JP2010111915A - スパッタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有効成膜領域および装置サイズを変更することなく、ターゲットの使用効率および寿命の改善を図る。
【解決手段】表面上にターゲットを配置するバッキングプレートの裏面側に、磁石構成体10を揺動可能に配設してカソード電極とし、磁石構成体10は、一定幅W1の棒状の中心磁石2と、中心磁石2を囲むように配置された一定幅W2の略楕円形状の周囲磁石3と、両磁石によってターゲット表面に生じる磁界を局部的に弱くするシャント4とを有し、シャント4は、中心磁石2をその長さ方向に周囲磁石3まで延ばしたと仮想した場合に占有する領域FE0内に埋め込み配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、揺動可能な磁石構成体によるマグネトロンカソード電極を備えたスパッタ装置に関し、特に、マグネトロンカソード電極の磁石構成体に、発生磁界を局部的に弱くするシャントを設けたスパッタ装置に関する。
スパッタ装置には、電極間に印加する電圧や、電極構造等によって様々なものがある。その中に、マグネトロンスパッタ装置がある。マグネトロンスパッタ装置は、表面上にターゲットを配置するバッキングプレートの裏側に磁石構成体を配設してカソード電極を構成することにより、成膜速度を大きくして生産性を向上できるというメリットを有する。このようなマグネトロンスパッタ装置には、上記磁石構成体を固定するものと、揺動させるものとがある。
また、スパッタ装置において成膜する場合、ターゲットの使用効率および寿命がランニングコストに直接影響する。そのため、マグネトロンスパッタ装置としては、ターゲットの使用効率および寿命を向上させることを目的として、磁石構成体を揺動させるタイプのものが主に使用される(例えば特許文献1参照)。
特許第3798039号公報
磁石構成体を固定する場合には、磁石構成体の長手方向の端部領域による磁界が生じるターゲットの上下部と、磁石構成体の中央領域による磁界が生じるターゲットの中央部とは、ほぼ同じ速度でスパッタリングされて掘れる。
しかし、ターゲットの使用効率や寿命を向上させるために、磁石構成体を揺動させると、マグネトロンスパッタ装置のプラズマエロージョントラックの性質上、磁石構成体の端部領域による磁界を受けるターゲットの上下部に、常にスパッタリングされる領域ができてしまい、このターゲット領域が他のターゲット領域よりも速く掘れてしまう。
磁石構成体を大きく揺動させれば、ターゲット上下部の掘れ速度を抑制できるが、装置サイズが大きくなってしまう、膜厚分布の劣化を生じて有効成膜領域が狭くなる等の不具合を生じる。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、有効成膜領域および装置サイズを変更することなく、ターゲットの使用効率および寿命の改善を図ることができるスパッタ装置を提供することを目的とするものである。
本発明のスパッタ装置は、表面上にターゲットを配置するバッキングプレートの裏面側に、磁石構成体を揺動可能に配設してカソード電極としたスパッタ装置において、前記磁石構成体は、一定幅の棒状の中心磁石と、前記中心磁石から離間して前記中心磁石を囲むように配置された一定幅の略楕円形状の周囲磁石と、前記両磁石によって前記ターゲット表面に生じる磁界を局部的に弱くするシャントとを有し、前記シャントの一部もしくは全体が、前記中心磁石をその長さ方向に前記周囲磁石まで延ばしたと仮想した場合に占有する領域内の一部もしくは全体に埋め込み配置されていることを特徴とするものである。
本発明のスパッタ装置によれば、中心磁石をその長さ方向に前記周囲磁石まで延ばしたと仮想した場合に占有する領域内に、ターゲット表面に生じる磁界を局部的に弱くするシャントを設けることにより、ターゲットの掘れ速度が有効成膜領域よりも速い領域に生じる磁界を弱くすることができるので、有効成膜領域および装置サイズを変更することなく、ターゲットの使用効率および寿命の改善を図ることができるという効果がある。
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1のスパッタ装置においての磁石構成体の構成例を説明する平面図である。図1の磁石構成体10は、基板1上に、中心磁石2と、周囲磁石3と、シャント4とを配置したものである。
この実施の形態1のスパッタ装置は、磁石構成体の揺動によってターゲットの掘れ速度が有効成膜領域よりも速くなる領域の磁界強度を局部的に減少させることにより、ターゲットの使用効率および寿命の改善を図ることを特徴とするものである。
[中心磁石2、周囲磁石3]
中心磁石2は、Y方向を長手方向とする一定幅W1の棒磁石である。また、周囲磁石3は、中心磁石2から離間して、この中心磁石2を平面において囲むように配置された、一定幅W2の略楕円形の磁石である。この周囲磁石3は、中心磁石2の長さ方向に沿って配置された長辺部3aと、中心磁石2の長さ方向の端面2aに向き合って配置された短辺部3bと、これら長辺部3aおよび短辺部3bをつなぐ斜辺部3cとによって構成された環状の磁石(環磁石)である。
ここで、中心磁石2の幅W1は、例えば周囲磁石3の幅W2の2倍の寸法に設定される。また、例えば、中心磁石2はS極、周囲磁石3はN極である。
[シャント4]
シャント4は、中心磁石2を、幅W1のまま、その長さ方向に周囲磁石3に当接するまで延ばしたと仮想したときにその仮想的に延ばした部分が占有する領域(以下、中心磁石仮想延設領域とも言う)FE0内に埋め込まれている(配置されている)。このシャント4は、その配置領域内において、両磁石によってターゲットに局部的に生じる磁界を弱くする働きをする。シャント4には、高透磁率の材料を使用することが望ましい。
図1において、EはターゲットにおいてのY方向の有効成膜領域である。従って、シャント4を埋め込んだ領域FE0は、ターゲットにおいての有効成膜領域Eからはずれており、シャント4は、有効成膜領域Eからはずれたターゲート表面領域に生じる磁界を弱くする働きをすることとなる。
図2は本発明の実施の形態1のスパッタ装置においてのカソード電極の構成例を説明する図である。図2において、(a)はバッキングプレートの表面側から見た平面図、(b)は(a)においてのH−H間の断面図である。
バッキングプレート20の表面20aには、ターゲット30が配置される。また、バッキングプレート20の裏面20b側には、磁石構成体10がX軸方向やY軸方向、もしくはX軸、Y軸の両方向に揺動可能に配置されている。
ターゲット30の組成物をスパッタリングすることにより成膜される半導体ウェハ等の被成膜基板40は、バッキングプレート20の表面20a側に固定配置され、あるいはバッキングプレート20の表面20a側をX方向に通過する。
図3および図4は磁石構成体10の作用および効果を説明する平面図である。マグネトロンスパッタでは、ターゲットの表面に磁界を発生させることにより、電子を拘束し、これによってラジカルイオンがターゲットに衝突する密度を増加させて、成膜速度の向上を図る。さらに、磁石構成体を揺動させることにより、上記磁界を生じるターゲット表面領域を広げることができる。
磁石構成体をX方向に揺動させる場合において、磁石構成体の長手方向の中央領域では、中心磁石の中央部分と周囲磁石の長辺部分とによってY方向に強度が揃った均一な磁界が発生するので、この磁界によるターゲット表面領域のスパッタリングによる堀れ速度はほぼ同じになる。しかし、磁石構成体の長手方向の端部領域においては、発生する磁界が不均一となる。
まず、図3(a)のように、略長方形の周囲磁石103であると、磁石構成体の長手方向の端部領域において、特に、周囲磁石103の長手方向および短手方向の端部に相当する領域FE101,FE102の磁界強度が、上記中央領域の磁界、および中心磁石102を長手方向に周囲磁石の内面まで延設したと仮想したときに占有する領域FE100の磁界よりも弱くなる。これにより、Y方向の有効成膜領域が狭くなる。
このため、図3(b)のように、従来の技術では、両端部をT字型にした中心磁石102aを配置して、領域FE101,FE102の磁界が弱くなるのを回避している。しかし、このような構成では、磁石構成体の端部領域において発生する磁界が、磁石構成体の中央領域において発生する磁界よりも、X方向に膨らんだ(X方向に凸部を有する)ものになってしまう。
これに対し、図4(a)のように、周囲磁石3に斜辺部3cを設けて、周囲磁石3を略楕円形にした磁石構成体11では、中心磁石2の端部をT字型にしなくとも、周囲磁石3の長手方向および短手方向の端部に相当する領域FE1,FE2の磁界強度が、磁石構成体10の中央領域の磁界、および中心磁石2を長手方向に周囲磁石3の内面まで延設したと仮想したときに占有する領域FE0の磁界よりも弱くなるという不具合を回避できる。また、磁石構成体11の端部において発生する磁界がX方向に凸部を有するという不具合を回避できる。
しかしながら、磁石構成体11をX軸方向やY軸方向、もしくはX軸、Y軸の両方向に揺動させることを考えると、磁石構成体11の揺動の内、Y方向の上下部では、これら上下部の間の中間部と比較すると、プラズマの滞在時間が長くなる。従って、上記上下部のターゲット表面領域では、上記中間部のターゲット表面領域よりも、スパッタリングされる時間が長くなり、深く掘られてしまうことになる。
そこで、図4(b)のように、磁石構成体10では、中心磁石仮想延設領域FE0にシャント4を設けて、この領域FE0がターゲット表面に発生させる磁界を弱くしている。これにより、この領域FE0によるターゲット表面領域の掘れ量を低減することができる。
シャント4を設けた磁石構成体10を揺動し、ターゲット30の掘り切り試験をすると、磁石構成体10の端部領域による磁界を受けるターゲット領域の掘れ速度は、磁石構成体10の中央領域による磁界を受けるターゲット領域の掘れ速度の1.5倍ほどになり、シャント4を設けていない磁石構成体11よりも、磁石構成体の端部領域による磁界が生じるターゲット領域の掘れ速度を25%ほど減少できる。
この実施の形態1の磁石構成体10では、有効成膜領域でない位置にシャント4を設けるので、ターゲット30の掘れ速度が有効成膜領域よりも速い領域に生じる磁界を弱くすることができる。これにより、有効成膜領域および装置サイズを変更することなく、また被成膜基板の成膜特性に影響することもなく、ターゲット30の使用効率および寿命の改善を図ることができる。
また、この実施の形態1の磁石構成体10は、磁石構成体11の領域FE0にシャント4を埋め込むという容易な変更により実現できるため、従来のスパッタ装置にも簡単に適用できる。
さらに、磁石構成体11の領域FE0に、とりはずし可能にシャント4を埋め込んで、磁石構成体10とすることも容易である。これにより、磁石構成体を揺動させて成膜する場合(揺動型とする場合)には、シャント4を設けて成膜し、磁石構成体を固定して成膜する場合(固定型とする場合)には、シャント4をとりはずして成膜ことが容易に可能となる。このように、固定型の磁石構成体と揺動型の磁石構成体とを兼用化することができるので、装置のコストダウンが可能である。
なお、図5のように、基板101上に、両端部をT字型とした中心磁石102aと、略長方形の周囲磁石103とを配置し、中心磁石102aのT字型部と周囲磁石103の短辺部の間にシャント104を設けた磁石構成体100においても、磁石構成体の端部領域において発生する磁界が、磁石構成体の中央領域において発生する磁界よりも、X方向に膨らんだ(X方向に凸部を有する)ものになってしまう現象は解消されない。図5において、特性Dは、シャント104を設けた場合に、ターゲット表面において垂直磁界成分が0(水平磁界成分が最大)となる位置を描いたものである。このため、図5の磁石構成体100を揺動させると、磁界の上記X方向の凸部によって、バッキングプレートがスパッタリングされてしまう。これを回避するには、揺動幅を狭くする必要がある。
また、磁石構成体の長手方向の端部に蓋シャントを設けることにより、磁場強度を減少させることもできるが、この場合には、ターゲット表面から磁石構成体表面までの距離が長くなってしまい、ターゲット表面全域で磁場が弱くなるので、LVS(Low Voltage Sputter)法の適用が困難になる。
以上のように、実施の形態1によれば、中心磁石1をその長さ方向に周囲磁石2まで延ばしたと仮想した場合に占有する領域FE0内に、ターゲット30表面に生じる磁界を局部的に弱くするシャント4を設けることにより、ターゲット30の掘れ速度が有効成膜領域よりも速い領域に生じる磁界を弱くすることができるので、有効成膜領域および装置サイズを変更することなく、ターゲット30の使用効率および寿命の改善を図ることができる。
なお、上記実施の形態1の磁石構成体10を、X方向のみならずY方向にも揺動する場合にあっても、磁石構成体がY方向に長手方向を有する限り、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態1の磁石構成体10は、複数のカソード電極を有するマグネトロンスパッタ装置にも適用可能であることは言うまでもない。
実施の形態2
図6は本発明の実施の形態1のスパッタ装置においての磁石構成体の構成例を説明する平面図である。なお、図6において、図1と同様のものには同じ符号を付してある。図6の磁石構成体60は、基板1上に、中心磁石6と、周囲磁石7と、シャント8とを配置したものである。
[中心磁石6]
中心磁石6は、Y方向を長手方向とする一定幅W1の棒磁石である。この中心磁石6の端面6aの両角に面取り部6bを設けたものである。つまり、中心磁石6は、上記実施の形態1の中心磁石2(図1参照)において、長さ方向の端面角部を面取りしたものである。
[周囲磁石7]
周囲磁石7は、中心磁石6から離間して、この中心磁石6を平面において囲むように配置された、一定幅W2の略楕円形の磁石である。この周囲磁石7は、中心磁石6の長さ方向に沿って配置された長辺部7aと、2つの長辺部7aをつなぐ円弧部7bとによって構成された環状の磁石(環磁石)である。つまり、周囲磁石7は、上記実施の形態1の周囲磁石3(図1参照)において、短辺部3bおよび斜辺部3cを円弧部7bとしたものである。
[シャント8]
シャント8は、中心磁石6を、幅W1のまま、その長さ方向に周囲磁石3の円弧部3aに当接するまで延ばしたと仮想したときにその仮想的に延ばした部分が占有する領域FE0内に埋め込まれている(配置されている)。つまり、シャント8は、上記実施の形態1のシャント4において、中心磁石6の面取り部6bにより空いた領域内にもシャントを埋め込んだものである。
この実施の形態2のように、端面6aに面取り部6bを有する中心磁石6と、円弧部7bを有する周囲磁石7の間の領域FE0に、シャント8を配置した構成としても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。なお、上記実施の形態1の中心磁石2と実施の形態2の半円部を有する周囲磁石7の組合せ、あるいは実施の形態2の面取り部を有する中心磁石6と上記実施の形態1の短辺部および斜辺部を有する周囲磁石3の組合せも可能である。
実施例1
図7はターゲット表面に生じる磁界をシミュレーションした本発明の実施例1の特性図である。この実施例1は、上記実施の形態2の磁石構成体60を用いたカソード電極について、ターゲットの表面に生じる磁界においての垂直磁界成分0の位置をシミュレーションしたものである。
図7において、中心磁石6は、幅寸法が36mm、厚さ寸法が34mmの端面6aを面取り加工したS極棒磁石とした。周囲磁石7は、幅寸法が18mm、厚さ寸法が34mmのN極環磁石とし、円弧部7bの外周半径を50mmとした。シャント8は、厚さ寸法を34mmとし、中心磁石仮想延設領域FE0に隙間なく配置した。
中心磁石6および周囲磁石7は、残留磁束密度が1.25T、保持力が947kA/mのネオジム系材料からなる磁石とした。また、シャント8は、例えば、SUS430やSS400のような材料とした。
図7において、特性A1は、磁石構成体表面からターゲット表面までの距離が33mmの場合において、垂直磁界成分が0となるターゲット表面上の位置をシミュレーションにより描いたものである。この特性A1において、頂点位置a1においての水平磁界強度はシャントがない場合の約80%に減少した。また、頂点位置a1から周囲磁石7の端点7c直上位置までの距離は25.5mmである。
また、特性B1は、磁石構成体表面からターゲット表面までの距離が21mmの場合において、垂直磁界成分が0となるターゲット表面上の位置をシミュレーションにより描いたものである。この特性B1において、頂点位置b1においての水平磁界強度はシャントがない場合の約80%に減少した。また、頂点位置b1から周囲磁石7の端点7c直上位置までの距離は22.5mmである。
同様に、特性C1は、磁石構成体表面からターゲット表面までの距離が15mmの場合において、垂直磁界成分が0となるターゲット表面上の位置をシミュレーションにより描いたものである。この特性C1において、頂点位置c1においての水平磁界強度はシャントがない場合の約80%に減少した。また、頂点位置c1から周囲磁石7の端点7c直上位置までの距離は21.8mmである。
実施例2
図8はターゲット表面に生じる磁界をシミュレーションした本発明の実施例2の特性図である。この実施例2のシミュレーション設定は、上記実施例1のシミュレーション設定において、シャント8の厚さ寸法を17mmに変更したものである。
図8において、特性A2は、磁石構成体表面からターゲット表面までの距離が33mmの場合において、垂直磁界成分が0となるターゲット表面上の位置をシミュレーションにより描いたものである。この特性A2において、頂点位置a2においての水平磁界強度はシャントがない場合の約95%に減少した。また、頂点位置a2から周囲磁石7の端点7c直上位置までの距離は28.5mmである。
また、特性B2は、磁石構成体表面からターゲット表面までの距離が21mmの場合において、垂直磁界成分が0となるターゲット表面上の位置をシミュレーションにより描いたものである。この特性B2において、頂点位置b2においての水平磁界強度はシャントがない場合の約95%に減少した。また、頂点位置b2から周囲磁石7の端点7c直上位置までの距離は25.5mmである。
同様に、特性C2は、磁石構成体表面からターゲット表面までの距離が15mmの場合において、垂直磁界成分が0となるターゲット表面上の位置をシミュレーションにより描いたものである。この特性C2において、頂点位置c2においての水平磁界強度はシャントがない場合の約95%に減少した。また、頂点位置c2から周囲磁石7の端点7c直上位置までの距離は24.5mmである。
比較例1
図9はターゲット表面に生じる磁界をシミュレーションした比較例の特性図である。この比較例のシミュレーション設定は、上記実施例1のシミュレーション設定において、シャント8を設けないように変更したものである。
図9において、特性A3は、磁石構成体表面からターゲット表面までの距離が33mmの場合において、垂直磁界成分が0となるターゲット表面上の位置をシミュレーションにより描いたものである。この特性A3において、頂点位置a3から周囲磁石7の端点7c直上位置までの距離は29.5mmである。
また、特性B3は、磁石構成体表面からターゲット表面までの距離が21mmの場合において、垂直磁界成分が0となるターゲット表面上の位置をシミュレーションにより描いたものである。この特性B3において、頂点位置b3から周囲磁石7の端点7c直上位置までの距離は26.3mmである。
同様に、特性C3は、磁石構成体表面からターゲット表面までの距離が15mmの場合において、垂直磁界成分が0となるターゲット表面上の位置をシミュレーションにより描いたものである。この特性C3において、頂点位置c3から周囲磁石7の端点7c直上位置までの距離は25.2mmである。
シャントを設けない比較例よりも、中心磁石仮想延設領域にシャント8を設けた実施例1および2のほうが、ターゲット表面においての上記中心磁石仮想延設領域の直上領域においての水平方向磁界が弱くなっており、この現象は、シャント8の厚さ寸法が実施例2の2倍である実施例1において、より顕著である。従って、シャント8を設けることにより、中心磁石仮想延設領域の直上のターゲット領域においての掘れ量を低減できるので、ターゲットライフを長くできる。
また、シャントを設けない比較例よりも、中心磁石仮想延設領域にシャント8を設けた実施例1および2のほうが、垂直磁界成分が0となるターゲット表面上の頂点位置が、周囲磁石7の端点直上位置側に延びており、この現象は、シャント8の厚さ寸法が実施例2の2倍である実施例1において、より顕著である。従って、シャント8を設けることにより、有効成膜領域をY方向に広げることができる。
さらに、実施例1、実施例2、比較例のいずれにおいても、長手方向端部領域に発生する磁界は長手方向中央領域に発生する磁界よりもX方向に突出することはないので、長手方向端部領域の磁界が長手方向中央領域よりもX方向に突出することに起因する、バッキングプレートのスパッタリング、アースシールドが存在すればプラズマの不安定化により揺動幅を狭くしなければならないという不具合を生じることはない。
なお、以上の実施例1、実施例2、および比較例では、上記実施の形態2の磁石構成体を使用したが、実施例1、実施例2、比較例のそれぞれにおいて、上記実施の形態1の磁石構成体を使用しても、上記と同様のシミュレーション結果を得ることができる。
なお、上記実施の形態1において、図10のように、上記の中心磁石仮想延設領域に加え、この中心磁石仮想延設領域と、中心磁石2の2つの長辺端部を通って周囲磁石3まで延ばした直線(中心磁石2の端面を周囲磁石3まで延ばした直線)とによって囲まれた領域にも、シャント4を埋め込み配置することも可能である。
同様に、上記実施の形態2において、図11のように、上記の中心磁石仮想延設領域に加え、この中心磁石仮想延設領域と、中心磁石6の2つの長辺端部を通って周囲磁石3まで延ばした直線とによって囲まれた領域にも、シャント8を埋め込み配置することも可能である。
本発明の実施の形態1のスパッタ装置においての磁石構成体の構成例を説明する平面図である。 本発明の実施の形態1のスパッタ装置においてのカソード電極の構成例を説明する図である。 本発明の実施の形態1のスパッタ装置においての磁石構成体の作用および効果を説明する平面図である(その1)。 本発明の実施の形態1のスパッタ装置においての磁石構成体の作用および効果を説明する平面図である(その2)。 従来の磁石構成体によってターゲット表面に生じる磁界を説明する平面図である。 本発明の実施の形態2のスパッタ装置においての磁石構成体の構成例を説明する平面図である。 ターゲット表面に生じる磁界をシミュレーションした本発明の実施例1の特性図である。 ターゲット表面に生じる磁界をシミュレーションした本発明の実施例2の特性図である。 ターゲット表面に生じる磁界をシミュレーションした比較例の特性図である。 本発明の実施の形態1のスパッタ装置においての磁石構成体の変形例を説明する平面図である。 本発明の実施の形態2のスパッタ装置においての磁石構成体の変形例を説明する平面図である。
符号の説明
1 基板、 2 中心磁石、 2a 端面、 3 周囲磁石、 3a 長辺部、 3b 短辺部、 3c 斜辺部、 4 シャント、 6 中心磁石、 6a 端面、 7 周囲磁石、 7a 長辺部、 7b 円弧部、 7c 端点、 8 シャント、 10 磁石構成体、 20 バッキングプレート、 20a バッキングプレート表面、 20b バッキングプレート裏面、 30 ターゲット、 40 被成膜基板、 60 磁石構成体。

Claims (4)

  1. 表面上にターゲットを配置するバッキングプレートの裏面側に、磁石構成体を揺動可能に配設してカソード電極としたスパッタ装置において、
    前記磁石構成体は、
    一定幅の棒状の中心磁石と、
    前記中心磁石から離間して前記中心磁石を平面において囲むように配置された一定幅の略楕円形状の周囲磁石と、
    前記両磁石によって前記ターゲット表面に生じる磁界を局部的に弱くするシャントと
    を有し、
    前記シャントの一部または全体が、前記中心磁石をその長さ方向に前記周囲磁石まで延ばしたと仮想した場合に占有する領域内の一部もしくは全体に埋め込み配置されていることを特徴とするスパッタ装置。
  2. 前記シャントは、前記中心磁石をその長さ方向に前記周囲磁石まで延ばしたと仮想した場合に占有する領域内に加え、この領域と、前記中心磁石の2つの長辺端部を通って前記周囲磁石まで延ばした直線とによって囲まれた領域内にも埋め込み配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置。
  3. 前記シャントを配置する領域が、有効成膜領域外であることを特徴とする請求項1または2に記載のスパッタ装置。
  4. 前記シャントは、とりはずし可能に前記磁石構成体に設けられており、
    前記磁石構成体を揺動させて成膜する場合には前記シャントを設けて成膜し、前記磁石構成体を固定して成膜する場合には前記シャントをとりはずして成膜することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスパッタ装置。
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