JP2010112107A - 鉄筋結束機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 結束線を節約して適切な結束線の消費で鉄筋結束が確実にでき、かつ結束時間を短縮することができる鉄筋結束機を提供する。
【解決手段】ループガイド機構10により、鉄筋の周囲に結束線1を複数回周回するループガイド11を形成する。結束線送り機構20により結束線1をループガイド11の溝内に送り出し、結束線1の先端付近をクランプ機構30により一時固定する。次に、結束線送り機構20を逆回転させて結束線1を引き戻しつつループガイドの内周の開口から結束線を引き抜く際に、一対の結束線支え棒40により結束線1が鉄筋2の方向に行かないように一時係止し、結束線1で鉄筋2を締め上げつつ、捩りマージンを確保する。捩り機構50の捩りピン51により、捩りマージンを捩って行き、結束線1で鉄筋2を適切に締め上げ、切断機構60により結束線を切断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築工事現場において縦横に配置された鉄筋の交差部をワイヤで結束する可搬式の鉄筋結束機に関するものである。
鉄筋コンクリート製の建築物の建設工事現場では多数の鉄筋結束作業が発生する。従来技術において、建設工事現場における鉄筋結束作業を改善するものとして、特許第2923242号において同公報の図2に示すような鉄筋結束機が提案されている。特許第2923242号に開示された鉄筋結束機は、本体と、この本体の先端部に開閉可能に設けた一対の溝付き湾曲部材を備えたループ形成部とからなり、上記本体にはワイヤ供給部と駆動機構が設けられている。
ここで、ワイヤ供給部は、鉄筋の交差部を包囲するように閉じさせた状態にしたループ形成部の湾曲部材の溝部にワイヤを送ってワイヤのループを形成させるものである。なお、駆動部は、ループ形成部における湾曲部材の開閉駆動やループ形成後に溝部に送り出されるワイヤを切断するためのカッターの進退駆動や形成されたループを捩ってワイヤにより鉄筋を結束させる一対の間隔をおいて並設した捩りピン部材の進退駆動や、回転を順次行わせる回転駆動などを行う構成となっている。
上記特許第2923242号に開示された鉄筋結束機の場合、鉄筋の交差部を包囲するように閉じさせた状態にした一対の湾曲部材の溝部にワイヤを送った状態で、即ち、ループ形成部の溝にワイヤが有る状態で、捩りピンを回転して、ワイヤを捩るため、異なった鉄筋の太さに対応しようとするとき、結束の強度に無関係な余分なワイヤ長が消費されると共に、捩る回数が不定のため、捩る制御が難しく結束成功率が低く、かつ結束までの捩り回数が多大になり、過大な結束時間を要するという欠点があった。
また、ループガイドの溝は、1本しかないために、結束線をループガイドに送って複数回周回させる際、1周目に送られた結束線と2周目に送られた結束線、または2周目に送られた結束線と3周目に送られた結束線が互いに干渉して、ループガイドの外に飛び出すおそれがあった。
そこで、従来技術において、ワイヤ供給部によりループ形成部の湾曲部材の溝部にワイヤを送った後、結束線を引き戻す工夫をしたものとして特開2003−267307号公報が知られている。
特開2003−267307号公報に開示されているものは、結束線送り機構により結束線を送り出して鉄筋の周囲にループを形成し、クランプ機構により結束線の先端をクランプし、結束線送り機構を逆転駆動して結束線を引戻して鉄筋に巻回し、クランプ機構を回転駆動して結束線を捩じることにより鉄筋を結束する鉄筋結束機において、結束線送り機溝の送りモータの駆動電流検出回路を設け、結束線引き戻し工程において単位時間毎に逐次送りモータの駆動電流を計測し、最新の計測値が計測値中の最低値よりも所定量増加したときに送りモータを停止する制御手段を設けた鉄筋結束機である。
ここで、結束線の引戻し量を把握するため、結束線の引戻し量を検出する手段を設け、結束線引戻し工程において引戻し量が基準値に達したときに送りモータを停止する制御手段を設けている。具体的には、捩りのマージンを確保することなく、送りモータを逆転駆動して結束線を引戻せるだけ引き戻し、鉄筋径近くまで引き戻して大きなテンションがかかってモータの駆動電流検出値が所定値以上となるとモータを停止させると開示されている。
なお、その状態では結束線を捩るためのマージンがなく結束線を捩ることができないため、再びモータを正転駆動してマージン相当分を送り出し、結束線を鉄筋から緩めるという制御が必要となっている。
特許第2923242号公報 特開2003−267307号公報
上記特開2003−267307号公報に開示の技術によれば、結束線送り機構を逆転駆動して結束線を引戻して結束線の消費量を低減する工夫は盛り込まれており、送りモータを逆転駆動してワイヤWを引戻し、鉄筋径に合わせてループ長を調節するとされているが、その状態では結束線を捩るためのマージンがなく結束線を捩ることができないため、その後再びモータを正転駆動してマージン相当分を送り出し、結束線を鉄筋から緩めるという制御が必要となっている。つまり、送りモータの回転制御は、“正転駆動”、“逆転駆動”、“正転駆動”の3つの切り替え制御が必要となり、制御が複雑となる上、時間がかかってしまうという問題が発生する。
また、上記特開2003−267307号公報に開示の技術によれば、送りモータを“正転駆動”後の“逆転駆動”で結束線で鉄筋を所定のテンションとなるまで締め上げ、その後、捩りマージンとなる所定量を送り出す“正転駆動”を行うため、同公報の図9から図10に示すように、単に鉄筋に対して結束線が緩められる状態となる。そのため、緩んだ瞬間に結束線が鉄筋に対して斜めに掛った状態となるおそれがあり、その後捩り工程において捩ると結束線が鉄筋に対して斜めに締め上げてしまうおそれがあった。
また、上記特開2003−267307号公報に開示の技術によれば、上記したように、最初の“正転運転”および引き戻しの“逆転運転”の後、捩りマージンとなる所定量を送り出す“正転駆動”を行うため、単に鉄筋に対して結束線が緩められる状態となっているため、捩るために捩り機構のヘッドに3つのクランプを設け、3か所で結束線を挟持しつつ回転運動を行わねばならない。また3つそれぞれのクランプの挟持・解放の制御が必要となるため、捩り機構のヘッドが大きく複雑で高価になるという問題が生じてしまう。
また、上記特開2003−267307号公報に開示の技術によれば、捩り機構による捩り制御については特に工夫はされておらず、2度目の正転駆動で送りだしたマージン分の長さに相当する回数分を捩ることしか開示していない。しかし、実際には捩り工程は捩切れないテンションでしっかりと確実に捩って締め上げるためにはしっかりと捩る必要があるが、勢いよく捩って行くと捩切ってしまうおそれがあり、ゆっくり捩って行くと時間がかかってしまうという問題がある。
上記問題点に鑑み、本発明は、従来技術では無駄に消費されていた結束線を節約して適切な結束線の消費で鉄筋結束が確実にでき、かつ結束時間を短縮することができる鉄筋結束機を提供することを目的とする。また、結束線送り機構の正転運転、逆転運転の切り替え数が少なく、確実な捩りマージンを確保でき、運転制御が簡単な鉄筋結束機を提供することを目的とする。さらに、捩り機構のヘッド構造が簡単で確実に結束線を捩ることができる鉄筋結束機を提供することを目的とする。
さらに、上記問題点に鑑み、本発明は、結節線の捩りを適切に制御することにより、結束線を捩切ることなく素早く確実な鉄筋結束が可能であり、かつ結束時間を短縮することができる鉄筋結束機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の鉄筋結束機は、
交差した鉄筋の交差部分の周囲に結束線を複数回周回させるための螺旋状の溝を備えたループガイドを形成するループガイド機構と、
前記鉄筋の結束線を前記ループガイドの溝内に送り出す結束線送り機構と、
前記鉄筋の交差部分に周回させた前記結束線の先端付近を一時捕捉するクランプ機構と、
前記結束線送り機構を逆回転させて前記結束線を引き戻しつつ前記結束線を前記ループガイドから前記鉄筋に向けて締める際に、少なくとも2か所において前記結束線が前記鉄筋方向に行かないように一時係止する一対の結束線支え棒と、
前記結束線の適切な引き戻しの後に前記結束線を切断する切断機構と、
一対の前記結束線支え棒の間に張られた前記結束線を挟んだ位置に配置され、回転により前記結束線を捩り締めるための一対の捩りピンを備えた捩り機構とを備え、
前記捩りピンによって捩る前には前記結束線支え棒により前記結束線を捩るための捩りマージンを確保するとともに、前記捩りピンが回転し始めると前記結束線が前記結束線支え棒から外れて前記一時係止が解放されるとともに、前記クランプ機構による前記結束線の一時捕捉も解放され、前記鉄筋の交差部分の周囲にわたって締め上げることができることを特徴とする。
本発明の鉄筋結束機の引き戻し制御としては、前記結束線送り機構を逆回転させる前記結束線の引き戻しにおいて、前記回転機構の電流値を検知する電流検知手段と、前記電流検知手段において、前記結束線送り機構の引き戻し開始時点の電流値に比べて急激に電流値が増加したことを検知すれば、前記結束線送り機構の引き戻し回転を停止させるものであることが好ましい。
上記構成により、本発明の鉄筋結束機は、結束線送り機構の逆転運転により従来技術では無駄に消費されていた結束線を節約して適切なワイヤ長の消費で鉄筋結束が確実にできる。また、結束線を一時係止する一対の結束線支え棒により、結束線を鉄筋から緩めることなく締め上げたままで捩りピンの前で鉄筋の太さに余り影響されることなく捩りマージンを確保することができ、そのまま捩り工程に移ることができ、結束時間を短縮することができる。また、捩り機構でクランプする必要はなく、捩り機構のヘッド構造は、一対のピンのみという簡単な構造で確実に結束線を捩ることができる。
なお、本発明では、一時係止する一対の結束線支え棒、及び前記ループガイド機構と前記クランプ棒との間に前記結束線を送り込む際には前記結束線に対する摩擦力が小さく、前記結束線を引き戻す際には前記結束線に対する摩擦力が大きくなるような、結束線先端のクランプ機構があるため、結束線送り機構の逆転運転時は、結束線送り機構の引き戻し開始時点の電流値に比べて急激に電流値が増加したことを検知すれば引き戻し回転を停止させるという簡単な制御でも確実に結束線を鉄筋から緩めることなく締め上げたままで捩りピンの前で捩りマージンを確保することができる。
ここで、結束線の先端を押さえるクランプ機構として、前記ループガイドの溝の前記内周開口から前記結束線の先端付近を押さえるクランプ棒を備え、
前記結束線送り機構により前記結束線を前記ループガイドの溝の下方と前記クランプ棒との間に送り込む際には前記クランプ棒による前記結束線に対する摩擦力が小さく、前記結束線を引き戻す際には前記クランプ棒による前記結束線に対する摩擦力が大きくなるように前記クランプ棒を制御することが好ましい。
例えば、結束線の先端を押さえるクランプ機構に、前記ループガイドの溝の前記内周開口から前記結束線の先端付近を押さえるクランプ棒と、前記クランプ棒を支える回転軸と、前記回転軸を受ける軸受け孔と、前記クランプ棒の先端付近を前記結束線の先端付近に押し付ける押さえバネを備え、前記クランプ棒が、前記結束線送り機構により前記結束線を前記ループガイドの溝に送り込む際には前記結束線に対する摩擦力が小さく、前記結束線を引き戻す際には前記結束線に対する摩擦力が大きくなるように、前記クランプ棒の回転軸の軸受け孔を長孔とし、当該長孔の前記結束線の進行方向側の端において前記ループガイド溝と回転軸との距離が小さく、当該長孔の他端において前記ループガイド溝と回転軸との距離が大きいものとする。
上記構成によれば、前記結束線の送り込み時には前記クランプ棒の前記ループガイドに対する角度が小さくなって、前記結束線と前記クランプ棒との摩擦力が小さくなり、前記結束線の引き戻し時には前記クランプ棒の前記ループガイドに対する角度が大きくなって、前記結束線と前記クランプ棒との摩擦力が大きくなる。
クランプ機構の構造をこのような構造とすれば、特に駆動機構を必要とせず、バネとクランプ棒という簡単な構造で送りこまれた結束線の先端を確実に押さえることができる。なお、クランプ機構による結束線を押さえる摩擦力は、結束線送り機構の逆回転時に結束線にかかる張力よりも大きく、捩り機構で捩りが加えられた際に結束線にかかる張力よりも小さいものとすれば、結束線送り機構の逆回転時には結束線が抜けず、捩り機構で捩りが加えられる時には結束線が抜ける。
次に、本発明の鉄筋結束機の捩り機構の制御において、前記捩りピンによる前記結束線の捩りとして、所定の捩り回数の所定の捩り角度である第1の角度までは通常トルクで捩る第1の捩りと、前記第1の角度からさらに所定の捩り角度である第2の角度までは前記通常トルクよりも小さく前記結束線が捩り切れることのない小トルクで捩る第2の捩りと、さらに前記結束線が伸びて捩じ切れない僅かな捩りを加える第3の捩りを備え、前記結束線の捩切れがなく、かつ、緩みがない前記結束線の捩りを可能とすることが好ましい。
上記構成により、結節線の捩りを適切に制御することにより、結束線を捩切ることなく素早く確実な鉄筋結束が可能であり、かつ結束時間を短縮することができる。
次に、本発明の鉄筋結束機において、前記結束線を前記結束線送り機構に供給する結束線リールを備えた構成も好ましい。
結束線リールを用いる場合、前記結束線送り機構を順回転させて前記結束線を送り出す際、前記結束線リールを順回転させ、前記結束線送り機構を逆回転させて前記結束線を引き戻す際、前記結束線リールを逆回転させるリール回転機構とを備え、前記結束線送り機構により繰り出されまたは引き戻される前記結束線の移動速度と、前記結束線リールにおける前記結束線の消費量に応じて変化する径とに応じて前記リール回転機構における前記結束線リールの回転速度を変化させる制御を行うことが好ましい。
また、前記リール回転機構における前記結束線リールの前記順回転時は、前記結束線送り機構の引っ張りに従動させ、前記リール回転機構における前記結束線リールの前記逆回転時は、前記リール回転機構における前記結束線リールの前記順回転の速度に応じて前記リール回転機構における前記結束線リールの前記逆回転の速度を決定することも好ましい。
上記構成により、結束線リールを備えた構成において、結束線送り機構の正転運転、逆転運転によっても結束線のたわみを生じることなく、良好な結束線の送り出し制御を行うことができる。
本発明にかかる鉄筋結束機によれば、本発明の鉄筋結束機は、結束線送り機構の逆転運転により従来技術では無駄に消費されていた結束線を節約して適切なワイヤ長の消費で鉄筋結束が確実にできる。また、結束線を一時係止する一対の結束線支え棒により、結束線を鉄筋から緩めることなく締め上げたままで捩りピンの前で捩りマージンを確保することができ、そのまま捩り工程に移ることができ、結束時間を短縮することができる。また、捩り機構自体でクランプしつつ回転する必要はなく、捩り機構のヘッド構造は、一対のピンのみという簡単な構造で確実に結束線を捩ることができる。
また、ループガイド機構には螺旋状に周回する溝が形成されるので結束線を送り出しても結束線同士が衝突することなく螺旋状に複数回周回させることができる。
なお、本発明では、一時係止する一対の押さえ棒、及び前記クランプ棒との間に送り込む際には前記結束線に対する摩擦力が小さく、前記結束線を引き戻す際には前記結束線に対する摩擦力が大きくなるような、結束線先端のクランプ機構があるため、結束線送り機構の逆転運転時は、結束線送り機構の引き戻し開始時点の電流値に比べて急激に電流値が増加したことを検知すれば引き戻し回転を停止させるという簡単な制御でも確実に結束線を鉄筋から緩めることなく締め上げたままで捩りピンの前で捩りマージンを確保することができる。
また、本発明の鉄筋結束機によれば、結束線の捩りを適切に制御することにより、結束線を捩切ることなく素早く確実な鉄筋結束が可能であり、かつ結束時間を短縮することができる。
以下、本発明の鉄筋結束機を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、図面を参照しながら本発明に係る鉄筋結束機100の構成例を説明する。
鉄筋結束機100は、ループガイド機構10と、結束線送り機構20と、クランプ機構30と、一対の結束線支え棒40と、一対の捩りピンを備えた捩り機構50と、切断機構60と、結束線リール70、筐体80を備えている。
図1は、本発明の実施例1に係る鉄筋結束機100の一構成例の全体の外観概略を示した図である。
図2は、本発明の実施例1に係る鉄筋結束機100の主要部分の外観概略を示した図である。
図3は、本発明の実施例1に係る鉄筋結束機100の主要部分の内部構造の概略を示した水平断面図である。
図4は、図1に記載した筐体に比べて、ハンドル81部分に工夫を加えた場合の全体の外観概略を示した図である。
ループガイド機構10は、結束箇所である鉄筋2の交差部分を囲むようにその周囲に複数回周回する螺旋状で少なくともその内周方向は開口している溝を備えたループガイドを形成するものである。ループガイド機構10は、開閉型で開放時には左右に分かれ、閉鎖時に閉じた輪状になるループガイドが形成される。図示した構成例では左右2つのループガイド11aと11bが開閉する仕組みとなっている。
なお、ループガイドブロック82はループガイド機構10を外部から保護するものである。
結束線送り機構20(図示せず)は、モータなどの駆動系と結束線をグリップして送る結束線送りギヤ(図示せず)を備え、結束線1をループガイド機構10が形成した左右のループガイド11a、11bの溝内に送り出すものである。この構成例では後述するように結束線1を蓄えている結束線リール70と連動している。
結束線送り機構20は駆動系の正転運転、逆転運転のいずれも制御できるようになっており、結束線1を送り出す正転運転、結束線1を引き戻す逆転運転のいずれも行うことができる。
正転運転は前述したように結束線1をループガイド機構10が左右のループガイド11a、11bを閉鎖して形成した周回状の溝内に送り出す際に行う制御である。送り出した結束線1がループガイド機構10内で所定回数分回るだけの長さを繰り出し、その先端が後述するクランプ機構30によりクランプされるまで送り出す駆動を行う。
一方逆転運転はループガイド機構10内で所定回数鉄筋2の周囲を回っている結束線1を引き戻して結束線1により鉄筋2を引き締める際に行う制御である。ここで、結束線1の引き戻し長さは締め上げる鉄筋2の太さや本数に依存するため、引き戻す長さは固定長ではない。そこで、本発明では電流検知手段21(図示せず)を備えた構造となっている。
電流検知手段21は、結束線送り機構20を逆回転させる結束線1の引き戻しにおいて、逆転運転時のモータにより発生する電流値を検知するものである。なお、後述するように、結束線送り機構20を逆回転させる結束線1の引き戻し始めは、結束線1が鉄筋2に接するように縮まってゆく過程であり強い摩擦力は発生しないが、結束線1が鉄筋2に接するようになると結束線1の先端がクランプ機構30によりクランプされているので結束線1がそれ以上引き戻されず、強い摩擦力で移動が制限される。そこで、結束線送り機構20は、逆転運転時において、電流検知手段21が、結束線送り機構20の引き戻し開始時点の電流値に比べて急激に電流値が増加したことを検知すれば、結束線送り機構20の逆転運転である引き戻し回転を停止させる制御を行う。この制御により、締め上げる鉄筋2の太さや本数によらず適切に結束線1が鉄筋2に対して接した状態を得ることができる。ただし、図6を参照して後述するように結束線1が鉄筋2の周囲全部を締め上げて接しているわけではなく、捩りマージンが確保された状態を得るものとなっている。
なお、本実施例の筐体80には、結束線送り機構20を逆回転させたときに結束線が筐体の外側に飛び出さないように、結束線飛び出し防止板兼結束線送りギヤ解放板83が設けられている。図4では結束線飛び出し防止板兼結束線送りギヤ解放板83を開けた状態を示している。結束線飛び出し防止板兼結束線送りギヤ解放板83は、結束線送りギヤ(図示せず)の結束線の挟持を解放する機構(図示せず)と連動しており、この結束線飛び出し防止板兼結束線送りギヤ解放板83を開けることにより、結束線送りギヤ(図示せず)の結束線の挟持が解放される仕組みとなっている。
クランプ機構30は、鉄筋2に周回させた結束線1の先端付近を一時捕捉する部分であり、本発明では、結束線をクランプする部分は結束線1の先端付近のみで良く、従来技術のように捩り機構50に複数のクランプ機構を備えている必要はない。
ここで、クランプ機構30は結束線1の先端付近を一時捕捉する構造であれば良いが、この構成例では、クランプ機構30が、ループガイド機構10の溝の内周開口から結束線1の先端付近を押さえるクランプ棒31と、クランプ棒31を支える回転軸32と、クランプ棒31の先端付近を結束線1の先端付近に押し付ける押さえバネ33、押さえバネ受け34を備えた構造となっている。
図5は、本構成例のクランプ機構30の働きが分かりやすいように取り出して拡大した図である。図5に示すように、クランプ棒31が、結束線送り機構20により結束線1をループガイド機構10の溝に送り込む際には結束線1に対する摩擦力が小さく、結束線1を引き戻す際には結束線1に対する摩擦力が大きくなるように、結束線送り機構20により結束線1を送り出す順方向に先端が位置するように角度が付けられ、クランプ棒31の回転軸32部分が、クランプ棒31が回転とループガイド機構10の周回方向への移動ができるような長孔の軸受け孔を備えた構造となっている。
図5(a)に示すように、結束線送り機構20により結束線1を送り出した場合、結束線1の移動方向はクランプ棒31に対して先端が引っ掛からず滑り込めるいわゆる“順方向”に位置し、摩擦力が小さいものとなっていることが分かる。一方、図5(b)に示すように、結束線送り機構20により結束線1を引き戻した場合、結束線1の移動方向はクランプ棒31の先端に対して対向して引っ掛かって滑りにくいいわゆる“逆方向”に位置し、摩擦力が大きいものとなっていることが分かる。また、この構成例では、クランプ棒31における回転軸32を受ける孔が長孔となっているため結束線送り機構20により結束線1を引き戻した場合、結束線1の移動方向はクランプ棒31の先端に対して対向して引っ掛かってクランプ棒31が押し戻されて長孔の左側に回転軸が移動するため、ますますクランプ棒31の角度が大きくなり結束線1に対向する角度となり一層摩擦力が大きくなるように工夫されている。
なお、クランプ機構30による結束線1を押さえる摩擦力は、結束線送り機構20の逆回転時に結束線1にかかる張力よりも大きく、捩り機構50で捩りが加えられた際に結束線1にかかる張力よりも小さいものとすれば、結束線送り機構20の逆回転時には結束線1が抜けず、捩り機構50で捩りが加えられる時には結束線1が抜けるように調整することができる。
次に、一対の結束線支え棒40は、結束線送り機構20を逆回転させて結束線1を引き戻しつつループガイド20の溝の内周の開口から結束線1を引き抜く際に、少なくとも2か所において結束線1が鉄筋2方向に行かないように一時係止する棒状の引っ掛け構造物である。本構成例ではループガイド20の溝の内周の開口の上方付近に設けられ、それぞれの結束線支え棒40aと40bは少し離れて位置している。結束線支え棒40aと40b間の間隔について以下考察する。まず、捩りピン51a,51bの間隔は、複数回周回している結束線1をまとめて捩るため、複数本並んでいる結束線の束の一番上の結束線1と一番下の結束線1とを併せて挟み込む幅が必要である。そこで、結束線支え棒40aと40bの間隔は捩り機構50の捩りピン51a,51bの外周回転径と結束線の束の幅を併せた長さより大きい必要がある。
図6は左右の結束線支え棒40a、40bを分かりやすく取り出して示した図である。なお、図3では左右の結束線支え棒40a、40bの大きさや形状が異なるように表されているが、両者は後述するように回転対称の鍵型形状となっており、断面をとった水平面内では非対称の形状であるからである。図6(a)は、結束線支え棒40a、40bを正面から見た様子を模式的に示す図、図6(b)は右結束線支え棒40aを側面から見た様子を模式的に示す図、図6(c)は左結束線支え棒40bを側面から見た様子を模式的に示す図である。同様に図7(a)は、鉄筋2と、鉄筋の周囲に周回している結束線1と、結束線支え棒40の3者のみを取り出してそれらの関係を平面から見た様子を模式的に示す図である。なお、図7に示された鉄筋2は楕円となっているが、結束線1は鉄筋2の交差部分に対して斜めに掛けられるため結束線1を水平に描くと交差している鉄筋2は両方とも斜め断面として示されるために楕円として描かれている。
図6(a)、図6(b)、図6(c)、図7(a)に示すように、結束線送り機構20により結束線1を送り出した状態では、結束線1は鉄筋2を周回しているものの、ループガイド11の中に収まった状態となっている。
次に、図6(d)、図6(e)、図7(b)は結束線送り機構20を逆回転させて結束線1を引き戻すことにより、結束線1の径が縮まって鉄筋2を直接締めつつも、結束線1の一部が一対の結束線支え棒40aおよび40bによりループガイド11近くに係止される様子を模式的に示す図である。また、図7(b)に見るように、結束線1は結束線支え棒40aおよび40bの2点において係止され、ループガイド11における捩りピン51が存在する付近で隙間が確保され、捩りマージンが確保されている様子が分かる。
なお、結束線支え棒40aおよび40bの引っ掛け形状には工夫が施されており、図6に示すように、結束線支え棒40aおよび40bはそれぞれフック形状となっており、互いに回転対称に配置されている。
切断機構60は、カッターを備え、結束線1を切断することができる。切断個所は、ループガイド機構20における結束線1の送り出しの根元付近である。つまり、結束線1の捩った部分を残して結束線1をカットし、リール70から繰り出される結束線1から切り離す。
捩り機構50は、一対の捩りピン51を備え、図1〜図3に示すように、一対の結束線支え棒40aと40bの間の中央付近に位置しており、また、一対の結束線支え棒40aと40bの間に張られた結束線1を挟むように配置されている。図8(a)から(c)に示すように、捩り機構50が回転することにより結束線1を捩り締めることができる。
図8は、捩りピン51a、51bが結束線1を挟みながら回転すれば結束線支え棒40aおよび40bから結束線1が外れ、捩られてゆく様子を模式的に示した図である。図8(a)の状態から捩りピン51a、51bが紙面に向かって反時計回りに回転すると、図8(b)の状態のように結束線1を捩り始め、右結束線支え棒40aではフック先端の下側が開放されており、左結束線支え棒40bではフック先端の上側が開放されており、結束線1が結束線支え棒40aおよび40bの先端から外れる仕組みとなっている。
なお、クランプ機構30によるクランプもこの捩りピン51の捩りが始まると結束線1が順方向に移動するので解放される仕組みとなっている。
捩りピン51は高速で回転を続けるので、結束線1は、図7(b)の状態から図8(c)の状態へとしっかりと捩じられ、2つの鉄筋2は結束線1によって全周にわたってしっかりと締め上げられることとなる。
このように、捩り機構50の捩りピン51が回転する前には結束線支え棒40aおよび40bによってしっかりと係止して捩りマージンが確保され、捩り機構50の捩りピン51が回転し始めると自動的に係止が解放されるとともに、前記クランプ機構30による前記結束線の一時捕捉も解放され、捩りピン51の回転により捩りマージンが捩じられて結束線1により鉄筋2を締め上げることができるようになる。
ここで、この構成例では、捩り機構50が捩りピン51に与えるトルクとして、少なくとも3つの異なるトルクを与えることができるものとなっている。例えば、基準となる通常のトルク、通常のトルクよりも小さく結束線が捩り切れることのない小トルク、結束線1で鉄筋2を締め上げる際の最後の捩りを加える調整トルクである。また、捩り機構50は回転角度も調整できるものとなっている。
このように捩り機構50がトルクと回転角度を細かく調整できることにより、結束線1の捩り制御として以下のような細かい捩りが実現できる。例えば、捩りとして、所定の捩り回数の所定の捩り角度である第1の角度までは通常トルクで捩る第1の捩りと、第1の角度からさらに所定の捩り角度である第2の角度までは通常トルクよりも小さく結束線が捩り切れることのない小トルクで捩る第2の捩りと、さらに、結束線1が伸びる範囲かつ捩じ切れない範囲での僅かな捩りを調整トルクにて加える第3の捩りという3工程の捩りを使い分けることができるものとすることが好ましい。
上記のように捩り機構50が細かい捩り制御を実行できることにより、結束線1の捩切れがなく、かつ、緩みがない結束線1の捩りが可能となる。
結束線リール70は、回転軸71に結束線1を巻きつけて結束線1を蓄えておくものであり、結束線1を結束線送り機構20に供給するものである。回転軸71を中心に回転することにより結束線1を送り出したり巻き取ったりすることができる。
結束線リール70はリール回転機構72を備え(図示せず)、結束線リール70の回転を自在に制御することができる。リール回転機構72は結束線送り機構20と連動しており、結束線送り機構20を順回転させて結束線1を送り出す際には結束線リール70を順回転させ、結束線送り機構20を逆回転させて結束線を引き戻す際には結束線リール70を逆回転させる制御を行う。結束線1を引き戻す工程において結束線リール70を逆回転させることにより結束線1が結束線送り機構20と結束線リール70との間でたわむことなく適度に張ることができ、結束線1が絡まったり過度な引っ張りテンションがかかったりすることがなくなる。
ここで、繰り出される結束線1の巻き付け位置が結束線1の残量が少なく回転軸71に近いときと結束線1の残量が多く回転軸71から遠いときでは同じ分量の結束線1を繰り出す際に結束線リールの回転角速度が異なるため、結束線リール70の回転速度は毎回微妙に異なる。本発明では結束線リール70の結束線消費量に応じてリール回転機構72により結束線リール70の回転角を制御する。
リール回転機構72による結束線リール70の回転角の制御として次の2通りのいずれかの制御がある。
第1の制御は、リール回転機構72における結束線リール70の順回転速度および逆回転速度を、結束線送り機構20の結束線1の移動速度と、結束線リール70における結束線1の径の2つの条件に応じて変化させる制御である。この第1の制御は理想的であるが、結束線送り機構20の結束線1の移動速度の検知と、結束線リール70における結束線1の径の検知が必要となる。
図9は、結束線送り機構20とリール回転機構72とを連動させる第1の制御を模式的に説明する図である。図9(a)に示すように、例えば、結束線送り機構20の結束線1の送り出し速度“A”は結束線送り機構20の送り出し速度“A”データを検出し、結束線送り機構20から取得する(図示しないデータ伝送経路による)。また、結束線リール70における結束線1の径“H”はセンサ(図示せず)を内蔵し、最外周の結束線1の結束線リール70の軸中心からの高さ“H”を検知してデータを得れば良い。リール回転機構72において結束線送り機構20の送り出し速度“A”と最外周の結束線1の結束線リール70内での高さデータ“H”から結束線リール70の送り出し時の回転角速度Bは、B=A/Hで決定することができる。リール回転機構72は回転角速度が“B”となるように回転制御する。
引き戻し時も同様であり、図9(b)に示すように、結束線送り機構20の引き戻し速度“A”と最外周の結束線1の結束線リール70内での高さデータ“H”から結束線リール70の引き戻し時の回転角速度Bは、B=A/Hで決定することができ、リール回転機構72は巻き戻しの回転角速度が“B”となるように回転制御する。
第2の制御は、簡易な方法として、リール回転機構72における結束線リール70の順回転時は結束線送り機構20の引っ張りに従動させる方法とし、結束線リール70の逆回転時は、リール回転機構72における結束線リール70の順回転の速度に応じてリール回転機構72における結束線リールの逆回転の速度を決定する方法を採用する。
つまり、結束線送り機構20の送り出し時は、図10(a)に示すように、結束線リール70を従動して回転させる。この従動回転でも結束線送り機構20と結束線リール70との間の結束線1の余りは原理的には発生しない。
しかし、結束線送り機構20の引き戻し時にも従動回転のままとすると、図10(b)のように結束線リール70は不回転となり、結束線送り機構20と結束線リール70との間の結束線1の余りが生じてしまう。結束線送り機構20の引き戻しは高速に行われるので、遠心力により鉄筋結束機100の筐体80の外側に飛び出るおそれもある。
そこで、図10(c)に示すように、結束線リール70の制御として、送り出し時は従動回転とし、引き戻し時は能動回転として余りが生じないように制御する。結束線送り機構20の引き戻し時に結束線リール70を能動回転とすることにより結束線1の余りが発生しないので鉄筋結束機100の筐体80の外側に飛び出るおそれがなくなる。なお、結束線リール70を能動回転することにより結束線1の飛び出しはなくなるが、万一の不具合により結束線1の余りが発生した場合に備えて、本実施例の構成では、結束線送り機構20の結束線1の通り道に結束線飛び出し防止板兼結束線送りギヤ解放板83を設けて不具合時でも鉄筋結束機100の筐体80の外側に飛び出すことがないように配慮している。
ここで、結束線リール70の順回転時も逆回転時も結束線リール70における結束線1の最外周の径はほぼ同じであることから、引き戻し時の能動回転における回転角速度Bは、結束線送り機構20の送り出し時の回転角速度と同様とすれば良い。
そこで、結束線送り機構20の送り出し時に従動回転した結束線リール70の回転角速度“B”を計測・記憶しておき、引き戻し時の結束線リール70の回転角速度を“B”として決定することが可能となる。
なお、ハンドルの工夫について述べる。筐体80の端部にはハンドル81が形成されているが、図1に示すように一つだけハンドルが設けられているものが基本であるが、図4に示すように、ハンドルの取り付け位置を変えて複数のハンドル81aおよび81bを設けても良い。鉄筋結束機100の使用は床面の鉄筋2への作業もあれば、壁面の鉄筋への作業もある。床面の鉄筋2への作業であれば結束位置が足元にあり、ループガイドを床面近くまで下げなくてはならない。
ハンドルの位置が低い場合、作業者はハンドルを握ったまま腰をかがめて低い姿勢で作業しなければならない。この場合、ハンドルの取り付け位置が高い方が作業者の作業姿勢が楽になる。
一方、壁面など肩近くの高さの作業の場合、腰をかがめることなく直立姿勢で作業を行うことができ、ハンドルとループガイドの距離が短い方が作業が楽になる。このように結束作業を行う鉄筋の存在場所により、作業に適したハンドルの取り付け位置が異なる。そこで、図4に示したものでは、ハンドルとして複数のハンドル81aおよび81bを設けた構成としている。作業に応じて適した高さにあるハンドル81aおよび81bを選択して握って作業を行うことにより、多様な作業箇所に対応することができる。
以上の各構成要素により鉄筋結束機100が構成され、鉄筋2の結束作業が行われる。
以下、結束作業の流れの概略を図11のフローチャート、図12、図13を参照しつつ整理してまとめて示す。図14は、交差する鉄筋2の交差点を結束する様子を結束線1のみを模式的に示す図である。
(1)ループガイド機構10によるループガイドの形成(ステップS1)
ループガイド機構10を開き、結束したい鉄筋2の交差部分を内側に入れた状態でループガイド機構10を閉じ、鉄筋2の交差部分の周囲にループガイド11を形成する(図12(a)から図12(b))。
(2)結束線送り機構20による結束線1の送り出し(ステップS2)
結束線送り機構20を正転運転し、結束線1をループガイド11の溝内に送り出し、鉄筋2の交差部分の周囲に周回させる(図12(b)から図12(c))。
(3)クランプ機構30による結束線1の先端付近のクランプ(ステップS3)
クランプ機構30により、鉄筋2に周回された結束線1の先端付近を一時固定する。
(4)結束線送り機構20による結束線1の引き戻し(ステップS4)
結束線送り機構20を逆転運転させて鉄筋2の周囲に周回されている結束線1を引き戻す。ループガイド11の溝は内周が開口しているので結束線1が鉄筋2の方向に移動し、結束線1により鉄筋2を直接締め付ける(図13(a))。
(5)一対の結束線支え棒40aおよび40bによる結束線1の係止・捩りマージンの確保(ステップS5)
結束線送り機構20を逆転運転させて鉄筋2の周囲に周回されている結束線1を引き戻す際に、一対の結束線支え棒40aおよび40bの存在により、結束線1が2か所においてループガイド機構20近くで係止され、ループガイド機構20における結束線1の送り出しの根元付近である捩り機構50の付近において、捩りマージンが設けられる(図13(a))。
(6)切断機構60による結束線1の切断(ステップS6)
結束線1により鉄筋2を締め上げた後、結束線1を捩り切断機構60により、ループガイド機構20における結束線1の送り出しの根元付近、つまり、結束線の捩り部分を残して結束線1をカットする(図13(a))。
(7)捩り機構50の捩りピンの回転による結束線1の捩り(ステップS7)
捩り機構50の捩りピンの回転により、捩りマージン部分を捩って行き、結束線1により鉄筋2を確実に締め上げる(図13(b))。
ここでは、捩りとして、所定の捩り回数の所定の捩り角度である第1の角度までは通常トルクで捩る第1の捩り、第1の角度からさらに所定の捩り角度である第2の角度までは結束線1が捩り切れることのない小トルクで捩る第2の捩り、結束線1が伸びる範囲かつ捩じ切れない範囲での僅かな捩りを調整トルクにて加える第3の捩りという3工程の捩りを行う。
(8)ループガイド機構10を開き、ループガイドを開放し、切断機構60や捩りピン51を収納する(図13(c))。
以上、ステップS1からステップS8までの8つのステップで一回の鉄筋2の結束作業が終了する。この8つのステップを繰り返して次々と鉄筋2の結束すべき個所を結束線1で結束してゆく。
図14は、交差する鉄筋2の交差点を結束する様子を模式的に示す図である。鉄筋2と結束線1のみを示している。まず、ループガイド10を開閉させて鉄筋2の交差部分に対して斜めにループガイドを形成し、ステップS1からステップS8までの8つのステップにて、図14(a)から図14(b)に示すように交差する鉄筋2の交差点において斜めに結束を行う。
以上、本発明にかかる鉄筋結束機100によれば、結束線送り機構20の逆転運転により従来技術では無駄に消費されていた結束線1を節約して適切なワイヤ長の消費で鉄筋2の結束が確実にできる。また、結束線を一時係止する一対の結束線支え棒40a、40bにより、結束線1を鉄筋から緩めることなく締め上げたままで捩りピンの前で捩りマージンを確保することができ、そのまま捩り工程に移ることができ、結束時間を短縮することができる。
また、本発明の鉄筋結束機100によれば、捩り機構50のきめ細かく、速やかな捩り制御により、結束線1を捩切ることなく素早く確実な鉄筋結束が可能であり、かつ結束時間を短縮することができる。
以上、本発明の鉄筋結束機の構成例における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明の鉄筋結束機は、建築工事現場において縦横に配置された鉄筋の交差部分をワイヤで結束する可搬式の鉄筋結束機に広く適用することができる。
本発明の鉄筋結束機100の一構成例の全体の外観概略を示した図 本発明の鉄筋結束機100の主要部分の外観概略を示した図 本発明の鉄筋結束機100の主要部分の内部構造の概略を水平断面において示した図 ハンドルの部分に工夫を施した本発明の鉄筋結束機100の一構成例の全体の外観概略を示した図 本構成例のクランプ機構30の働きが分かりやすいように取り出して拡大した図 左右の結束線支え棒40a、40bを分かりやすく取り出して示した図 鉄筋2と結束線1と結束線支え棒40の3者の結束線1の送り出し時と引き戻し時における状態を平面から見た様子を模式的に示す図 捩りピン51a、51bが結束線1を挟みながら回転し、結束線1が結束線支え棒40aおよび40bから外れる様子を模式的に示した図 結束線送り機構20とリール回転機構72とを連動させる第1の制御を模式的に説明する図 結束線送り機構20とリール回転機構72とを連動させる第2の制御を模式的に説明する図 結束作業の流れの概略を示すフローチャート 結束作業の流れの概略を示す図(その1) 結束作業の流れの概略を示す図(その2) 交差する鉄筋2の交差点を結束する様子を結束線1のみを模式的に示す図
符号の説明
1 結束線
2 鉄筋
10 ループガイド機構
11 ループガイド
20 結束線送り機構
21 電流検知手段
30 クランプ機構
31 クランプ棒
32 回転軸
33 押さえバネ
40a,40b 結束線支え棒
50 捩り機構
51 捩りピン
60 切断機構
70 結束線リール
71 回転軸
72 リール回転機構
80 筐体
81 ハンドル
82 ループガイドブロック
83 結束線飛び出し防止板兼結束線送りギヤ解放板
100 鉄筋結束機

Claims (6)

  1. 交差した鉄筋の交差部分の周囲に結束線を複数回周回させるための螺旋状の溝を備えたループガイドを形成するループガイド機構と、
    前記鉄筋の結束線を前記ループガイドの溝内に送り出す結束線送り機構と、
    前記鉄筋の交差部分に周回させた前記結束線の先端付近を一時捕捉するクランプ機構と、
    前記結束線送り機構を逆回転させて前記結束線を引き戻しつつ前記結束線を前記ループガイドから前記鉄筋に向けて締める際に、少なくとも2か所において前記結束線が前記鉄筋方向に行かないように一時係止する一対の結束線支え棒と、
    前記結束線を切断する切断機構と、
    一対の前記結束線支え棒の間に張られた前記結束線を挟んだ位置に配置され、回転により前記結束線を捩り締めるための一対の捩りピンを備えた捩り機構とを備え、
    前記捩りピンによって捩る前には前記結束線支え棒により前記結束線を捩るための捩りマージンを確保するとともに、前記捩りピンが回転し始めると前記結束線が前記結束線支え棒から外れて前記一時係止が解放されるとともに、前記クランプ機構による前記結束線の一時捕捉も解放され、前記鉄筋の交差部分の周囲にわたって緩みなく締め上げることができることを特徴とする鉄筋結束機。
  2. 前記クランプ機構が、前記ループガイドの溝の前記内周開口から前記結束線の先端付近を押さえるクランプ棒を備え、
    前記結束線送り機構により前記結束線を前記ループガイドの溝の下方と前記クランプ棒との間に送り込む際には前記クランプ棒による前記結束線に対する摩擦力が小さく、前記結束線を引き戻す際には前記クランプ棒による前記結束線に対する摩擦力が大きくなるように前記クランプ棒を制御することを特徴とする請求項1に記載の鉄筋結束機。
  3. 前記結束線送り機構を逆回転させる前記結束線の引き戻しにおいて、前記回転機構の電流値を検知する電流検知手段と、
    前記電流検知手段において、前記結束線送り機構の引き戻し開始時点の電流値に比べて急激に電流値が増加したことを検知すれば、前記結束線送り機構の引き戻し回転を停止させることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄筋結束機。
  4. 前記捩り機構が、前記捩りピンによる前記結束線の捩りとして、所定の捩り回数の所定の捩り角度である第1の角度までは通常トルクで捩る第1の捩りと、前記第1の角度からさらに所定の捩り角度である第2の角度までは前記通常トルクよりも小さく前記結束線が捩り切れることのない小トルクで捩る第2の捩りと、さらに前記結束線が伸びて捩じ切れない僅かな捩りを加える第3の捩りを備え、前記結束線の捩切れがなく、かつ、緩みがない前記結束線の捩りを可能としたことを特徴とする特許請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄筋結束機。
  5. 前記結束線を前記結束線送り機構に供給する結束線リールと、
    前記結束線送り機構を順回転させて前記結束線を送り出す際、前記結束線リールを順回転させ、前記結束線送り機構を逆回転させて前記結束線を引き戻す際、前記結束線リールを逆回転させるリール回転機構とを備え、
    前記結束線送り機構により繰り出されまたは引き戻される前記結束線の移動速度と、前記結束線リールにおける前記結束線の消費量に応じて変化する径とに応じて前記リール回転機構における前記結束線リールの回転速度を変化させる制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の鉄筋結束機。
  6. 前記リール回転機構における前記結束線リールの前記順回転時は、前記結束線送り機構の引っ張りに従動させ、
    前記リール回転機構における前記結束線リールの前記逆回転時は、前記リール回転機構における前記結束線リールの前記順回転の速度に応じて前記リール回転機構における前記結束線リールの前記逆回転の速度を決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の鉄筋結束機。
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