JP2010111943A - スパッタリングターゲット材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 垂直磁気記録媒体等に用いられる軟磁性膜の形成に使用されるFe−Co系合金のスパッタリングターゲット材を鋳造インゴットから製造するにあたって、鋳造インゴットに塑性加工を施したスパッタリングターゲット材を安定して製造する方法を提供する。
【解決手段】 原子比における組成式が((Fe100−X−Co100−Y−Ni100−a−M1、5≦X≦95、0≦Y≦25、5≦a≦20で表され、前記組成式のM1元素が(B、Zr、Hf、Ta、Nb、Y)から選ばれる1種もしくは2種以上の元素であるFe−Co系合金であって、直径/高さ比が0.5〜2となる円柱形状の鋳造インゴットを加圧モールド内に挿入し、900〜1250℃の温度範囲において30%〜70%以上の据え込み率でホットプレスによる据え込み加工を行いターゲット素材を得るスパッタリングターゲット材の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軟磁性膜を形成するためのFe−Co系合金スパッタリングターゲット材の製造方法に関するものである。
近年、磁気記録技術の進歩は著しく、ドライブの大容量化のために、磁気記録媒体の高記録密度化が進められている。しかしながら、現在広く世の中で使用されている面内磁気記録方式の磁気記録媒体では、高記録密度化を実現しようとすると、記録ビットが微細化し、記録ヘッドで記録できないほどの高保磁力が要求される。そこで、これらの問題を解決し、記録密度を向上させる手段として垂直磁気記録方式が検討されている。
垂直磁気記録方式とは、垂直磁気記録媒体の磁性膜を媒体面に対して磁化容易軸が垂直方向に配向するように形成したものであり、記録密度を上げて行ってもビット内の反磁界が小さく、記録再生特性の低下が少ない高記録密度に適した方法である。そして、垂直磁気記録方式においては、記録感度を高めた磁気記録膜層と軟磁性膜層とを有する記録媒体が開発されている。
このような磁気記録媒体の軟磁性膜としては、優れた軟磁気特性が要求されることから、アモルファス軟磁性合金が採用されている。代表的な軟磁性膜用アモルファス合金として、Fe、CoあるいはFe−Co合金に添加元素を含む合金膜などが既に実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−030740号公報
磁気記録媒体の軟磁性膜としては、高い膜の平滑性を有することが要求されておりアモルファスや微結晶の膜となるようにFe、CoあるいはFe−Co合金にB、Zr、Hf、Ta、NbあるいはYといったアモルファス形成能が高い元素が5原子%以上添加されたスパッタ膜が採用されている。
スパッタ膜を作製するためには、母材となるターゲット材が必要となるが、溶解鋳造法でターゲット材を作製する際の原料素材となる鋳造インゴットには、多くの鋳造欠陥が存在し、さらに、凝固時の成長方向に起因する方向性を持ったマクロ組織が形成されている。このような鋳造欠陥やマクロ組織はスパッタリング時のパーティクル発生やスパッタ膜厚やスパッタ速度のバラツキの原因になりやすいため、スパッタリングターゲット材を得るためには、鋳造インゴットに熱間圧延等の塑性加工を施し、鋳造欠陥の低減や方向性をもったマクロ組織の改善を行っている。しかし、B、Zr、Hf、Ta、NbあるいはYといったアモルファス形成能が高い元素が5原子%以上添加されているFe−Co合金では、非常に硬くて脆い金属間化合物相が形成されるため、熱間加工性が極めて悪く、熱間圧延では安定してターゲット材を製造することが困難であった。
本発明の目的は、垂直磁気記録媒体等に用いられる軟磁性膜の形成に使用されるFe−Co系合金のスパッタリングターゲット材を鋳造インゴットから製造するにあたって、鋳造インゴットに塑性加工を施したスパッタリングターゲット材を安定して製造する方法を提供することである。
本発明者らは、垂直磁気記録媒体等の軟磁性膜を形成するFe−Co系合金組成のスパッタリングターゲット材について、鋳造インゴットの塑性加工方法を種々の検討した結果、ホットプレスによって据え込み加工を行う際の鋳造インゴットの直径/高さ比と据え込み率の適切な関係を見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、原子比における組成式が((Fe100−X−Co100−Y−Ni100−a−M1、5≦X≦95、0≦Y≦25、5≦a≦20で表され、前記組成式のM1元素が(B、Zr、Hf、Ta、Nb、Y)から選ばれる1種もしくは2種以上の元素であるFe−Co系合金であって、直径/高さ比が0.5〜2となる円柱形状の鋳造インゴットを加圧モールド内に挿入し、900〜1250℃の温度範囲において30%〜70%の据え込み率でホットプレスによる据え込み加工を行いターゲット素材を得るスパッタリングターゲット材の製造方法である。
また、本発明の製造方法においては、(Ti、V、Cr、Mo、W、Al、Si)から選ばれる1種もしくは2種以上のM2元素を15原子%以下含有することができる。
また、本発明においては、鋳造インゴットの直径は100mm以上、ターゲット素材の直径は200mm以下であることが好ましい。
本発明により、安定したマグネトロンスパッタリングが行える垂直磁気記録媒体の軟磁性膜を形成するためのFe−Co系合金スパッタリングターゲットを提供でき、垂直磁気記録媒体を製造する上で極めて有効な技術となる。
本発明のスパッタリングターゲット材形状の一例を示す構成図である。
本発明の最も重要な特徴は、原子比における組成式が((Fe100−X−Co100−Y−Ni100−a−M1、5≦X≦95、0≦Y≦25、5≦a≦20で表され、M1元素が(B、Zr、Hf、Ta、Nb、Y)から選ばれる1種もしくは2種以上の元素であるFe−Co系合金の鋳造インゴットの直径/高さ比を制御した上で、据え込み率を制御したホットプレスによる据え込み加工を行うことにより、安定してターゲットを製造することが可能となることを見出した点にある。
まず、本発明のスパッタリングターゲットの合金組成は、原子比における組成式が((Fe100−X−Co100−Y−Ni100−a−M1、5≦X≦95、0≦Y≦25、5≦a≦20で表され、M1元素が(B、Zr、Hf、Ta、Nb、Y)から選ばれる1種もしくは2種以上の元素で構成されるFe−Co系合金である。これは、垂直磁気記録用軟磁性膜に必要な磁気特性を持つアモルファス膜や微結晶膜を得るためである。また、上記の合金組成にさらに(Ti、V、Cr、Mo、W、Al、Si)から選ばれる1種もしくは2種以上の元素を15原子%以下含有するFe−Co系合金にも適用可能である。それは(Ti、V、Cr、Mo、W、Al、Si)から選ばれる1種もしくは2種以上を含有させることにより、軟磁性膜の磁気特性を維持しつつ耐食性やアモルファス形成能を向上させることが可能となるためである。
上記のFe−Co系合金組成の鋳造インゴットには、例えば、FeTa、CoTa、FeZrやFeBのような熱間加工性が悪い金属間化合物が大量に存在する。
そこで、このFe−Co系合金の鋳造インゴットを塑性加工し、鋳造欠陥の低減や方向性をもった鋳造組織の改善を行うために、ホットプレスによる据え込み加工を適用する。それは、ホットプレスは、高温かつ恒温で鋳造インゴットを加熱しながら、高い圧力を付与して圧縮する据え込み加工が可能であるので、熱間加工性が悪い素材に割れやクラックを発生させることなく、30%以上の高い据え込み率で熱間加工することが可能になるためである。また、加熱しながら据え込みことで、鋳造インゴットに加工歪を付与しながら動的再結晶が可能となり、方向性をもった鋳造組織を効率的に改善できるためである。
なお、ホットプレスによる据え込み加工ではホットプレス前の鋳造インゴットは直径/高さ比0.5〜2の円柱形状とする。これは、ホットプレスによる据え込み加工前の鋳造インゴットの直径/高さ比が0.5未満であると、ホットプレスによる据え込み加工の際に座屈の可能性が高くなり、2を超えると鋳造インゴットと加圧モールドを構成するパンチとの間に発生する摩擦によりホットプレス時に据え込み加工可能な圧縮荷重が大きく成り過ぎるため現実的ではないためである。
ホットプレスでは、30%〜70%の据え込み率で据え込み加工を行う。据え込み率が30%未満の場合は、ターゲット素材の鋳造組織の改善が十分に進まない。また、据え込み率70%を超えて据え込み加工をしようとする場合は、鋳造インゴットと加圧モールドを構成するパンチとの間に発生する摩擦の影響でホットプレス時に据え込み加工可能な圧縮荷重が大きく成り過ぎるため現実的ではない。
また、ホットプレスによる据え込み加工時の温度は、900〜1250℃の範囲とする。900℃未満であると鋳造インゴットの変形抵抗が大きく据え込み加工が困難になり、1250℃を超えると本発明のFe−Co系合金では液相が発現する可能性があるためである。また、ホットプレスの加圧モールドとなるダイスやパンチに黒鉛等の炭素系素材を用いる場合は、FeとCの反応を抑制するため1150℃以下で行うか、ダイスやパンチと鋳造インゴットが直接接しないようにMo、Nb、Ta等の高融点金属箔を拡散防止箔として内張りすることが望ましい。
また、鋳造インゴットに熱処理を施すことにより、熱間加工性が悪い金属間化合物の球状化による熱間加工性の改善が可能であるため、ホットプレスによる据え込み加工前に1000〜1250℃の範囲で1時間以上の熱処理を行うことは有効である。なお、30時間を越えて熱処理をする場合には、鋳造インゴット中の結晶の粗大化が大きいため、熱処理は最長でも30時間が望ましい。
また、特に、M1元素を15原子%以上含有する組成系においては、より塑性加工性が困難となるため、このような組成を有する鋳造インゴットではホットプレスによる据え込み加工前に熱処理を行うことが望ましい。
また、ホットプレスによる据え込み加工により得られるターゲット素材は円柱形状の素材を据え込み方向に対して垂直にスライスする機械加工を行うことが望ましい。ホットプレス後のターゲット素材は直径/高さの関係から、要求されるターゲット材の寸法に対して2倍以上の厚みを持つ可能性があるので、スライスを行うことによって複数枚のターゲット材を採取可能となり製造歩留が格段に向上するためである。
また、ホットプレスによる据え込み加工前の鋳造インゴットの直径は100mm以上であること、ホットプレスによる据え込み加工後のターゲット素材の直径は200mm以下であることが望ましい。ホットプレス前の鋳造インゴットの直径が100mm未満であると直径/高さ比が小さくなり据え込み加工時に座屈の可能性が高くなり、ホットプレス後の素材直径は200mmを超える場合は、直径/高さ比の関係から、必要となる圧縮荷重が大きくなりすぎるためである。
また、ホットプレスを行う際の加圧モールドを構成するダイスやパンチは、黒鉛やカーボンコンポジットを使用することが望ましいが、セラミクス、高融点金属やその合金、超硬合金等のダイスやパンチを用いることも可能である。鋳造インゴットを加圧モールド内に挿入する際に、ボロンナイトライド等の粉末を塗布することにより、パンチやダイスと鋳造インゴットの摩擦係数を低減出来ると同時に、パンチやダイスの構成成分の炭素が鋳造インゴットへ拡散する可能性を防止することができる。さらに、鋳造インゴット上下面とパンチの間にMo、Nb、Ta、ステンレス等の箔を挿入することもパンチに含まれる炭素の鋳造インゴットへの拡散防止に有効である。これらの箔を挿入する際にも箔にボロンナイトライド等の粉末を塗布することも摩擦係数低減に有効である。
原子比で(Fe40−Co6090−(Ta50−Zr50−(Al50−Cr50のFe−Co系合金組成となる合金溶湯を真空溶解し、鋳造して表1に示す円柱形状の鋳造インゴットを得た。この鋳造インゴットを黒鉛製のパンチとダイス(内径φ10mm)からなる加圧モールド内に挿入し、表1に示す条件でホットプレスによる据え込み加工を実施した。なお、ホットプレスによる据え込み加工時は、鋳造インゴットにボロンナイトライドを塗布した。
また、各鋳造インゴットをホットプレスにより据え込み加工して得たターゲット素材の形状および直径/高さ比を測定し表2に示す。なお、表2に示す据え込み率は、((鋳造インゴットの高さ−ターゲット素材の高さ)/鋳造インゴットの高さ×100)より算出した値である。
Figure 2010111943
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表1、2から、本発明例の試料1〜3では、加圧モールドの黒鉛製ダイスの強度を考慮して付加可能な2350Nの荷重でのホットプレスによる据え込み加工で、十分な塑性加工が実現できることが分かる。また、試料1、2および3素材から試験片を採取して観察を行ったところ、鋳造欠陥が低減され方向性をもった鋳造組織が改善されていることが確認できた。
一方、試料4〜6に示すように、直径/高さ比が2を超えるような円柱形状の鋳造インゴットではホットプレスによって十分な据え込み加工ができず、試料4、5および6素材から試験片を採取して観察を行ったところ、鋳造組織が改善されていなかった。
原子比で(Fe65−Co3588−Ta12のFe−Co系合金組成となる合金溶湯を真空溶解し、鋳造して表3に示す円柱形状の鋳造インゴットを得た。この鋳造インゴットを黒鉛製のパンチとダイス(内径φ10mm)からなる加圧モールド内に挿入し、表3に示す条件でホットプレスによる据え込み加工を実施した。なお、ホットプレスによる据え込み加工時は、鋳造インゴットにボロンナイトライドを塗布した。
また、各鋳造インゴットをホットプレスにより据え込み加工して得たターゲット素材の形状および直径/高さ比を測定し表4に示す。なお、表4に示す据え込み率は、((鋳造インゴットの高さ−ターゲット素材の高さ)/鋳造インゴットの高さ×100)より算出した値である。
Figure 2010111943
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表3、4から、本発明例の試料7では、加圧モールドの黒鉛製ダイスの強度を考慮して付加可能な2350Nの荷重でのホットプレスによる据え込み加工で、十分な塑性加工が実現できることが分かる。試料7素材から試験片を採取して観察を行ったところ、鋳造欠陥が低減され方向性をもった鋳造組織が改善されていることが確認できた。
原子比で(Fe40−Co6090−(Ta50−Zr50−(Al50−Cr50のFe−Co系合金組成となる合金溶湯を真空溶解し、鋳造して表5に示す円柱形状の鋳造インゴットを得た。この鋳造インゴットを黒鉛製のパンチとダイス(内径φ190mm)からなる加圧モールド内に挿入し、表5に示す条件でホットプレスによる据え込み加工を実施した。なお、ホットプレスによる据え込み加工時は、鋳造インゴットと黒鉛製パンチの間にはステンレス箔を挿入し、鋳造インゴットにはボロンナイトライドを塗布した。
また、各鋳造インゴットをホットプレスにより据え込み加工して得たターゲット素材の形状および直径/高さ比を測定し表6に示す。
なお、表6に示す据え込み率は、((鋳造インゴットの高さ−ターゲット素材の高さ)/鋳造インゴットの高さ×100)より算出した値である。
ホットプレスによって得られた試料8のターゲット素材をスライスおよび機械加工を施して図1に示す直径180×8mm厚のスパッタリングターゲット材を複数枚作製した。
Figure 2010111943
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表5、6から、本発明例の試料8では、加圧モールドの黒鉛製ダイスの強度を考慮して付加可能な843400Nの荷重でのホットプレスによる据え込み加工で、十分な塑性加工が実現できることが分かる。また、試料8のターゲット素材から試験片を採取して観察を行ったところ、鋳造欠陥が低減され方向性をもった鋳造組織が改善されていることが確認できた。
一方、試料9に示すように、直径/高さ比が2を超えるような円柱形状の鋳造インゴットではホットプレスによって十分な据え込み加工が実現できず、据え込み率が0%と素材の圧縮をすることができなかった。
原子比で(Fe62.5−Co37.580−B12−CrのFe−Co合金系組成となる合金溶湯を真空溶解し、鋳造して表7に示す円柱形状の鋳造インゴットを得た。この鋳造インゴットを実施例3と同様に加圧モールド内に挿入し、表7に示す条件でホットプレスにより据え込み加工を実施した。表8に試料10の鋳造インゴットをホットプレスにより据え込み加工して得たターゲット素材の形状および直径/高さ比を測定した結果を示す。
また、ホットプレスによって得られ試料10のターゲット素材をスライスおよび機械加工を施して図1に示す直径180×8mm厚のスパッタリングターゲット材を複数枚作製した。
Figure 2010111943
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表7、8から、本発明例の試料10では、加圧モールドの黒鉛製ダイスの強度を考慮して付加可能な843400Nの荷重でのホットプレスによる据え込み加工で、十分な塑性加工が実現できることが分かる。また、試料10のターゲット素材から試験片を採取して観察を行ったところ、鋳造欠陥が低減され方向性をもった鋳造組織が改善されていることが確認できた。
表9に示す各Fe−Co合金系組成となる合金溶湯を真空溶解し、鋳造してφ7mm×8.4mm(直径/高さ比=0.83)の円柱形状の鋳造インゴットを得た。この鋳造インゴットを黒鉛製のパンチとダイス(内径φ10mm)からなる加圧モールド内に挿入し、表9に示す条件でホットプレスによる据え込み加工を実施した。なお、ホットプレスによる据え込み加工時は、鋳造インゴットにボロンナイトライドを塗布した。
また、各鋳造インゴットをホットプレスにより据え込み加工して得たターゲット素材の形状および直径/高さ比を測定し表11に示す。なお、表10に示す据え込み率は、((鋳造インゴットの高さ−ターゲット素材の高さ)/鋳造インゴットの高さ×100)より算出した値である。
Figure 2010111943
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表9、10から、本発明例の試料11〜22では、900〜1250℃の温度範囲において加圧モールドの黒鉛製ダイスの強度を考慮して付加可能な2350Nの荷重でのホットプレスによる据え込み加工で、十分な塑性加工が実現できることが分かる。
一方、試料23に示すように、ホットプレスによる据え込み加工時の温度が850℃では十分な据え込み加工ができず、据え込み率が0%と素材の圧縮をすることができなかった。
原子比で(Fe65−Co3585−(Ta70−Zr3015のFe−Co合金系組成となる合金溶湯を真空溶解し、表11に示す熱処理後φ7mm×8.4mm(直径/高さ比=0.83)の円柱形状のインゴットを得た。このインゴットを表11に示すを黒鉛製のパンチとダイス(内径φ10mm)からなる加圧モールド内に挿入し、表11に示す条件でホットプレスによる据え込み加工を実施した。なお、ホットプレスによる据え込み加工時は、鋳造インゴットにボロンナイトライドを塗布した。
また、鋳造インゴットをホットプレスにより据え込み加工して得たターゲット素材の形状および直径/高さ比を測定し表12に示す。なお、表12に示す据え込み率は、((鋳造インゴットの高さ−ターゲット素材の高さ)/鋳造インゴットの高さ×100)より算出した値である。
Figure 2010111943
Figure 2010111943
表11、12から、本発明例では、M1元素を15原子%と多量に含有したFe−Co系合金組成の据え込み加工が困難な組成においても、据え込み加工前に適切な温度と時間の熱処理を行うことでホットプレスによる据え込み加工において十分な塑性加工が実現できることが分かる。
原子比で((Fe30−Co7090−Ni1090−(Nb50−Zr5010のFe−Co系合金組成となる合金溶湯を真空溶解し、鋳造して表13に示す円柱形状の鋳造インゴットを得た。この鋳造インゴットを黒鉛製のパンチとダイス(内径φ190mm)からなる加圧モールド内に挿入し、表13に示す条件でホットプレスによる据え込み加工を実施した。なお、ホットプレスによる据え込み加工時は、鋳造インゴットと黒鉛製パンチの間にはモリブデン箔を挿入し、鋳造インゴットにはボロンナイトライドを塗布した。
また、各鋳造インゴットをホットプレスにより据え込み加工して得たターゲット素材の形状および直径/高さ比を測定し表14に示す。
なお、表14に示す据え込み率は、((鋳造インゴットの高さ−ターゲット素材の高さ)/鋳造インゴットの高さ×100)より算出した値である。
ホットプレスによって得られ試料25のターゲット素材をスライスおよび機械加工を施して図1に示す直径180×8mm厚のスパッタリングターゲット材を複数枚作製した。
Figure 2010111943
Figure 2010111943
表13、14から、本発明例の試料25では、加圧モールドの黒鉛製ダイスの強度を考慮して付加可能な843400Nの荷重でのホットプレスによる据え込み加工で、十分な塑性加工が実現できることが分かる。また、試料25のターゲット素材から試験片を採取して観察を行ったところ、鋳造欠陥が低減され方向性をもった鋳造組織が改善されていることが確認できた。

Claims (4)

  1. 原子比における組成式が((Fe100−X−Co100−Y−Ni100−a−M1、5≦X≦95、0≦Y≦25、5≦a≦20で表され、前記組成式のM1元素が(B、Zr、Hf、Ta、Nb、Y)から選ばれる1種もしくは2種以上の元素であるFe−Co系合金であって、直径/高さ比が0.5〜2となる円柱形状の鋳造インゴットを加圧モールド内に挿入し、900〜1250℃の温度範囲において30%〜70%の据え込み率でホットプレスによる据え込み加工を行いターゲット素材を得ることを特徴とするスパッタリングターゲット材の製造方法。
  2. さらに、M2元素として(Ti、V、Cr、Mo、W、Al、Si)から選ばれる1種もしくは2種以上の元素を含み、原子比における組成式が((Fe100−X−Co100−Y−Ni100−a−b−M1−M2、5≦X≦95、0≦Y≦25、5≦a≦20、b≦15で表されるFe−Co系合金であることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングターゲット材の製造方法。
  3. 前記鋳造インゴットの直径が100mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のスパッタリングターゲット材の製造方法。
  4. 前記ターゲット素材の直径が200mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスパッタリングターゲット材の製造方法。
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