図1の破線で示される加熱運転状態とされる。ここでの冷媒の流れは上述した冷房運転時と同様であり、説明を省略する。
暖房運転時は、切換機構3が図1の破線で示される加熱運転状態とされる。ここでの冷媒の流れは上述した冷房運転時と同様であり、説明を省略する。
なお、空気調和装置1では、切換機構3を加熱運転状態にした暖房運転において、第1中間冷却器60および第2中間冷却器70のそれぞれを流れる空気や水の量を低減させて、圧縮機構2から吐出される冷媒の温度の低下を抑えるようにしてもよい。このようにすることで、外部への放熱を抑え、冷媒の冷却器として機能する利用側熱交換器6に供給される冷媒の温度の低下を抑えることが可能になり、加熱能力の低下を抑えて、運転効率の低下を防ぐことができる。
<圧縮機構の起動>
次に、上述のような冷房運転や暖房運転を行う際の圧縮機構302の起動時の動作について説明する。
次に、上述のような冷房運転や暖房運転を行う際の圧縮機構302の起動時の動作について説明する。
ここでは、第1圧縮機構303および第2圧縮機構304は、互いに独立して駆動させることができ、同時に駆動を開始させることもできる。
例えば、第1圧縮機構303が先に起動した場合には、第1圧縮機構303から吐出される冷媒は、吐出母管302bまで送られるが、逆止機構344が設けられていることから第2圧縮機構304内に逆流してしまうことがない。このことは、逆止機構342が設けられていることから、第2圧縮機構304が先に起動した場合であっても同様である。
また、第1中間冷媒管61,62および第1中間冷却器60は、第2中間冷媒管71,72および第2中間冷却器70と繋がる部分を有しておらず、互いに独立して設けられている。このため、第1圧縮機構303および第2圧縮機構304が並列して設けられている空気調和装置1であっても、各第1圧縮機構303および第2圧縮機構304の中間圧を調節させる制御を行う必要がなく、制御が煩雑にならないようにすることができている。
(3)変形例1
上記空気調和装置1は、図6に示すように、さらに第1エコノマイザ回路7および第2エコノマイザ回路8が設けられた冷媒回路310Aを備えた構成としてもよい。
上記空気調和装置1は、図6に示すように、さらに第1エコノマイザ回路7および第2エコノマイザ回路8が設けられた冷媒回路310Aを備えた構成としてもよい。
これにより、上記実施形態の作用効果に加えて、中間圧の冷媒を、第1中間冷却器60、第2中間冷却器70だけでなく、エコノマイザ効果によっても、冷媒を冷却させることができることになる。
ここで、図7は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図であり、図8は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された温度−エントロピ線図である。ここで、冷凍サイクル中のA,B,C‘、D,E,F,G’,H,K,L,M,N,Pは、それぞれ冷媒回路310A中において同じ符号で示す部分に対応している。
<エコノマイザ回路>
第1エコノマイザ回路7は、熱源側熱交換器4と膨張機構5とを接続するメイン流路接続配管21の途中である分岐点Xから分岐するようにして設けられている。このエコノマイザ回路7は、分岐点Xから分岐した後、第1圧縮機構303の中間圧部分である第1中間冷媒管62の合流点Z1において合流している。ここでは、第1エコノマイザ回路7を流れる冷媒は、第1圧縮機構303の低段側の圧縮要素303cから吐出された冷媒であって第1中間冷媒管61および第1中間冷却器60を通過した後の冷媒と合流するように合流点Z1が設けられている。この合流点Z1を第1中間冷却器60通過後の冷媒が流れる第1中間冷媒管62に設けたため、第1中間冷却器60における冷却機能を十分に発揮させることが可能になっている。第1エコノマイザ回路7は、第1上流配管7a、第1膨張機構7e、第1中流配管7b、第1下流配管7cを有しており、この順で互いに接続されている。また、第1下流配管7cを通過する冷媒温度を検出可能な温度センサ7dが設けられている。
第1エコノマイザ回路7は、熱源側熱交換器4と膨張機構5とを接続するメイン流路接続配管21の途中である分岐点Xから分岐するようにして設けられている。このエコノマイザ回路7は、分岐点Xから分岐した後、第1圧縮機構303の中間圧部分である第1中間冷媒管62の合流点Z1において合流している。ここでは、第1エコノマイザ回路7を流れる冷媒は、第1圧縮機構303の低段側の圧縮要素303cから吐出された冷媒であって第1中間冷媒管61および第1中間冷却器60を通過した後の冷媒と合流するように合流点Z1が設けられている。この合流点Z1を第1中間冷却器60通過後の冷媒が流れる第1中間冷媒管62に設けたため、第1中間冷却器60における冷却機能を十分に発揮させることが可能になっている。第1エコノマイザ回路7は、第1上流配管7a、第1膨張機構7e、第1中流配管7b、第1下流配管7cを有しており、この順で互いに接続されている。また、第1下流配管7cを通過する冷媒温度を検出可能な温度センサ7dが設けられている。
また、ここでは、メイン流路接続配管21から第1上流配管7cが分岐している位置である分岐点Xは、エコノマイザ熱交換器20と熱源側熱交換器4との間であるため、エコノマイザ熱交換器20では分岐後の部分冷媒を対象とした熱交換が行われることになる。このため、分岐点Xがエコノマイザ熱交換器20と膨張機構5との間に設けられていることでエコノマイザ熱交換器20において分岐前の全量冷媒を対象とした熱交換が行われる場合と比較して、第1エコノマイザ回路7や第2エコノマイザ回路8を流れる冷媒を加熱させるために要する熱量が少なくて済むため、容量の小さなエコノマイザ熱交換器20で対応させることが可能になる。
なお、メイン流路接続配管21の分岐点Xから分岐した冷媒は、第1上流配管7aを通じて第1膨張機構7eまで流れる。そして、第1膨張機構7e通過時に、冷媒の圧力および温度が低下される。この温度および圧力が低下した冷媒は、第1中流配管7bを通じてエコノマイザ熱交換器20まで送られた冷媒は、メイン流路接続配管21を流れる冷媒との間で熱交換が行われる。ここでは、エコノマイザ熱交換器20においてメイン流路接続配管21を流れる冷媒の流れ方向と、第1エコノマイザ回路7や第2エコノマイザ回路8を流れる冷媒の流れ方向とが、略対向流れの関係となるように配管が設けられている。このため、第1上流配管7aや第2上流配管8aを流れる冷媒に過熱が付いたり超臨界状態になったとしても、エコノマイザ熱交換器20における熱交換が並行流で行われる場合と比較して、熱交換効率を向上させることができている。そして、メイン流路接続配管21を流れる冷媒が冷却されることで、メイン流路接続配管21を流れる冷媒の過冷却度が上げられている。その後、エコノマイザ熱交換器20を通過した冷媒は、第1下流配管7cを通じて、合流点Z1において第1中間冷媒管62に合流する。このようにして、蒸発器として機能する利用側熱交換器6に送られる冷媒の過冷却度を上げることで、成績係数を向上させつつ、第1圧縮機構303の中間圧の冷媒温度を下げることにより、吐出温度の異常上昇を防ぐことができている。
なお、第2エコノマイザ回路8についても、上述した第1エコノマイザ回路7と同様であり、熱源側熱交換器4と膨張機構5とを接続するメイン流路接続配管21の途中である分岐点Xからさらに分岐するようにして設けられている。この第2エコノマイザ回路8は、分岐点Xから分岐した後、第2圧縮機構304の中間圧部分である第2中間冷媒管72の合流点Z2において合流している。この合流点Z2を第2中間冷却器70通過後の冷媒が流れる第2中間冷媒管72に設けたため、第2中間冷却器70における冷却機能を十分に発揮させることが可能になっている。第2エコノマイザ回路8は、第2上流配管8a、第2膨張機構8e、第2中流配管8b、第2下流配管8cを有しており、この順で互いに接続されている。また、第2下流配管8cを通過する冷媒温度を検出可能な温度センサ8dが設けられている。
メイン流路接続配管21の分岐点Xから分岐した冷媒は、第2上流配管8aを通じて第2膨張機構8eまで流れる。そして、第2膨張機構8e通過時に、冷媒の圧力および温度が低下される。この温度および圧力が低下した冷媒は、第2中流配管8bを通じてエコノマイザ熱交換器20まで送られた冷媒は、メイン流路接続配管21を流れる冷媒との間で熱交換が行われ、メイン流路接続配管21を流れる冷媒をさらに冷却させることでメイン流路接続配管21を流れる冷媒の過冷却度を上げる。その後、エコノマイザ熱交換器20を通過した冷媒は、第2下流配管8cを通じて、合流点Z2において第2中間冷媒管72に合流する。このようにして、蒸発器として機能する利用側熱交換器6に送られる冷媒の過冷却度を上げることで、成績係数を向上させつつ、第2圧縮機構304の中間圧の冷媒温度を下げることにより、吐出温度の異常上昇を防ぐことができている。
さらに、ここでの第1中間冷媒管62と、第2中間冷媒管72とは、第1エコノマイザ回路7および第2エコノマイザ回路8を介して分岐点Xで繋がっているが、制御部99が、第1膨張機構7eおよび第2膨張機構8eの開度調節を行うことで冷媒流量を調整するため、第1中間冷媒管62における冷媒の中間圧が第2中間冷媒管72に対して直接作用することがない。これにより、第1圧縮機構303および第2圧縮機構304のそれぞれを自由に起動させることができるとともに、複雑な起動時制御を不要にしている。
なお、第1中間冷媒管62を流れる冷媒は、第1中間冷却器60を通過する際に冷却されているが、さらに、この合流点Z1において第1エコノマイザ回路7を介して流入してくる冷媒によって冷却される。第2中間冷媒管72を流れる冷媒についても同様に、第2中間冷却器70を通過する際に冷却された冷媒をさらに合流点Z2において第2エコノマイザ回路8を介して流入してくる冷媒によって冷却される。これらの第1エコノマイザ回路7および第2エコノマイザ回路8による中間圧の冷却においては、第1中間冷却器60、第2中間冷却器70のような外部への放熱を行うことによる冷却ではないため、放熱ロスを小さく抑えることができる。また、第1中間冷媒管61,62を流れる冷媒の冷却負荷や第2中間冷媒管71,72を流れる冷媒の冷却負荷を、第1中間冷却器60や第2中間冷却器70だけで対応するのではなく、さらに第1エコノマイザ回路7および第2エコノマイザ回路8によっても対応できるため、冷却負荷を分散させることができる。また、第1中間冷却器60屋第2中間冷却器70だけでは不足する冷却分を、第1エコノマイザ回路7や第2エコノマイザ回路8からの合流冷媒による冷却によって補う、もしくは、その逆が可能になる。
また、後段側の圧縮要素303d、304dに吸入される冷媒の温度をさらに低く抑えることができる(図3の点C’、G’参照)。さらに、第1中間冷媒管62、第2中間冷媒管72を流れる冷媒が第1エコノマイザ回路7および第2エコノマイザ回路8によって増量するため、利用側熱交換器6における冷媒の単位流量当たりの冷却能力を高くすることができる。このため、圧縮機構303および第2圧縮機構304の両方を駆動させることで流量を増大させるだけでなく、吐出冷媒を冷却させることで冷媒密度を上昇させているため、単位体積当たりの冷媒重量が増大していることからも、相乗的な冷凍能力の増大効果が得られている。これらによって、運転効率をさらに向上させることが可能となる。
(4)変形例2
上記空変形例1では、図6に示すように、第1エコノマイザ回路7および第2エコノマイザ回路8が設けられた冷媒回路310Aを備えた構成を例に説明した。
上記空変形例1では、図6に示すように、第1エコノマイザ回路7および第2エコノマイザ回路8が設けられた冷媒回路310Aを備えた構成を例に説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、図11に示すように、第3エコノマイザ回路9が設けられた冷媒回路310Bを備えた空気調和装置1であってもよい。
この第3エコノマイザ回路9は、上述した第1エコノマイザ回路や第2エコノマイザ回路8と同様に、メイン流路接続配管21の分岐点Xから分岐し、エコノマイザ熱交換器20を通過した後にさらに分岐して、第1中間冷媒管62の合流点Z1および第2中間冷媒管72の合流点Z2のそれぞれまで延びている。
具体的には、第3エコノマイザ回路9は、第3上流配管9a、第3膨張機構9e、第3中流配管9b、第3下流配管9cを有しており、この順で互いに接続されている。また、第3下流配管9cを通過する冷媒温度を検出可能な温度センサ9dが設けられている。さらに、第3エコノマイザ回路9は、第1中間下流分岐管97aおよび第2中間下流分岐管98aを有しており、第3下流配管9cの端部である分岐点Yを介してそれぞれ接続されている。
第1中間下流分岐管97aは、この分岐点Yから第1中間冷媒管62の合流点Z1まで延びており、途中に冷媒流量を調節する第1流量調節弁97eを有している。
また、第2中間下流分岐管98aは、この分岐点Yから第2中間冷媒管72の合流点Z2まで延びており、途中に冷媒流量を調節する第2流量調節弁98eを有している。
このような構成であっても、制御部99が、第3膨張機構9e、第1流量調節弁97e、および、第2流量調節弁98eの開度を調節して、流量制御を行うことで、上記変形例1と同様に、メイン流路接続配管21を流れる冷媒の過冷却度を上げて成績係数を向上させつつ、第2圧縮機構304の中間圧の冷媒温度を下げることにより、吐出温度の異常上昇を防ぐことが可能である。また、第1中間冷媒管62における冷媒の中間圧が第2中間冷媒管72に対して直接作用することがなく、第1圧縮機構303および第2圧縮機構304のそれぞれを自由に起動させることができるとともに、複雑な起動時制御を不要にできる点、その他の効果についても同様である。
さらに、第1中間冷媒管62および第2中間冷却管72を流れる冷媒を、それぞれ第1中間冷却器60および第2中間冷却器70によって冷却させることができるだけでなく、さらに、第3エコノマイザ回路9を介して合流される冷媒によっても冷却させることができる。これにより、放熱ロスを小さく抑えることができ、後段側の圧縮要素303d、304dに吸入される冷媒の温度をさらに低く抑えることができる。さらに、第1中間冷媒管62、第2中間冷媒管72を流れる冷媒が第3エコノマイザ回路9によって増量するため、利用側熱交換器6における冷媒の単位流量当たりの冷却能力を高くすることができる。このため、圧縮機構303および第2圧縮機構304の両方を駆動させることで流量を増大させるだけでなく、吐出冷媒を冷却させることで冷媒密度を上昇させているため、単位体積当たりの冷媒重量が増大していることからも、相乗的な冷凍能力の増大効果が得られている。これらによって、運転効率をさらに向上させることが可能となる。
なお、第1流量調節弁97eおよび第2流量調節弁98eを設けることなく、例えば、分岐点Yに三方弁等を設ける等によって流量を調節してもよい。
(5)変形例3
上述の実施形態における冷媒回路310、310A、310Bでは、1つの利用側熱交換器6が接続された構成となっている場合を例に挙げて説明した。
上述の実施形態における冷媒回路310、310A、310Bでは、1つの利用側熱交換器6が接続された構成となっている場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られる物ではなく、例えば、複数の利用側熱交換器6を接続するとともに、これらの利用側熱交換器6を個別に発停させたり、個別に流量制御するための利用側膨張機構をそれぞれ設けた構成の冷媒回路にしてもよい。
(6)変形例4
上記冷媒回路310、310A、310Bでは、二段圧縮式の圧縮機構303、304に代えて、三段圧縮式や四段圧縮式等のような二段圧縮式よりも多段の圧縮機構を採用してもよい。
上記冷媒回路310、310A、310Bでは、二段圧縮式の圧縮機構303、304に代えて、三段圧縮式や四段圧縮式等のような二段圧縮式よりも多段の圧縮機構を採用してもよい。
(7)変形例5
上記冷媒回路310、310A、310Bでは、中間冷却器が常時機能する冷媒回路構成が示されている。
上記冷媒回路310、310A、310Bでは、中間冷却器が常時機能する冷媒回路構成が示されている。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、暖房時には、第1中間冷却器60および第2中間冷却器70のそれぞれの機能を発揮させない状態とすることが可能な構成としてもよい。例えば、第1中間冷却器60の一端および他端を接続するバイパス配管に開閉切換弁を設けた構成とし、第2中間冷却器70についても一端および他端を接続するバイパス配管に開閉切換弁を設けた構成としてもよい。
(8)変形例6
上記冷媒回路310、310A、310Bでは、圧縮機構303と圧縮機構304との容量について特に明示されていない。
上記冷媒回路310、310A、310Bでは、圧縮機構303と圧縮機構304との容量について特に明示されていない。
しかし、本発明では、例えば、圧縮機構303と圧縮機構304とで容量の異なる圧縮機構を採用してもよい。この場合、第1中間冷却器60と第2中間冷却器70の容量もこれに対応させた容量としてもよい。また、第1中間冷媒管61,62を流れる冷媒を冷却させるために第1エコノマイザ回路7もしくは第3エコノマイザ回路9から合流される冷媒量と、第2中間冷媒管71,72を流れる冷媒を冷却させるために第2エコノマイザ回路8もしくは第3エコノマイザ回路9から合流される冷媒量と、の流量制御を制御部99が行うようにしてもよい。この場合には、第1膨張機構、第2膨張機構、第3膨張機構の開度制御が行われることになる。
(9)変形例7
また、例えば、水温センサや水の流量センサを設けることで、第1中間冷却器60を流れる水によって第1中間冷却管61,62を流れる冷媒を冷却する冷却量、および、第2中間冷却器70を流れる水によって第2中間冷却管71,72を流れる冷媒を冷却する冷却量のいずれか一方は、この第1中間冷却器60および第2中間冷却器70を流れる水量および/または水温を制御部99が調節することにより調節するようにしてもよい。この場合には、高段側の圧縮要素303d、304dの吸入冷媒の状態を調節することができるため、圧縮仕事をより確実に調節することができるようになる。
また、例えば、水温センサや水の流量センサを設けることで、第1中間冷却器60を流れる水によって第1中間冷却管61,62を流れる冷媒を冷却する冷却量、および、第2中間冷却器70を流れる水によって第2中間冷却管71,72を流れる冷媒を冷却する冷却量のいずれか一方は、この第1中間冷却器60および第2中間冷却器70を流れる水量および/または水温を制御部99が調節することにより調節するようにしてもよい。この場合には、高段側の圧縮要素303d、304dの吸入冷媒の状態を調節することができるため、圧縮仕事をより確実に調節することができるようになる。
(10)他の実施形態
以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上述の実施形態及びその変形例において、利用側熱交換器6を流れる冷媒と熱交換を行う加熱源又は冷却源としての水やブラインを使用するとともに、利用側熱交換器6において熱交換された水やブラインと室内空気とを熱交換させる二次熱交換器を設けた、いわゆる、チラー型の空気調和装置に本発明を適用してもよい。
また、冷房専用の空気調和装置等のような上述のチラータイプの空気調和装置とは異なる型式の冷凍装置であっても、本発明を適用可能である。
また、超臨界域で作動する冷媒としては、二酸化炭素に限定されず、エチレン、エタンや酸化窒素等を使用してもよい。
本発明の冷凍装置は、超臨界状態の過程を含んで作動する冷媒を使用した冷凍装置において、装置の大型化を抑えつつ、多段圧縮式の圧縮要素による冷媒循環量の調整自由度を増大させ、運転効率を向上させることが可能になるため、多段圧縮式の圧縮要素を備えて作動冷媒として超臨界状態の過程を含んで作動する冷媒を使用した冷凍装置に適用した場合に特に有用である。
1 空気調和装置(冷凍装置)
2 圧縮機構
3 切換機構
4 熱源側熱交換器
5 膨張機構
6 利用側熱交換器
7 第1エコノマイザ回路
8 第2エコノマイザ回路
9 第3エコノマイザ回路
20 エコノマイザ熱交換器
60 第1中間冷媒器
79 第2中間冷却器
99 制御部
302 圧縮機構
303 第1圧縮機構(第1圧縮部)
303c 圧縮要素(第1低圧圧縮要素)
303d 圧縮要素(第1高圧圧縮要素)
304 第2圧縮機構(第2圧縮部)
304c 圧縮要素(第2低圧圧縮要素)
304d 圧縮要素(第2高圧圧縮要素)
X 分岐点
Y 分岐点
Z1 合流点
Z2 合流点
2 圧縮機構
3 切換機構
4 熱源側熱交換器
5 膨張機構
6 利用側熱交換器
7 第1エコノマイザ回路
8 第2エコノマイザ回路
9 第3エコノマイザ回路
20 エコノマイザ熱交換器
60 第1中間冷媒器
79 第2中間冷却器
99 制御部
302 圧縮機構
303 第1圧縮機構(第1圧縮部)
303c 圧縮要素(第1低圧圧縮要素)
303d 圧縮要素(第1高圧圧縮要素)
304 第2圧縮機構(第2圧縮部)
304c 圧縮要素(第2低圧圧縮要素)
304d 圧縮要素(第2高圧圧縮要素)
X 分岐点
Y 分岐点
Z1 合流点
Z2 合流点
Claims (12)
- 冷凍サイクルの少なくとも一部で作動冷媒が超臨界状態となる冷凍装置であって、
冷媒の冷却器又は加熱器として機能する熱源側熱交換器(4)と、
冷媒を減圧する膨張機構(5)と、
冷媒の加熱器又は冷却器として機能する利用側熱交換器(6)と、
冷媒を吸入し圧縮させて吐出する第1圧縮要素(303c)と、前記第1圧縮要素から吐出された冷媒を吸入してさらに圧縮させて吐出する第2圧縮要素(303d)と、を有する第1二段圧縮要素(303)と、
前記第1圧縮要素から吐出した冷媒を前記第2圧縮要素に吸入させるための第1中間冷却管(61,62)と、
前記第1中間冷却管を通過する冷媒を冷却させる第1中間冷却器(60)と、
冷媒を吸入し圧縮させて吐出する第3圧縮要素(304c)と、前記第3圧縮要素から吐出された冷媒を吸入してさらに圧縮させて吐出する第4圧縮要素(304d)と、を有する第2二段圧縮要素(304)と、
前記第3圧縮要素から吐出した冷媒を前記第4圧縮要素に吸入させるための第2中間冷却管(71,72)と、
前記第2中間冷却管を通過する冷媒を冷却させる第2中間冷却器(70)と、
前記利用側熱交換器を通過した冷媒を分岐させて、一部の冷媒を前記第1圧縮要素の吸入側に導きつつ、他の一部の冷媒を前記第3圧縮要素の吸入側に導く吸入側配管(302a,303a,304b)と、
前記第2圧縮要素の吐出側から流出した冷媒と前記第4圧縮要素の吐出側から流出した冷媒とを合流させて、前記熱源側熱交換器に導く吐出側配管(302b)と、
を備える冷凍装置(1)。 - 前記熱源側熱交換器と前記膨張機構とを接続する熱源膨張接続配管(21,22)と、
冷媒を減圧する第1バイパス膨張機構(7e)、前記熱源膨張接続配管から分岐して前記第1バイパス膨張機構まで延びている第1バイパス上流配管(7a)、および、前記第1バイパス膨張機構から前記第1中間冷却管まで延びている第1バイパス下流配管(7b、7c)を有する第1バイパス回路(7)と、冷媒を減圧する第2バイパス膨張機構(8e)、前記熱源膨張接続配管から分岐して前記第2バイパス膨張機構まで延びている第2バイパス上流配管(8a)、および、前記第2バイパス膨張機構から第2中間冷却管まで延びている第2バイパス下流配管(8b,8c)を有する第2バイパス回路(8)と、を有するバイパス回路(8,9)と、
前記熱源膨張接続配管を流れる冷媒、前記第1バイパス下流配管を流れる冷媒、および、前記第2バイパス下流配管を流れる冷媒の間で熱交換を行わせるエコノマイザ熱交換器(20)と、
をさらに備えた、
請求項1に記載の冷凍装置(1)。 - 前記第1バイパス下流配管(7b,7c)は、前記第1中間冷却器と前記第2圧縮要素の吸入側との間の位置(Z1)で前記第1中間冷却管と接続されており、
前記第2バイパス下流配管は、前記第2中間冷却器と前記第4圧縮要素の吸入側との間の位置(Z2)で前記第2中間冷却管と接続されている、
請求項2に記載の冷凍装置(1)。 - 前記熱源膨張接続配管(21,22)から前記第1バイパス上流配管(7a)が分岐している位置、および、前記熱源膨張接続配管(21,22)から前記第2バイパス上流配管(8a)が分岐している位置は、前記エコノマイザ熱交換器(20)と前記熱源側熱交換器(4)との間であり、
前記エコノマイザ熱交換器(20)内で前記熱源膨張接続配管(21,22)に対して前記第1バイパス下流配管(7b,7c)および前記第2バイパス下流配管(8b,8c)が接している箇所の少なくとも一部において、前記熱源膨張接続配管(21,22)を流れる冷媒の流れ方向と、前記第1バイパス下流配管(7b,7c)および前記第2バイパス下流配管(8b,8c)を流れる冷媒の流れ方向とが略対向方向の関係となっている、
請求項2または3のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。 - 前記熱源側熱交換器(4)と前記膨張機構(5)とを接続する熱源膨張接続配管(21,22)と、
冷媒を減圧するバイパス膨張機構(9e)、前記熱源膨張接続配管(21,22)から分岐して前記バイパス膨張機構(9e)まで延びているバイパス上流配管(9a)、前記バイパス膨張機構(9e)から分岐点(Y)まで延びている分岐バイパス下流配管(9b,9c)、少なくとも冷媒の通過を許容する状態と許容しない状態とに切り換え可能な切換弁(97e,98e)を含んでおり前記分岐点(Y)と前記第1中間冷却管(62)とを接続する第1バイパス下流配管(97a)、および、前記分岐点(Y)と前記第2中間冷却管(72)とを接続する第2バイパス下流配管(98a)を有するバイパス回路(9)と、
前記熱源膨張接続配管(21,22)を流れる冷媒と、前記分岐バイパス下流配管(9b,9c)を流れる冷媒との間で熱交換を行わせるエコノマイザ熱交換器(20)と、
をさらに備えた、
請求項1に記載の冷凍装置(1)。 - 前記第1バイパス下流配管(97a)は、前記第1中間冷却器(60)と前記第2圧縮要素(303d)の吸入側との間の位置で前記第1中間冷却管(62)と接続されており、
前記第2バイパス下流配管(98a)は、前記第2中間冷却器(70)と前記第4圧縮要素(304d)の吸入側との間の位置で前記第2中間冷却管(72)と接続されている、
請求項5に記載の冷凍装置(1)。 - 前記熱源膨張接続配管(21,22)から前記バイパス上流配管(9a)が分岐している位置は、前記エコノマイザ熱交換器(20)と前記熱源側熱交換器(4)との間であり、
前記エコノマイザ熱交換器(20)内で前記熱源膨張接続配管(21,22)に対して前記分岐バイパス下流配管(9b,9c)が接している箇所の少なくとも一部において、前記熱源膨張接続配管(21,22)を流れる冷媒の流れ方向と、前記分岐バイパス下流配管(9b,9c)を流れる冷媒の流れ方向とが略対向方向の関係となっている、
請求項5または6のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。 - 前記第1中間冷却器による前記第1中間冷却管を流れる冷媒の冷却、および、前記第2中間冷却器による前記第2中間冷却管を流れる冷媒の冷却、の少なくともいずれか一方は、周辺空気による冷却である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。 - 前記第1中間冷却器による前記第1中間冷却管を流れる冷媒の冷却、および、前記第2中間冷却器による前記第2中間冷却管を流れる冷媒の冷却、の少なくともいずれか一方は、水による冷却である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。 - 前記第1中間冷却器による前記第1中間冷却管を流れる冷媒の冷却量、および、前記第2中間冷却器による前記第2中間冷却管を流れる冷媒の冷却量、の少なくともいずれか一方は、水量および/または水温を調節することにより調節する、
請求項9に記載の冷凍装置(1)。 - 前記第1圧縮要素、および、前記第2圧縮要素は、それぞれ回転駆動することで圧縮仕事を行うための共通の第1回転軸(36c)を有し、
前記第3圧縮要素、および、前記第4圧縮要素は、それぞれ回転駆動することで圧縮仕事を行うための共通の第2回転軸(37c)を有している、
請求項1から10のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。 - 前記作動冷媒は、二酸化炭素である、
請求項1から11のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。
Priority Applications (1)
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JP2008109482A JP2009257704A (ja) | 2008-04-18 | 2008-04-18 | 冷凍装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011137556A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-07-14 | Sanyo Electric Co Ltd | 冷凍装置 |
WO2013099895A1 (ja) | 2011-12-28 | 2013-07-04 | ダイキン工業株式会社 | 冷凍装置 |
US8997508B2 (en) | 2009-12-25 | 2015-04-07 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Refrigerating apparatus |
CN104995464A (zh) * | 2012-12-31 | 2015-10-21 | 特灵国际有限公司 | 节油器注入组件及其使用方法 |
-
2008
- 2008-04-18 JP JP2008109482A patent/JP2009257704A/ja active Pending
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CN104995464B (zh) * | 2012-12-31 | 2017-06-13 | 特灵国际有限公司 | 节油器注入组件及其使用方法 |
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