JP2009235821A - システムキッチン - Google Patents

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Koji Takeda
宏二 武田
Minoru Sato
稔 佐藤
Hiromi Yano
裕美 矢野
Hiroyuki Tsuboi
宏之 坪井
Masayuki Nagaishi
昌之 永石
Shoichi Tachiki
翔一 立木
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Abstract

【課題】本発明は、水跳ねを抑制することができるとともに洗浄における作業性をも向上させることができるシステムキッチンを提供する。
【解決手段】カウンターと、平滑かつ略水平なシンク底面を有するシンクと、水栓と、を備え、前記水栓は、前記シンクの前面よりも後方側であって前記カウンターの上面よりも上方側に位置する吐水口を有し、前記吐水口は、前記シンク底面に対して傾斜しており、且つ着水面に略一方向に流れる水の流れを有する水膜を形成する吐水流を放出する、ことを特徴とするシステムキッチンが提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、システムキッチンに関し、具体的には水栓とシンクとカウンターとを備えたシステムキッチンに関する。
調理中などにおいては、包丁や野菜、食器などに付着している汚れを落とすために、洗浄が行われる。この洗浄においては、洗浄効果を向上させて洗浄作業を早期に終了させるようにすることが好ましい。また、水栓から吐水された水がシンク底面に当たって跳ね返る現象、いわゆる「水跳ね」を抑制することが好ましい。
そのため、洗浄効果を高めるとともに水跳ねを抑制するための技術(特許文献1を参照)や、水跳ねを抑制するための技術(特許文献2、3を参照)が提案されている。
登録実用新案第03055105号公報 特開2007−198019号公報 特開2006−188830号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示がされた技術では、着水面に略垂直に吐水が当たることになる。そのため、着水時の衝撃が大きく水跳ねを抑制できないおそれがある。また、特許文献2に開示がされた技術では、斜面に向けて吐水を行っているため着水した水が下方に流れ落ちるのが阻害される。そのため、水が滞留し、滞留した水に勢いよく吐水があたることで、かえって水跳ねが大きくなるおそれもある。
また、特許文献3に開示がされた技術では、棒状水により着水膜を形成し、着水膜にシャワー水を着水させることで水跳ねを抑制するようにしている。そのため、棒状水の着水点を囲むようにシャワー吐水を着水させる必要がある。その結果、洗浄物を洗浄する際には、シャワー吐水のほかにも棒状水を吐水させる必要があり、棒状水の分だけ無駄な水が流されるおそれがある。また、棒状水の着水位置とシャワー吐水の着水位置とを合わせる必要があり、シャワー吐水の水勢、水量などに制限が加わるおそれがある。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、水跳ねを抑制することができるとともに洗浄における作業性をも向上させることができるシステムキッチンを提供する。
本発明の一態様によれば、カウンターと、平滑かつ略水平なシンク底面を有するシンクと、水栓と、を備え、前記水栓は、前記シンクの前面よりも後方側であって前記カウンターの上面よりも上方側に位置する吐水口を有し、前記吐水口は、前記シンク底面に対して傾斜しており、且つ着水面に略一方向に流れる水の流れを有する水膜を形成する吐水流を放出する、ことを特徴とするシステムキッチンが提供される。
本発明によれば、水跳ねを抑制することができるとともに洗浄における作業性をも向上させることができるシステムキッチンが提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。尚、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係るシステムキッチンを例示するための模式斜視図である。
本実施の形態にかかるシステムキッチン10は、水栓20と、シンク30と、カウンター60と、を備えている。水栓20には、整流吐水部22と、シャワー吐水部24と、が設けられている。シンク30は、平滑かつ略水平なシンク底面34と、シンク前面36と、シンク左側面37aと、シンク右側面37bと、シンク後面38と、を備えている。また、システムキッチン10には、カウンター60の左側方および右側方の少なくともいずれかに延在する調理台(図示せず)が備えられるようにすることもできる。尚、「整流」とは水流が略一本の吐水形態を意味し、「シャワー」とは水流が複数本の吐水形態または膜状の吐水形態を意味するものとする。
水栓20は、使用者から見てシンク30の奥側、すなわちシステムキッチン10の後方で、且つカウンター上面62に設けられている。水栓20の下部、すなわちカウンター60に取り付けられている近傍の部分は、カウンター上面62に対して略垂直になるように設けられている。そして、所定の寸法よりも上方に位置する上部は、カウンター上面62に対して傾斜して設けられている。この場合、傾斜角度(吐水口角度θ)は、例えば、カウンター上面62に対して60°程度とすることができる。尚、吐水口角度θについては後述する。
また、カウンター上面62とシンク後面38との連接部分(略稜線部分)に、ある一定の角度で傾斜した図示しない設置面を設け、この設置面に対して略垂直に設けられる直線状の水栓とすることもできる。また、シンク後面38からカウンター上面62に対して水平方向に所定の寸法だけ延在させ、先端をさらにカウンター上面62に対して略垂直方向に所定の寸法だけ延在させるとともに、所定寸法より上方に位置する部分をカウンター上面62に対して傾斜させたような形状の水栓とすることもできる。また、シンク30の後方であって、カウンター上面62に対して略垂直な壁面に設けられ、この壁面から水平方向に所定の寸法だけ延在させ、先端をカウンター上面62に対して傾斜させたような形状の水栓とすることもできる。
尚、水栓の形状は例示したものに限定されるわけではなく、カウンター上面62に対して斜め方向から吐水をすることができるような形状であればよい。また、水栓の設置場所も適宜変更することができる。
また、水栓20は、シンク前面36よりも後方側であってカウンター60の上面よりも上方側に位置する吐水口を有している。
そのため、整流吐水部22およびシャワー吐水部24は、カウンター上面62に対して傾斜した状態でシンク30に向かって設けられることになる。すなわち、整流吐水部22およびシャワー吐水部24は、シンク60の後方であって、且つシンク60の上方に傾斜した状態で設けられる。そのため、吐水口(整流吐水部22、シャワー吐水部24)からシンク底面34に対して傾斜した方向から吐水流を放出することで、着水面に略一方向に流れる水の流れを有する水膜を形成させることができる。尚、略一方向に流れる水の流れに関しては後述する。尚、本願明細書において「水」という場合には、「湯」や「温水」を含むものとする。
図2は、水栓の吐水口部分を例示するための模式図である。
尚、図2(a)は、吐水口部分の模式正面図であり、図2(b)は、図2(a)におけるA−A矢視断面を表す模式断面図であり、図2(c)は、図2(a)におけるB−B矢視断面を表す模式断面図である。
水栓20は、その先端近傍に設けられた整流吐水部22と、整流吐水部22の下方に設けられたシャワー吐水部24と、を備えている。また、水栓20は、整流吐水部22へ水40を導くための整流用配水管23と、シャワー吐水部24へ水40を導くためのシャワー用配水管25と、を備えている。
図2に示したように、シャワー吐水部24には、一端を開口し、上下方向を長手方向とする略直方体形状の貯留部24bが設けられている。そして、貯留部24bの開口部分を覆うように散水孔を有する図示しない散水板(図3、図5〜図8を参照)が設けられている。そのため、本実施形態の水栓20は、整流吐水とシャワー吐水と、を行うことができる。整流吐水とシャワー吐水との切替は、例えば水栓20の先端に設けられた図示しない切替部手段によって行うことができる。この切替部手段は、水栓20の根元や、カウンター上面62に設けられていてもよい。
後述するように、シャワー吐水部24から吐水された直後の水40の吐水断面は、上下方向を長手方向とする偏平形状(例えば、略矩形形状)を呈している。そして、前述したように、水栓20の上部はカウンター上面62に対して吐水口角度θだけ傾斜しているので、シャワー吐水部24から吐水される水もカウンター上面62に対して斜め方向からシンク底面34に向けて吐水されることになる。そのため、カウンター上面62を横切る際の水40の水平方向断面は、カウンター前縁64に対して略垂直な方向を長手方向とする偏平形状(例えば、略矩形形状)を呈することになる。
整流用配水管23は、水栓20の左側方寄りを通って、貯留部22bの左側方かつ下方に接続されている。一方、シャワー用配水管25は、水栓20の右側方寄りを通って、貯留部24bの右側方かつ下方に接続されている。
水栓20の左右方向の幅寸法L2は、洗浄物の大きさに応じて適宜変更することができる。例えば、洗浄する対象は一般的に手、包丁や鍋等の調理器具、あるいは食材等であるが、幅寸法L2とともに後述する横幅寸法L5(図3を参照)を長くしすぎると小さなものを洗う際に余分に水を使用してしまうおそれがある。一方、幅寸法L2とともに後述する横幅寸法L5を短くしすぎると、狭い範囲にしか水がかからないため、大きなものを洗浄する際に手を大きく動かさなければならなくなる。
本実施の形態においては、手や包丁等を簡単に洗うことを考慮に入れて水栓20の左右方向の幅寸法L2を設定するようにしている。そのため、「簡単洗い」においては、洗浄物をシャワー吐水に差し出すだけで洗浄をすることが可能となっている。
尚、「簡単洗い」は、主にすすぎ洗いを行う動作であり、具体的には、包丁、まな板、あるいは汚れの少ない野菜などを洗う動作である。洗浄時間は短く、例えば約2秒程度である。これに対して、「丁寧洗い」は、主にこすり洗いを行う動作であり、具体的には泥汚れ、油汚れ、あるいは肉や魚の「ヌメリ」などを洗う動作である。洗浄時間は、「簡単洗い」よりも長く、例えば約10秒以上である。
この場合、例えば、幅寸法L2を約40mm程度、横幅寸法L5を約20mm程度とすれば、手や包丁の刃の部分を左右方向に移動させること無く「簡単洗い」を行うことができる。ただし、例示をした寸法に限定されるわけではなく、洗浄物の大きさなどに応じて適宜変更することができる。
図3は、シャワー吐水部に設けられる散水板を例示するための模式図である。
尚、図3(a)は、散水板を正面から眺めた場合の模式図であり、図3(b)は、散水孔群を例示するための模式図である。
図3に例示をする散水板26は、貯留部24bの開口部分を覆うようにして水栓20のシャワー吐水部24に固定される。散水板26には、複数の散水孔群27が設けられている。また、散水孔群27は、水40をシャワー水として吐水するための散水孔27aを複数備えている。図3(a)に示すように、例えば、散水孔群27を5行×2列に配列することができる。また、図3(b)に示すように、例えば、散水孔27aを同心円上に2列に配列することができる。この場合、例えば、散水孔27aの数を合計約30個程度とすることができる。そのため、貯留部24bを介して散水孔27aから水を吐水させることができ、吐出された水はシャワー水としてシンク底面34に着水するようになっている。
図4は、洗浄対象の形状を例示するための模式図である。尚、図4(a)は、一般的な包丁を例示するための模式図であり、図4(b)は、使用者の手を例示するための模式図である。
本発明者の得た知見によれば、一般的な包丁の刃の長さL10は170mm程度であり、刃の幅L11は30mm程度である。また、20〜69歳の人の手の幅寸法L12は、男性では、最大114.6mm程度、最小90.4mm程度、平均102.6mm程度であり、女性では、最大103.1mm程度、最小80.8mm程度、平均91.8mm程度である。また、手の長さ(指先から手首までの長さ)L13は、男性では、最大197mm程度、最小165.6mm程度、平均181m程度であり、女性では、最大181.2mm程度、最小154.4mm程度、平均167.3mm程度である。
ここで、散水孔27aが設けられる領域の横幅寸法L5と縦幅寸法L6とについて説明をする。尚、図3に示すように、横幅寸法L5は、配設された散水孔27aのうち、最左端と最右端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法である。また、縦幅寸法L6は、配設された散水孔27aのうち、最上端と最下端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法である。
システムキッチン10に設けられる水栓20としては、包丁などの調理器具や使用者の手に対して洗浄水を広範囲に吐水できることが好ましい。
その中でも幅寸法が短い包丁に対して、洗浄水が包丁の幅の略全体わたって吐水され、且つ包丁に当たらずにシンク30に直接着水することを抑制することが好ましい。これは、洗浄物に当たらない無駄な吐水を抑制するためである。本発明者の得た知見によれば、一般的な包丁の刃の幅寸法L11(30mm程度)に対して横幅寸法L5を20mm程度とすれば、吐水された洗浄水が包丁に当たらずにシンク30に直接着水することを抑制することができる。これにより、吐水された水を洗浄のための水として有効に利用することができ、洗浄に使われない無駄な水を削減することができる。
また、図4において説明をしたように、調理器具や手などの洗浄物は170mm程度の長さを有するものが多い。しかしながら、これらの洗浄物の略全長に一度に洗浄水を吐水すると、大流量の水を消費してしまう。本発明者の得た知見によれば、洗浄物の全長の略半分の長さに対して洗浄水を吐水し、洗浄物上を流れる流水によって残りの略半分の長さを洗い流すようにすれば、水の使用量を抑制しつつ洗浄効果を向上させることができる。
ここで、シャワー吐水部24(散水孔27a)から吐水された洗浄水の進行方向に対して、洗浄物を略垂直に差し出すと大きな水跳ねが発生してしまう。そのため、使用者は、シャワー吐水部24(散水孔27a)から吐水された洗浄水の進行方向に対して略並行に洗浄物を差し出すことによって、水跳ねを抑制しようとする。そのため、縦幅寸法L6を洗浄物の全長の略半分の長さよりも短くしても、洗浄物上においては洗浄物の全長の略半分の長さ程度に吐水があたるようになる。本発明者の得た知見によれば、例えば、縦幅寸法L6を65mm程度とすれば、70mm程度から75mm程度の長さに相当する洗浄水を洗浄物にあてることができる。その結果、洗浄物の広範囲に吐水を行うことができるとともに、水の使用量を抑制することができる。
ただし、散水孔27aが設けられる領域の横幅寸法L5と縦幅寸法L6は例示をした寸法に限定されるわけではない。この場合、縦幅寸法L6が横幅寸法L5よりも大きくなるようにすれば、洗浄物の大きさなどに応じて適宜変更することができる。
また、散水孔27aの孔の軸線を散水板26の中心側から外側に向けて形成するようにすれば、拡散するような吐水を行うことができる。そのため、横幅寸法L5や縦幅寸法L6を小さくしながらも、同一の吐水範囲の吐水を得ることもできる。その場合、散水板26の寸法を小さくできるため、スペース効率を向上させることができる。
吐水流は、水栓前面に対し、略垂直に流れている。吐水流が洗浄物を支える手と交わる方向から吐出されると、手が濡れてしまうため、都合が悪い。また、洗浄面を見やすくするという観点からは、使用者に対し向かってくる側、すなわち奥側から吐出されれば、視界を遮るものがないため好適である。また「簡単洗い」を行う場合、使用者は、シンク正面に対面して水栓を使うことより、シンクの左右の端に立って水栓を使うことが多い。そのような使い方に対し、略垂直から吐水流が吐出されると、洗浄面の見やすさ、水のかかりやすさの観点から最適である。
次に、シャワー吐水部24に固定される散水板の変形例について例示をする。
図5〜図8は、シャワー吐水部24に固定される散水板の変形例を例示するための模式図である。
図5に示すように、散水板26aには散水孔群47が1つ設けられている。また、散水孔群47にも、水40をシャワー水として吐水するための散水孔27aが複数設けられている。例えば、散水孔27aを碁盤目状に配列することができる。この場合、例えば、散水孔27aの配列を9行、10列とし、その数を合計約90個程度とすることができる。
配設された散水孔27aのうち、最上端と最下端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法L16aと、最左端と最右端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法L15aと、を等しくすることができる。この場合、例えば、寸法L15a、16aとを20mm程度とすることができる。なお、散水孔27aは、図3に例示をした散水孔と同じものとすることができる。
このようにしても、貯留部24bを介して散水孔27aから水を吐水させることができる。また、吐出させた水をシャワー水としてシンク底面34に着水させることができる。
図3に例示をする散水板26によれば縦方向(図の上下方向)に長い吐水をさせることができるが、図5に例示をする散水板26aの場合は縦方向(図の上下方向)に比較的短い吐水をさせることができるようになっている。
そのため、縦方向(図の上下方向)の寸法L16aは、図3に例示をする縦幅寸法L6よりも短くされている。
尚、散水孔27aの数やピッチ、列数や行数などは図示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
図6に示すように、散水板26bには、合計3つの散水スリット28が設けられている。この場合、散水スリット28の横方向(図の左右方向)の寸法L15は、例えば、1mm程度とすることができる。一方、縦方向(図の上下方向)の寸法L6aは、例えば、65mm程度とすることができる。
また、左側に設けられた散水スリット28の左端と、右側に設けられた散水スリット28の右端と、の間の寸法L5aは、例えば、20mm程度とすることができる。尚、図6に例示をしたものの場合には、寸法L5aが前述した横幅寸法L5に該当し、寸法L6aが縦幅寸法L6に該当することになる。
ただし、例示をした寸法に限定されるわけではなく、洗浄物の大きさなどに応じて適宜変更することができる。また、散水スリット28の配設数についても、3つに限られるわけではなく適宜変更することができる。
図6に例示をしたもののように、複数の散水スリット28を備えた散水板26bを用いれば、複数の幕状の吐水を行うことができる。そのため、図5に例示をした散水板26aに比べて洗浄水をより広範囲に吐水することができる。すなわち、例えば、幅寸法が長い包丁などに対しても、洗浄水をその幅の略全体に当てることができる。また、洗浄物の全長の略半分の長さに対して連続した幕状の吐水を行い、且つ洗浄物上を流れる流水によって残りの略半分の長さを洗い流すこともできる。これにより、洗浄物の全長方向(長手方向)に対して効率よく洗浄水を当てることができるので、水の使用量を抑制することができる。
図7に示すように、散水板26cには散水孔群57が1つ設けられている。また、散水孔群57にも、水40をシャワー水として吐水するための散水孔27aが複数設けられている。例えば、散水孔27aを同心円上に4列に配列することができる。この場合、例えば、散水孔27aの数を合計約60個程度とすることができる。
図7に例示をするものの場合には、散水孔27aが同心円上に配置されているので、 最上端と最下端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法L26aと、最左端と最右端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法L25aと、は等しくなる。 この場合、例えば、寸法L25a、26aとを20mm程度とすることができる。なお、散水孔27aは、図3に例示をした散水孔と同じものとすることができる。
このようにしても、貯留部24bを介して散水孔27aから水を吐水させることができる。また、吐出させた水をシャワー水としてシンク底面34に着水させることができる。
図3に例示をする散水板26によれば縦方向(図の上下方向)に長い吐水をさせるように成っているが、図7に例示をする散水板26cの場合は縦方向(図の上下方向)に比較的短い吐水をさせることができるようになっている。
そのため、縦方向(図の上下方向)の寸法L26aは、図3に例示をする縦幅寸法L6よりも短くなっている。
なお、散水孔27aの数やピッチなどは図示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
図8に示すように、散水板26dには複数の散水孔27bが設けられている。散水孔27bは、散水板26dの横幅(図の左右方向の幅)の略中心に、略一直線状に設けられている。また、配設された散水孔27bのうち、最上端と最下端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法L6cは、例えば、65mm程度とすることができる。また、散水孔27dの直径寸法は、図3に例示をした散水孔27aよりも大きいものとされている。尚、図8に例示をしたものの場合には、散水孔27dの直径寸法が前述した横幅寸法L5に該当し、寸法L6cが縦幅寸法L6に該当することになる。
ただし、例示をした寸法に限定されるわけではなく、洗浄物の大きさなどに応じて適宜変更することができる。また、散水孔27bの配設数や配設ピッチなども図示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、任意の曲線、傾斜や屈折した直線などに沿って散水孔27bを設けるようにすることもできる。また、散水孔27bの形状も図8に例示をした円形に限定されるわけではなく任意の形状とすることができる。また、配列数も1列に限らず複数列としても良い。
散水孔27bを備えた散水板26dを用いれば、図3に例示をした散水板26に比べて一粒あたりの水量が多いシャワー水を吐水することができる。そのため、吐水が洗浄物に衝突したときの力をより大きくすることができる。そのため、洗浄物の汚れを流し落とす力を大きくすることができるので、「丁寧洗い」を行うのに好適である。
次に、水跳ねについて説明をする。
図9〜図11は、着水面に対し垂直に吐水がされた場合の水跳ねを例示するための模式図である。
また、図12〜図14は、着水面に対し斜め方向から吐水がされた場合の水跳ねを例示するための模式図である。
尚、図10(a)、図13(a)は一本の水流を例示するための模式図であり、その他の図は複数の水流を例示するための模式図である。この場合、水流には図6に例示したような幕状の水流をも含むものとする。
図9〜図11に示すように、水栓20から吐水された水40が着水面100に対して垂直に着水すると、水40は、あらゆる方向に対して略同等に流れようとする。すなわち、水40は着水面100の全体に広がろうとする。一本の水流しか存在せず、かつ着水部に障害物が存在しない場合、水40は着水部から遅延なく排出される。着水部とは、水40が着水する場所のことである。しかしながら、シャワー吐水のように複数の水流の吐水が行われた場合には、図9や図10(b)に示すように隣り合う水流との間の領域44において、互いの進行方向を打ち消し合うように水40が流れようとする。その結果、水40は流れを失い、その場に滞留しようとするか、もしくは上方にその方向を変えられ、滞留する水がちぎれ、水滴として、飛び散ろうとする。水滴として飛び散るほどのエネルギーを有さない場合においても、領域44の水面は著しく乱れ、乱れは近傍に伝播される。そして、図11に示すように、乱れが伝播され、波を打った水40bの水面に略垂直方向から水40が着水すると、さらに乱れが増幅され、波が大きくなり、ある曲率以上に変形された水面は、水滴として周囲に放出される。
この場合、隣り合う水流との間の領域48においては、跳ねた水滴どうしが合体し、大きな水滴となることもあれば、水滴どうしが衝突によりさらに細かな水滴に分裂することもあり、その態様はさらに複雑となる。さらに、滞留した水40bに対して垂直に着水した水40は、一方向に水跳ねを生じさせるわけではなく、あらゆる方向に水跳ねを生じさせる。そのため、例えば、領域50や領域52において生じた水跳ねは打ち消されることはない。
これに対し、図12〜図14に示すように、水栓20から吐水された水40が着水面100に対して斜め方向から着水すると、水40は略進行方向である矢印C、矢印D、矢印Eの方向に流れようとする。すなわち、着水面に略一方向に流れる水の流れを有する水膜が形成されることになる。
また、この場合、略進行方向に向かうエネルギーが大きいため、着水した大部分の水40が略進行方向に流れようとする。この場合、同一の方向に向かう流れとなり、水面の乱れが軽減されるため、水滴として放出される確率が低くなる。また、図14に示したように、水の流れができ、安定している水面40bに、斜め方向から水40が着水すると、流れと同一方向であることから、衝突の衝撃が緩和され、水面の乱れが抑制されるため、水跳ねが軽減される。また、図13(b)に示したように、水40は略一方向(略進行方向)に合流するようにして流れる。すなわち、吐水口から着水面100(例えば、シンク底面34)に対して傾斜した方向に吐水流を放出することで、着水面100を略一方向に流れる水の流れを形成させることができる。尚、この場合においても、図14に示すように、隣り合う水流との間の領域46においては、干渉し合い、水面が乱れ、水跳ねが生じることもあるが、進行方向に向かうエネルギーの方が大きいため、干渉する方向に向かうエネルギー量は小さくなる。そのため、水面の乱れも小さくなり、水跳ね量は少なくなる。
ここで、本発明者の得た知見によれば、着水面100に対し斜め方向から水40を着水させることで生じさせた水40の流れの上に次の水40を着水させるようにすれば、水跳ねを抑制することができる。この原因は、必ずしも明らかではないが以下のことが考えられる。すなわち、斜め方向から水40を着水させることで着水時の衝撃を緩和することができる。また、すでに着水している水40の上に着水する場合においても、進行方向が一致するため、水面の乱れが生じにくい。尚、水跳ねを抑制することができるとともに、着水音をも抑制することができる。また、斜め方向から水40を着水させることで一方向の水の流れを強制的に作り出すことができる。そのため、水勢を高めることができるので滞留する水40の量が少なく、すでに着水している水40が水跳ねを起こすことを抑制することができる。この場合、水の滞留を少なくして水跳ねを抑制するためには、着水面100(例えば、シンク底面34)は平滑、略水平であることが好ましい。
次に、吐水口角度θと水跳ねとの関係を説明する。
図15は、水跳ね試験の概要を例示するための模式図である。尚、図15(a)は、水跳ね試験の様子を例示するための模式断面図、図15(b)は、図15(a)における矢視方向から見た模式平面図である。
図15(a)に示すように、カウンター上面62に対して15°傾斜させたアクリル板(縦500mm×横500mm)をシンク30内に挿入し、カウンター上面62の高さを横切る水40を受けるようにした。そして、図15(b)に示すように、水膜(滞留する水)が形成されていない領域110aに水跳ねした水滴量を測定した。この場合、吐出時間は150秒としている。また、吐水口角度θを30°〜90°の範囲で変化させて、水跳ねした水滴量を測定している。尚、アクリル板の傾斜角度15°は、吐水された水40がシンク底面34に着水した時の着水の角度との差を考慮したものである。すなわち、シンク底面34に着水した時の着水の角度に合わせるための補正値である。
図16は、吐水口角度と水跳ねとの関係を例示するためのグラフ図である。
尚、横軸は吐水口角度θを表し、縦軸は図15に例示をした水跳ね試験により測定した水滴量を水跳ね量として表したものである。
図16に示すように、図15に例示をした水跳ね試験によれば、吐水口角度θが30°以下では、水跳ね量は略一定で多いことが分かる。これは図9〜11に関して前述したように、水が洗浄物に対して、略垂直に着水するため、着水面で水の滞留が起こり、水面が乱れるためである。
これに対し、吐水口角度θが40°以上では、水跳ねが単調的に減少していることが分かる。これは図12〜14に関して前述したように、水が洗浄物に対して、傾斜して着水した場合は、着水した水は、遅延なく排出され、水面の乱れが抑制されるためである。
なお、吐水口角度θが80°以上では、水面の乱れの抑制が頭打ちとなるため、水跳ね量の減少効果も、飽和し始める。
これにより、40°以上の場合には、水跳ねの減少効果が大きくなることが分かる。
また、吐水口角度を大きくしていくと、水の流速、流量を変えた場合の、吐水の軌跡の変動が大きくなり、作業効率が悪くなる恐れがあるのに加え、吐水がより遠くまで到達することからシンク30の前後方向の寸法が大きくなりすぎる恐れがあることから、80°以下が好ましい。以上より、吐水口角度は40°以上、80°以下とすることが好ましい。
図17は、シャワー吐水の軌跡を例示するための写真である。
図17に示す吐水の軌跡は、吐水口角度θが55°、流速が2.1m/secの場合である。この場合のシンク底面34に対する着水角度αは55°程度である。尚、流速が2.1m/secは、システムキッチンにおいて一般的な洗浄作業をする場合を考慮した値である。
図18は、シャワー吐水の様子を例示するための模式図である。
図18に示すように、水栓20の上部はカウンター上面62に対して吐水口角度θだけ傾斜しているので、シンク底面34には着水角度αをもって着水する。そのため、前述したように、水40は略進行方向に合流して流れ、この流れ41が形成されることや着水角度αをもって着水することなどから水跳ねや着水音を抑制することができる。また、流れ41の進行方向には立面(シンク前面36)があるのでシンク30の外部への水跳ねを抑止することができる。
ここで、着水角度αをもって着水をさせた場合であっても、着水地点の条件によっては着水した水が滞留して水跳ねを抑制できない場合がある。
図19、図20は、着水した水が滞留して水跳ねを抑制できない場合を例示するための模式図である。
図19(a)に示すように、着水地点と、着水した水40の略進行方向にあるシンク前面136との距離が近すぎると、シンク前面136に衝突した水流が折り返すような流れ42が生じ、着水点に水が滞留してしまう場合がある。
また、図19(b)に示すように、着水した水40の略進行方向にあるシンク前面136とシンク底面134との間に曲面132aが形成されている場合には、曲面132aにより水流が折り返すような流れ43が生じ、着水点に水が滞留してしまう場合がある。尚、図20は、折り返すような流れ42、43を上方から見た図である。このような場合においては、水の流れが乱され滞留が起きるので、図9〜図11において説明をしたものと同様の理由で水跳ねが多く発生する。
次に、着水点からシンク前面までの距離と水跳ね量との関係を例示する。
図21は、着水点からシンク前面までの距離と水跳ね量との関係を求めた試験の概要を例示するための模式図である。
シンク30内の図21に示すような位置に測定用の板111を挿入し、水跳ね40aにより板111の表面についた水滴量を測定した。この場合、吐水口角度θを60°、流量を5L/min、吐出時間を20秒とし、水栓20や最上方に位置する散水孔127との位置関係を図中に示した寸法としている。そして、着水する水40の最先端の位置からシンク前面36までの距離L7を変えることで着水点からシンク前面までの距離と水跳ね量との関係を求めるようにした。
図22は、着水する水40の最先端の位置からシンク前面36までの距離L7と水跳ね量との関係を例示するためのグラフ図である。
尚、横軸は着水する水40の最先端の位置からシンク前面36までの距離L7を表し、縦軸は図21に例示をした水跳ね試験により測定した水滴量を水跳ね量として表したものである。
図22に示すように、図21に例示をした水跳ね試験によれば、距離L7を12cm以上とすれば、水跳ね量を略一定、且つ1/3以下とすることができる。これは、距離L7を12cm以上とすれば、前述した水流が折り返すような流れの影響がなくなり、着水した水の滞留が抑制されるからである。
またシンク底面34のうち少なくともシャワー吐水が着水する着水部は、平滑、略水平であることが好ましい。シンク後面38側が低くなるようシンク底面34を傾斜させた場合は、排出が遅くなり、滞留が助長されるため好ましくない。シンク底面34のシンク前面36側を低くするように傾斜させた場合、傾斜によって水40の排出が促進され、滞留を抑制することができる。しかしながら、洗い桶やなべなどを置きやすさを考えると、シンク底面34の着水部は、略水平であることが好ましい。
図23〜図25は、シンクの形状により折り返すような流れの影響を抑制する場合を例示するための模式図である。
図23に示すように、シンク31において、着水した水40の略進行方向にあるシンク前面36aとシンク底面34aとの間には溝部31aが形成されている。溝部31aの一方の壁面は、シンク底面34aと連接されており、シンク前面36aから前方に向けて突出するようにして設けられている。このようにすれば、着水する水40の最先端の位置からシンク前面36aまでの距離が見かけ上小さくても、溝部31aの分だけ距離を大きくすることができる。また、溝部31aに入った流れ41aが折り返す際に溝部31aの上方の内壁に当たるので、折り返しを抑制することもできる。
図24に示すように、シンク32において、着水した水40の略進行方向にあるシンク前面36bとシンク底面34bとの間には溝部32aが形成されている。溝部32aの一方の壁面は、シンク前面36bと連接されており、シンク底面34bから下方に向けて突出するようにして設けられている。このようにすれば、溝部32aに入る流れ41bを屈曲させることができるので流れ41bの勢いを落とすことができる。また、流れ41bを下方に落とし込むことで折り返しを抑制することができる。
また、図25は、流れ41a、41bの様子を上方から見た図である。図25に示すように、これらの場合においても、図18などにおいて説明をしたものと同様に水の流れが乱されることがなく水の滞留を抑制することができる。そのため、水跳ねや着水音を抑制することができる。また、水流により汚水などが一方向に押し流され、戻ることがないので衛生的である。
次に、システムキッチン10の作用とともに洗浄における作業性について例示をする。 図26は、水栓からシャワー水が吐水されている状態を例示するための模式断面図である。
一般的に、洗浄物を洗浄する際にはシャワー水が吐水されることが好ましい。本実施の形態に係るシステムキッチン10の場合においては、図26に示すように、シャワー吐水部24からシャワー水(水40)が吐水される。また、水40は、前述したように、カウンター上面62に対して斜め方向から吐水される。また、水40は、シンク後面38の上方部近傍から吐水される。この場合、水40の少なくとも上方側の水400がシンク前面36とシンク後面38との中央部よりもシンク前面36寄りのシンク底面34に着水するようにすることが好ましい。吐水された水40の上方側の水400がシンク後面38寄りのシンク底面34に着水すると、洗浄物や使用者の手がシャワー吐水に届きにくくなり、作業性が劣るためである。
またシンク前面36寄りのシンク底面34に着水すると、跳ねた水が高く飛び散る前に、シンク前面に衝突するので、使用者にかかりにくくなるという効果も見込める。しかしながら、図21で例示した水跳ね試験の結果を考慮すると、シンク前面36寄りに着水するほど滞留が顕著になり水跳ねが多くなる。そのため、図23〜図25に例示したように、シンク前面から折り返すような流れを抑制する対策を講じ、シンク前面36寄りのシンク底面34に着水させることが最も好ましい。
また、前述したように、シャワー吐水部24は、カウンター前縁64に対して略垂直な方向を長手方向とする偏平断面形状の吐水が可能となるような構造を有している。そのため、斜め方向から吐水され偏平断面形状を有する吐水はカウンター上面62を横切る際には、システムキッチン10の前後方向に長い長さを有する断面形状を有することになる。その結果、洗浄物に対して広範囲に水を当てることができるようになる。
図27は、整流水の吐水状態を例示するための模式断面図である。
一般的に、口の狭い瓶やヤカンなどに水を入れる場合には、整流水が吐水されることが好ましい。本実施の形態に係るシステムキッチン10の場合においては、図27に示すように、整流吐水部22から整流水(水40)が吐水される。尚、シャワー水と整流水との切換は、水栓20に設けられた図示しない切換手段を操作することで行うことができる。
また、水40は、前述したように、カウンター上面62に対して斜め方向から吐水される。また、水40は、シンク後面38の上方部近傍から吐水される。この場合、シンク前面36とシンク後面38との中央部よりもシンク前面36寄りのシンク底面34に着水するようにすることが好ましい。吐水された水40がシンク後面38寄りのシンク底面34に着水すると、洗浄物や使用者の手が吐水に届きにくくなり、作業性が劣るためである。
またシンク前面36寄りのシンク底面34に着水すると、跳ねた水が高く飛び散る前に、シンク前面に衝突するので、使用者にかかりにくくなるという効果も見込める。しかしながら、図21で例示した水跳ね試験の結果を考慮すると、シンク前面36寄りに着水するほど滞留が顕著になり水跳ねが多くなる。そのため、図23〜図25に例示したように、シンク前面から折り返すような流れを抑制する対策を講じ、シンク前面36寄りのシンク底面34に着水することが最も好ましい。
また、図26、図27に示すように、定流量手段70を設けて流量あるいは水圧を固定して定流量にて吐水をさせるようにすれば、着水位置を一定の範囲内に収めることができる。ただし、定流量手段70は必ずしも必要ではなく、必要に応じて適宜設けるようにすればよい。
また、シャワー水と整流水とは、同様の領域を通過することが好ましい。例えば、シンク前面36とシンク後面38との中央部と、カウンター上面62と、が交差する領域を通過するようにすることができる。同様の領域を通過するようにすれば、吐水形態(整流水、シャワー水)に応じて使用者が食器や手などを洗う領域と瓶などに水を入れる領域とを変更する必要がなくなり、使用者の洗浄における身体の負荷を低減することができる。
図28は、本実施の形態にかかるシステムキッチンの模式平面図である。
前述したように、シャワー吐水部24から吐水されたシャワー水は、カウンター上面62に対して斜め方向から吐水される。また、シャワー吐水部24に固定される散水板26などにより、シャワー水の断面は略矩形の形状を呈している。そのため、カウンター上面62の高さをシャワー吐水が横切る際の水平方向断面は、領域42の如く、カウンター前縁64に対して略垂直な方向を長手方向とする偏平形状を呈している。
この場合、縦幅寸法L6(図4を参照)が65mm程度であれば、領域42の前後方向の長さL1は、70mm〜75mm程度となる。これは、カウンター上面62に対して斜め方向から吐水がされるためである。一方、領域42の左右方向の長さL5cは、横幅寸法L5(図4を参照)と同様となる。尚、前述したものの場合は、20mm程度である。このように、水栓20から吐水される水の断面を偏平形状とし、カウンター上面62に対して斜め方向から吐水することにより、洗浄水を広範囲に吐水することができるようになる。
図29は、本実施の形態にかかるシステムキッチンの模式正面図である。
図29に示した模式正面図においては、使用者80がシンク30の前方に直立した状態を表している。この状態において、使用者80は整流吐水口22aおよびシャワー吐水口24aの一部を目視することができる。ここで、整流吐水口22aおよびシャワー吐水口24aの一部とは、例えば散水孔27a(図3を参照)などように、水40が吐水される孔の一部を意味するものであって、整流吐水口22aおよびシャワー吐水口24aの外形の一部を意味するものではない。
すなわち、シンク30の前方に直立した使用者80は、水40が吐水される孔の一部を直接的に目視することができる。したがって、整流吐水口22aまたはシャワー吐水口24aから水40が吐水されている場合には、使用者80は吐水用の孔から水40が吐出している状態を確認(目視)することができる。
図30は、比較例に係るシステムキッチンを例示するための模式断面図である。
図30に示すように、水栓200は、所定の寸法よりも上方部が、カウンター上面62に対して傾斜しておらず、略平行となっている。そして、略平行となっている部分がシステムキッチンの前方へ向けて張り出している。また、水栓200には、整流吐水部22と、シャワー吐水部24と、が設けられている。また、シャワー吐水部24には、散水板26が固定されている。
比較例に係るシステムキッチンにおいては、水栓200がシステムキッチンの前方へ向けて張り出している。そのため、水栓200が邪魔となってシンク30内およびその上方を広く使用することができない。すなわち、一部に使用することができない範囲を有するいびつな領域56しか使用することができない。また、洗浄や水入れなどの作業位置と使用者の目との間に水栓200が入ることで視線が遮られるので、作業性が著しく悪くなるおそれがある。
これに対し本実施の形態に係るシステムキッチン10においては、図26、図27に示すように、水栓20の上方部がカウンター上面62に対して傾斜している。そのため、システムキッチン10の前方への張り出しも少ない。その結果、使用者はシンク30内およびその上方の領域54を広く使用することができる。また、水栓20によって視界が遮られることもない。そのため、作業性を大幅に向上させることができる。
また、図28に示すように、水栓20から吐水される水の断面を偏平形状とするとともに、カウンター上面62に対して斜め方向から吐水することにより、洗浄水を広範囲に吐水することができる。そのため、洗浄面積を大きくできるとともに洗浄物の表面を流れる水流により洗浄効率を上げることができる。その結果、作業性を大幅に向上させることができる。
また、図29に示すように、シンク30の前方に直立した使用者80は、吐水用の孔から水40が吐出している状態を確認(目視)することができる。そのため、作業性を大幅に向上させることができる。
また、前述したように、斜め方向からシンク底面34に着水させることで水跳ねや着水音を抑制することができる。そのため、跳ねた水の後始末をする必要もなくなるので、作業性を大幅に向上させることができる。
さらに、散水孔は、水垢や菌などの汚れの堆積、錆びが生じやすく、不衛生になりやすい。衛生的な状態を保つには、頻繁な清掃が必要となるが、散水孔が目視可能であることは、散水孔近傍の衛生状態が、監視しやすくなるため、頻繁な清掃が促されやすくなる。
以上、本発明の実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、システムキッチン10が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
本発明の実施の形態に係るシステムキッチンを例示するための模式斜視図である。 水栓の吐水口部分を例示するための模式図である。 シャワー吐水部に設けられる散水板を例示するための模式図である。 洗浄対象の形状を例示するための模式図である。 シャワー吐水部に固定される散水板の変形例を例示するための模式図である。 シャワー吐水部に固定される散水板の変形例を例示するための模式図である。 シャワー吐水部に固定される散水板の変形例を例示するための模式図である。 シャワー吐水部に固定される散水板の変形例を例示するための模式図である。 着水面に対し垂直に吐水がされた場合の水跳ねを例示するための模式図である。 着水面に対し垂直に吐水がされた場合の水跳ねを例示するための模式図である。 着水面に対し垂直に吐水がされた場合の水跳ねを例示するための模式図である。 着水面に対し斜め方向から吐水がされた場合の水跳ねを例示するための模式図である。 着水面に対し斜め方向から吐水がされた場合の水跳ねを例示するための模式図である。 着水面に対し斜め方向から吐水がされた場合の水跳ねを例示するための模式図である。 水跳ね試験の概要を例示するための模式図である。 吐水口角度と水跳ねとの関係を例示するためのグラフ図である。 シャワー吐水の軌跡を例示するための写真である。 シャワー吐水の様子を例示するための模式図である。 着水した水が滞留して水跳ねを抑制できない場合を例示するための模式図である。 着水した水が滞留して水跳ねを抑制できない場合を例示するための模式図である。 着水点からシンク前面までの距離と水跳ね量との関係を求めた試験の概要を例示するための模式図である。 着水する水の最先端の位置からシンク前面までの距離と水跳ね量との関係を例示するためのグラフ図である。 シンクの形状により折り返すような流れの影響を抑制する場合を例示するための模式図である。 シンクの形状により折り返すような流れの影響を抑制する場合を例示するための模式図である。 シンクの形状により折り返すような流れの影響を抑制する場合を例示するための模式図である。 水栓からシャワー水が吐水されている状態を例示するための模式断面図である。 整流水の吐水状態を例示するための模式断面図である。 本実施の形態にかかるシステムキッチンの模式平面図である。 本実施の形態にかかるシステムキッチンの模式正面図である。 比較例に係るシステムキッチンを例示するための模式断面図である。
符号の説明
10 システムキッチン、 20 水栓、 22 整流吐水部、 24 シャワー吐水部、 26 散水板、 26a〜26b 散水板、 27 散水孔群、 27a 散水孔、 28、29 散水スリット、30 シンク、 34 シンク底面、 36 シンク前面、 37 シンク左側面、 38 シンク後面、 40 水(洗浄水)、40a水跳ね、 40b 水、 54、56 領域、 60 カウンター、 62 カウンター上面、 64 カウンター前縁、 80 使用者、 100 着水面、 θ 吐水口角度、 α 着水角度

Claims (4)

  1. カウンターと、
    平滑かつ略水平なシンク底面を有するシンクと、
    水栓と、
    を備え、
    前記水栓は、前記シンクの前面よりも後方側であって前記カウンターの上面よりも上方側に位置する吐水口を有し、
    前記吐水口は、前記シンク底面に対して傾斜しており、且つ着水面に略一方向に流れる水の流れを有する水膜を形成する吐水流を放出する、ことを特徴とするシステムキッチン。
  2. 前記吐水口は、前記カウンターの上面に対して40°以上、80°以下に傾斜して設けられること、を特徴とする請求項1記載のシステムキッチン。
  3. 前記水栓は、吐水された水の少なくとも一部が、シンク前面と、シンク後面と、の中央部よりも前記シンク前面側の前記シンク底面に着水するような吐水を行うこと、を特徴とする請求項1または2に記載のシステムキッチン。
  4. 前記シンク前面と前記シンク底面との間には溝部が形成されていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のシステムキッチン。
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