JP2010107731A - 強誘電体バルク素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】強誘電体バルク中に分極反転部分を形成する技術を利用し、広範な光学用途、電子デバイス用途に使用可能な、新しいバルク素子を提供することである。
【解決手段】強誘電体バルク素子11Bは、強誘電体バルクに設けられた単分域化処理部10Bと、この単分域化処理部に隣接する広域分極反転部19Bとを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、従来にない広域化した分極反転部分を有する強誘電体バルク素子に関するものである。
ニオブ酸リチウム単結晶やタンタル酸リチウム単結晶などの強誘電体単結晶に、周期的な分極反転構造を形成した擬似位相整合(Quasi−Phase−matching)方式の第2高調波発生(Second−Harmonic−Generation)デバイスは、紫外から赤外まで、比較的任意な波長の光を発生させることができる。このデバイスは、光ディスクメモリ用、医学用、光化学用、及び各種光計測用などの幅広い応用が可能である。
周期分極反転構造を強誘電体単結晶基板に形成する際には不良が生じやすく、このためさまざまな製法が提案されている。特許文献1記載の方法では、強誘電性単結晶基板を別体の基板と積層し、絶縁性液体、例えばオイル中に浸漬し、バルス電圧を印加することで周期分極反転構造を形成している。
特開2005−70192
また、非特許文献1記載の方法では、ニオブ酸リチウムのZ基板の表面に絶縁膜を設け、絶縁膜にストライプ状の細長い隙間を設けた上で、絶縁膜および隙間を被覆するように導電膜を設けている。そして、この導電膜にパルス電圧を印加することによって、基板に周期分極反転構造を形成している。
電子情報通信学会論文誌 C-I, Vol. J78-C-1, No.5 pp.238-245、「電圧印加によるLiNbO3 SHGデバイス用分極反転グレーティングの作製」 金高 健二, 藤村 昌寿, 栖原 敏明, 西原 浩
また、本出願人は、非特許文献1における欠点を改善するために、特許文献2を開示した。特許文献2においても、ニオブ酸リチウムのZ基板の表面に絶縁膜を設け、絶縁膜にストライプ状の細長い隙間を設けた上で、絶縁膜および隙間を被覆するように導電膜を設けている。そして、この導電膜にパルス電圧を印加することによって、基板に周期分極反転構造を形成している。これと共に、導電膜を、光の進行方向に列状に多数設けるだけでなく、導電膜の長手方向に向かって複数個に分割することにより、周期分極反転構造の不良を一層低減している。
特願2007−262230
言うまでもなく、いずれの文献においても、分極反転部分はストライプ状であり、一定周期で多数形成されているものである。こうした周期分極反転構造は、波長変換素子以外の用途がなく、この点で産業上の展開に限界がある。
本発明の課題は、強誘電体バルク中に分極反転部分を形成する技術を利用し、広範な光学用途、電子デバイス用途に使用可能な、新しいバルク素子を提供することである。
本発明は、強誘電体バルクに設けられた単分域化処理部と、この単分域化処理部に隣接する広域分極反転部とを備えていることを特徴とする、強誘電体バルク素子に係るものである。
周期をなさない広い分極反転部分を強誘電体バルク中に形成すれば、広域分極反転部分が単分域化部分と隣接して一つのバルク中に存在することになる。単分域化部分と分極反転部分とは分極方向が逆なので、広域分極反転部分は、屈折率変化などの光学的特性が単分域化部分とは異なっており、この性質を利用して光学素子を提供できる。また、また、広域的な分極反転部分は、バルクとして、単分極化部分とは異なる圧電特性を示すことから、圧電振動特性を示す。
このように、波長変換素子とは異なり、光の周期よりも大きい範囲にわたってつながった分極反転部分を有する強誘電体バルク素子は、明らかにこれまでにない新しい電子デバイスを提供するものであり、したがって産業上の意義は極めて大きい。
以下、図面を適宜参照しつつ、本発明を更に説明する。
本発明では、強誘電体バルクに、単分域化処理部と、この単分域化処理部に隣接する広域分極反転部とを設ける。
強誘電体バルクとは、いわゆる強誘電体材料からなるバルク体を意味する。バルク体とは、接合体ではなく、一種の強誘電体材料からなる一体の塊を意味している。したがって、単分域化部分と分極反転部分とが接合された接合品は含まれない。
強誘電性材料の種類は限定されない。しかし、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、KLiNb15の各単結晶が特に好ましい。
強誘電体単結晶中には、三次元光導波路の耐光損傷性を更に向上させるために、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、スカンジウム(Sc)及びインジウム(In)からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を含有させることができ、マグネシウムが特に好ましい。また、強誘電体単結晶中には、ドープ成分として、希土類元素を含有させることができる。この希土類元素は、レーザ発振用の添加元素として作用する。この希土類元素としては、特にNd、Er、Tm、Ho、Dy、Prが好ましい。
広域分極反転部とは、周期的に設けることなしに、単独で光学的機能あるいは物理的機能を営むだけの大きさを有する分極反転部である。具体的には、分極反転方向に垂直な二方向および平行な方向に見たときの寸法がいずれも30μm以上であることが好ましい。分極反転方向に垂直な二方向および水平な方向に見たときの寸法は、さらには100μm以上とすることもできる。
また、強誘電体バルク素子には広域分極反転部が一つ設けられていることが好ましい。この一体の分極反転部が光学的、物理的作用を営む。
あるいは、強誘電体パルク素子に広域分極反転部が複数設けられていてもよい。しかし、この分極反転部分は、周期的に多数設けられているものではない。好ましくは、複数の広域分極反転部が30μm以上離れている。
図1(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の素子を例示する模式的斜視図である。
図1(a)の素子11Aは、単分極化処理部分10Aと分極反転部分19Aとからなり、各分極反転方向は反対である。分極反転部分19Aは直方体形状である。分極反転方向に垂直な二方向の寸法a、b、分極反転方向に見た寸法cともに、例えば30μm以上である。
図1(b)の素子11Bは、単分極化処理部分10Bと分極反転部分19Bとからなり、各分極反転方向は反対である。分極反転部分19Bは三角柱形状であり、分極反転方向に垂直な二方向の寸法a、b、分極反転方向に見た寸法cともに、例えば30μm以上である。
図1(c)の素子11Cは、単分極化処理部分10Cと分極反転部分19Cとからなり、各分極反転方向は反対である。また、分極反転境界20は分極反転方向に対して傾斜(オフセット)している。分極反転部分19Cは三角柱形状であり、分極反転方向に垂直な二方向の寸法a、b、分極反転方向に見た寸法cともに、例えば30μm以上である。
本発明の素子の用途は特に限定されないが、光路変換素子(プリズム)、偏光器、レンズ、光変調器、圧電振動子を例示できる。図2は、偏光器の例を模式的に示す斜視図である。
本例の偏光器では、図1(b)の素子11Bを使用し、その主面に電極20を形成している。電極20から電圧を印加すると、電気力線の方向は、単分域化処理部分10Bおよび分極反転部分19Bの各分極方向に対してほぼ平行となるが、ただし分極方向は反対となる。このため、10Bと19Bとの間では、屈折率変化の符号が反対になる。したがって、矢印Fのように光を入射させると、この光は素子内部で偏光され、矢印Gのように素子から出射する。
図3(a)は、レンズ11Dを模式的に示す平面図であり、図3(b)は同じく正面図である。本例のレンズ11Dには、単分極化処理部分10D中に、レンズ形状の分極反転部分19Dが形成されている。単分域化処理部10Dとレンズ状の分極反転部分19Dとは分極方向が反対なので、入射光Fの感ずる屈折率が異なる。この屈折率差を利用し、入射光Fを矢印Gのように集光する。
以下、本発明の素子の製法について述べる。
図4(a),(b)は比較形態に係るものである。図1(a)は、強誘電性材料の基板1に、分極反転部を形成するための電極を形成した状態を示す模式図であり、図1(b)は、同じく平面図である。
基板1は強誘電性材料からなり、単分域化されている(10)。基板1内に広い分極反転部分を形成する目的で、基板1の主面1a、1bに、それぞれ一様電極2、3を形成し、パルス電圧を印加してみた。すると、分極反転部分4は、電極2のエッジ2aから基板1内部へと向かって矢印Aのように延びる。この分極反転部分は、電極のエッジ2aから外側へと広がることはなく、その幅は高々20μm程度であることがわかった。すなわち、広い電極を形成しても、広い分極反転部分を形成することはできないということを意味する。
本発明者は、広い範囲にわたって一まとまりにつながった分極反転部分を形成する方法を種々検討した結果、図5に示すような方法を開発した。即ち、図5(a)に示すように、強誘電体結晶基板1の一方の主面1aに絶縁膜6を形成する。このとき、絶縁膜6にはパターニングを施し、隣り合う絶縁膜6間にそれぞれ隙間11を形成する。
複数列の絶縁膜6の上に導電膜5を形成する。この導電膜5は、絶縁膜6を被覆する絶縁膜被覆部12と、主面1aを直接被覆する第一の電極部5aを備えている。したがって、複数列の細長い電極部5aが多数配列されると共に、隣接する電極分極部5a間には絶縁膜6が介在することになる。なお、図5では、紙面の制約から絶縁膜6を3つしか図示していないが、絶縁膜6の列数、電極5aの列数は適宜変更するべきものである。基板1の他方の主面1bには絶縁層7を形成し、絶縁層7上に第二の電極3を形成する。本例では、基板1が矢印B方向に分極しているものとする。例えば強誘電性単結晶のZ板が対応する。
ここで、第一の電極5aと第二の電極3との間に電源8から所定の電圧を印加する。このとき、電極の設計や電圧印加条件を調整すれば、図5(b)および図6に示すように、隣り合う各電極部5aから進展してきた各分極反転部が互いにつながり、ひとまとまりの大きな分極反転部分9を形成することを発見した。このような方法で一まとまりの分極反転部分を形成することに成功した例は報告されていない。
電圧印加方法は特に限定されない。例えば不活性雰囲気中に基板を設置して電圧を印加してもよく、絶縁体液体中に基板を設置して電圧を印加してもよい。
電圧はパルス電圧であることが好ましく、直流バイアス電圧を更に印加してもよい。パルス電圧の好ましい条件は以下のとおりである。
パルス電圧:1.0kV〜5.0kV(/mm)
パルス幅:0.1ms〜10ms
直流バイアス電圧:1.0kV〜5.0kV(/mm)
図5の例ではZカット基板を使用したが、オフカットZ基板であってもよい。また、Xカット基板、あるいはオフカットX基板も好適に使用できる。オフカット角度は、本発明の作用効果という観点から、10°以下が好ましく、5°以下が更に好ましい。
オフカットZ基板を用いた実施形態について説明する。本発明者は、図4と同様に、図7のように、基板1の主面1a、1bにそれぞれ広い電極2、3を形成する方法も検討した。即ち、基板1は強誘電性材料からなり、単分域化されており、オフカット角度はθである。本発明者は、基板1内に広い分極反転部分を形成する目的で、基板1の主面1a、1bに、それぞれ一様電極2、3を形成し、パルス電圧を印加してみた。すると、分極反転部分は、電極2のエッジ2aから基板1内部へと向かって14のように延びる。この分極反転部分は、電極のエッジ2aから外側へと広がることはない。例えば電極下の領域Eの全体にわたって分極反転が必要であるとすると、そのごく一部しか分極反転できないことがわかった。
これに対して、本発明においては、図8に示すように、強誘電体結晶基板1の一方の主面1aに絶縁膜6を形成する。このとき、絶縁膜6にはパターニングを施し、隣り合う絶縁膜6間にそれぞれ隙間11を形成する。複数列の絶縁膜6の上に導電膜5を形成する。この導電膜5は、絶縁膜6を被覆する絶縁膜被覆部12と、主面1aを直接被覆する第一の電極部5aを備えている。したがって、複数列の細長い電極分極部5aが多数配列されると共に、隣接する電極分極部5a間には絶縁膜6が介在することになる。基板1の他方の主面1bには絶縁層7を形成し、絶縁層7上に第二の電極3を形成する。本例では、基板1がZ方向に分極している。
ここで、第一の電極5aと第二の電極3との間に電源8から所定の電圧を印加する。このとき、電極の設計や電圧印加条件を調整すれば、図7に示すように、隣り合う各電極部5aから進展してきた各分極反転部が互いにつながり、ひとまとまりの大きな分極反転部分19を形成することを発見した。分極反転部分19を十分に成長させれば、必要な領域Eをカバーすることができる。
好適な実施形態においては、第二の電極部3と主面1bとの間に絶縁層7を設けることができる。これによって、一層広い領域にわたって分極反転部分を形成することが可能になる。この理由は明らかではないが、絶縁層7がない場合には、一部領域で分極反転が主面1aから1bへと、より速く到達しやすく、この後には分極反転部分の形成が停止する傾向がある。絶縁層によって、一部領域での分極反転の過剰な進展を防止し、より広い領域にわたって分極反転部分を生成させやすいものと考えられる。
絶縁膜、絶縁層の材質は限定されないが、SiOやTaのような酸化物、窒化珪素のような窒化物であってよい。絶縁膜、絶縁層の成膜方法としては、蒸着法でもスパッタリング法、スピンコート法でもよい。絶縁膜6の厚さは、特に限定されないが、500オングストローム以上、3000オングストローム以下が好ましい。絶縁膜6の厚さが小さい場合は、絶縁性が低くなり、分極反転が形成されにくい。絶縁膜6が厚すぎる場合は、パターニング精度が悪くなる。
第二の電極3側の絶縁層7の厚さは、広い分極反転部の形成を促進するという観点からは、5000オングストローム以下が好ましく、3000オングストローム以下が更に好ましい。また、上記した観点からは、500オングストローム以上が好ましく、2000オングストローム以上が更に好ましい。
絶縁膜をパターニングして隙間を形成する方法は特に限定されない。例えば、絶縁膜上にフォトレジストをスピンコーティングし、マスク露光、現像を経て、レジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、エッチング処理を行うことで、隙間を形成できる。エッチング処理はウェットエッチングでも、ドライエッチングでもよいが、理想的には基板表面にダメージを与えにくいウェットエッチングの方が好適である。
第一の電極部、第二の電極部、絶縁膜被覆部の材質は限定されないが、Al、Au、Ag、Cr、Cu、Ni、Ni-Cr 、Pd、Ta 、Mo、W、Ta、AuCrの積層膜などが好ましい。
電極部、絶縁膜被覆部の形成方法は特に限定されず、蒸着法でもよく、スパッタリング法でもよい。電極の膜厚は、例えば500〜3000オングストロームとすることができる。
第一の電極部の幅Eの絶縁膜の幅Iに対する比率E/Iは、0.3以上が好ましく、0.4上が更に好ましい。これによって、隣り合う電極部からの分極反転部分の連結を促進することができる。また、第一の電極部の幅Eの絶縁膜の幅Iに対する比率E/Iは、5以下が好ましく、これによって第一の電極下に未分極反転領域が残留するのを抑制できる。
第一の電極部の幅Eは、0.5μm以上が好ましく、これによって、隣り合う電極部からの分極反転部分の連結を促進することができる。また、第一の電極部の幅Eは、5um以下が好ましく、これによって第一の電極下に未分極反転領域が残留するのを抑制できる。
絶縁膜の幅Iは、0.5um以上が好ましく、これによって絶縁膜のパターニングが容易となり、電界が集中する電極エッジを増やすことができ、分極反転部の連結を促進することができる。絶縁膜の幅Iは、10μm以下が好ましく、これによって、隣り合う電極部からの分極反転部分の連結を促進することができる。
(比較例1)
図4を参照しつつ説明した方法に従い、分極反転部分を形成した。ただし、基板1としては、MgO添加のLiNbO(MgLN)のZカット基板を使用した。基板1の+Z面1a、−Z面1bに、スパッタリング法によって、導電膜2および3を成膜した。これらの膜厚は1000オングストロームとし、材質はタンタルとした。電極2の寸法は、縦5mm、横5mmとした。このように作製した基板1を、絶縁オイル中に浸漬し、170℃でパルス電圧を印加した。電圧印加条件としては、ウェハの抗電界となる電界強度の約3kV/mmに設定し、約1msec幅の矩形パルスを印加した。パルスの印加回数は、パターン面積に依存するが、例えば20mmのとき、20000パルスが好適であった。
こうした得られた基板表面を、ふっ硝酸でウェットエッチングし、次いで顕微鏡で観察した。図9は、こうして得られた表面の拡大写真である。図9において、四角い枠線は電極2の外径を示している。電極2の外径輪郭の僅かに内側に、細長い分極反転部分が形成されていることを確認できる。分極反転部分の幅は約20μmであり、その内側、外側はいずれも分極反転していない。したがって、この方法では、幅広い分極反転部分を形成することはできなかった。
(実施例1)
図5を参照しつつ説明した方法に従い、分極反転部分を形成した。ただし、基板1としては、MgO添加のLiNbO(MgLN)のZカット基板を使用した。基板1の+z面1aおよび−z面1bに、絶縁膜6、7としてSiO膜を成膜した。絶縁膜6、7の膜厚は約2000オングストロームとした。次いで、絶縁膜6上にフォトレジストをスピンコーティングし、マスク露光、現像を経て、レジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクにして、ウェットエッチング処理を行うことで、図2に示すような絶縁膜パターンを形成した。Iは3.2μmとし、Eは1.0μmとした。
続いて、スパッタリング法によって、導電膜5および3を成膜した。これらの膜厚は2000オングストロームとし、材質はモリブデンとした。導電膜5の寸法は、縦5mm、横5mmである。このように作製した基板1を絶縁オイル内に浸漬し、170℃でパルス電圧を印加した。電圧印加条件としては、ウェハの抗電界となる電界強度の約3kV/mmに設定し、約1msec幅の矩形パルスを印加した。パルスの印加回数は、パターン面積に依存するが、例えば20mmのとき、20000パルスが好適であった。
こうした得られた基板表面を、ふっ硝酸でウェットエッチングし、次いで顕微鏡で観察した。図10は、こうして得られた表面の拡大写真である。図10において、四角い枠線は導電膜5の外形を示している。導電膜5の外形輪郭の内側には、全体にわたって極反転部分が形成されていることを確認できる。分極反転部分の寸法は、a5mm、b5mm、c0.5mmであり、幅広い分極反転部分を形成することができた。
(a)、(b)、(c)は、それぞれ、本発明によって製造可能な素子11A、11B、11Cを模式的に示す斜視図である。 図1(b)の素子を用いた偏光器を模式的に示す斜視図である。 (a)は、本発明の素子からなるレンズを模式的に示す平面図であり、(b)は、同じく正面図である。 (a)は、基板1に電極2および3を形成して電圧印加法によって分極反転部分4を形成している状態を示す模式図であり、(b)は、(a)の平面図である。 (a)は、基板1に絶縁膜6および導電膜5を形成している状態を示す模式図であり、(b)は、(a)において分極反転部分9を形成している状態を示す模式図である。 基板1に絶縁膜6および導電膜5を形成し、分極反転部分9を形成している状態を示す模式的平面図図である。 オフセットZ板1に電極2および3によって分極反転部分14を形成している状態を示す模式図である。 オフセットZ板1に絶縁膜6および導電膜5によって分極反転部分19を形成している状態を示す模式図である。 比較例で得られた基板の分極反転形状および電極の枠線を示す写真である。 実施例で得られた基板の分極反転形状および電極の枠線を示す写真である。
符号の説明
1 強誘電性基板 1a 基板1の一方の主面 1b 基板1の他方の主面 3 第二の電極 4、14 比較例の分極反転部分 5 導電膜 5a 第一の電極 6 絶縁膜 7 絶縁層 8 電源 9、19、19A、19B、19C、19D 分極反転部分 10A、10B、10C、10D 単分域化処理部 11 絶縁膜6の隙間 11A、11B、11C、11D 強誘電体バルク素子 12 絶縁膜被覆部 a、b 分極反転方向に垂直な方向の寸法 c 分極反転方向の寸法 E 第一の電極5の幅 I 絶縁膜6の幅

Claims (4)

  1. 強誘電体バルクに設けられた単分域化処理部と、この単分域化処理部に隣接する広域分極反転部とを備えていることを特徴とする、強誘電体バルク素子。
  2. 前記広域分極反転部を分極反転方向に垂直な二方向および水平な方向に見たときの寸法がいずれも30μm以上であることを特徴とする、請求項1記載の素子。
  3. 前記強誘電体バルク素子に前記広域分極反転部が一つ設けられていることを特徴とする、請求項1または2記載の素子。
  4. 前記強誘電体パルク素子に前記広域分極反転部が複数設けられており、複数の広域分極反転部が30μm以上離れていることを特徴とする、請求項1または2記載の素子。
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