JP2010106874A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アップシフト変速における変速ショックの低減を図ることが可能な自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】アップシフト変速中にあってエンジン2にトルクダウン指令を出力するトルクダウン制御手段27は、イナーシャ相中にてトルクダウン指令を出力する第1トルクダウン制御27aと、トルク相からイナーシャ相中にかけてトルクダウン指令を出力する第2トルクダウン制御27bとを実行し得る。吸収可能判定手段25がイナーシャ相にて発生するイナーシャトルクを第1トルクダウン制御27aによるトルクダウンにより吸収可能であるか否かを判定し、トルクダウン制御選択手段28が、第1トルクダウン制御27aでイナーシャトルクを吸収可能である際に第1トルクダウン制御27aを選択し、吸収不能である際に第2トルクダウン制御27bを選択するので、トルクダウン制御の最適化が図られる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車輌等に搭載される自動変速機の制御装置に係り、詳しくはアップシフト変速の際に駆動源にトルクダウン指令を出力し得る自動変速機の制御装置に関する。
従来、車輌に搭載される自動変速機には、クラッチやブレーキ等の摩擦係合要素の掴み換えにより変速を行う多段式の自動変速機が用いられており、このような自動変速機にあって、特にアップシフト変速では、自動変速機内の回転系やエンジンの回転系を低回転に移行させるイナーシャ相においてイナーシャトルク(慣性トルク)が生じるため、変速ショックが発生してしまう虞がある。
そのため、アップシフト変速のイナーシャ相において、エンジンのトルクダウンを実行することで上記イナーシャトルクを吸収し、変速ショックの発生防止を図ったものが提案されている(特許文献1参照)。また、イナーシャ相におけるトルクダウンだけでなく、イナーシャ相より前のトルク相からトルクダウンを行うものも提案されている(特許文献2参照)。
特開平2−45627号公報 特開平7−139381号公報
ところで、上記特許文献2のもののように、トルク相からトルクダウンを行うと、イナーシャトルクが発生していないトルク相にてトルクダウンを開始してしまうため、トルクダウン量が大きいと変速ショック(減速ショック)が生じ易いという問題がある。そのため、トルクダウンは、イナーシャ相にあってイナーシャトルクの発生に応じて実行することが理想的である。
しかしながら、アップシフト変速により生じる回転変化(アップシフト変速前後の回転数差)が大きくて、変速中に生じるイナーシャトルクが大きく、一方でエンジン出力があまり大きくない場合には、そのような大きなイナーシャトルクをエンジンのトルクダウンだけで吸収することができず、イナーシャトルクによる変速ショック(加速ショック)が生じてしまうという問題がある。
なお、このようにエンジンのトルクダウンによりイナーシャトルクを吸収することができなくなる現象は、例えば手動操作(マニュアル操作)モードが解除されて自動変速モードに移行することで変速が実行される際、例えばコーナ走行中に変速を一時的に待機させた後に解除されて変速が実行される際など、つまり自動判断の変速の実行が保持されていた状態から該保持状態が解除された場合のアップシフト変速において生じ易い。
そこで本発明は、イナーシャ相にて実行する第1トルクダウン制御と、イナーシャ相の開始前からイナーシャ相にて実行する第2トルクダウン制御とを適宜に選択することを可能とし、もってアップシフト変速における変速ショックの低減を図ることが可能な自動変速機の制御装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は(例えば図1乃至図8参照)、駆動源(2)に接続される入力軸(10)と、駆動車輪に接続される出力軸(11)と、これら入力軸(10)と出力軸(11)との間の伝達経路を変更する複数の摩擦係合要素(例えばC−1,C−2,C−3,B−1,B−2)と、を備え、前記複数の摩擦係合要素の掴み換えにより前記伝達経路を変更することで変速を行う自動変速機(3)の制御装置(1)において、
アップシフト変速中にあって前記入力軸(10)の回転数(Nin)が変化するイナーシャ相中にて前記駆動源(2)にトルクダウン指令を出力する第1トルクダウン制御(27a)と、前記イナーシャ相の開始前から該イナーシャ相中にて前記駆動源(2)にトルクダウン指令を出力する第2トルクダウン制御(27b)と、を実行し得るトルクダウン制御手段(27)と、
前記アップシフト変速のイナーシャ相にて発生するイナーシャトルクを、前記第1トルクダウン制御(27a)による前記駆動源(2)のトルクダウンにより吸収可能であるか否かを判定する吸収可能判定手段(25)と、
前記吸収可能判定手段(25)が前記第1トルクダウン制御(27a)により前記イナーシャトルクを吸収可能であると判定したことに基づき、前記第1トルクダウン制御(27a)の実行を選択し、前記吸収可能判定手段(25)が前記第1トルクダウン制御(27a)により前記イナーシャトルクを吸収不能であると判定したことに基づき、前記第2トルクダウン制御(27b)の実行を選択するトルクダウン制御選択手段(28)と、を備えた、
ことを特徴とする自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図4、図6参照)、前記第2トルクダウン制御(27b)の実行により所定量以上の減速加速度が発生するか否かを判定するショック発生判定手段(26)を備え、
前記トルクダウン制御選択手段(28)は、前記吸収可能判定手段(25)が前記第1トルクダウン制御(27a)により前記イナーシャトルクを吸収不能であることを判定し、かつ前記ショック発生判定手段(26)により前記所定量以上の減速加速度が発生しないと判定された場合に、前記第2トルクダウン制御(27b)の実行を選択する、
ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項3に係る本発明は(例えば図4、図6参照)、前記吸収可能判定手段(25)は、アクセル開度(θd)が所定開度の範囲内で、かつ前記出力軸の回転数(No)が所定回転数の範囲内(即ち領域Eの範囲内)である際に、前記第1トルクダウン制御(27a)によりイナーシャトルクを吸収不能であることを判定してなる、
ことを特徴とする請求項2記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項4に係る本発明は(例えば図4、図6参照)、前記ショック発生判定手段(26)は、前記入力軸(10)に入力される入力トルクが、前記出力軸の回転数(No)に応じて設定された入力トルク閾値(即ち、Vθd)以下である際に、前記所定量以上の減速加速度が発生しないことを判定してなる、
ことを特徴とする請求項2または3記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項5に係る本発明は(例えば図4、図5参照)、走行状態に基づき変速を判断する変速判断手段(23)と、
前記変速判断手段(23)により判断される変速と相違した変速段に保持し得る変速保持手段(22)と、
前記変速保持手段(22)による変速段の保持が解除された際に実行されたアップシフト変速であるか否かを判定する保持解除変速判定手段(24)と、を備え、
前記トルクダウン制御選択手段(28)は、前記保持解除変速判定手段(24)により前記変速段の保持が解除された際に実行されたアップシフト変速であることが判定された場合に、前記第1トルクダウン制御(27a)又は前記第2トルクダウン制御(27b)の選択を行ってなる、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項6に係る本発明は(例えば図4、図5、図8参照)、前記保持解除変速判定手段(24)は、前記変速段の保持が解除されてから所定時間(T)以内のアップシフト変速であるか否かに基づき、前記変速段の保持が解除された際に実行されたアップシフト変速であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項5記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、イナーシャ相中にて駆動源にトルクダウン指令を出力する第1トルクダウン制御によりイナーシャトルクを吸収可能であると判定したことに基づき該第1トルクダウン制御を実行し、該第1トルクダウン制御によりイナーシャトルクを吸収不能であると判定したことに基づきイナーシャ相の開始前から該イナーシャ相中にて駆動源にトルクダウン指令を出力する第2トルクダウン制御を実行するので、通常はイナーシャ相における駆動源のトルクダウンにより変速ショックの低減を図り、かつイナーシャ相における駆動源のトルクダウンによりイナーシャトルクを吸収できない場合は、イナーシャ相開始前からのトルクダウンにより変速ショックの低減を図ることができる。即ち、第1トルクダウン制御と第2トルクダウン制御とを適宜に選択することができ、アップシフト変速の状況に応じてトルクダウン制御の最適化を図ることができるので、総じてアップシフト変速における変速ショックの低減を図ることができる。
請求項2に係る本発明によると、第1トルクダウン制御によりイナーシャトルクを吸収不能であることを判定し、かつ所定量以上の減速加速度が発生しないと判定された場合に第2トルクダウン制御の実行を選択するので、第2トルクダウン制御を実行することで、より大きな変速ショックを招いてしまうことを防止することができ、総じてアップシフト変速における変速ショックの低減を図ることができる。
請求項3に係る本発明によると、アクセル開度が所定開度の範囲内で、かつ出力軸の回転数が所定回転数の範囲内である際に、第1トルクダウン制御によりイナーシャトルクを吸収不能であることを判定することができる。
請求項4に係る本発明によると、入力軸に入力される入力トルクが出力軸の回転数に応じて設定された入力トルク閾値以下である際に、所定量以上の減速加速度が発生しないことを判定することができる。
請求項5に係る本発明によると、変速段の保持が解除された際に実行されたアップシフト変速であることが判定された場合に、第1トルクダウン制御又は第2トルクダウン制御の選択を行うので、第1トルクダウン制御によりイナーシャトルクが吸収不能となる場合、即ち、変速前後の回転数差が大きく、かつ駆動源の出力トルクが小さい場合が生じ易い状況で、効果的にトルクダウン制御の選択を行うことができる。
請求項6に係る本発明によると、変速段の保持が解除されてから所定時間以内のアップシフト変速であるか否かに基づいて、変速段の保持が解除された際に実行されたアップシフト変速であるか否かを判定することができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図面に沿って説明する。
まず、本発明を適用し得る自動変速機3の概略構成について図1に沿って説明する。図1に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車輌に用いて好適な自動変速機3は、エンジン(駆動源)2(図4参照)に接続し得る自動変速機の入力軸8を有しており、該入力軸8の軸方向を中心としてトルクコンバータ4と、自動変速機構5とを備えている。
上記トルクコンバータ4は、自動変速機3の入力軸8に接続されたポンプインペラ4aと、作動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が伝達されるタービンランナ4bとを有しており、該タービンランナ4bは、上記入力軸8と同軸上に配設された上記自動変速機構5の入力軸10に接続されている。また、該トルクコンバータ4には、ロックアップクラッチ7が備えられており、該ロックアップクラッチ7が係合されると、上記自動変速機3の入力軸8の回転が自動変速機構5の入力軸10に直接伝達される。
上記自動変速機構5には、入力軸10上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2、及びリングギヤR2を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合するショートピニオンPSとを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、ミッションケース9に一体的に固定されている不図示のボス部に接続されて回転が固定されている。また、上記リングギヤR1は、上記入力軸10の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっている。更に上記キャリヤCR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するリングギヤR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、クラッチC−1及びクラッチC−3に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、バンドブレーキからなるブレーキB−1に接続されてミッションケースに対して固定自在となっていると共に、上記クラッチC−3に接続され、該クラッチC−3を介して上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、クラッチC−1に接続されており、上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、入力軸10の回転が入力されるクラッチC−2に接続され、該クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及びブレーキB−2に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケースに対して一方向の回転が規制されると共に、該ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR2は、カウンタギヤ(出力軸)11に接続されており、該カウンタギヤ11は、不図示のカウンタシャフト、ディファレンシャル装置を介して駆動車輪に接続されている。
つづいて、上記構成に基づき、自動変速機構5の変速動作(伝達経路の変更)について図1、図2及び図3に沿って説明する。なお、図3に示す速度線図において、縦軸方向はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転数を示しており、横軸方向はそれら回転要素のギヤ比に対応して示している。また、該速度線図のプラネタリギヤSPの部分において、縦軸は、図3中左方側から順に、サンギヤS1、キャリヤCR1、リングギヤR1に対応している。更に、該速度線図のプラネタリギヤユニットPUの部分において、縦軸は、図3中右方側から順に、サンギヤS3、リングギヤR2、キャリヤCR2、サンギヤS2に対応している。
例えばD(ドライブ)レンジであって、前進1速段(1ST)では、図2に示すように、クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−1が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、キャリヤCR2の回転が一方向(正転回転方向)に規制されて、つまりキャリヤCR2の逆転回転が防止されて固定された状態になる。すると、サンギヤS3に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進1速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
なお、エンジンブレーキ時(コースト時)には、ブレーキB−2を係止してキャリヤCR2を固定し、該キャリヤCR2の正転回転を防止する形で、上記前進1速段の状態を維持する。また、該前進1速段では、ワンウェイクラッチF−1によりキャリヤCR2の逆転回転を防止し、かつ正転回転を可能にするので、例えば非走行レンジから走行レンジに切換えた際の前進1速段の達成を、ワンウェイクラッチF−1の自動係合により滑らかに行うことができる。
前進2速段(2ND)では、図2に示すように、クラッチC−1が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、キャリヤCR2がサンギヤS3よりも低回転の減速回転となり、該サンギヤS3に入力された減速回転が該キャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進2速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進3速段(3RD)では、図2に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−3の係合によりキャリヤCR1の減速回転がサンギヤS2に入力される。つまり、サンギヤS2及びサンギヤS3にキャリヤCR1の減速回転が入力されるため、プラネタリギヤユニットPUが減速回転の直結状態となり、そのまま減速回転がリングギヤR2に出力され、前進3速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進4速段(4TH)では、図2に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−2が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−2に係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS3に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、上記前進3速段より高い減速回転となってリングギヤR2に出力され、前進4速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進5速段(5TH)では、図2に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS2に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、入力回転より僅かに高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進5速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進6速段(6TH)では、図2に示すように、クラッチC−2が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、固定されたサンギヤS2によりキャリヤCR2の入力回転が上記前進5速段より高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進6速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
後進1速段(REV)では、図2に示すように、クラッチC−3が係合され、ブレーキB−2が係止される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、ブレーキB−2の係止によりキャリヤCR2の回転が固定される。すると、サンギヤS2に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、後進1速段としての逆転回転がカウンタギヤ11から出力される。
なお、例えばP(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジでは、クラッチC−1、クラッチC−2、及びクラッチC−3、が解放される。すると、キャリヤCR1とサンギヤS2及びサンギヤS3との間、即ちプラネタリギヤSPとプラネタリギヤユニットPUとの間が切断状態となり、かつ、入力軸10とキャリヤCR2との間が切断状態となる。これにより、入力軸10とプラネタリギヤユニットPUとの間の動力伝達が切断状態となり、つまり入力軸10とカウンタギヤ11との動力伝達が切断状態となる。
つづいて、本発明に係る自動変速機の制御装置1の概略構成について図4に沿って説明する。
図4に示すように、本自動変速機の制御装置1は、制御部(ECU)20を有しており、該制御部20は、アクセル開度センサ71、出力軸回転数(車速)センサ72、マニュアル変速操作部75などが接続されている。該制御部20には、変速保持手段22を有する変速実行手段21、変速判断手段23、変速マップmap、保持解除タイマ24aを有する保持解除変速判定手段24、吸収可能判定手段25、ショック発生判定手段26、第1トルクダウン制御27a又は第2トルクダウン制御27bを実行し得るトルクダウン制御手段27、トルクダウン制御選択手段28、が備えられている。
なお、油圧制御装置6には、制御部20(変速実行手段21)からの電子指令によって油圧を調圧出力し得る複数のリニアソレノイドバルブ(不図示)が備えられており、上述した自動変速機構5のクラッチC−1、C−2、C−3、ブレーキB−1、B−2のそれぞれの油圧サーボ(不図示)に係合圧を自在に調圧することで、それらクラッチやブレーキの係合・解放状態を自在に制御し、つまり変速段を変更自在に制御し得るように構成されている。
上記変速判断手段23は、例えば図示を省略したシフトレバーの操作位置等に基づき自動変速モードの状態であると、アクセル開度センサ71により検出されるアクセル開度θd及び出力軸回転数センサ72により検出される出力軸回転数No(即ち、車速V)に基づき(つまり走行状態に基づき)変速マップmapを参照し、自動変速モードにおける最適な変速(変速段)を判断する。なお、変速マップmapには、予め各変速段に対する変速点(アップシフト点及びダウンシフト点)が、アクセル開度θdと出力軸回転数Noとに対応付けられて記録されている(例えば図6参照)。
上記変速実行手段21は、自動変速モードにあって上記変速判断手段23により変速が判断された際、或いは例えばシフトレバーの操作位置等に基づく手動変速モードにあって上記マニュアル変速操作部75が操作された際、油圧制御装置6に電子指令してクラッチC−1、C−2、C−3、ブレーキB−1、B−2の掴み換え変速を実行する。
上記変速保持手段22は、例えば上記手動変速モードの際、コーナ走行中や登降坂路走行中等にあって一時的に変速を禁止した際など、自動変速モードにおける変速判断手段23により判断された変速と相違した変速段に保持する制御(ギヤ段保持制御)を行う。なお、変速保持手段22は、例えば手動変速モード等にあって変速段を保持し続けてオーバーレブやエンジンストップ等を招く虞がある場合、変速段の保持を強制的に解除して、例えば変速判断手段23により判断された(自動変速モードの)変速段に変速する。
上記保持解除変速判定手段24は、上記変速保持手段22によるギヤ段保持制御が終了して解除された際に、保持していた変速段と変速判断手段23により判断された(自動変速モードの)変速段とが相違していることによって実行された変速であるか、単に変速判断手段23により判断された変速であるかを判定する。詳細には、上記変速保持手段22によるギヤ段保持制御が終了した際に保持解除タイマ24aによる計時を開始し、所定時間T以内に変速が実行されたか否かによって、変速段の保持が解除された際に実行された変速であるか否かを判定する。
一方、トルクダウン制御手段27は、上記変速実行手段21による掴み換え変速の指令に応じて、エンジン2に例えば燃料噴射の停止ないし抑制(フューエルカット)の指令、或いはスパークタイミングの遅角制御の指令などを出力し、特にアップシフト変速中におけるイナーシャトルク吸収のためにエンジン2のトルクダウン制御を行う。このトルクダウン制御手段27は、詳しくは後述するようにイナーシャ相においてトルクダウンを実行する第1トルクダウン制御27aと、トルク相(イナーシャ相の開始前)からイナーシャ相にかけて、つまり該第1トルクダウン制御よりも長時間のトルクダウンを実行する第2トルクダウン制御27bと、の2種類を選択的に実行し得る。
また、吸収可能判定手段25は、アップシフト変速中のイナーシャ相にて発生するイナーシャトルクを、第1トルクダウン制御27aによるエンジン2のトルクダウンだけで吸収可能であるか否かを判定する。具体的には、出力軸回転数Noが高いほど変速前後の回転数差が大きくてイナーシャトルクが大きくなり、アクセル開度θdが低いほどエンジン2によるトルクダウン量の限界が小さくなるので、上述のように吸収可能であるか否かを判定する閾値は、変速マップmapの所定領域で規定される。即ち、本実施の形態において吸収可能判定手段25は、現在の出力軸回転数Noとアクセル開度θdとの関係が変速マップmapの所定領域にあるかを参照することで、イナーシャトルクが吸収可能であるか否かを判定することになる。例えば3−4アップシフト変速であれば、図6に示す領域Eにある場合に吸収不能であることが判定されることになる。
なお、図6において、領域Eの境界である出力軸回転数No1未満の領域は、発生するイナーシャトルクが小さい(許容し得る)領域であり、領域Eの境界である出力軸回転数No2以上の領域は、前進3速段におけるオーバーレブ領域であり、領域Eよりも小さいアクセル開度の領域では、エンジン2の出力トルクが小さくてトルクダウン自体が不可能な領域であり、一方の領域Eよりも大きいアクセル開度の領域では、エンジン2の出力トルクが充分高いので、第1トルクダウン制御27a(イナーシャ相だけのトルクダウン)によりイナーシャトルクを吸収可能な領域である。
また、ショック発生判定手段26は、アップシフト変速の特にトルク相にてトルクダウンを実行した場合に所定量以上の変速ショック、即ち、所定量以上の減速加速度が発生するか否かを判定する。具体的には、出力軸回転数Noが高いほどトルクダウンを実行した場合の変速ショック(減速感)が小さくなり、入力軸10に入力される入力トルク(即ちアクセル開度θd)が高いほどトルクダウンを実行した場合の変速ショック(減速感)が大きくなるので、上述のように所定量以上の変速ショック(減速加速度)が発生するか否かを判定する閾値は、変速マップmapの所定領域で規定される。即ち、本実施の形態においてショック発生判定手段26は、現在の出力軸回転数Noとアクセル開度θdとの関係に基づき、変速マップmapの所定閾値以下にあるかを参照することで、イナーシャトルクが吸収可能であるか否かを判定することになる。例えば3−4アップシフト変速であれば、図6に示すように、出力軸回転数No(車速V)に応じてアクセル開度θd(変速ショックを許容し得る大きさ)が大きくなる閾値(入力トルク閾値)Vθd以下にあるか否かを判定する。
なお、この閾値Vθdは、第1トルクダウン制御27aにより吸収できなかったイナーシャトルク分による変速ショック(加速方向の加速度)よりも、第2トルクダウン制御27bを実行することで生じてしまう変速ショック(減速方向の加速度)の方が大きくなってしまう(加速度の絶対値が大きくなってしまう)ような値に設定することが好ましい。
従って、例えば3−4アップシフト変速にあって、第1トルクダウン制御27a(イナーシャ相だけのトルクダウン)によりイナーシャトルクを吸収することが不能であり、かつ第2トルクダウン制御27bを実行した方が変速ショックが小さい領域は、図6に示す領域Dとなる。また、例えば変速段が前進3速段であって、アクセル開度θd及び出力軸回転数Noがこの領域D(領域Eも同様)にある状況とは、3−4UPの変速点を越えて変速段が保持されていた状況であり、つまり上述した変速保持手段22によりギヤ段保持制御が行われた後、その制御が解除された際に実行されるアップシフト変速にあって、第1トルクダウン制御27aによりイナーシャトルクを吸収することが不能なアップシフト変速が生じることになり、言い換えると、ギヤ段保持制御が解除された際のアップシフト変速において、第2トルクダウン制御27bを選択した方が好ましい状況が生じることになる。
そして、上記トルクダウン制御選択手段28は、上述した保持解除変速判定手段24が、ギヤ段保持制御が解除された際に実行されたアップシフト変速であることを判定すると、上記吸収可能判定手段25の判定結果(第1トルクダウン制御27aによりイナーシャトルクを吸収し得るか否か)と、上記ショック発生判定手段26の判定結果(トルク相にトルクダウンを実行して変速ショックが生じるか否か)とに基づき(つまり変速マップmapの領域Dにあるか否かに基づき)、当該アップシフト変速におけるトルクダウン制御として、第1トルクダウン制御27a又は第2トルクダウン制御27bを選択し、トルクダウン制御手段27に指令する。
ついで、上記説明した図4に示す自動変速機の制御装置1による制御を、図5に示すフローチャートと、図7及び図8に示す2種類のアップシフト変速の例示とを用いて説明する。
本自動変速機の制御装置1により制御中にあって(図6のS1)、図7に示すように、例えばマニュアル変速操作部75の操作入力に基づく手動変速モード、つまり変速保持手段22によるギヤ段保持制御により前進3速段に保持された状態から、時点t1に例えば自動変速モードに移行されてギヤ段保持制御が解除されると(図6のS2)、変速判断手段23がアクセル開度θd及び出力軸回転数Noに基づき変速マップmapを参照して3−4アップシフト変速を判断し、変速実行手段21は、時点t2に3−4アップシフト変速を開始する。
この際、保持解除変速判定手段24は、ギヤ段保持制御が解除された時点t1に保持解除タイマ24aの計時を開始し(図6のS3)、所定時間T以内に変速実行手段21が3−4アップシフト変速を開始したか否かを判定する(図6のS4)。なお、例えば所定時間T以内にアップシフト変速が開始されない場合には(図6のS4のNO)、ギヤ段保持制御が解除されたことにより発生したアップシフト変速ではなく、つまり変速マップmapにおける変速点に従った変速であるので、トルクダウン制御手段27は、通常通りイナーシャ相において第1トルクダウン制御27aを実行する(図6のS7)。
一方、図7に示すように、例えば所定時間T以内にアップシフト変速が開始された場合には(図6のS4のYES)、ギヤ段保持制御が解除されたことにより発生したアップシフト変速であるので、吸収可能判定手段25により条件Aを、ショック発生判定手段26により条件Bをそれぞれ判定する(図6のS5)。即ち、上述したように吸収可能判定手段25は、ギヤ段保持制御により前進3速段に保持されていた結果、アクセル開度θd及び出力軸回転数Noが図6に示す変速マップmapの領域Eにあるか否かを判定し、つまりイナーシャ相のエンジントルクダウン(第1トルクダウン制御27a)によりイナーシャトルクを吸収不能であるか否かを判定する。
また、上述したようにショック発生判定手段26は、ギヤ段保持制御により前進3速段に保持されていた結果、アクセル開度θd及び出力軸回転数Noが図6に示す変速マップmapの閾値Vθd以下にあるか否かを判定し、つまりトルク相のエンジントルクダウン(第2トルクダウン制御27b)による減速度が所定量以下であるか否かを判定する。
上記吸収可能判定手段25及びショック発生判定手段26により、これら条件A及び条件Bが成立していないと判定された場合(図6のS5のNO)、即ちアクセル開度θd及び出力軸回転数Noが図6に示す領域D以外にある場合は、つまり第1トルクダウン制御27aによりイナーシャトルクの吸収が可能であるか、或いは第2トルクダウン制御27bを実行すると変速ショックが大きくなってしまう場合であるので、それを受けてトルクダウン制御選択手段28は第1トルクダウン制御27aを選択し、トルクダウン制御手段27は該第1トルクダウン制御27aを実行する(図6のS7)。
即ち、変速実行手段21は、時点t2からクラッチC−4の係合制御とクラッチC−3の解放制御とを開始し、クラッチC−4及びクラッチC−3を滑らせつつトルク分担をクラッチC−3からクラッチC−4に移行し(トルク相)、時点t4からクラッチC−3を解放しつつクラッチC−4を係合して実際に入力軸回転数Ninを変化させるように(イナーシャ相)、変速を実行する。
この際、トルクダウン制御手段27は、図7に示すように、時点t4においてイナーシャ相が開始されると略々同時にトルクダウン指令(要求)をエンジン2に出力し、それを受けたエンジン2は例えばスパークタイミングの遅角制御等により出力トルクを低下させる。これにより、駆動車輪に出力される駆動力は、イナーシャ相におけるイナーシャトルクとエンジン2のトルクダウンとが相殺される形となり、変速ショックの発生が防止される。
その後、例えば時点t5において、入力軸回転数Ninが、前進4速段のギヤ比に基づく変速後の入力軸回転数との差分ΔNin以内になったことを検出すると、トルクダウン制御手段27は、実際にイナーシャ相の終了が推定される時点t5’にトルクダウン指令が終了するように制御し、変速実行手段21は、クラッチC−3を完全に解放すると共にクラッチC−4の係合を完了し(完了制御)、時点t6において3−4アップシフト変速が終了する(図6のS8)。
一方、図8に示すように、時点t1においてギヤ段保持制御が解除され(図6のS2)、変速判断手段23がアクセル開度θd及び出力軸回転数Noに基づき変速マップmapを参照して3−4アップシフト変速を判断し、変速実行手段21が、時点t2に3−4アップシフト変速を開始すると、同様に、保持解除変速判定手段24は、保持解除タイマ24aの計時を開始し(図6のS3)、所定時間T以内に変速実行手段21が3−4アップシフト変速を開始したか否かを判定する(図6のS4)。
ここで、例えば所定時間T以内にアップシフト変速が開始され(図6のS4のYES)、ギヤ段保持制御が解除されたことにより発生したアップシフト変速であると判定されると、上述したように、吸収可能判定手段25により条件Aを、ショック発生判定手段26により条件Bをそれぞれ判定する(図6のS5)。この際、上記吸収可能判定手段25及びショック発生判定手段26により、これら条件A及び条件Bが成立していると判定された場合(図6のS5のYES)、即ちアクセル開度θd及び出力軸回転数Noが図6に示す領域Dの範囲内にある場合は、つまり第1トルクダウン制御27aによりイナーシャトルクが吸収不能であり、かつ第2トルクダウン制御27bを実行しても変速ショックが大きくなることはないので、それを受けてトルクダウン制御選択手段28は第2トルクダウン制御27bを選択し、トルクダウン制御手段27は該第2トルクダウン制御27bを実行する(図6のS6)。
即ち、変速実行手段21は、時点t2からクラッチC−4の係合制御とクラッチC−3の解放制御とを開始し、時点t3においてクラッチC−4及びクラッチC−3を滑らせつつトルク分担をクラッチC−3からクラッチC−4に移行し(トルク相)、時点t4からクラッチC−3を解放しつつクラッチC−4を係合して実際に入力軸回転数Ninを変化させるように(イナーシャ相)、変速を実行する。
この際、トルクダウン制御手段27は、図8に示すように、時点t3においてトルク相が開始されると略々同時にトルクダウン指令(要求)をエンジン2に出力し、それを受けたエンジン2はフューエルカットを行って出力トルクを低下させる。これにより、トルク相にあってエンジン2の出力トルクが低下し、エンジン回転数が下がることで入力軸回転数Ninも低下を開始し、時点t4のイナーシャ相の開始までに変速前後の回転数差を小さくすることができる。従って、図8に示すように、時点t4から実際のイナーシャ相が開始されても変化する回転数差が小さく、図7に示すイナーシャトルクよりも、イナーシャトルク発生量が小さくなる。
その後、例えば時点t5において、入力軸回転数Ninが、前進4速段のギヤ比に基づく変速後の入力軸回転数との差分ΔNin以内になったことを検出すると、トルクダウン制御手段27は、トルクダウン指令(フューエルカット)が終了するように制御し、変速実行手段21は、クラッチC−3を完全に解放すると共にクラッチC−4の係合を完了し(完了制御)、時点t6において3−4アップシフト変速が終了する(図6のS8)。
以上説明した本発明に係る自動変速機の制御装置1によると、吸収可能判定手段25によりイナーシャ相中にてエンジン2にトルクダウン指令を出力する第1トルクダウン制御27aによりイナーシャトルクを吸収可能であると判定したことに基づき、トルクダウン制御選択手段28が該第1トルクダウン制御27aを選択してトルクダウン制御手段27に実行させ、吸収可能判定手段25により第1トルクダウン制御27aでイナーシャトルクを吸収不能であると判定したことに基づき、トルクダウン制御選択手段28がトルク相(イナーシャ相の開始前)から該イナーシャ相中にてエンジン2にトルクダウン指令を出力する第2トルクダウン制御27bを選択してトルクダウン制御手段27に実行させるので、通常はイナーシャ相におけるエンジン2のトルクダウンにより変速ショックの低減を図り、かつイナーシャ相におけるエンジン2のトルクダウンによりイナーシャトルクを吸収できない場合は、トルク相からのトルクダウンにより変速ショックの低減を図ることができる。即ち、第1トルクダウン制御27aと第2トルクダウン制御27bとを適宜に選択することができ、アップシフト変速の状況に応じてトルクダウン制御の最適化を図ることができるので、総じてアップシフト変速における変速ショックの低減を図ることができる。
また、吸収可能判定手段25により第1トルクダウン制御27aによりイナーシャトルクを吸収不能であることを判定し、かつショック発生判定手段26により所定量以上の減速加速度が発生しないと判定された場合に、トルクダウン制御選択手段28が第2トルクダウン制御27bの実行を選択するので、第2トルクダウン制御27bを実行することで、より大きな変速ショックを招いてしまうことを防止することができ、総じてアップシフト変速における変速ショックの低減を図ることができる。
また、具体的に吸収可能判定手段25は、アクセル開度θdが所定開度の範囲内でかつ出力軸回転数Noが所定回転数の範囲内である際、即ちアクセル開度θd及び出力軸回転数Noが領域Eの範囲内にある際に、第1トルクダウン制御27aではイナーシャトルクを吸収不能であることを判定することができる。
更に具体的にショック発生判定手段26は、入力軸に入力される入力トルク(即ちアクセル開度θd)が出力軸回転数Noに応じて設定された閾値Vθd以下である際に、所定量以上の減速加速度が発生しないことを判定することができる。
また、保持解除変速判定手段24が、ギヤ段保持制御が解除された際に実行されたアップシフト変速であることを判定した場合に、第1トルクダウン制御27a又は第2トルクダウン制御27bの選択を行うので、第1トルクダウン制御27aによりイナーシャトルクが吸収不能となる場合、即ち、変速前後の入力軸回転数差が大きく、かつエンジン2の出力トルクが小さい場合が生じ易い状況で、効果的にトルクダウン制御の選択を行うことができる。
更に、保持解除変速判定手段24は、ギヤ段保持制御が解除されてから所定時間T以内のアップシフト変速であるか否かに基づいて、ギヤ段保持制御が解除された際に実行されたアップシフト変速であるか否かを判定することができる。
なお、以上説明した本実施の形態においては、本制御装置1を適用し得る自動変速機3として、前進6速段及び後進1速段を達成し得る多段式の自動変速機を一例として説明したが、これに限らず、摩擦係合要素の掴み換えによりアップシフト変速を行ってトルク相とイナーシャ相とが生じるような自動変速機であれば、どのようなものでも本発明を適用し得る。
また、本実施の形態においては、吸収可能判定手段25やショック発生判定手段26が、アクセル開度θd及び出力軸回転数Noに基づき変速マップmapを参照することで、それぞれ判定を行うものを説明したが、これに限らず、演算によって判定するようにしてもよい。例えば吸収可能判定手段25は、変速前後の入力軸回転数の差や変速予想時間等からイナーシャトルクの発生量を算出することができ、エンジン2の出力状態から可能なトルクダウン量を算出することができる。また、例えばショック発生判定手段26は、トルク相における摩擦係合要素のトルク伝達容量にトルクダウン量を乗算することで減速度を算出し、所定の減速度と比較することができる。
また、本実施の形態においては、トルクダウン制御手段27が、エンジン2に対して、フューエルカットやスパークタイミングの遅角制御などを指令してトルクダウン制御を行うものを説明したが、例えばエンジン2の空気吸入弁の絞りを制御する等であってもよく、つまりエンジン2のトルクダウン制御が可能であれば、どのような制御であってもよい。
本発明を適用し得る自動変速機を示すスケルトン図。 自動変速機構の係合表。 自動変速機構の速度線図。 本発明に係る自動変速機の制御装置を示すブロック図。 本発明に係るトルクダウン制御を示すフローチャート。 変速マップにおける各領域を説明する図。 第1トルクダウン制御を実行したアップシフト変速の一例を示すタイムチャート。 第2トルクダウン制御を実行したアップシフト変速の一例を示すタイムチャート。
符号の説明
1 自動変速機の制御装置
2 駆動源(エンジン)
3 自動変速機
10 入力軸
11 出力軸
22 変速保持手段
23 変速判断手段
24 保持解除変速判定手段
25 吸収可能判定手段
26 ショック発生判定手段
27 トルクダウン制御手段
27a 第1トルクダウン制御
27b 第2トルクダウン制御
28 トルクダウン制御選択手段
Nin 入力軸の回転数
No 出力軸の回転数
T 所定時間
Vθd 入力トルク閾値(アクセル開度閾値)
θd アクセル開度

Claims (6)

  1. 駆動源に接続される入力軸と、駆動車輪に接続される出力軸と、これら入力軸と出力軸との間の伝達経路を変更する複数の摩擦係合要素と、を備え、前記複数の摩擦係合要素の掴み換えにより前記伝達経路を変更することで変速を行う自動変速機の制御装置において、
    アップシフト変速中にあって前記入力軸の回転数が変化するイナーシャ相中にて前記駆動源にトルクダウン指令を出力する第1トルクダウン制御と、前記イナーシャ相の開始前から該イナーシャ相中にて前記駆動源にトルクダウン指令を出力する第2トルクダウン制御と、を実行し得るトルクダウン制御手段と、
    前記アップシフト変速のイナーシャ相にて発生するイナーシャトルクを、前記第1トルクダウン制御による前記駆動源のトルクダウンにより吸収可能であるか否かを判定する吸収可能判定手段と、
    前記吸収可能判定手段が前記第1トルクダウン制御により前記イナーシャトルクを吸収可能であると判定したことに基づき、前記第1トルクダウン制御の実行を選択し、前記吸収可能判定手段が前記第1トルクダウン制御により前記イナーシャトルクを吸収不能であると判定したことに基づき、前記第2トルクダウン制御の実行を選択するトルクダウン制御選択手段と、を備えた、
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記第2トルクダウン制御の実行により所定量以上の減速加速度が発生するか否かを判定するショック発生判定手段を備え、
    前記トルクダウン制御選択手段は、前記吸収可能判定手段が前記第1トルクダウン制御により前記イナーシャトルクを吸収不能であることを判定し、かつ前記ショック発生判定手段により前記所定量以上の減速加速度が発生しないと判定された場合に、前記第2トルクダウン制御の実行を選択する、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記吸収可能判定手段は、アクセル開度が所定開度の範囲内で、かつ前記出力軸の回転数が所定回転数の範囲内である際に、前記第1トルクダウン制御によりイナーシャトルクを吸収不能であることを判定してなる、
    ことを特徴とする請求項2記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記ショック発生判定手段は、前記入力軸に入力される入力トルクが、前記出力軸の回転数に応じて設定された入力トルク閾値以下である際に、前記所定量以上の減速加速度が発生しないことを判定してなる、
    ことを特徴とする請求項2または3記載の自動変速機の制御装置。
  5. 走行状態に基づき変速を判断する変速判断手段と、
    前記変速判断手段により判断される変速と相違した変速段に保持し得る変速保持手段と、
    前記変速保持手段による変速段の保持が解除された際に実行されたアップシフト変速であるか否かを判定する保持解除変速判定手段と、を備え、
    前記トルクダウン制御選択手段は、前記保持解除変速判定手段により前記変速段の保持が解除された際に実行されたアップシフト変速であることが判定された場合に、前記第1トルクダウン制御又は前記第2トルクダウン制御の選択を行ってなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記保持解除変速判定手段は、前記変速段の保持が解除されてから所定時間以内のアップシフト変速であるか否かに基づき、前記変速段の保持が解除された際に実行されたアップシフト変速であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項5記載の自動変速機の制御装置。
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