JP2020032545A - 太陽電池モジュール用の保護シート - Google Patents

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Abstract

【課題】長期使用に伴う図柄の耐候劣化を抑制することができる太陽電池モジュール用の保護シートを提供すること。【解決手段】耐候樹脂層11と、基材樹脂層13と、耐候樹脂層11とは反対側に配置されている図柄印刷層15と、が、積層されてなる層構成を含んでなり、耐候樹脂層11は、透明な樹脂層であり、耐候樹脂層11内、又は、耐候樹脂層11と基材樹脂層13との層間に形成されている接着剤層12内に、紫外線吸収剤が含有されていて、基材樹脂層13は、主としてJIS C2151による体積固有抵抗率が、1.0×1015Ω・m以上の絶縁性樹脂からなり、厚さが、50μm以上の透明な樹脂層であり、図柄印刷層15は、印刷用透明樹脂フィルム151の基材樹脂層13に対向する側の表面に、有色の図柄152が印刷されてなる樹脂層である、保護シート1とする。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュール用の保護シートに関する。詳しくは、太陽電池モジュールにおいて最外層に配置して用いる保護シートであって、視認可能な図柄が印刷されていることにより意匠性にも優れる保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、前面封止材、太陽電池素子、背面封止材、及び、保護シートが順に積層された構成であり、太陽光が上記の太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有する。
そして、太陽電池モジュールは、長期間にわたって屋外で使用される。そのため、太陽電池モジュールを構成する上記の各部材には長期間にわたって屋外における過酷な環境に耐え得る高度の耐候性が求められる。中でも保護シートには特に高い耐候性が要求される。
一方で、近年、太陽電池モジュールの設置場所が多様化している。従来、設置が想定されていた一般家屋の屋根上や、或いは、専用の発電施設内に限らず、人通りの多い繁華街等でも、路上や公園内のスペース、或いは、高層建造物の壁面等、一般大衆の生活圏における美観、景観へ、直接影響を及ぼす場所への設置が拡大しつつある。
このような設置場所の多様化の中で、上記のような美観、景観にかかる要求を満たすために、太陽電池モジュールの最外層に配置される保護シートには、本来の保護機能に加えて、高度な意匠性が求められるケースが増えている。このような意匠性にかかる要求に応えるために、外部から視認可能な図柄等が印刷された各種の保護シートが提案されている(特許文献1、2)。
特許文献1に記載の裏面保護シートにおいては、最表面に配置される耐候樹脂層中に図柄印刷層が形成されており、又、特許文献2に記載の裏面保護シートにおいては、最表面に形成されている赤外線透過層の表面に、色味の異なる顔料の併用によって、文字、図形、又は、模様等の図柄が形成されている。
しかしながら、太陽電池モジュールは、上述の通り、長期間にわたって屋外で使用されるものであるため、印刷された図柄等が、長期に亘る使用期間中に、風雨や紫外線等により退行劣化して、意匠性が低下してしまうことが、新たな問題として認識されるようになっている。
特開2014−154658号公報 特開2017−69468号公報
本発明は、意匠性に寄与する図柄が付与されている太陽電池モジュール用の保護シートにおいて、長期使用に伴う上記図柄の耐候劣化を抑制することができて、長期間に亘って高度の意匠性を維持することができる太陽電池モジュール用の保護シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、太陽電池用の保護シートにおいて必須の層である所定の絶縁性を有する基材樹脂層よりも更に内側、即ち、太陽電池モジュールと一体化時において、表目に露出する側の面からより遠い位置に、図柄印刷層を配置することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 太陽電池モジュール用の保護シートであって、最表面に配置されている耐候樹脂層と、前記耐候樹脂層の内側に配置されている基材樹脂層と、前記基材樹脂層に対して前記耐候樹脂層とは反対側に配置されている図柄印刷層と、が、積層されてなる層構成を含んでなり、前記耐候樹脂層は、透明な樹脂層であり、該耐候樹脂層内、又は、該耐候樹脂層と前記基材樹脂層との層間に形成されている接着剤層内に、紫外線吸収剤が含有されていて、前記基材樹脂層は、主としてJIS C2151による体積固有抵抗率が、1.0×1015Ω・m以上の絶縁性樹脂からなり、厚さが、50μm以上である透明な樹脂層であり、前記図柄印刷層は、印刷用透明樹脂フィルムの前記基材樹脂層に対向する側の表面に、有色の図柄が印刷されてなる樹脂層である、保護シート。
(1)の発明においては、主として意匠性向上のために印刷される図柄を有する太陽電池モジュール用の保護シートを、図柄の部分以外を透明な樹脂層で構成した多層フィルムとした上で、図柄印刷層が、太陽電池モジュールにおいて、耐候樹脂層及び基材樹脂層よりも内層側に配置される層構成とした。これによれば、保護シートにおいて、長期使用に伴う図柄の耐候劣化を抑制することができ、長期間に亘って高度の意匠性を維持することができる保護シート1を得ることができる。
(2) 前記基材樹脂層が、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムである、(1)に記載の保護シート。
(2)の発明においては、(1)の保護シート1における基材樹脂層を、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムとした。これによれば、保護シートにおいて、図柄が形成されている界面への水蒸気バリア性が更に向上し、特に水分の侵入に起因する図柄の耐候劣化を更に長い期間に亘って、高い確度で抑制することができる。
(3) 前記図柄印刷層を構成する印刷用透明樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムである、(1)又は(2)に記載の保護シート。
(3)の発明においては、(1)の保護シートにおける図柄印刷層を構成する印刷用透明樹脂フィルムをポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムとした。これによれば、(1)又は(2)の保護シートを、加工容易性も含めコストパフォーマンスに優れるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いることにより、本発明の経済性の面での有意性を更に増すことができる。
(4) 平面視上において、前記図柄が、存在しない部分において、波長400nm以上800nm以下における光線透過率が、90%以上であって、全表面における、波長400nm以上800nm以下における平均光線透過率が、40%以上70%以下である、(1)から(3)のいずれかに記載の保護シート。
(4)の発明によれば、(1)から(3)のいずれかに記載の保護シートの図柄の長期耐候性を活かして、又、図柄面を通した採光性と遮光性とを下記範囲において最適化することにより、恒久的な建造物の採光口部分等にも、これらの保護シートを用いて構成した太陽電池モジュールを好適に設置することができる。
(5) 前記耐候樹脂層とは反対側の最表面に、透明な易接着層が更に形成されている、(1)から(4)のいずれかに記載の保護シート。
(5)の発明によれば、(1)から(4)のいずれかに記載の保護シートを用いた太陽電池モジュールにおいて、保護シートと封止材との密着性がより強固になり、図柄の長期耐候性の前提となる、太陽電池モジュール自体の長期使用時における耐久性にかかる信頼性が更に向上する。
(6) 太陽電池素子と、該太陽電池素子を封止する封止材と、を含んでなり、(1)から(5)のいずれかに記載の保護シートが、最外層に配置されている太陽電池モジュール。
(6)の発明によれば、(1)から(5)のいずれかに記載の保護シートが、最外層に配置されている太陽電池モジュールにより、長期間に亘って高度の意匠性を維持することができる太陽電池モジュールを得ることができる。
本発明によれば、意匠性の向上等に寄与する各種の図柄が付与されている太陽電池モジュール用の保護シートにおいて、長期使用に伴う上記図柄の耐候劣化を抑制することができて、長期間に亘って高度の意匠性を維持することができる太陽電池モジュール用の保護シートを提供することができる。
本発明の太陽電池モジュール用の保護シートを用いた太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用の保護シートの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用の保護シートを図2のA方向から見た場合における図柄の見え方を模式的に示す保護シートの平面図である。
以下、本発明の太陽電池モジュール用の保護シートについて詳細に説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<太陽電池モジュールの基本構成>
先ず、本発明の保護シートを用いて構成される、本発明に係る太陽電池モジュールの基本構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態である太陽電池モジュール10について、その層構成の一例を示した断面模式図である。太陽電池モジュール10は、図1に示すように受光面側から、透明前面基板2、前面封止材3、太陽電池素子5、背面封止材4、保護シート1が、順次積層された構成である。
尚、本発明における保護シートの配置は、必ずしも非受光面側に限定されない。例えば、図柄印刷層の光線透過率を所望の透過率以上に設計し、ガラス製の透明前面基板に代えて、これを、受光面側に配置することも可能である。或いは、同様に、両面採光型の太陽電池モジュールにおいて、この保護シートを両表面に配置することも可能である。
<保護シート>
太陽電池モジュール用の保護シートである本発明の保護シート1は、図1に示す通り、太陽電池モジュール10の最外層に配置されることが想定されている。そして、この保護シート1は、図2に示す通り、耐候樹脂層11、基材樹脂層13、図柄印刷層15が、この順で積層されてなる構成を含む多層構成の樹脂フィルムである。
耐候樹脂層11と基材樹脂層13とは、耐候接着剤層112を介して接合されていることが好ましく、又、基材樹脂層13と図柄印刷層15とについても、同様に接着剤層14を介して接合されていることが好ましい。
図2に示す通り、保護シート1においては、太陽電池モジュール10としての一体化時に、当該モジュールの最表面に配置されることが想定される側の最外層に耐候樹脂層11が配置されている。一方、保護シート1における耐候樹脂層11とは反対側の最外層側においては、図柄印刷層15の外層側の表面上に、更に、易接着層16が形成されていることが好ましい。この易接着層16は、所謂、プライマー層であり、太陽電池モジュール10としての一体化時において、保護シート1の背面封止材4に対する密着性を向上させる機能を発揮する層である。
多層構成の保護シート1を構成する各樹脂層のうち、耐候樹脂層11、基材樹脂層13、易接着層16及び接着剤層12、14は、いずれも透明な樹脂層である。又、図柄印刷層15は、他の各樹脂層と同様に透明な樹脂基材である印刷用透明樹脂フィルム151の表面に、有色の図柄152が印刷されてなる樹脂層である。図柄152は、印刷用透明樹脂フィルム151の両面のうち、基材樹脂層13に対向する側の表面に印刷されている。
以上説明した層構成からなる保護シート1は、太陽電池モジュール10としての一体化時に、図1に示すA方向(非受光面側)から見た場合の平面視において、多層構成の樹脂フィルムを構成する透明な樹脂層を通して、同フィルムの内部の層に印刷されている図柄152が視認可能に構成されている。
上記構成からなる保護シート1は、平面視上において図柄152の形成されていない部分において、高い透明性を有する。具体的に、保護シート1は、平面視上において図柄152が存在しない部分における波長400nm以上800nm以下における光線透過率が、80%以上であり、好ましくは90%以上である。
又、上記層構成からなる保護シート1の、図柄152が存在する部分も含めた全表面における、波長400nm以上800nm以下における「平均光線透過率」は、図柄152を形成する有色インキの光線透過率や、保護シート1全表面積に対する図柄152による被覆率の調整により、設置場所毎の具体的な要求に応じた任意の光線透過率とすることができる。この平均光線透過率は使用態様に応じて、任意に最適化することができるが、例えば、全表面における「平均光線透過率」が40%以上70%以下である保護シートを本発明の極めて好ましい実施形態の一例として挙げることができる。
例えば、保護シートの全表面における「平均光線透過率」を40%以上とすることにより、例えば、建造物の壁面に採光窓の一部を構成する態様で設置する太陽電池モジュールにおいて、建造物内部への採光性を維持することができる。又、同平均光線透過率を70%以下とすることで、建物内部での図柄の良好な視認性維持を維持することができ、適度な遮光性によってプライバシー確保の要求にも応えることができる。
ここで、本明細書における「透明」とは「可視光域の光線を透過」可能であることを言い、詳しくは、波長400nm以上800nm以下における光線透過率が、90%以上であることを意味するものとする。本明細書において「透明な樹脂層」或いは「透明な樹脂基材」と言う場合には、そのような光線透過率を有する樹脂層や樹脂基材のことを示すものとする。又、本明細書における「光線透過率」とは、特段の断りがない場合、JIS−K−7105又はJIS−K−7136に準拠して測定された波長400nm以上800nm以下における光線透過率のことを言うものとする。
又、上述のように、測定対象とするフィルムの水平方向内で光線透過率が一様でない場合における「平均光線透過率」は、測定対象とするフィルム表面において、測定個所を無作為且つ統計学的に十分な数を抽出して測定した値の平均値として求めることができる。又、図柄152の存在する部分における光線透過率が測定箇所にかかわらず同一である場合であれば、図柄152の存在しない透明な部分の光線透過率と、各種の図柄152の存在する部分の各々の光線透過率をそれぞれ求め、各部分の光線透過率について、全表面に対する面積比に応じて加重平均した値を算出することによって近似的に求めることもできる。
[耐候樹脂層]
保護シート1の耐候樹脂層11を形成する樹脂としては、透明性と、優れた耐候性とを兼ね備えるフッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、或いは、ポリプロピレン樹脂を、好ましく用いることができる。これらの各樹脂の中でも、長期に亘る使用期間中に耐候性を維持するために、フッ素系樹脂を用いることが好ましい。このようなフッ素系樹脂の具体例として、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニル・エステル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等を例示することができる。又、上記のフッ素系樹脂の中でも、透明性や生産性が良好であることから、四フッ化エチレン・エチレン共重合体(ETFE)をベース樹脂とするフィルム(例えば、(「アフレックス25ND」旭硝子社製))を、耐候樹脂層11を構成する樹脂フィルムとして、特に好ましく用いることができる。
耐候樹脂層11は、上述した耐候性を有する各樹脂を製膜してなる樹脂フィルムにより、構成することができる。又、この他、耐候樹脂層11は、耐候性を有する上記各樹脂を、基材樹脂層13の表面にコーティングすることにより、耐候性を有するコーティング層として構成することもできる。
保護シート1は、意匠性に係る機能を担保するために、耐候樹脂層11を透明な樹脂層とする必要がある。このことにより、保護シート1においては、ポリエステル系樹脂等からなる基材樹脂層13を紫外線から保護するために、基材樹脂層の外層側に紫外線吸収機能を有する層の配置が必須となる。この要求を満たすために、耐候樹脂層11に紫外線吸収剤を含ませることができる。
但し、上記の紫外線吸収剤は、耐候樹脂層11と基材樹脂層13とを接合する接着剤層12にのみ含ませることがより好ましい。紫外線吸収剤を含有させる層をこのように接着剤層12に限定することにより、耐候性保持のために必要となる紫外線吸収剤の使用量の節約や、製造工の簡略化等のメリットを享受することができる。又、紫外線吸収剤を含有させる層をこのように接着剤層12に限定することによれば、例えば、耐候性にかかる製造条件が特段に厳しい場合においても、上記で例示した耐候層形成用のいずれの樹脂をも問題なく使用することができることにより、実質的に材料樹脂の選択幅が広がる。以上より、紫外線吸収剤を含有させる層を接着剤層12に限定することによれば、更に、保護シート1を、更に経済性に優れる太陽電池モジュール用の保護シートとすることができる。
耐候樹脂層11の厚さは、特に限定されないが、厚さ5μm以上200μm以下であることが好ましく、10μm以上100μm以下の範囲がより好ましく、20μm以上50μm以下の範囲が最も好ましい。耐候樹脂層11の厚さが5μm未満であると、耐候性が不足する畏れがあり、又、製膜も困難でありその結果として経済性の面でも不利となる。一方で、この厚さが、200μmを超えると、光線透過率が不足することとなる怖れがあり、加工適性や経済性の点でも好ましくない。
耐候樹脂層11中には、その他、例えば、シートの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を必要に応じて添加することができる。その他の添加剤としては、分散剤、消泡剤、光安定化剤、熱安定剤、酸化防止剤等が例示される。これらは、公知のものを特に制限なく使用することができ、耐候樹脂層11に求められる性能に応じて、適宜選択される。
[基材樹脂層]
基材樹脂層13を形成する樹脂は、透明性に加え、太陽電池モジュール用の保護シートに必須の要請である所定の絶縁性を有することが要求される。よって、基材樹脂層13は、このような絶縁性を担保することができる絶縁性樹脂を主たる材料として、所定以上の厚さで形成される。具体的に、基材樹脂層13は、主としてJIS C2151による体積固有抵抗率が、1.0×1015Ω・m以上の絶縁性樹脂により形成され、尚且つ、厚さ50μm以上の透明な樹脂層とされる。
基材樹脂層13を形成する樹脂として具体的には、上記の条件を満たすものである限りにおいて、従来、太陽電池モジュール用の保護シートにおいて基材樹脂層を構成するために用いられてきた各種の樹脂フィルムを適宜選択して用いることができる。透明で、尚且つ、体積固有抵抗率が、1.0×1015Ω・m以上である絶縁性樹脂の具体例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、或いは、四フッ化エチレン・エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂が挙げられる。これらの中でも、電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性及び成形性が良好であることから、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂フィルムが好ましい。これらのポリエステル系樹脂フィルムの中でも、耐加水分解透明PET(HR−PET)(例えば、「ルミラー」(東レ株式会社製))を特に好ましく用いることができる。
基材樹脂層13の厚さは、厚さ50μm以上300μm以下であることが好ましく、厚さ150μm以上であることがより好ましい。絶縁性保持の観点から、この厚さは、50μm以上であることが好ましく、一方、加工適性の観点から、この厚さは、300μm以下であることが好ましい。
基材樹脂層13は、耐候樹脂層11と同様、本発明の効果を害さない範囲内で、上記樹脂以外の成分を含有していてもよく、耐候樹脂層11と同様の添加剤、その他の樹脂等を添加することができる。
[図柄印刷層]
図柄印刷層15は、印刷用透明樹脂フィルム151の表面に、有色の図柄152が印刷されてなる樹脂層である。有色の図柄152は、印刷用透明樹脂フィルム151の両面のうち、保護シート1において基材樹脂層13に対向する側の表面に印刷される。
尚、本明細書における「図柄」とは、例えば図3に例示するような図柄152のような鑑賞者に美観を感じさせるような絵柄を好ましい具体例として挙げることができるが、これに限らず、その他、様々な視認可能な文字、図形、模様等、又は、それらが結合してなる視覚情報を含むものとする。
印刷用透明樹脂フィルム151としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系樹脂からなる透明樹脂フィルムを用いることができる。これらの中でも、電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性及び成形性が良好であること、及び、経済性の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを好ましく用いることができる。印刷用透明樹脂フィルム151の厚さは、特に限定されないが、加工適性や経済性の観点から、30μm以上150μm以下であることが好ましい。
印刷用透明樹脂フィルム151に図柄152を形成するための有色のインキとしては、従来公知の各種の印刷インキを用いることができる。又、耐光性、耐候性等に優れた退色の少ない顔料系のインキを用いることがより好ましい。
但し、保護シート1においては、特許文献1及び2に開示されている従来の保護シートとは異なり、図柄印刷層15が、太陽電池モジュール10としての一体化時において、耐候樹脂層11及び基材樹脂層13よりも、更に内側に配置されることとなる。これにより、図柄152を形成している上記の印刷インキは、上記2つのい樹脂層によって、高いバリア性によって外部環境から遮断される。又、これらの印刷インキは、耐候樹脂層11又は接着剤層12に含有されている紫外線吸収剤によって、紫外線による退行劣化からも十分に保護されている。よって、保護シート1においては、従来と比較して、特段に高度な耐候性を有するインキに限定されることなく、意匠性優先でより幅広く印刷用インキを選択することができる。その一例としては、一般的に紫外線により劣化しやすいアゾ系顔料も使用可能になる等の具体的なメリットがある。又、従来と同様の耐候性を有する顔料系の印刷インキを用いた場合においては、図柄の長期耐久性が著しく向上し、図柄152が発現する高度の意匠性を、より長期間に亘って維持することができる。
又、図柄印刷層15の形成、即ち、印刷用透明樹脂フィルム151への図柄152の印刷は、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、活版印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、昇華転写印刷、溶融転写印刷等その形成方法に従い、最適な印刷インキを選択して形成すればよい。又、必要に応じて図柄印刷層15を複数設けて多色の図柄印刷層としてもよい。
保護シート1は、図柄印刷層15を、図柄を表示する機能を発揮する印刷層とすることで、太陽電池モジュール10の設置場所に応じた図柄を形成し、生活環境との親和性に優れた太陽電池モジュール10とすることができる。これにより、従来、その外観の違和感から設置が制限されてきた場所においても太陽電池モジュールの設置が可能となり、太陽電池普及拡大の促進に貢献することができる。
又、このような設置態様において、太陽電池モジュール10の非受光面側から意匠性に優れる図柄152が視認可能であることにより、設置に際して、新たな目隠しや装飾のための構造体を、太陽電池モジュールの非受光面側に形成、設置する必要がなく、太陽電池発電装置としての重量を大幅に軽減することが可能である。これに伴い設置設部を簡便な構造とすることができるので、太陽電池発電装置の設置コストを大幅に低減することもできる。
又、例えば、広告パネルの広告面が北側に面している際には、本発明の太陽電池モジュール10の図柄印刷層15を広告の印刷とすることで広告パネルの大規模な補強工事を施すことなく太陽電池モジュール10の受光面を南側に向けて設置することにより、太陽電池発電装置を活用することができる。このような広告パネルは、電車の線路や道路脇の広告パネルの設置スペースを太陽電池発電装置の設置場所とすることを促進する。
更に、図柄印刷層15を、アルミニウム、銀や窒化チタン等を添加した所謂、金・銀図柄印刷層とすることで、反射機能を有する印刷層とすることができる。図柄印刷層15を、このような反射機能を有する印刷層とすることで、街灯の屋根部や、街灯の上部に太陽電池モジュールを設けた際に、街灯の光を下部に反射することにより有効に活用できると共に、街灯の放射熱を反射することにより遮断し、太陽電池モジュール10の熱劣化を防止することができる。
[接着剤層]
接着剤層12は、その接着性により、耐候樹脂層11と基材樹脂層13とを接合する機能を有する層であり、同様に、接着剤層14は、図柄印刷層15と、基材樹脂層13とを接合する層である。これらの各層にも、保護シート1を構成する他の層と同様の透明性が求められる。接着剤層12、14の厚さは、保護シート1に必要な透明性及び接着強度等に応じて適宜変更すればよく、1.0μm以上10μm以下の範囲を好ましい厚さの範囲として挙げることができる。
又、上述の通り、保護シート1においては、耐候樹脂層11と基材樹脂層13とを接合する接着剤層12には、透明性に加えて、基材樹脂層13を紫外線から保護するために、の紫外線遮断性を備えさせることが好ましい。そのために、接着剤層12には、所定量以上の紫外線吸収剤が含有されるようにすることが好ましい。具体的には、接着剤層12には、単位面積当り0.3g/m以上1.3g以下の紫外線吸収剤が含有されていることが好ましく、単位面積当り0.5g/m以上1.0g/m以下の紫外線吸収剤が含有されていることがより好ましい。単位面積当りの紫外線吸収剤の含有量が0.3g/m以上であることによって、必要な紫外線遮断率を担保することができる。一方、単位面積当りの紫外線吸収剤の含有量が1.3g/mを超えると、紫外線吸収剤のブリーディングに起因する斑状のむらが発生する等の不具合が起こりやすくなる。又、その範囲では、紫外線遮断性能の増加率も逓減して増量分のコストと見合わなくなることによる経済的損失のリスクが高まる。
接着剤層12、14を形成するための接着剤の主たる材量とする接着剤としては、上記の透明性に係る要求を満たしうるものであれば、ウレタン系接着剤やアクリル系接着剤他、従来公知の各種の透明な接着剤を適宜選択することができる。そして、特に接着剤層12については、上述の通り、適量の紫外線吸収剤を添加した接着剤組成物を、接着剤層12を形成するための接着剤といて好ましく用いることができる。
接着剤層12、14の主たる材量とする透明な接着剤として、例えば、ポリウレタンジオールと脂肪族ポリカーボネートジオールとの混合物を含む主剤と、硬化剤からなる2液タイプの接着剤を用いることができる。この場合、主剤を構成するポリウレタンジオール及び脂肪族ポリカーボネートジオールは、ともに水酸基を有するポリオールであってイソシアネート基を有する硬化剤と反応する接着剤を好ましく用いることができる。
上記脂肪族ポリカーボネートジオールは、市販のものを使用することもできる。耐久性、耐候性、耐熱性、耐加水分解性に優れた接着剤を得るため、例えば、数平均分子量1000の脂肪族ポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、商品名「デュラノールT5651」)、数平均分子量2000の脂肪族ポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、商品名「デュラノールT5662」)を好適に使用することができる。
(紫外線吸収剤)
接着剤層12、或いは、耐候樹脂層11に含有させる紫外線吸収剤としては、波長340nmから400nmの間に吸収極大を有する各種の紫外線吸収剤であれば、従来公知の有機系の各種紫外線吸収剤を適宜用いることができる。これにより、400nmを超える光線を有効に取り込めるので、太陽電池モジュール10の発電量を低下させることなく、基材樹脂層13の紫外線吸収による劣化(黄変)を抑制することができる。
但し、特に、接着剤層12に、紫外線吸収剤を含有させる構成の場合、これらの紫外線吸収剤は、分子量が600以下の紫外線吸収剤であることが好ましい。紫外線吸収剤をこのような低分子量のものに特定することにより、同剤の接着剤層12中での耐候樹脂層11側への表面への移動がより高い確度で促進されて、太陽電池モジュール10の裏面側より入射する紫外線から、基材樹脂層13をより確実に保護することができる。
以上の要求に応えうる紫外線吸収剤として、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤や、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等を挙げることができる。トリアジン系紫外線吸収剤としては、具体的に、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニュルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。市場で入手可能なトリアジン系紫外線吸収剤の好ましい具体例としては、「TINUVIN405(BASF社製)」(分子量583.76)が挙げられる。又、同様に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、「アデカスタブLA−29(アデカ社製)」(分子量323)等が挙げられる。尚、上記の紫外線吸収剤は、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
[易接着層]
易接着層16は、所謂、プライマー層であり、太陽電池モジュール10において、オレフィン系樹脂等からなる背面封止材4に対する保護シート1の接着性を向上させる機能を有する層である。図2に示す通り、保護シート1の基材樹脂層13における、耐候樹脂層11が積層されている面とは反対側となる他の表面に形成される。この易接着層16にも、保護シート1の透明性を維持するために、基材樹脂層13と同等の透明性が求められる。
易接着層16を形成するプライマー組成物は特に限定されない。例えば、オレフィン系樹脂を含有し水性媒体を主溶剤とするプライマー組成物、或いは、架橋性主剤樹脂と、架橋剤等を、含有し、有機系媒体を主溶剤とするプライマー組成物のいずれもが選択可能である。中でも、保護シート1においては、上記の水性媒体を主溶剤とするプライマー組成物を、易接着層16を形成するプライマー組成物として好ましく用いることができる。
易接着層16は、水性プライマーコーティング液等のコーティング液を、基材樹脂層13の一方の表面に塗布し、塗布されたコーティング液からなる被膜を固化させることにより形成することができる。易接着層16を形成するために用いるコーティング液に含まれる易接着層組成物は、オレフィン成分と不飽和カルボン酸成分とを含んでなる、酸変性ポリオレフィン樹脂をベース樹脂とするものであることが好ましい。好ましい易接着層組成物の一例として、以下の組成物を例示することができる。
(易接着層(プライマー)組成物)
:水59質量部、酸変性ポリオフィン樹脂18質量部、アクリル樹脂1質量部未満、IPA18質量部、トリエチルアミン1質量部未満、ワックス3質量部からなるプライマー組成物。
易接着層16の厚さは、保護シート1に必要な透明性及び接着強度等に応じて適宜変更すればよく、0.2μm以上3.0μm以下の範囲であることが好ましく、0.5μm以上1.5μm以下の厚さであることがより好ましい。易接着層16の厚さが0.2μm以上であれば、保護シート1に十分な接着性を付与することができる。易接着層16の厚さが3.0μm以下であれば、保護シート1に、良好な耐ブロッキング性を付与することができ、製造コストも抑えることがきる。水性プライマーコーティング液の塗布量は、乾燥後の塗布量として、易接着層16の厚さが上記範囲となるように適宜調整すればよい。水性分散体である水性プライマーコーティング液の固形分濃度は、調製時の仕込み組成により調節することができ、又、一旦調製した水性分散体を、希釈又は濃縮することによって調節してもよい。
尚、保護シート1において、太陽電池モジュール10の背面封止材4に対する密着性を向上させる機能を有する層として、上記の易接着層16に代えて、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂からなり、透明な樹脂層である封止材接着層を配置してもよい。このようなオレフィン系樹脂層を、保護シート1の基材樹脂層13における、耐候樹脂層11が積層されている面とは反対側となる他の表面に配置することによっても、保護シート1の背面封止材4に対する密着性を向上させることができる。
<保護シートの製造方法>
保護シート1の製造方法は、図2に示す通り、耐候樹脂層11、基材樹脂層13、図柄印刷層15、及び、必要に応じて易接着層16が、この順で積層されてなる構成を含み、これら各層間の密着性を、必要な初期強度及び耐久性において保持できることができる製造方法であれば、特定の製造方法に限定されるものではないが、ドライラミネート法を用いた製造方法を好適に用いて製造することができる。
保護シートの製造は、例えば、基材樹脂層13を構成する樹脂フィルムの各面に耐候樹脂層11を構成する樹脂フィルム、及び、図柄152が予め印刷されている図柄印刷層15を構成する樹脂フィルムを、それぞれ接着剤を用いたドライラミネート法により接合してなる積層体を先ず形成し、この積層体の図柄印刷層15の表面に易接着層16を形成する手順により好ましく行うことができる。尚、図柄印刷層15の製造については上述した通り、印刷用透明樹脂フィルム151への公知の印刷方法による印刷によることができるが、その他あらゆる方法で、印刷用透明樹脂フィルムの一部に所望の図柄等が予め形成されている樹脂フィルムを、図柄印刷層15を構成する樹脂フィルムとして用いることが可能である。
[基材樹脂層と、耐候樹脂層及び図柄印刷層との接合]
基材樹脂層13と、耐候樹脂層11及び図柄印刷層15を構成する各樹脂フィルムを、接着剤層12、14を介したドライラミネート法により接合し、基材樹脂層13の各面に耐候樹脂層11、図柄印刷層15が、それぞれ積層されて一体化されている積層体を得る。接着剤層12、14を介したドライラミネート法による接合は、上述の各接着剤を、基材樹脂層13を構成する樹脂フィルムの各表面に適切な膜厚さで塗布し、塗布された各接着剤の表面に、耐候樹脂層11又は図柄印刷層15を構成する各樹脂フィルムを積層することにより行うことができる。
[易接着層の形成]
上記工程によって得た積層体における耐候樹脂層11が表面に露出している側の面とは反対側の表面、即ち、図柄印刷層の表面に、上記の水性プライマーコーティング液等、公知のプライマーコーティング液から適宜選択したプライマーコーティング液を、塗布し、これを塗膜形成することによって易接着層16を形成する。塗膜形成方法としては、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、スクリーン印刷、はけ塗り法等が挙げられる。
<太陽電池モジュールの製造方法>
太陽電池モジュール10は、例えば、上記の透明前面基板2、前面封止材3、太陽電池素子5、背面封止材4、及び保護シート1からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、加熱圧着成形する真空熱ラミネート法によることができる。このような真空熱ラミネート法による場合、ラミネート温度は、130℃〜190℃の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5〜60分の範囲内が好ましく、特に8〜40分の範囲内が好ましい。このようにして、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュール10を製造することができる。
以下、実施例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<保護シートの製造>
実施例及び比較例の各保護シートを、下記の樹脂フィルム、及び、接着剤等を用いて製造した。
[実施例]
各実施例の保護シートについては、耐候樹脂層、基材樹脂層と、図柄印刷層を構成する樹脂フィルムを下記の通り先ず用意した。次に、用意した各樹脂フィルムをウレタン系の接着剤を用いて接合した積層体とし、これらを実施例及び比較例の各保護シートとした。図柄印刷層用の樹脂フィルムについては図柄を印刷した面を基材樹脂層側に向けて積層した。このような積層体内での図柄の配置態様を示す符号として、表1の「図柄配置」の欄に「内側」と記した(太陽電池モジュールにおける基材樹脂層よりも「内側」であることを示す趣旨である)。又、実施例において、耐候樹脂層を形成する耐候性樹脂フィルムと基材樹脂層を形成する絶縁性フィルムとを接合する接着剤については、上記のウレタン系の接着剤に、更に、下記の紫外線吸収剤を、接着剤層の単位面積当りの含有量が、0.75g/mとなるように添加した耐候性接着剤を用いた。接着剤の塗工量は、いずれの接着剤層においても3.5g/mとした。最後に、この積層体の図柄印刷層側の表面に、下記の通り易接着層を形成した。
[比較例1]
比較例1の保護シートについては、下記の図柄印刷層への図柄の印刷と同一の印刷方法により、基材樹脂層の耐候樹脂層側の表面に図柄の印刷を予め行い、この印刷面を耐候樹脂層側に向けて配置した。そして、実施例の保護シートにおいて図柄印刷層を配置した位置には、同層の構成に用いた下記の印刷用透明樹脂フィルムに図柄を印刷せずに配置した。そして、このように図柄を印刷する面の位置を変えたことの他は、実施例1と同一の構成とした。このような積層体内での図柄の配置態様を示す符号として、表1の「図柄配置」の欄に「外側」と記した(太陽電池モジュールにおける基材樹脂層よりも「外側」であることを示す趣旨である)。
[比較例2]
比較例2の保護シートについては、接着剤層以外の各樹脂層の積層順、及び図柄を印刷する面の位置は、比較例1と同一とし、但し、耐候樹脂層と基材樹脂層との接合面においては、上記の耐候性接着剤を用いずに、同接着剤を、基材樹脂層と図柄印刷層(図柄を印刷せずに配置した層)との接合面において用いた。このような積層体内での図柄の配置態様を示す符号として、表1の「図柄配置」の欄に「外側」と記した。
[耐候樹脂層]
実施例及び比較例の耐候樹脂層を、下記の耐候性樹脂フィルムで構成した。
(耐候性樹脂フィルム)
厚さ25μmのETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)フィルム(アフレックス25ND(旭硝子社製))。これを、表1において、「耐候」と記した。
[基材樹脂層]
(絶縁性樹脂フィルム)
実施例及び比較例の基材樹脂層を、下記の絶縁フィルムで構成した。
厚さ125μmの耐加水分解ポリエチレンテレフタレート(HR−PET)フィルム(AP(帝人デュポンフィルム社製))を用いた。これを、表1において、「絶縁」と記した。
[図柄印刷層]
(印刷用透明樹脂フィルム)
実施例においては、50μmの透明PETフィルムを、印刷用透明樹脂フィルムとし、その一方の面に、顔料系の印刷インキを用いて、図3に示す図柄を、グラビア印刷により印刷することにより図柄印刷層を構成するフィルムを作成した。これを、表1において、「図柄」と記した。
[易接着層]
易接着層は、酸変性ポリオレフィンをベース樹脂とする水性プライマーコーティング液をグラビアコートにて、実施例、比較例の各表面に塗工し、塗工されたコーティング液を、乾燥処理温度110℃で2分間乾燥させた後、40℃で5日間養生して、実施例及び比較例の保護シートとした。各コーティング液の塗工量については、易接着層の厚みが1μmとなる塗工量とした。
<耐候性評価用太陽電池モジュール試料の製造>
180mm□の白板半強化ガラス(AGCファブリテック(株)製:3KWE33)、同サイズの前面封止材(EVA:450μm、商品名:MLCE−62−T、シーアイ化成社製)、T−SEC製単結晶セル(TSS63TN)、背面封止材(前面封止材と同一サイズ同一材料)、及び、上記各実施例又は各比較例の保護シート(同サイズにカットしたもの)を順次積層し、真空ラミネータを用いて下記ラミネート条件で融着一体化し、実施例、比較例の評価用太陽電池モジュール試料を作製した。
(ラミネート条件)
真空ラミネータにて圧力100kPaにて150℃で15分間圧着した後、高温層にて150℃30分間静置するスタンダードキュア条件でラミネートを行った。
<評価例1:(図柄の耐候性(紫外線耐性)の評価)>
[図柄印刷の耐光性評価試験]
本発明の保護シートの図柄の耐候性(紫外線耐性)を評価するために、先ず、実施例及び各比較例の各保護シートを用いて製造した上記の評価用太陽電池モジュール試料の耐候樹脂層側の表面の任意の有色の箇所について、JISZ8722に準拠して測定した標準光源D65によるCIE系色座標におけるL、a、b値を測定した。この色座標の測定は、CM−2500C(コニカミノルタ社製)により行った。
次に、各評価用太陽電池モジュール試料を、Super UV試験装置(岩崎電気 EYESUPER UV TESTER SUV−W151)に、1000W/mの条件に設定し、24時間投入し、24時間経過後に数時間常温放置し、その後、同試験装置から取り出した各試料の耐候樹脂層側の表面について、上記方法と同一の測定方法で、耐候樹脂層側の表面の上記の測定箇所と同一の箇所について、L、a、b値を測定し、同試験装置投入前後における、図柄の耐候劣化(退色)の程度を評価した。評価は、具体的には、下記の計算方法によって算出した色差ΔEを下記の評価規準に基づいて評価することにより行った。評価結果は「図柄耐UV」として、表1に示す。
ΔEの計算方法:ΔE=〔(ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔL、Δa、Δbはいずれも、[上記UV試験装置投入後の値−上記UV試験装置投入前の値]
(評価基準)
A:色差ΔEが、3.2以下
B:色差ΔEが、3.2を超えて6.5未満
C:色差ΔEが、6.5以上
<評価例2:(図柄の耐候性(湿熱耐性)の評価)>
[図柄印刷の耐湿熱性評価試験]
本発明の保護シートの図柄の耐候性(湿熱耐性)を評価するために、評価例1と同様に、先ず、実施例及び各比較例の各保護シートを用いて製造した上記の評価用太陽電池モジュール試料の耐候樹脂層側の表面の任意の有色の箇所について、JISZ8722に準拠して測定した標準光源D65によるCIE系色座標におけるL、a、b値を測定した。この色座標の測定は、CM−2500C(コニカミノルタ社製)により行った。
次に、各評価用太陽電池モジュール試料を、プレッシャークッカー試験機(平山製作所製:HASTTEST)に、120℃、85%RH、1.6atmの条件に設定し、96時間投入した。96時間経過後に数時間常温放置し、その後、同試験機から取り出した各試料の耐候樹脂層側の表面の上記の測定箇所と同一の箇所について、上記方法と同一の測定方法で、耐候樹脂層側の表面について、L、a、b値を測定し、同試験装置投入前後における、図柄の耐候劣化(退色)の程度を評価した。評価は、具体的には、下記の計算方法によって算出した色差ΔEを下記の評価規準に基づいて評価することにより行った。評価結果は「図柄耐湿熱」として、表1に示す。
ΔEの計算方法:ΔE=〔(ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔL、Δa、Δbはいずれも、[上記UV試験装置投入後の値−上記UV試験装置投入前の値]
(評価基準)
A:色差ΔEが、3.2以下
B:色差ΔEが、3.2を超えて6.5未満
C:色差ΔEが、6.5以上
Figure 2020032545
以上より、本発明によれば、長期間に亘って高度の意匠性を維持することができる太陽電池モジュール用の保護シート、及び、同様の効果を奏する太陽電池モジュールを得ることができることが分かる。
1 保護シート
11 耐候樹脂層
12 接着剤層
13 基材樹脂層
14 接着剤層
15 図柄印刷層
151 印刷用透明樹脂フィルム
152 図柄
16 易接着層
2 透明前面基板
3 前面封止材
4 背面封止材
5 太陽電池素子
10 太陽電池モジュール

Claims (6)

  1. 太陽電池モジュール用の保護シートであって、
    最表面に配置されている耐候樹脂層と、前記耐候樹脂層の内側に配置されている基材樹脂層と、前記基材樹脂層に対して前記耐候樹脂層とは反対側に配置されている図柄印刷層と、が、積層されてなる層構成を含んでなり、
    前記耐候樹脂層は、透明な樹脂層であり、該耐候樹脂層内、又は、該耐候樹脂層と前記基材樹脂層との層間に形成されている接着剤層内に、紫外線吸収剤が含有されていて、
    前記基材樹脂層は、主としてJIS C2151による体積固有抵抗率が、1.0×1015Ω・m以上の絶縁性樹脂からなり、厚さが、50μm以上の透明な樹脂層であり、
    前記図柄印刷層は、印刷用透明樹脂フィルムの前記基材樹脂層に対向する側の表面に、有色の図柄が印刷されてなる樹脂層である、保護シート。
  2. 前記基材樹脂層が、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムである、請求項1に記載の保護シート。
  3. 前記図柄印刷層を構成する印刷用透明樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムである、請求項1又は2に記載の保護シート。
  4. 平面視上において、前記図柄が、存在しない部分において、波長400nm以上800nm以下における光線透過率が、90%以上であって、
    全表面における、波長400nm以上800nm以下における平均光線透過率が、40%以上70%以下である、請求項1から3のいずれかに記載の保護シート。
  5. 前記耐候樹脂層とは反対側の最表面に、透明な易接着層が更に形成されている、請求項1から4のいずれかに記載の保護シート。
  6. 太陽電池素子と、該太陽電池素子を封止する封止材と、を含んでなり、請求項1から5のいずれかに記載の保護シートが、最外層に配置されている太陽電池モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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