JP6724293B2 - 遮熱シート - Google Patents

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本発明は、遮熱シートに関し、さらに詳しくは、遮熱層の裏面に蓄熱層を付与し、遮熱層で反射できなかった熱を蓄熱層で蓄熱して熱移動速度を抑制する遮熱シートに関する。
近年の住宅等の建物は、省エネルギーの観点から、気密性及び断熱性を高める工法を採用するものが増えてきている。特に気密性が高まることにより、建物内から発生した水蒸気が建物外へ放出されにくくなり、その結果、建物の壁体で結露等が発生し、カビや腐食の原因となっている。また、気密性の高い住宅であっても、赤外線による放射熱対策は不十分な場合も多く存在している。
赤外線による放射熱対策については、アルミニウム等の金属層を赤外線反射層として含む遮熱シートの採用が提案されている。例えば特許文献1には、透湿防水性フィルムの一方の面に金属蒸着層と保護層を順に積層し、そのフィルムの他方の面に布帛を積層してなるハウスラップ材が提案されている。この技術は、保護層側の赤外線反射率が波長10μmで30%以上であるように構成されており、良好な遮熱性を示すとされている。また、特許文献2には、赤外線吸収剤を含有する布基材の上に、赤外線反射能を有する金属蒸着層が設けられた積層材料が提案されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、金属蒸着層の酸化を防ぐために設けられた保護層が金属蒸着層の赤外線反射率を低下させ、反射できなかった赤外線は吸収され、高熱伝導性の金属蒸着層から住宅内部へと伝熱してしまう。また、特許文献2の技術では、布基材に含まれる赤外線吸収剤の熱容量が少ないため、吸収しきれない熱の移動を抑制することができない。
こうした問題に対し、特許文献3には、融点が0〜40℃の蓄熱材を内包するマイクロカプセルを熱伝導率が0.01〜0.1kcal/m・hr・deg のシート状支持体の片面に塗工した蓄熱性シートが提案されている。この技術では、赤外線反射層で反射しきれなかった熱を蓄熱する蓄熱層を設けて、蓄熱した熱を徐々に放熱して外気温に大きな変化が生じても快適な室温を長時間維持することができるとされている。
特開2013−76210号公報 特開2005−238542号公報 特開2003−306672号公報
しかしながら、特許文献3の技術では、蓄熱材と断熱材により熱移動を抑制することができるが、熱量が多い場合に蓄熱量が飽和して限界になってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、赤外線を反射できる層と反射できなかった熱を蓄熱する蓄熱層とを利用した遮熱シートを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る遮熱シートは、近赤外線反射層と蓄熱層とを有することを特徴とする。
本発明に係る遮熱シートにおいて、前記近赤外線反射層が、金属化合物粒子及び金属層の一方又は両方を有するように構成できる。金属化合物粒子としては、ATOやITOの粒子が好ましく、金属層としては、アルミニウム層が好ましい。
本発明に係る遮熱シートにおいて、前記蓄熱層が、基材の一方の面に蓄熱カプセルを有する層であるように構成できる。好ましい蓄熱層としては、熱容量が高いことが好ましい。
本発明に係る遮熱シートにおいて、前記基材が、延伸した多孔質シート又は不織布であることが好ましい。
本発明に係る遮熱シートにおいて、前記近赤外線反射層の上に保護層を有するように構成できる。
本発明に係る遮熱シートにおいて、前記蓄熱層の、前記近赤外線反射層が設けられた側の反対面に、断熱層が設けられているように構成できる。
本発明に係る遮熱シートにおいて、前記断熱層が、樹脂発泡体であるように構成できる。
本発明に係る遮熱シートにおいて、建築シート又は窓シートとして用い、前記蓄熱層の側を断熱材又は窓の外面に配置するように構成できる。
本発明によれば、赤外線を反射できる層と反射できなかった熱を蓄熱する蓄熱層とを利用した遮熱シート、及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る遮熱シートの一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る遮熱シートの他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る遮熱シートの設置例を示す模式図である。
本発明に係る遮熱シート及びその製造方法について説明する。本発明は、その技術的特徴を包含する限り、図面の形態及び以下の記載内容に限定されるものではない。
[遮熱シート]
本発明に係る遮熱シート10は、図1及び図2に示すように、近赤外線反射層1と蓄熱層2とを有する。この遮熱シート10は、近赤外線反射層1が近赤外線を反射し、反射できずに吸収された赤外線や遠赤外線を蓄熱層2で蓄えることができるので、遠赤外線の熱線によって直接伝わる熱(輻射熱)が吸収され、伝熱してしまうのを防ぐことができ、熱移動速度を抑制することができる。なお、伝熱した輻射熱は、蓄熱層2で蓄積することができるので、遮熱性を高めることができる。この輻射熱は、遠赤外線の熱線によって直接伝わる熱であり、例えば太陽光が当たった住宅では、高温の壁表面(断熱材表面)から低温の壁内面(断熱材内面)に直接電磁波の形で伝わる。したがって、本発明に係る遮熱シート10は、赤外線を反射できる層(近赤外線反射層1)と反射できなかった熱を蓄熱する層(蓄熱層2)とを利用した遮熱性シートである。さらに、この遮熱シート10は、透水性と防水性と引張強さとを有することが好ましい。
以下、遮熱シートの構成要素について詳しく説明する。なお、図1に示す遮熱シート10Aは、保護層3、近赤外線反射層1、蓄熱層2がその順で配置されたものであり、図2に示す遮熱シート10Bは、保護層3、近赤外線反射層1、蓄熱層2、断熱層4がその順で配置されたものである。図3は、遮熱シート10の施工例である。
(近赤外線反射層)
近赤外線反射層1は、近赤外を反射することができる層であるとともに、好ましくは、その近赤外線反射能を有し、透湿性を妨げず、防水性も妨げない層であることが好ましい。したがって、近赤外線反射層1は、近赤外線を反射でき、さらに、少なくとも湿分をある程度透過できることが好ましい。
具体的には、近赤外線反射層1は、金属化合物粒子及び金属層の一方又は両方を有する。これらを有することにより、近赤外線を反射することができる。金属化合物粒子としては、酸化チタン、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)を挙げることができる。また、アンチモン、黄鉛、カドミウム、群青、コバルトブルー等からなる無機粒子やアゾメチンアゾやペリレンブラック等の有機粒子も金属化合物粒子に代えて又は金属化合物粒子と共に用いることができる。これらを総称した近赤外線反射粒子として用いてもよい。また、金属層としては、アルミニウム又はその合金、又は、金、銀、白金等からなる層を挙げることができる。なお、金属化合物粒子と金属層とが併用されてもよい。
金属化合物粒子の粒径は、平均粒径で0.1μm以上2.0μm以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内の平均粒径を持つ金属化合物粒子により、780nm以上2μm以下の範囲内の近赤外線を効果的に反射することができる。なお、平均粒径は、走査型電子顕微鏡によって測定した値で評価できる。一方、金属層の厚さは、金属層の厚さは、30nm以上100nm以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内の厚さの金属層により、780nm以上2.5μm以下の範囲内の近赤外線を効果的に反射することができる。なお、厚さは、走査型電子顕微鏡によって測定することができる。
金属化合物粒子や金属層は、樹脂層に設けられる。金属化合物粒子は、樹脂層の表面(一面又は両面)に担持されたり、樹脂層内に混合されたりする。金属層は、樹脂層の表面(一面又は両面)に設けられる。なお、金属化合物粒子は、入手したものを表面に担持されたり内部に混合されるが、金属層は、樹脂層の表面に成膜されたり貼り合わされたりする。成膜は、各種の成膜手段で成膜でき、例えば、蒸着、スパッタリング等で行うことができる。
近赤外線反射層1を構成する樹脂層は、金属化合物粒子又は金属層が設けられる基材としての役割を少なくとも有していればよい。さらに、遮熱シート10に透湿性と防水性を持たせるために、少なくとも湿気を通すことができる程度の透湿性を有していることが好ましく、さらには、水を通さない防水性を有することが好ましい。樹脂層に少なくとも透湿性を持たせるためには、樹脂層が多孔性を有することが好ましい。
樹脂層としては、樹脂材料と無機材料とを少なくとも含んでいるものが好ましい。樹脂材料は、延伸処理によって樹脂層が大きく伸びるように作用し、無機材料は、延伸処理によって大きく伸びた後の樹脂層の中に空隙を生じさせるように作用し、結果として樹脂層を多孔質にするように働く。
樹脂材料は、硬化性樹脂を硬化した硬化樹脂であり、熱硬化性樹脂を硬化した熱硬化樹脂でも、電離放射線硬化性樹脂を硬化した電離放射線硬化樹脂でもよいが、熱硬化性樹脂を好ましく挙げることができる。樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂等を挙げることができる。なかでも、ポリオレフィン系樹脂を好ましく挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。樹脂層は、これらの1種又は2種以上で構成されている。
なかでも、ポリエチレンが好ましく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を好ましく用いることができる。これらの各種ポリエチレンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。特に、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを混合して用いることが好ましい。これらのポリエチレンは、伸びが良く、例えば100%以上の伸びを示すので、遮熱シート10の構成要素として好ましい。
無機材料としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素等を挙げることができる。なかでも、炭酸カルシウムが好ましい。無機材料の大きさは、例えば、平均粒径で0.1μm以上10μm以下μmの範囲内であることが好ましい。この範囲内の平均粒径を持つ無機材料は、延伸処理された後の樹脂層に空隙を生じさせることができる。この空隙の生成は、樹脂層が延伸することにより、伸びない無機材料と伸びる樹脂材料との間の伸びの差によって起こるものであり、両者の界面に微細な亀裂を生じさせ、その結果、空隙を生じさせることができる。こうした無機材料を樹脂層に含ませた後に延伸することにより、延伸処理後の樹脂層は多孔質となり、透湿性と防水性とを付与することができる。
樹脂層中の樹脂材料と無機材料との含有割合は、質量%で、「樹脂材料/無機材料」=9/1〜5/5の範囲内であることが好ましい。この範囲内で、延伸処理された後の樹脂層に、透湿性と防水性とを付与することができる。
この樹脂層は、延伸処理前の樹脂層を100%以上、通常200%以上に延伸処理することによって得ることができる。
樹脂層の多孔度は、光学顕微鏡で評価でき、その値は、10%以上60%以下の範囲内として表すことができる。
多孔度に関し、樹脂層を単独で評価しない場合は、後述の実施例で示すように、断熱材10の透湿抵抗(単位:m・S・Pa/μg)として評価することが好ましい。透湿抵抗は、樹脂層の透湿性に直接影響されるものであり、断熱材10の透湿抵抗の大小は、樹脂層の透湿性の大小と同義として評価してもよい。透湿抵抗の測定は、JIS A 6111に記載のJIS L 1099におけるA−1法によって行うことができる。好ましい透湿抵抗の範囲としては、0.01〜0.19m・S・Pa/μgの範囲を挙げることができる。この範囲内の透湿抵抗を有する樹脂層は、湿気は通すが水は通さない性質を有しており、透湿性が良好で防水性も良好である。透湿抵抗が0.01m・S・Pa/μg未満では、水も通りやすくなり、防水性が低下する。透湿抵抗が0.19m・S・Pa/μgを超えると、湿気を通しにくくなり、透湿性が低下する。
なお、樹脂層は延伸処理されているので、その延伸処理によって樹脂層には微細な空隙や亀裂が生じ、多孔性を有するものとなる。その結果、樹脂層は、透湿性を担保することができる。
こうした多孔質の樹脂層に金属層を設けた場合、樹脂層に含まれる無機材料によって樹脂層表面が凹凸になっていることから、金属層を蒸着等の物理的成膜手段で樹脂層上に設ければ、その凹凸表面によって、その凹凸形状等に追従した非連続形態で成膜されることになり、その連続していない部分が多孔性を示すものとなる。この多孔性により、金属層も湿気を通過させることができる。金属層を樹脂層上に設けた場合と設けない場合とで、上記した透湿抵抗に大差がなかったことが確認できていることから、この金属層が設けられた後の樹脂層の多孔度は、前記同様、10%以上60%以下の範囲内になっているものと推察できる。
また、金属層は、多孔性を有するが反射層としては機能することから、例えば780nm以上2500nm以下の範囲内の近赤外線や、2μm以上20μm以下の範囲内の赤外線を70%以上反射することができる。
(蓄熱層)
蓄熱層2は、遮熱シートを構成し、近赤外線反射層1で反射しきれなかった近赤外線や遠赤外線を蓄えることができる層である。この蓄熱層2が設けられていることにより、遠赤外線の熱線によって直接伝わる熱(輻射熱)が吸収され、伝熱してしまうのを防ぐことができ、熱移動速度を抑制することができる。こうした役割を果たすことができる蓄熱層2としては、基材の内部又は表面(一面又は両面)に蓄熱カプセルを有する層等を挙げることができる。
蓄熱カプセルが基材の内部又は表面に有する蓄熱層2において、基材は、蓄熱カプセルを担持可能であれば特に限定はされないが、例えば、硬質ポリウレタン樹脂、発泡ポリスチレン樹脂、発泡ポリエチレン樹脂、羊毛シート、ガラスシート、岩綿等を挙げることができる。好ましくは、アクリル繊維、ナイロン等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ビニロン繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、アセテート繊維、キュプラ繊維、レーヨン繊維、セルロース繊維等を乾式もしくは湿式で抄造した不織布を挙げることができる。
基材の密度は、20g/cm以上150g/cm以下の範囲内であることが好ましく、厚さとしては、20μm以上200μm以下の範囲内であることが好ましい。
蓄熱カプセルの形成は、例えば、複合エマルジョン法によるカプセル化法(特開昭62−1452号公報)、蓄熱材粒子の表面に熱可塑性樹脂を噴霧する方法(同62−45680号公報)、蓄熱材粒子の表面に液中で熱可塑性樹脂を形成する方法(同62−149334号公報)、蓄熱材粒子の表面でモノマーを重合させ被覆する方法(同62−225241号公報)、界面重縮合反応によるポリアミド皮膜マイクロカプセルの製法(特開平2−258052号公報)等に記載されている方法を適用することができる。
蓄熱カプセルの膜材としては、界面重合法、インサイチュー法等の手法で得られる、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂を挙げることができる。また、ゼラチンとカルボキシメチルセルロース若しくはアラビアゴムとのコアセルベーション法を利用した合成樹脂や天然樹脂を挙げることができる。なかでも、インサイチュー法による尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂皮膜を用いたマイクロカプセルが好ましく適用できる。
蓄熱カプセルの粒子径は、10μm以下、特に好ましくは5μm以下が好ましい。10μmを超えると、蓄熱カプセルが容易に壊れやすくなることがある。
この蓄熱層2は、熱容量が100J/g以上であるように構成されていることが好ましい。熱容量が100J/g以上であることにより、近赤外線反射層1で反射しきれなかった熱量を効果的に吸収することができる。熱容量は、示差熱操作熱量測定により測定することができる。熱容量が100J/g未満では、近赤外線反射層1で反射しきれなかった熱量を吸収しきれないので、その熱が室内に伝導してしまう。
(保護層)
近赤外線反射層の上に保護層3を有していてもよい。保護層3は、遮熱シート10に任意に設けられる層であり、特に近赤外線反射層1の酸化を防止して、近赤外線反射層1による遮熱性を維持することができるように働くものである。保護層3は、アクリルウレタン系の樹脂材料で形成されていることが好ましく、本発明に係る遮熱シート10の効果を阻害しないように、透湿抵抗が、0.19m・S・Pa/μg以下で、防水性が、8kPa以上になる範囲内で多孔性態様で設けられるであることが好ましい。
この保護層3は、樹脂材料で形成されているので、近赤外線反射層1上にそのまま設けられて、近赤外線反射層1の酸化を防止する。保護層用の樹脂材料としては、アクリルウレタン系の樹脂材料等を挙げることができる。
保護層3の厚さは、0.3μm以上2μm以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内に保護層3を設けることにより、近赤外線反射層1による780nm以上2500nm以下の範囲内の近赤外線や、2μm以上20μm以下の範囲内の赤外線を70%以上反射することができる。
(断熱層)
遮熱シート10には、図2に示すように、断熱層4を設けてもよい。断熱層4は、蓄熱層2の、近赤外線反射層1が設けられた側の反対面に設けることができる。
断熱層4としては、樹脂発泡体が好ましい。樹脂発泡体は、発泡状態になっていることから多孔質であるので、断熱性と透水性を有している。樹脂発泡体は、樹脂組成物と発泡剤とを少なくとも含む発泡体形成用材料層を設け、その樹脂発泡体形成用材料層を発泡処理して形成される。この樹脂発泡体形成用材料層を構成する樹脂組成物は、高発泡の断熱材のバルク部分を構成するための組成物であり、発泡剤は、気泡を形成するための剤である。樹脂組成物としては、硬化性樹脂と架橋剤とを含む硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂でも電離放射線硬化性樹脂でもよいが、熱硬化性樹脂を好ましく挙げることができる。断熱層4としては、軟質ウレタン発泡体、硬質ウレタン発泡体、ビーズ法ポリスチレン発泡体、フェノール発泡体等を挙げることができる。なかでも、硬質ウレタン発泡体が、接着性や強度の面で好ましい。これらの詳しい内容は、上記した「近赤外線反射層1」の説明欄で説明した樹脂材料と同じ内容であるのでここでは説明を省略する。
硬化性樹脂と架橋剤とを含む樹脂組成物は、発泡剤で発泡させる前又は発泡と同時に硬化するが、その硬化の程度は、発泡現象が効果的に起こる程度に可塑化された範囲で硬化させる必要がある。そのため、硬化性樹脂と架橋剤の選択にあたっては、その点が考慮されて選択されることが望ましい。
発泡剤は、発泡体形成用材料層に含まれており、発泡処理によって発泡し、高発泡な樹脂発泡体を形成するために用いられる。発泡剤としては、熱分解型の発泡剤が用いられ、例えば有機系発泡剤や無機系発泡剤から選択して使用することができる。各種の発泡剤は、通常、1種が用いられるが、2種以上を含んでいてもよい。
その他の添加剤としては、例えば、発泡助剤、無機充填剤、顔料、酸化防止剤、難燃剤、熱安定剤等を挙げることができ、本発明の効果を阻害しない範囲で樹脂組成物に必要に応じて配合することができる。これらの添加剤については、一般的な緩衝材や断熱材等に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
樹脂発泡体形成用材料層から樹脂発泡体に発泡させるための手段は、各種の方法を適用できる。例えば、連続ラミネート法を適用することができる。発泡処理後の樹脂発泡体に含まれている気泡は、空隙率が80%以上98%以下の範囲内である。こうした樹脂発泡体は、遮熱シート10に断熱性と透湿性を付与することができる。なお、遮熱シート10の総厚は、50μm以上200μm以下の範囲内であることが好ましい。
(遮熱シートの敷設)
遮熱シート10は、図3に示すように、建築シート又は窓シートとして用い、前記蓄熱層2の側を住宅壁(断熱材)又は窓の外面に配置するように構成できる。
実施例と比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
蓄熱性能を有する遮熱シート10を作製した。先ず、厚さ3mmで坪量110g/mのポリエステル製不織布を準備した。その不織布に、凝固点25℃±2℃の蓄熱材スラリー(三木理研工業株式会社製、PMCD−25、熱容量約100J/g)を塗工した。塗工は、塗工量1000g/mとなるようにカーテン塗工装置で行い、塗工後に乾燥して蓄熱層2を設けた。
高密度ポリエチレン(日本ポリケム株式会社製、商品名ノバテックHD、HJ580、融点134℃、密度0.960g/cm)と、低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製、商品名:ぺトロセン208)と、平均粒径2μmの炭酸カルシウム粉末とを、樹脂:炭酸カルシウム=1:1で混合し、押出し機により、厚さ0.4mmの無延伸シートを製造した。次に、この無延伸シートを縦方向に4倍延伸して、1軸延伸の85μmの樹脂層を製造した。この樹脂層の一方の面に、40nm±4nmの厚さのアルミニウムからなる金属層をEB蒸着法により成膜した。この金属層は、樹脂層の表面凹凸形状等に追従した非連続形態で成膜されることになり、その連続していない部分が多孔性を示すものとなっている。こうして、樹脂層と金属層とからなる近赤外線反射層1を形成した。
さらに、その金属層上に、ウレタンからなる保護層3をグラビア印刷機で全面印刷し、乾燥厚が0.5μmとなるように保護層3を積層した。こうして近赤外線反射層1を構成する金属層上に保護層3を設けたシートを作製した。なお、このシートは、透湿性と防水性を有する遮熱透湿防水シートである。
最後に、蓄熱層2が設けられた不織布と、保護層3が設けられた近赤外線反射層1からなる遮熱透湿防水シートとを熱ラミネートした。熱ラミネートは、不織布と、遮熱透湿防水シートの樹脂層側とを重ねて行った。こうして遮熱シート10を作製した。
[比較例1]
実施例1において、蓄熱層が設けられた不織布を熱ラミネートせず、遮熱透湿防水シートのみとした。
[比較例2]
実施例1において、遮熱透湿防水シートを熱ラミネートせず、蓄熱層が設けられた不織布のみとした。
[測定と評価]
実施例1及び比較例1,2で作製したシートに対して、2μm〜20μmの反射率・吸収率を測定した。実施例1と比較例1では、アルミニウムにより平均70%以上の高い反射率を確認した。比較例2では、不織布の色味と蓄熱カプセルに起因し低反射率となり、高吸収率となった。蓄熱カプセルを添加した実施例1の遮熱シート10では、蓄熱カプセルに起因した約20%以上の吸収率を確認した。比較例1では、15%未満の吸収率となった。これより、実施例1にて熱線の高反射と高熱容量の蓄熱材による吸収を確認した。
1 近赤外線反射層
2 蓄熱層
3 保護層
4 断熱層
10(10A,10B) 遮熱シート
11 住宅壁(断熱材)
12 外部
13 内部

Claims (6)

  1. 近赤外線反射層と蓄熱層とを有し、前記近赤外線反射層が、厚さ30〜100nmの金属層を有する樹脂層からなり、前記樹脂層が、樹脂材料と無機材料とを含み、延伸処理された樹脂中において前記無機材料と前記樹脂材材料との界面に空隙を有し、前記金属層は前記樹脂層上に非連続形態で成膜されてなる、ことを特徴とする遮熱シート。
  2. 前記蓄熱層が、基材の一方の面に蓄熱カプセルを有する層である、請求項1に記載の遮熱シート。
  3. 前記近赤外線反射層の上に保護層を有する、請求項1又は2に記載の遮熱シート。
  4. 前記蓄熱層の、前記近赤外線反射層が設けられた側の反対面に、断熱層が設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱シート。
  5. 前記断熱層が、樹脂発泡体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮熱シート。
  6. 建築シート又は窓シートとして用い、前記蓄熱層の側を断熱材又は窓の外面に配置する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮熱シート。

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