JP6600978B2 - 遮熱シート - Google Patents

遮熱シート Download PDF

Info

Publication number
JP6600978B2
JP6600978B2 JP2015091574A JP2015091574A JP6600978B2 JP 6600978 B2 JP6600978 B2 JP 6600978B2 JP 2015091574 A JP2015091574 A JP 2015091574A JP 2015091574 A JP2015091574 A JP 2015091574A JP 6600978 B2 JP6600978 B2 JP 6600978B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
metal layer
base material
infrared reflective
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015091574A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016205086A (ja
Inventor
光男 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2015091574A priority Critical patent/JP6600978B2/ja
Publication of JP2016205086A publication Critical patent/JP2016205086A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6600978B2 publication Critical patent/JP6600978B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、遮熱シートに関し、さらに詳しくは、赤外線遮蔽層を備える遮熱シートにて、遮熱性を良好とし、かつパターンによるデザインを付与する遮熱シートに関する。
近年の住宅等の建物は、省エネルギーの観点から、気密性及び断熱性を高める工法を採用するものが増えてきている。特に気密性が高まることにより、建物内から発生した水蒸気が建物外へ放出されにくくなり、その結果、建物の壁体で結露等が発生し、カビや腐食の原因となっている。
こうした問題に対し、建物の壁体内に透湿性、防水性及び赤外線反射率を付与した遮熱シートが使用されているが、赤外線反射層面に印刷等によって文字、図形、模様等の意匠が付与されると、その部分で赤外線反射率が低下することがある。
例えば、特許文献1には、アルミニウム合金の表面に陽極酸化皮膜を形成し、その上に太陽遮熱塗料を塗布し、さらにその上に、低汚染クリアー塗装を塗布することが提案されている。この技術によれば、室内へ侵入する熱量を大幅に低減し、建物の温度上昇を抑えることができ、これにより冷房負荷を大幅に低減して省エネルギーに貢献でき、カラーバリエーションも豊富な遮熱アルミニウムカーテンウォールを提供できるとしている。
また、特許文献2には、透湿防水性フィルムの一方の面に金属蒸着層、保護層を順に積層し、そのフィルムの他方の面に布帛を積層してなるハウスラップ材が提案されている。この技術によれば、保護層側の赤外線反射率が波長10μmで30%以上であるように構成されており、良好な遮熱性を示すとされている。
特開2003−166305号公報 特開2013−76210号公報
特許文献1の遮熱シートでは、アルミニウム合金を陽極酸化しているが、陽極酸化面が一部露出した場合、反射率が急激に低下するといった課題がある。また、特許文献2のハウスラップ材では、その表面に社名等の意匠を付与した場合、意匠部分で反射率が低下するといった課題や、背面に布帛を配置しているので表面凹凸が大きくなり、意匠付与が難しいといった課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、意匠を付与した場合に、その意匠を形成した面での反射率の顕著な低下を抑制できる遮熱シートを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る遮熱シートは、基材と、前記基材上に設けられた、近赤外線を遮蔽する金属層と、前記金属層よりも表面側にパターン状に設けられた、近赤外線反射性粒子を含む層とを有することを特徴とする。
本発明に係る遮熱シートにおいて、前記金属層が、アルミニウム又はその合金からなる層であるように構成できる。
本発明に係る遮熱シートにおいて、前記近赤外線反射性粒子を含む層が、近赤外線反射性粒子を含む塗料で形成されてなるように構成できる。
本発明に係る遮熱シートにおいて、前記基材が、延伸した多孔質シート又は不織布であることが好ましい。
本発明に係る遮熱シートにおいて、さらに、表面保護層を有するように構成してもよい。
本発明に係る遮熱シートにおいて、さらに、断熱層を有するように構成してもよい。
本発明によれば、金属層よりも表面側に、近赤外線反射性粒子を含む層がパターン状に設けられているので、意匠をパターン状に形成した場合であっても、その形成面での反射率の顕著な低下を抑制でき、遮熱性を良好なものとすることができる。
本発明に係る遮熱シートの一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る遮熱シートの他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る遮熱シートのさらに他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る遮熱シートの設置例を示す模式図である。
以下、本発明に係る遮熱シートについて説明する。本発明は、その技術的特徴を包含する限り、図面の形態及び以下の記載内容に限定されるものではない。
本発明に係る遮熱シート10は、図1〜図3に示すように、基材1と、その基材1上に設けられた、近赤外線を遮蔽する金属層2と、その金属層2よりも表面側にパターン状に設けられた、近赤外線反射性粒子を含む層3とを有することを特徴とする。この遮熱シート10は、金属層2よりも表面側に、近赤外線反射性粒子を含む層3がパターン状に設けられているので、意匠をパターン状に形成した場合であっても、その形成面での反射率の顕著な低下を抑制でき、遮熱性を良好なものとすることができるという効果を奏している。
こうした本発明に係る遮熱シート10は、文字、図形、模様等の意匠を反射率の顕著な低下なく有するものとすることができる。この遮熱シート10は、断熱層(発泡体や不織布等の多孔質体)と組み合わせて用いることが好ましく、特に、建築シートや窓シートとして、又はそれと組み合わせて用いることが好ましい。さらに、この遮熱シート10は、透水性と防水性を有することが好ましい。
以下、遮熱シートの構成要素について詳しく説明する。なお、図1に示す遮熱シート10Aは、基材1、金属層2、近赤外線反射粒子含有層3がその順で配置されたものであり、図2に示す遮熱シート10Bは、基材1、金属層2、表面保護層4、近赤外線反射粒子含有層3がその順で配置されたものであり、図3に示す遮熱シート10Cは、断熱層5、基材1、金属層2、表面保護層4、近赤外線反射粒子含有層3がその順で配置されたものである。図4は、遮熱シート10の施工例である。
(基材)
基材1は、遮熱シート10を構成し、その上に、金属層2、近赤外線反射粒子含有層3がその順で設けられる。この基材1は、基材としての役割を少なくとも有するが、さらに、遮熱シート10に透湿性と防水性を持たせるために、少なくとも湿気を通すことができる程度の透湿性を有していることが好ましく、さらには、水を通さない防水性を有することが好ましい。基材1に少なくとも透湿性を持たせるためには、この基材1が多孔性を有することが好ましい。
基材1は、多孔質シート又は不織布であることが好ましい。こうした基材1の構成材料としては、樹脂材料であることが好ましく、樹脂材料と無機材料とを少なくとも含んでいるものがより好ましい。樹脂材料は、延伸処理によって基材1が大きく伸びるように作用し、無機材料は、延伸処理によって大きく伸びた後の基材1の中に空隙を生じさせるように作用し、結果として基材1を多孔質にするように働く。また、基材1に表面凹凸を付与するように作用してもよい。
樹脂材料は、硬化性樹脂を硬化した硬化樹脂であり、熱硬化性樹脂を硬化した熱硬化樹脂でも、電離放射線硬化性樹脂を硬化した電離放射線硬化樹脂でもよいが、熱硬化性樹脂を好ましく挙げることができる。樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂等を挙げることができる。なかでも、ポリオレフィン系樹脂を好ましく挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。基材1は、これらの1種又は2種以上で構成されている。
なかでも、ポリエチレンが好ましく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を好ましく用いることができる。これらの各種ポリエチレンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。特に、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを混合して用いることが好ましい。これらのポリエチレンは、伸びが良く、例えば100%以上の伸びを示すので、遮熱シート10の構成要素として好ましい。
無機材料としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素等を挙げることができる。なかでも、炭酸カルシウムが好ましい。無機材料の大きさは、例えば、平均粒径で0.1μm以上10μm以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内の平均粒径を持つ無機材料は、延伸処理された後の基材1に空隙を生じさせたり表面凹凸を生じさせたりすることができる。このような無機材料を用いることにより、基材1に対し、湿気が通過可能な空隙を設けることができる。また、基材1を延伸させることにより、伸びない無機材料と伸びる樹脂材料との間の伸びの差によって、両者の界面に微細な亀裂を生じさ、その結果、空隙を生じさせることができる。こうした無機材料を基材1に含ませた後に延伸することにより、延伸処理後の基材1は多孔質となり、透湿性と防水性とを付与することができる。
基材1中の樹脂材料と無機材料との含有割合は、質量%で、「樹脂材料/無機材料」=9/1〜5/5の範囲内であることが好ましい。この範囲内で、延伸処理された後の基材1に、透湿性と防水性とを付与することができる。
この基材1は、延伸処理前の基材を100%以上、通常200%以上伸ばして行うことができる。
基材1の多孔度は、光学顕微鏡で評価でき、その値は、10%以上60%以下の範囲内として表すことができる。
多孔度に関し、基材1を単独で評価しない場合は、透湿抵抗(単位:m・S・Pa/μg)として評価することが好ましい。透湿抵抗は、基材1の透湿性に直接影響されるものであり、透湿抵抗の大小は、基材1の透湿性の大小と同義として評価してもよい。透湿抵抗の測定は、JIS A 6111に記載のJIS L 1099におけるA−1法によって行うことができる。好ましい透湿抵抗の範囲としては、0.01〜0.19m・S・Pa/μgの範囲を挙げることができる。この範囲内の透湿抵抗を有する基材1は、湿気は通すが水は通さない性質を有しており、透湿性が良好で防水性も良好である。透湿抵抗が0.01m・S・Pa/μg未満では、水も通りやすくなり、防水性が低下する。透湿抵抗が0.19m・S・Pa/μgを超えると、湿気を通しにくくなり、透湿性が低下する。
なお、基材1は延伸処理されているので、その延伸処理によって基材1には微細な空隙や亀裂が生じ、多孔性を有するものとなる。その結果、基材1は、透湿性を担保することができる。
こうした多孔質の基材1には後述の金属層2が設けられるが、その場合において、基材1に含まれる無機材料によって基材表面が凹凸になっていることから、金属層2を蒸着等の物理的成膜手段で基材1上に設ければ、その凹凸表面によって、その凹凸形状等に追従した非連続形態で成膜されることになり、その連続していない部分が多孔性を示すものとなる。この多孔性により、金属層2も湿気を通過させることができる。金属層2を基材1上に設けた場合と設けない場合とで、上記した透湿抵抗に大差がなかったことが確認できていることから、この金属層2が設けられた後の基材1の多孔度は、前記同様、10%以上60%以下の範囲内になっているものと推察できる。
また、金属層2は、多孔性を有するが反射層としては機能することから、例えば780nm以上2500nm以下の範囲内の近赤外線や、2μm以上20μm以下の範囲内の赤外線を70%以上反射することができる。
(金属層)
金属層2は、図1〜図3に示すように、多孔質の基材1上に設けられる。この金属層2は、近赤外線を反射することができる層であるとともに、好ましくは、その近赤外線反射能を有するとともに透湿性を妨げず防水性も妨げない層であることが好ましい。したがって、この金属層2は、近赤外線を反射でき、さらに、少なくとも湿分をある程度透過できることが好ましい。なお、金属層2が多孔性を有し、透湿性を有することは上記したとおりである。
金属層2は、アルミニウム又はその合金、又は、金、銀、白金等からなる層を挙げることができる。金属層2の厚さは、30nm以上100nm以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内の厚さの金属層2により、780nm以上2μm以下の範囲内の近赤外線を効果的に反射することができる。なお、厚さは、走査型電子顕微鏡観察によって測定することができる。
金属層2は、基材1の表面(一面又は両面)に成膜される。成膜は、各種の成膜手段で成膜でき、例えば、蒸着、スパッタリング等で行うことができる。
(近赤外線反射粒子含有層)
近赤外線反射粒子を含む層(近赤外線反射粒子含有層という)3は、図1〜図3に示すように、金属層2上に意匠を形成する目的で設けられるとともに、近赤外を反射することができる層である。近赤外線反射粒子含有層3で形成する意匠は、文字、図形、模様等からなるものを例示できる。さらに好ましくは、近赤外線反射能を有するとともに、透湿性を妨げず、防水性も妨げない層であることが好ましい。したがって、近赤外線反射粒子含有層3は、近赤外線を反射でき、さらに、少なくとも湿分をある程度透過できることが好ましい。なお、近赤外線反射粒子含有層3は、図2及び図3に示すように、金属層2上に表面保護層4が設けられている場合には、その表面保護層4上に設けられる。
近赤外線反射粒子含有層3は、近赤外線を反射する近赤外線反射粒子を有するので、その近赤外線反射粒子が近赤外線を反射する。近赤外線反射粒子としては、酸化チタン、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモン、黄鉛、カドミウム、群青、コバルトブルー等からなる無機粒子又はアゾメチンアゾやペリレンブラック等の有機粒子を挙げることができる。近赤外線反射粒子の粒径は、平均粒径で0.1μm以上5μm以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内の平均粒径を持つ近赤外線反射粒子により、780nm以上2μm以下の範囲内の近赤外線を効果的に反射することができる。なお、平均粒径は、粒度分布測定装置によって測定した値で評価できる。
近赤外線反射粒子は、樹脂材料からなる層(樹脂層という)中に設けられる。近赤外線反射粒子は、樹脂層の表面(一面又は両面)に担持されたり、樹脂層内に混合されたりする。
近赤外線反射粒子含有層3を構成する樹脂層は、近赤外線反射粒子を含有する基材としての役割を少なくとも有していればよい。さらに、遮熱シート10に透湿性と防水性を持たせるために、少なくとも湿気を通すことができる程度の透湿性を有していることが好ましく、さらには、水を通さない防水性を有することが好ましい。近赤外線反射粒子含有層3に少なくとも透湿性を持たせるためには、樹脂層が多孔性を有することが好ましい。
樹脂層は、上記した「基材1」と同様な樹脂材料で構成されていることが好ましい。そうした樹脂材料としては、延伸処理によって樹脂層が大きく伸びるように作用し、結果として近赤外線反射粒子含有層3を多孔質にするように働く。
樹脂材料は、硬化性樹脂を硬化した硬化樹脂であり、熱硬化性樹脂を硬化した熱硬化樹脂でも、電離放射線硬化性樹脂を硬化した電離放射線硬化樹脂でもよいが、熱硬化性樹脂を好ましく挙げることができる。なかでも、熱硬化したオレフィン系樹脂を好ましく挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。近赤外線反射粒子含有層3は、これらの1種又は2種以上の樹脂材料で構成されている。
なかでも、ポリエチレンが好ましく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を好ましく用いることができる。これらの各種ポリエチレンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。特に、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを混合して用いることが好ましい。これらのポリエチレンは、伸びが良く、例えば100%以上の伸びを示すので、遮熱シート10の構成要素として好ましい。
樹脂層は、近赤外線反射粒子をその表面又は内部に設ける前、又は設けた後に、延伸処理することができる。その延伸処理は、100%以上、通常200%以上伸ばして行うことができる。
近赤外線反射粒子含有層3中の近赤外線反射粒子と樹脂材料との含有割合は、質量%で、「近赤外線反射粒子/樹脂材料」=3/7〜6/4の範囲内であることが好ましい。この範囲内で、延伸処理された後の近赤外線反射粒子含有層3に、透湿性と防水性とを付与することができる。
近赤外線反射粒子含有層3の多孔度は、光学顕微鏡で評価でき、その値は、10%以上60%以下の範囲内として表すことができる。
なお、近赤外線反射粒子含有層3は延伸処理されるので、その延伸処理によって近赤外線反射粒子含有層3には微細な空隙や亀裂が生じ、多孔性を有するものとなる。その結果、近赤外線反射粒子含有層3は、透湿性を担保することができる。
こうした近赤外線反射性粒子含有層3は、近赤外線反射性粒子を含む塗料で形成されてなる。塗料としては、トルエン・キシレンフリーの溶剤系遮熱塗料を用いることが好ましく、印刷性を向上することができる。
(表面保護層)
金属層2の上には、表面保護層4を設けることができる。この表面保護層4は、遮熱シート10に任意に設けられる層であり、特に金属層2上に設けられて金属層2の酸化を防止して、金属層2による遮熱性を維持することができるように働くものである。表面保護層4は、アクリルウレタン系の樹脂材料で形成されていることが好ましく、本発明に係る遮熱シート10の効果を阻害しないように、透湿抵抗が、0.19m・S・Pa/μg以下で、防水性が、8kPa以上になる範囲内で多孔性態様で設けられることが好ましい。
この表面保護層4は、樹脂材料で形成されているので、金属層2上にそのまま設けられて、金属層2の酸化を防止する。保護層用の樹脂材料としては、アクリルウレタン系の樹脂材料等を挙げることができる。
表面保護層4の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内に表面保護層4を設けることにより、金属層2による2μm以上20μm以下の波長の赤外線の反射率を70%以上とすることができる。
(断熱層)
遮熱シート10には、図3に示すように、断熱層5を設けてもよい。断熱層5は、基材1の、金属層2が設けられた側の反対面に設けることができる。
断熱層5としては、樹脂発泡体が好ましい。樹脂発泡体は、発泡状態になっていることから多孔質であるので、断熱性と透湿性を有している。樹脂発泡体は、樹脂組成物と発泡剤とを少なくとも含む発泡体形成用材料層を設け、その樹脂発泡体形成用材料層を発泡処理して形成される。この樹脂発泡体形成用材料層を構成する樹脂組成物は、高発泡の断熱層のバルク部分を構成するための組成物であり、発泡剤は、気泡を形成するための剤である。樹脂組成物としては、硬化性樹脂と架橋剤とを含む硬化性樹脂組成物であることが好ましい。硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂でも電離放射線硬化性樹脂でもよいが、熱硬化性樹脂を好ましく挙げることができる。断熱層5としては、軟質ウレタン発泡体、硬質ウレタン発泡体、ビーズ法ポリスチレン発泡体、フェノール発泡体等を挙げることができる。なかでも、硬質ウレタン発泡体が、接着性や強度の面で好ましい。
その他の添加剤としては、例えば、発泡助剤、無機充填剤、顔料、酸化防止剤、難燃剤、熱安定剤等を挙げることができ、本発明の効果を阻害しない範囲で樹脂組成物に必要に応じて配合することができる。これらの添加剤については、一般的な緩衝材や断熱層等に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
樹脂発泡体形成用材料層から樹脂発泡体に発泡させるための手段は、各種の方法を適用できる。例えば、連続ラミネート法を適用することができる。発泡処理後の樹脂発泡体に含まれている気泡は、空隙率が80%以上98%以下の範囲内である。こうした樹脂発泡体は、遮熱シート10に断熱性と透湿性を付与することができる。なお、遮熱シート10の総厚は、50μm以上200μm以下の範囲内であることが好ましい。
(遮熱シートの敷設)
以上説明した遮熱シート10は、図4に示すように、建築シート又は窓シートとして用い、前記蓄熱層の側を断熱材又は窓の外面に配置するように構成できる。
本発明に係る遮熱シート10は、赤外線を遮蔽する金属層2を用いているので、伝導熱は遮蔽できないが、その金属層2よりも表面側に、パターン状の意匠形成層(近赤外線反射粒子含有層3)を近赤外線反射性粒子(例えば酸化チタン粒子等)を含む塗料で形成している。その結果、意匠をパターン状に形成した場合であっても、近赤外線反射性粒子が反射性を有するので、その意匠形成面での反射率の顕著な低下を抑制でき、遮熱性を良好なものとすることができる。一方、パターン状の近赤外線反射粒子含有層3の構成粒子として、近赤外線を吸収するもの(例えばカーボンブラック等)を使用した場合には、意匠形成面で吸収された近赤外線が伝導熱となり、金属層2(近赤外線遮蔽層)を介して伝熱してしまい、遮熱シートとして機能しないが、本発明では、こうした問題は生じないという利点がある。
実施例と比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
透湿性と防水性を併せ持つ遮熱シートを以下の手順で作製した。先ず、高密度ポリエチレン(日本ポリケム株式会社製、商品名ノバテックHD、HJ580、融点134℃、密度0.960g/cm)と、低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製、商品名:ぺトロセン208)と、平均粒径2μmの炭酸カルシウム粉末とを、樹脂:炭酸カルシウム=1:1で混合し、押出し機により、厚さ0.1mmの無延伸シートを製造した。次に、この無延伸シートを縦方向に4倍延伸して、1軸延伸の85μmの多孔質基材を製造した。
この多孔質基材の一方の面に、40nm±4nmの厚さのアルミニウムからなる金属層をEB蒸着法により成膜した。この金属層2は、多孔質基材1の表面凹凸形状等に追従した非連続形態で成膜されることになり、その連続していない部分が多孔性を示すものとなっている。さらに、その金属層上に、ウレタンからなる表面保護層をグラビア印刷機で全面印刷し、乾燥厚が0.5μmとなるように表面保護層を積層した。
次いで、グラビア印刷にて遮熱塗料(日本特殊塗料株式会社製のパラサーモシリコン、近赤外線反射粒子として酸化チタンを20質量%含有する。)を用い、布目模様を印刷して意匠層(近赤外線反射粒子含有層)を形成し、意匠を付与した遮熱シートを作製した。このときの布目模様は、遮熱塗料印刷面とアルミニウム面とが交互に並んだ縞模様であり、各線幅は5mmで面積比は1:1とした。なお、この遮熱シートは、透湿性と防水性を有する透湿防水シートである。また、意匠層の形成面では、意匠形成面/意匠非形成面の比は、1/1であった。
[実施例2]
実施例1において、金属層が設けられていない側の多孔質基材面に樹脂発泡体からなる断熱層をさらに設けた他は、実施例1と同様にした。
なお、この断熱層の作製は、連続ラミネート法の装置を用い、上面側に多孔質基材、多孔性金属層、近赤外線反射粒子含有層及び表面保護層を有するシート状の積層体を配置し、下面側にクラフト紙を配置してそれらを連続的に供給し、その2枚の面材間にA液とB液とを攪拌混合した発泡体形成用材料を吐出して発泡体形成用材料層とし、その発泡体形成用材料層を面材間で自然発泡させることで、断熱層を製造した。なお、この実施例において、A液は、ポリイソシアネートとして、NCO含有量が31.5%のクルードMDI(三井化学株式会社製、商品名:COSMONATE−200)を235質量部とし、B液は、ポリオールとして、EXCENOL385SO(旭硝子株式会社製)を100質量部とした。また、整泡剤として、SH−193(東レ・ダウコーニング株式会社製)を1質量部配合し、触媒として、カオーライザーNo.14(花王株式会社製)を0.5質量部配合し、難燃材として、TCPP(三井化学ファイン株式会社製)を15質量部配合し、発泡剤として、水を3質量部とメチレンクロライド(旭硝子株式会社製)を5質量部配合した。
[比較例1]
実施例1において、近赤外線反射粒子含有層を形成するための遮熱塗料の代わりに、カーボンブラックを含有する通常の塗料で意匠を付与した。それ以外は実施例1と同様とした。なお、ここで用いた塗料は、一般黒色塗料であり、エスケー化研株式会社製のクールテクトSI(1液マイルドウレタンに対しSKマイルドカラークロ(カーボンブラック)を5%添加したもの)を用いた。
[比較例2]
実施例1において、金属層を設けない他は、実施例1と同様とした。
[測定と結果]
実施例1及び比較例1,2で作製したシートにおいて、意匠が形成された意匠形性面と意匠が形成されていない意匠非形成面について、780nm〜2000nmの全反射率を測定した。なお、全反射率測定は、分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−3100PC)により行った。結果を表1に示した。また、実施例及び比較例において、基材1の透湿抵抗は0.06m・S・Pa/μgであった。
Figure 0006600978
実施例1と比較例1のシートの意匠非形成面では、アルミニウムからなる金属層に起因した高反射率を確認することができた。さらに、実施例1と比較例2のシートの意匠形成面では、近赤外線反射粒子含有層に起因した高反射率を確認することができた。
一方、カーボンブラックを含有する塗料を使用した比較例1のシートでは、その塗料中のカーボンブラックに起因した吸収により、反射率が低下しているのが確認された。また、比較例2のシートの意匠非形成面では、低密度ポリエチレンの白色に起因した高反射率を発現したが、低密度ポリエチレンがむき出しでは耐久性に劣り、2000nm以上の遠赤外領域での反射率が低下してしまった。
1 基材
2 金属層
3 近赤外線反射粒子含有層
4 表面保護層
5 断熱層
10(10A,10B,10C) 遮熱シート
11 住宅壁
12 外部
13 内部

Claims (6)

  1. 基材と、前記基材上に設けられた、近赤外線を遮蔽する金属層と、前記金属層よりも表面側にパターン状に設けられた、近赤外線反射性粒子を含む層とを有する遮熱シートであって、前記基材が透湿性と防水性を有するとともに、前記金属層が厚さ30〜100nmの非連続形態で成膜され、透湿性及び防水性を有したことを特徴とする遮熱シート。
  2. 前記金属層が、蒸着又はスパッタリングで形成されたアルミニウム又はその合金からなる層である、請求項1に記載の遮熱シート。
  3. 前記近赤外線反射性粒子を含む層が、近赤外線反射性粒子を含む塗料で形成されてなる、請求項1又は2に記載の遮熱シート。
  4. 前記基材が、延伸した多孔質シート又は不織布である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱シート。
  5. 表面保護層を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮熱シート。
  6. 断熱層を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮熱シート。
JP2015091574A 2015-04-28 2015-04-28 遮熱シート Active JP6600978B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015091574A JP6600978B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 遮熱シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015091574A JP6600978B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 遮熱シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016205086A JP2016205086A (ja) 2016-12-08
JP6600978B2 true JP6600978B2 (ja) 2019-11-06

Family

ID=57489047

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015091574A Active JP6600978B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 遮熱シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6600978B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102125306B1 (ko) * 2020-04-07 2020-06-22 이원정 알루미늄 박판을 이용한 재귀반사시트

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001107480A (ja) * 1999-10-08 2001-04-17 Nippon Kankyo Kenkyusho:Kk 遮熱シート
JP2003166305A (ja) * 2001-09-20 2003-06-13 Sankyo Alum Ind Co Ltd 遮熱アルミニウムカーテンウォール
JP3156279U (ja) * 2009-09-24 2009-12-24 株式会社金杉屋 遮熱通気スペーサーに用いる遮熱通気シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016205086A (ja) 2016-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101600252B1 (ko) 적층시트
US9920515B2 (en) Thermoplastic polyolefin membrane with enhanced thermal resistance
US20190184687A1 (en) Laminated structure
KR20110100664A (ko) 플루오로중합체성 다층 광학 필름 및 이를 제조하고 사용하는 방법
KR101852731B1 (ko) 고기능성 준불연 단열재 및 그 제조방법
JP5326496B2 (ja) 遮熱性防水シート
KR101245461B1 (ko) 진공단열재를 적용한 면상 발열체 및 이를 제조하는 방법
JP6600978B2 (ja) 遮熱シート
JP6724293B2 (ja) 遮熱シート
JP2020032545A (ja) 太陽電池モジュール用の保護シート
CN104010809A (zh) 防火膜及防火玻璃
JP2017121779A (ja) 遮熱透湿防水シート及びその製造方法
KR20110072794A (ko) 진공 단열재용 복합 필름 및 이를 적용한 진공 단열재
JP2017177375A (ja) 化粧シート及び化粧材
KR20130020196A (ko) 단열효과가 우수한 건축용 막재
JP6726454B2 (ja) 遮熱透湿防水シート及びその製造方法
CA2806240C (en) Thermoplastic polyolefin membrane with enhanced thermal resistance
WO2016031236A1 (ja) 遮熱屋根下葺材
JP2010030203A (ja) 遮熱性を有する膜材
KR102143248B1 (ko) 다공질 필름
JP5585835B2 (ja) 養生方法および養生材を有する構造体
KR20110072795A (ko) 진공 단열재용 복합 필름 및 이를 적용한 진공 단열재
TW201511310A (zh) 太陽能電池模組用背面保護片
EP2498301B1 (en) Multilayered composite sheet for transparent solar panels
KR20100003722A (ko) 난연 발포 시트 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181225

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190923

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6600978

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150