JPH05263911A - 自動変速機の変速ショック低減制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速ショック低減制御装置

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JPH05263911A
JPH05263911A JP6318392A JP6318392A JPH05263911A JP H05263911 A JPH05263911 A JP H05263911A JP 6318392 A JP6318392 A JP 6318392A JP 6318392 A JP6318392 A JP 6318392A JP H05263911 A JPH05263911 A JP H05263911A
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JP
Japan
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torque
ignition timing
phase
inertia phase
automatic transmission
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Application number
JP6318392A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kuroiwa
弘 黒岩
Yasunori Mori
康典 毛利
Matsuo Amano
松男 天野
Naoyuki Ozaki
直幸 尾崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】自動変速機付き自動車の変速ショックを、エン
ジン出力の微細電子制御により極力小さくし、運転者お
よび乗員に不快感をあたえない乗り心地を提供する制御
装置を開示することにある。 【構成】エンジン,ATを電子制御する制御装置によ
り、変速ショックの生ずる複数の時期を検知するととも
に、そのショックを減ずるようにエンジン出力を制御す
るようにした制御装置。 【効果】自動変速機付き自動車の変速ショックが大幅に
低減でき、快適な乗り心地の自動車を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御装
置に係り、特に変速ショックを低減する制御に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機での変速動作は、変速歯車機
構の動力伝達経路を複数の摩擦締結要素の選択的作動に
よって切り換えることにより実行される。この変速動作
は、変速歯車機構に制動力が作用して自動変速機の出力
トルクが急降下する前半のトルクフェーズと、変速比の
急変による回転数急変に伴う上記変速歯車機構に作用す
る慣性力により出力トルクが急増する後半のイナーシャ
フェーズの2つの大きく挙動が異なるフェーズによって
構成されている。したがって、変速ショックを低減する
には、前半のトルクフェーズのトルクの落ち込みの抑止
と、後半のイナーシャフェーズのトルクの急増抑止とが
必要である。その為にはまた、上記トルクフェーズとイ
ナーシャフェーズを分離して検出する手段も必要であ
る。この検出手段としては、特開平1−261559 号等に開
示されている自動変速機の出力トルクを検出するトルク
センサや、車体の前後加速度を検出するいわゆるGセン
サが有効であることが公知である。また、トルクフェー
ズのトルクの落ち込みの抑止を狙ったものとしては、特
開昭63−90635 号のように、トルクフェーズの期間だけ
エンジンの点火時期を所定値進め、エンジンのトルクア
ップによりこれを成さしめるようにしたものがある。し
かし、点火時期特性がMBT(ベストトルクが得られる
最小点火時期)になっているエンジンではこの方法はあ
まり有効ではない。また、特公昭63−53388 号では変速
開始指令後にエンジンの点火時期を徐々に遅角させてエ
ンジン出力トルクを減少させ、エンジンの慣性モーメン
トを小さくするすることにより変速ショックを低減する
ことが開示されている。しかし、上記のごとくエンジン
出力トルクを減少させるのみでは、トルクフェーズのト
ルクの落ち込みの抑止にはあまり有効とは云えないが、
イナーシャフェーズのトルクの急増抑止には有効とな
る。また、イナーシャフェーズのトルクの急増抑止を狙
ったものとしては、特開昭60−227049号等に見られるよ
うに、このフェーズ間、エンジンの点火時期を遅角させ
る等してエンジン出力トルクを減少させるようにしたも
のが多数開示されている。
【0003】このように変速ショックを低減する方法は
多数開示されているが、下記の三点について全体的に考
慮を払っているものは少ない。変速ショックとして人間
が感ずるのは、トルクフェーズでのトルクの落ち込み
量、すなわち、第一のトルク落差による負の加速度と、
このトルクボトム点からイナーシャフェーズに入って急
増したトルクピーク点の第二のトルク落差による正の加
速度と、イナーシャフェーズ終了後に生ずる変速比分の
トルクの落ち込み量、すなわち、第三のトルク落差によ
る負の加速度の三つである。したがって、変速ショック
を人間が感じない程度までに効果的に低減するには、上
記した三つのトルク落差を極小化することが重要であ
る。
【0004】ここで従来の最も進歩的な、また、実用的
な制御の一例を図2を用いて説明する。図2はアクセル
ペダルを踏み込んで順次高速段側に変速、すなわち、ア
ップシフトした場合の変速ショック低減方法をタイムチ
ャートで示したものである。実線は旧来例、点線は従来
の最も進歩的な、また、実用的な制御の一例である。ま
ず、旧来例について説明する。アクセルペダルを踏み込
んで、絞り弁開度TVOが図示のごとくなった場合、車速
Vspが徐々に上昇し時刻t0 で変速点を横切り、変速
指令Fcが出る。それに伴って該当する変速段とすべく
所定の油圧制御用ソレノイドが作動し、当該のクラッチ
の作動油圧、すなわち、クラッチ油圧Pcを図示のごと
く徐々に上昇させる。時刻t1でPc1まで油圧が上昇す
ると、これまで締結していたクラッチが開放し始め、そ
れに伴ってミッション出力トルクToが低下し始め(ト
ルクフェーズ)、時刻t2でPc2まで油圧が上昇する
と、次段のためのクラッチが作動(締結)し始め、イナ
ーシャフェーズとなって再びトルクは急増する。この急
増したトルクは、当該のクラッチの締結保持限界トルク
(一般にはクラッチ容量と称されている)によって制約
され、ほぼ一定値となる。時刻t4でPc4まで油圧が上
昇すると、クラッチの締結が終了し、Toは新たな変速
比で定まる値となる。t1〜t2をトルクフェーズ(T.
Ph),t2〜t4 をイナーシャフェーズ(I.Ph)
と呼んでいる。このような旧来の特性に対して、従来の
ものでは点線のごとくしてTo特性を改善している。す
なわち、イナーシャフェーズを車速Vspとミッション
入力回転Ntとの比、変速比GRの変化で検出し、時刻
3〜t4間、エンジンの点火時期θsを所定値遅角(リ
タード)させ、イナーシャフェーズのトルクToを低減
させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術の方
策によりTo特性は大幅に改善されるが、変速ショック
はまだ人間に感じられる。この変速ショックとしては、
トルクフェーズでのトルクの落ち込み、イナーシャフェ
ーズでのトルクの急増、イナーシャフェーズ終了時のト
ルクの急減、の三つに大別される。本発明の目的とする
ところは、この三つのショックを低減し、運転者に不快
感を与えずにスムースに変速が実行されるよう自動変速
機を制御する方策を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した従来技術の課題
を解決するには、(1)トルクフェーズでのトルクの落
ち込みを極力小さくする(第一のトルク落差の低減)。
(2)トルクボトム点からイナーシャフェーズに入って
急増したトルクピーク点の第二のトルク落差の低減。
(3)イナーシャフェーズ終了時のトルクの落ち込み
量、すなわち、第三のトルク落差の低減。を行う必要が
ある。
【0007】(1)項に対しては、変速指令後、徐々に
エンジントルクを小さくし、トルクフェーズ開始点のT
oを小さくする、また、トルクフェーズではエンジント
ルクを大きくし、トルクボトム点のToを大きくする。
(2)項に対しては、イナーシャフェーズ開始点前後の
ミッション入力回転Ntの変化を極力小さくし(変速指
令後、徐々にエンジントルクを小さくする)、イナーシ
ャに伴うTo増加分を低減する。(3)項に対しては、
変速終了直後にエンジントルクを一時的に増加させるこ
とが有効である。もちろん、従来技術で実施しているイ
ナーシャフェーズでのエンジントルクダウンを併用する
ことは云うまでもない。
【0008】
【作用】上記した手段を用いることにより、トルクフェ
ーズにおけるトルク落ち込みを極力抑止することがで
き、イナーシャフェーズにおけるトルク急増を抑止でき
るとともに、イナーシャフェーズ終了時のトルク段差を
低減でき、変速ショックの極めて小さい制御を実現する
ことができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図1は本発明のシステム構成図である。1は
エンジン、2はAT、3はプロペラシャフト、4は終減
速機を兼ねる差動装置、5は駆動輪、6はATの油圧回
路、7はマイクロコンピュータを内蔵したATの電子制
御装置、ここではATCUと称す。8はマイクロコンピ
ュータを内蔵したエンジンの電子制御装置、ここではE
CUと称す。9はエアークリーナ、10はエアーフロー
センサ、11は絞り弁装置、12は吸入マニホールド、
13はインジェクタである。ATの内部はさらにトルク
コンバータ14とギアトレイン15に分かれており、両
者を接続する軸の回転数、すなわち、タービン回転数N
tを検出するタービンセンサ16と、ミッション出力軸
回転数検出センサ17が付設されている。ECU8には
クランク角センサ,エアーフローセンサ10,スロット
ルセンサ18等の情報が入力され、諸演算を実行して、
インジェクタ13に開弁駆動信号を出力し燃料量を制
御、また、アイドルスピードコントロールバルブ(IS
C)19に開弁駆動信号を出力し補正空気量を制御、ま
た、図示していないが、点火プラグに点火信号を出力し
点火時期を制御等、種々の制御を実行する。一方、AT
CU7にはミッション出力軸トルクを検出するトルクセ
ンサ,ミッション出力軸回転数検出センサ17,タービ
ンセンサ16,AT油温センサ等からの信号、および、
ECU8からのエンジン回転数,スロットル開度信号等
が入力され諸演算を実行して、油圧回路6に装着された
油圧制御,切り替え電磁弁20開弁駆動信号、ならび
に、ECU8にISC19駆動信号,点火時期修正信号
等を出力するようになっている。
【0010】図3は本発明の一実施例である最も簡易な
制御のタイムチャートを示したものである。実線が従来
例、点線が本発明の実施例である。まず、従来例につい
て説明する。変速指令Fcが時刻t0 で出ると、ATの
油圧回路の切り替え動作が開始され、時刻t1〜t2
(トルクフェーズ)でトルクToが急激に低下する。時
刻t2 に達すると目標変速ギアの締結が開始され、変速
比GRは目標変速ギアの変速比に向かって変化しだす。
これに伴ってエンジン回転数Ne,タービン回転数Nt
も変化しだす。時刻t4 になると目標変速ギアの締結が
終了し、変速比GRは目標変速ギアの変速比になる。こ
のt2〜t4間(イナーシャフェーズ)はトルクToが急
増するので、より進んだ従来例ではこの期間の点火時期
θsを遅角させ、エンジントルクTeを小さく抑えるこ
とによりToの急増を抑止している。
【0011】しかし、この従来例でも図示のごとくトル
クToの時間的な変化量が大きく、乗車している人間は
変速ショックとして感じてしまう。すなわち、図示のΔ
To1,ΔTo2,ΔTo3をさらに小さくする必要があ
る。そのため図3に示す本発明では、次に示すような方
策を用いている。変速指令Fcが時刻t0 で出ると、点
火時期θsを徐々に遅角させ、エンジントルクTeを徐
々に低下させることによりToを徐々に低下させ、時刻
1〜t2間のトルク落差をΔTo1′と小さくする。こ
の場合、エンジントルクTeを徐々に低下させることに
より、Ntの上昇も抑止される。時刻t1 以後、トルク
フェーズに入っても点火時期θsを徐々に遅角させてい
ると、t2 におけるTo、すなわち、トルクフェーズボ
トムトルクは従来例よりもさらに小さくなり、t1 〜t
2 間のトルク落差はΔTo1と従来例と変わりなくなっ
てしまう。したがって、本発明ではこのトルクフェーズ
期間(t1〜t2)、点火時期θsを徐々に進角させ従来
と同等程度まで復帰させ、トルクフェーズボトムトルク
を従来と同等程度とすることによりトルク落差をΔTo
1′と小さくさせている。イナーシャフェーズ開始時の
トルク落差は、時刻t2を境界としたNtの時間的変化
量の大きさに依存する。すなわち、時刻t2までのNt
の時間的上昇率が大きく、時刻t2 後のNtの時間的下
降率が大きいほどイナーシャフェーズ開始時のトルク落
差は大きくなる。したがって、本発明のごとくt0〜t2
間のNtの時間的上昇率を極力抑えたもの、すなわち、
同時にイナーシャフェーズ期間のNtの時間的下降率極
力抑えたものにおいては、必然的にこのトルク落差は小
さくなり、図示のごとくΔTo2′と小さくなる。ま
た、同時に、イナーシャフェーズ終了時のトルク落差も
ΔTo3→ΔTo3′と小さくなる。
【0012】図4は図3に示した本発明の制御フローの
一例である。ここでの制御はATCU7で実行させる場合を
例にとっている。ブロック20でスロットル開度信号T
VO、エンジン回転数信号NeをECU8から入力し、
ブロック21ではATCU7内からタービン回転数信号
Nt,車速信号Vsp、及び、ミッション出力軸トルク
To(車体前後加速度gでも可)を入力する。ブロック2
2では、これらの入力情報をもとにアップシフトかどう
か判定し、Yesの場合、ブロック23に進み、変速フ
ラグFcをセットする。そして、ブロック24では、E
CUに点火時期を任意の所定値Δθs1だけリタード要
求することを決定する。つぎにブロック25で、変速フ
ラグFcをセット後の毎回サンプリングしたミッション
出力軸トルクToの信号の絶対値を監視し、今回の前ま
でのTo値の時間的な変化特性から類推される今回のT
o予想値に対し、今回のサンプリングトルク値Toが任
意の所定偏差以上、すなわち、To予想値より大幅に小
さいかどうか判定し、To予想値とほぼ同等な場合はま
だトルクフェーズではないと判別しブロック26に進
む。一方、To予想値より大幅に小さい場合、トルクフ
ェーズに入ったと判別しブロック27に進む。ブロック
26に進んだ場合、ECUに点火時期を任意の所定値Δ
θs1だけリタード要求するよう出力する。ECU8で
はこの要求信号に応じて、前回の点火時期値θsにΔθ
s1だけ加算してリタードした点火時期を点火装置に出
力させるとともに、ブロック28に進みFcフラグがセ
ットされているかどうかチェックする。その後、ブロッ
ク22に戻り、アップシフトかどうか判定する。Fcフ
ラグがセットされている場合はアップシフト中と判断
し、ブロック23を素通りしてブロック24に進む。F
cフラグがセットされていない場合はアップシフト終了
と判断してブロック29のメインルーチン制御に戻る。
ブロック23を素通りしてブロック24に進んだ場合、
前回の点火時期値θs+Δθs1をさらにリタードすべ
く、Δθs1のリタード要求を決定し、ブロック25〜
26を経由してECU8では、前回の点火時期値θs+
Δθs1に今回のリタード要求値Δθs1を加算し、θ
s+2・Δθs1としてリタードした点火時期を点火装
置に出力させ、同時に、ブロック28〜23を経由して
再びブロック24に入り、さらにΔθs1だけのリター
ド要求を決定する。そして、ECU8ではθs+3・Δθs
1としてリタードした点火時期を点火装置に出力させ、
以後、このループを繰返し、ブロック25で前述した方
法によりトルクフェーズに入ったと判別した時点でこの
ループから抜け出し、ブロック27に進む。ブロック2
7では、任意の所定値Δθs2だけのアドバンス要求値
を決定し、ブロック30に進む。ここで、イナーシャフ
ェーズに入ったかどうかを前述の変速比信号GRの大き
さによって判別する。すなわち、現在のGR値が予め設
定した所定値Aより小さくなった場合、アップシフト、
すなわち、高速段側への移行が開始された、いいかえれ
ば、イナーシャフェーズに入ったと判断し、ブロック3
0に進む。現在のGR値が予め設定した所定値Aより大
きい場合、ブロック32に進み、ブロック27で決定し
たアドバンス要求値Δθs2をECU8にアドバンス要
求する。ECU8では、前回の点火時期値θsにこの要
求されたアドバンス要求値Δθs2を減算して(θs−
Δθs2)の点火時期を点火装置に出力させ、同時に、
ブロック28〜25を経由して再びブロック27に入
り、さらにΔθs2だけのアドバンス要求を決定する。
そして、ブロック30,32を経由して再びECU8に
入り、前回の点火時期値(θs−Δθs2)に今回要求
されたアドバンス要求値Δθs2を減算して(θs−2
・Δθs2)の点火時期を点火装置に出力させ、同時
に、ブロック28〜25を経由して再びブロック27…
…というループを繰り返す。ブロック30でGR値が予
め設定した所定値Aより小さい、すなわち、イナーシャ
フェーズに入ったと判断すると、このループから抜け出
しブロック31に進む。ブロック31では、この時点の
点火時期θsに対し、所定値Δθs3(図示せず)だけ
リタードしたθsxの点火時期値の要求を決定し、ブロ
ック33に進む。ブロック33では、現在のGR値が予
め設定した任意の所定値Bよりも小さいかどうか判別
し、小さい場合はイナーシャフェーズ終了と判断し、ブ
ロック34に進みΔθs3(図示せず)だけリタードし
たθsxの点火時期値の要求を停止し、ブロック35で
変速フラグFcをリセットして、この2つの情報をEC
U8に送り、ECU8ではΔθs3分の点火時期リター
ドを停止させる。そして、ブロック28ではリセットさ
れたFcフラグをみて、ブロック22ではアップシフト
終了と判断し、ブロック29のメインルーチン制御に戻
る。一方、ブロック33での判定により、現在のGR値
が予め設定した任意の所定値Bよりも大きい、すなわ
ち、イナーシャフェーズ中と判断されると、ブロック3
6に進み、ブロック31で決定した点火時期値θsxを
ECU8に要求し、ECU8ではこれに沿った制御を実
行し、また、ブロック28,22〜30を経由して再び
ブロック31に入り、前回と同様に点火時期値θsxの
要求を決定し、ECU8ではこれに沿った制御を実行す
る、といったループを繰り返す。そして、前述のごと
く、ブロック33で現在のGR値が予め設定した任意の
所定値Bよりも小さいと判定されるとこのループから抜
け出す。
【0013】以上の制御により、図3の点線でしめした
本発明を実現,実施することができる。しかし、まだト
ルク落差、特にトルクフェーズでのトルク落差ΔTo
1′と、イナーシャフェーズ終了時のトルク落差ΔTo
3′が比較的大きく、改善の余地が残されている。図5
はこれに対処した、さらに革新的な制御方法のタイムチ
ャートである。図3,図4で詳述した制御手法に、アイ
ドルスピードコントロールバルブISC19のごときエ
ンジン吸入補助空気量調整手段を用いて、上記したトル
ク落差が比較的大きい領域において空気増量を積極的に
行い、それに伴う自動的な燃料増量によりこの領域のエ
ンジントルクTeを増大させ、トルク落差をさらに低減
する制御を付加したところに特徴がある。図5におい
て、実線で示したものは図3の点線で示した本発明例で
あり、図5において、点線で示したものが上記したさら
に革新的な本発明例である。トルクフェーズの期間t1
〜tでISC19の駆動信号(図6のTVOとATF
温で格子を切ったマップ内に予め設定したデータΔIa
で該当するものを用いる)をステップ的に変化させ、空
気増量させる。また、イナーシャフェーズ終了時t
にもステップ的に変化させ、その後、時間経過とともに
徐々に駆動信号を小さくしていくような空気増量特性を
もたせる。この二つの空気増量補正を行うことにより、
ミッション出力軸トルクToは図示の点線のごとくな
り、極めて小さなトルク落差となる。すなわち、変速シ
ョックをほとんど感じられない程度までのレベルを達成
することができる。
【0014】このISC補正制御フローを図7に示す。
基本的な制御フローは図4であり、これに図7の部分を
追加すれば良い。ブロック25でトルクフェーズと判定
されたらブロック40で図6のΔIaマップよりΔIa
を検索し、ブロック30で、まだイナーシャフェーズで
はない、と判定されたらブロック41に進み、ECU8にΔ
Iaを要求する。つぎに、処理が進みブロック33でイ
ナーシャフェーズが終了したと判定されると、ブロック
42に進みタイマー値Tのカウントを開始する。そし
て、ブロック43でカウントしたタイマー値Tに係数k
を乗じたものをΔIaから減じ、これをΔIa′として
ブロック44でECU8に要求する。ECU8ではこの
信号に対応した処理を実行するとともに、ブロック25
に戻り、再びブロック42〜44のループを通過し、前
回よりTが大きくなった分だけISC駆動信号ΔIa′
は小さくなるようにしている。ΔIa′≦0となるとこ
のルーチンは終了する。
【0015】以上の制御は、ミッション出力軸トルクセ
ンサを利用した場合を例にとって説明を加えてきたが、
車体前後加速度センサを用いてもほぼ同様に行うことが
できる。しかし、これらのセンサを用いなくとも上記し
た制御はほぼ同様に行うことができる。すなわち、本発
明ではこのセンサをトルクフェーズの開始点を検知する
手段として利用しているのみであり、図8に示すように
タイマーをもちいてもほぼ同様なことが行える。基本的
な制御フローは図4であり、このブロック25を排除し
て、図8の部分を追加すれば良い。ブロック23でFc
フラグがセットされたらブロック45に進み、タイマー
値Ttのカウントを開始し、ブロック46で図9に示す
ようなXtマップからXtを検索し、ブロック49で現
在のタイマー値Ttが上記設定値Xtより小さい場合は
ブロック48のトルクフェーズ前処理ルーチンへ進む。
この処理が終了するとブロック51に進み、Ttのカウ
ントを継続させブロック49に戻り、上記のようなトル
クフェーズの開始点の判別処理を実行させる。大きい場
合はブロック47のトルクフェーズ処理ルーチンに進
む。ブロック30でイナーシャフェーズに入ったと判定
されると、ブロック50に進みTtをリセットしてこの
制御を終了する。以上のように、この方法は極めて実用
性の高い手法である。
【0016】
【発明の効果】以上の本発明を用いることにより、AT
車の自動変速時の変速ショックを極めて小さなレベルに
抑えることができ、当該の乗員に快適な乗り心地を与え
る自動車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】従来の制御の一例を示す図である。
【図3】本発明の制御タイムチャートである。
【図4】本発明の制御フローの一例を示す図である。
【図5】本発明応用の制御タイムチャートである。
【図6】ΔIaマップを示す図である。
【図7】ISC補正制御フロー図である。
【図8】タイマーによるトルクフェーズ開始点検出フロ
ー図である。
【図9】Xtマップを示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…AT、7…ATCU、8…ECU、
16…タービン回転センサ、17…ミッション出力軸回
転検出センサ、19…アイドルスピードコントロールバ
ルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 直幸 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンと自動変速機の電子制御を司る少
    なくとも一つ以上の電子制御装置を具備したシステムに
    おいて、 変速開始指令が出力された時点より、点火時期を徐々に
    遅角させ、トルクフェーズに入ったら任意の時定数で正
    規の点火時期まで進角させ、イナーシャフェーズに入っ
    たら任意の所定値点火時期を遅角させ、イナーシャフェ
    ーズが終了したら正規の点火時期まで進角させるように
    したことを特徴とする自動変速機の変速ショック低減制
    御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、トルクフェーズに入っ
    たらエンジン吸入空気量補正制御手段により任意の空気
    増量を行い、自動的な燃料増量によりエンジントルクを
    増大させ、イナーシャフェーズに入ったらこの空気増量
    を停止し、イナーシャフェーズが終了したら再び、ステ
    ップ的に任意の空気増量を行い、時間経過とともに徐々
    に減量することにより、変速終了時のトルク段差を低減
    する制御を付加したことを特徴とする自動変速機の変速
    ショック低減制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、トルクフェー
    ズ,イナーシャフェーズの開始,終了時期を検知する手
    段として、自動変速機出力軸トルクセンサ,車体前後加
    速度センサのいずれかを用いたことを特徴とする自動変
    速機の変速ショック低減制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2において、イナーシャフェ
    ーズの開始,終了時期を検知する手段として、自動変速
    機出力軸回転数と入力軸回転数より、その比、すなわ
    ち、変速比信号を演算によりもとめ、用いたことを特徴
    とする自動変速機の変速ショック低減制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1又は2において、トルクフェーズ
    の開始時期を変速開始指令信号からのタイマー値により
    行うことを特徴とする自動変速機の変速ショック低減制
    御装置。
JP6318392A 1992-03-19 1992-03-19 自動変速機の変速ショック低減制御装置 Pending JPH05263911A (ja)

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JP6318392A JPH05263911A (ja) 1992-03-19 1992-03-19 自動変速機の変速ショック低減制御装置

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