JP2010106652A - キッチン用水栓 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗い動作中の手の動作量を低減させることができる、あるいは水跳ねを減少させることができるキッチン用水栓及びこれを備えたシステムキッチンおよびキッチン用水栓を提供する。
【解決手段】シンク30と、吐水口22、24を有するキッチン用水栓20とを備えたシステムキッチンであって、吐水口22、24から吐水された水の少なくとも一部は、シンク30の上面32と、シンク30の前面36と後面38との中央部と、が交差する所定領域42を通過し、前面36と、後面38と、の中心よりも前面36側のシンク30の底面34に着水するように、吐水口22、24の向きを、前面36に向けたシステムキッチン。
【選択図】図2

Description

本発明は、水栓とシンクとを備えたシステムキッチン、およびキッチン用水栓に関する。
調理中などにおいて、包丁や野菜、食器などに付着している汚れを落とすために、洗い動作を行うことがある。このような洗い動作は、2種類の洗い動作に分けることができる。一方は、汚れの少ないものを洗う動作であり、これを「簡単洗い」と呼ぶことにする。他方は、汚れの落ち難いものを洗う動作であって、これを「丁寧洗い」と呼ぶことにする。
「簡単洗い」は、主にすすぎ洗いを行う動作であり、具体的には、包丁、まな板、あるいは汚れの少ない野菜などを洗う動作である。洗浄時間は短く、例えば約2秒程度である。また、簡略的な洗い動作であるため、シンクの側方に設けられた調理台の前に立ちつつ、水栓の方向に向かって野菜などを差し出して洗うことができると便利である。すなわち、調理台から斜め方向に野菜などを差し出して洗うことができると便利である。
これに対して、「丁寧洗い」は、主にこすり洗いを行う動作であり、具体的には泥汚れ、油汚れ、あるいは肉や魚の「ヌメリ」などを洗う動作である。洗浄時間は、「簡単洗い」よりも長く、例えば約10秒以上である。また、汚れの落ち難いものを洗う動作であるため、シンクおよび水栓の正面に立って魚を切った後のまな板などを差し出して洗うことが多い。
「簡単洗い」および「丁寧洗い」のいずれの洗い動作であっても、洗浄効果を向上させて、洗い動作中の手の動作量を低減させることが好ましい。また、水栓から吐水された水が洗浄物に当たって跳ね返る現象、いわゆる「水跳ね」を減少させることが好ましい。なお、「簡単洗い」は、簡略的な洗い動作であるため、洗い動作中の手の動作量を低減させることがより好ましい。
そこで、洗浄効果を向上させる、あるいは「水跳ね」を低減させることができる噴射ノズル付き流し台のシンクがある(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された噴射ノズル付き流し台のシンクは、ノズルから噴射された水が当たるシンク底面の少なくとも一部をシンク奥行き方向に傾斜させている。また、噴射された水は、所定の広がりをもってキッチンカウンター上面、すなわち水平面に対して斜めに噴射されている。
しかしながら、特許文献1に記載された噴射ノズル付き流し台のシンクにおいては、噴射された水の着水点は、使用者から見てシンクの奥側であるため、手および洗浄物が噴射水に届きにくい。更に、「簡単洗い」の場合においては、使用者が調理台前に立った状態から手及び洗浄物を挿入するため、噴射水に対して更に届きにくい状況となり、身体を前のめりにする、あるいは手を伸ばして洗う等の動作が発生してしまう。つまり、洗い動作中の手の動作量を低減させることができないという問題がある。
一方、手洗いなどを容易にすることができる吐水口口金がある(例えば、特許文献2)。特許文献2に記載された吐水口口金は、斜めに水を吐水させることによって、洗面器上面などに水がかからないようにしている。
しかしながら、特許文献2に記載された吐水口口金は、特許文献1と同様に、吐水された水の着水点は、使用者から見て洗面器の奥側であるため、これをキッチン用水栓に流用しても、使用者が手や洗浄物を挿入する際に吐水へ届きにくいという問題が発生してしまう。特に「簡単洗い」を行う場合においては、更に遠方に手や洗浄物を挿入することになるので、動作量、及び身体への負荷が大きくなる。したがって、洗い動作中の手の動作量を低減させることができないという問題がある。
登録実用新案第3055105号公報 実用新案登録第2605836号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、洗い動作中の手の動作量を低減させることができる、あるいは水跳ねを減少させることができるシステムキッチンおよびキッチン用水栓を提供する。
本発明の一態様によれば、シンクと、吐水口を有するキッチン用水栓と、を備えたシステムキッチンであって、前記吐水口から吐水された水の少なくとも一部は、前記シンクの上面と、前記シンクの前面と後面との中央部と、が交差する所定領域を通過し、前記前面と、前記後面と、の中心よりも前記前面側の前記シンクの底面に着水するように、前記吐水口の向きを、前記前面に向けたことを特徴とするシステムキッチンが提供される。
また、本発明の一態様によれば、取付面から略鉛直方向に立ち上がる立位部と、少なくとも1つ以上の吐水口を備え、前記立位部に対し、屈曲部を介して、前記吐水口を備えた面側に傾斜して立ち上がる吐水部と、を有するキッチン用水栓であって、前記吐水口の向きの延長線上と、前記取付面を含む水平面と、が交差する交差点と、前記吐水口が前記取付面を含む水平面上に投影された投影点と、を結ぶ長さが、前記吐水口と、前記立位部が取り付けられた前記取付面上の立位部取付位置の水平成分距離よりも長くなるようにし、且つ前記吐水口と、前記立位部取付位置の垂直成分距離が水平成分距離よりも同じか、若しくは長くなるように、前記立位部よりも前記吐水部の長さが長くしたことを特徴とするキッチン用水栓が提供される。
本発明によれば、洗い動作中の手の動作量を低減させることができる、あるいは水跳ねを減少させることができるシステムキッチンおよびキッチン用水栓が提供される。
本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。 本実施形態にかかるキッチン用水栓からシャワー水が吐水されている状態を表す側面模式図である。 本実施形態にかかるキッチン用水栓から整流水が吐水されている状態を表す側面模式図である。 本実施形態にかかるキッチン用水栓の吐水口の向きを表す側面模式図である。 成人女性の水平作業域を例示する模式図である。 システムキッチンと使用者との位置関係を例示する模式図である。 本実施形態にかかるキッチン用水栓を表す模式図であり、図7(a)は、キッチン用水栓を正面から眺めた正面模式図であり、図7(b)は、キッチン用水栓のA−A断面を表す断面模式図であり、図7(c)は、キッチン用水栓のB−B断面を表す断面模式図である。 シャワー吐水用の散水板を例示する模式図であり、図8(a)は、散水板を正面から眺めた正面模式図であり、図8(b)は、散水孔群を例示する模式図である。 斜め吐水による洗浄効果の検討条件を表す模式図である。 整流水における洗浄効果の検討結果を表す模式図である。 シャワー水における洗浄効果の検討結果を表す模式図である。 斜め吐水による洗浄効果を説明するための模式図であり、図12(a)は、洗浄物に対して斜めに吐水した場合を表した模式図であり、図12(b)は、洗浄物に対して垂直に吐水した場合を表した模式図である。 整流水による洗浄効果を説明するための模式図であり、図13(a)は、整流水を正面から眺めた模式図であり、図13(b)は、整流水を上面から眺めた模式図である。 シャワー水による洗浄効果を説明するための模式図であり、図14(a)は、シャワー水を正面から眺めた模式図であり、図14(b)は、シャワー水を上面から眺めた模式図である。 洗浄物の傾斜による洗浄効果の影響を説明するための模式図であり、図15(a)は、シンク上面に対して斜めに吐水する場合の模式図であり、図15(b)は、シンク上面に対して垂直に吐水する場合の模式図である。 斜め吐水による水跳ねの検討の条件を表す模式図であり、図16(a)は、包丁角度と水栓角度とを説明する模式図であり、図16(b)は、評価方法を説明する模式図である。 斜め吐水による水跳ねの検討の結果を例示する表である。 斜め吐水による水跳ねの他の検討の条件を表す模式図であり、図18(a)は、上面から眺めた模式図であり、図18(b)は、右側方から眺めた模式図である。 斜め吐水による水跳ねの他の検討の結果を例示する表である。 比較例にかかるシステムキッチンを例示する模式図であり、図20(a)は、吐水口の向きを表す模式図であり、図20(b)は、シャワー用吐水口から吐水される様子を表す模式図である。 本実施形態にかかる洗浄領域を上面から眺めた模式図である。ある。 シャワー吐水用の散水板の変形例にかかる散水板を例示する模式図である。 本変形例の散水板を使用したシステムキッチンを表す模式図である。 本発明の実施の形態にかかるキッチン用水栓からシャワー水が吐水されている状態を表す側面模式図である。 本実施形態にかかるキッチン用水栓から整流水が吐水されている状態を表す側面模式図である。 本発明の実施形態にかかるキッチン用水栓を例示する模式図であり、図26(a)は、キッチン用水栓を正面から眺めた正面模式図であり、図26(b)は、キッチン用水栓を側面から眺めた側面模式図である。 本発明の実施形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。 本発明の実施形態にかかるシステムキッチンを表す側面模式図である。 本発明の実施形態にかかるシャワー用吐水口に設けられた散水板の変形例を示した模式図であり、図29(a)は、散水板を正面から眺めた正面模式図であり、図29(b)は、A−A断面を表す断面模式図である。 比較例にかかるキッチン用水栓を表す側面模式図である。 比較例にかかるキッチン用水栓を表す側面模式図である。 本発明の実施形態にかかるキッチン用水栓の変形例を表す模式図であり、図31(a)は、吐水部の変形例について示したキッチン用水栓20の側面模式図であり、図31(b)は、吐水部15の正面模式図である。 本発明の実施形態にかかる操作部の変形例について示した模式図である。
第1の発明の実施形態は、シンクと、吐水口を有するキッチン用水栓と、を備えたシステムキッチンであって、前記吐水口から吐水された水の少なくとも一部は、前記シンクの上面と、前記シンクの前面と後面との中央部と、が交差する所定領域を通過し、前記前面と、前記後面と、の中心よりも前記前面側の前記シンクの底面に着水するように、前記吐水口の向きを、前記前面に向けたことを特徴とするシステムキッチンである。
このシステムキッチンによれば、吐水口から吐水された水が使用者に近い位置に着水するため、洗い動作が効率化されるとともに、斜めに吐水されるため、水跳ねが減少できる。
第2の発明の実施形態は、第1の発明の実施形態において、前記吐水口から吐水された水の少なくとも一部は、前記所定領域のうち、前記中心よりも前記前面側を通過することを特徴とするシステムキッチンである。
このシステムキッチンによれば、シンクの前方側に水が吐水されるため、シンクの側方に延在する調理台の前からでも楽に洗い動作を行うことができる。
第3の発明の実施形態は、第1の発明の実施形態または、第2の発明の実施形態において、前記吐水口は、前記シンクの前記前面と、前記後面と、の中央部より前記後面側に位置することを特徴とするシステムキッチンである。
このシステムキッチンによれば、洗浄領域の上方に吐水口がないため、洗浄領域への視認性が高まる他、広い空間が確保されることになり、洗い動作が効率化される。なお、洗浄領域については後述する。
第4の発明の実施形態は、第1乃至3のいずれか一つの発明の実施形態において、前記吐水口は、複数の散水孔を有しシャワー水が吐水されるシャワー用吐水口であることを特徴とするシステムキッチンである。
このシステムキッチンによれば、広範囲に吐水がかかるため、洗浄物を差し出すだけで、洗浄することが可能となり、洗い動作が効率化される。
第5の発明の実施形態は、第1乃至4のいずれか一つの発明の実施形態において、吐水口を有するキッチン水栓であって、前記吐水口から吐水された水の少なくとも一部は、シンクの上面と、シンクの前面と後面との中央部と、が交差する所定領域を通過し、前記前面と、前記後面と、の中心よりも前記前面側の前記シンクの底面に着水するように、前記吐水口の向きを、前記前面に向けたことを特徴とするキッチン用水栓である。
このキッチン用水栓によれば、吐水口から吐水された水が使用者に近い位置に着水するため、洗い動作が効率化されるとともに、斜めに吐水されるため、水跳ねが減少できる。
第6の発明の実施形態は、取付面から略鉛直方向に立ち上がる立位部と、少なくとも1つ以上の吐水口を備え、前記立位部に対し、屈曲部を介して、前記吐水口を備えた面側に傾斜して立ち上がる吐水部と、を有するキッチン用水栓であって、前記吐水口の向きの延長線上と、前記取付面を含む水平面と、が交差する交差点と、前記吐水口が前記取付面を含む水平面上に投影された投影点と、を結ぶ長さが、前記吐水口と、前記立位部が取り付けられた前記取付面上の立位部取付位置の水平成分距離よりも長くなるようにし、且つ前記吐水口と、前記立位部取付位置の垂直成分距離が水平成分距離よりも同じか、若しくは長くなるように、前記立位部よりも前記吐水部の長さが長くしたことを特徴とするキッチン用水栓が提供される。
このキッチン用水栓によれば、吐水口の位置が高いため、大物調理器具の取り回しが効率化されるのに加え、吐水部に視界を遮られることがないため、視線の誘導がスムーズになり、より動作が効率化される。
第7の発明の実施形態は、第6の発明の実施形態において、前記吐水口は、複数の散水孔が穿設されたシャワー用吐水口であることを特徴とするキッチン用水栓である。
このキッチン用水栓によれば、広範囲に吐水が広がるため、食器や調理器具、食材等の洗浄を素早く行うことができる。
第8の発明の実施形態は、第6の発明の実施形態、または第7の発明の実施形態において、前記水栓の吐止水および温度、流量を調節する操作部は、前記立位部に配設されることを特徴とするキッチン用水栓である。
このキッチン用水栓によれば、吐水口を見下ろす視線の延長線上に操作部があるため、視線の誘導がスムーズになり、吐止水の動作が効率化される。
第9の発明の実施形態は、第6乃至8のいずれか1つの発明の実施形態において、シンクと、前記シンクに吐水流を放出するよう配置されたキッチン用水栓と、を備えたシステムキッチンである。
このシステムキッチンによれば、使用者から見て、より手前側のシンクに着水するため、手が届きやすく、身体の負担のない姿勢で洗浄動作を行わせることが可能となる。また、視界を遮られるものがないため、調理動作をより効率化することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
本実施形態にかかるシステムキッチン10は、キッチン用水栓20と、シンク30と、を備えている。キッチン用水栓20は、整流用吐水口22と、シャワー用吐水口24と、を有している。シンク30は、シンク上面32と、シンク底面34と、を有している。なお、シンク30は、シンク上面32の左側方および右側方の少なくともいずれかに延在する調理台(図示せず)を有していてもよい。なおここで、「整流」とは水流が略一本の吐水形態を意味し、「シャワー」とは水流が複数本の吐水形態を意味するものとする。
キッチン用水栓20は、使用者から見てシンク30の奥側、すなわちシステムキッチン10の後方、且つシンク上面32に設けられている。キッチン用水栓20の下方部、すなわちシンク30に取り付けられている近傍の部分は、シンク上面32に対して略垂直に設けられているが、所定の寸法よりも上方部は、シンク上面32に対して傾斜している。傾斜角度は、シンク上面32に対して例えば約60度程度である。但し、この傾斜角度は、適宜変更することができる。また、シンク上面32とシンク後面38との間(略稜線部分)に、ある一定の角度を持った図示しない設置面を設け、この設置面に対してキッチン用水栓20を垂直に搭載して斜めの吐水を供給する方法がある。さらに、斜めの設置面からシンク上面32に対して水平方向に一定距離の長さを有し、その後シンク上面32に対して垂直方向に所定の寸法を有し、所定寸法より上方部がシンク上面32に対して傾斜した形状を有するキッチン用水栓20によって、斜めの吐水を供給する方法がある。上記キッチン用水栓の形状は、キッチン用水栓をシンクに取り付ける面が異なる場合にも斜め吐水を供給できるものであり、どのようなシンクに対しても本発明の効果を供給可能とするものである。また、どの方法に対しても所定の範囲を斜め方向に吐水が通過するように設定することにより、本発明の効果を有するものである。
これに伴い、整流用吐水口22およびシャワー用吐水口24は、シンク上面32およびシンク底面34に対して傾斜した状態でシンク30に向かって設けられている。そのため、整流用吐水口22およびシャワー用吐水口24から吐水された水は、シンク上面32およびシンク底面34に対して斜めに吐水される。なお、本願明細書において「水」という場合には、「湯」を含むものとする。
図2は、本実施形態にかかるキッチン用水栓からシャワー水が吐水されている状態を表す側面模式図である。
図2に表したように、シャワー水が吐水される場合、水40はシャワー用吐水口24から吐水される。水40は、前述したように、シンク上面32に対して斜め方向に吐水される。また、シャワー用吐水口24から吐水された水40は、シンク上面32と、シンク前面36とシンク後面38との中央部と、が交差する領域(以下、「洗浄領域」という)42を通過する。すなわち、水40が洗浄領域42を通過するように、適宜設定された一定流量の水が吐水される。一定流量の水を吐水させるためには、流量あるいは水圧を固定して定流量にて吐水させることができる手段70を設けるとよい。手段70としては、例えば定量弁や定圧弁などを設けることができる。
また、シャワー用吐水口24から斜めに吐水された水40は、洗浄領域42を斜めに通過する。斜めに通過することにより、使用者が肘を曲げて楽に作業できる手の可動域に対して吐水が通過する領域が広がる。そのため、使用者は楽な姿勢で洗い作業することができる。さらに、楽に洗い作業を行う領域を広範囲にできるため、使用者毎の洗浄領域に対する手の挿入場所のバラツキがあった場合においても、より多くの使用者に対しても、洗浄における身体の負荷を低減することが可能となる。
シャワー水が吐水され、シンク上面32を通過するときの前後方向の幅は、調理器具や手、または洗浄物を持った手に対して全面に吐水が当たるような設定が望ましい。このような設定を行うことにより、洗浄物の全面に対して吐水を一斉にかけることが可能となるため、洗浄物を移動させて全面に吐水をかける動作を低減させることが可能となる。そのため、使用者は洗浄物を差し出すだけで、前後方向へ細かく揺さぶる等の動作を低減することが可能となる。前後方向の幅は、例えば、包丁の刃の長さの平均値、まな板の短辺側の長さの平均値、成人の手の大きさなどを考慮して、一度に全体に水を吐水可能な長さ、すなわち170mm程度の長さを有することが望ましい。ただし、洗浄物の全長の略半分の長さに対して洗浄水を吐水し、洗浄物上を流れる流水によって残りの略半分の長さを洗い流すようにすれば、水の使用量を抑制しつつ洗浄効果を向上させることもできる。
また、シャワー水が吐水され、シンク上面32を通過するときの左右方向の幅は、同様に広い方が、一度に広範囲に吐水することができ、洗い作業が効率化されるため望ましい。ただし、「簡単洗い」で最も頻繁に洗われるものとしては、使用者の手および包丁が挙げられ、身体の負荷なく、吐水に手を差し出すことを考慮すると、シンクの前後方向に対しては、洗浄物の長さは長くなるものの、左右方向の幅は、比較的短い。したがって、左右方向に幅広く吐水されると、手にかからずに直接シンク底面に着水してしまい、無駄に水を流してしまうことになるため、好ましくない。このため、左右方向の幅は、20mm程度の長さを有することが望ましい。
続いて、洗浄領域42を通過した水40の少なくとも上方側の水40aは、シンク前面36とシンク後面38との中心35よりもシンク前面36側のシンク底面34に着水する。すなわち、少なくとも上方側の水40aは、使用者から見て手前側のシンク底面34に着水する。水40がシンク底面34に着水する時の入射角度は、水跳ねに影響を及ぼす。入射角度が垂直に近くなるほどシンク底面34の垂直方向の運動エネルギー成分が多くなるため、水跳ねが多くなる。水跳ねを抑制するためにシンク底面34に対し、斜めに着水するようにしている。流速が一定の場合、着水時の入射角度は、シャワー用吐水口24から吐水する角度に比例する。シャワー用吐水口の角度と水跳ね量の関係は後述する。またシンク前面36により近いシンク底面34に着水すると、水跳ねが生じた場合においても、跳ねた水が高く飛び散る前に、シンク前面36に衝突するので、使用者にかかりにくくなるという効果も見込める。したがって、シャワー用吐水口24から吐水された水40は、洗浄領域42を斜めに通過した後、シンクの中心35よりもシンク前面36側のシンク底面34に斜めに着水すれば、使用者にかかる水跳ねを大幅に低減できるとともに、着水による騒音も低減することができる。
図3は、本実施形態にかかるキッチン用水栓から整流水が吐水されている状態を表す側面模式図である。
図3に表したように、整流水が吐水される場合、水40は整流用吐水口22から吐水される。水40は、前述したように、シンク上面32に対して斜め方向に吐水される。また、整流用吐水口22から吐水された水40は、シャワー水の場合と同様に、洗浄領域42を通過する。すなわち、整流水の場合においても、水40が洗浄領域42を通過するように、適宜設定された一定流量の水が吐水される。そのため、吐水形態に応じて使用者が適宜洗浄領域42を変更することなく洗浄を行うことが出来、且つ楽に作業できる手の可動域にて洗浄を行うことが可能となるため、使用者の洗浄における身体の負荷を低減することが可能なる。
続いて、洗浄領域42を通過した水40は、シンク前面36とシンク後面38との中心よりもシンク前面36側のシンク底面34に着水する。すなわち、使用者から見て手前側のシンク底面34に着水する。ここでも、上述したように、着水点を洗浄領域42からシンク前面36の間のシンク底面34に対して設定するため、使用者やシンク上面32に対する水跳ねを大幅に低減することが可能となる。
また、整流用吐水口22は、シャワー用吐水口24の上方かつ前方に配設されている。しかしながら、整流用吐水口22は、洗浄領域42よりも後方に配設される。このため、洗浄領域42が水栓20によって視界を遮られることがないため、洗浄物の洗浄状態を確認しやすくなり、洗い動作が効率化される。
図4は吐水口の向きを示した側面模式図である。
図4に示したように、シャワー用吐水口の向き41bおよび整流用吐水口の向き41aは、シンク前面36に向くようにしている。吐水口の向きとは、吐水口の孔の軸線方向の向きを意味するものであり、例えば、孔が開口面に対し垂直な場合は、開口面に対して垂直な方向を表す。また例えば、吐水口の孔が開口面に対し、ある傾きを持っている場合は、孔の軸線方向を表す。吐水口の向きをシンク前面に向けることで、吐水口から吐水された水が使用者に近い位置に着水するため、洗い動作が効率化される。また、使用者が吐水口を眺めやすくなるため、吐水の状態を確認できやすくなる他、不衛生になりやすい吐水口が確認しやすくなり、清掃を助長する効果も見込める。なお、吐水口の向きは、シンク前面を向いているが、実際に吐水された水40は、重力の影響を受けるため、シンク前面に到達することがないよう設定されている。
ここで、洗浄領域42について図面を参照しつつ説明する。
図5は、成人女性の水平作業域を例示する模式図である。
また、図6は、システムキッチンと使用者との位置関係を例示する模式図である。
本発明者は、システムキッチンを使用する頻度が多い成人女性の水平作業域を調査している。
図5に表した水平作業域において、実線は手を延ばして届く範囲を表しており、点線は肘を曲げて楽に作業のできる範囲を表している。これによれば、カウンターの前端64からシンク後面38の方向に向かって約30cmの範囲内であれば、成人女性は肘を曲げて楽に作業できることが分かる。また、カウンターの前端64からシンク後面38の方向に向かって約30cmの範囲外であっても、約50cmの範囲内であれば、成人女性は手を延ばして届くことが分かる。使用者の身体に負担がかからない領域に、キッチン用水栓20から吐水された水40を通過するよう設定することで、使用者は楽な姿勢で洗浄動作を行うことが可能となる。
そこで、シンク前面36とシンク後面38の中心を洗浄領域42の中心を設定した(図2参照)。シンクの一般的な奥行き方向(図2の前後方向)は500〜600mm程度であるため、このようにすることで、キッチンの様々なシンクに対して身体の負担の少ない洗浄領域を供給することが可能となる。また、図6に表したように、図5に表した水平作業域を考慮して、洗浄領域42の中心からシンク後面38の方向に向かって約10cmの位置と、シンク後面38と、の間の領域46は、手が届きづらい領域とした。さらに、洗浄領域42の中心からシンク前面36の方向に向かって約10cmの位置と、シンク前面36と、の間の領域44は、手が曲がって窮屈になる領域とした。
そこで、洗浄領域42の中心35からシンク後面38の方向に向かって約10cmの位置に洗浄領域42の後端を設定し、洗浄領域42の中心35からシンク前面36の方向に向かって約10cmの位置に洗浄領域42の前端を設定した(図2参照)。すなわち、洗浄領域42の前後方向に対する領域長さL1を20cm程度に設定した。このように設定することによって、ほとんどの使用者が身体の負担なく洗浄動作を行うことが可能となる。
また、洗浄領域42の左右方向に対する領域長さL3に関して記載する(図21参照)。前述したように、体格差、手の稼動域を考慮すると、領域長さL3は、洗浄領域42の中心から、左右100mm程度より小さければ、ほとんどの使用者が身体の負荷なく洗い作業を行えることから、領域長さL3は200mm程度が望ましい。
また、洗浄領域42の上下方向に対する領域長さL2について示す。本実施形態においては、シンク上面32に対して斜め方向に吐水されているため、シンク30の前後方向に対して手の挿入場所が異なると、上下方向に対しても挿入場所が異なってしまう。ここで、使用者は洗浄物が大きなものに対してはシンク底面34と洗浄物との接触を逃れるため、シンク30の上下方向に対して上方向に洗浄領域を移動させる。一方、水跳ねを気にする使用者はシンク外への水の飛び散りを低減させるために、洗浄領域をシンクの下側に移動させる。洗浄領域42の、上下方向の中心を、シンク上面とし、上下方向に75mmずつ(全高150mm)の領域を設定することで、水跳ねの低減、洗浄物のシンク底面への接触の回避、を満たしながら、身体の負担の少ない姿勢で洗い動作を行わせることができる。
次に、洗浄領域42のシンク左側面37に対しての距離について示す。「簡単洗い」は調理中に行う洗い動作であることから、「簡単洗い」を行う前には、使用者は調理台の正面に立っていることが多い。したがって調理台の正面に立ちながら、「簡単洗い」を行うことができれば、移動の動作がなくなり、洗い動作を効率化できる。身体の負荷なく吐水された水に手が届くためには、洗浄領域42は、シンク左側側面37に対し、できるだけ近づけた方がよい。一方、大きな洗浄物をシンクの中でスムーズに洗うためには、洗浄領域42は、シンク左側側面37から、離した方がよい。大きな洗浄物で、左右方向に大きなものとして、例えばまな板があるが、洗浄領域の中心から、シンク左側面までの距離L5(図21参照)が、約200mm程度確保すれば、400mm程度の幅を有するまな板であっても、スムーズに洗うことができ、また調理台の正面に立ったまま、身体の負荷なく吐水に手を伸ばすことができることから、シンク左側側面までの距離L5は、約200mm程度が望ましい。なお、調理台がシンクに対して、右側に配設されている場合においては、シンク右側側面39に対して、洗浄領域42を約200mm程度とすればよい。
図7は、本実施形態にかかるキッチン用水栓の、所定寸法よりも上方部、すなわちシンク上面32に対し、傾斜して設置された部分を表す模式図であり、図7(a)は、キッチン用水栓の上方部を正面から眺めた正面模式図であり、図7(b)は、キッチン用水栓上方部のA−A断面を表す断面模式図であり、図7(c)は、キッチン用水栓上方部のB−B断面を表す断面模式図である。
キッチン用水栓20は、上方部に整流用吐水口22と、整流用吐水口22の下方部にシャワー用吐水口24と、を有している。また、キッチン用水栓20は、整流用吐水口22へ水40を導くための整流用配水管23と、シャワー用吐水口24へ水40を導くためのシャワー用配水管25と、をさらに有している。
整流用配水管23は、キッチン用水栓20の左側方寄りを通って、整流用吐水口22の左側方かつ下方部に接続されている。一方、シャワー用配水管25は、キッチン用水栓20の右側方寄りを通って、シャワー用吐水口24の下端に接続されている。
キッチン用水栓20の左右方向の幅は、洗浄物の大きさに応じた設定が望ましい。例えば、洗浄する対象は一般的に手、包丁や鍋等の調理器具、食材等であるが、左右方向を幅広く設定すると、小さなものを洗う際に余分な水を使用してしまう。一方、左右方向を幅狭く設定すると、大きなものを洗浄するために手を動かして洗浄を行う必要がある。そこで、本実施形態においては、簡単洗いにおいて、手や包丁等を簡単に洗うことに対して左右方向の幅を設定することで、簡単洗いでは洗浄物を差し出すだけで洗浄可能な状態とした。例えば約40mm程度とすることで、手や包丁の刃の部分を左右方向に手を移動させること無く洗浄することが可能となる。但し、これらの寸法はこれだけに限られるわけではなく、適宜変更することができる。
図8は、シャワー吐水用の散水板を例示する模式図であり、図8(a)は、散水板を正面から眺めた正面模式図であり、図8(b)は、散水孔群を例示する模式図である。
図8に表した散水板26は、キッチン用水栓20のシャワー用吐水口24に固定される。散水板26は、散水孔群27を有し、この散水孔群27は、水40をシャワー水として吐水するための散水孔27aを有する。散水孔群27は、例えば5行×2列で配列されている。また、散水孔27aは、例えば同心円状に2列で配列されており、合計約30個程度の散水孔27aが設けられている。水40は、それぞれの散水孔27aから吐出され、シャワー水としてシンク底面34に着水する。
次に、本発明者が行った事前検討について図面を参照しつつ説明する。
図9は、斜め吐水による洗浄効果の検討条件を表す模式図である。
本発明者は、斜めに吐水した場合の洗浄効果について、事前検討を行っている。まず、成人女性の平均的な掌と同じ程度の大きさの板100を、固定棒102の略先端に固定した試料を用意する。固定棒102に固定された側とは反対側の板100の表面には、包丁などに付着した汚れを想定して、疑似汚物が塗布されている。
続いて、疑似汚物が塗布された板100の表面を上方に向けて、板100および固定棒102と、シンク上面32およびシンク底面34と、のなす角度L14が、約15〜45度程度となるように傾けた状態で固定棒102を固定する。これは、使用者の肩の位置よりも、キッチン用水栓20の位置の方が下方に存在するため、使用者が包丁などの洗いものをキッチン用水栓20に向けて差し出したときには、その洗いものは、シンク上面32およびシンク底面34に対して傾斜した状態となるためである。なお、本発明者の調査によれば、身長162±2cmの被験者6人がキッチン用水栓20に差し出した例えば包丁などの角度の平均値は、シンク上面32に対して約32度程度であることが分かっている。
また、固定棒102は、板100の上下方向の位置がシンク上面32と略同じ高さとなるように固定されている。続いて、板100の中心100aに向けて吐水を行う。このとき、吐水口における吐水方向が、シンク上面32およびシンク底面34に対して、約90度程度と、約45度程度と、の2つ傾斜角度を持たせた状態で、それぞれ吐水を行う。また、吐水される水の流量は、2つの傾斜角度のそれぞれにおいて、約5.0L/min程度と、約3.0L/min程度と、に設定されている。すなわち、2つの傾斜角度と、2つの吐水流量と、からなる4つの組み合わせの条件において、洗浄効果の検討を行う。
また、整流水の場合と、シャワー水の場合と、のそれぞれの場合において、前述の4つの組み合わせの検討を行う。評価方法は、板100の表面に塗布された疑似汚物の落ち具合を目視により判断する方法である。
図10は、整流水における洗浄効果の検討結果を表す模式図である。
また、図11は、シャワー水における洗浄効果の検討結果を表す模式図である。
図10に表した整流水の場合の検討結果のように、吐水流量が約5.0L/min程度の場合には、吐水の傾斜角度が約45度程度のときと、約90度程度のときと、において、略全体の疑似汚物104を洗浄することができた。但し、略全体の疑似汚物104を洗浄することができるまでの時間については、傾斜角度が約45度程度のときには約3秒程度であるのに対して、約90度程度のときには約9秒程度となり、シンク上面32およびシンク底面34に対して斜めに吐水する方が、洗浄効果の良いことが分かった。
一方、吐水流量が約3.0L/min程度の場合には、吐水の傾斜角度が約45度程度のときには略全体の疑似汚物104を洗浄することができたが、吐水の傾斜角度が約90度程度のときには略全体の疑似汚物104を洗浄することができなかった。したがって、吐水流量が少ない場合にも、吐水流量が多い場合と同様に、シンク上面32およびシンク底面34に対して斜めに吐水する方が、洗浄効果の良いことが分かった。
また、傾斜角度が約45度程度である場合には、吐水流量が約3.0L/min程度という少量の吐水であっても、略全体の疑似汚物104を洗浄することができている。但し、吐水流量が多い方が、略全体の疑似汚物104を洗浄することができるまでの時間が短く、より洗浄効果の良いことが分かった。
図11に表したシャワー水の場合の検討結果のように、吐水流量が約5.0L/min程度の場合には、吐水の傾斜角度が約45度程度のときには略全体の疑似汚物104を洗浄することができたが、吐水の傾斜角度が約90度程度のときには略全体の疑似汚物104を洗浄することができなかった。一方、吐水流量が約3.0L/min程度の場合においても、吐水の傾斜角度が約45度程度のときには略全体の疑似汚物104を洗浄することができたが、吐水の傾斜角度が約90度程度のときには略全体の疑似汚物104を洗浄することができなかった。したがって、シャワー水の場合にも、整流水の場合と同様に、シンク上面32およびシンク底面34に対して斜めに吐水する方が、洗浄効果の良いことが分かった。
また、略全体の疑似汚物104を洗浄することができるまでの時間については、吐水流量が約5.0L/min程度のときには約9秒であるのに対して、吐水流量が約3.0L/min程度のときには約20秒となり、吐水流量の多い方がより洗浄効果の良いことが分かった。
さらに、傾斜角度が約45度程度であり、且つ吐水流量が約5.0L/minである場合において、整流水のときと、シャワー水のときと、の略全体の疑似汚物104を洗浄することができるまでの時間を比較すると、それぞれ約3秒程度と、約9秒程度と、であるため、整流水の方がより洗浄効果の良いことが分かった。
図12は、斜め吐水による洗浄効果を説明するための模式図であり、図12(a)は、洗浄物に対して斜めに吐水した場合を表した模式図であり、図12(b)は、洗浄物に対して垂直に吐水した場合を表した模式図である。
図12(a)に表したように、洗浄物100に対して水40を斜めに吐水させた場合には、水40が洗浄物100に着水したときに、洗浄物100と水40との衝突面が広くなるため、水40は洗浄物100の表面の広い範囲に広がる。
これに対して、図12(b)に表したように、洗浄物100に対して水40を垂直に吐水させた場合には、洗浄物100と水40との衝突面は、斜めに吐水させた場合よりも広くなることはなく、水40は洗浄物100の表面のより狭い範囲にしか広がらない。
したがって、洗浄物100に対して水40を斜めに吐水させた場合の方が、より広い範囲の汚れ104を洗浄することができる。これにより、斜めからの吐水は、洗浄時間を短縮できるという効果と、少量の吐水流量でも洗浄ができるという効果と、を有することになる。すなわち、洗浄効果を向上させることができるため、使用者は洗い動作中の手の動作量を低減させることができる。
図13は、整流水による洗浄効果を説明するための模式図であり、図13(a)は、整流水を正面から眺めた模式図であり、図13(b)は、整流水を上面から眺めた模式図である。
また、図14は、シャワー水による洗浄効果を説明するための模式図であり、図14(a)は、シャワー水を正面から眺めた模式図であり、図14(b)は、シャワー水を上面から眺めた模式図である。
なお、図13および図14は、洗浄物100に対して水40を垂直に吐水させた場合を例示している。
整流水は一粒あたり流量が多いため、水40の粒が洗浄物100に衝突したときの力は、より大きい。そのため、図12(b)に表したように、整流水の粒は洗浄物100および汚れ104の広い範囲に広がる。したがって、整流水の汚れ104への衝突力と、広範囲への広がり方と、によって汚れ104を流し落とす力は、より大きいと考えられる。
一方、シャワー水は一粒あたりの流量が、整流水と比較すると少ないため、水40の粒が洗浄物100に衝突したときの力は、より小さい。また、一粒一粒の間に間隔があり、また、一粒一粒がそれぞれ広い範囲に広がろうとしても、互いの粒同士が干渉するため、整流水と比較すると、より狭い範囲にしか広がらない。したがって、シャワー水の汚れ104への衝突力と、広がり方と、を考慮すると、汚れ104を流し落とす力は、整流水の方がより大きいと考えられる。これらのことにより、整流水と、シャワー水と、を比較すると、整流水の方が、より洗浄効果が良いと考えられる。
図15は、洗浄物の傾斜による洗浄効果の影響を説明するための模式図であり、図15(a)は、シンク上面に対して斜めに吐水する場合の模式図であり、図15(b)は、シンク上面に対して垂直に吐水する場合の模式図である。
図15(a)に表したように、シンク上面32に対して斜めに吐水させた水が傾斜した洗浄物100に衝突すると、領域110にある水40は、重力に逆らって洗浄物100および汚れ104の上方へ上がろうとする。これは、洗浄物100および汚れ104の上方に向かう慣性力が、水40に働いているためである。
一方、図15(b)に表したように、シンク上面32に対して垂直に吐水させた水が傾斜した洗浄物100に衝突すると、領域112にある水40は、重力に逆らって洗浄物100および汚れ104の上方へ上がろうとするが、シンク上面32に対して斜めに吐水させた場合と比較すると、上方へ上がる水40の流量は少ない。これは、水40に働く慣性力を考慮すると、洗浄物100および汚れ104の上方に向かう慣性力よりも、下方に向かう慣性力の方が大きいためである。
これらのことにより、洗浄物100が傾斜している場合には、水40が洗浄物100および汚れ104の広い範囲に広がるため、より洗浄効果が良くなると考えられる。したがって、使用者の肩の高さとキッチン用水栓20の高さとを考慮すると、使用者が洗い動作を行う場合には、洗浄物は傾斜していることが多いため、実使用上の状況を考慮すると、シンク上面32およびシンク底面34に対して斜めに吐水する方が、より洗浄効果が良くなると考えられる。
なお、図10および11に表した検討結果において、板100の上方側に疑似汚物104が残った原因は、図15を参照しつつ説明したメカニズムによるものと考えられる。
図16は、斜め吐水による水跳ねの検討の条件を表す模式図であり、図16(a)は、包丁角度と水栓角度とを説明する模式図であり、図16(b)は、評価方法を説明する模式図である。
本発明者は、斜め吐水にした場合の「水跳ね」について、事前検討を行っている。まず、包丁120の柄の部分に板122を固定した試料を用意する。板122の大きさは、例えば約20cm四方程度である。続いて、包丁120に固定された側とは反対側の板122の表面が上面となるように、包丁120および板122を固定する。このとき、包丁120の刃の長手方向の中心が、前述した洗浄領域42の略中心と一致するように固定する。
シンク上面32と、包丁120の柄および板122と、のなす角度を包丁角度L15とする。また、シンク上面32と、キッチン用水栓20の整流用吐水口22およびシャワー用吐水口24を有する部分と、のなす角度を水栓角度L16とする。本検討においては、この水栓角度L16を、約60度程度、約55度程度、約50度程度、または約45度程度に適宜設定する。また、包丁角度L15を、約15度程度に固定する。
本検討に使用する水はシャワー水であり、使用する散水板26は、散水孔27aの直径が約0.3mm程度であり、散水孔群27の有する散水孔27aの個数が45個のものである。また、吐水時間は約150秒程度とする。さらに、吐水流量を約3.9L/min程度の一定流量とする。これらの条件のもと、図16(b)に表したように、水40が包丁120に当たって跳ね返り、包丁120の柄に固定された板122の表面に飛散した水滴量(g)を「水跳ね量(g)」として評価を行う。
図17は、斜め吐水による水跳ねの検討の結果を例示する表である。
図17に表した検討結果のように、水栓角度L16が大きいほど、水跳ね量が少ないことが分かった。つまり、板122に対して垂直方向の運動エネルギーが大きい条件ほど、水跳ね量が多くなっており、水40が当たっている部分(包丁120の刃の部分)に水膜が形成されない限り、力学的条件で一義的に水跳ね量が決まると考えられる。なお、水40が当たっている部分に水膜が形成されると、水跳ね量は変化することが分かった。
図18は、斜め吐水による水跳ねの他の検討の条件を表す模式図であり、図18(a)は、上面から眺めた模式図であり、図18(b)は、右側方から眺めた模式図である。
本発明者は、斜め吐水にした場合の「水跳ね」について、他の事前検討を行っている。まず、図16を参照しつつ説明した検討と同様の試料を用意する。続いて、包丁120に固定された側とは反対側の板122の表面が上面となるように、包丁120および板122を固定する。
このとき、カウンターの前端64と、包丁120の刃の長手方向の中心と、の距離L17が、約32cm程度、約35cm程度、約39cm程度、または約43cm程度となるように試料をそれぞれ固定する。
また、包丁120の上下方向の固定位置については、包丁120の刃の長手方向の中心と、シンク上面32と、の距離L18が、約0cm程度、または約5cm程度となるように試料をそれぞれ固定する。なお、本検討において、包丁角度L15と、水栓角度L16と、の定義は、図16を参照しつつ説明した包丁角度L15と、水栓角度L16と、の定義と同様とする。
このとき、包丁角度L15が、約0度程度、約14度程度、約27度程度、または約28度程度となるように試料をそれぞれ固定する。一方、吐水口角度L16は、約45度程度となるように設定されている。なお、評価方法は、図15を参照しつつ説明した評価方法と同様に、板122の表面に飛散した水滴量(g)を「水跳ね量(g)」として評価を行う方法である。
図19は、斜め吐水による水跳ねの他の検討の結果を例示する表である。
図20に表した検討結果のように、包丁角度L15が大きいほど、水跳ね量が少ない傾向にあることが分かった。これは、包丁角度L15が大きいほど、包丁120に当たった水40は、シンク後面38の方向へ跳ね返るためであると考えられる。したがって、前述したように、使用者が洗い動作を行う場合には、洗浄物は傾斜していることが多いため、洗浄効果だけではなく「水跳ね」の観点においても、シンク上面32およびシンク底面34に対して斜めに吐水する方がより好ましい。
また、包丁120の高さが高い方が、水跳ね量が少ない傾向にあることが分かった。これは、包丁120の高さが高い方が、包丁120に衝突する水40の粒の速さがより遅い、すなわち運動エネルギーがより小さいためであると考えられる。したがって、キッチン用水栓20から吐水された水40は、シンク上面32と略同じ高さ、あるいはそれ以上の高さを通過することが好ましい。すなわち、垂直作業域だけではなく「水跳ね」の観点においても、キッチン用水栓20から吐水された水40が洗浄領域42を通過するように、一定流量が適宜設定されることが好ましい。しかしながら、吐水された水40がシンク上面32と略同じ高さ、あるいはそれ以上の高さを通過するとしても、好ましくない場合がある。その比較例について、以下図面を参照しつつ説明する。
図20は、比較例にかかるシステムキッチンを例示する模式図であり、図20(a)は、吐水口の向きを表す模式図であり、図20(b)は、シャワー用吐水口から吐水される様子を表す模式図である。
図20(a)に表したように、整流用吐水口の向き41aおよびシャワー用吐水口の向き41bはシンク前面より上方を向いている。このように、吐水口の向きをシンク外に向け、吐水させると、図20(b)に表したように、水40aはシンク前面36に着水するようになり、前述した洗浄領域を通過できなくなる。吐水が使用者にとって、洗浄領域より手前側に来るので、手を伸ばそうとしても窮屈になってしまい、洗い作業の効率が低下する。また、流速の速い吐水を行った場合、シンクの外に水40が直接飛び出るおそれがあるため、好ましくない。
したがって、吐水口の向きは、前述したように、シンク前面に向けることが好ましい。このようにすることで、洗浄領域42を通過させ、吐水させることが可能となる。
図21は、本実施形態にかかる洗浄領域を上面から眺めた模式図である。
本実施形態にかかるシステムキッチン10は、図1を参照しつつ説明したように、キッチン用水栓20と、シンク30と、を備えている。また、キッチン用水栓20は、使用者から見てシンク30の奥側、すなわちシステムキッチン10の後方、且つカウンター上面62に設けられている。キッチン用水栓20よりシンク前面36側に洗浄領域42が設定されており、この洗浄領域42を水40が通過するように、適宜設定された一定流量の水が吐水される。
システムキッチン10を上方から眺めた場合の洗浄領域42は、左右方向の寸法L3が、前述した通り、例えば約20cm程度である。なお、前後方向の寸法L1は、前述した通り、例えば約20cm程度である。このように、システムキッチン10を上方から眺めた場合、洗浄領域42は正方形をしている。吐水された水40が、この洗浄領域を通過すると、シンクの前に立って、吐水に手を挿入した場合だけでなく、調理台の前に立って、吐水に手を挿入した場合においても、届きやすくなり、洗い動作を効率化することができる。また、吐水された水40がシステムキッチン10の前後方向を長手方向とした形状を有すると、水40が洗浄物に広くかかるため、手や包丁などを洗いやすくなる。これは、掌や包丁などは長手方向を有する形状をしており、これらを洗うときには、その長手方向をシステムキッチン10の前後方向に差し出して洗うことが多いためである。なお、整流水よりもシャワー水の方が洗浄物に広くかかるため、この効果はシャワー水の方がより大きい。
したがって、吐水された水40が、シンク上面32およびシンク底面34に対して斜めに吐水されることによって洗浄できる範囲が広くなるため、洗浄効果が向上する。すなわち、洗い動作中における使用者の手の動作量を低減させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、キッチン用水栓20から吐水された水40は、シンク上面32およびシンク底面34に対して斜めに吐水され、洗浄領域42を通過するように、適宜設定された一定流量の水が吐水される。これにより洗浄効果が向上して、洗い動作中の手の動作量を低減させることができる。また、水跳ねを低減させることができる。さらに、シャワー水がシンク上面32を通過するときの吐水の面積は、システムキッチン10の前後方向を長手方向とする形状を有するため、洗浄できる範囲が広くなり、洗浄効果が向上する。
次に、本実施形態の変形例について図面を参照しつつ説明する。
図22は、シャワー吐水用の散水板の変形例にかかる散水板を例示する模式図である。
また、図23は、本変形例の散水板を使用したシステムキッチンを表す模式図である。
図22に表した散水板は26a、図8に表した散水板26における散水孔27aに置き換えて、散水スリット28が設けられている。散水スリット28は、散水板26aの左右方向と、上下方向と、の幅の略中心に設けられている。また、散水スリット28の左右方向の幅寸法L20は、例えば約1mm程度であり、上下方向の幅寸法L21は、例えば約60mm程度である。但し、これらの寸法はこれだけに限られるわけではなく、適宜変更することができる。また、散水スリット28は複数設けられていてもよく、例えば、前述した寸法と同程度の散水スリット28が左右方向に2つ並列して設けられていてもよい。このような構成にすることにより、洗浄における手の動作をシンク30の左右方向に行うだけで、洗浄物の全体に吐水を行うことが出来るため、通常の吐水形態よりも少ない動きで洗浄を行うことが可能となる。
図23に表したシステムキッチン10のキッチン用水栓20には、図22に表した散水板26aが取り付けられている。なお、その他の構造は図1および2に表したシステムキッチン10と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図23に表したシステムキッチン10は、散水スリット28を有する散水板26aが備えられているため、幕状水を吐水することができる。キッチン用水栓20の構造は、図1および2に表したキッチン用水栓20と同様の構造を有するため、幕状の水40は、シンク底面34に対して斜めに吐水される。さらに、水40が洗浄領域42を通過するように、適宜設定された一定流量の水が吐水される。
続いて、洗浄領域42を通過した水40の少なくとも上方側の水40aは、シンク前面36とシンク後面38との中心よりもシンク前面36側のシンク底面34に着水する。すなわち、少なくとも上方側の水40aは、使用者から見て手前側のシンク底面34に着水する。
本変形例によれば、幕状水が吐水されるため、水40が洗浄物に衝突したときの力は大きく、整流水と同様の洗浄効果を期待することができる。また、吐水された水40はシステムキッチン10の前後方向を長手方向とした偏平形状を有し、シンク上面32およびシンク底面34に対して斜めに吐水されるため、図21を参照しつつ説明したシャワー水と同様の洗浄効果を期待することもできる。つまり、整流水とシャワー水との洗浄効果を併せ持った効果を得ることができる。
図24は、本発明の実施の形態にかかるキッチン用水栓からシャワー水が吐水されている状態を表す側面模式図である。
本実施形態にかかるキッチン用水栓20は、整流用吐水口22と、散水板26が設けられたシャワー用吐水口24を備えている。
キッチン用水栓20は、略水平面に取付けるための接続部12を介し、給水機構と接続されており、接続部12の上方には、取付面から鉛直方向に立上がる立位部13を備え、吐水部15は、屈曲部14を介して傾斜して、斜め上方に立上がっており、シャワー用吐水口24は、傾斜した面側に配置されている。したがって、シャワー水が吐水される場合、水はシャワー用吐水口24より斜め下方に向けて、吐水される。
図24に示したように、キッチン用水栓20は、シャワー用吐水口24の向きの延長線上と、取付面を含む水平面32と、が交差する交差点51と、シャワー用吐水口24が取付面を含む水平面32上に投影された投影点52と、を結ぶ長さL51が、シャワー用吐水口24と、立位部13が取り付けられた取付面上の立位部取付位置53の水平成分距離L41より長くなるように設定されており、そしてシャワー用吐水口24と、立位部取付位置53の垂直成分距離L31は、水平成分距離L41よりも長く設定されている。なお、このような設定を行うことで、より吐水口から離れた領域まで吐水することが可能となり、例えば、本発明のキッチン用水栓を、使用者と対峙する場所に設置することで、使用者に対してシャワー水が向かってくるため、使用者は吐水口まで手を近づけなくとも、洗い作業を行うことが可能となる。そして、吐水部は斜め上方に向かって立上がっているため、シャワー用吐水口24から吐水され、着水するまでの水を吐水部15に遮られることなく視認することが可能となるため、洗浄物を洗う際には、頭を動かすことなく、眼球運動のみによって容易に洗浄物の、洗浄されている状態を確認することができる。
さらにキッチン用水栓20の吐水部15の長さL40が、立位部13の長さL50よりも長く設定されている。このような設定を行うことで、シャワー用吐水口24から吐水され、着水されるまでの水が人の有効視野範囲に収まることになり、視認性が高まるため、視線の誘導により洗い作業が効率化される。
図25は、本発明の実施形態にかかるキッチン用水栓から整流水が吐水されている状態を表す側面模式図である。
図25に表したように、整流用吐水口22は傾斜した面側に配置されている。したがって整流水が吐水される場合、シャワー水同様に、水は整流用吐水口22より斜め下方に向けて吐水される。
図25に表したように、キッチン用水栓20は、整流用吐水口22の向きの延長線上と、取付面を含む水平面32と、が交差する交差点54と、整流用吐水口22が取付面を含む水平面32上に投影された投影点55と、を結ぶ長さL52が、整流用吐水口22と、立位部13が取り付けられた取付面上の立位部取付位置53の水平成分距離L42より長くなるように設定されており、そして整流用吐水口22と、立位部取付位置53の垂直成分距離L32は、水平成分距離L42よりも長く設定されている。このような設定を行うことで、整流水が吐水された場合においても、より吐水口から離れた領域まで吐水することが可能となり、例えば、本発明のキッチン用水栓を、使用者と対峙する場所に設置することで、使用者に対して整流水が向かってくるため、使用者は吐水口まで手を近づけなくとも、洗い作業を行うことが可能となる。そして、吐水部15は斜め上方に向かって立上がっているため、整流用吐水口22から吐水され、着水するまでの水を吐水部15に遮られることなく視認することが可能となるため、洗浄物を洗う際には、洗浄物の洗浄されている状態を、容易に確認することができる。
図26は、本発明の実施形態にかかるキッチン用水栓を例示する模式図であり、図26(a)は、キッチン用水栓を正面から眺めた正面模式図であり、図26(b)は、キッチン用水栓を側面から眺めた側面模式図である。
図26に表したキッチン用水栓20は、取付面から鉛直方向に立上がる立位部13の途中に水平方向に分岐された筒状配管が接続され、その先端に操作部16が配置されている。操作部16は、吐止水および温度、流量を調整するためのレバーと、レバーの操作と連動する可動弁体および固定弁体をケーシング内に収納したカートリッジを備えたシングルレバー構造を有している。このように操作部を配置することで、例えば、吐水を行う場合、操作部と、吐水される水が同一方向にあることから、操作部を注視すると同時に、吐水される水も有効視野範囲内に収めることができるため、スムーズに洗浄動作に移ることが可能となる。一方、止水を行う場合においても、洗浄物や吐水を注視すると同時に、操作部を有効視野範囲内に収めることができるため、操作部の場所を迷うことなく、スムーズに止水操作を行うことが可能となる。
また、操作部が水平方向に分岐された場所に配置されているため、濡れた手で吐止水や温調、流調の操作を行った場合においても、濡れた手を介した水栓本体への水伝いを最小限に抑えることが可能となり、水栓本体の清潔性を保つこともできるようになる。
図27は、本発明の実施形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
図27に示したシステムキッチン10は、キッチン用水栓20と、シンク30と、を備えている。キッチン用水栓20は、整流用吐水口22と、シャワー用吐水口24と、を有している。シンク30は、シンク上面32と、シンク底面34と、を有しており、シンク上面32は、キッチン用水栓の取付面と一致している。なお、シンク30は、シンク上面32の左側方および右側方の少なくともいずれかに延在する調理台(図示せず)を有していてもよい。
キッチン用水栓20は、使用者から見てシンク30の奥側、すなわちシステムキッチン10の後方、かつカウンター上面62に設けられている。キッチン用水栓20の吐水部15は、シンク上面32に対して傾斜しており、整流用吐水口22と、シャワー用吐水口24は、シンクに吐水流を放出するように、吐水部15の傾斜した面側に配置されている。このように配置させることで、整流用吐水口22またはシャワー用吐水口24より吐水された水は、使用者に向かってより近づく方向に、斜めに放出されるため、身体の負担のない姿勢で、吐水に手を伸ばすことが可能になり、楽な姿勢で洗浄動作を行わせることができる。また、吐水部15に視界を遮られることがないため、洗浄物の視認性が高まり、洗い作業が効率化される。
図28は、本発明の実施形態にかかるシステムキッチンを表す側面模式図である。
図28に示したキッチン用水栓20は、シャワー用吐水口24の向きの延長線上と、取付面を含む水平面32と、が交差する交差点51と、シャワー用吐水口24が取付面を含む水平面32上に投影された投影点52と、を結ぶ長さL51が、シャワー用吐水口24と、立位部13が取り付けられた取付面上の立位部取付位置53の水平成分距離L41より長くなるように設定されており、そしてシャワー用吐水口24と、立位部取付位置53の垂直成分距離L31は、水平成分距離L41よりも長く設定されている。
このように設定することで、使用者はシンク30内およびその上方の領域47を広く使用できる。すなわち、例えばフライパンや大きな両手鍋などを洗う場合においても、キッチン用水栓20に接触することなく、フライパンや両手鍋を取り回すことが可能となる。さらに、吐水部15によって、領域47の視界を遮られることもなく、洗い作業を行う領域全てを有効視野範囲に納めることができる。したがって使用者は調理器具や、食材、手などの洗浄物の、洗浄状態を容易に、視認することができるようになり、洗浄作業を効率よく行うことが可能となる。
さらにキッチン用水栓20の吐水部15の長さL40が、立位部13の長さL50よりも長く設定されている。このような設定を行うことで、シャワー用吐水口24から吐水され、着水するまでの水が人の有効視野範囲に収まることとなり、視認性が高まるため、視線の誘導により洗い作業が効率化される。
また、立位部13の長さL50を短く設定することで、キッチン用水栓20の上方の領域48も広くなる。したがって、例えば領域48を収納空間として利用すれば、広い収納空間を確保することが可能となる。
図29は、本発明の実施形態にかかるシャワー用吐水口に設けられた散水板の変形例について示した模式図であり、図29(a)は、散水板を正面から眺めた正面模式図であり、図29(b)は、A−A断面を表す断面模式図である。
図29(a)に示したように、散水板26eに穿設された複数の散水孔27eは、散水板26eが傾斜した方向(図29(a)では上下方向)が長手方向となるように、縦長状に配置されている。また、図29(b)に示したように、散水孔27eは、散水孔26eが傾斜した方向(図29(b)では上下方向)に広く吐水がかかるように、所定の点を中心に外側に向けて広げて穿設されている。このようにすることで散水板26eの寸法を小さくしながらも、広い範囲にシャワー水を吐水させることが可能となるため、洗浄時間の短縮や、使用者の洗い動作を低減するといった作業効率を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、キッチン用水栓20は、整流用吐水口および/またはシャワー用吐水口の向きの延長線上と、前記取付面を含む水平面と、が交差する交差点と、前記吐水口が前記取付面を含む水平面上に投影された投影点と、を結ぶ長さが、前記吐水口と、前記立位部が取り付けられた前記取付面上の立位部取付位置の水平成分距離よりも長くなるようにし、且つ前記吐水口と、前記立位部取付位置の垂直成分距離が水平成分距離よりも同じか、若しくは長くなるように、前記立位部よりも前記吐水部の長さが長くなるよう構成されている。これにより洗い動作中の手や体の動作量を低減させることができるとともに、目線の移動量をも低減できるため、調理中に行われる簡単で短時間の「すすぎ洗い」作業や、食器や調理器具を片付ける際の「片付け洗い」作業を効率化することが可能となる。
図30は、比較例にかかるキッチン用水栓を表す側面模式図である。
図30(a)に示したキッチン用水栓20は、シャワー用吐水口24の向きの延長線上と、取付面を含む水平面32と、が交差する交差点51と、シャワー用吐水口24が取付面を含む水平面32上に投影された投影点52と、を結ぶ長さL51aが、シャワー用吐水口24と、立位部13が取り付けられた取付面上の立位部取付位置53の水平成分距離L41aより短くなっており、シャワー用吐水口24と、立位部取付位置53の垂直成分距離L31aが、水平成分距離L41aより同じか、若しくは長く設定されている。そしてキッチン用水栓20の吐水部15の長さL40aが、立位部13の長さL50aよりも長く設定されている。これは、図24に表したように、長さL51が、長さL41より長く設定された場合に比べ、水平方向に対する吐水部の傾斜角度が小さくなっている。したがって吐水部15が邪魔となって、吐水された水や洗浄物が視界から遮られるため、視界を確保するための頭部運動を誘発したり、また作業時間が増加するといった使用者の作業効率が著しく低下する。
図30(b)に示したキッチン用水栓20は、シャワー用吐水口24の向きの延長線上と、取付面を含む水平面32と、が交差する交差点51と、シャワー用吐水口24が取付面を含む水平面32上に投影された投影点52と、を結ぶ長さL51bが、シャワー用吐水口24と、立位部13が取り付けられた取付面上の立位部取付位置53の水平成分距離L41bより短くなっており、シャワー用吐水口24と、立位部取付位置53の垂直成分距離L31bが、水平成分距離L41bよりも同じか、若しくは長く設定されている。そしてキッチン用水栓20の吐水部15の長さL40bは、立位部13の長さL50bよりも短くなっている。これは、図24に表した長さL51が長さL41より長く設定された場合に比べ、水平方向に対する吐水部の傾斜角度が小さくなっている。一方、図30(b)における長さL31bは、図30(a)における長さL31aよりも高くなっている。したがって、吐水された水や洗浄物を見える範囲は、若干広がるものの、やはり吐水部15が邪魔となっているため、視認性は低い。また本質的には、吐水部15の先端が一番使用者の目の近くにあり、焦点が合いやすくなくなるため、物理的に遮られる視野範囲以上に、吐水部の存在感が大きくなってしまい、作業効率が著しく低下してしまうという問題があった。
特開2000−27248号公報等にも、吐水口を高くした水栓が記載されている。これらは、図30(b)におけるキッチン用水栓20と同様に、吐水口から水栓取付面までの高さが高く、大物の調理器具の取り回しはよい。しかしながら吐水口の向きは略鉛直下方を向いているため、吐水口が邪魔になり、吐水されている水や、調理器具等の洗浄物の視認性が悪くなり、洗浄物の洗浄されている状態を、容易に認識することが難しかった。また吐水口が使用者の目の近くにあり、焦点が合いやすくなるため、物理的に遮られる視野範囲以上に存在感が大きくなってしまい、目線の移動が不安定となり、作業効率を低下させてしまうという問題がある。
図31は、比較例にかかるキッチン用水栓を表す側面模式図である。
図31(a)に示したキッチン用水栓20は、シャワー用吐水口24の向きの延長線上と、取付面を含む水平面32と、が交差する交差点51と、シャワー用吐水口24が取付面を含む水平面32上に投影された投影点52と、を結ぶ長さL51cが、シャワー用吐水口24と、立位部13が取り付けられた取付面上の立位部取付位置53の水平成分距離L41cより長くなるように設定されており、シャワー用吐水口24と、立位部取付位置53の垂直成分距離L31cが、水平成分距離L41cよりも同じか、若しくは長く設定されている。そして、キッチン用水栓20の吐水部15の長さL40cは、立位部13の長さL50cよりも短くなっている。これは、図24に表した吐水部15の長さL40が、立位部13の長さL50よりも長く設定した場合に比べ、水平方向に対する吐水部の傾斜角度はほぼ等しいが、シャワー用吐水口24の、キッチン用水栓20の取付面に対する高さが長くなっている。したがって、例えば図31(a)に表されるキッチン用水栓20を、使用者と対峙する場所に設置した場合、シャワー用吐水口24より吐水されてから着水するまでの水の軌跡の距離は長くなる。本発明者らの検討により、使用者が洗い作業を行う際には、シャワー用吐水口24より吐水されてから洗浄物に着水するまでの間を、注視点が移動していることがわかっている。水の軌跡の距離が長くなった場合、人の有効視野範囲を外れてしまうことになり、その結果、頭部運動が誘発されるばかりか視線による動作の誘導が抑制され、作業効率が低下してしまうため好ましくない。
また、シャワー用吐水口24が使用者から離れすぎていると、使用者側に向かって吐水が近づいてくる場合においても、使用者は手をシャワー用吐水口24に近づくように手を差出しながら洗浄物を洗うため、結果として身体が前かがみになる、もしくは肘が伸びたままになる等身体に負担のかかる姿勢になってしまうため、楽な姿勢で作業を行うという観点からも好ましくない。
図31(b)に示したキッチン用水栓20は、シャワー用吐水口24の向きの延長線上と、取付面を含む水平面32と、が交差する交差点51と、シャワー用吐水口24が取付面を含む水平面32上に投影された投影点52と、を結ぶ長さL51dが、シャワー用吐水口24と、立位部13が取り付けられた取付面上の立位部取付位置53の水平成分距離L41dより短くなっており、シャワー用吐水口24と、立位部取付位置53の垂直成分距離L31dは、水平成分距離L41dよりも短くなっている。そして、キッチン用水栓20の吐水部15の長さL40dが、立位部13の長さL50dよりも長く設定されている。
これは、図24に表したように、長さL51が、長さL41より長く設定された場合に比べ、水平方向に対する吐水部の傾斜角度が小さくなっており、さらに長さL31dは短い。したがって吐水部15が邪魔となって、視認性が低下する他、フライパンや大きな両手鍋などを洗う際には、取り回しづらくなるため使用者の負担が増加し、作業効率が低下するため好ましくない。
特開2000−27248号公報や特開2000−96642号公報等にも、食器や調理器具、食材等の洗浄を素早く行うために、洗浄物に対して、広範囲に吐水をかけるキッチン用の水栓が提案されている。これらの水栓は、図31(b)におけるキッチン用水栓20と同様に、幅広の吐水部から、広範囲の吐水が実現される。しかしながら、カウンター上面に対し、略並行に配設された吐水管から、略鉛直下方に吐水されており、吐水管は、シンクの上方部あるいは前方部に張り出している。このため、手や洗浄物を洗う際に、吐水管に遮られ、汚れ落ちやすすぎの状態が見にくくなり、洗い動作に時間がかかるといった問題があり、特に背の高い使用者においては、この傾向が顕著にみられた。また、調理台の前に立った状態から、手や洗浄物を差し出すと、吐水に届きにくいといった問題や、フライパンや鍋など大物の調理器具を吐水に差し出しにくくなる他、洗い動作においては、吐水管が邪魔になり、調理器具が取り回しの取り回しがしにくいという問題が生じる。
次に、吐水部の変形例について図面を参照しつつ説明する。
図32(a)は、吐水部の変形例について示したキッチン用水栓20の側面模式図であり、図32(b)は、吐水部15の正面模式図である。
図32(a)に表したキッチン用水栓20は、整流用吐水口22のまわりを覆うように、複数の散水孔が穿設されたシャワー用吐水口24が配置されている。シャワー用吐水口24の向きの延長線上と、取付面を含む水平面32と、が交差する交差点51と、シャワー用吐水口24が取付面を含む水平面32上に投影された投影点52と、を結ぶ長さL51が、シャワー用吐水口24と、立位部13が取り付けられた取付面上の立位部取付位置53の水平成分距離L41よりも長くなるように設定されており、そしてシャワー用吐水口24と、立位部取付位置53の垂直成分距離L31が水平成分距離L41よりも同じか、若しくは長くなるように、吐水部の長さL40は、立位部の長さL50よりも長く設定されている。このように配置することで、シャワー用吐水口24を、吐水部15のより上方に配置することが可能となる。すなわち、吐水部15のより先端にシャワー用吐水口が配置されるため、シャワー用吐水口24から吐水され、着水するまでの水を吐水部15に遮られることなく視認することが可能となるため、洗浄物を洗う際には、頭を動かすことなく、眼球運動のみによって容易に洗浄物の、洗浄されている状態を確認することができる。
図33は、操作部の変形例について示した模式図である。
図33に表したシステムキッチン10は、キッチン用水栓20と、シンク30と、を備えている。キッチン用水栓20は、整流用吐水口22と、シャワー用吐水口24と、を有している。吐止水および温度、流量を調節する操作部16は、吐水部、立位部からなる水栓本体とは、別に水栓本体の側方で、使用者から見てシンク30の奥側、すなわちシステムキッチン10の後方、かつカウンター上面62に設けられており、吐止水および温度、流量を調整するためのレバーと、レバーの操作と連動する可動弁体および固定弁体をケーシング内に収納したカートリッジを備えたシングルレバー構造を有している。
本変形例によれば、操作部を吐水部からオフセットされた位置に設定できるため、より広い空間が確保され、フライパンや大きな両手鍋などを洗う際の取り回しがよくなるほか、立位部の機構が簡便になるため、デザインの自由度を増すことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、システムキッチン10およびキッチン用水栓20などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや、キッチン用水栓20および散水板26の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。またシステムキッチンとは、少なくとも吐水口を有するキッチン用水栓と、シンクを備えた調理作業を行うための設備機器を意味するものとする。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10 システムキッチン、
12 接続部、
13 立位部、
14 屈曲部、
15 吐水部、
16 操作部、
20 キッチン用水栓、
22 整流用吐水口、
23 整流用配水管、
24 シャワー用吐水口、
25 シャワー用配水管、
26、26e 散水板、
27 散水孔群、
27a、27e 散水孔、
28 散水スリット、
30 シンク、
32 シンク上面、
34 シンク底面、
35 シンク中心、
36 シンク前面、
37 シンク左側面、
38 シンク後面、
39 シンク右側面、
40、40a 水、
41a、41b 吐水口の向き、
42 洗浄領域、
44、46、47,48 領域、
51、54 交差点、
52、55 投影点、
53 立位部取付位置
60 カウンター、
62 カウンター上面、
64 カウンター前端、
70 手段、
100 板(洗浄物)、
100a 中心、
102 固定棒、
104 汚れ(疑似汚物)、
110、112 領域、
120 包丁、
122 板、
L1 洗浄領域42の前後方向に対する領域長さ、
L2 洗浄領域42の上下方向に対する領域長さ、
L3 洗浄領域42の左右方向に対する領域長さ、
L5 洗浄領域42の中心から、シンク左側側面37までの長さ、
L6 カウンター前端64から洗浄領域42の中心までの長さ、
L7 散水板26aの左右方向の幅寸法、
L8 散水板26aの上下方向の幅寸法、
L15 水平方向に対する包丁の角度、
L16 水平方向に対するシャワー用吐水口24の角度、
L17 カウンターの前端64と、包丁120の刃の長手方向の中心と、の距離、
L18 シンク上面32と、包丁120の刃の長手方向の中心と、の距離、
L20 散水スリット28の左右方向の幅寸法、
L21 散水スリット28の上下方向の幅寸法、
L31、L31a、L31b、L31c、L31d シャワー用吐水口24と、立位部取付位置53の垂直成分距離
L32 整流用吐水口22と、立位部取付位置53の垂直成分距離
L40、L40a、L40b、L40c、L40d 吐水部15の長さ
L41、L41a、L41b、L41c、L41d シャワー用吐水口24と、立位部取付位置53の水平成分距離
L42 整流用吐水口22と、立位部取付位置53の水平成分距離
L50、L50a、L50b、L50c、L50d 立位部13の長さ
L51、L51a、L51b、L51c、L51d 交差点51と、投影点52と、を結ぶ長さ、
L52 交差点54と、投影点55と、を結ぶ長さ
本発明は、キッチン用水栓に関する。
本発明の一態様によれば、取付面から略鉛直方向に立ち上がる立位部と、少なくとも1つ以上の吐水口を備え、前記立位部に対し、屈曲部を介して、前記吐水口を備えた面側に傾斜して立ち上がる吐水部と、を有するキッチン用水栓であって、前記吐水口から吐水された水の少なくとも一部は、前記シンクの上面と、前記シンクの前面と後面との中央部と、が交差する所定領域を通過し、前記前面と前記後面との中心よりも前記前面側の前記シンクの底面に着水するように、 前記吐水口の向きの延長線上と前記取付面を含む水平面とが交差する交差点と、前記吐水口が前記取付面を含む水平面上に投影された投影点と、を結ぶ長さが、前記投影点と、前記立位部が取り付けられた前記取付面上の立位部取付位置と、を結ぶ長さよりも長くなるようにしたことを特徴とするキッチン用水栓が提供される。
本発明の一態様によれば、使用時に使用者の手前側に位置するシンク前面と、このシンク前面に対向するように配置されるシンク後面と、前記シンク前面の下端と前記シンク後面の下端とに繋がっており前記シンク前面及び前記シンク後面の双方に略直交するように配置されるシンク底面とを備え断面U字状を成すシンク内に吐水するためのキッチン用水栓であって、前記シンク後面の上端から、使用者から見て前記シンクの後方に延設され、前記シンク底面と略平行な取付面から略鉛直方向に立ち上がる立位部と、前記立位部の上端から屈曲部を介して前記シンク前面側に傾斜しつつ上方に延設され、シンク底面側の面に設けられてなる吐水口を有する吐水部と、を有し、前記吐水口は、複数の散水孔が前記シンク底面側の面に直交するように穿設され、その複数の散水孔からシャワー状の吐水を噴出することができるシャワー吐水口を少なくとも有しており、前記吐水部は、前記取付面を含む水平面と、前記シンク前面と前記シンク後面との間の中央部とが交差する領域に形成される食器や調理器具、食材等を洗浄するための洗浄領域の上方に、前記吐水部に遮られることなく広い空間を確保できるように、前記シャワー吐水口を構成する前記複数の散水孔のうち前記シャワー吐水口の上下方向中央近傍に位置する中央散水孔の穿設方向の延長線上と前記取付面を含む水平面とが交差する交差点と、前記中央散水孔位置を前記取付面を含む水平面上に投影した投影点とを結ぶ長さが、前記投影点と前記立位部が前記取付面に取り付けられている立位部取付位置とを結ぶ長さよりも長くなるように構成されるとともに、前記シャワー吐水口を構成する前記複数の散水孔全ての穿設方向の延長線が、前記シンク前面の上端を超えないように前記上端よりも下方を向くように配置され、前記シャワー吐水口から吐水された水が、前記洗浄領域を通過し、前記シンク前面と前記シンク後面との間の中央部よりも前記シンク前面側の前記シンク底面に着水し、この着水した水が跳ねて前記シンク前面に衝突するように設けられたことを特徴とするキッチン用水栓が提供される。

Claims (9)

  1. シンクと、
    吐水口を有するキッチン用水栓と、
    を備えたシステムキッチンであって、
    前記吐水口から吐水された水の少なくとも一部は、前記シンクの上面と、前記シンクの前面と後面との中央部と、が交差する所定領域を通過し、
    前記前面と、前記後面と、の中心よりも前記前面側の前記シンクの底面に着水するように、
    前記吐水口の向きを、前記前面に向けたことを特徴とするシステムキッチン。
  2. 前記吐水口から吐水された水の少なくとも一部は、前記所定領域のうち、前記中心よりも前記前面側を通過することを特徴とする請求項1に記載のシステムキッチン。
  3. 前記吐水口は、前記シンクの前記前面と、前記後面と、の中央部より前記後面側に位置することを特徴とする請求項1または2に記載のシステムキッチン。
  4. 前記吐水口は、複数の散水孔を有しシャワー水が吐水されるシャワー用吐水口であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステムキッチン。
  5. 吐水口を有するキッチン水栓であって、
    前記吐水口から吐水された水の少なくとも一部は、シンクの上面と、シンクの前面と後面との中央部と、が交差する所定領域を通過し、
    前記前面と、前記後面と、の中心よりも前記前面側の前記シンクの底面に着水するように、
    前記吐水口の向きを、前記前面に向けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のキッチン用水栓。
  6. 取付面から略鉛直方向に立ち上がる立位部と、
    少なくとも1つ以上の吐水口を備え、前記立位部に対し、屈曲部を介して、前記吐水口を備えた面側に傾斜して立ち上がる吐水部と、
    を有するキッチン用水栓であって、
    前記吐水口の向きの延長線上と、前記取付面を含む水平面と、が交差する交差点と、前記吐水口が前記取付面を含む水平面上に投影された投影点と、を結ぶ長さが、
    前記吐水口と、前記立位部が取り付けられた前記取付面上の立位部取付位置の水平成分距離よりも長くなるようにし、
    且つ前記吐水口と、前記立位部取付位置の垂直成分距離が水平成分距離よりも同じか、若しくは長くなるように、前記立位部よりも前記吐水部の長さが長くしたことを特徴とするキッチン用水栓。
  7. 前記吐水口は、複数の散水孔が穿設されたシャワー用吐水口であることを特徴とする請求項6に記載のキッチン用水栓。
  8. 前記水栓の吐止水および温度、流量を調節する操作部は、前記立位部に配設されることを特徴とする請求項6または7に記載のキッチン用水栓。
  9. シンクと
    前記シンクに吐水流を放出するよう配置された
    請求項6乃至8のいずれか1項に記載のキッチン用水栓と、
    を備えたシステムキッチン。
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