JP2010109106A - 吸着盤および真空吸着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 比較的高い吸着力で対象試料を吸着しつつ、吸着する対象試料の損傷を抑制する吸着盤を提供する。
【解決手段】 排気孔が設けられた緻密質体からなる支持部と、前記支持部に支持された、多孔質体からなる吸着層と、前記吸着層の表面に被着されたアモルファスSi膜と、を有して構成された吸着盤を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、対象試料を吸着して保持する吸着盤、および吸着盤を備えた真空吸着装置に関する。
従来より、メモリやICなどの半導体装置や液晶基板の製造工程において、半導体ウエハや液晶用ガラス基板等を、吸着盤に吸着して保持する真空吸着装置が使用されている。
真空吸着装置として、吸着盤の吸着部材が多孔質体からなるポーラスタイプのものが提案されている。ポーラスタイプの吸着盤では、ポーラス体(多孔質体)の気孔を吸引孔とし、半導体ウエハや液晶用ガラス基板等の対象試料とポーラス体の表面との間の気体が吸引され、雰囲気による圧力によって対象試料がポーラス体の表面に押し付けられて、吸着盤に対象試料が吸着保持される。
近年、半導体ウエハや液晶用ガラス基板の大型化、および加工精度の高度化等の要求にともない、ポーラスタイプの吸着盤の需要は高まってきている。例えば特許文献1には、このようなポーラスタイプの吸着盤の一例が開示されている。
図2(a)〜(c)は、従来のポーラスタイプの吸着板の一例について説明する図であり、(a)は概略斜視図、(b)は概略断面図、(c)は(b)の一部を拡大して示している。例えば下記特許文献1記載のポーラスタイプの吸着板は、図2(a)〜(c)に示すように、中央に吸着部材101として円板状の多孔質セラミックスを備え、その周囲に支持部材102としてリング状の緻密質セラミックスを接合している。そして、吸着部材101をなす多孔質セラミックスの気孔を吸引孔とし、真空ポンプ(不図示)によって吸引することで被加工物104を載置面101a上に吸着固定している。吸着板101を構成するセラミックスは、セラミック粒子の集合体に所定の焼結助剤とバインダーとをそれぞれ添加して混練乾燥したのち、焼成して作製されたものを用いている。
特開平8−19927号公報
従来のポーラスタイプの吸着盤では、載置面101aと被加工物140との間に隙間が生じることを防止し、被加工物140の吸着力を比較的高くするために、載置面110aは平坦な面に仕上げられている。例えば、載置面110bは、ダイヤモンド砥粒などが分散されたスラリーを用いた機械研磨等によって研磨され、平坦な面とされている。多孔質セラミックスの表面が研磨された従来の吸着盤では、図4(c)に示されるように、各セラミック粒子110の周縁面に、エッジ部110aが形成される場合がある。従来のポーラスタイプの吸着盤では、このエッジ部110aが、例えばシリコンウエハ等からなる被加工物140の表面に接触することで、被加工物140の表面に傷が発生する場合もあった。
上記課題を解決するために、本発明は、排気孔が設けられた緻密質体からなる支持部と、前記支持部に支持された、複数のセラミック粒子を含んで構成された多孔質の吸着層と、前記吸着層の表面に被着された保護膜とを備え、前記保護膜の硬度は、前記吸着層の硬度よりも低いことを特徴とする吸着盤を提供する。
なお、前記保護膜は、アモルファスSiを主成分とすることが好ましく、前記保護膜は、CVD法によって形成されていることが好ましい。
また、前記多孔質体の平均細孔径に対し、前記保護膜の被覆厚が、より小さいことが好ましい。
また、前記保護膜の表面抵抗が、10〜1012(Ω/□)であることが好ましい。
また、前記吸着層は、前記セラミック粒子と、前記セラミック粒子同士を結合するガラス成分と、を含んで構成されていることが好ましい。
また、前記セラミック粒子は、アランダム粒子であることが好ましい。
本発明は、また、上記吸着盤と、前記支持部の前記排気孔から、前記吸着層を介して排気する真空ポンプと、を備えることを特徴とする真空吸着装置を、併せて提供する。
本願発明の吸着盤によれば、比較的高い吸着力で対象試料を吸着しつつ、吸着する対象試料の損傷を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1(a)は本発明の吸着盤の一実施形態について説明する概略斜視図であり、支持部材14と多孔質部材12の一部を切断して削除した状態を示している。図1(b)は(a)に示す吸着盤10のX−X線断面図である。また、図1(c)は図1(b)の一部を拡大して示す図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る吸着盤10は、板状の多孔質部材12と、多孔質部材12を支持する、緻密質体からなる支持部材14と、多孔質部材12の表面に被着されたアモルファスSi膜20と、を有して構成されている。支持部材14は、多孔質部材12の一方の主面と当接する当接面14a、および、多孔質部材12の側面を囲繞する壁部16を備えている。支持部材14の当接面14aには溝部18が設けられている。また、支持部材14には、当接面14aの側から外側(図1における下側)に向けて延びた排気孔22が設けられている。排気孔22は溝部18の内面まで延びており、この内面に開口を形成している。
支持部材14は、略円形状の当接面14aと、この当接面14aの周縁から突出した壁部16と、を備えている。いいかえれば、支持部材14は、略円板状の構造物の中央部分に、多孔質部材12に対応する凹部が設けられた形状とされている。多孔質部材12は、この凹部に嵌め入れられた状態で配置されている。多孔質部材12の一方主面は、当接面14aと接合し、また、多孔質部材12の側面は壁部16と接合している。壁部16の上面は、多孔質部材12の上面12aと略面一とされている。支持部材14の中心位置(当接面14aの中心位置)には、当接面14aの側から図1における下側に向けて延びた排気孔22が設けられている。なお、支持部材14の当接面14aの形状は、略円形状であることに限定されない。当接面14aの形状は、被吸着物の形状に応じた任意の形状であってよく、例えば液晶製造装置に用いる吸着盤などでは、略四角形状とされていてもよい。
溝部18は、当接面14の外周形状に沿って連続した形状で設けられている。本実施形態の吸着盤10では、当接面14の外周形状(外周円)と中心を同じくする円形溝18a、18bが形成されている。また溝部18は、各円形溝18aと18bを連ねて中心まで延びた、当接面14aの直径方向に沿った部分溝19が設けられている。排気孔22は溝部18の内面まで延びており、当接面14aの中心部分において、この溝部18の内面に開口端を形成している。なお、溝部18には、例えばアランダム粗粒からなる第2セラミック粒子と、第2セラミック粒子同士を結合するガラス成分と、を主成分として構成された、多孔質セラミックからなる補助部材が充填されていてもよい。例えば、補助部材として、例えば気孔率36〜60%、平均気孔径0.3〜1mmの多孔質セラミックが溝部18内部に充填されており、溝部18の内壁と接合されていてもよい。
多孔質部材12は略円板状の部材であり、例えばアランダム粗粒からなる第1セラミック粒子11と、第1セラミック粒子同士を結合するガラス成分13と、を主成分として構成されている。ここで、アランダムとは、アルミナを主成分とする結晶質の構造体を指す。例えば、アランダムの一例として、アルミナを溶融した後、徐々に冷却して結晶化したものが挙げられる。アルミナを溶融した後に、徐々に冷却して結晶化されたアランダムは、硬度が比較的高く、耐摩耗性が比較的高い。なお、保護膜の硬度が、吸着層の硬度よりも低いとは、吸着層表面に保護膜を被着させた状態における表面(保護膜表面)の硬度が、例えば保護膜を被着させる前の状態(または被着した保護膜を除去した状態)における吸着層自体の表面の硬度よりも低いことをいう。表面の硬度は、例えばISO(International Organization for Standardization)14577−1にて規定されている測定方法を用いて求めることができる、いわゆるマルテンス硬さで表されるものであればよい。例えば、アルミナの硬度は10GPa程度であるのに対して、アモルファスSiの硬度は5GPa程度である。硬度の測定装置としては、株式会社島津製作所製のHSU211等を用いることができる。
また、かかるアランダム粒子を主成分として構成された多孔質部材12は、例えば白色光源の下では、緑色に近い色に視認される。このため、多孔質部材12の表面に付着したパーティクル等が、比較的視認され易い。また、アランダム粒子には、ウェハの研削屑が付着されにくいといった特性もあり、この点でも吸着盤を構成する材質として好適である。アランダム粒子は加熱することで粒成長し、加熱条件を調整することで加熱後の粒径を制御することができる。アランダム粒子は、球形とは異なり多くの角部を有し、粒子は多様な形状を有している。
本実施形態の吸着盤10は、例えば各種半導体製造装置や液晶製造装置等に備えられた、単結晶Siウエハ等の被加工材料を保持するための真空吸着装置に装着されて用いられる。かかる真空吸着装置において、吸着盤10の排気孔22には、図示しない排気ポンプが接続される。真空吸着装置において排気ポンプが動作すると、排気孔22を介して、この排気孔22に連なる溝部18内部も排気され、ひいては多孔質部材12の気孔内の気体も吸引排気される。
図1では、吸着盤10の多孔質部材12の上面12aに、被吸着物である例えば単結晶SiウエハWを載置した状態で、排気ポンプを動作させた状態を示している。本実施形態では、多孔質部材12の気孔を吸引孔として、多孔質部材12の上面12aに載置された単結晶SiウエハW等が、多孔質部材12の上面12aに吸着保持されている。なお、本発明の吸着盤によって吸着する対象試料は、他結晶Siウエハや、化合物半導体基板、液晶製造用のガラス基板などであってもよく、特に限定はされない。
多孔質部材12は、表面が機械研磨されており、表面に現れている第1セラミック粒子11は、多孔質部材12の表面形状に沿って研磨された平面部11bをそれぞれ備え、研磨によって形成されたエッジ部11aを有している。
本実施形態の多孔質部材12は、例えば気孔率15〜40%、平均気孔径50〜100μmとされている。本明細書における気孔率の値は、気孔率を測定するための測定対象部材を適当な大きさに切り出し、公知の水銀圧入法により求めることができる。また、本明細書における気孔率の値は、例えば測定対象部材の任意の断面の、電子顕微鏡または光学顕微鏡による観察像から求められてもよい。具体的には、測定対象部材の任意の断面を倍率20〜100倍で観察し、この観察像の5〜30mmの測定面積の範囲について、観察像から確認できる空洞領域の面積を求め、この空洞領域の面積を測定対象範囲の面積で割った百分率(%)の値である。同様に平均気孔径は、測定対象部材の任意の断面を、倍率20〜100倍で観察し、この観察像の5〜30mmの測定面積の範囲に存在する各粒子の、最長径の値の平均値のことをいう。各値は、観察像を肉眼で確認して求めてもよく、また撮影した観察像を画像処理して求めてもよい。
本実施形態の吸着盤10では、多孔質部材12の表面に、アモルファスSi膜20が被着されている。アモルファスSi膜20は、多孔質部材12の表面に、例えば公知のCVD法によって形成することができる。アモルファスSi膜20の被着厚の大きさは、多孔質部材12の平均気孔径に比べて小さくされており、例えば被着厚が約30μmとされている。なおアモルファスSi膜20の被着厚とは、多孔質部材12の上面12aに略垂直な方向の厚さであり、多孔質部材12の表面に存在する各セラミック粒子に形成されたアモルファスSi膜の厚さ(図2(c)に示すdn)の平均値のことをいう。より具体的には、例えば、測定対象部材(本実施形態では多孔質部材12)の任意の断面を倍率20〜100倍で観察した観察像において、上面12aに沿った、50〜500μm四方の測定領域の範囲において確認できる、各第1セラミック粒子11毎のアモルファスSi膜の膜厚(上面12aに略垂直な厚さ)の平均値である。
アモルファスSi膜20は、例えばアルミナの結晶からなるアランダム粒子に比べて硬度が比較的低く、更には、例えば単結晶Si等に比べても硬度が低い。吸着盤10では、多孔質部材12の表面部分にある第1セラミック粒子11の表面に、アモルファスSi膜が被着しているので、例えば単結晶SiウエハW等の被吸着部材の表面に、傷等が比較的発生し難くされている。
また、本実施形態において、アモルファスSi膜20の被着厚の大きさは、多孔質部材12の平均気孔径に比べて小さくされている。このため、多孔質部材12の上面12aにおいて気孔が完全に閉塞されることが抑制され、上面12aには比較的多くの気孔が、比較的大きな開口径を維持して開孔した状態とされている。吸着盤10では、多孔質部材12の上面12aに単結晶SiウエハWが載置された状態で、多孔質部材12の気孔が吸引孔として良好に作用し、単結晶SiウエハW等の対象試料は、多孔質部材12に比較的高い吸引力で吸着される。
本実施形態の吸着盤10では、アモルファスSi膜20は、公知のCVD法(化学気相成長法)で形成されている。CVD法では、後述するように、原料ガスと反応ガスとを、成膜対象体(本実施形態では、多孔質部材12)に供給して、この成膜対象体の表面に所望の膜を成膜する。CVD法による成膜では、真空蒸着法などの物理吸着のみによる成膜に比べて、凹凸の表面の被覆性が高い。吸着盤10では、多孔質部材12の表面12aに表れたセラミック粒子11について、研磨によって現れた平面部11aのみでなく、研磨によって形成されたエッジ部11bも、アモルファスSi膜20によって比較的良好に被覆されている。このため、多孔質部材12の表面に、単結晶SiウエハWを吸着させた場合も、この被多孔質部材(ウエハW)の表面には、傷等の損傷が比較的発生し難い。
また、本実施形態では、アモルファスSi膜20は電気抵抗率が10〜1012(Ω・cm)と比較的低くされており、表面抵抗も10〜1012(Ω/□)と比較的低くされている。この値は、ANSI(American National Standards Institute:米国規格協会)/EIA541に規定されている静電気拡散性の範囲と概ね一致しており、帯電の減衰時間に関して良好な結果をもたらす。表面抵抗値が10〜1012(Ω/□)の半導電性膜の場合には減衰時間が10秒以下であるので好ましいのに対し、表面抵抗値が1012よりも大きい半導電性膜の場合には減衰時間が100秒程度かかってしまい好ましくないなお、帯電の減衰時間は、膜の裏面に電極を形成して、その電極に所定の電圧を印加して、印加終了後の電位が元の電位に戻る時間を計測することにより評価している。
本実施形態のアモルファスSi膜20は導電性が比較的高く、比較的帯電し難く、静電気の発生の程度も比較的小さい。本実施形態のアモルファスSi膜20では、パーティクル等の付着が比較的少ない。このため、吸着盤10で単結晶SiウエハWを吸着した場合でも、この単結晶Siウエハに付着するパーティクルは比較的少なく、また、これにともなって生じる単結晶Siウエハ等の損傷も比較的少なくされている。また、単結晶ウエハWがアモルファスSi膜20に近づいた状態における、静電気放電(Electrostatic Discharge)が比較的生じ難く、単結晶SiウエハWの、静電気放電による損傷・破壊も比較的少なくされている。上記電気抵抗率や表面抵抗の大きさは、例えば、JIS K6271にて規定される二重リング電極法によって測定すればよい。なお、アモルファスSi膜の電気抵抗率および表面抵抗の値は、上記範囲に限定されない。
支持部材14は、例えば酸化アルミニウムを主成分とする緻密質セラミックからなる。
次に、吸着盤10の製造方法の一例について説明しておく。
まず、緻密質セラミックからなる支持部材14を作製しておく。支持部材14は、例えば以下のように作製することができる。まず、酸化アルミニウム粉末96〜99.9質量%と、酸化珪素、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムの各粉末を含む焼結助剤粉末0.1〜4質量%とからなる原料粉末を混合し、ポリエチレングリコールなどの有機結合材をこの原料粉末100質量部に対して3〜8質量部添加、混合し、水を添加してスラリーとする。このスラリーを噴霧乾燥機により噴霧乾燥し、得られた顆粒をゴム型に充填し、静水圧により加圧して成形体を作製する。得られた成形体を加工して、支持部材の形に近い形状に切削し、いわゆるニアネット成形体を作製する。このニアネット成形体を、焼成炉で1500〜1700℃で焼成し、焼結体を作製する。焼結体を加工して支持部材14を作製する。
次に、支持部材14の内面全体に、ガラスペーストを、スクリーン印刷、刷毛などを用いて厚み0.2mm程度に塗布する。この際、排気口22の内面については、ガラスペーストを塗布しないでおく。ガラスペーストは、例えば、融点が650〜1000℃の硼珪酸ガラスからなる粉末と、少量の有機結合材と、少量の有機溶剤とを混合、混練することで作製されたものを用いればよい。なお、排気孔22の部分には、ガラスペーストの塗布工程の後、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を充填し、熱硬化させておく。
次に、支持部材14の内側全体に多孔質部材12の原料を充填する。この際、支持部材12の原料は、支持部材14の壁部16の上面と略面一になるまで充填しておく。支持部材12の原料としては、例えば以下のように作製したものを用いればよい。まず、アランダムを例えば1400℃程度に加熱して粒成長させた後、振動篩いを用いて粒径0.4〜1.5mm程度の範囲内のアランダムのみを選択的に回収する。回収したアランダム100質量部に対して、上述のガラスペーストを3〜8質量部添加・混合し、多孔質部材12の原料を作製する。なお、ガラスペーストの代わりに、アランダム100質量部に対して、球状のガラスであって、径が0.5〜1mmの範囲内のものを選別した原料を混合したものを、多孔質部材12の原料としてもよい。
このように多孔質部材12の原料が充填された構造物全体をゴム型に入れて密封し、静水圧プレスにより加圧することで、吸着盤10の未加熱物を得る。この未加熱物を、ガラスペーストの融点以上の温度(650〜1000℃)で加熱した後に冷却し、支持部材14、多孔質部材12、補助部材24が、溶融ガラスにより一体的に接合される。この加熱の際、排気孔22の部分に充填していた熱硬化性樹脂は、溶融・蒸発する。
このように、支持部材14、多孔質部材12、補助部材24、支持部材14、が溶融ガラスにより一体的に接合された構造物の上面を、例えば平面研削盤により平滑に研磨する。研磨に用いる装置や手法については、特に限定されない。
次に、平滑に研磨した多孔質部材12の表面に、公知のCVD成膜装置を用い、アモルファスSi膜20を成膜する。アモルファスSi膜は、通常のCVD法や、cat−CVD法など、従来公知の成膜方法を用いて成膜すればよい。CVD法を用いることで、成膜した膜の電気抵抗率の大きさを、比較的高精度に制御することができる。CVD法による成膜では、例えば成膜用の真空容器に、表面が研磨された構造体を配置し、この真空容器内に、シリコン含有ガス(例えば、SiH,Si、Si等)及び、キャリアガスとして、例えば水素や窒素、アルゴン等の不活性ガスを導入し、真空度を例えば1.3〜13Paに制御する。この状態で、真空容器内のガス導入孔が設けられた導電性の電極板に電力を供給してグロー放電を発生させて、真空容器内に配置した構造体の、少なくとも多孔質部材の表面に、アモルファスSi膜20を成膜する。アモルファスSi膜3の表面抵抗を106〜1011Ω/□の範囲内に設定するには、水素の量を所定の範囲で管理すればよい。また、CVD法による成膜では、ステップカバレッジが比較的良好であり、多孔質部材12表面が機械研磨されることで表れた、多孔質部材12表面部分の第1セラミック粒子11のエッジ部11bも、比較的充分な厚さで被覆されている。なお、アモルファスSi膜の形成方法は、CVD法を用いることに限定されない。
吸着盤10は、例えばこのように作製すればよい。
以上、本発明の一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでない。例えば、支持部材表面に、表面に沿って連続した溝部が設けられていることに限定されず、部分的な開口を有する凹部が設けられていてもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明の吸着盤の一実施形態について説明する図であり、(a)は概略斜視図、(b)は概略断面図、(c)は(b)の一部を拡大して示す図である。 従来の吸着盤の一例について説明する図であり、(a)は概略斜視図、(b)は概略断面図、(c)は(b)の一部を拡大して示す図である。
符号の説明
10 吸着盤
11 セラミック粒子
11a エッジ部
11b 平面部
12 吸着部材
12a 上面
14 支持部材
14a 当接面
16 壁部
18 溝部
18a、18b 円形溝
19 部分溝
20 アモルファスSi膜
22 排気孔

Claims (8)

  1. 排気孔が設けられた緻密質体からなる支持部と、
    前記支持部に支持された、複数のセラミック粒子を含んで構成された多孔質の吸着層と、
    前記吸着層の表面に被着された保護膜とを備え、
    前記保護膜の硬度は、前記吸着層の硬度よりも低いことを特徴とする吸着盤。
  2. 前記保護膜は、アモルファスSiを主成分とすることを特徴とする請求項1記載の吸着盤。
  3. 前記保護膜は、CVD法によって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の吸着盤。
  4. 前記多孔質体の平均細孔径に対し、
    前記保護膜の被覆厚が、より小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸着盤。
  5. 前記保護膜の表面抵抗が、10〜1012(Ω/□)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸着盤。
  6. 前記吸着層は、前記セラミック粒子と、前記セラミック粒子同士を結合するガラス成分と、を含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸着盤。
  7. 前記セラミック粒子は、アランダム粒子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吸着盤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の吸着盤と、
    前記支持部の前記排気孔から、前記吸着層を介して排気する真空ポンプと、
    を備えることを特徴とする真空吸着装置。
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