JP5440539B2 - 自動変速装置および変速機の制御方法 - Google Patents

自動変速装置および変速機の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5440539B2
JP5440539B2 JP2011079747A JP2011079747A JP5440539B2 JP 5440539 B2 JP5440539 B2 JP 5440539B2 JP 2011079747 A JP2011079747 A JP 2011079747A JP 2011079747 A JP2011079747 A JP 2011079747A JP 5440539 B2 JP5440539 B2 JP 5440539B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
engagement
change
transmission
engaged
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011079747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012215211A (ja
Inventor
武彦 鈴木
英昭 相良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2011079747A priority Critical patent/JP5440539B2/ja
Publication of JP2012215211A publication Critical patent/JP2012215211A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5440539B2 publication Critical patent/JP5440539B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は、自動変速装置および変速機の制御方法に関する。
従来、この種の自動変速装置としては、前進走行レンジ(Dレンジ)が選択されている状態で、車速がゼロであり、アクセルペダルが解放されており、ブレーキペダルが踏み込まれているときには、発進時に係合すべきクラッチの係合は解除するもののスリップ状態とすることにより変速機をニュートラルとするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、発進時に係合すべきクラッチの係合を解除することにより、エンジン側に加わる付加を小さくして燃費を良くすると共に車両に振動が発生するのを防止し、発進時に係合すべきクラッチをスリップ状態とすることにより、発進時にこのクラッチを迅速に係合することができるようにしている。
特開平09−072415号公報
一般的な自動変速装置を搭載した自動車では、前進走行レンジ(Dレンジ)で走行中にアクセルペダルを解放すると、変速機は車速に応じた変速段となるよう制御され、車両には変速段に応じたエンジンブレーキが作用する。燃費の更なる向上のために、Dレンジによる走行中であっても、アクセルペダルが解放されたときには、変速機をニュートラル(中立)とし、エンジンブレーキが作用しないようにして車両を惰性により走行させ、その後、アクセルペダルが踏み込まれたときに車速に応じた変速段を形成することも考えられる。この場合、再加速の応答性を高くするために、車速に応じた変速段が直ちに形成することができるように変速段を形成するクラッチの油圧を調整するなどのクラッチの係合の準備を行なうことも考えられるが、ニュートラルで走行している最中に車速が変化して再加速するときの変速段が変化すると、変速段を形成するクラッチが変化するため、クラッチの係合の準備を変更しなければならない。特に、2つ以上のクラッチやブレーキを係合することにより変速段を形成するものでは、一方を係合してもニュートラルを形成することができるため、変速段の形成の準備として一方を係合するものとすると、車速の変化に伴って変速段が変化すると係合するクラッチやブレーキが変更される。この場合、ニュートラルを形成していても係合するクラッチやブレーキを変更すると、変速機の回転要素の回転速度が変化するために場合によってはトルクショックが生じる場合がある。
本発明の自動変速装置および変速機の制御方法は、走行中に変速機を中立とする際により適正に再加速の準備を行なうと共に中立による走行中に車速の変化に伴って再加速の準備に変更が生じたときに生じ得るトルクショックを抑制することを主目的とする。
本発明の自動変速装置および変速機の制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動変速装置は、
油圧駆動による複数の摩擦係合要素のうち組み合わせの異なる2つの摩擦係合要素を係合した状態とすることにより複数の変速段を実現する変速機と、車速に基づいて目標変速段を設定する目標変速段設定手段と、前記複数の摩擦係合要素の係合および係合の解除により前記変速機の変速制御を実行する制御手段と、を備える車載用の自動変速装置であって、
前記変速機は、最低速段から該最低速段と最高速段との間にある所定変速段までのいずれの変速段もその形成に前記複数の摩擦係合要素において第1の摩擦係合要素の係合が必要とされると共に前記所定変速段から前記最高速段までのいずれの変速段もその形成に前記複数の摩擦係合要素において前記第1の摩擦係合要素とは異なる第2の摩擦係合要素の係合が必要とされる変速機であり、
前記制御手段は、走行中に前記変速機を中立とするために予め定められた所定の中立条件が成立したときに前記目標変速段が前記最低速段から前記所定変速段より1つ低速側の変速段までのいずれかの変速段であるときには前記変速機の変速段を前記目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち前記第1の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とし、前記所定の中立条件が成立したときに前記目標変速段が前記所定変速段のときには前記第1の摩擦係合要素または前記第2の摩擦係合要素のうちの一方を係合した状態とすると共に他方を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とし、前記所定の中立条件が成立したときに前記目標変速段が前記所定変速段より1つ高速側の変速段から前記最高速段までのいずれかの変速段であるときには前記変速機の変速段を前記目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち前記第2の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とする、中立制御を実行する手段であり、
更に、前記制御手段は、前記中立制御を実行している最中に前記目標変速段の変更に伴って前記第1の摩擦係合要素の係合を解除して前記第2の摩擦係合要素を係合するときを第1の係合変更とすると共に前記中立制御を実行している最中に前記目標変速段の変更に伴って前記第2の摩擦係合要素の係合を解除して前記第1の摩擦係合要素を係合するときを第2の係合変更としたときに、前記第1の係合変更と前記第2の係合変更とのうち共線図上で前記変速機の出力軸から最も遠い回転要素の回転速度を上昇させる程度が大きい方の係合変更である回転速度大側係合変更における係合すべき摩擦係合要素の係合の際にトルクショックが生じない程度の該係合すべき摩擦係合要素の係合に対する油圧の上昇の程度である所定上昇程度に基づく油圧の上昇程度をもって前記第1の係合変更および前記第2の係合変更を実行する手段である、
ことを要旨とする。
この本発明の自動変速装置では、変速機は、油圧駆動による複数の摩擦係合要素のうち組み合わせの異なる2つの摩擦係合要素を係合した状態とすることにより複数の変速段を実現するものであり、最低速段からこの最低速段と最高速段との間にある所定変速段までのいずれの変速段もその形成に複数の摩擦係合要素において第1の摩擦係合要素の係合が必要とされると共に所定変速段から最高速段までのいずれの変速段もその形成に複数の摩擦係合要素において第1の摩擦係合要素とは異なる第2の摩擦係合要素の係合が必要とされる。ここで、「最低速段」は変速機の取り得る変速段のうち最も低車速側の変速段であり、例えば6速の変速機の場合には1速が該当する。「最高速段」は変速機の取り得る変速段のうち最も高車速側の変速段であり、例えば6速の変速機の場合には6速が該当する。「所定変速段」は、最低速段と最高速段との間にある変速段であるから、例えば6速の変速機の場合には2速〜5速のいずれかの変速段が該当する。したがって、6速の変速機で所定変速段が4速のときを考えると、変速機は、1速から4速までのいずれの変速段もその形成に第1の摩擦係合要素の係合が必要とされ、4速から6速までのいずれの変速段もその形成に第2の摩擦係合要素の係合が必要とされるものとなる。
また、本発明の自動変速装置では、制御手段は、走行中に変速機を中立とするために予め定められた所定の中立条件が成立したときに目標変速段が最低速段から所定変速段より1つ低速側の変速段までのいずれかの変速段であるときには変速機の変速段を目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち第1の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより変速機を中立とし、所定の中立条件が成立したときに目標変速段が所定変速段のときには第1の摩擦係合要素または第2の摩擦係合要素のうちの一方を係合した状態とすると共に他方を係合が解除された状態とすることにより変速機を中立とし、所定の中立条件が成立したときに目標変速段が所定変速段より1つ高速側の変速段から最高速段までのいずれかの変速段であるときには変速機の変速段を目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち第2の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより変速機を中立とする、中立制御を実行する。6速の変速機で所定変速段が4速のときを考えると、中立制御は、目標変速段が1速から3速までのいずれかの変速段のときには第1の摩擦係合要素を係合した状態として変速機を中立とし、目標変速段が4速のときには第1の摩擦係合要素か第2の摩擦係合要素のうちのいずれかを係合した状態として変速機を中立とし、目標変速段が5速から6速までのいずれかの変速段のときには第2の摩擦係合要素を係合した状態として変速機を中立とするものとなる。このように係合すべき2つの摩擦係合要素のうちの一方だけを係合した状態として変速機を中立とすることにより、再加速時には1つの摩擦係合要素を係合するだけで変速機を目標変速段の状態とすることができ、迅速に再加速することができる。また、車速の変化に対応して目標変速段が変化しても、変速機を中立とするために係合した状態とする摩擦係合要素の変更をより少なくすることができる。ここで、「係合が解除された状態」には、例えば、油圧回路からの油圧により摩擦係合要素を係合する場合には、摩擦係合要素の係合が解除していればよいから、摩擦係合要素にある程度の油圧が作用している状態も含まれる。
そして、本発明の自動変速装置では、制御手段は、中立制御を実行している最中に目標変速段の変更に伴って第1の摩擦係合要素の係合を解除して第2の摩擦係合要素を係合するときを第1の係合変更とすると共に中立制御を実行している最中に目標変速段の変更に伴って第2の摩擦係合要素の係合を解除して第1の摩擦係合要素を係合するときを第2の係合変更としたときに、第1の係合変更と第2の係合変更とのうち共線図上で変速機の出力軸から最も遠い回転要素の回転速度を上昇させる程度が大きい方の係合変更である回転速度大側係合変更における係合すべき摩擦係合要素の係合の際にトルクショックが生じない程度の係合すべき摩擦係合要素の係合に対する油圧の上昇の程度である所定上昇程度に基づく油圧の上昇程度をもって第1の係合変更および第2の係合変更を実行する。ここで、「共線図」は、変速機を構成する遊星歯車機構の各回転要素の回転速度を各縦軸とすると共に遊星歯車機構におけるギヤ比を用いて各縦軸の間隔を調整し、変速機における各回転要素の回転速度が共線図上では直線の関係として描かれ、各回転要素に作用するトルクは各縦軸において直線に作用する力として描くことができる機構学上の関係図である。この共線図上では、直線を梁に各縦軸に作用するトルクを梁に作用する荷重に見立てて各回転要素のトルクを梁の釣り合いを解くことによって求めることができる。したがって、共線図上で変速機の出力軸から最も遠い回転要素は、共線図上のその軸に力を作用させたときに他の軸に比して変速機の出力軸に対して最も大きな偶力を作用させるものとなることを考えると、各回転要素のうちその回転速度の変化に伴うエネルギによる変速機の出力軸への影響が最も大きい回転要素であることになる。したがって、第1の係合変更と第2の係合変更とのうち共線図上で変速機の出力軸から最も遠い回転要素の回転速度を上昇させる程度が大きい方の係合変更における係合すべき摩擦係合要素の係合の際にトルクショックが生じない程度にその摩擦係合要素の係合に対する油圧を上昇させれば、その摩擦係合要素の係合の際に生じ得るトルクショックを抑制することができる。本発明の自動変速装置では、こうした油圧の上昇の程度(所定上昇程度)に基づく油圧の上昇程度をもって第1の係合変更および第2の係合変更を実行することにより、中立制御を実行している最中に係合すべき摩擦係合要素を変更する際に生じ得るトルクショックを抑制している。
こうした本発明の自動変速装置において、前記制御手段は、前記第1の係合変更と前記第2の係合変更のうち前記回転速度大側係合変更を実行するときには前記所定上昇程度をもって係合変更を実行し、前記第1の係合変更と前記第2の係合変更のうち前記回転速度大側係合変更ではない方の係合変更を実行するときには前記所定上昇程度より早い上昇程度をもって係合変更を実行する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、回転速度大側係合変更の際に生じ得るトルクショックを抑制することができると共に他方の係合変更を迅速に行なうことができる。
また、本発明の自動変速装置において、前記制御手段は、前記回転速度大側係合変更として前記第1の係合変更と前記第2の係合変更とのうち共線図上で摩擦係合要素が取り付けられた回転要素のうち前記変速機の出力軸から最も遠い回転要素の回転速度を上昇させる程度が大きい方の係合変更を用いる手段である、ものとすることもできる。摩擦係合要素は係合が解除された状態としても、摩擦材間の潤滑油の存在により摩擦材が引き摺られ、回転要素に僅かに引き摺りトルクを伝達する場合も生じる。摩擦係合要素が取り付けられた回転要素のうち共線図上で変速機の出力軸から最も遠い回転要素は、摩擦係合要素での僅かな引き摺りトルクの伝達による変速機の出力軸への影響が最も大きい回転要素となるから、第1の係合変更と第2の係合変更とのうちその回転要素の回転速度を上昇させる程度が大きい方の係合変更における係合すべき摩擦係合要素の係合の際にトルクショックが生じない程度にその摩擦係合要素の係合に対する油圧を上昇させるものとなり、係合すべき摩擦係合要素の係合の際に生じ得るトルクショックをより効果的に抑制することができる。ここで、前記変速機の出力軸から最も遠い回転要素に取り付けられた摩擦係合要素は、該最も遠い回転要素の回転を停止するブレーキである、ものとすることもできる。
本発明の変速機の制御方法は、
油圧駆動による複数の摩擦係合要素のうち組み合わせの異なる2つの摩擦係合要素を係合した状態とすることにより複数の変速段を実現する変速機において、最低速段から該最低速段と最高速段との間にある所定変速段までのいずれの変速段もその形成に前記複数の摩擦係合要素において第1の摩擦係合要素の係合が必要とされると共に前記所定変速段から前記最高速段までのいずれの変速段もその形成に前記複数の摩擦係合要素において前記第1の摩擦係合要素とは異なる第2の摩擦係合要素の係合が必要とされる変速機の制御方法であって、
走行中に前記変速機を中立とするために予め定められた所定の中立条件が成立したときに車速に基づく目標変速段が前記最低速段から前記所定変速段より1つ低速側の変速段までのいずれかの変速段であるときには前記変速機の変速段を前記目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち前記第1の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とし、前記所定の中立条件が成立したときに前記目標変速段が前記所定変速段のときには前記第1の摩擦係合要素または前記第2の摩擦係合要素のうちの一方を係合した状態とすると共に他方を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とし、前記所定の中立条件が成立したときに前記目標変速段が前記所定変速段より1つ高速側の変速段から前記最高速段までのいずれかの変速段であるときには前記変速機の変速段を前記目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち前記第2の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とする、中立制御を実行し、
前記中立制御を実行している最中に前記目標変速段の変更に伴って前記第1の摩擦係合要素の係合を解除して前記第2の摩擦係合要素を係合するときを第1の係合変更とすると共に前記中立制御を実行している最中に前記目標変速段の変更に伴って前記第2の摩擦係合要素の係合を解除して前記第1の摩擦係合要素を係合するときを第2の係合変更としたときに、前記第1の係合変更と前記第2の係合変更とのうち共線図上で前記変速機の出力軸から最も遠い回転要素の回転速度を上昇させる程度が大きい方の係合変更である回転速度大側係合変更における係合すべき摩擦係合要素の係合の際にトルクショックが生じない程度の該係合すべき摩擦係合要素の係合に対する油圧の上昇の程度である所定上昇程度に基づく油圧の上昇程度をもって前記第1の係合変更および前記第2の係合変更を実行する、
ことを特徴とする。
この本発明の変速機の制御方法では、走行中に変速機を中立とするために予め定められた所定の中立条件が成立したときに車速に基づく目標変速段が最低速段から所定変速段より1つ低速側の変速段までのいずれかの変速段であるときには変速機の変速段を目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち第1の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより変速機を中立とし、所定の中立条件が成立したときに目標変速段が所定変速段のときには第1の摩擦係合要素または第2の摩擦係合要素のうちの一方を係合した状態とすると共に他方を係合が解除された状態とすることにより変速機を中立とし、所定の中立条件が成立したときに目標変速段が所定変速段より1つ高速側の変速段から前記最高速段までのいずれかの変速段であるときには変速機の変速段を目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち第2の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより変速機を中立とする、中立制御を実行する。このように係合すべき2つの摩擦係合要素のうちの一方だけを係合した状態として変速機を中立とすることにより、再加速時には1つの摩擦係合要素を係合するだけで変速機を目標変速段の状態とすることができ、迅速に再加速することができる。そして、中立制御を実行している最中に目標変速段の変更に伴って第1の摩擦係合要素の係合を解除して第2の摩擦係合要素を係合するときを第1の係合変更とすると共に中立制御を実行している最中に目標変速段の変更に伴って第2の摩擦係合要素の係合を解除して第1の摩擦係合要素を係合するときを第2の係合変更としたときに、第1の係合変更と第2の係合変更とのうち共線図上で変速機の出力軸から最も遠い回転要素の回転速度を上昇させる程度が大きい方の係合変更である回転速度大側係合変更における係合すべき摩擦係合要素の係合の際にトルクショックが生じない程度のこの係合すべき摩擦係合要素の係合に対する油圧の上昇の程度である所定上昇程度に基づく油圧の上昇程度をもって第1の係合変更および第2の係合変更を実行する。上述したように、共線図上で変速機の出力軸から最も遠い回転要素は、共線図上のその軸に力を作用させたときに他の軸に比して変速機の出力軸に対して最も大きな偶力を作用させるものとなることを考えると、各回転要素のうちその回転速度の変化に伴うエネルギによる変速機の出力軸への影響が最も大きい回転要素となるから、本発明の変速機の制御方法のように制御することにより、中立制御を実行している最中に係合すべき摩擦係合要素を変更する際に生じ得るトルクショックを抑制することができる。ここで、「最低速段」は変速機の取り得る変速段のうち最も低車速側の変速段であり、「最高速段」は変速機の取り得る変速段のうち最も高車速側の変速段である。
本発明の一実施例としての自動変速装置20を搭載する自動車10の構成の概略を示す構成図である。 自動変速装置20の機械的構成の概略を示す構成図である。 自動変速機30の各変速段とクラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1,B−2の作動状態との関係を表した作動表を示す説明図である。 自動変速機30を構成する回転要素間における回転速度の関係を例示する共線図を示す説明図である。 変速マップの一例を示す説明図である。 シフトポジションSPがドライブポジション(Dポジション)のときに変速機ECU80により実行される変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 係合変更処理の一例を示すフローチャートである。 6速走行からアイドルコーストによる走行に移行し6速でアイドルコーストから復帰したときのアクセル開度Accやクラッチ,ブレーキなどの時間変化の一例を示す説明図である。 アイドルコーストによる走行中に目標変速段GS*が4速から3速に変更されたときと3速から4速に変更されたときのクラッチC−1,C−2に対する油圧の時間変化の一例を示す説明図である。 アイドルコーストによる走行中における目標変速段GS*が4速のときと3速のときの共線図の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての自動変速装置20を搭載する自動車10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、自動変速装置20の機械的構成の概略を示す構成図である。実施例の自動車10は、図1および図2に示すように、ガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料の爆発燃焼により動力を出力する内燃機関としてのエンジン12と、エンジン12を運転制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)16と、エンジン12のクランクシャフト14に取り付けられた流体伝動装置22と、この流体伝動装置22の出力側に入力軸31が接続されると共にギヤ機構48やデファレンシャルギヤ49を介して駆動輪11a,11bに出力軸32が接続され入力軸31に入力された動力を変速して出力軸32に伝達する有段の自動変速機30と、流体伝動装置22や自動変速機30に作動油を供給する油圧回路50と、油圧回路50を制御することによって流体伝動装置22や自動変速機30を制御する変速機用電子制御ユニット(以下、変速機ECUという)80と、図示しない電子制御式油圧ブレーキユニットを制御するブレーキ用電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という)17と、を備える。ここで、実施例の自動変速装置20としては、自動変速機30,油圧回路50,変速機ECU80が該当する。
エンジンECU16は、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートとを備える。エンジンECU16にはクランクシャフト14に取り付けられた回転速度センサ14aからのエンジン回転速度Neなどのエンジン12の運転状態を検出する各種センサからの信号やアクセルペダル93の踏み込み量としてのアクセル開度Accを検出するアクセルペダルポジションセンサ94からのアクセル開度Acc,車速センサ98からの車速Vなどの信号が入力ポートを介して入力されており、エンジンECU16からは、スロットルバルブを駆動するスロットルモータへの駆動信号や燃料噴射弁への制御信号,点火プラグへの点火信号などが出力ポートを介して出力されている。
流体伝動装置22は、図2に示すように、ロックアップクラッチ付きの流体式トルクコンバータとして構成されており、フロントカバー18を介してエンジン12のクランクシャフト14に接続された入力側流体伝動要素としてのポンプインペラ23と、タービンハブを介して自動変速機30の入力軸31に接続された出力側流体伝動要素としてのタービンランナ24と、ポンプインペラ23およびタービンランナ24の内側に配置されてタービンランナ24からポンプインペラ23への作動油の流れを整流するステータ25と、ステータ25の回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ26と、ダンパ機構を有するロックアップクラッチ28と、を備える。この流体伝動装置22は、ポンプインペラ23とタービンランナ24との回転速度の差が大きいときにはステータ25の作用によってトルク増幅機として機能し、ポンプインペラ23とタービンランナ24との回転速度の差が小さいときには流体継手として機能する。また、ロックアップクラッチ28は、ポンプインペラ23(フロントカバー18)とタービンランナ24(タービンハブ)とを連結するロックアップとロックアップの解除とを実行可能なものであり、自動車10の発進後にロックアップオン条件が成立すると、ロックアップクラッチ28によってポンプインペラ23とタービンランナ24とがロックアップされてエンジン12からの動力が入力軸31に機械的かつ直接的に伝達されるようになる。なお、この際に入力軸31に伝達されるトルクの変動は、ダンパ機構によって吸収される。
自動変速機30は、6段変速の有段変速機として構成されており、シングルピニオン式の遊星歯車機構35とラビニヨ式の遊星歯車機構40と三つのクラッチC−1,C−2,C−3と二つのブレーキB−1,B−2とワンウェイクラッチF−1とを備える。シングルピニオン式の遊星歯車機構35は、外歯歯車としてのサンギヤ36と、このサンギヤ36と同心円上に配置された内歯歯車としてのリングギヤ37と、サンギヤ36に噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のピニオンギヤ38と、複数のピニオンギヤ38を自転かつ公転自在に保持するキャリア39とを備え、サンギヤ36はケースに固定されており、リングギヤ37は入力軸31に接続されている。ラビニヨ式の遊星歯車機構40は、外歯歯車の二つのサンギヤ41a,41bと、内歯歯車のリングギヤ42と、サンギヤ41aに噛合する複数のショートピニオンギヤ43aと、サンギヤ41bおよび複数のショートピニオンギヤ43aに噛合すると共にリングギヤ42に噛合する複数のロングピニオンギヤ43bと、複数のショートピニオンギヤ43aおよび複数のロングピニオンギヤ43bとを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア44とを備え、サンギヤ41aはクラッチC−1を介してシングルピニオン式の遊星歯車機構35のキャリア39に接続され、サンギヤ41bはクラッチC−3を介してキャリア39に接続されると共にブレーキB−1を介してケースに接続され、リングギヤ42は出力軸32に接続され、キャリア44はクラッチC−2を介して入力軸31に接続されている。また、キャリア44はブレーキB2を介してケースに接続されると共にワンウェイクラッチF−1を介してケースに接続されている。図3に自動変速機30の各変速段とクラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1,B−2の作動状態との関係を表した作動表を示し、図4に自動変速機30を構成する回転要素間における回転速度の関係を例示する共線図を示す。ここで、「共線図」は、自動変速機30を構成する遊星歯車機構35と遊星歯車機構40の各回転要素(サンギヤ36,キャリア39,リングギヤ37,サンギヤ41a,41b,リングギヤ42、キャリア44)の回転速度を各縦軸(S1,CR1、R1,S2,CR2−CR3,R2−R3,S3)すると共に遊星歯車機構35と遊星歯車機構40におけるギヤ比を用いて各縦軸の間隔を調整し、自動変速機30における各回転要素の回転速度が共線図上では直線の関係として描かれ、各回転要素に作用するトルクは各縦軸において直線に作用する力として描くことができる機構学上の関係図である。この共線図上では、直線を梁に各縦軸に作用するトルクを梁に作用する荷重に見立てて各回転要素のトルクを梁の釣り合いを解くことによって求めることができる。この自動変速機30は、この共線図と図3の作動表に示すように、クラッチC−1〜C−3のオンオフ(オンが係合状態でオフが解放状態)とブレーキB−1,B−2のオンオフとの組み合わせによって前進1速〜6速と後進とニュートラルとを切り替えることができる。
流体伝動装置22や自動変速機30は、変速機ECU80によって駆動制御される油圧回路50によって作動する。油圧回路50は、いずれも図示しないが、エンジン12からの動力を用いて作動油を圧送するオイルポンプや、オイルポンプからの作動油を調圧してライン圧PLを生成するプライマリレギュレータバルブ,プライマリレギュレータバルブからのライン圧PLを減圧してセカンダリ圧Psecを生成するセカンダリレギュレータバルブ,プライマリレギュレータバルブからのライン圧PLを調圧して一定のモジュレータ圧Pmodを生成するモジュレータバルブ,シフトレバー91の操作位置に応じてプライマリレギュレータバルブからのライン圧PLの供給先(クラッチC−1〜C−3やブレーキB−1,B−2)を切り替えるマニュアルバルブ,マニュアルバルブからのライン圧PLを調圧して対応するクラッチC−1〜C−3やブレーキB−1,B−2へのソレノイド圧を生成する複数のリニアソレノイドバルブなどを備える。
変速機ECU80は、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートとを備える。変速機ECU80には、入力軸31に取り付けられた回転速度センサ31aからの入力軸回転速度Ninや、出力軸32に取り付けられた回転速度センサ32aからの出力軸回転速度Nout,シフトレバー91の位置を検出するシフトポジションセンサ92からのシフトポジションSP,アクセルペダルポジションセンサ94からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル95の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ96からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ98からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されており、変速機ECU80からは、油圧回路50への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
なお、エンジンECU16とブレーキECU17と変速機ECU80は、相互に通信ポートを介して接続されており、相互に制御に必要な各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。また、シフトレバー91のシフトポジションSPとしては、実施例では、駐車時に用いる駐車ポジション(Pポジション)、後進走行用のリバースポジション(Rポジション)、中立のニュートラルポジション(Nポジション)、前進走行用の通常のドライブポジション(Dポジション)、アップシフト指示ポジションおよびダウンシフト指示ポジションが用意されている。
こうして構成された実施例の自動変速装置20は、シフトレバー91のシフトポジションSPがドライブポジション(Dポジション)のときには、図5の変速マップに示すように、アクセル開度Accと車速Vとからなる作動ポイントが1−2アップシフトライン,2−3アップシフトライン,3−4アップシフトライン,4−5アップシフトライン,5−6アップシフトラインを左の数字以下の変速段(例えば2−3アップシフトラインでは1速〜2速)の状態で左側から右側に超えるときにそのときの変速段から右の数字の変速段(例えば2−3アップシフトラインでは3速)にアップシフトするようクラッチC−1〜C−3やブレーキB−1,B−2をオンオフし、アクセル開度Accと車速Vとからなる作動ポイントが6−5ダウンシフトライン,5−4ダウンシフトライン,4−3ダウンシフトライン,3−2ダウンシフトライン,2−1ダウンシフトラインを左の数字以上の変速段(例えば4−3ダウンシフトラインでは4速〜6速)の状態で右側から左側に超えるときにそのときの変速段から右の数字の変速段(例えば4−3ダウンシフトラインでは3速)にダウンシフトするようクラッチC−1〜C−3やブレーキB−1,B−2をオンオフする。
次に、実施例の自動変速装置20の動作、特にシフトレバー91のシフトポジションSPがドライブポジション(Dポジション)のときの動作について説明する。図6は、シフトポジションSPがドライブポジション(Dポジション)のときに変速機ECU80により実行される変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎や数十msec毎)に繰り返し実行される。
変速制御ルーチンが実行されると、変速機ECU80は、まず、アクセルペダルポジションセンサ94からのアクセル開度Accやブレーキペダルポジションセンサ96からのbp,車速センサ98からの車速Vなどの制御に必要なデータを入力し(ステップS100)、入力したアクセル開度Accと車速Vと図5に例示した変速マップとに基づいて目標変速段GS*を設定する(ステップS110)。続いて、自動変速機30をニュートラル状態として惰性により走行している状態(以下、「アイドルコースト」という。)を実行しているか否かを示すアイドルコースト実行フラグFの値を調べ(ステップS120)、アイドルコースト実行フラグFが値0のときにはアイドルコーストを実行していないと判断し、アクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPとが共に値0で所定時間経過していないのを確認して(ステップS130)、自動変速機30に設定した目標変速段GS*が形成されるようクラッチC−1〜C−3やブレーキB−1,B−2をオンオフして(ステップS200)、本ルーチンを終了する。ここで、アイドルコースト実行フラグFは、このルーチンにより設定されるものであり、アイドルコーストが実行されているときに値1が設定され、アイドルコーストが実行されていないときには値0が設定される。ここで、アクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPとが共に値0で所定時間経過している条件は、アイドルコーストを実行する条件といえる。アイドルコーストは、運転者がそのときの車両の運動エネルギーを用いて惰性により走行するものであるから、運転者の意志を確認するため、アクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPとが共に値0であることを要すると共にその状態が継続していることが必要となる。したがって、所定時間は、運転者の意志を確認する程度の時間、例えば1秒や2秒などを用いることができる。
ステップS120でアイドルコースト実行フラグFが値0でステップS130でアクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPとが共に値0で所定時間経過したと判定されたときには、アイドルコーストを実行すべきと判断し、アイドルコースト実行フラグFに値1を設定すると共に(ステップS140)、目標変速段GS*を調べ(ステップS160)、目標変速段Gs*が1速〜3速のときには、クラッチC−1をオンとすると共に他のクラッチC−2,C−3やブレーキB−1,B−2をオフとして(ステップS170)、本ルーチンを終了する。自動変速機30を1速〜3速のいずれかの変速段にするためには、クラッチC−1をオンとすると共にブレーキB−2やブレーキB−1,クラッチC−3のいずれかをオンとする必要があるが、クラッチC−1をオンとしても他のブレーキB−2やブレーキB−1,クラッチC−3のいずれをもオフとすることにより、1速〜3速のいずれの変速段も形成されないため、自動変速機30はニュートラルの状態となる。したがって、車両は、その後、惰性により走行すること、即ち、アイドルコーストによる走行を行なうことになる。なお、エンジン12は、アクセル開度Accが値0であり、自動変速機30がニュートラルの状態となっているから、アイドリング制御によりアイドリング運転されたり、或いは、アイドルストップにより運転停止される。実施例のクラッチC−1をオンとしたときのニュートラルの状態は、シフトレバー91のシフトポジションSPがニュートラルポジション(Nポジション)とされたときとは異なり、クラッチC−1がオンとされているから、ブレーキB−2やブレーキB−1,クラッチC−3のいずれかをオンとすることにより、直ちに1速〜3速を形成することができる。即ち、自動変速機30は、目標変速段GS*としての1速〜3速を形成するための準備(クラッチC−1のオン)ができている状態でのニュートラルと言える。
一方、ステップS160で目標変速段Gs*が4速〜6速と判定されたときには、クラッチC−2をオンとすると共に他のクラッチC−1,C−3やブレーキB−1,B−2をオフとして(ステップS180)、本ルーチンを終了する。図3の作動表では、自動変速機30を4速〜6速のいずれかの変速段にするためには、クラッチC−2をオンとすると共にクラッチC−1やクラッチC−3,ブレーキB−1のいずれかをオンとする必要があるが、クラッチC−2をオンとしても他のクラッチC−1やクラッチC−3,ブレーキB−1のいずれもオフとすることにより、4速〜6速のいずれの変速段も形成されないため、自動変速機30はニュートラルの状態となる。したがって、車両は、その後、アイドルコーストによる走行を行なうことになる。なお、この場合も、エンジン12は、アクセル開度Accが値0であり、自動変速機30がニュートラルの状態となっているから、アイドリング制御によりアイドリング運転されたり、或いは、アイドルストップにより運転停止される。クラッチC−2をオンとしたときのニュートラルの状態は、前述したクラッチC−1をオンとしたときのニュートラルの状態と同様に、シフトレバー91のシフトポジションSPがニュートラルポジション(Nポジション)とされたときとは異なり、クラッチC−2がオンとされているから、クラッチC−1やクラッチC−3,ブレーキB−1のいずれかをオンとすることにより、直ちに4速〜6速を形成することができる。即ち、自動変速機30は、目標変速段GS*としての4速〜6速を形成するための準備(クラッチC−2のオン)ができている状態でのニュートラルと言える。
こうしてアイドルコーストによる走行を開始すると、ステップS120ではアイドルコースト実行フラグFが値1であると判定され、アクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPとが共に値0で継続されているか否かを判定し(ステップS150)、アクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPとが共に値0で継続されていると判定したときには、目標変速段GS*が3速から4速に変更されたか或いは4速から3速に変更されたかを判定し(ステップS210)、そのいずれでもないときには、クラッチのオンオフ状態に変更はないと判断して本ルーチンを終了する。一方、目標変速段GS*が3速から4速に変更されたか或いは4速から3速に変更されたと判定されたときには、クラッチのオンオフ状態を変更する必要があると判断し、図7に示す係合変更処理を実行して(ステップS220)。本ルーチンを終了する。係合変更処理については後述する。
アイドルコーストによって走行している最中に運転者がアクセルペダル93を踏み込んでアクセル開度Accが値0ではなくなったときやブレーキペダル95を踏み込んでブレーキペダルポジションBPが値0ではなくなったときには、ステップS150でアクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPとが共に値0で継続されていないと判定され、アイドルコースト実行フラグFに値0を設定し(ステップS190)、そのときに設定されている目標変速段GS*を形成するようにクラッチC−1〜C−3やブレーキB−1,B−2をオンオフして(ステップS200)、本ルーチンを終了する。いま、クラッチC−1をオンとしたときのニュートラルの状態でアイドルコーストにより走行している最中にアクセルペダル93が踏み込まれたときを考える。このとき、アクセルペダル93の踏み込み量にもよるが、目標変速段GS*は1速〜3速のいずれかであるから、ブレーキB−2やブレーキB−1,クラッチC−3のいずれか一つをオンとするだけで目標変速段GS*を形成することができる。次に、クラッチC−2をオンとしたときのニュートラルの状態でアイドルコーストにより走行している最中にアクセルペダル93が踏み込まれたときを考える。このとき、アクセルペダル93の踏み込み量にもよるが、ある程度の車速Vがあることから、目標変速段GS*は4速〜6速のいずれかになる場合が多いため、クラッチC−1やクラッチC−3,ブレーキB−1のいずれか一つをオンとするだけで目標変速段GS*を形成することができる。なお、クラッチC−2をオンとしたときのニュートラルの状態でアイドルコーストにより走行している最中に運転者がアクセルペダル93を大きく踏み込むと、図5の変速マップから分かるように、目標変速段GS*として2速や3速が設定される場合もある。この場合は、クラッチC−2をオフとすると共にクラッチC−1をオンとし、更にブレーキB−1やクラッチC−3をオンとする必要があるが、この場合が生じる頻度は少ない。したがって、クラッチC−1もクラッチC−2もオフとして自動変速機30をシフトポジションSPがニュートラルポジションのときと同様の状態として走行する場合に比して、アイドルコーストによる走行からの復帰を迅速に行なうことができ、再加速を迅速に行なうことができる。なお、目標変速段GS*が4速のときに低速側の変速段(1速〜3速)と共通するクラッチC−1を係合するのではなく高速側の変速段(5速や6速)と共通するクラッチC−2を係合するのは、アイドルコーストによる走行は比較的高車速で走行しているときに行なわれることが多いと想定されることに基づく。
図8に6速走行からアイドルコーストによる走行に移行し6速でアイドルコーストから復帰したときのアイドルコースト実行フラグFやアクセル開度Acc,ブレーキペダルポジションBP,クラッチC−2,クラッチC−1,ブレーキB−1,エンジン回転速度Neなどの時間変化の一例を示す。6速走行からアイドルコーストによる走行への移行は、図示するように、アクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPとが共に値0となる時間T1から所定時間経過した時間T2にアイドルコースト実行フラグFに値1が設定されたときに行なわれ、具体的には、6速を形成するクラッチC−2とブレーキB−1のうち、クラッチC−2に対する油圧を保持してその係合した状態を維持したままでブレーキB−1に対する油圧を制御してその係合を解除した状態とすることにより行なわれる。アイドルコーストによる走行から6速による復帰は、アクセルペダル93が踏み込まれたことによってアクセル開度Accが値0でなくなった時間T3に、アイドルコースト実行フラグFに値0を設定すると共にブレーキB−1に対する油圧を制御してブレーキB−1を係合した状態として6速を形成することにより行なわれる。このように、ブレーキB−1をオンとするだけで目標変速段GS*を形成することができ、迅速に加速することができる。
次に、図7に例示した係合変更処理について説明する。この係合変更処理は、上述したように、アイドルコーストによって走行している最中に目標変速段GS*が3速から4速に変更されたか或いは4速から3速に変更されたときに実行される。係合変更処理では、まず、目標変速段GS*が3速から4速に変更されたか或いは4速から3速に変更されたかを判定し(ステップS300)、目標変速段GS*が4速から3速に変更されたときには、クラッチC−2をオフすると共に(ステップS310)、クラッチC−1に対する油圧を比較的小さな変化率d1により上昇させてクラッチC−1をオンとする(ステップS320)。以下、目標変速段GS*が4速から3速に変更されてクラッチC−2をオフすると共にクラッチC−1をオンとすることを「4−3係合変更」という。一方、目標変速段GS*が3速から4速に変更されたときには、クラッチC−1をオフすると共に(ステップS330)、クラッチC−2に対する油圧を変化率d1より大きな変化率d2により上昇させてクラッチC−2をオンとする(ステップS340)。以下、目標変速段GS*が3速から4速に変更されてクラッチC−1をオフすると共にクラッチC−2をオンとすることを「3−4係合変更」という。図9に4−3係合変更と3−4係合変更の際のクラッチC−1,C−2に対する油圧の時間変化の一例を示す。図示するように、4−3係合変更のときにオンとするクラッチC−1に対するファストフィル以降の油圧の変化率d1は、3−4係合変更のときにオンとするクラッチC−2に対するファストフィル以降の油圧の変化率d2より小さい。これは、クラッチC−1を係合するときに油圧の変化率を大きくするとトルクショックが生じるからである。以下、この点について説明する。
いま、アイドルコーストによる走行中にはエンジンはアイドリング運転されており、それにより、自動変速機30の入力軸31がエンジンのアイドリング回転数近傍で回転している場合を考える。4速から3速へのダウンシフトや3速から4速へのアップシフトは、図5の変速マップのアクセル開度Accが値0のときから解るように、30km/hや35km/hなどの比較的低車速で行なわれ、ダウンシフトもアップシフトもほぼ同じ車速で行なわれる。このときの3速のときと4速のときの共線図の一例を図10に示す。4−3係合変更では、クラッチC−2をオンとしたニュートラルの状態からクラッチC−2をオフとしてクラッチC−1をオンとしたニュートラルとするから、クラッチC−1をオンとする際にS2軸(クラッチC−3およびブレーキB−1が取り付けられた軸)の回転速度は大きくなる。一方、3−4係合変更では、クラッチC−1をオンとしたニュートラルの状態からクラッチC−1をオフとしてクラッチC−2をオンとしたニュートラルとするから、クラッチC−2をオンとする際にS2軸の回転速度は小さくなる。共線図上で出力軸32から最も遠い軸であるS2軸は、機構学上の原理から、その回転速度の変化に伴うエネルギによる出力軸32への影響が最も大きい回転要素となる。したがって、4−3係合変更ではクラッチC−1をオンとするときにS2軸の回転速度を大きくするためのエネルギが必要となり、クラッチC−1をオンとする際の油圧の上昇の程度(変化率d1)を大きくすると、S2軸の回転速度が急増することにより出力軸32にトルクショックが生じる。S2軸の回転速度を大きくするときには、回転速度を大きくするエネルギだけでなく潤滑油の抵抗により消費されるエネルギも必要となる。また、S2軸にはブレーキB−1が取り付けられており、ブレーキB−1の係合が解除されていても僅かな接触によりS2軸の回転速度を小さくする方向のトルクが作用するため、S2軸の回転速度を大きくするためには、更に大きなエネルギが必要となり、クラッチC−1をオンとする際の油圧の上昇の程度(変化率d1)が大きいと、出力軸32にトルクショックが生じやすくなる。実施例では、これらのことを考慮して、4−3係合変更のときのクラッチC−1をオンとする際の油圧の上昇の程度(変化率d1)として出力軸32にトルクショックが生じない程度のものを用いた。一方、3−4係合変更では、クラッチC−2をオンとするときにはS2軸の回転速度は小さくなるから、エネルギを放出することになるが、潤滑油による抵抗やブレーキB−1の僅かな接触によりそのエネルギが消費されるため、S2軸の回転速度はクラッチC−2をオンとしなくても小さくなる。したがって、クラッチC−2をオンとするときに消費されるエネルギは小さいため、クラッチC−2をオンとする際の油圧の上昇の程度(変化率d2)は4−3係合変更のときのクラッチC−1をオンとするときの変化率d1より大きくしてもトルクショックは生じない。実施例では、3−4係合変更の際の変化率d2としては、4−3係合変更の際の変化率d1と同じとしてもよいが、3−4係合変更を迅速に終了させるために変化率d1より若干大きいものを用いた。即ち、実施例の係合変更処理は、4−3係合変更と3−4係合変更のうち共線図上で出力軸32から最も遠い軸であるS2軸の回転速度の上昇の程度が大きい4−3係合変更においてクラッチC−1をオンとするときに出力軸32にトルクショックが生じない程度の油圧の上昇程度に基づく上昇程度(変化率d1)をもってクラッチC−1をオンとすると共に3−4係合変更においてクラッチC−2をオンとするときには4−3係合変更で用いた変化率d1に基づく変化率d2をもってクラッチC−2をオンとする処理となる。
以上説明した実施例の自動変速機30によれば、アイドルコーストによる走行中に目標変速段GS*が4速から3速に変更されたことによりクラッチC−2をオフすると共にクラッチC−1をオンとする4−3係合変更とアイドルコーストによる走行中に目標変速段GS*が3速から4速に変更されたことによりクラッチC−2をオフすると共にクラッチC−1をオンとする3−4係合変更のうち、共線図上で出力軸32から最も遠い軸であるS2軸の回転速度の上昇の程度が大きい4−3係合変更においてクラッチC−1をオンとするときに出力軸32にトルクショックが生じない程度の油圧の上昇程度に基づく上昇程度(変化率d1)をもってクラッチC−1をオンとすると共に3−4係合変更においてクラッチC−2をオンとするときには4−3係合変更で用いた変化率d1に基づく変化率d2をもってクラッチC−2をオンとすることにより、4−3係合変更や3−4係合変更の際に出力軸32にトルクショックが生じるのを抑制することができる。もとより、シフトポジションSPをDポジションとして走行している最中にアクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPとが共に値0で所定時間経過したアイドルコーストを実行する条件が成立したときに、アクセル開度Accと車速Vを変速マップに適用して得られる目標変速段GS*を形成する2つのクラッチやブレーキのうちの一方を係合した状態とすると共に他方を係合が解除された状態として自動変速機30を中立(ニュートラル)として走行するから、再加速時には他方のクラッチやブレーキを係合するだけで自動変速機30を目標変速段GS*とすることができ、迅速に再加速することができる。また、アイドルコーストによる走行中は、目標変速段GS*が1速〜3速のときには1速〜3速を形成するために必要なクラッチやブレーキのうち共通するクラッチC−1を係合した状態として自動変速機30をニュートラルとし、目標変速段GS*が4速〜6速のときには4速〜6速を形成するために必要なクラッチやブレーキのうち共通するクラッチC−2を係合した状態として自動変速機30をニュートラルとすることにより、車速の変化に対応して目標変速段GS*が変化したときに自動変速機30をニュートラルとするために係合した状態とするクラッチの変更を少なくすることができる。
実施例の自動変速装置20では、3−4係合変更においてクラッチC−2をオンとする際の油圧の上昇の程度としての変化率d2を4−3係合変更で用いた変化率d1より大きいものとしたが、変化率d2は変化率d1と同一であってもよい。
実施例の自動変速装置20では、アイドルコーストによる走行を始めるときやアイドルコーストによる走行中に目標変速段GS*が4速であるときには、クラッチC−2をオンとすると共にクラッチC−1をオフとして自動変速機30をニュートラルとするものとしたが、クラッチC−1をオンとすると共にクラッチC−2をオフとして自動変速機30をニュートラルとするものとしてもよい。この場合、係合変更処理は目標変速段GS*が5速から4速に変更されたときと4速から5速に変更されたときに実行すればよい。即ち、4−3係合変更および3−4係合変更を5−4係合変更および4−5係合変更として実行すればよい。
実施例の自動変速装置20では、アイドルコーストを実行する条件として、シフトポジションSPをDポジションである条件、アクセル開度Accが値0である条件、ブレーキペダルポジションBPが値0である条件、これらが成立している状態が所定時間経過した条件、を必要としたが、アイドルコーストを実行する条件は、これらに限定されるものではなく、アクセル開度Accに代えてスロットル開度が値0である条件としたり、ブレーキペダルポジションBPが値0である条件を含まないものとしたり、アイドルコーストによる走行に対してふさわしい条件であれば如何なる条件としても構わない。
実施例の自動変速装置20では、6速の自動変速機30を用いるものとしたが、5速の自動変速機を用いるものとしてもよいし、7速や8速以上の自動変速機を用いるものとしてもよい。
実施例では、自動変速装置20の形態に適用するものとしたが、変速機の制御方法の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、自動変速機30が「変速機」に相当し、アクセル開度Accと車速Vを変速マップに適用して目標変速段GS*を設定する図6の変速制御ルーチンのステップS110の処理を実行する変速機ECU80が「目標変速段設定手段」に相当し、シフトポジションSPをDポジションとして走行している最中にアクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPとが共に値0で所定時間経過したときに、目標変速段GS*が1速〜3速のときには1速〜3速を形成するために必要なクラッチやブレーキのうち共通するクラッチC−1を係合した状態として自動変速機30をニュートラルとし、目標変速段GS*が4速〜6速のときには4速〜6速を形成するために必要なクラッチやブレーキのうち共通するクラッチC−2を係合した状態として自動変速機30をニュートラルとする図6の変速制御ルーチンのステップS130,S160〜S180の処理や、アイドルコーストによる走行中に目標変速段GS*が4速から3速に変更されたときや3速から4速に変更されたときに図6の変速制御ルーチンのステップS220として図7の係合変更処理を実行する変速機ECU80が「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動変速装置20の製造産業などに利用可能である。
10 自動車、11a,11b 駆動輪、12 エンジン、14 クランクシャフト、14a 回転速度センサ、16 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、17 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、18 フロントカバー、20 動力伝達装置、22 流体伝動装置、23 ポンプインペラ、24 タービンランナ、25 ステータ、26 ワンウェイクラッチ、28 ロックアップクラッチ、30 自動変速機、31 入力軸、31a 回転速度センサ、32 出力軸、32a 回転速度センサ、35 遊星歯車機構、36 サンギヤ、37 リングギヤ、38 ピニオンギヤ、39 キャリア、40 遊星歯車機構、41a サンギヤ、41b サンギヤ、42 リングギヤ、43a ショートピニオンギヤ、43b ロングピニオンギヤ、44 キャリア、48 ギヤ機構、49 デファレンシャルギヤ、50 油圧回路、80 変速機用電子制御ユニット(変速機ECU)、91 シフトレバー、92 シフトポジションセンサ、93 アクセルペダル、94 アクセルペダルポジションセンサ、95 ブレーキペダル、96 ブレーキスイッチ、98 車速センサ、B−1,B−2 ブレーキ、C−1〜C−3 クラッチ、F−1 ワンウェイクラッチ。

Claims (5)

  1. 油圧駆動による複数の摩擦係合要素のうち組み合わせの異なる2つの摩擦係合要素を係合した状態とすることにより複数の変速段を実現する変速機と、車速に基づいて目標変速段を設定する目標変速段設定手段と、前記複数の摩擦係合要素の係合および係合の解除により前記変速機の変速制御を実行する制御手段と、を備える車載用の自動変速装置であって、
    前記変速機は、最低速段から該最低速段と最高速段との間にある所定変速段までのいずれの変速段もその形成に前記複数の摩擦係合要素において第1の摩擦係合要素の係合が必要とされると共に前記所定変速段から前記最高速段までのいずれの変速段もその形成に前記複数の摩擦係合要素において前記第1の摩擦係合要素とは異なる第2の摩擦係合要素の係合が必要とされる変速機であり、
    前記制御手段は、走行中に前記変速機を中立とするために予め定められた所定の中立条件が成立したときに前記目標変速段が前記最低速段から前記所定変速段より1つ低速側の変速段までのいずれかの変速段であるときには前記変速機の変速段を前記目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち前記第1の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とし、前記所定の中立条件が成立したときに前記目標変速段が前記所定変速段のときには前記第1の摩擦係合要素または前記第2の摩擦係合要素のうちの一方を係合した状態とすると共に他方を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とし、前記所定の中立条件が成立したときに前記目標変速段が前記所定変速段より1つ高速側の変速段から前記最高速段までのいずれかの変速段であるときには前記変速機の変速段を前記目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち前記第2の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とする、中立制御を実行する手段であり、
    更に、前記制御手段は、前記中立制御を実行している最中に前記目標変速段の変更に伴って前記第1の摩擦係合要素の係合を解除して前記第2の摩擦係合要素を係合するときを第1の係合変更とすると共に前記中立制御を実行している最中に前記目標変速段の変更に伴って前記第2の摩擦係合要素の係合を解除して前記第1の摩擦係合要素を係合するときを第2の係合変更としたときに、前記第1の係合変更と前記第2の係合変更とのうち共線図上で前記変速機の出力軸から最も遠い回転要素の回転速度を上昇させる程度が大きい方の係合変更である回転速度大側係合変更における係合すべき摩擦係合要素の係合の際にトルクショックが生じない程度の該係合すべき摩擦係合要素の係合に対する油圧の上昇の程度である所定上昇程度に基づく油圧の上昇程度をもって前記第1の係合変更および前記第2の係合変更を実行する手段である、
    自動変速装置。
  2. 請求項1記載の自動変速装置であって、
    前記制御手段は、前記第1の係合変更と前記第2の係合変更のうち前記回転速度大側係合変更を実行するときには前記所定上昇程度をもって係合変更を実行し、前記第1の係合変更と前記第2の係合変更のうち前記回転速度大側係合変更ではない方の係合変更を実行するときには前記所定上昇程度より早い上昇程度をもって係合変更を実行する手段である、
    自動変速装置。
  3. 請求項1または2記載の自動変速装置であって、
    前記制御手段は、前記回転速度大側係合変更として前記第1の係合変更と前記第2の係合変更とのうち共線図上で摩擦係合要素が取り付けられた回転要素のうち前記変速機の出力軸から最も遠い回転要素の回転速度を上昇させる程度が大きい方の係合変更を用いる手段である、
    自動変速装置。
  4. 請求項3記載の自動変速装置であって、
    前記変速機の出力軸から最も遠い回転要素に取り付けられた摩擦係合要素は、該最も遠い回転要素の回転を停止するブレーキである、
    自動変速装置。
  5. 油圧駆動による複数の摩擦係合要素のうち組み合わせの異なる2つの摩擦係合要素を係合した状態とすることにより複数の変速段を実現する変速機において、最低速段から該最低速段と最高速段との間にある所定変速段までのいずれの変速段もその形成に前記複数の摩擦係合要素において第1の摩擦係合要素の係合が必要とされると共に前記所定変速段から前記最高速段までのいずれの変速段もその形成に前記複数の摩擦係合要素において前記第1の摩擦係合要素とは異なる第2の摩擦係合要素の係合が必要とされる変速機の制御方法であって、
    走行中に前記変速機を中立とするために予め定められた所定の中立条件が成立したときに車速に基づく目標変速段が前記最低速段から前記所定変速段より1つ低速側の変速段までのいずれかの変速段であるときには前記変速機の変速段を前記目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち前記第1の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とし、前記所定の中立条件が成立したときに前記目標変速段が前記所定変速段のときには前記第1の摩擦係合要素または前記第2の摩擦係合要素のうちの一方を係合した状態とすると共に他方を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とし、前記所定の中立条件が成立したときに前記目標変速段が前記所定変速段より1つ高速側の変速段から前記最高速段までのいずれかの変速段であるときには前記変速機の変速段を前記目標変速段とするために係合すべき2つの摩擦係合要素のうち前記第2の摩擦係合要素を係合した状態とすると共に他方の摩擦係合要素を係合が解除された状態とすることにより前記変速機を中立とする、中立制御を実行し、
    前記中立制御を実行している最中に前記目標変速段の変更に伴って前記第1の摩擦係合要素の係合を解除して前記第2の摩擦係合要素を係合するときを第1の係合変更とすると共に前記中立制御を実行している最中に前記目標変速段の変更に伴って前記第2の摩擦係合要素の係合を解除して前記第1の摩擦係合要素を係合するときを第2の係合変更としたときに、前記第1の係合変更と前記第2の係合変更とのうち共線図上で前記変速機の出力軸から最も遠い回転要素の回転速度を上昇させる程度が大きい方の係合変更である回転速度大側係合変更における係合すべき摩擦係合要素の係合の際にトルクショックが生じない程度の該係合すべき摩擦係合要素の係合に対する油圧の上昇の程度である所定上昇程度に基づく油圧の上昇程度をもって前記第1の係合変更および前記第2の係合変更を実行する、
    ことを特徴とする変速機の制御方法。
JP2011079747A 2011-03-31 2011-03-31 自動変速装置および変速機の制御方法 Expired - Fee Related JP5440539B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011079747A JP5440539B2 (ja) 2011-03-31 2011-03-31 自動変速装置および変速機の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011079747A JP5440539B2 (ja) 2011-03-31 2011-03-31 自動変速装置および変速機の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012215211A JP2012215211A (ja) 2012-11-08
JP5440539B2 true JP5440539B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=47268149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011079747A Expired - Fee Related JP5440539B2 (ja) 2011-03-31 2011-03-31 自動変速装置および変速機の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5440539B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6922799B2 (ja) 2018-03-15 2021-08-18 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001227635A (ja) * 2000-02-10 2001-08-24 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機
JP3841018B2 (ja) * 2002-05-20 2006-11-01 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 自動変速機の変速制御装置
JP5338229B2 (ja) * 2008-09-29 2013-11-13 マツダ株式会社 車両用駆動装置の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012215211A (ja) 2012-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5652420B2 (ja) 自動変速機の制御装置および制御方法
JP5641135B2 (ja) 変速機の制御装置および変速機の制動トルク発生判定方法
JP5472530B2 (ja) 変速機の制御装置および変速機の制御方法
JP5983857B2 (ja) 変速機の制御装置および制御方法
US9020711B2 (en) Road slope estimating device
WO2011092960A1 (ja) 自動変速機の制御装置および変速機装置並びに動力出力装置
JP2010038168A (ja) 変速機装置および動力出力装置並びに動力出力装置の制御方法
JP5440536B2 (ja) 自動変速装置および変速機の変速段の異常判定方法
JP5359968B2 (ja) 動力伝達装置およびその制御方法並びにロックアップクラッチ装置
JP5440539B2 (ja) 自動変速装置および変速機の制御方法
JP2013087826A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2012215210A (ja) 自動変速装置および変速機の制御方法
JP5569449B2 (ja) 自動変速装置およびロックアップクラッチの係合方法
JP6040693B2 (ja) 変速装置の制御装置
JP5673004B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP5790535B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP5636979B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JPWO2012133808A1 (ja) 変速装置の制御装置および制御方法
JP2010043584A (ja) 車両の制御装置
JP5440537B2 (ja) 自動変速装置およびその制御方法
JP5561406B2 (ja) 変速機装置および動力出力装置並びに動力出力装置の制御方法
JP2010180967A (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP2008144737A (ja) 動力出力装置の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5440539

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees