JP2010112524A - シフトセレクトシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、変速機のレンジを異常判断した場合にフェールセーフ制御を行うシフトセレクトシステムにおいて、フェールセーフ動作を維持した状態で車両の移動や電源の停止を可能として利便性を高め、人為操作の意図を汲んで最適なフェールセーフを行うことを目的とする。
【解決手段】この発明は、変速制御装置とシフト制御装置とのうち一以上の制御装置が、変速機のレンジを人為操作により選択されたシフトポジションに対応させることができないとの異常判断した場合に、変速機をニュートラル状態とする第1のフェールセーフ制御を行う機能を備えるシフトセレクトシステムにおいて、制御装置が、異常判断を行う以前であり、かつ変速機のレンジ切り換え時間が通常より長くなる場合に、通信によってエンジン制御装置がエンジンの出力を抑制するトルクダウン制御を実施するように機能する第2のフェールセーフ制御を行うことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明はシフトセレクトシステムに係り、特に、変速機のレンジ切り換えにおいて、人為操作によって選択入力されたシフトポジションに応じたレンジに向けて、変速機のアクチュエータを駆動制御する際に、誤動作や不動作等により目標とするレンジへの到達が未達成や未完了となるようなシステムの異常・故障を起こした場合に行われるフェールセーフ制御の機能を備えたシフトセレクトシステムに関する。
車両には、運転者により操作されるシフト操作装置の操作状態に基づいて自動式の変速機のレンジを切り換える、いわゆるシフトバイワイヤ式のシフトセレクトシステムを搭載しているものがある。
このシフトセレクトシステムは、運転者による人為操作で選択されたシフトポジションを示す信号を出力するシフトセレクトスイッチを備え、シフトセレクトスイッチの出力する信号に基づきアクチュエータによりマニュアルシフトシャフトを回転させて変速機内のマニュアルバルブを駆動し、運転者がシフトセレクトスイッチにより選択したシフトポジションに対応するレンジに変速機のレンジを切り換える。
このとき、シフトセレクトシステムは、マニュアルシフトシャフトの回転角度をディテント機構により位置決めするとともに、ディテント機構のディテントプレートの回転位置の変化を角度センサにより検出し、マニュアルバルブの駆動を制御して変速機のレンジを目標のレンジに切り換えている。
シフトセレクトシステムは、エンジンを制御するエンジン制御装置と、変速機の変速状態を制御する変速制御装置と、変速機のレンジ切り換えを制御するシフト制御装置とが、通信を介した協調制御により所定の動作を行う。
例えば、シフトセレクトシステムは、パーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジDを有する変速機の、パーキングレンジPからドライブレンジDへの切り換えにおいて、変速機のマニュアルシフトシャフトに連結されたアクチュエータがドライブレンジDまで回転する途中で、システム異常によりリバースレンジRで停止してしまった場合に、フェールセーフ制御を行う。フェールセーフ制御においては、変速制御装置、あるいはシフト制御装置により変速機をニュートラル状態にすることで、リバースレンジRでの停止による意図せぬ後進を防止する。
このように、シフトセレクトシステムにおいては、変速制御装置とシフト制御装置とのうち一以上の制御装置が、変速機のレンジを人為操作により選択されたシフトポジションに対応させることができないとの異常判断した場合に、フェールセーフ制御を行って変速機をニュートラル状態にして、運転者の意図しない車両挙動を防止している。
従来のシフトセレクトシステムには、シフトポジションについての複数の信号を比較し、不一致の場合には、変速機のレンジを安全なレンジ(例えば、ニュートラルレンジNなど)に切り換えることで、信頼性、安全性を高めたものがある。
特開平6−66367号公報
また、従来のシフトセレクトシステムには、シフトポジション信号の入力が無い場合や、シフトポジション信号が複数入力する場合などの異常判断時に、エンジンのトルクを低下させるトルクダウン制御により、過回転による変速機の破損を防止するものがある。
特開1994−40272号公報
ところが、従来のシフトセレクトシステムにおいては、異常と判断して変速機をニュートラル状態にするまでには多少の時間がかかるため、車両の走行状況によってはニュートラル状態になるまでに後進してしまう可能性がある。
また、フェールセーフ制御で変速機がニュートラル状態に維持された場合には、予想外の車両挙動はしないが、車両を走行させることもできなくなる問題がある。さらに、エンジンの始動条件に、変速機がパーキングレンジPであることを条件としている場合には、エンジン停止後の再始動ができなくなる問題がある。
この発明は、変速機のレンジを異常判断した場合にフェールセーフ制御を行うシフトセレクトシステムにおいて、フェールセーフ動作を維持した状態で車両の移動や電源の停止を可能として利便性を高めること、人為操作の意図を汲んで最適なフェールセーフ(例えば、リトライ可能とする、ニュートラル状態としない等)を行うことなどを目的とする。
この発明は、エンジンおよび変速機と、前記エンジンを制御するエンジン制御装置と、前記変速機の変速状態を制御する変速制御装置と、操作子を操作する人為操作により選択されたシフトポジションを示す信号を出力するシフトセレクトスイッチと、前記変速機に設けられたマニュアルバルブを駆動するアクチュエータと、前記変速機がシフトセレクトスイッチの出力に応じたレンジとなるよう前記アクチュエータを制御するシフト制御装置とを備え、前記エンジン制御装置と変速制御装置とシフト制御装置とが通信を介した協調制御により所定の動作を行うシフトセレクトシステムであって、前記変速制御装置とシフト制御装置とのうち一以上の制御装置が、前記変速機のレンジを人為操作により選択されたシフトポジションに対応させることができないとの異常判断した場合に、前記変速機をニュートラル状態とする第1のフェールセーフ制御を行う機能を備えるシフトセレクトシステムにおいて、前記制御装置が、前記異常判断を行う以前であり、かつ前記変速機のレンジ切り換え時間が通常より長くなる場合に、通信によって前記エンジン制御装置がエンジンの出力を抑制するトルクダウン制御を実施するように機能する第2のフェールセーフ制御を行うことを特徴とする。
この発明のシフトセレクトシステムは、変速機のレンジ切り換えが低速動作中であって、レンジ切り換え未完了かつ意図したレンジではない状態下で、運転者が発進操作を行った場合のように、運転者の予想とは異なる車両挙動となる場合でも、急激な挙動変化を抑制できる。
この発明は、シフトセレクトシステムのフェールセーフ動作時に車両の移動や電源の停止を可能として利便性を高め、人為操作の意図を汲んで最適なフェールセーフを行うものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を説明する。
図1〜図9は、この発明の実施例を示すものである。図1はシフトセレクトシステムの全体のシステム構成図、図2はシフトセレクトシステムの変速機部分のシステム構成図、図3の(A)はディテント機構の平面図、(B)はディテント機構の側面図、図4はディテントプレートの各レンジ位置におけるモータ駆動角度を示す図、図5は異常時における動作モード及びフェールセーフ制御を示す図、図6はフェールセーフ制御におけるトルクダウン制御・ニュートラル制御・リトライ制御のフローチャート、図7は図6に続くフェールセーフ制御におけるトルクダウン制御・ニュートラル制御・リトライ制御のフローチャート、図8はフェールセーフ制御におけるエンジンの再始動制御のフローチャート、図9はフェールセーフ制御におけるIG−OFF制御のフローチャートである。
図1において、1はシフトセレクトシステムである。シフトセレクトシステム1は、車両に搭載されたエンジン2及び自動式の変速機3と、エンジン2を制御するエンジン制御装置4と、変速機3の変速状態を制御する変速制御装置5と、変速機3のレンジを切り換える信号を出力するシフトセレクトスイッチ6と、変速機3のレンジを切り換えるアクチュエータ7と、変速機3のレンジを切り換えるためにアクチュエータ7を制御するシフト制御装置8とを備え、エンジン制御装置4と変速制御装置5とシフト制御装置8とを車両の通信システム(CAN:CONTROL AREA NETWORK)である車両LAN9によって接続している。車両LAN9には、車両用制御装置10とメータ制御装置11と表示装置12とを接続している。シフトセレクトシステム1は、車両LAN9により車両情報(電源状態、車速、ブレーキ状態、エンジン回転数等)を相互通信し、通信を介した協調制御により所定の動作を行う。
前記車両用制御装置10は、イグニッションスイッチ13の出力する信号により車両搭載機器の電源の供給・停止を制御し、自動式のパーキングブレーキ14に制動・解放要求信号を出力して制動・解放等を制御し、車両の電子キー(リモコン式)15との通信によりドアロックの施錠・解錠、キーコード受信を行う。前記メータ制御装置11は、コンビネーションメータ16によるシフトインジケータ、シフト警告灯、警報ブザー等の表示・動作を制御をする。前記表示装置12は、変速制御装置5や車両用制御装置10等からの要求により必要な情報をディスプレイ17に表示させる。
前記エンジン2に連結された変速機3は、レンジとして、例えば、パーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジDを有し、各レンジに対応する前進用及び後退用の変速機構を有している。
前記シフトセレクトスイッチ6は、シフト操作装置18に設けられている。シフト操作装置18は、シフトセレクタ19に変速機3のレンジP、R、N、Dに対応したシフトポジション(パーキングポジションP、リバースポジションR、ニュートラルポジションN、ドライブポジションD)を備えたゲート20を設け、このゲート20に沿って運転者により人為的に選択操作可能な操作子(シフトレバー)21を設け、この操作子21のゲート20内における操作位置(シフトポジション)を検出するための前記シフトセレクトスイッチ6を設けている。
シフトセレクトスイッチ6は、シフト操作装置18の操作子21を操作する運転者の人為操作により選択されたシフトポジションP、R、N、Dを示す信号を出力する。シフトセレクトスイッチ6の出力する信号は、図2に示すように、入力シフト操作判定手段22に入力して操作子21が操作されたシフトポジションを判定し、判定されたシフトポジションに応じたレンジを指示する信号を通信出力手段23を介して前記シフト制御装置8に出力する。
前記アクチュエータ7は、モータ24によりギヤ機構25を介してマニュアルシフトシャフト26を回転させ、変速機3に設けたマニュアルバルブ27を駆動して変速機3の油圧回路を切り換え、変速機3のレンジを切り換える。前記マニュアルシフトシャフト26には、角度センサ28と、レンジスイッチ29と、ディテント機構30とを設けている。前記角度センサ28は、マニュアルシフトシャフト26の回転角を検出し、回転角度信号を出力する。前記レンジスイッチ29は、マニュアルシフトシャフト26の回転に同期して回転し、マニュアルシフトシャフト26の回転により切り換えられた変速機3の現在のレンジを示すシフトレンジ信号を出力する。前記ディテント機構30は、マニュアルシフトシャフト26の回転角度を位置決めする。
前記シフト制御装置8には、前記シフトセレクトスイッチ6と、角度センサ28と、レンジスイッチ29と、電源であるバッテリ31と、車両LAN9により前記エンジン制御装置4・変速制御装置5・車両用制御装置10・メータ制御装置11・表示装置12とを接続している。シフト制御装置8は、シフトセレクトスイッチ6から信号が入力すると、角度センサ28から入力する回転角度信号と、レンジスイッチ29から入力するシフトレンジ信号と、各制御装置4・5・10・11・12から入力する車速・ブレーキ等の車両情報とに基づき、変速機3のレンジが要求されたレンジに切り換わるように、バッテリ31の電力をアクチュエータ7のモータ24に供給して駆動を制御し、マニュアルシフトシャフト26を回転させて変速機3のレンジを切り換える。
前記変速制御装置5には、前記レンジスイッチ29を接続し、車両LAN9により前記エンジン制御装置4・車両用制御装置10・メータ制御装置11・表示装置12を接続している。変速制御装置5は、レンジスイッチ29から入力するシフトレンジ信号と各制御装置4・10・11・12から入力する車速・ブレーキ等の車両情報とにより変速機3内のシフトソレノイドバルブ32を制御して変速機3の内部機構を構成する油圧回路を切り換え、変速機3の変速機構をレンジに対応した噛み合い状態に切り換えるとともにスロットル開度・車速・エンジン負荷等に応じた噛み合い状態に切り換え、レンジ情報を送信する。
このように、シフトセレクトシステム1は、シフト操作装置18にシフトセレクトスイッチ6を設け、このシフトセレクトスイッチ6により操作子21の操作状態を検知しており、この操作子21の操作状態に基づいてシフト制御装置8によりアクチュエータ7のモータ24を駆動する。このモータ24には、マニュアルバルブ27を駆動するマニュアルシフトシャフト26を作動連結する。一方、マニュアルシフトシャフト26には、前記マニュアルバルブ27を制御するディテント機構30を備える。シフト制御装置8は、このディテント機構30の回転位置の変化を角度センサ28により検出し、その検出値によってモータ24の回転を制御している。
前記マニュアルシフトシャフト26の回転角度を位置決めするディテント機構30は、図3に示すように、マニュアルシフトシャフト26に取り付けられて一体に回転するディテントプレート33を設けている。このディテントプレート33の周縁には、図4に示すように、変速機3の各レンジP、R、N、Dに対応する複数の係合凹部として、係合凹部34P、34R、34N、34Dを谷形状に窪ませて形成している。ディテント機構30は、これら係合凹部34P、34R、34N、34Dに選択的に係合するディテントピン35を設け、このディテントピン35を支持するとともにこのディテントピン35を係合凹部34P、34R、34N、34Dに向かって押圧付勢するディテントスプリング36を設けている。
ディテント機構30は、ディテントスプリング36によってディテントピン35をディテントプレート33の係合凹部34P、34R、34N、34Dに向かって押圧付勢し、図4に線分P、R、N、Dで示す各係合凹部34P、34R、34N、34Dの中心で最深部となる谷底中心に、ディテントピン35を係合してディテントプレート33の回転を停止させる。これにより、ディテント機構30は、マニュアルシフトシャフト26の回転角度を、パーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジDのいずれかに位置決めする。
このディテント機構30は、ディテントプレート33の谷形状の係合凹部34P、34R、34N、34Dと、ディテントスプリング36の付勢力によって押圧付勢されるディテントピン35とによる機械的な構造に基づいて、図4に線分P、R、N、Dで示す各係合凹部34P、34R、34N、34Dの谷底中心が各レンジP、R、N、Dの中心に合致するようにディテントプレート33を回転させる、調芯機能を有している。
ディテント機構30の調芯機能は、例えば、図4に破線で示すように、ニュートラルレンジNの係合凹部34Nの左側の傾斜面にあるディテントピン35が、ディテントスプリング36の付勢力によって谷底中心に向かって移動され、あるいは、ニュートラルレンジNの係合凹部34Nの右側の傾斜面にあるディテントピン35が、ディテントスプリング36の付勢力により谷底中心に向かって移動され、この結果、ディテントピン35に対してディテントプレート33の係合凹部34Nの谷底中心を合わせるようにディテントプレート33を回転させる機能である。
なお、図4に線分P、R、N、Dで示す谷底中心とは、ディテントプレート33の回動方向における各係合凹部34P、34R、34N、34Dの所定の回動停止位置であり、ディテントスプリング36の付勢力が小さくなり係合凹部34P、34R、34N、34Dに対してディテントピン35のすわりが最も安定する位置である。
前記シフト制御装置8は、図3に示すように、ディテント機構30の回転位置の変化を角度センサ28により検出し、角度センサ28の検出値によってアクチュエータ7のモータ24の回転を制御し、基本的に、シフト操作装置18に設けたシフトセレクトスイッチ6の出力する信号に基づき、変速機3内のマニュアルバルブ27を駆動して変速機3のレンジの切り換えを行う。
シフト制御装置8は、調芯制御機能を備えている。シフト制御装置8は、ディテント機構30のディテントピン35に対してディテントプレート33に形成した変速機3の各レンジP、R、N、Dに対応する係合凹部34P、34R、34N、34Dの谷底中心(図4に線分P、R、N、Dで示す)を合わせるための第1の調芯制御および第2の調芯制御を行って、角度センサ28が検出するディテントプレート33の回転位置の出力電圧値を谷底中心として学習する。
シフト制御装置8による第1の調芯制御では、ディテントプレート33の係合凹部34P、34R、34N、34Dとディテントピン35との係合関係を変化させる第1のモータ駆動制御を行った後、ディテントプレート33とディテントピン35との係合関係に基づきディテント機構30が自ら有する調芯機能を働かせるように制御する。
第1のモータ駆動制御は、ディテントプレート33の個々の係合凹部34P、34R、34N、34Dの谷底中心に関して、モータ24の第1の回転方向が予め決められている。第1の回転方向は、ディテントプレート33が隣の係合凹部に回転しない(例えば、図4に示すように、係合凹部34Pから見て係合凹部34Rのある側にディテントピン35が近付くように回転しない)ように設定し、又は回転しても対応が容易な係合凹部にディテントプレート33が回転する(例えば、図4に示すように、係合凹部34Nから見て係合凹部34Dのある側にディテントピン35が近付くように回転する)ように設定する。
シフト制御装置8は、第1のモータ駆動制御を行う際に、ディテントピン35がディテントプレート33の個々の係合凹部34P、34R、34N、34Dのいずれに存在しているかに応じてモータ24の回転方向を決定して、所定のモータ駆動を実行し、その後、角度センサ28が検出するディテントプレート33の回転位置の出力電圧値を谷底中心として学習する。
また、シフト制御装置8は、第1の調芯制御を終えた後、モータ24を第1の回転方向とは反対の回転方向に回転駆動する、第2のモータ駆動制御を行う。シフト制御装置8による第2のモータ駆動制御では、モータ24を第2の回転方向に回転駆動した後、ディテント機構30のディテントプレート33とディテントピン35との係合関係に基づき自ら有する調芯機能を働かせるように制御する。
例えば、図4において、ディテントピン35がディテントプレート33の係合凹部34Pに係合している場合は、ディテントプレート33が係合凹部34Pの形成された左側に向かって回転され、相対的にディテントピン34がディテントプレート33の係合凹部34P内で係合凹部34Rに近付くように右側に移動する方向を、第2の回転方向とする。また、図4において、ディテントピン35がディテントプレート33の係合凹部34Nに係合している場合は、ディテントプレート33が係合凹部34Dの形成された右側に向かって回転され、相対的にディテントピン35がディテントプレート33の係合凹部34N内で係合凹部34Rに近付くように左側に移動する方向を、第2の回転方向とする。
シフト制御装置8は、モータ24を第2の回転方向に回転駆動した後、ディテント機構30のディテントプレート33とディテントピン35との係合関係に基づき自ら有する調芯機能を働かせる第2の調芯制御を実行し、その後、角度センサ24が検出するディテントプレート33の回転位置の出力電圧値を谷底中心として学習する。
シフト制御装置8は、第1の調芯制御を終えた後に角度センサ24により得られたディテントプレート33の回転位置の出力電圧値と、第2の調芯制御を終えた後に角度センサ28により得られたディテントプレート33の回転位置の出力電圧値との二つの値を平均化し、それら二つの出力電圧値の中間値を谷底中心として学習する。
シフト制御装置8は、第1の調芯制御を行う際の第1のモータ駆動制御と、第2の調芯制御を行う際の第2のモータ駆動制御とのいずれに対しても、モータ24を駆動する回転角度による制限(図4参照)、または、モータ24を駆動する時間による制限を設けている。シフト制御装置8は、第1のモータ駆動制御を行う際、または、第2のモータ駆動制御を行う際に、回転角度による制限、または、駆動時間による制限を超えると、モータ24の駆動を停止する。
モータ24の回転角度による制限は、図4に示すように、変速機3のレンジP、R、N、Dに対応する係合凹部34P、34R、34N、34Dの規定位置での谷底中心の回転角度をθP、θR、θN、θDとし、例えば、係合凹部Nにおける補正前の谷底中心の位置をθ0とすると、θ0から見て左隣の係合凹部34Rに回転しない角度θN1、θ0から見て右隣の係合凹部34Dに回転しない角度θN2を、それぞれモータ24の回転停止角度として設定する。
また、モータ24の駆動時間による制限は、例えば、係合凹部34Nにおける補正前の谷底中心の位置をθ0から見て左隣の係合凹部34Rに向かって角度θN1だけ回転するのに要する時間T1、θ0から見て右隣の係合凹部34Dに向かって角度θN2だけ回転するのに要する時間T2を、それぞれモータ24の駆動停止時間として設定する。
このように、シフト制御装置8は、ディテント機構30のディテントプレート33に変速機3のレンジに対応するよう複数設けられた谷状の各係合凹部34P、34R、34N、34Dの個々の一つに対し、ディテント機構30のディテントピン35に対して谷底中心を合わせるための調芯制御を行って、ディテントプレート33の回動停止位置を谷底中心として学習することで、ディテントプレート33が取り付けられたマニュアルシフトシャフト26により動作するマニュアルバルブ27のレンジ位置の補正を行う。
これにより、ディテント機構30において、変速機3の各レンジ位置は、調芯制御によって、ある程度定期的に学習されており、常に最も正確な位置に合致している。
前記シフトセレクトシステム1は、変速制御装置5とシフト制御装置8とのうち一以上の制御装置が、変速機3のレンジを人為操作により選択されたシフトポジションに対応させることができないとの異常判断した場合に、変速機3をニュートラル状態とする第1のフェールセーフ制御を行う機能を備えている。
前記シフトセレクトシステム1においては、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、前記異常判断を行う以前であり、かつ変速機3のレンジ切り換え時間が通常より長くなる場合に、通信である車両LAN9によってエンジン制御装置4がエンジン2の出力を抑制するトルクダウン制御を実施するように機能する第2のフェールセーフ制御を行うものである。
このシフトセレクトシステム1は、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、第2のフェールセーフ制御を、変速機3の切り換え前後のレンジがともに走行レンジの場合、変速機3の切り換え前後のレンジがともに非走行レンジの場合、変速機3の切り換え前後のレンジのいずれかがパーキングレンジPであってニュートラルレンジNを跨いで切り換える場合、に行うものである。
また、前記シフトセレクトシステム1においては、制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、通信である車両LAN9によってエンジン制御装置4がエンジン2の出力を抑制するトルクダウン制御を実施するように機能する第2のフェールセーフ制御を行う場合に、第1のフェールセーフ制御として変速機3の内部機構(変速用クラッチ、変速用ブレーキなど)にニュートラル制御を行って変速機3をニュートラル状態に移行した後に、通信によってエンジン制御装置4がトルクダウン制御を解除するよう制御する機能を備えるものである。
このシフトセレクトシステム1は、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両の停車状態の下で、変速機3が人為操作により再選択されたシフトポジションに応じたレンジとなるようアクチュエータ7を制御するリトライ制御の機能を有し、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジが走行レンジの場合には、トルクダウン制御とニュートラル制御とを伴ってリトライ制御を行う一方、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジが非走行レンジの場合には、トルクダウン制御とニュートラル制御とを行わずリトライ制御を行うものである。
このシフトセレクトシステム1は、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジが走行レンジであり、かつエンジン2が停止の場合には、第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両のブレーキが操作状態の下で、人為操作に応じて再始動制御を行うものである。
このシフトセレクトシステム1は、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジがパーキングレンジP以外のレンジの場合には、人為操作に応じてシステムの電源を切断するIG−OFF制御を行うものである。
さらに、前記シフトセレクトシステム1においては、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、異常で停止した変速機3のレンジにより決まる複数の第2のフェールセーフ制御の機能を有し、異常で停止した変速機3のレンジにより動作を決定し、通信である車両LAN9によってエンジン制御装置4がエンジン2の出力を抑制するトルクダウン制御の機能と、異常で停止した変速機3のレンジが走行レンジである場合に変速機3の変速機構の状態を変更して動力伝達を切断したニュートラル状態とするニュートラル制御の機能と、第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両の停車状態の下で、人為操作により再選択されたシフトポジションに応じたレンジとなるようアクチュエータ7を制御するリトライ制御の機能と、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジが走行レンジの場合には、第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両のブレーキが操作状態の下で人為操作に応じて再始動制御を行う機能と、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジがパーキングレンジP以外のレンジの場合には、人為操作に応じてシステムの電源を切断するIG−OFF制御の機能とを含むものである。
前記シフトセレクトシステム1の変速制御装置5とシフト制御装置8とのうち一以上の制御装置が、変速機3のレンジを切り換える際の異常時の動作モードとフェールセーフ制御は、図5に示すように設定されている。
図5に示すように、シフトセレクトシステム1の異常によるレンジ切り換えの動作モードを3種類(誤動作/不動作/低速動作)に分類し、かつ、異常で停止したレンジ又は運転者が選択操作した目標レンジのシフトポジションとの関係よりフェールセーフ制御(トルクダウン制御/ニュートラル制御/リトライ制御/再始動制御/IG−OFF制御)を設定する。この設定により、不必要なフェールセーフ制御を実施しなくてよくなる。
例えば、ニュートラル制御が必要なのは、異常で停止した変速機3のレンジが走行レンジであるドライブレンジD/リバースレンジRの場合であり、この場合のみニュートラル制御を行う。但し、変速機3がニュートラル状態(機械的切断状態)になるまでの時間は、トルクダウン制御でエンジン回転を抑えて安全を確保する。ニュートラル状態になれば、トルクダウン制御は不要なことより解除する。
前記動作モードの誤動作とは、変速制御装置5、シフト制御装置8等の異常によりマニュアルシフトシャフト26が目標レンジ以外のレンジで停止してしまうことである。
前記動作モードの不動作とは、変速制御装置5、シフト制御装置8等の異常によりマニュアルシフトシャフト26が元(レンジ切り換えする前)のレンジから動かない場合である。
前記動作モードの低速動作とは、バッテリ電圧が低下するなどしてアクチュエータ7の負荷が大きく、通常のレンジ切り換えにかかる時間より長くなるが、アクチュエータ7の動作は停止していない場合である。この場合、運転者は、通常の感覚でレンジ切り換えが完了したと考え、状態を認識しないで、あるいは無認識のうちに、レンジ切り換え途中の意図しないレンジでアクセルペダルを踏み込む可能性がある。
また、前記フェールセーフ制御のトルクダウン制御は、エンジン制御装置4によりエンジントルクを低く制限する制御である。トルクダウン制御は、変速機3がニュートラル状態になった時、又は、変速機3のレンジ切り換え時間が通常より長くなる低速動作では目標レンジに到達した時に解除する。
前記フェールセーフ制御のニュートラル制御は、変速制御装置5が変速機3の内部機構のソレノイドバルブ、クラッチ等を制御して、変速機3をニュートラル状態にする制御である。
前記フェールセーフ制御のリトライ制御は、運転者が操作子21を再度操作した場合に、変速機3のレンジが目標レンジになるようにシフト制御装置8がリトライを実施する制御である。但し、変速機3の停止したレンジを切り換えるよう運転者が操作子21をシフト操作した場合は、ニュートラル状態からそのレンジに切り換える。つまり、リトライ制御は、異常でレンジ切り換えができなくなってもリトライすることを可能とし、たとえドライブレンジD/リバースレンジRでレンジ切り換えができなくなっても、そのレンジの選択操作を実施することで、ドライブレンジD(前進)/リバースレンジR(後進)での走行が可能となる。
前記フェールセーフ制御の再始動制御は、エンジン2が停止してしまい、変速機3のレンジがパーキングレンジP、ニュートラルレンジN以外でも、変速機3の内部機構がニュートラル状態などの条件が成立することにより、エンジン2の始動ができるようにエンジン制御装置4、車両用制御装置10が行う制御である。これにより、たとえ変速機3がドライブレンジD/リバースレンジRの状態でエンジン2が停止しても、一定条件(変速機3の内部機構がニュートラル状態)成立時は再始動可能である。
前記フェールセーフ制御のIG−OFF制御は、変速機3のレンジがパーキングレンジP以外でもパーキングブレーキ14をかけるなどの条件が成立することで、IG−OFF(イグニションスイッチ13をオフ)できるようにエンジン制御装置4、車両用制御装置10が行う制御である。これにより、パーキングキングP以外でレンジ切り換えができなくなっても、IG−OFFを可能とし、バッテリ31の上がりを防止する。
シフトセレクトシステム1は、これらの制御を行うことで、従来のフェールセーフ(トルクダウン制御のみ、ニュートラル制御のみ等)で問題となった項目を解決することができる。
前記変速機3は、内部の変速機構を油圧により制御する。変速機構には、切り換え用の機構要素として、油圧アクチュエータ、あるいは、変速用クラッチや変速用ブレーキが設けてあり、これらの機構要素に供給する油圧をシフトソレノイドバルブ32によるデューティ制御によって制御することが可能である。走行状態に応じた細かな制御パターンは、マニュアルバルブ27を動かすことによるレンジ選択の動作によって制御要素の組み合わせ等が選択されることによって行われる。変速機3は、シフトソレノイドバルブ32によって供給油圧をゼロから最大まで変更できるので、シフトソレノイドバルブ32によって変速機構の機械的連結状態と切断状態(ニュートラル制御によるニュートラル状態)とを切り替えることができる。
ここでのニュートラル状態には、
i)変速機3がニュートラルレンジN
ii)変速機3が機械的なニュートラル状態
、の2つがある。
i)は、操作子21等を人為操作してシフトポジションNを選択し、それに基づいて変連機構が正しく動作した結果、変速機3のレンジが正しくニュートラルレンジNとなり、その状態を保持していることである。
ii)は、i)と違い、機械的連結されて達成される変速機構の伝動状態について、機械的連結をいずれか任意の場所で切断し、駆動力が伝達されない状態(ニュートラル制御によるニュートラル状態)を示す。
前述した、シフトセレクトシステム1の変速制御装置5とシフト制御装置8とのうち一以上の制御装置が、変速機3のレンジを人為操作により選択されたシフトポジションに対応させることができないとの異常判断した場合に、第1のフェールセーフ制御によって行う変速機3のニュートラル状態とは、前記ii)で説明した、「機械的連結されて達成される変速機構の伝動状態について、機械的連結をいずれか任意の場所で切断し、駆動力が伝達されない状態(ニュートラル制御によるニュートラル状態)」を示している。
前記シフトセレクトシステム1による異常判断時の再始動制御では、変速制御装置5が、前記ii)によるニュートラル制御によるニュートラル状態を、前記i)によるニュートラルレンジNであるとみなして、変速機3の現在のレンジをニュートラルレンジNとするレンジ信号を出力し、車両LAN9を介してこれを受信するエンジン制御装置4および車両用制御装置10が、エンジン2の始動(再始動)を許可する。
このとき、エンジン制御装置4は、吸気量やそれに最適な燃料噴射量など演算し、最良の始動ができるように制御する。車両用制御装置10は、イモビライザによるIDコードを用いた認証を行って、その始動が正しく認証された始動であることの確認と、スタータモータの駆動を制御する。なお、スタータモータの駆動は、エンジン制御装置4が行う構成とすることも可能である。
シフトセレクトシステム1のエンジン制御装置4や車両用制御装置10をはじめとする各制御装置5・8・11・12は、車両LAN9を使った通信によって、ブレーキの操作状態の情報を入力でき、制御に利用する。車両用制御装置10は、また、パーキングブレーキ14の操作状態を検知する。さらに、車両用制御装置10は、図示しないフットブレーキの操作状態、さらにはABS制御装置の動作状態を検知し、それらの結果に基づいて車両の制御対象を制御することができる。
前記シフトセレクトシステム1による異常判断時のトルクダウン制御では、シフト制御装置8または変速制御装置5から車両LAN9を介してエンジン制御装置4にトルクダウン要求信号を送り、エンジン制御装置4が、吸気量や燃料噴射量等を減量するように制御して、あるいは点火時期を制御して、エンジン2の出力制限をするトルクダウン制御を実行する。トルクダウン制御は、車両LAN9による通信を介した協調制御によって実現する。
次に、この実施例の作用を説明する。
シフトセレクトシステム1は、図5に示すように、シフトセレクトシステム1の異常によるレンジ切り換えの動作モードを誤動作・不動作・低速動作に分類し、図6〜図9に示すように、条件に応じてフェールセーフ制御のトルクダウン制御・ニュートラル制御・リトライ制御・再始動制御・IG−OFF制御を行う。
シフトセレクトシステム1は、図6・図7に示すように、フェールセーフ制御のトルクダウン制御・ニュートラル制御・リトライ制御を行う。
シフトセレクトシステム1は、図6において、シフト操作装置18の操作子20をパーキングポジションPからドライブポジションDに操作してプログラムがスタートすると(101)、シフト操作装置18のシフトセレクトスイッチ6の出力がパーキングポジションPを示す信号からドライブポジションDを示す信号に変化し(102)、シフト制御装置8はシフトセレクトスイッチ6からのドライブポジションDを示す信号を受信後、目標レンジであるドライブレンジDの有効・無効判定を実施する(103)。
シフト制御装置8は、目標レンジであるドライブレンジDが有効の場合に、アクチュエータ7のモータ24を制御してマニュアルシフトシャフト26を回転させてマニュアルバルブ27を駆動し、角度センサ28の出力する回転角度信号により変速機3をパーキングレンジPから目標レンジのドライブレンジDに切り換え(104)、変速機3のレンジがドライブレンジDに到達したかを判断する(105)。
この判断(105)がYESの場合は、レンジスイッチ29がマニュアルシフトシャフト26の回転に同期して、変速機3の現在のレンジを示すシフトレンジ信号Dを出力する(106)。変速制御装置5は、シフトレンジ信号Dを入力後に変速機3の内部のシフトソレノイドバルブ32を制御して油圧回路を切り換え、ドライブレンジDへの切り換えを完了させ、現在のレンジ情報Dを送信する。このとき、リトライ制御を実施している場合は、ニュートラル制御を解除する(107)。
メータ制御装置11は、現在のレンジ情報Dを受信してコンビネーションメータ16のシフトインジケータにドライブレンジDであることを表示させ(108)、レンジ切り換えを完了する(109)。
前記判断(105)がNOの場合は、角度センサ28の出力する回転角度信号やレンジスイッチ29の出力するシフトレンジ信号により、変速機3のレンジをシフトセレクトスイッチ6が出力するシフトポジションの信号に対応するレンジに切り換えることができず、異常を検出したかを判断する(110)。
この判断(110)がNOの場合は、前記判断(105)に戻る。この判断(110)がYESの場合は、表示装置12によりディスプレイ17のアラーム表示やブザーで運転者に変速機3のレンジ切り換えについて異常判断したことを通知し(111)、低速動作であるかを判断する(112)。低速動作とは、レンジ切り換えに時間がかかり、設定時間内に目標レンジに到達しない場合であるが、アクチュエータ7の動作は停止していない場合である。
この判断(112)がNOの場合は、図7に示す判断(120)を行う。この判断(112)がYESの場合は、トルクダウン制御低速動作条件に該当するかを判断する(113)。トルクダウン制御低速動作条件は、図5の低速動作モードにおける実施「○」欄に該当する運転者操作を行った場合である。
この判断(113)がNOの場合は、変速機3が目標レンジのドライブレンジDに到達したかを判断する(115)。この判断(113)がYESの場合は、トルクダウン制御を実施し(114)、変速機3が目標レンジのドライブレンジDに到達したかを判断する(115)。
この判断(115)がYESの場合は、トルクダウン制御解除条件の成立後、トルクダウン制御を解除し(116)、変速機3の現行レンジが目標レンジであることによりプログラムをエンドにする(117)。トルクダウン制御解除条件は、アクセルペダルの踏み込みが無い等である。
前記判断(115)がNOの場合は、レンジ切り換えの動作が停止したかを判断する(118)。この判断(118)がNOの場合は、前記判断(115)に戻る。この判断(118)がYESの場合は、不動作/誤動作モードに移行し(119)、図7に示す判断(120)を行う。
前記判断(112)がNOの場合、また、不動作/誤動作モードに移行(119)した場合は、図7に示すように、リトライ動作ではないかを判断(120)する。この判断(120)がNOの場合は、運転者が操作子21により変速機3のレンジを切り換えるシフト操作を実施したかを判断する(121)。
この判断(121)がNOの場合は、この判断(121)を繰り返す。この判断(121)がYESの場合は、運転者が操作子21により変速機3の現行レンジを目標レンジに切り換える操作をしたかを判断する(122)。この判断(122)がNOの場合は、前記判断(121)に戻る。この判断(122)がYESの場合は、変速機3の現行レンジが目標レンジであることによりプログラムをエンドにする(123)。なお、リトライ回数については、1回ではなく、複数回でもよい。
前記判断(120)がYESの場合は、アクチュエータ7のマニュアルシフトシャフト26が不動作であるか(元のレンジから動いていないか)を判断する(124)。
この判断(124)がYESの場合は、トルクダウン制御不動作条件に該当するかを判断する(125)。トルクダウン制御不動作条件は、図5の不動作モードにおける実施「○」欄に該当する運転者操作を行った場合である。
この判断(125)がNOの場合は、後述の判断(129)を行う。この判断(125)がYESの場合は、トルクダウン制御およびニュートラル制御を実施し(126)、変速機3がニュートラル状態に移行完了したかを判断する(127)。
この判断(127)がNOの場合は、この判断(127)を繰り返す。この判断(127)がYESの場合は、トルクダウン制御解除条件の成立後、トルクダウン制御を解除し(128)、運転者が操作子21により変速機3のレンジを切り換えるシフト操作を実施したかを判断する(129)。トルクダウン制御解除条件は、アクセルペダルの踏み込みが無い等である。
この判断(129)がNOの場合は、この判断(129)を繰り返す。この判断(129)がYESの場合は、リトライ制御条件に該当するかを判断する(130)。リトライ制御条件は、不動作/誤動作の異常が発生後、変速機3がニュートラル状態になっていて、停車状態などの場合である。
この判断(130)がNOの場合は、前記判断(129)に戻る。この判断(130)がYESの場合は、運転者が操作子21により変速機3の現行レンジ以外を目標レンジに切り換える操作をしたかを判断する(131)。
この判断(131)がYESの場合は、リトライを実施し、前記スタート(101)に戻る(132)。この判断(131)がNOの場合は、変速機3の現行レンジが目標レンジであることによりプログラムをエンドにする(133)。
前記判断(124)がNOの場合は、トルクダウン制御誤動作条件に該当するかを判断する(134)。トルクダウン制御誤動作条件は、図5の誤動作モードにおける実施「O」欄に該当する運転者操作を行った場合である。
この判断(134)がNOの場合は、後述の判断(138)を行う。この判断(134)がYESの場合は、トルクダウン制御およびニュートラル制御を実施し(135)、変速機3がニュートラル状態に移行完了したかを判断する(136)。
この判断(136)がNOの場合は、この判断(136)を繰り返す。この判断(136)がYESの場合は、トルクダウン制御解除条件の成立後、トルクダウン制御を解除し(137)、運転者が操作子21により変速機3のレンジを切り換えるシフト操作を実施したかを判断する(138)。トルクダウン制御解除条件は、アクセルペダルの踏み込みが無い等である。
この判断(138)がNOの場合は、この判断(138)を繰り返す。この判断(138)がYESの場合は、リトライ制御条件に該当するかを判断する(139)。リトライ制御条件は、不動作/誤動作の異常が発生後、変速機3がニュートラル状態になっていて、停車状態などの場合である。
この判断(139)がNOの場合は、前記判断(138)に戻る。この判断(139)がYESの場合は、運転者が操作子21により変速機3の現行レンジ以外を目標レンジに切り換える操作をしたかを判断する(131)。
この判断(131)がYESの場合は、リトライを実施し、前記スタート(101)に戻る(132)。この判断(131)がNOの場合は、変速機3の現行レンジが目標レンジであることによりプログラムをエンドにする(133)。
また、前記シフトセレクトシステム1は、図8に示すように、フェールセーフ制御の再始動制御を行う。シフトセレクトシステム1は、プログラムがスタートすると(201)、エンジン2が停止状態で始動操作を実施したかを判断する(202)。
この判断(202)がNOの場合は、この判断(202)を繰り返す。この判断(202)がYESの場合は、再始動制御条件に該当するかを判断する(203)。再始動制御条件は、図5の誤動作/不動作モードで停止したレンジ(ドライブレンジD/リバースレンジR)に該当する場合であり、更に、変速機3がニュートラル状態およびブレーキペダルを踏み込んだ場合等である。
この判断(203)がNOの場合は、前記判断(202)に戻る。この判断(203)がYESの場合は、エンジン制御装置4、車両用制御装置10が、変速機3がパーキングレンジP・ニュートラルレンジN以外でもエンジン2を始動させ(204)、エンジン2の再始動がOKであるかを判断する(205)。
この判断(205)がNOの場合は、前記判断(202)に戻る。この判断(205)がYESの場合は、プログラムをエンドにする(206)。
さらに、前記シフトセレクトシステム1は、図9に示すように、フェールセーフ制御のIG−OFF制御を行う。シフトセレクトシステム1は、プログラムがスタートすると(301)、車両が停車状態でIG−OFF(イグニションスイッチ13のオフ)操作を実施したかを判断する(302)。
この判断(302)がNOの場合は、この判断(302)を繰り返す。この判断(302)がYESの場合は、IG−OFF制御条件に該当するかを判断する(303)。IG−〇FF制御条件は、図5の誤動作/不動作モードで停止したレンジ(パーキングレンジP以外)に該当する場合であり、更に、パーキングブレーキ14をON(制動操作)又はステアリングハンドルの回転角度が規定以上回っている場合等である。
この判断(303)がNOの場合は、前記判断(302)に戻る。この判断(303)がYESの場合は、エンジン制御装置4、車両用制御装置10が、変速機3がパーキングレンジP・ニュートラルレンジN以外でもIG−OFF(イグニションスイッチ13をオフ)させ(304)、IG−OFFが完了であるかを判断する(305)。
この判断(305)がNOの場合は、前記判断(302)に戻る。この判断(305)がYESの場合は、プログラムをエンドにする(306)。
このように、シフトセレクトシステム1は、変速制御装置5とシフト制御装置8とのうち一以上の制御装置が、変速機3のレンジを人為操作により選択されたシフトポジションに対応させることができないとの異常判断した場合に、変速機3をニュートラル状態とする第1のフェールセーフ制御を行う機能を備えており、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、前記異常判断を行う以前であり、かつ変速機3のレンジ切り換え時間が通常より長くなる場合に、通信である車両LAN9によってエンジン制御装置4がエンジン2の出力を抑制するトルクダウン制御を実施するように機能する第2のフェールセーフ制御を行っている。
これにより、シフトセレクトシステム1は、変速機3のレンジ切り換えが低速動作中であって、レンジ切り換え未完了かつ意図したレンジではない状態下で、運転者が発進操作を行った場合のように、運転者の予想とは異なる車両挙動となる場合でも、急激な挙動変化を抑制できる。
このシフトセレクトシステム1は、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、第2のフェールセーフ制御を、変速機3の切り換え前後のレンジがともに走行レンジ(ドライブレンジD、リバースレンジR)の場合、変速機3の切り換え前後のレンジがともに非走行レンジ(パーキングレンジP、ニュートラルレンジN)の場合、変速機3の切り換え前後のレンジのいずれかがパーキングレンジPであってニュートラルレンジNを跨いで切り換える場合、に行っている。
これにより、このシフトセレクトシステム1は、エンジン2の出力の抑制が必要な場合は確実に抑制し、不測の事態を防ぐことができ、レンジ切り換えの低速動作の発生を運転者が問題なく認識でき、エンジン2の出力の抑制が不要な場合には行わないので、違和感を生じることがない。
また、前記シフトセレクトシステム1においては、制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、通信である車両LAN9によってエンジン制御装置4がエンジン2の出力を抑制するトルクダウン制御を実施するように機能する第2のフェールセーフ制御を行う場合に、第1のフェールセーフ制御として変速機3の内部機構(変速用クラッチ、変速用ブレーキなど)にニュートラル制御を行って変速機3をニュートラル状態に移行した後に、通信によってエンジン制御装置4がトルクダウン制御を解除するよう制御する機能を備えている。
これにより、このシフトセレクトシステム1は、トルクダウン制御とニュートラル制御との遷移においてシームレスな制御を行うことができ、部分的な制御の空白や、不必要な重複制御を排除できる。
このシフトセレクトシステム1は、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両の停車状態の下で、変速機3が人為操作により再選択されたシフトポジションに応じたレンジとなるようアクチュエータ7を制御するリトライ制御の機能を有し、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジが走行レンジ(ドライブレンジD、リバースレンジR)の場合には、トルクダウン制御とニュートラル制御とを伴ってリトライ制御を行う一方、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジが非走行レンジ(パーキングレンジP、ニュートラルレンジN)の場合には、トルクダウン制御とニュートラル制御とを行わずリトライ制御を行っている。
これにより、このシフトセレクトシステム1は、パーキングレンジPやニュートラルレンジNの非走行レンジにおける不要なニュートラル制御を排除することができ、そのニュートラル状態から他の状態に操作可能となる。このシフトセレクトシステム1は、ニュートラル制御が必要な状態の下では、確実にニュートラル状態とすることができる。
このシフトセレクトシステム1は、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジが走行レンジ(ドライブレンジD、リバースレンジR)であり、かつエンジン2が停止の場合には、第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両のブレーキが操作状態の下で、人為操作に応じて再始動制御を行っている。
これにより、このシフトセレクトシステム1は、ニュートラル状態を保持したままで、エンジン2が始動不能となる不都合をなくすことができる。
このシフトセレクトシステム1は、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジがパーキングレンジP以外のレンジの場合には、人為操作に応じてシステムの電源を切断するIG−OFF制御を行っている。
これにより、このシフトセレクトシステム1は、ニュートラル状態を保持したままで、エンジン2が停止不能となる不都合をなくすことができる。
さらに、前記シフトセレクトシステム1においては、前記制御装置である変速制御装置5とシフト制御装置8とのうちの一以上が、異常で停止した変速機3のレンジにより決まる複数の第2のフェールセーフ制御の機能を有し、異常で停止した変速機3のレンジにより動作を決定し、通信である車両LAN9によってエンジン制御装置4がエンジン2の出力を抑制するトルクダウン制御の機能と、異常で停止した変速機3のレンジが走行レンジ(ドライブレンジD、リバースレンジR)である場合に変速機3の変速機構の状態を変更して動力伝達を切断したニュートラル状態とするニュートラル制御の機能と、第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両の停車状態の下で、変速機3のレンジが操作子21の人為操作により再選択されたシフトポジションに応じたレンジとなるようアクチュエータ7を制御するリトライ制御の機能と、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジが走行レンジ(ドライブレンジD、リバースレンジR)の場合には、第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両のブレーキが操作状態の下で人為操作に応じて再始動制御を行う機能と、第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機3のレンジがパーキングレンジP以外のレンジの場合には、人為操作に応じてシステムの電源を切断するIG−OFF制御の機能とを含んでいる。
このように、このシフトセレクトシステムは、5つに分類したフェールセーフ制御を行うことで、パーキングレンジPやニュートラルレンジNの非走行レンジにおける不要なニュートラル制御を排除することができ、そのニュートラル状態から他の状態に操作可能となる。また、このシフトセレクトシステム1は、変速機3のレンジを特定のレンジに保持したままの不都合(ロールバック、停止不能、始動不能など)をなくすことができる。さらに、このシフトセレクトシステム1は、ニュートラル制御が必要な状態の下では、確実にニュートラル状態とすることができる。
なお、図6〜図9のフェールセーフ制御の実施については、例えば、異常により停止した変速機3のレンジがリバースレンジRのみの場合、トルクダウン制御/ニュートラル制御を実施などに変更しても、運転者がドライブレンジDになっていることを認知すれば可能である。
前記シフトセレクトシステム1は、図6・図7において、不動作/誤動作モードに移行する際、不動作/誤動作モードのフラグを設定し、その後の条件成否判断(再始動制御条件、IG−OFF制御条件)に利用する。なお、リトライ制御条件の判断では、このモードフラグが立っている必要はない。
図7において、前記リトライ実施(132)によるスタート(101)からの再ループの場合は、リトライ実施のフラグを設定し、その後の判断(120)「リトライ動作ではない?」に利用する。最終的に目標レンジとなった際にエンド(133)となり、フラグをリセットする。エンド(133)になるまでは、何回でもリトライが可能である。
図7において、ニュートラル制御によるニュートラル状態とする場合は、変速機3に替えて、発進クラッチをニュートラル状態としてもよい。この場合は、変速機3のソレノイドバルブに替えて、発進クラッチの油圧アクチュエータを駆動制御することになる。さらに、ニュートラル制御によるニュートラル状態とする場合は、変速機3に替えて、ロックアップクラッチ付トルクコンバータのロックアップクラッチにも応用できる。
また、図6のフローチャートでは、リトライではなく初回の操作で判断(112)「低速動作?」が否定(NO)された場合に、不動作/誤動作モードに移行するフラグを立てるステップを介していないが、判断(112)「低速動作?」が肯定(YES)され、低速動作と判断した後で目標レンジに未到達のまま動作が停止した場合と同様に、不動作/誤動作モードに移行するフラグを立ててもよい。
この発明のシフトセレクトシステムは、フェールセーフ動作時に車両の移動や電源の停止を可能として利便性を高め、人為操作の意図を汲んで最適なフェールセーフを行うものであり、シフトバイワイヤ式の変速機を搭載した車両全般に適用することができる。
実施例を示すシフトセレクトシステムの全体のシステム構成図である。 シフトセレクトシステムの変速機部分のシステム構成図である。 (A)はディテント機構の平面図、(B)はディテント機構の側面図である。 ディテントプレートの各レンジ位置におけるモータ駆動角度を示す図である。 異常時における動作モード及びフェールセーフ制御を示す図である。 フェールセーフ制御におけるトルクダウン制御・ニュートラル制御・リトライ制御のフローチャートである。 図6に続くフェールセーフ制御におけるトルクダウン制御・ニュートラル制御・リトライ制御のフローチャートである。 フェールセーフ制御におけるエンジンの再始動制御のフローチャートである。 フェールセーフ制御におけるIG−OFF制御のフローチャートである。
符号の説明
1 シフトセレクトシステム
2 エンジン
3 変速機
4 エンジン制御装置
5 変速制御装置
6 シフトセレクトスイッチ
7 アクチュエータ
8 シフト制御装置
9 車両LAN
10 車両用制御装置
11 メータ制御装置
12 表示装置
18 シフト操作装置
21 操作子
24 モータ
25 ギヤ機構
26 マニュアルシフトシャフト
27 マニュアルバルブ
28 角度センサ
29 レンジスイッチ
30 ディテント機構
32 シフトソレノイドバルブ
33 ディテントプレート
34P、34R、34N、34D 係合凹部
35 ディテントピン
36 ディテントスプリング

Claims (7)

  1. エンジンおよび変速機と、
    前記エンジンを制御するエンジン制御装置と、
    前記変速機の変速状態を制御する変速制御装置と、
    操作子を操作する人為操作により選択されたシフトポジションを示す信号を出力するシフトセレクトスイッチと、
    前記変速機に設けられたマニュアルバルブを駆動するアクチュエータと、
    前記変速機がシフトセレクトスイッチの出力に応じたレンジとなるよう前記アクチュエータを制御するシフト制御装置とを備え、
    前記エンジン制御装置と変速制御装置とシフト制御装置とが通信を介した協調制御により所定の動作を行うシフトセレクトシステムであって、
    前記変速制御装置とシフト制御装置とのうち一以上の制御装置が、前記変速機のレンジを人為操作により選択されたシフトポジションに対応させることができないとの異常判断した場合に、前記変速機をニュートラル状態とする第1のフェールセーフ制御を行う機能を備えるシフトセレクトシステムにおいて、
    前記制御装置が、前記異常判断を行う以前であり、かつ前記変速機のレンジ切り換え時間が通常より長くなる場合に、通信によって前記エンジン制御装置がエンジンの出力を抑制するトルクダウン制御を実施するように機能する第2のフェールセーフ制御を行うことを特徴とするシフトセレクトシステム。
  2. 前記制御装置が、前記第2のフェールセーフ制御を、切り換え前後のレンジがともに走行レンジの場合、切り換え前後のレンジがともに非走行レンジの場合、切り換え前後のレンジのいずれかがパーキングレンジであってニュートラルレンジを跨いで切り換える場合、に行うことを特徴とする請求項1に記載のシフトセレクトシステム。
  3. エンジンおよび変速機と、
    前記エンジンを制御するエンジン制御装置と、
    前記変速機の変速状態を制御する変速制御装置と、
    操作子を操作する人為操作により選択されたシフトポジションを示す信号を出力するシフトセレクトスイッチと、
    前記変速機に設けられたマニュアルバルブを駆動するアクチュエータと、
    前記変速機がシフトセレクトスイッチの出力に応じたレンジとなるよう前記アクチュエータを制御するシフト制御装置とを備え、
    前記エンジン制御装置と変速制御装置とシフト制御装置とが通信を介した協調制御により所定の動作を行うシフトセレクトシステムであって、
    前記変速制御装置とシフト制御装置とのうち一以上の制御装置が、前記変速機のレンジを人為操作により選択されたシフトポジションに対応させることができないとの異常判断した場合に、前記変速機をニュートラル状態とする第1のフェールセーフ制御を行う機能を備えるシフトセレクトシステムにおいて、
    前記制御装置が、通信によって前記エンジン制御装置がエンジンの出力を抑制するトルクダウン制御を実施するように機能する第2のフェールセーフ制御を行う場合に、前記第1のフェールセーフ制御として変速機の内部機構にニュートラル制御を行って変速機をニュートラル状態に移行した後に、通信によって前記エンジン制御装置がトルクダウン制御を解除するよう制御する機能を備えることを特徴とするシフトセレクトシステム。
  4. 前記制御装置が、前記第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両の停車状態の下で、前記変速機が人為操作により再選択されたシフトポジションに応じたレンジとなるようアクチュエータを制御するリトライ制御の機能を有し、
    前記第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機のレンジが走行レンジの場合には、トルクダウン制御とニュートラル制御とを伴ってリトライ制御を行う一方、
    前記第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機のレンジが非走行レンジの場合には、トルクダウン制御とニュートラル制御とを行わずリトライ制御を行うことを特徴とする請求項3に記載のシフトセレクトシステム。
  5. 前記制御装置が、前記第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機のレンジが走行レンジであり、かつ前記エンジンが停止の場合には、前記第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両のブレーキが操作状態の下で、人為操作に応じて再始動制御を行うことを特徴とする請求項3に記載のシフトセレクトシステム。
  6. 前記制御装置が、前記第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機のレンジがパーキングレンジ以外のレンジの場合には、人為操作に応じてシステムの電源を切断するIG−OFF制御を行うことを特徴とする請求項3に記載のシフトセレクトシステム。
  7. エンジンおよび変速機と、
    前記エンジンを制御するエンジン制御装置と、
    前記変速機の変速状態を制御する変速制御装置と、
    操作子を操作する人為操作により選択されたシフトポジションを示す信号を出力するシフトセレクトスイッチと、
    前記変速機に設けられたマニュアルバルブを駆動するアクチュエータと、
    前記変速機がシフトセレクトスイッチの出力に応じたレンジとなるよう前記アクチュエータを制御するシフト制御装置とを備え、
    前記エンジン制御装置と変速制御装置とシフト制御装置とが通信を介した協調制御により所定の動作を行うシフトセレクトシステムであって、
    前記変速制御装置とシフト制御装置とのうち一以上の制御装置が、前記変速機のレンジを人為操作により選択されたシフトポジションに対応させることができないとの異常判断した場合に、前記変速機をニュートラル状態とする第1のフェールセーフ制御を行う機能を備えるシフトセレクトシステムにおいて、
    前記制御装置が、異常で停止した変速機のレンジにより決まる複数の第2のフェールセーフ制御の機能を有し、
    異常で停止した変速機のレンジにより動作を決定し、
    通信によって前記エンジン制御装置がエンジンの出力を抑制するトルクダウン制御の機能と、
    異常で停止した変速機のレンジが走行レンジである場合に変速機の変速機構の状態を変更して動力伝達を切断したニュートラル状態とするニュートラル制御の機能と、
    前記第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両の停車状態の下で、人為操作により再選択されたシフトポジションに応じたレンジとなるようアクチュエータを制御するリトライ制御の機能と、
    前記第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機のレンジが走行レンジの場合には、第1のフェールセーフ制御によるニュートラル状態かつ車両のブレーキが操作状態の下で人為操作に応じて再始動制御を行う機能と、
    前記第1のフェールセーフ制御が働いた異常で停止した変速機のレンジがパーキングレンジ以外のレンジの場合には、人為操作に応じてシステムの電源を切断するIG−OFF制御の機能とを含むことを特徴とするシフトセレクトシステム。
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