JP2010106552A - 遮熱性防水シート - Google Patents

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Abstract

【課題】防水性を有しかつ遮熱性に優れた防水シートを得る。
【解決手段】遮熱性鉱物質粒子からなる表面層を有する防水シートである。また、遮熱性鉱物質粒子からなる表面層と、改質アスファルトコンパウンドからなる第一改質アスファルト層と、補強材を含む基材層と、改質アスファルトコンパウンドからなる第二改質アスファルト層と、剥離性シート、合成樹脂又は無機質粒子を含有する合成樹脂からなる裏面層との少なくとも5層をこの順で積層した防水シートである。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物に防水性を付与するための防水シート、特に、遮熱性を有する防水シートに関する。
建築物に防水性を付与するために、建築物の屋上やベランダ等には、防水シートが用いられている。防水シートは屋外に露出して設置されることが多い。このような場合には、防水シートへは太陽光が直接照射する。そのため、防水シート自体の温度が上昇するとともに、防水シートの下側に位置する建築物や構造物の温度も上昇する。また、太陽光の紫外線照射により、防水シートの劣化が生じることもある。
太陽光の照射の影響を低減するための方法として、特許文献1には、防水層の表面に,中空ビーズを塗膜固形分中20〜98容積%含有する断熱性下層塗膜を形成し,この下層塗膜の上に,白色顔料を分散させた塗料を塗布して光の反射率が80%以上で且つ熱の放射率が80%以上の高反射・高放射性の上層塗膜を形成する防水層の劣化防止法が開示されている。
太陽光の照射の影響を低減するための防水シート用遮熱塗料として、特許文献2には、可撓性を有する防水シートの表面に塗布する遮熱塗料であって、ガラス転移点が−20〜20℃の範囲にある熱可塑性樹脂に顔料を添加することにより700〜2100nmの波長域における日射反射率が20%以上としてなることを特徴とする防水シート用遮熱塗料が開示されている。
また、太陽光の照射の影響を低減するための遮熱性塗料として、特許文献3には、可視領域で吸収を示し近赤外領域では反射を示す顔料と、耐候性に優れるビヒクルとを含有することを特徴とする遮熱性塗料が開示されている。
また、特許文献4には、遮熱性を有する防水シートとして、防水シート基材層上に、熱可塑性樹脂に顔料が含有されて700〜2100nmの波長域における日射反射率が30%以上となる赤外線反射樹脂層が形成された遮熱性複層防水シートにおいて、前記防水シート基材層と前記熱反射樹脂層との間に熱可塑性樹脂を発泡してなる発泡樹脂層が形成されたことを特徴とする遮熱性複層防水シートが開示されている。
特開2000−93890号公報 特開2004−27241号公報 特開2004−156003号公報 特開2006−316411号公報
建築物の屋上やベランダ等の防水性を確保しつつ、太陽光の直接照射に伴う防水シートの紫外線劣化を防止すること、及び、防水シート下側に位置する建築物や構造物の温度上昇を抑制することは、防水シートを長寿命化して水漏れによる建築物や構造物の劣化を防止できるのみならず、建築物や構造物の内部の空調稼働率を低下でき、エネルギー消費量の低減に貢献することができる。そこで、本発明は、長期に渡って良好な防水性を有しかつ遮熱性に優れた防水シートを得ることを目的とする。
本発明は、遮熱性鉱物質粒子からなる表面層を有する防水シートである。
また、本発明は、遮熱性鉱物質粒子からなる表面層と、改質アスファルトコンパウンドからなる第一改質アスファルト層と、補強材を含む基材層と、改質アスファルトコンパウンドからなる第二改質アスファルト層と、剥離性シート、合成樹脂又は無機質粒子を含有する合成樹脂からなる裏面層との少なくとも5層をこの順で積層した防水シートである。
本発明の防水シートの好ましい態様を以下に示す。本発明では、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)遮熱性鉱物質粒子が、扁平な粒子形状を有する芯粒子の表面に、遮熱性成分よりなる遮熱性被覆層を有する。
(2)遮熱性被覆層の厚さが1〜50μmの範囲である。
(3)遮熱性成分が、酸化チタンである。
(4)遮熱性成分が、ルチル型酸化チタンである。
(5)遮熱性鉱物質粒子の粒子径が、0.1〜10mmの範囲である。
(6)遮熱性鉱物質粒子が、表面層1mに対して50〜2000g/mである。
(7)防水シートが、建築物の屋上に敷設して使用される。
また、本発明は、上述の防水シートを敷設した防水構造体である。
本発明の防水性を有しかつ遮熱性に優れた防水シートを用いることによって、防水シートを長寿命化して、長期に渡って建築物の屋上やベランダ等の防水性を確保しつつ、太陽光の直接照射に伴う防水シートの下側に位置する建築物や構造物の温度上昇を抑制することができる。
本発明の防水シートは、遮熱性鉱物質粒子からなる表面層を有する防水シートである。また、本発明の防水シートは、好ましくは、遮熱性鉱物質粒子からなる表面層、第一改質アスファルト層、基材層、第二改質アスファルト層及び剥離性シート、合成樹脂又は遮熱性鉱物質粒子を含有する合成樹脂からなる裏面層の少なくとも5層をこの順で積層した構造を有する。本発明の防水シート10の一例を模式的に示す断面図を図1に示す。本発明の防水シート10は、表面層1が遮熱性鉱物質粒子からなることにより、優れた遮熱性と、防水性とを併せ持つことができる。以下、本発明の防水シート10について詳しく説明する。
<表面層1>
本発明の防水シート10は、遮熱性鉱物質粒子からなる表面層1を有する。表面層1は、本発明の防水シート10の有する優れた遮熱性に対して寄与する。通常の防水シートでは、長期間供用される過程で太陽光の直接照射に伴う紫外線により樹脂成分が劣化したり、赤外線により防水シートの温度が上昇して、熱劣化するという問題を生じることがある。これに対して本発明の防水シート10の表面層1は、遮熱性鉱物質粒子のみからなり、樹脂などを含まないことにより、紫外線による劣化は生じず、長期使用の場合の耐久性が各段に向上する。また、遮熱性鉱物質粒子は高い白色度を有しており、遮熱性鉱物質粒子を表面層1として有することにより、本発明の防水シート10を設置した際に優れた美観を呈することができる。また、本発明の防水シート10は、扁平状の遮熱性鉱物質粒子と改質アスファルトコンパウンドとが積層された構造を有していることから、ポイ捨てされたタバコによる穴あき等の重大な損傷も防止することができる。
本発明において、遮熱性とは、太陽光などの光が防水シート10に対して照射するときに防水シート10の温度上昇を妨げる性能をいう。そのためには、遮熱性鉱物質粒子が低い熱伝導度を有することのみならず、遮熱性鉱物質粒子の表面が所定の光、特に太陽光のスペクトルに対して高い反射率を有することにより、防水シート10への光エネルギーの吸収を妨げることが可能となる。すなわち、遮熱性とは、高い反射率や低い熱伝導度などを有することにより、光エネルギーを遮断し、防水シート10の温度上昇を抑制する総合的な性能のことをいう。
表面層1に用いることのできる遮熱性鉱物質粒子は、上述したような遮熱性を有するものを用いることができる。具体的には、遮熱性鉱物質粒子としては、天然スレート砂、マイカ及びタルクなどの鉱物質粒子(鉱物粒子又は岩石粒子)を用いることができる。遮熱性鉱物質粒子は、一種類又は複数種を組み合わせて用いることができる。本発明の防水シート10の遮熱性鉱物質粒子としては、優れた遮熱性を有し、入手容易で低コストであることから、スレートを用いることが好ましい。
高い遮熱性を得るために、遮熱性鉱物質粒子としては、鉱物質粒子である芯粒子の表面に、遮熱性成分よりなる遮熱性被覆層を有するものを用いることが好ましい。また、遮熱性鉱物質粒子の形状が不規則な形状の場合には、反射光の方向がランダムになるため、遮熱性鉱物質粒子から反射した光が、不規則な形状の他の部分に再入射することがある。すなわち、遮熱性鉱物質粒子の形状が不規則な形状の場合には、遮熱性鉱物質粒子の実質的な反射率は低下する。そのため、遮熱性鉱物質粒子の形状は、なるべく平坦であることが好ましく、扁平な粒子形状であることが好ましい。
ここで「扁平な粒子形状」とは、粒子が略平行な二つの平面及びその二つの平面を接続する側面を有し、二つの平面の間の距離が、側面の任意の2点を結ぶ直線のうち最大の長さより短い粒子形状をいう。
扁平な粒子形状を有する遮熱性鉱物質粒子は、さらに好ましくは、遮熱性鉱物質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち最も長いものの長さをX、この直線に直交する遮熱性鉱物質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち最も長いものの長さをY、扁平状の遮熱性鉱物質粒子の最も厚い部分の厚さをZとすると、Y/Xの値が好ましくは0.2〜1の範囲であり、より好ましくは0.3〜0.9の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜0.8の範囲のものを好適に使用できる。また、Z/Xの値は好ましくは0.002〜0.4の範囲であり、より好ましくは0.01〜0.2の範囲であり、さらに好ましくは0.02〜0.1の範囲のものを好適に使用できる。
遮熱性鉱物質粒子の寸法は、各粒子の最大粒子径が0.1〜10mm、好ましくは0.2〜8mm、より好ましくは0.5〜5mm、さらに好ましくは1〜5mmであるものを用いることができる。なお、最大粒子径とは、粒子表面の任意の2点を結ぶ直線のうち最も長い2点間の長さのことをいう。
遮熱性鉱物質粒子の芯粒子となる鉱物質粒子は、低い熱伝導を有する鉱物質(鉱物又は岩石)であればどのようなものであってもよい。具体的には、天然スレート砂、マイカ及びタルクなどの鉱物質粒子を用いることができる。優れた遮熱性を得るために、スレートを用いることが好ましい。スレートは、スレート劈開を有するため、扁平な粒子形状を容易に得ることができるので、遮熱性鉱物質粒子の芯粒子として用いることが好ましい。
芯粒子を覆う遮熱性被覆層は、遮熱性成分からなる。芯粒子に被覆した際に高い反射性能を示す点から、遮熱性成分は、酸化チタンであることが好ましい。さらに、芯粒子に被覆した際に高い反射性能を示し、光触媒機能がアナターゼ型酸化チタンと比べて小さく遮熱性鉱物粒子と改質アスファルトコンパウンドとの接合状態が長期に渡って安定している点から、遮熱性成分は、ルチル型酸化チタンであることが好ましい。
芯粒子を覆う遮熱性被覆層の厚さは、好ましくは1〜50μmの範囲、さらに好ましくは5〜40μmの範囲、特に好ましくは15〜30μmの範囲であることが、優れた遮熱性を長期間安定して発揮できることから好ましい。遮熱性被覆層の形成は、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、無電解めっき法、電解めっき法、スプレーコーティング法及びゾルゲル法等の公知の技術から選択して用いることができる。さらに、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、無電解めっき法、電解めっき法、スプレーコーティング法及びゾルゲル法等の公知の技術によって遮熱性被覆層を形成したのち、800〜1500℃で加熱焼成処理を行うことがさらに好ましい。この加熱焼成処理によって、より緻密な遮熱性被覆層を形成することができるためである。
遮熱性鉱物質粒子としては、さらに必要に応じて撥水剤、塗料、顔料、増粘剤、耐光剤及び/又は耐候剤などを、添加、吹きつけ、塗布及び/又は含浸したものを、本発明の防水シート10の表面層1として用いることができる。
表面層1において、防水シート10表面1m当たりの遮熱性鉱物質粒子量は、好ましくは50〜2000g/m、より好ましくは80〜1500g/m、さらに好ましくは100〜1000g/mの範囲が好ましい。
<第一改質アスファルト層2>
本発明の防水シート10の第一改質アスファルト層2は、改質アスファルトコンパウンドからなる。第一改質アスファルト層2の材料となる改質アスファルトコンパウンドは、確実に防水を行う点から、改質材としてポリマー成分であるスチレン−ブタジエン共重合体を含む改質アスファルトコンパウンド(本明細書では、「コンパウンドA」という)を用いることが好ましい。コンパウンドAの詳細については後述する。
<基材層3>
本発明の防水シート10の基材層3は、補強材を含むことにより、本発明の防水シート10の機械的強度を高めることができる。以下、本発明の防水シート10に用いることが好ましい基材層3について説明する。
本発明の防水シート10に用いることが好ましい基材層3に含まれる補強材は、織布、編み布及び不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。織布、編み布及び不織布の材料は、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリイミド、ポリスルホン及びポリエーテル、ビニロンなどの樹脂及びその組合せ構造品並びにガラスなどの無機物を用いることができる。合成繊維不織布とガラス繊維を積層したものも好適に使用できる。好ましい補強材の材料は、吸水性及び機械的強度などの点から、低吸水性のナイロン11やナイロン12、ポリエステルやガラスなどの合成樹脂や無機物からなる繊維である。また、機械的強度、強度バランスの点から、補強材は、不織布であることが好ましい。吸水性及び機械的強度などを総合的に判断すると、補強材は、ポリエステル不織布であることがより好ましい。
また、機械的強度をさらに高める点から、補強材は、ガラス繊維を含むポリエステル不織布であることが好ましい。
基材層3に用いる織布、編み布及び不織布の目付は、特に限定されるものではないが、織布、編み布及び不織布の目付は、好ましくは30〜300g/mの範囲、より好ましくは100〜200g/mの範囲のものが可撓性を有し、施工作業性に優れるため好ましい。
本発明の防水シート10に用いることが好ましい基材層3は、防水性を確実にする点から、上記補強材にコンパウンドA又はアスファルトを含浸させた基材シートであることが好ましい。また、基材層3は、吸水性及び機械的強度などを総合的に判断して、ポリエステル不織布又はガラス繊維を含むポリエステル不織布に、上述のコンパウンドA又はアスファルトを含浸させた基材層3であることがより好ましい。また、アスファルトを含浸させた基材シートを用いる場合には、アスファルトとしてブローンアスファルトを用いることが、機械的強度が向上することから好ましい。
<第二改質アスファルト層4>
本発明の防水シート10の第二改質アスファルト層4は、改質アスファルトからなる。第二改質アスファルト層4の材料となる改質アスファルトは、確実に防水を行う点から、後述するコンパウンドAを用いることができる。また、第二改質アスファルト層4の材料として、自己粘着性を有し、かつ防水性を確実にする点から、後述するコンパウンドBを用いることができる。
<裏面層5>
本発明の防水シート10は、裏面層5を有することにより、施工の際の作業性を向上することができる。裏面層5は、剥離性シート、合成樹脂及び遮熱性鉱物質粒子を含有する合成樹脂のうちのいずれか1つからなる。以下、本発明の防水シート10の裏面層5について説明する。
裏面層5として用いることのできる剥離性シートは、改質アスファルトからの剥離が容易であるものであれば、どのようなものであっても用いることができ、剥離紙又は剥離フィルムなどを使用することができる。第二改質アスファルト層4の材料として自己粘着性のあるコンパウンドBを用いる場合には、施工の際の作業性を向上する点から、裏面層5として剥離紙を用いることが好ましい。
剥離性シートとしては、具体的には、合成樹脂フィルムなどの剥離フィルムを用いることができ、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートなどの芳香族系ポリエステルなどのポリエステルフィルム、ナイロン6などのポリアミドフィルムなどの合成樹脂フィルムから選択したものを用いることができる。合成樹脂フィルムは、一軸延伸、二軸延伸などの延伸フィルム、又は無延伸フィルムが好ましい。合成樹脂フィルムは、フィルムを2層以上に積層した積層フィルムを用いることができる。裏面層5として用いる合成樹脂フィルムとしては、特に低密度ポリエチレンが柔軟性に優れているため好ましい。
剥離性シートとして合成樹脂フィルムを用いる場合、その厚みは、製造時に支障がなく、施工時あるいは使用時に損傷を受けにくい適度な厚さであればよく、好ましくは3〜100μmの範囲、より好ましくは20〜80μmの範囲、さらに好ましくは30〜70μmの範囲が好ましい。裏面層5の合成樹脂フィルムは、第二改質アスファルト層4のアスファルトをほとんど、又は全く透過させない合成樹脂フィルムであることが、施工者の衣服及び靴などを汚さないために好ましい。
剥離性シートとして剥離紙を用いる場合、その厚みは、製造時に支障がなく、施工時あるいは使用時に損傷を受けにくい適度な厚さであればよく、好ましくは50〜1000μmの範囲、より好ましくは70〜500μmの範囲、さらに好ましくは100〜300μmの範囲であることが好ましい。裏面層5の剥離紙としては、第二改質アスファルト層4のアスファルトをほとんど、又は全く透過させない剥離紙が、施工者の衣服や靴などを汚さないために好ましい。
剥離性シートとして剥離紙を用いる場合、剥離性を付与するために、剥離紙の第二改質アスファルト層4側の表面に、シリコン処理を行った剥離紙を用いることが好ましい。さらに、より良好な剥離性を付与するためにポリエチレン等の樹脂によってラミネート加工された剥離紙を用い、この剥離紙の第二改質アスファルト層4側の表面に、シリコン処理を行ったものを用いることがさらに好ましい。
なお、裏面層5は、防水シート10の保管や運搬の際に、予期せぬ場所への接着を防止するためのものである。防水シート10を用いるときには、第二改質アスファルト層4の材料として、コンパウンドAを用いている場合、裏面層5は第二改質アスファルト層4とともに、トーチバーナーなどによって加熱溶融される。また、防水シート10を用いるときには、第二改質アスファルト層4の材料として、自己粘着性を有するコンパウンドBを用いている場合、裏面層5は第二改質アスファルト層4から取り外される。
本発明の防水シート10の裏面層5の材料として、以下に説明するような合成樹脂を用いることができる。
裏面層5の合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸誘導体などのポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体などの主鎖に2重結合を2以上有するオレフィン重合体、ビニル重合体及び主鎖に2重結合を2以上有するオレフィンと主鎖に2重結合を1つ有するオレフィンとの共重合体などを用いることができる。合成樹脂としては耐候性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂としては耐光性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂としては柔軟性の優れたものを使用することが好ましい。
裏面層5において、合成樹脂塗料としては、ポリウレタン、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体などから1つ以上を選択して用いることができる。合成樹脂塗料としては耐候性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂塗料としては柔軟性の優れたものを使用することが好ましい。特に、合成樹脂塗料としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル及びメタクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択されるモノマーの少なくとも1種の重合体、又はモノマーの少なくとも1種とエチレンなどのα−オレフィンやスチレンなどの他のビニル系モノマーとの共重合体が好ましい。
本発明の防水シート10の裏面層5の材料として、無機質粒子を含有する合成樹脂を用いることができる。合成樹脂は、上述の合成樹脂と同様のものを用いることができる。無機質粒子を含有する合成樹脂は、合成樹脂塗料100質量部に対し、好ましくは無機質粒子3〜250質量部、より好ましくは5〜200質量部、さらに好ましくは10〜180質量部を配合したものを用いることが好ましい。無機質粒子を含有する合成樹脂は、必要に応じて撥水剤、顔料、増粘剤、耐光剤及び耐候剤などを添加することが好ましい。
裏面層5において、合成樹脂に含まれる無機質粒子の量は、防水シート10の表面1m当たりの無機質粒子量が、好ましくは100〜2000g/m、より好ましくは200〜1800g/m、さらに好ましくは400〜1500g/mの範囲となることが好ましい。
裏面層5において、合成樹脂とともに用いられる無機質粒子としては、天然スレート砂、マイカ及びタルクなどの鉱物質の扁平状無機質粒子を用いることができる。無機質粒子は、一種類又は複数種を組み合わせて用いることができる。
無機質粒子の粒子径は、使用上問題ないものであればどのようなものでもよく、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.3〜6mm、さらに好ましくは0.5〜3mm、特に好ましくは1〜2mmの範囲であることが好ましい。なお、「粒子径」とは、無機質粒子が扁平状等の場合には、無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち、最も長いものの長さのことをいうものとする。
無機質粒子が扁平状等の場合に、無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち最も長いものの長さをX、この直線に直交する無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち最も長いものの長さをY、扁平状の無機質粒子の最も厚い部分の厚さをZとすると、Y/Xの値が好ましくは0.2〜1の範囲であり、より好ましくは0.3〜0.9の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜0.8の範囲のものを好適に使用できる。また、Z/Xの値は好ましくは0.002〜0.4の範囲であり、より好ましくは0.01〜0.2の範囲であり、さらに好ましくは0.02〜0.1の範囲のものを好適に使用できる。
<接着部6>
図2に示すように、本発明の防水シート10の、第一改質アスファルト層2の表面には、接着部6を有することができる。接着部6は表面層1が形成されない部分であり、第一改質アスファルト層2の表面が露出した部分である。接着部6は、剥離部材を用いて覆うことができる。本発明の防水シート10を複数接続して施工する場合、防水シート10の接着部6と、他方の防水シート10の粘着性の第二改質アスファルト層4(裏面層5が剥離紙の場合、剥離紙を剥がすことにより露出することができる)又は裏面層5とを、重ね合わせて接着することができる。特に、第二改質アスファルト層4の材料として、後述するコンパウンドBを用いる場合には、第一改質アスファルト層2の表面が露出した接着部6と、裏面層5(剥離紙)を剥がすことにより露出した自己粘着性を有する第二改質アスファルト層4とが優れた接合状態を容易に形成でき、この結果、本発明の防水シート10を複数接続して迅速に施工することができる。このようにして、防水シート10を施工する面積が大きい場合でも、本発明の防水シート10を用いた防水構造体を容易にかつ確実に施工することができる。
接着部6を覆うための剥離部材としては、上述の裏面層5に用いる材料(剥離性シート)と同様の材料を用いることができるが、必ずしも同一の材料を用いる必要はない。しかしながら、コストを下げる点から、上述の裏面層5に用いる材料と同じ材料を用いることが好ましい。
なお、剥離部材は、防水シート10の保管や運搬の際に、予期せぬ場所への接着を防止するためのものであり、防水シート10を用いるときには取り外される。
<防水シート10の製造方法>
次に、本発明の防水シート10の、製造方法について説明する。
まず、所定の補強材にコンパウンドA又はアスファルトを含浸させることにより、上述の基材層3を形成する。
次に、この基材層3の一方の面に第一改質アスファルト層2を、他方の面に第二改質アスファルト層4を形成する。第一改質アスファルト層2及び第二改質アスファルト層4の形成には、塗布、印刷等の公知の方法を用いることができる。また、第一改質アスファルト層2及び第二改質アスファルト層4をそれぞれ単独に形成してから、基材層3の所定の面に接着することもできる。第一改質アスファルト層2及び第二改質アスファルト層4の形成は、同時に行ってもよいし、片方ずつ行ってもよい。
次に、剥離性シートを第二改質アスファルト層4の表面に接着することにより、裏面層5を形成する。なお、裏面層5の形成は、張り合わせロールを用いることにより、第二改質アスファルト層4の基材層3への形成と同時に行うこともできる。すなわち、片面に第一改質アスファルト層2を有する基材層3表面と、裏面層5となる剥離性シートとの間に、第二改質アスファルト層4を形成する材料を流し込み、ナイフコーターや張り合わせロールを用いて一体化することにより、本発明の防水シート10を製造することができる。また、このようにして得られた防水シート10を、チルドロールを用いて冷却することによって、第二改質アスファルト層4の接着を確実にすることができる。
次に、第一改質アスファルト層2の表面に、所定の表面層1を形成する。このとき、第一改質アスファルト層2の表面のうち、一辺に接する部分には表面層1を形成せず、接着部6とすることが好ましい。なお、接着部6の表面は、防水シート10を保管や運搬等の際の表面保護を確実にする点から、剥離部材によって覆うことが好ましい。
<コンパウンドA>
第一改質アスファルト層2の材料として好ましい改質アスファルトであるコンパウンドAについて説明する。なお、コンパウンドAは、第二改質アスファルト層4の材料としても好ましく用いることができる。
コンパウンドAは、改質材としてポリマー成分であるスチレン−ブタジエン共重合体を含む改質アスファルトコンパウンドである。コンパウンドAは、自己粘着性を有さないが、優れた防水性を有し、また加熱融着性に優れる。以下、コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドについて説明する。
コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドは、アスファルト及びポリマーを含むもの、アスファルト、ポリマー及び無機充填材の3成分を含むものなどを用いることができる。これらの成分を、120〜200℃で3〜30時間加熱混合して調製することにより、均質性の高い改質アスファルトを得ることができる。この改質アスファルトをコンパウンドAとして用いることが、防水・防湿性、伸縮性などに優れた防水シート10を得るために好ましい。
コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドに含まれる成分の質量割合は、好ましくはアスファルト100質量部に対し、ポリマー3〜40質量部及び無機充填材1〜100質量部を含むもの、より好ましくはアスファルト100質量部に対し、ポリマー5〜30質量部及び無機充填材3〜50質量部を含むもの、さらに好ましくはアスファルト100質量部に対し、ポリマー7〜20質量部及び無機充填材5〜20質量部を含むものを用いることができる。
コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドには、アスファルト、ポリマー及び無機充填材以外の成分として、プロセスオイル、ワセリン、セレシン、石油樹脂など、一般に合成樹脂やゴムの配合で用いられる撥水剤、顔料、増粘剤、耐光剤、耐候剤などの無機や有機の配合剤を添加することができる。
コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドに含まれるアスファルトとしては、天然アスファルト若しくはアスファルタイト等の天然に産するアスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト若しくはカットバックアスファルト等の石油アスファルト、又はこれらのアスファルトの混合物等であることが好ましい。特に、防水性及び耐久性を確実にする点から、コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドに含まれるアスファルトとして、ストレートアスファルトを用いることが好ましい。
ストレートアスファルト(ストアス)は、石油精製により製造され、JIS K 2207に規定する品質規格により、25℃における針入度(以下、「ストアス針入度」という)によって0〜300の範囲を10段階に分類されている。本発明の防水シート10に用いられるコンパウンドAに含まれることのできるストレートアスファルトとしては、ストアス針入度60〜200dmmのもの、より好ましくは150〜200dmmのものを用いることが好ましい。
コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドに含まれるポリマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムとの混合物、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンとアクリル酸誘導体との共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、スチレン−ブタジエン共重合体(例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SBS)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)等)、ブタジエンゴム(BR)等を使用することができる。
防水性及び耐久性の点から、コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドに含まれるポリマーとしては、スチレン−ブタジエン共重合体を用いることが好ましく、具体的には、SBS及びSBRなどのゴム系のものを用いることがより好ましい。防水性及び耐久性を確実にする点から、スチレン−ブタジエン共重合体として、SBSを用いることが好ましく、分岐立体構造を有するSBS(ラジアルタイプのSBS)と、直鎖構造を有するSBS(リニアタイプのSBS)とを、好ましくは分岐立体構造を有するSBS:直鎖構造を有するSBS=1:3〜3:1、より好ましくは1:3〜1:1の質量割合となるように用いることができる。
コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドに含まれる無機充填材としては、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウム、珪藻土及びシリカ等の粒子状無機充填材、石綿及びガラス繊維などの繊維状無機充填材を用いることができる。特に、安定した充填性を有し、低コストである点から、炭酸カルシウムを好適に用いることができる。また、無機充填材の粒径は、100〜400メッシュ程度のものを好適に用いることができる。
コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドは、針入度が、好ましくは10dmm〜100dmmの範囲、より好ましくは15dmm〜90dmmの範囲、さらに好ましくは18dmm〜80dmmの範囲、特に好ましくは20dmm〜60dmmの範囲が柔軟性に優れるために好ましい。なお、針入度は、JIS K 2207に規定された方法により測定することができる。
コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドの軟化点は、好ましくは50〜170℃の範囲、より好ましくは80〜160℃の範囲、さらに好ましくは100〜150℃の範囲、特に好ましくは120〜140℃の範囲であることが、良好な柔軟性を有し、自己粘着性を有さないために好ましい。
コンパウンドAである改質アスファルトコンパウンドの190℃の粘度は、好ましくは1000〜12000mPa・secの範囲、より好ましくは1500〜10000mPa・secの範囲、さらに好ましくは2000〜8000mPa・secの範囲、特に好ましくは2500〜7000mPa・secの範囲であることが、基材層3との接着性に優れることから好ましい。
<コンパウンドB>
第二改質アスファルト層4の材料として好ましい改質アスファルトコンパウンドであるコンパウンドBについて説明する。コンパウンドBは、自己粘着性を有し、かつ確実な防水性を有する。以下、コンパウンドBである改質アスファルトコンパウンドについて説明する。
コンパウンドBは、アスファルト100質量部に、ゴム物質10〜50質量部、熱可塑性樹脂0〜15質量部及び無機充填材10〜100質量部を添加混合した混合物に、さらにイオウ0.05〜0.5質量部を添加混合して、120〜200℃で1〜30時間加熱することにより製造することができる。このようにして製造したコンパウンドBは、接着性、防水・防湿性及び伸縮性に優れることから、本発明の防水シート10の第二改質アスファルト層4の材料として用いることが好ましい。なお、ゴム物質、熱可塑性樹脂及び無機充填材は、改質アスファルトの改質材である。
コンパウンドBである改質アスファルトコンパウンドに含まれる、アスファルト、ゴム物質及び無機充填材以外の成分として、オイル、ポリエチレン及び/又は硫黄を所定量含むことができる。
コンパウンドBである改質アスファルトコンパウンドには、さらに、プロセスオイル、ワセリン、セレシン及び石油樹脂など、一般に合成樹脂やゴムの配合で用いられる撥水剤、顔料、増粘剤、粘着付与剤、耐光剤及び耐候剤などの無機や有機の配合剤を、適宜選択して添加することができる。
コンパウンドBである改質アスファルトコンパウンドに含まれるアスファルトとしては、天然アスファルト若しくはアスファルタイト等の天然に産するアスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト若しくはカットバックアスファルト等の石油アスファルト、又はこれらのアスファルトの混合物等であることが好ましい。特に、防水性及び耐久性を確実にする点から、コンパウンドBである改質アスファルトコンパウンドに含まれるアスファルトとして、ストレートアスファルト及び/又はブローンアスファルトを用いることが好ましい。
ストレートアスファルトは、十分な防水性能と適正な製造加工性とを保持させる点から、ストアス針入度80〜100のものを用いることが好ましい。
ブローンアスファルトは、ストレートアスファルトを加熱し、十分に空気を吹き込んで酸化重合したものである。ブローンアスファルトは、JIS K 2207に規定する品質規格により、25℃における針入度(以下、「ブローンアスファルト針入度」という)によって0〜40の範囲を5段階に分類されている。本発明の防水シート10に用いられるコンパウンドBに含まれることのできるブローンアスファルトとしては、針入度10〜20のものを用いることが好ましい。
ストレートアスファルトと、ブローンアスファルトとを、適時組み合わせて使用することができ、良好な防水性能と適正な製造加工性とを保持する点から、ストレートアスファルトと、ブローンアスファルトとの質量割合を、ストレートアスファルト:ブローンアスファルト=1:1〜4:1となるようにすることが好ましい。
コンパウンドBは、適正な自己粘着性を安定して付与するために、さらに、改質材としてスチレン−ブタジエン共重合体(例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SBS)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)等)、ブタジエンゴム(BR)等の合成ゴム、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂等を含むことができ、2種以上の改質材を併用して用いることができる。2種以上の改質材を用いる場合、それぞれの改質材は、コンパウンドB中に、アスファルト100質量部に対し、好ましくは2〜40質量部、より好ましくは3〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部含むことができる。
コンパウンドBである改質アスファルトコンパウンドに含まれる合成ゴムとして、具体的には、スチレン−ブタジエン共重合体(例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SBS)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)等)、ブタジエンゴム(BR)等を使用することができる。特に、SBS及びBRを用いることが好ましい。
コンパウンドBである改質アスファルトコンパウンドに含まれるポリオレフィン系樹脂として、具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)等を好ましく使用することができる。特に、低密度ポリエチレン(LDPE)を用いることが好ましい。
コンパウンドBである改質アスファルトコンパウンドに含まれる無機充填材としては、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウム、珪藻土及びシリカ等の粒子状無機充填材、石綿及びガラス繊維などの繊維状無機充填材から適宜選択した1つ以上のものを用いることができる。特に、安定した充填性を有し、低コストである点から、炭酸カルシウムを好適に用いることができる。また、無機充填材の粒径は、100〜400メッシュ程度のものを好適に用いることができる。
コンパウンドBは、さらにプロセスオイル等のオイルを含むことができる。オイルの添加量は、アスファルト100質量部に対し、10〜150質量部、好ましくは15〜100質量部含むことができる。また、コンパウンドBは、同一の成分比率であっても、温度により粘着性が異なることから、粘着性の調整のために、夏場にはオイルの質量割合を少なめに、冬場にはゴム物質、オイルの質量割合を多めにすることが好ましい。
コンパウンドBは、さらに、硫黄などの成分を含むことができる。これらの成分の添加量は、アスファルト100質量部に対し、イオウ0.05〜0.5質量部含むことができる。
コンパウンドBである改質アスファルトコンパウンドは、針入度が、好ましくは50dmm〜300dmmの範囲、より好ましくは70dmm〜280dmmの範囲、さらに好ましくは85dmm〜260dmmの範囲、特に好ましくは100dmm〜240dmmの範囲であることが柔軟性と自己粘着性とに優れるために好ましい。なお、針入度は、JIS K 2207に規定された方法により測定することができる。
コンパウンドBである改質アスファルトコンパウンドの軟化点は、好ましくは50〜120℃の範囲、より好ましくは60〜115℃の範囲、さらに好ましくは65〜110℃の範囲、特に好ましくは70〜105℃の範囲であることが、良好な柔軟性を有するために好ましい。
コンパウンドBである改質アスファルトコンパウンドの160℃の粘度は、好ましくは30000〜120000mPa・secの範囲、より好ましくは32000〜115000mPa・secの範囲、さらに好ましくは34000〜110000mPa・secの範囲、特に好ましくは35000〜100000mPa・secの範囲であることが、基材層3との接着性に優れることから好ましい。
<防水シート10の性能>
本発明の防水シート10は、JIS A 6013:2005に準拠して測定した、防水シートの長手方向の引張強さ(引張強度)が、好ましくは80N/cm以上、より好ましくは100N/cm以上、さらに好ましくは120N/cm以上であり、防水シートの幅方向の引張強さ(引張強度)が、好ましくは80N/cm以上、より好ましくは90N/cm以上、さらに好ましくは95N/cm以上であることが、耐久性の高い防水シート10を得ることができることから好ましい。
本発明の防水シート10は、JIS A 6013:2005に準拠して測定した、防水シート10の長手方向及び幅方向の引裂強さ(引裂強度)が、好ましくは25N以上、より好ましくは30N以上、さらに好ましくは35N以上であることが高耐久な防水シート10を得ることができることから好ましい。
本発明の防水シート10は、JIS A 6013:2005に準拠して測定した、防水シート10の長手方向の伸び率(引張伸び率)が、好ましくは35%以上、より好ましくは45%以上、さらに好ましくは55%以上であり、防水シート10の幅方向の伸び率(引張伸び率)が、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上であることが下地変形に追従できる防水シート10を得ることができることから好ましい。
<防水構造体の施工方法>
次に、本発明の防水シート10を用いた防水構造体の施工方法について説明する。
まず、本発明の防水シート10を、建築物の屋上等の防水を行う対象物(被防水物)の大きさに応じて所定の大きさに切断する。
次に、被防水物へ、防水シート10の裏面を接着する。裏面層5が剥離性シートである場合には、剥離性シートを剥離し、第二改質アスファルト層4を被防水物へ接着する。また、裏面層5が合成樹脂又は無機質粒子を含有する合成樹脂からなる場合には、裏面層5を建築物等へ密着する。
本発明の防水シート10の被防水物への接着は、接着剤を用いて行うことができる。接着剤は、公知のものを用いることができる。また、本発明の防水シート10の被防水物への接着は、第二改質アスファルト層4の材料として、コンパウンドAを用いている場合、加熱融着法又はテープ接着法によって行うことができ、第二改質アスファルト層4の材料として、自己粘着性を有するコンパウンドBを用いている場合、第二改質アスファルト層4自体の自己粘着性によって接着することができる。
加熱融着法とは、防水シート10の接着面をバーナー等で加熱することによって、防水シート10を構成する改質アスファルトを溶融させ、固化することにより、熱融着する接着方法である。
テープ接着法とは、両面に接着性のあるアスファルトテープを、防水シート10と被施工面との間に挿入し、接着を行う方法である。テープ接着法は、加熱融着法とほぼ同等の接着強度を得ることができる。建築物屋上等の被防水物において、火気の使用が制限されている場合には、テープ接着法を用いることが好ましい。
また、防水シート10の裏面層5が剥離性シートであり、かつ、第二改質アスファルト層4がコンパウンドBのように自己粘着性を有する場合には、裏面層5(剥離性シート)を取り外した第二改質アスファルト層4を、被防水物に圧着することにより接着することができる。
次に、施工した防水シート10の端部が、隣り合う他の防水シートの端部と重なり合うように、複数の防水シート10を被防水物に接着する。防水を確実にするために、重ね合わせる端部の幅は、100mm以上であることが好ましい。
次に、被防水物に接着した防水シート10の表面の端部と、隣り合う防水シート10の裏面の端部とを接着する。この接着には、接着剤により接着する方法、加熱融着法及び/又はテープ接着法等を用いることができる。加熱融着法を用いる場合には、防水シート10の接着面の一方又は両方をバーナー等で加熱することによって溶融させ、固化することにより接着することができる。なお、防水シート10同士の接着を確実にする点から、防水シート10の表面の端部からは、遮熱性鉱物質粒子を取り除くことが好ましい。
また、防水シート10が接着部6を有する場合には、接着部6の剥離部材を剥がし、防水シート10の端部の第二改質アスファルト層4と、他の防水シート10の接着部6とが重なるようにして接着することができる。この場合には、防水シート10の表面の端部からは、遮熱性鉱物質粒子を取り除く必要はないので、施工作業が用意となるため好ましい。
また、防水シート10の裏面層5が剥離性シートであり、かつ、第二改質アスファルト層4がコンパウンドBのように自己粘着性を有する場合には、裏面層5(剥離性シート)を取り外した第二改質アスファルト層4の端部を、防水シート10の表面の端部に圧着することにより接着することができる。
上述のような施工方法により得られた防水シート10を敷設した防水構造体は、優れた遮熱性及び防水性を有する。そのため、本発明の防水シート10は、建築物の屋上に敷設して使用することが、特に好適である。
本発明の防水性を有しかつ遮熱性に優れた防水シートを用いることによって、建築物の屋上やベランダ等の防水性を確保しつつ、温度上昇を抑制することができる。また、遮熱性鉱物質粒子により、防水シートの第一改質アスファルト層等への太陽光の直接照射を妨ぐことができるので、防水シート自体の劣化を防止することができる。さらに本発明の防水シートの遮熱性により、防水シートの下側に位置する建築物や構造物の温度上昇を抑制して、水漏れによる建築物や構造物の劣化を防止できるとともに、建築物や構造物の内部の空調稼働率を低下して、エネルギー消費量を低減し、地球温暖化の抑制に貢献することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
以下の材料を使用して、下記の手順にしたがって、防水シートを製造した。
不織布を、160℃に加熱溶融混合したブローンアスファルト中を通過させて、ブローンアスファルト含浸不織布を作製した。
(使用材料)
・不織布 : ポリエステル製不織布、目付=150g/m、東洋紡績社製、4141P。
・ブローンアスファルト : 25℃針入度=10〜20dmm、シェル石油社製。
次に、ブローンアスファルト含浸不織布、溶融させたコンパウンドB及び離型紙が、この順になるようにして張り合わせロールに供給して、ブローンアスファルト含浸不織布、コンパウンドB及び離型紙からなるシートを作製した。
(使用材料)
・コンパウンドB : 配合条件を表2に示す。
・離型紙 : ・クレープタイプ離型紙、SL72MR、原紙=72g、ポリエチレンラミ加工品(ポリエチ・ラミ厚=30μm)。
ブローンアスファルト含浸不織布、コンパウンドB及び離型紙からなるシートを用い、離型紙を設けていないブローンアスファルトが含浸した不織布の表面に、溶融させたコンパウンドAをナイフコーターによって一定の厚さに塗布し第一改質アスファルト層を形成した。さらに溶融状態のコンパウンドAの表面に、遮熱性鉱物質粒子を散布して1200g/mの範囲で付着させ、ニップロールで加圧定着させて、遮熱性鉱物質粒子からなる表面層を形成し、本発明の防水シートを得た。
(使用材料)
・コンパウンドA : 配合条件を表1に示す。
・遮熱性鉱物質粒子 : ルチル型酸化チタンを被覆した天然スレート砂(板状砂粒)、図3に遮熱性鉱物質粒子の粒度構成(最大粒子径の個数割合の分布)を示す。
Figure 2010106552
Figure 2010106552
上記のようにして製作した防水シートの遮熱性能試験を下記の方法で行った。
(試験体作製及び試験方法)
図4に模式的に示す試験装置を用いて行った。すなわち、遮熱性鉱物質粒子からなる表面層が表面になるように、防水シートをスレート板(120×200×3mm)に貼り合わせた。次に、ランプ40からの光を防水シート10の表面層1に30分間照射し、防水シート10の表面(光の照射側とは反対側の防水シートがスレート板と接する部分)の温度変化を温度測定器42によって測定した。
光源(ランプ40)から試験体(防水シート10)の距離:30cm
ランプ:アイランプ 形式PRF500WD 色温度5900K
温度測定器:THERMOMETER IT−530N HORIBA製
図5に、上記の測定により得られた防水シート10の表面の温度変化を示す。なお、比較のため、遮熱性成分によって被覆処理されていない鉱物質粒子を表面層に有する以外は同じ構成である防水シート(ブランク)を用いて、同様な測定を行った。図5から、本発明の防水シートの場合、ランプ40からの光を防水シート10の表面層1に30分間照射した時点で、防水シート表面の温度を7℃低下できていた。このことから、本発明の防水シートは、優れた遮熱性を示すことが明らかである。
本発明の防水シートの一例の模式的断面図である。 本発明の防水シートの、異なった一例の模式的断面図である。 本発明の防水シートに用いた遮熱性鉱物質粒子の粒度構成を示す図である。 本発明の防水シートの遮熱性能の試験方法を示す模式図である。 本発明の防水シートの遮熱性能の試験結果を示す図である。
符号の説明
1:表面層
2:第一改質アスファルト層
3:基材層
4:第二改質アスファルト層
5:裏面層
6:接着部
10:防水シート
40:ランプ
41:スレート板
42:温度測定器
43:測定台

Claims (10)

  1. 遮熱性鉱物質粒子からなる表面層を有する防水シート。
  2. 遮熱性鉱物質粒子からなる表面層と、
    改質アスファルトコンパウンドからなる第一改質アスファルト層と、
    補強材を含む基材層と、
    改質アスファルトコンパウンドからなる第二改質アスファルト層と、
    剥離性シート、合成樹脂又は無機質粒子を含有する合成樹脂からなる裏面層と
    の少なくとも5層をこの順で積層した防水シート。
  3. 遮熱性鉱物質粒子が、扁平な粒子形状を有する芯粒子の表面に、遮熱性成分よりなる遮熱性被覆層を有する、請求項1又は2記載の防水シート。
  4. 遮熱性被覆層の厚さが1〜50μmの範囲である、請求項1〜3のいずれか1項記載の防水シート。
  5. 遮熱性成分が、酸化チタンである、請求項3又は4記載の防水シート。
  6. 遮熱性成分が、ルチル型酸化チタンである、請求項3又は4記載の防水シート。
  7. 遮熱性鉱物質粒子の粒子径が、0.1〜10mmの範囲である、請求項1〜6のいずれか1項記載の防水シート。
  8. 遮熱性鉱物質粒子が、表面層1mに対して50〜2000g/mである、請求項1〜7のいずれか1項記載の防水シート。
  9. 防水シートが、建築物の屋上に敷設して使用される、請求項1〜8のいずれか1項記載の防水シート。
  10. 請求項1〜9に記載の防水シートを敷設した防水構造体。
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