JP2010106240A - コーティング剤用表面調整剤およびそれを含むコーティング剤 - Google Patents

コーティング剤用表面調整剤およびそれを含むコーティング剤 Download PDF

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Abstract

【課題】スピンコーティングやスプレーコーティングのような高速で高シェアのかかるようなコーティング剤の塗装を行う場合や、極性の高いコーティング剤の塗装を行う場合でも、極めて優れた表面調整効果を示し、さらに十分な塗装膜への上塗り適性をコーティング剤に持たせることができるコーティング剤用表面調整剤を提供する。
【解決手段】コーティング剤用表面調整剤は、フッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A)と、アルキル(メタ)アクリレートモノマー(B)と、モノ−又はポリ−オキシアルキレン基の片末端が不活性基で封鎖されたモノ−又はポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートモノマー(C)とが、夫々重量部の比で40以上60未満と0.1以上3未満と31以上59.9未満、又は66以上85未満と3以上20未満と0.1以上31未満として、共重合しており、その重量平均分子量を3000〜50000とする共重合物を、含有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング剤の塗装膜をその表面張力の適度な調整により平滑にするコーティング剤用表面調整剤、およびそれを含有するコーティング剤に関する。
プラスチック製品等の表面を樹脂含有コーティング剤で塗装する際、得られたその塗装膜に、色分かれ、残泡、レベリング不良、濡れ不良が生じることがある。
そこでコーティング剤で塗装した塗装膜を平滑にするために、ポリアルキル(メタ)アクリレートやポリアルキルビニルエーテルのようなアルキル系、ポリシロキサンのようなシリコーン系、フッ素樹脂のようなフッ素系の表面調整剤が、予めコーティング剤に添加される。
アルキル系表面調整剤は、コーティング剤に添加されていてもその表面張力をさほど低下させないため、得られた塗装膜は、その平滑性の効果が小さい。
シリコーン系表面調整剤として、特許文献1に、硬化型組成物へ添加される塗料用レベリング剤および/又は塗料用消泡剤であるシリコーン系重合体の例が、開示されている。一般にシリコーン系表面調整剤は塗装膜の表面張力を極端に低下させるため、得られた塗装膜への上塗り適性や塗装膜の耐汚染性が、低下してしまう。
フッ素系表面調整剤として、特許文献2に、フッ素化アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体と、分岐状脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和単量体との共重合体からなるフッ素系界面活性剤が、開示されている。このようなフッ素系界面活性剤を添加したコーティング剤で得られた塗装膜は、ある程度の表面調整効果を奏する。しかし、特にスピンコーティングやスプレーコーティングのような高速で高剪断のかかるような塗装を行う場合には、その塗装膜の平滑性の効果が不十分であり、それを一層向上させることが望まれている。
また特許文献2には、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物のようなフッ素系界面活性剤中に、ヒドロキシ基を含んでいるフッ素系界面活性剤も、開示されている。しかし、ヒドロキシ基のような反応性の官能基をもつ表面調整剤をコーティング剤に添加した場合、表面調整剤とコーティング剤成分とが反応したり相互作用したりして、表面調整剤の分子が塗装膜表面に配向しなくなる結果、その塗装膜の平滑性や上塗り適性の効果が不十分となってしまう。
さらに特許文献2には、炭素数が1のような短鎖フルオロアルキル鎖を有するフッ素系界面活性剤の表面調整剤も開示されている。しかしその場合、それとコーティング剤成分との相溶性が良すぎるため、得られた塗膜表面に表面調整剤の分子が配向せず、十分な表面調整効果を発揮しない。また炭素数7以上の長鎖フルオロアルキル鎖を有するフッ素系界面活性剤の表面調整剤は、極性の高い紫外線硬化成分を含有する被膜形成性コーティング剤に添加された場合、表面調整剤の極性がコーティング剤成分に対して低すぎる所為で、表面調整剤が凝集を起こす結果、得られる塗装膜は、その表面が乱れ外観が損なわれたものとなってしまう。
また、表面調整効果を発現するためには、表面調整剤が塗料表面に配向するため塗料用樹脂の極性より適度に低くなければならない。樹脂と表面調整剤の極性が同程度で完全に相溶してしまう場合、表面に出現しないため表面調整効果は得られない。また、逆に表面調整剤の極性が低すぎる場合は、表面調整剤が凝集してしまい塗膜外観が損なわれてしまう。
特開平09−255754号公報 特開平10−309455号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、スピンコーティングやスプレーコーティングのような高速で高シェアのかかるようなコーティング剤の塗装を行う場合や、極性の高いコーティング剤の塗装を行う場合でも、極めて優れた表面調整効果を示し、さらに十分な塗装膜への上塗り適性をコーティング剤に持たせることができるコーティング剤用表面調整剤、およびそれを含有するコーティング剤を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載のコーティング剤用表面調整剤は、下記化学式(1)
CH=C(R)−CO−O−R−R ・・・(1)
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは−(CH−で示されnを0〜4とする基、Rは炭素数2〜6のパーフルオロアルキル基)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A)と、アルキル(メタ)アクリレートモノマー(B)と、モノ−又はポリ−オキシアルキレン基の片末端がアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エステル基、4級アンモニウム基から選ばれる不活性基で封鎖されたモノ−又はポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートモノマー(C)とが、モノマー(A)を40重量部以上66重量部未満としモノマー(B)を0.1重量部以上3重量部未満としモノマー(C)を31重量部以上59.9重量部未満として共重合し、又はモノマー(A)を66重量部以上85重量部未満としモノマー(B)を3重量部以上20重量部未満としモノマー(C)を0.1重量部以上31重量部未満として共重合しており、その重量平均分子量を3000〜50000とする共重合物を、含有していることを特徴とする。
請求項2に記載のコーティング剤用表面調整剤は、請求項1に記載されたもので、前記モノマー(A)が、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレートであることを特徴とする。
請求項3に記載のコーティング剤用表面調整剤は、請求項1に記載されたもので、前記モノマー(B)が、炭素数1〜12のアルキル基を含有するアルキル(メタ)アクリレートであることを特徴とする。
請求項4に記載のコーティング剤用表面調整剤は、請求項1に記載されたもので、前記モノマー(C)が、前記不活性基を炭素数1〜4のアルキル基とし、前記モノ−又はポリ−オキシアルキレン基を炭素数2〜4のオキシアルキレン基の繰返し単位でその繰返し数1〜20とするモノ−又はポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートであることを特徴とする。
請求項5に記載のコーティング剤用表面調整剤は、請求項1に記載されたもので、前記共重合物が、Fedors法で求めた溶解性パラメーター値(SP値)が8.0〜10.0であることを特徴とする。
請求項6に記載の湿潤剤は、請求項1に記載のコーティング剤用表面調整剤からなることを特徴とする。
請求項7に記載のレベリング剤は、請求項1に記載のコーティング剤用表面調整剤からなることを特徴とする。
請求項8に記載のコーティング剤は、請求項1に記載のコーティング剤用表面調整剤と、コーティング剤成分とが、含まれていることを特徴とする。
請求項9に記載の塗装膜は、請求項8に記載のコーティング剤が塗装されて硬化していることを特徴とする。
本発明のコーティング剤用表面調整剤は、水系コーティング剤、非水系コーティング剤の何れにも配合させて用いることができる。コーティング剤用表面調整剤は、コーティング剤を塗装して得られる塗装膜の表面張力を、適度に調整し、塗装膜の平滑性を向上させるのに有効である。その結果、塗装膜に、色分かれ、残泡、レベリング不良、濡れ不良を生じさせない。
このコーティング剤用表面調整剤は、基材をコーティングするときにコーティング剤の濡れ性を向上させハジキやピンホールを形成させない湿潤剤、又はその被膜の露出表面を平滑にしつつ均一な膜厚にしてムラやヘコやオレンジピールを形成させないレベリング剤としても、有用である。
本発明のコーティング剤は、それに含まれている表面調整剤のために、撹拌したり塗布したりしたときの所謂、動的表面張力と、塗布後に静置したときの所謂、静的表面張力とが、減少したものとなっている。そのためこの表面調整剤を含んでいるコーティング剤によれば、優れた平滑性と、優れた上塗り特性とを有する塗装膜を得ることができる。
本発明の塗装膜は、平滑で綺麗な仕上がりとなっている。そのうえ、それに上塗りする際にもむらにならず、塗装膜と上塗り層とが確りと密着して付されているので、いずれも剥がれ落ちず美的であって耐久性に優れている。
本発明を適用するコーティング剤と本発明を適用外のコーティング剤とである夫々の非水系塗液の動的表面張力の測定結果を示すグラフである。 本発明を適用する別なコーティング剤と本発明を適用外のコーティング剤とである夫々の非水系塗液の動的表面張力の測定結果を示すグラフである。 本発明を適用するコーティング剤と本発明を適用外のコーティング剤とである夫々の非水系塗液を用いて作製した塗装膜の平滑性の測定結果を示すグラフである。 本発明を適用する別なコーティング剤と本発明を適用外のコーティング剤とである夫々の非水系塗液を用いて作製した塗装膜の平滑性の測定結果を示すグラフである。 本発明を適用するコーティング剤と本発明を適用外のコーティング剤とである夫々の水系塗液の動的表面張力の測定結果を示すグラフである。 本発明を適用するコーティング剤と本発明を適用外のコーティング剤とである夫々の水系塗液を用いて作製した塗装膜の平滑性の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明のコーティング剤用表面調整剤は、フッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A)と、アルキル(メタ)アクリレートモノマー(B)と、モノ−又はポリ−オキシアルキレン基の片末端ヒドロキシ基が不活性基で置換されて封鎖されたモノ−又はポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートモノマー(C)とのフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物を、有効成分として含有したものである。
このような共重合物は、モノマー(A)の40重量部以上66重量部未満と、モノマー(B)の0.1重量部以上3重量部未満と、モノマー(C)の31重量部以上59.9重量部未満とを、ラジカル重合開始剤存在下、溶媒中に滴下し、加熱してランダム重合させることによって、得られるものである。
またこのような共重合物は、モノマー(A)の66重量部以上85重量部未満、好ましくは66重量部以上75重量部未満と、モノマー(B)の3重量部以上20重量部未満、好ましくは5重量部以上15重量部未満と、モノマー(C)の0.1重量部以上31重量部未満とを、ラジカル重合開始剤存在下、溶媒中に滴下し、加熱してランダム重合させて、得られるものであってもよい。
共重合物は、モノマー(A)と、モノマー(B)と、モノマー(C)とを、その順で、又は任意の順で、ブロック共重合開始剤存在下、別々に溶媒中に滴下し、加熱してブロック共重合させることによって、生成させてもよい。
共重合物の重量平均分子量は、3000〜50000であることが、好ましい。その重量平均分子量が3000未満の場合、塗装膜の物性が低下してしまう恐れがある。一方、その重量平均分子量が50000を超える場合、それを含有するコーティング剤は、その粘度が高くなりすぎるために、取り扱い難くなってしまう。共重合物の重量平均分子量は、3000〜30000であると、なお一層好ましい。重量平均分子量を50000以下、好ましくは30000以下に制御するために、重合開始剤や、スチレンダイマーやチオールのような連鎖移動調整剤を用いその種類や量を適宜選択したり、共重合反応温度を適宜調節したり、アルコール等の溶媒中で共重合させたりすることにより、達成される。
このような表面調整剤の極性を表す方法として、溶解性パラメーター(SP値)が用いられる。SP値は分子構造から推算でき、いろいろな方法が提案されている。この中で、Fedorsの理論SP値は、重合体の密度パラメーターが不要なため比較的簡単に求められることからよく用いられている。
共重合物は、Fedors法による溶解性パラメーター値(SP値)が8.0〜10.0、好ましくは8.5〜9.5の範囲が好適である。
Fedorsの理論SP値は、以下の数式(1)から求めることができる。
Figure 2010106240
(数式(1)中Δe、Δvは、それぞれの原子又は原子団の蒸発エネルギーおよびモル体積を表す。)
そのSP値が8.0未満である共重合体は溶媒への溶解性が悪くなる所為で、重合反応時に共重合物が析出し均質な生成が困難となる場合や、生成できたとしても溶解性が悪すぎるために共重合物が凝集し塗装膜の外観を損ねる恐れがある。一方10.0を超える共重合物を用いて形成された塗装膜は、塗液となるコーティング剤成分との相溶性が良すぎ、その表面に共重合物が配向しない為、十分な表面調整効果を得ることができない。
モノマー(A)は、例えば前記の通り化学式(1)
CH=C(R)−CO−O−R−R ・・・(1)
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは−(CH−で示されnを0〜4とする基、Rは炭素数2〜6で直鎖状、分岐鎖状、又は脂環状のパーフルオロアルキル基)で表されるフッ素含有アクリレート又はフッ素含有メタクリレートであり、より具体的には、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロプロピルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロプロピルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロブチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロプロピルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロブチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。モノマー(A)は、これらを単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。中でも−Rは、炭素数2〜4のものが好ましい。その中でもモノマー(A)は、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレートであると特に好ましい。そのパーフルオロブチル基は、直鎖状であるn−パーフルオロブチル基であっても、分岐鎖状であるiso−、sec−又はtert−パーフルオロブチル基であってもよい。
の炭素数が1のパーフルオロアルキル基であるパーフルオロメチル基を有するフッ素含有(メタ)アクリレートを用いた共重合物を含む表面調整剤は、コーティング剤に添加されたときにコーティング剤成分との相溶性が良すぎるため、コーティング剤表面に表面調整剤の分子が配向し難くなる所為で、十分な表面調整効果が得られない。
一方、Rの炭素数が7以上のパーフルオロアルキル基を有するフッ素含有(メタ)アクリレートを用いた共重合物を含む表面調整剤を、紫外線硬化成分を含有する極性の高い被膜形成性コーティング剤に添加されたとき、静的な表面張力を大きく低下させるため湿潤効果は高い。しかし、コーティング剤への相溶性が悪いため、表面調整剤が凝集を起こす結果、得られる塗装膜は、その表面が乱れ、また濁りを生じ外観が損なわれたものとなってしまう。また、動的表面張力をあまり低下させないため、スピンコーティングやスプレーコーティングのような高速で高シェアがかかるような塗装を行う場合には、その塗装膜の平滑性の効果が不十分となってしまう。さらに、Rの炭素数が7以上のパーフルオロアルキル基を有するフッ素含有(メタ)アクリレートは、その凝集力が強いために、本発明のモノマー(A)を用いたフッ素含有(メタ)アクリレートで生成できるSP値においても、不活性溶媒に溶解せず、生成が困難な場合がある。
また、モノマー(A)は、40重量部以上85重量部未満用いられていることが好ましい。それが40重量部未満である共重合物を用いて形成された塗装膜は、その表面での共重合物の配向力が小さい所為で、十分な表面調整効果を得ることができない。それが80重量部以上であると、溶媒への溶解性が悪くなる所為で、共重合物の生成が困難となってしまう。
モノマー(B)は、例えば、炭素数1〜12で直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであり、より具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−,iso−,sec−,又はtert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘプチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、tert−アミル(メタ)アクリレート、sec−アミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルブチル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、プロピルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−,iso−,sec−,又はtert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、が挙げられる。モノマー(B)は、これらを単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。中でも炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。その中でも、n−,iso−,sec−又はtert−ブチル(メタ)アクリレートであると、なお一層好ましい。
また、モノマー(B)は、モノマー(A)の配合量により好ましい量が異なる。モノマー(A)の配合量が40重量部以上66重量部未満の場合は、0.1重量部以上3重量部未満用いられていることが好ましく、66重量部以上85重量部未満の場合は、3重量部以上20重量部未満用いられることが好ましい。
モノマー(B)は、SP値の大きく異なるモノマー(A)とモノマー(C)を相溶させるために必要である。例えば、モノマー(A)のパーフルオロブチルエチルメタクリレートのSP値は7.7、モノマー(C)のメトキシポリエチレングリコール(繰返単位数9)のモノメタクリレートのSP値は9.5であり、モノマー(B)のメチルメタクリレートのSP値は8.9とモノマー(B)はモノマー(A)とモノマー(C)の間のSP値を持ち、モノマー(B)を配合することにより、モノマー(A)とモノマー(C)を相溶させる。
モノマー(A)の配合量が40重量部以上66重量部未満の場合、モノマー(B)が0.1重量部未満であると、SP値が大きく異なるモノマー(A)とモノマー(C)は相溶しなくなる結果、共重合による共重合物の生成が困難となってしまう。
モノマー(A)の配合量が40重量部以上66重量部未満と比較的少ない場合は、モノマー(A)とモノマー(C)とを相溶させるのにモノマー(B)は0.1重量部以上3重量部未満で十分である。一方、モノマー(A)の配合量が66重量部以上85重量部未満と比較的多い場合は、モノマー(A)とモノマー(C)を相溶させるのに、より多くのモノマー(B)が必要となり、モノマー(B)が3重量部未満ではモノマー(A)とモノマー(C)は相溶しなくなる結果、共重合による共重合物の生成が困難となってしまう。
また、モノマー(A)の配合量が66重量部以上85重量部未満とモノマー(A)の配合量が比較的多い場合、モノマー(B)が3重量部未満であると、モノマー(A)の高い凝集効果により、共重合物中にブツを生じさせる。そのため、そのブツが生じた共重合物を用いて形成された塗装膜は、その表面外観を酷く悪化させる。
また、モノマー(A)が66重量部以上85重量部未満でモノマー(B)が3重量部未満であると、その共重合物を用いて形成された塗装膜はそのフッ素の低屈折率により濁りを生じてしまう。しかし、モノマー(B)を3重量部以上配合すれば、共重合物の屈折率を低下させず、形成された塗装膜は濁りを生じない。
モノマー(A)のフッ素置換アルキル基が剛直であることから、液表面から密に整然と露出し、極めて優れた表面張力低下能を発現させている。しかし、モノマー(A)の配合量が40重量部以上66重量部未満でモノマー(B)が3重量部以上の共重合物、又はモノマー(A)の配合量が66重量部以上85重量部未満でモノマー(B)が20重量部以上の共重合物は、アルキル鎖がその整然とした配列を乱し、静的表面張力の低下を妨げる。また表面への配向力も低下させることから、動的な表面張力を低下させることが困難となり、所望の表面調整効果が得られなくなってしまう。
モノマー(A)の配合量が66重量部以上85重量部未満とモノマー(A)の配合量が比較的多い場合は、共重合物の表面張力低下能を発現させているパーフルオロアルキル鎖が多いため、表面張力の低下の妨げとなるアルキル鎖、すなわちモノマー(B)の配合量を20重量部未満まで増やしても効果の妨げにならない。
モノマー(C)は、例えば、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を繰返し単位としその繰返し数1〜20とするモノ−又はポリ−オキシアルキレン基の片末端ヒドロキシ基の脱水素残基が不活性基である炭素数1〜4のアルキル基で置換されて封鎖されている末端封鎖型のモノ−又はポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートである。
モノマー(C)は、より具体的には、メトキシモノエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシモノプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシモノブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシモノテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシモノエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシモノプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシモノブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシモノテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシモノエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシモノプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシモノブチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシモノテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシトリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシモノエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシモノプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシモノブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシモノテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。ポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートがその繰返し単位の平均繰返し数を前記範囲とするものであってもよい。
モノマー(C)として、アルキルオキシ基である不活性基で置換されて封鎖されたモノ−又はポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートモノマーの例を示したが、アルキルオキシ基に代えて、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エステル基、又は4級アンモニウム基であるモノ−又はポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートモノマーであってもよい。このようなアリールオキシ基としてフェノキシ基、アルキルチオ基として炭素数1〜4のアルキルチオ基、アリールチオ基としてフェニルチオ基、エステル基としてホルミルオキシ基やアセチルオキシ基やステアリルオキシ基のような炭素数1〜18のエステル基、4級アンモニウム基として、1〜4級の有機アンモニウム基が挙げられる。
モノマー(C)は、これらを単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。
また、前記モノマー(C)は、0.1重量部以上59.9重量部未満用いられることが好ましい。共重合物を得るのに、モノマー(A)を40重量部以上66重量部未満としモノマー(B)を0.1重量部以上3重量部未満とする場合、モノマー(C)を31重量部以上59.9重量部未満とすることが好ましい。また共重合物を得るのに、モノマー(A)を66重量部以上85重量部未満としモノマー(B)を3重量部以上20重量部未満とする場合、モノマー(C)を0.1重量部以上31重量部未満とすることが好ましい。モノマー(C)がこの範囲を超えると、モノマー(A)や(B)との相溶性が悪くなってしまい、共重合物の生成が困難になってしまう。
コーティング剤用表面調整剤は、モノマー(A)、(B)、(C)を必須成分とする共重合物を成分とする例を示したが、表面調整効果を阻害しない限りは、他のモノマー(D)と共に共重合した共重合物を含んでいてもよい。他のモノマー(D)として、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を繰返し単位としその繰返し数1〜20とするモノ−又はポリ−オキシアルキレン基の片末端ヒドロキシ基の脱水素残基が炭素数5〜18のアルキル基で置換されて封鎖されている末端封鎖型のモノ−又はポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートが挙げられる。他のモノマー(D)は、0〜10重量部未満であることが好ましく、3重量部未満であると一層好ましい。
本発明のコーティング剤用表面調整剤は、成分であるフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物が以下のようにして生成される。モノマー(A)と、モノマー(B)と、モノマー(C)とを、ラジカル重合開始剤存在下、溶媒中に滴下して加熱することでランダム重合させる。又は、モノマー(A)と、モノマー(B)とモノマー(C)とを、ブロック共重合開始剤存在下、別々に溶媒中に滴下して加熱することでブロック共重合させて生成してもよい。表面調整効果を阻害しない限りは、ランダム、ブロック、グラフト等どのような形態を取ってもよい。
共重合物を調製するのに用いられるラジカル重合開始剤は、一般にラジカル重合に用いられる開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、過酸化物、アゾ化合物等を使用することができ、より具体的には、パーブチルD(日油(株)の商品名)、パーブチルO(日油(株)の商品名)、パーオクタO(日油(株)の商品名)が挙げられる。
ブロック共重合開始剤は、例えば、2段分解型2官能開始剤が挙げられ、より具体的には、1,1−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサンが挙げられる。
コーティング剤用表面調整剤は、この共重合物のみからなっていてもよく、必要に応じて不活性溶媒を除く他成分等を含有していてもよく、共重合物を不活性溶媒で溶解又は懸濁させたものであってもよい。
不活性溶媒は、共重合物を溶解又は懸濁させることができるのもので、コーティング剤に混和できるものが好ましい。具体的にはキシレン、トルエン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール系溶剤が挙げられる。これらの溶剤を、単独で使用してもよく、複数種混合して使用してもよい。
コーティング剤用表面調整剤は、水系コーティング剤、非水系コーティング剤の何れかに、湿潤剤、レベリング剤として、添加されてもよい。
本発明のコーティング剤は、このコーティング剤用表面調製剤と、コーティング剤成分とを、含有するものである。
コーティング剤は、一般的なコーティング剤の調製に用いられる成分を、予め混合しておき、さらにコーティング剤用表面調製剤を添加し、混合して調製される。それらを同時に、又は任意の順で混合してもよい。
コーティング剤中、コーティング剤用表面調整剤は、コーティング剤全量に対する固形分換算値で、0.01〜2.0重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%となる程度、添加される。
表面調整剤以外のコーティング剤調製成分は、特に限定されないが、例えば顔料・染料のような着色剤、樹脂、希釈溶媒、触媒、機能付与性添加剤が挙げられる。
樹脂は、アクリルメラミン系、ポリエステル系、ウレタン系、アルキッド系、エポキシ系等の樹脂が挙げられる。その樹脂は、例えば、加熱硬化型、UV(紫外線)硬化型、EB(電子線)硬化型、酸化硬化型、光カチオン硬化型、過酸化物硬化型、酸/エポキシ硬化型のような硬化方法で、それの触媒存在下、又は触媒非存在下で、硬化するものである。
希釈溶剤は、一般的に用いられる有機溶剤であれば、特に限定されないが、例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール系溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、単独で使用されてもよく、混合して使用されてもよく、さらに水を混合して使用されてもよい。
コーティング剤は、上記成分の他に、任意成分である各種機能付与性添加剤、例えば増感剤、帯電防止剤、消泡剤、分散剤、粘度調整剤等が、必要に応じ適量添加されたものであってもよい。
本発明の塗装膜は、このコーティング剤を基材上に塗装した被膜が、硬化されたものである。
基材は、特に限定されないが、プラスチック、ゴム、紙、木材、ガラス、金属、石材、セメント材、モルタル材、セラミックスなどの素材で形成されたもので、家電製品や自動車の外装材、日用品、建材が挙げられる。
コーティング剤を塗装するには、例えば、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、バーコート、ドクターブレード、ロールコート、フローコートなどの公知の方法により行うことが好ましい。
このような塗装膜が、色分かれ、残泡、レベリング不良、濡れ不良を生じず、含浸性にも優れ、ムラ、ハジキ、ピンホールを形成しておらず、平滑で綺麗な仕上がりとなるうえ、上塗り特性にも優れた効果を奏するメカニズムは、必ずしも明らかでないが、以下の通りであると推察される。
コーティング剤用表面調整剤中の共重合物が、例えばフッ素置換アルキル基含有(メタ)アクリレートモノマー(A)と、アルキル(メタ)アクリレートモノマー(B)と、モノ−又はポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートモノマー(C)との共重合物であることに起因して、その表面調整剤を含んでいるコーティング剤は、表面調整剤により、それを撹拌したり塗布したりした後、静置して表面張力が平衡に達するまでの時間が、調整されるという特長を有する。
コーティング剤を撹拌したり塗布したりしたとき、即ち新たな界面が流動的に次々と現れるときのその界面での動的な表面張力は、界面での共重合物分子の表面配向が制御されて整然と配列し広がって露出することとなる結果、小さくなっている。コーティング剤を塗布した後に静置すると、既に形成された界面での経時的に平衡に達したときの静的な表面張力も、小さくなっている。
さらに、コーティング剤用表面調整剤中の共重合物が、塗布後の界面で、そのアルキル基同士や極性基同士の立体的・静電気的な反発を避けるように共重合物の主鎖の結合軸が回転し、フッ素置換アルキル基同士が互いにvan der Waals力により相互作用して寄せ付けあい整然と密な配列を形成した共重合物となっている。それを含む塗液であるコーティング剤は、フッ素置換アルキル基が液表面から密に整然と露出するから、その表面張力が極めて低下し、消泡作用等が一層強くなる。しかも、塗液から溶媒を揮発させたり硬化させたりして塗膜を形成させたとき、フッ素置換アルキル基が多すぎて、アルキル基が少ない場合(即ち、モノマー(A)が40重量部以上66重量部未満でモノマー(B)が0.1重量部未満の場合、又はモノマー(A)が66重量部以上85重量部未満でモノマー(B)が3重量部未満の場合)、その共重合物は、フッ素置換アルキル基が過度に密に充填しているため結合軸は自由に回転しない。そのためフッ素置換アルキル基が塗膜表面から密に整然と露出するため、塗膜の表面張力を極端に低下させてしまう。よって得られた塗膜への上塗り適正や塗膜の耐汚染性を悪化させてしまう。しかし、適量のアルキル基を配合する場合(即ち、モノマー(A)が40重量部以上66重量部未満でモノマー(B)が0.1重量部以上3重量部未満の場合、又はモノマー(A)が66重量部以上85重量部未満でモノマー(B)が3重量部以上20重量部未満の場合)、フッ素置換アルキル基が適度に密に充填しているため、結合軸が自由に回転できるので、フッ素置換アルキル基が潜りこみ代わりに膜表面から親水性基が密に露出するといういわゆるフリップ−フロップ現象を起こす結果、撥水撥油性が発現せず、親水性物質への湿潤性が向上するので撥水痕を残さず耐汚染性に優れ、さらに上塗り適性も一層優れたものとなる。
以下、本発明を適用するコーティング剤用表面調整剤と、その表面調整剤を含有する非水系又は水系コーティング剤と、それを用いた塗装膜との調製例を、実施例1〜9に示す。また本発明を適用外のコーティング剤用表面調整剤と、その表面調整剤を含有する非水系又は水系コーティング剤と、それを用いた塗装膜との調製例を、比較例1〜13に示す。
(実施例1)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にキシレン150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート60重量部、メチルメタクリレート2重量部、n−ブトキシエチルメタクリレート38重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてキシレンに滴下した。110℃で2時間反応させ、表面調整剤として、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めた理論SP値は、8.8であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、18000であった。
次に、まず以下のようにしてコーティング剤の主剤を調製した。不揮発成分50%であって水酸基価50であるアクリルポリオール樹脂のトルエン−酢酸ブチル溶液のアクリディックA−801(DIC(株)製の商品名)20.5g、酸化チタンとしてCR−93(石原産業(株)製の商品名)25.8g、顔料分散剤としてフローレンDOPA−17(共栄社化学(株)製の商品名)2.6g、シンナー(キシレン/酢酸ブチル=70/30)11.6g、および直径1.5〜2.0mmのガラスビーズ200gを225mlのガラス瓶に加え、ペイントシェーカーにより1時間攪拌した。1時間後、アクリディックA−801の71.1gを加えてレッドダウンして希釈してから、ガラスビーズを瀘別し、コーティング剤の主剤を調製した。
得られたコーティング剤の主剤100gに、前記フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を固形分換算で0.5重量%加え、ラボディスパーを用いて3000rpmで3分間混合した。これに対してイソシアネート化合物であるスミジュールN−75(住化バイエルウレタン(株)製の商品名)15.3gを加え、フォードカップ(No.4)を用いて15秒/20℃にシンナーで希釈し、1000rpmで2分間混合し、非水系コーティング剤を調製した。
その後、口径1.0mmで吐出圧3.5kg/cmのエアスプレーにより、温度25℃、湿度70%の条件下でアルミ板にコーティング剤を塗装し、室温で3日間静置することにより硬化塗装膜を得た。
(実施例2)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にキシレン150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート65重量部、2−エチルヘキシルアクリレート2重量部、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート31重量部、ステアロキシポリエチレングリコール(9)モノメタクリレートであるブレンマーPSE−400(日油(株)製の商品名)2重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてキシレンに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.7であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、17000であった。
次いで、実施例1の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、非水系コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(実施例3)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にキシレン150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート70重量部、メチルメタクリレート10重量部、ライトエステル130MA(共栄社化学(株)製の商品名)20重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてキシレンに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.7であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、16000であった。
次いで、実施例1の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、非水系コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(実施例4)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にキシレン150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート75重量部、n−ブチルアクリレート15重量部、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート10重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてキシレンに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.6であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、15000であった。
次いで、実施例1の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、非水系コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(実施例5)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にメチル イソブチル ケトン(MIBK)の150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート50重量部、n−ブチルアクリレート1重量部、n−ブトキシエチルメタクリレート49重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてMIBKに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.9であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、17000であった。
次いで、ウレタンアクリレートUA−306H(共栄社化学(株)製の商品名)16重量部、n−ブチルアクリレート4重量部、光重合開始剤イルガキュア184(チバ・ジャパン(株)製の商品名)0.6重量部、希釈溶剤としてトルエンを79.4重量部に前記フッ素含有(メタ)アクリル共重合物液を固形分で0.5重量%加え、ラボディスパーを用いて1000rpmで2分間混合し、UV硬化型コーティング剤を調製した。
その後、口径1.0mmで吐出圧3.5kg/cmのエアスプレーにより、温度25℃、湿度70%の条件下で試験紙にコーティング剤を塗装し、60℃で10分間乾燥させた後、80W高圧水銀灯活性エネルギー照射装置(日本電池(株)製)を用いて600mJ/cm2の活性エネルギーを試験体との距離10cmで照射し、硬化塗装膜を得た。
(実施例6)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にMIBKの150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート60重量部、エチルアクリレート2重量部、ライトエステル130MA(共栄社化学(株)製の商品名)38重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてMIBKに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.8であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、16000であった。
次いで、実施例5の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、UV硬化型コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(実施例7)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にMIBKの150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート70重量部、2−エチルヘキシルアクリレート15重量部、ライトエステル130MA(共栄社化学(株)製の商品名)15重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてMIBKに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.6であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、16000であった。
次いで、実施例5の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、UV硬化型コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(比較例1)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にキシレン150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、トリフルオロエチルメタクリレートであるライトエステルM−3F(共栄社化学(株)製の商品名)90重量部、ラウリルメタクリレート1.5重量部、ライトエステル130MA8.5重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてキシレンに滴下した。110℃で2時間反応させ、共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.8であった。得られた共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、19000であった。
次いで、実施例1の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、非水系コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(比較例2)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた装置にキシレン150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、パーフルオロオクチルエチルメタクリレートであるライトエステルFM−108(共栄社化学(株)製の商品名)70重量部、ラウリルメタクリレート1.5重量部、ライトエステル130MA(共栄社化学(株)製の商品名)28.5重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてキシレンに滴下した。110℃で2時間反応させたが、反応途中で生成物がキシレンに不溶となり、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液は得られなかった。Fedors法により求めたSP値は、8.4であった。
(比較例3)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にキシレン150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、ライトエステルFM−108(共栄社化学(株)製の商品名)30重量部、ラウリルメタクリレート1.5重量部、ライトエステル130MA(共栄社化学(株)製の商品名)68.5重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてキシレンに滴下した。110℃で2時間反応させ、共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、9.1であった。得られた共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、16000であった。
次いで、実施例1の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、非水系コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(比較例4)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にキシレン150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート45重量部、2−エチルヘキシルアクリレート50重量部、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート5重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてキシレンに滴下した。110℃で2時間反応させ、共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.9であった。得られた共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、19000であった。
次いで、実施例1の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、非水系コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(比較例5)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にキシレン150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート90重量部、ラウリルメタクリレート1.5重量部、ライトエステル130MA(共栄社化学(株)製の商品名)8.5重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてキシレンに滴下した。110℃で2時間反応させたが、反応途中で生成物がキシレンに不溶となり、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液は得られなかった。Fedors法により求めたSP値は、8.2であった。
(比較例6)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にキシレン150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート75重量部、イソブチルアクリレート2.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート22.5重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてキシレンに滴下した。110℃で2時間反応させ、共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、9.9であった。得られた共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、17000であった。
次いで、実施例1の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、非水系コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(比較例7)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にMIBKの150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、ライトエステルFM−108(共栄社化学(株)製の商品名)40重量部、ラウリルメタクリレート2重量部、n−ブトキシエチルメタクリレート58重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてMIBKに滴下した。110℃で2時間反応させ、共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.9であった。得られた共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、17000であった。
次いで、実施例5の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、UV硬化型コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(比較例8)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にMIBKの150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート60重量部、n−ブチルメタクリレート40重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてMIBKに滴下した。110℃で2時間反応させ、共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.9であった。得られた共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、19000であった。
次いで、実施例5の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、UV硬化型コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(比較例9)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にMIBKの150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート70重量部、2−エチルヘキシルアクリレート2.5重量部、ライトエステル130MA(共栄社化学(株)製の商品名)27.5重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてMIBKに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.6であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、15000であった。しかし、共重合物のピークとは別に低分子両側に大きなピークが出ており、未反応のモノマーが多く残っていた。
次いで、実施例5の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、UV硬化型コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
実施例1〜7および比較例1、3、4、6〜9の各コーティング剤の物性を調べるため、塗液の静的表面張力および動的表面張力、塗装膜の表面張力、平滑性の評価を行った。
なお、比較のためブランク試験を行った。共重合物液を全く添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして非水系コーティング剤を調製したブランクA、実施例5と同様にしてUV硬化型コーティング剤を調製したブランクBについても、それぞれ塗液の静的表面張力および動的表面張力、塗膜の表面張力および平滑性の評価を行った。
(塗液の静的表面張力の測定)
静的表面張力計K100MK2(KRUSS社製)により25℃にて白金板を用いたウィルヘルミー法にてコーティング剤の静的表面張力を測定した。
塗液の静的表面張力は、ブランク試験の測定値を基準とし、3.0mN/m以上の低下の場合を○、1.0〜3.0mN/mの低下の場合を△、1.0mN/m未満の低下の場合を×とする3段階で評価した。その結果を表2に示す。
(塗液の動的表面張力の測定)
動的表面張力計BP2(KRUSS社製)により25℃にて最大泡圧法にてコーティング剤の動的表面張力を測定した。測定結果を図1、2に示す。
塗液の動的表面張力は、表面寿命が1000ms以下での表面張力がブランク試験の測定値を基準として、3.0mN/m以上の低下の場合を○、3.0mN/m未満の低下の場合を×とする2段階で評価した。その結果を表2に示す。
(塗装膜の表面張力の測定)
塗装膜に標準液(ホルムアミド/エチレングリコールモノエチルエーテル)を綿棒を用いて塗布し、2秒間放置した後の状態を観察した。標準液はJIS K−6768:ポリエチレンおよびポリプロピレンフィルムの濡れ性試験方法を参考にし、表1に示す換算値を用いた。標準液を塗布して2秒後にもなお標準液塗布時の状態を維持していた場合は、さらに表面張力の高い標準液を用いて同様の操作を繰り返した。一方、標準液を塗布して2秒後に全体的な収縮を生じた場合は、さらに表面張力の低い標準液を用いて同様の操作を繰り返した。これらの操作を繰り返し、塗装膜の表面を2秒間濡らした状態で維持することができる標準液の種類を選定し、その標準液の表面張力を塗装膜の表面張力とした。
塗装膜の表面張力は、共重合物液を全く添加しないブランク試験の塗装膜の表面張力以上の場合を○、ブランク試験の塗装膜の表面張力より低い場合を×とする2段階で評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2010106240
Figure 2010106240
(塗装膜の平滑性の測定)
塗装膜の平滑性を目視およびウェーブスキャン(BYK−Gardner社製)を用いて評価を行った。ウェーブスキャンによる測定方法は、単位面積当たりに一定の量の光源(レーザー)をあて、反射光の分散度を測定し平滑性評価を行うというものである。分散値が高い(縦軸の数値が高い)程、平滑性が悪く、分散値が低い程、平滑性が優れていることを示す。測定結果を図3、4に示す。
Wa(走査波長0.1〜0.3mm)の分散値が10以下、Wb(走査波長0.3〜1mm)の分散値が20以下、Wc(走査波長1〜3mm)の分散値が20以下、Wd(走査波長3〜10mm)の分散値が20以下、We(走査波長10〜30mm)の分散値が15以下を合格値とし、合格した波長域の数が5つの場合を○、3〜4の場合を△、0〜2の場合を×とする3段階で評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2010106240
表2、3および図1〜4から明らかなとおり、実施例のコーティング剤は、ブランクと比べ塗液の静的表面張力および動的表面張力ともに大きく低下しているが、塗膜の表面張力は同等又は上昇させている。それに対して、比較例のコーティング剤は、静的表面張力を大きく低下させるが、動的表面張力をあまり低下させていなかったり、静的、動的ともに表面張力を低下させているが、塗膜の表面張力も大きく低下させていたりしていた。
平滑性に関し、実施例のコーティング剤では、ブランクおよび比較例と比べて、全ての波長域において平滑性が優れているという結果が得られた。
(水系コーティング剤への適用)
以下、本発明を適用するコーティング剤用表面調整剤を含有する水系コーティング剤を調製した例を実施例8、9に示し、本発明を適用外のコーティング剤用表面調整剤を含有する水系コーティング剤を調製した例を比較例10〜13に示す。
(実施例8)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にソルフィット((株)クラレ製の商品名)150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート55重量部、メチルメタクリレート2重量部、ライトエステル130MA(共栄社化学(株)製の商品名)43重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてソルフィットに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.8であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、15000であった。
次に、ビニル変性アルキド樹脂ウォーターゾールBCD3050(DIC(株)製の商品名)278.1重量部、酸化チタンテイカJR−600A(テイカ(株)製の商品名)300重量部、消泡剤アクアレン832(共栄社化学(株)製の商品名)0.3重量部、イオン交換水30重量部、および直径1.5〜2.0mmのガラスビーズ300重量部を900mlガラス瓶に加え、ペイントシェーカーにより2時間攪拌し、その後、ウォーターゾールBCD3050(DIC(株)製の商品名)307.2重量部、メラミン樹脂サイメル370N(日本サイテックインダストリーズ(株)製の商品名)68.1重量部、アクアレン832(共栄社化学(株)製の商品名)0.3重量部を加えてレッドダウンしてガラスビーズを濾別した後、フォードカップ(No.4)を用いて20秒/20℃にイオン交換水で希釈してコーティング剤を調製した。
このコーティング剤に前記フッ素含有(メタ)アクリル共重合物液を固形分で0.5重量%を加え、1000rpmで5分間混合し、コーティング剤を調製した。
口径1.0mmで吐出圧3.5kg/cmのエアスプレーにより、温度25℃、湿度70%の条件下でアルミ板にコーティング剤を塗装し、プレヒートを60℃で10分間行った後、140℃で20分間加熱し、硬化塗装膜を得た。
(実施例9)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にソルフィット((株)クラレ製の商品名)150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート40重量部、イソブチルアクリレート2.5重量部、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート57.5重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてソルフィットに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、9.1であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、14000であった。
次いで、実施例8の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、水系コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(比較例10)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にソルフィット((株)クラレ製の商品名)150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、ライトエステルM−3F(共栄社化学(株)製の商品名)65重量部、メチルメタクリレート2重量部、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート33重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてソルフィットに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、9.0であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、16000であった。
次いで、実施例8の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、水系コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(比較例11)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にソルフィット((株)クラレ製の商品名)150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、ライトエステルFM−108 50重量部、メチルメタクリレート2重量部、ライトエステル130MA(共栄社化学(株)製の商品名)48重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてソルフィットに滴下した。110℃で2時間反応させたが、反応途中で生成物がソルフィットに不溶となり、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液は得られなかった。Fedors法により求めたSP値は、8.9であった。
(比較例12)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にソルフィット((株)クラレ製の商品名)150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−エチルヘキシルメタクリレート50重量部、ライトエステル130MA(共栄社化学(株)製の商品名)50重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてソルフィットに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、9.2であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、16000であった。
次いで、実施例8の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、水系コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
(比較例13)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にソルフィット((株)クラレ製の商品名)150重量部を入れて、液温を110℃に保温した。窒素雰囲気下で、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート50重量部、ライトエステル130MA(共栄社化学(株)製の商品名)50重量部、パーオクタO(日油(株)製の商品名)1重量部の混合溶液を約1時間かけてソルフィットに滴下した。110℃で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。Fedors法により求めたSP値は、8.9であった。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算した値で求めたところ、14000であった。
次いで、実施例8の共重合物液に代えてこの共重合物液を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、水系コーティング剤を調製し、硬化塗装膜を得た。
なお、比較のためブランク試験を行った。共重合物液を全く添加しなかったこと以外は、実施例8と同様にして水系コーティング剤を調製したブランクCについても、それぞれ塗液の静的表面張力および動的表面張力、塗膜の表面張力および平滑性の評価を行った。
実施例8、9および比較例11、13、14の各水系コーティング剤の物性を調べるため、塗液の静的表面張力および動的表面張力、塗装膜の表面張力、平滑性の評価を、前記非水系コーティング剤の時と同様の方法で行い、合否の判断基準は以下のように行った。
塗液の静的表面張力は、ブランク試験の測定値を基準として、15mN/m以上の低下の場合を○、10〜15mN/mの低下の場合を△、10mN/m未満の低下の場合を×とする3段階で評価した。その結果を表4に示す。
塗液の動的表面張力は、表面寿命が1000ms以下での表面張力がブランク試験の測定値を基準として、10mN/m以上の低下の場合を○、10mN/m未満の低下の場合を×とする2段階で評価した。測定結果を図5に、評価の結果を表4に示す。
塗装膜の表面張力は、非水系コーティング剤の場合と同様の判断基準で行った。結果を表4に示す。
Figure 2010106240
塗装膜の平滑性に関し、非水系コーティング剤の場合と同様の測定を行なった。測定結果を図6に示す。また、非水系コーティング剤の場合と同様の判断基準で評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2010106240
表4、5および図5、6から明らかなとおり、実施例のコーティング剤はブランクと比べ塗液の静的表面張力および動的表面張力ともに大きく低下しているが、塗膜の表面張力は同じもしくは上昇させている。
それに対して、比較例のコーティング剤は静的表面張力を大きく低下させるものはあるが、動的表面張力は実施例と比べると低下しておらず、また、静的表面張力を低下させている比較例については、塗装膜の表面張力は、ブランクより大きく低下している。
平滑性に関し、実施例のコーティング剤は、ブランクおよび比較例と比較して、全ての波長域において平滑性が優れるという結果が得られた。
本発明のコーティング剤用表面調整剤は、高速で高シェアのかかるスピンコート、スプレーコート、ディップコート、バーコート、ドクターブレード、ロールコート、フローコートなどに用いられるコーティング剤に添加して用いられる。また、この表面調整剤は、これらのコーティング剤中に、湿潤剤、レベリング剤として、添加される。
この表面調整剤が添加されたコーティング剤は、塗料、インキ、フォトレジスト液、カラーフィルター形成用原料液等として、塗装膜を形成するのに有用である。

Claims (9)

  1. 下記化学式(1)
    CH=C(R)−CO−O−R−R ・・・(1)
    (式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは−(CH−で示されnを0〜4とする基、Rは炭素数2〜6のパーフルオロアルキル基)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A)と、アルキル(メタ)アクリレートモノマー(B)と、モノ−又はポリ−オキシアルキレン基の片末端がアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エステル基、4級アンモニウム基から選ばれる不活性基で封鎖されたモノ−又はポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートモノマー(C)とが、モノマー(A)を40重量部以上66重量部未満としモノマー(B)を0.1重量部以上3重量部未満としモノマー(C)を31重量部以上59.9重量部未満として共重合し、又はモノマー(A)を66重量部以上85重量部未満としモノマー(B)を3重量部以上20重量部未満としモノマー(C)を0.1重量部以上31重量部未満として共重合しており、その重量平均分子量を3000〜50000とする共重合物を、含有していることを特徴とするコーティング剤用表面調整剤。
  2. 前記モノマー(A)が、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤用表面調整剤。
  3. 前記モノマー(B)が、炭素数1〜12のアルキル基を含有するアルキル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤用表面調整剤。
  4. 前記モノマー(C)が、前記不活性基を炭素数1〜4のアルキル基とし、前記モノ−又はポリ−オキシアルキレン基を炭素数2〜4のオキシアルキレン基の繰返し単位でその繰返し数1〜20とするモノ−又はポリ−オキシアルキレニル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤用表面調整剤。
  5. 前記共重合物が、Fedors法で求めた溶解性パラメーター値が8.0〜10.0
    であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤用表面調整剤。
  6. 請求項1に記載のコーティング剤用表面調整剤からなることを特徴とする湿潤剤。
  7. 請求項1に記載のコーティング剤用表面調整剤からなることを特徴とするレベリング剤。
  8. 請求項1に記載のコーティング剤用表面調整剤と、コーティング剤成分とが、含まれていることを特徴とするコーティング剤。
  9. 請求項8に記載のコーティング剤が塗装されて硬化していることを特徴とする塗装膜。
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