JP5139138B2 - 耐汚染性付与塗料組成物及び汚染防止方法 - Google Patents

耐汚染性付与塗料組成物及び汚染防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐汚染性付与塗料組成物、及び該塗料組成物を用いた汚染防止方法に関する。本発明の耐汚染性付与塗料組成物を塗装してなる物品は、耐薬品性、耐候性、撥水性に優れるが、特に汚染防止に有効であり、汚染された場合において優れた汚染除去性を示す。
プラスチック類、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、メチルメタクリレート−スチレン樹脂(MS)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、トリアセチルセルロース(TAC)などはその軽量さ、易加工性、意匠性等に優れているために、例えば包装材、容器、パネル等種々の用途に用いられている。
特にこれらのプラスチック素材は透明性に優れるという点から光学関連用途、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの表示機器のタッチパネルにガラスと同様に多く用いられている。
しかし、特にタッチパネルに用いられるこれらガラスやプラスチック類には指紋が付着し、視認性及び機器の操作安定性などに問題を生じることがある。また、一旦付着した指紋は拭き取りなどの方法で簡単に除去できないという問題点があった。更に携帯電話などでは画面部分に皮脂が付着して容易に除去できないために、ズボンで拭き取るような様が往々にしてみられるところである。
このような問題を解決するために、これらガラスやプラスチック類に塗装することが一般的に行われている。このような皮脂、指紋を付着しにくくし、除去性を高めるためには大別して3種類の手法が試みられている。
(1)低表面エネルギーのパーフルオロアルキル基を有する重合体を塗装し、表面に撥水・撥油性を付与する手法(特許文献1)。
(2)同様に低表面エネルギーであるポリジメチルシロキサンを含む重合体を塗装し、表面に撥水・撥油性を付与する手法(特許文献2)。
(3)表面に微細な凹凸をつけて撥水撥油性を更に向上させ、同時に油分の接触面積を減らすことによって汚れを付きにくくする方法(特許文献3)。
このような方法では、その塗膜が撥油性であるために付着した皮脂、指紋等の油分をはじいてしまい、よけいに汚れが目立つのが欠点であった。また特に(3)の方法によると、液晶バックライトの光を散乱してしまい、輝度が低下するという問題点があった。
一方、撥水・撥油性以外の方法論としては下記のような手法が挙げられる。
(4)表面を超親水化することにより汚れを付着しにくくする方法(特許文献4)。
(5)前記したパーフルオロアルキル基やポリジメチルシロキサンを導入して撥水・撥油化すると同時にある特定の親水基をも導入して汚れの除去性を改良する方法(特許文献5)。
(6)表面を撥水・親油化することによって、例え皮脂成分が付着した場合でも目立たなくする方法(特許文献6)。
このうち、(4)の方法によると汚れは付着しにくくなるが、一旦付着してしまった汚れは逆にとりにくくなってしまう。(5)の方法では前記(1)から(3)の方法と同じく汚れが目立つのが欠点である。また(6)の方法では付着した指紋が目立たなくはなるが本質的な解決ではなく、また、塗膜を作製するときに非常に煩雑な操作を必要とするのが欠点である。
また、方法(6)の技術的思想に基づいたものとして特許文献7が挙げられる。この手法によると、耐指紋付着性、特に付着した汚れの除去性に優れるものではあるが、ラジカル型活性エネルギー線硬化組成物に少量の撥水・親油性成分を添加しているので、汚れ除去性の維持性(長期に亘る汚れ除去性)に劣るものであった。また、汚れ除去性の維持性を改良するためにこの撥水・親油成分のみを単独で用いて塗膜を形成すると、その塗膜硬度がせいぜい鉛筆硬度で4B程度しかなく、実用には耐えないものであった。
特開平10−104403号公報 特開平10−7986号公報 特開平10−310455号公報 特開平9−268280号公報 特開平2000−290535号公報 特開2001−353808号公報 特開2004−359834号公報
本発明の課題は、塗膜を形成したときに耐薬品性、耐候性、塗膜硬度に優れ、しかも表面に付着した皮脂等の汚れ成分を容易に除去することが可能であり、その維持性にも優れた塗膜を得ることができる塗料組成物、及び汚染防止方法を提供することにある。加えて、本発明の塗料組成物は紫外線(UV)、電子線(EB)で硬化可能であるために、熱による硬化(加熱硬化)よりも少ないエネルギーで硬化塗膜を形成できる。
前記の課題は、本発明により、(I)(A)炭素数10以上の脂肪族又は脂環式アルキル基の重合体末端にラジカル重合性二重結合を有するモノマー1〜50重量%、(B)硬化性官能基を有するモノマー5〜50重量%、及び必要に応じて(C)前記モノマー(A)及び前記モノマー(B)に属さないモノマー0〜94重量%、を反応させて得られるグラフト共重合体、並びに(II)前記モノマー(B)の硬化性官能基を架橋させることができる硬化剤、を含有する塗料組成物により解決することができる。
本発明による塗料組成物の好ましい態様においては、前記モノマー(A)が、炭素数10以上の直鎖脂肪族アルキル基の重合体末端にラジカル重合性二重結合を有するモノマーである。
また、本発明による塗料組成物の好ましい態様においては、前記モノマー(B)の硬化性官能基が、紫外線カチオン硬化が可能である3,4−エポキシシクロヘキシル基、グリシジル基、テトラヒドロフルフリル基、オキセタニル基、トリ又はジアルコキシシリル基からなる群から選ばれる、少なくとも一種の基であり、前記硬化剤(II)が紫外線カチオン硬化剤である。
また、本発明による塗料組成物の好ましい態様においては、前記モノマー(C)が、オルガノポリシロキサンを有するモノマー及びフッ化アルキル基を有するモノマー以外のモノマーである。
更に、本発明は、前記の塗料組成物を塗装して塗膜を形成することを特徴とする汚染防止方法にも関する。
なお、本明細書中において、(メタ)アクリレートはアクリレート及びメタクリレートを包含して意味するものとし、例えばメチル(メタ)アクリレートはメチルアクリレートとメチルメタクリレートの両方を意味するものとする。
本発明の塗料組成物及び汚染防止方法は表面の汚染を効果的に防止することができる。詳しくは、本発明の塗料組成物は撥水性を有しているために水性の汚れ、例えば水垢(ケイ酸カルシウム等の無機成分)やほこりやちり等の他、指紋、皮脂等の油汚れが付着することを防止する塗膜を形成することが可能であり、例えこれらの汚染物質が付着したとしても、塗膜の有する撥水・親油性により容易に汚染物質を除去することができ、更に汚染物質の除去性の維持性も良好である。
加えて本発明の塗料組成物によって形成された塗膜は、耐薬品性、耐候性、塗膜硬度に優れている。
更に、本発明の塗料組成物は、カチオン紫外線(UV)硬化が可能であるために、熱による硬化(加熱硬化)よりも少ないエネルギーで硬化塗膜を形成できる。
本発明の塗料組成物は、ある特定のグラフト共重合体(I)及び硬化剤(II)を含有することを特徴とする。
《グラフト共重合体(I)》
本発明のグラフト共重合体(I)は、(A)炭素数10以上の脂肪族又は脂環式アルキル基の重合体末端にラジカル重合性二重結合を有するモノマー(以下、モノマー(A)と称することがある)、(B)硬化性官能基を有するモノマー(以下、モノマー(B)と称することがある)、及び必要に応じて(C)前記モノマー(A)及び前記モノマー(B)に属さないモノマー(以下、モノマー(C)と称することがある)を共重合するという製造方法によって得られる。
〔モノマー(A)〕
モノマー(A)は炭素数10以上の脂肪族又は脂環式アルキル基の重合体末端にラジカル重合性二重結合を有するモノマーであれば、特に限定されず、後述のグラフト共重合体の製造に用いることができる。
前記重合体の脂肪族又は脂環式アルキル基の炭素数の上限も、特に限定されないが、好ましくは24以下である。
モノマー(A)は、炭素数10以上の脂肪族又は脂環式アルキル基の重合体末端にラジカル重合性二重結合を有する化合物を導入することにより得ることができ、例えば、連鎖移動、又は高分子反応により導入することができる。例えば、連鎖移動によりモノマー(A)を製造する場合は、以下の工程により製造することができる。モノマー(A)は、官能基含有連鎖移動剤(A−1)(以下、成分(A−1)と称することがある)の存在下に炭素数10以上の脂肪族又は脂環式アルキル基を有するモノマー(A−2)(以下、成分(A−2)と称することがある)を重合した後に、残余のポリマー末端官能基を別のラジカルモノマー(A−3)(以下、成分(A−3)と称することがある)の側鎖部分を反応させて製造することができる。
成分(A−1)は、その構成成分として連鎖移動部分として機能するメルカプト基と、他種の官能基を有していれば特に限定されるものではないが、例えば、他の官能基として、カルボキシル基を有するものとしては、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸等が挙げられ、水酸基を有するものとしては、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−1−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、1−チオグリセロール、メルカプトフェノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール等が挙げられ、アルコキシシリル基を有するものとしては3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。中でも、後述するモノマー(B)と反応する可能性のない中性の水酸基を有しており、かつ官能数が1である2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−1−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノールが特に好ましい。
成分(A−1)は1種又は2種以上を併用して用いることができる。
成分(A−2)は、炭素数10以上の脂肪族又は脂環式アルキル基を有していれば特に制限はなく、具体例としては例えば、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、又はアダマンチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系モノマー;デシルビニルエステル、ラウリルビニルエステル、ステアリルビニルエステル、又は分岐状モノカルボン酸のビニルエステル〔ベオバ:ヘキシオン(株)製〕等のビニルエステル系モノマー;デシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;デシル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド、トリデシル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミドのアクリルアミド系モノマー;(メタ)アクリル酸、アンゲリカ酸、クロトン酸、マレイン酸、4−ビニル安息香酸、p−ビニルベンゼンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、又はモノ{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}アシッドホスフェート等の酸性ビニルモノマーにデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、又は分岐状カルボン酸グリシジルエステル〔カージュラE;ヘキシオン(株)製〕のようなエポキシ化合物との付加物等が挙げられ、中でも耐候性や共重合性の観点から(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく用いられる。
成分(A−2)は1種又は2種以上を併用して用いることができる。
成分(A−1)存在下で成分(A−2)を重合させるためには、公知慣用の任意の重合方法を用いることができ、中でも溶液ラジカル重合法によるのが最も簡便であり、特に好ましい。
例えば、溶液重合の際に用いられる溶剤としては、少なくとも成分(A−1)の官能基と反応しなければ特に制限なく用いられる。このようなものの具体例としては例えば、トルエン、キシレン、又は芳香族炭化水素の混合溶剤〔ソルベッソ100;エクソンモービル(有)製〕等の芳香族炭化水素化合物;n−ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ミネラルスピリット、又はケロシン等の脂肪族、脂環族炭化水素化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、又はブチルセロソルブアセテート等のエステル系化合物;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール系化合物;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン等のケトン系化合物等を挙げることができ、これらの溶剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
成分(A−1)存在下で成分(A−2)を重合させるには、公知慣用の種々のラジカル重合開始剤、例えば、アゾ系化合物又は過酸化物系化合物のようなラジカル重合開始剤を用いて、常法により実施することができる。重合時間は特に制限されないが、通常1〜48時間の範囲が選ばれる。また、重合温度は通常30〜120℃、好ましくは60〜100℃である。
成分(A−1)と(A−2)の反応物においては、その分子量は特に限定されるものではないが、その数平均分子量が、ポリスチレン換算のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、好ましくは約1,000〜200,000、より好ましくは約2,000〜100,000の範囲である。1,000未満とすると塗膜としたときの撥水・親油性が低下する傾向にあり、200,000を超えると、次ステップであるグラフト共重合体(I)の製造時にゲル化する危険がある。
本発明におけるモノマー(A)を製造するためには、(A−1)と(A−2)の反応を行った後に更に成分(A−3)を反応させる。
成分(A−3)は、成分(A−1)の残余の官能基と反応する官能基とラジカル重合性二重結合を有しているモノマーであれば特に制限なく用いることができる。例えば成分(A−1)の残余の官能基がカルボキシル基である場合には、例えばエポキシ基とラジカル重合性二重結合を有していればよく、具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また例えば成分(A−1)の残余の官能基が水酸基である場合には、例えば酸無水物基とラジカル重合性二重結合、又はイソシアネート基とラジカル重合性二重結合を有していればよく、具体例としては、無水マレイン酸、(メタ)アクリロイルイソシアネート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。また例えば成分(A−1)の残余の官能基がアルコキシシリル基である場合には、例えば水酸基とラジカル重合性二重結合、又はアルコキシシリル基とラジカル重合性二重結合を有していればよく、具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。中でも耐候性、及び反応の容易さという観点からイソシアネート基とラジカル重合性二重結合を有しているモノマーが好ましい。
成分(A−3)は、1種又は2種以上を併用して用いることができる。
成分(A−3)と成分(A−1)の残余の官能基との反応において、成分(A−3)の添加量は1当量以上で反応させることが好ましい。1当量未満では未反応の成分(A−1)が残存するために結果的に塗膜硬度が低下したり、塗膜にタック感が生じることがあり好ましくない。
成分(A−3)と成分(A−1)の残余の官能基との反応によってモノマー(A)を製造するためには、それらの官能基の選択に依存するため一概には言えないが、通常60℃から140℃程度で、必要に応じて重合禁止剤、触媒等を添加して行えばよい。
前記成分(A−1)〜(A−3)を反応させて得られるモノマー(A)は、グラフト共重合体(I)を製造するために使用するモノマー(A)、(B)、及び(C)の全量、又はモノマー(A)及び(B)の全量に対して1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%の範囲で用いられる。1重量%未満とすると所期の目的である撥水・親油性が得られないために結果として汚染除去性が低下する。一方、50重量%を超えると最終的に得られる塗膜の硬度が低下したり、このために汚染除去性の維持性が低下する場合がある。
〔モノマー(B)〕
モノマー(B)は硬化性官能基を有するモノマーであれば、特に限定されないが、グラフト共重合体の重合反応のために、ラジカル重合性二重結合を有している。硬化性官能基としては、熱硬化、又はエネルギー線、例えば紫外線(UV)若しくは電子線(EB)により架橋する官能基を挙げることができ、重合、縮合、又は付加反応により架橋される官能基を含む。紫外線による硬化は、ラジカル紫外線硬化とカチオン紫外線硬化を挙げることができるが、カチオン紫外線硬化により架橋する官能基が好ましい。
好ましくは、カチオン紫外線(UV)硬化が可能である官能基を有するモノマーである。本明細書において、「カチオン紫外線(UV)硬化」とは、紫外線の照射により硬化剤から発生する酸によって、官能基が重合又は縮合を起こすことにより、官能基を含む化合物が架橋することを意味する。従って、前記官能基は、より具体的には、紫外線の照射により硬化剤から発生する酸によって、重合又は縮合を起こすことのできる官能基である。
このようなカチオン紫外線(UV)硬化が可能である官能基を有するモノマーとしては、3,4−エポキシシクロヘキシル基、グリシジル基、テトラヒドロフルフリル基、オキセタニル基、トリ又はジアルコキシシリル基を有するモノマーが挙げられる。
モノマー(B)の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルメチルオキセタン等が挙げられ、中でも共重合性の観点から(メタ)アクリレート系及び/又はスチレン系モノマーからなる群の1種又は2種以上が好ましく用いられる。
モノマー(B)は、グラフト共重合体(I)を製造するために使用するモノマー(A)、(B)、及び(C)の全量、又はモノマー(A)及び(B)の全量に対して5〜50重量%、好ましくは10〜45重量%、より好ましくは15〜40重量%の範囲で用いられる。5重量%未満とすると、得られる塗膜の架橋密度が低下するために塗膜硬度の低下を招き好ましくない。50重量%を超えると、得られる塗膜が脆いものとなることがあり好ましくない。
〔モノマー(C)〕
モノマー(C)は必ずしも必須成分ではないが、使用する場合には少なくとも、オルガノポリシロキサンを有するモノマー及びフッ化アルキル基を有するモノマー以外から選択される必要がある。
オルガノポリシロキサンを有するモノマー及び/又はフッ化アルキル基を有するモノマーを含有させてしまうと、得られる塗膜が撥水・撥油性となってしまい、所期の目的である撥水・親油性、即ち特に皮脂、指紋等の油分に対して汚染除去性が得られなくなる。
モノマー(C)は、官能基を有しているか、あるいは有していないモノマーであり、官能基を有している場合にはモノマー(A)、(B)との重合条件下で反応する官能基を有することはできない。モノマー(A)、(B)との重合条件下で反応する官能基を有するモノマーの具体例としては、例えば、塩基性窒素含有モノマー、酸性ビニルモノマー等が挙げられる。より詳しくは、ビニルピリジン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、4−(N,N−ジメチルアミノ)スチレン、又はN−{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}ピペリジン等の塩基性窒素含有モノマー;(メタ)アクリル酸、アンゲリカ酸、クロトン酸、マレイン酸、4−ビニル安息香酸、p−ビニルベンゼンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、又はモノ{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}アシッドホスフェート等の酸性ビニルモノマー等が挙げられる。
モノマー(C)の具体例としては、スチレン、p−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、又はビニルトルエン等のスチレン系モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、又はベンジル(メタ)アクリレート等の炭化水素基をもつ(メタ)アクリレート系モノマー;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、又は分岐状モノカルボン酸のビニルエステル〔ベオバ:ヘキシオン(株)製〕等のビニルエステル系モノマー;アクリロニトリル、又はメタクリロニトリル等のアクリロニトリル系モノマー;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、又はシクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、又はジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド系モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、又は3,4−エポキシビニルシクロヘキサン等のエポキシ基含有モノマー;p−ヒドロキシメチルスチレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;前記水酸基含有モノマーにε−カプロラクトン、テトラヒドロフラン等を開環付加させた水酸基含有モノマー;前記酸性ビニルモノマーにε−カプロラクトン、テトラヒドロフラン等を開環付加させた水酸基含有モノマー;前記酸性ビニルモノマーにブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、分岐状カルボン酸グリシジルエステル〔カージュラE;ヘキシオン(株)製〕のようなエポキシ化合物との付加物等の水酸基含有モノマー;ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシエチルメチルジメトキシシラン等のシラン系モノマー;その他マレイミド、ビニルスルホン等を挙げることができ、主として共重合性、耐候性の観点から、前記の(メタ)アクリレート系モノマー、及び/又はスチレン系モノマーからなる群から選択される1種類又は2種類以上が好ましく用いられる。
モノマー(C)は、グラフト共重合体(I)を製造するために使用するモノマー(A)、(B)、及び(C)の全量に対して0〜94重量%、好ましくは20〜90重量%、より好ましくは30〜85重量%の範囲で用いられる。94重量%を超えると、結果的にモノマー(A)及び/又はモノマー(B)の含有量が減ってしまうため撥水・親油性が発現しなかったり、塗膜硬度に影響を及ぼすため好ましくない。なお、ここでモノマー(C)が0重量%であるとはモノマー(C)を全く用いないことをいう。
従って、グラフト共重合体(I)は、モノマー(A)、(B)、及び(C)を反応させることによって得ることもでき、モノマー(A)及び(B)を反応させることによって得ることもできる。また、モノマー(A)、(B)、及び(C)を、それぞれ1種又は2種以上用いて反応させることが可能であり、モノマー(A)及び(B)をそれぞれ1種又は2種以上用いて反応させることが可能である。
グラフト共重合体(I)の製造方法としては、モノマー(A)を製造したときと同様、溶液ラジカル重合法、又は非水分散ラジカル重合法によるのが最も簡便であり、特に好ましい。
例えば、溶液ラジカル重合、又は非水分散ラジカル重合の際に用いられる溶剤としては前記の各種溶剤を用いることができる。また、製造方法としても前記の方法と同様の手法で実施することができる。
本発明のグラフト共重合体(I)の製造においては、グラフト共重合体(I)の分子量は特に制限されるものではないが、その重量平均分子量が、ポリスチレン換算のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、好ましくは約5,000〜1,000,000、より好ましくは約5,000〜500,000の範囲である。5,000未満とすると塗膜としたときの撥水・親油性が低下する傾向にあり、1,000,000を超えると、溶剤で希釈する量が多くなり過ぎ実用的でない。
《硬化剤(II)》
本発明の塗料組成物に用いることのできる硬化剤(II)は、グラフト共重合体(I)におけるモノマー(B)の硬化性官能基を架橋させることができる硬化剤であれば、特に限定されないが、熱硬化、又はエネルギー線、例えば紫外線(UV)若しくは電子線(EB)により硬化性官能基を架橋させることのできる硬化剤を挙げることができる。紫外線による硬化性官能基を架橋させることのできる硬化剤は、ラジカル紫外線(UV)硬化剤とカチオン紫外線(UV)硬化剤を挙げることができるが、カチオン紫外線(UV)硬化剤が好ましい。
本明細書において、「カチオン紫外線(UV)硬化剤」とは、紫外線の照射により酸を発生し、特定の官能基の重合又は縮合を起こすことにより、その官能基を含む化合物を架橋させることができる硬化剤を意味する。
本発明に用いることができる硬化剤の具体例としては、アデカオプトマーSP−150、SP−170、SP−152、SP−172、アデカオプトンCP−66、CP−77〔以上、(株)アデカ製〕、CI−2734、CI−2855、CI−2823、CI−2758、CI−2920、CI−2921、CI−2946、CI−2624、CI−2639、CI−2064、〔以上、日本曹達(株)製〕、サンエイドSI−60L、SI−80L、SI−100L〔以上、三新化学工業(株)製〕、イルガキュアー250〔チバスペシャリティケミカル(株)製〕、WPI−113、WPAG−145、WPAG−170、WPAG−199、WPAG−281、WPAG−336、WPAG−367〔以上、和光純薬工業(株)製〕等が挙げられる。
硬化剤(II)の添加量はその種類によるため一概には規定できないが、通常グラフト共重合体(I)の固形分100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下であり、好ましくは1重量部以上5重量部以下である。0.1重量部未満では十分な硬化が進行しないために汚染除去性が低下することがある。また、10重量部を超えると塗膜が脆くなることがある。
《その他の添加剤》
本発明の塗料組成物には、硬化剤(II)の硬化を補助するための光増感剤を含むことができる。カチオン紫外線(UV)硬化させる場合には、装置(光源)の種類により照射光の波長特性が異なる場合があるため、その波長に合致した光増感剤を用いることが好ましい。光増感剤の添加量はその種類によって構造や吸収波長特性、光量子収率が異なるため一概には規定できないが、通常0.1重量部以上5重量部以下の範囲で用いられる。
本発明の塗料組成物には、従来から用いられている各種添加剤、例えば、界面活性剤、増量剤、着色顔料、防錆顔料、導電性顔料や導電性を付与するための塩、樹脂微粒子、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、染料、ワックス等を添加することもできる。
《汚染防止方法》
本発明の汚染防止方法は、前記の塗料組成物を塗装、及び乾燥、硬化して塗膜を形成するものである。
本発明の塗料組成物を適用することのできる被塗物としては特に限定されるものではないが、例えば、鉄、アルミ、ブリキ等の金属類、ガラス、塗料塗膜、又は各種プラスチック等を挙げることができる。特に、皮脂等の油分の汚染除去性が良好であるため、光学的用途に用いられるガラスやPMMA、PC、PET、透明ABS、AS、TAC等のプラスチックに対して効果的に用いられる。
塗料組成物の塗装方法は特に制限されるものではなく、例えばエアースプレー塗装法、エアレススプレー塗装法、静電塗装法、ローラー塗装法、ハケ塗装法、ドクターブレード塗装法、グラビヤ印刷塗装法、スピンコート塗装法等の周知の塗装方法を適用することができる。
塗膜の乾燥条件も特に制限されないが、被塗物の耐熱性を考慮し通常、室温〜150℃の範囲で1分間〜7日間程度の乾燥を行う。一般的には40〜60℃で1〜30分程度の強制乾燥を行うことが好ましい。また、塗膜の硬化条件も装置の紫外光の強度や波長特性、更に硬化剤(II)の種類によるため一概には規定できないが、通常500mJ/cm程度で十分である。
以上の方法で形成された塗膜は、優れた耐候性、耐薬品性及び撥水性に優れるという特徴を有する。更に、親油性を併せもっているために優れた汚染除去性を付与することができ、特に皮脂等の油分に対する汚染除去性に有効である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。以下の例示において“部”及びは特に示さない限り“重量部”を意味するものとする。
《参考例:モノマー(A)の合成例》
機械式撹拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、メルカプトエタノール〔成分(A−1)、1.8部〕及びステアリルメタクリレート(成分(A−2)、100部〕、アゾビスイソブチロニトリル(0.5部)及びメチルイソブチルケトン(100部)を入れ、乾燥窒素雰囲気下120℃に加熱した。120℃で4時間反応した後室温まで冷却した。反応器に更にヒドロキノンモノメチルエーテル(0.04部)、2−イソシアナトエチルメタクリレート〔成分(A−3)、4部〕を入れて乾燥空気を通じながら100℃で反応させ、サンプリング物の赤外吸収スペクトル(IR)においてイソシアネート基の量が一定になった時点で反応を終了して冷却し、不揮発分50%のモノマー(A)を得た。
《比較参考例:モノマー(A’)の合成例》
参考例におけるステアリルメタクリレート(100部)をn−ノニルメタクリレート(100部)に変更した以外は、参考例の操作を繰り返して、不揮発分50%のモノマー(A’)を得た。モノマー(A’)は、本発明の塗料組成物に用いる、炭素数10以上の脂肪族又は脂環式アルキル基の重合体末端にラジカル重合性二重結合を有するモノマーとは、異なるモノマーである。
《製造例1:グラフト共重合体(I)の合成例》
機械式撹拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、参考例で合成したモノマー(A)(固形分換算10部)、メチルメタクリレート(40部)、2−エチルヘキシルアクリレート(10部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(10部)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(30部)、アゾビスイソブチロニトリル(1部)、メチルイソブチルケトン(不揮発分50%となる量)を入れ、窒素雰囲気中で90℃まで加熱した後、90℃で5時間保持することによって、不揮発分が50%である目的とするグラフト共重合体(I)の溶液を得た。
《製造例2〜5:グラフト共重合体(I)の合成例》
溶剤、モノマー、開始剤類の仕込量を表1に示したように変更したこと以外は、製造例1と同様に操作してグラフト共重合体(I)の溶液を得た。製造例2〜5では本発明によるグラフト共重合体が得られる。
《比較製造例1〜6:グラフト共重合体(I)の合成例》
溶剤、モノマー、開始剤類の仕込量を表1に示したように変更したこと以外は、製造例1と同様に操作してグラフト共重合体の溶液を得た。比較製造例1、2ではモノマー(A)の量が本発明の範囲外であるもの、比較製造例4、5ではモノマー(B)の量が本発明の範囲外であるものについて示した。比較製造例1、2、4、5では本発明の範囲外であるグラフト共重合体が得られる。比較製造例3ではモノマー(A)を用いない、即ちグラフト共重合体ではなく、リニアなランダム共重合体について示した。比較製造例6では、炭素数9の脂肪族アルキル基の重合体末端にラジカル重合性二重結合を有するモノマーを用いて製造したグラフト共重合体が得られた。
Figure 0005139138
《実施例1:塗料組成物の調製例》
製造例1で得られたグラフト共重合体(I)の固形分100部に対して、カチオン紫外線開始剤であるイルガキュアー250〔硬化剤(II)、チバスペシャリティケミカルズ(株)製〕を2部、増感剤として9,10−ジブトキシアントラセン(1部)を混合し、塗料中の不揮発分が25重量%になるようにメチルイソブチルケトンで希釈して塗料組成物を得た。
《実施例2〜5及び比較例1〜6:塗料組成物の調製例》
グラフト共重合体(I)の量と種類、イルガキュアー250〔硬化剤(II)〕、9,10−ジブトキシアントラセンの量を表2に示したように変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2〜5及び比較例1〜6の塗料組成物を得た。
<塗膜作成方法>
予めトルエン/イソプロピルアルコール(2/1)混合溶剤で脱脂、乾燥したガラス板上に実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた塗料組成物をバーコーター#6を用いて塗布した後室温で10分間乾燥した後、下記条件で硬化して乾燥膜厚約3μmの塗膜を得た。
光源 水銀ランプ+メタルハライドランプ
照度 100mJ/cm
コンベアスピード 35m/分
照射回数 3パス
<評価方法>
下記項目について評価した。結果は表2に併せて示した。
・耐溶剤性
作製直後の塗膜上にキシレンを1滴落とし、室温で乾燥するまで放置して、塗膜の異状の有無を目視で観察した。
・鉛筆硬度
作製後1日室温で放置した塗膜についてJIS K5600−5−5:1999(手掻き法)に準じて鉛筆硬度を評価した。ガラスの素地に達するひとつ前の鉛筆硬度で評価した。
・水、オレイン酸、植物油接触角
作製後1日室温で放置した塗膜についてCA−W型自動接触角計〔協和界面科学(株)製〕を使用し、約5μLの各液の接触角を5点以上測定し平均した。
・汚染物質の除去性
作製後1日室温で放置した塗膜に指紋を付着させ、ティッシュペーパーで拭き取って指紋の除去性を評価した。指紋が除去されるまでのティッシュペーパーの拭き取り回数を示した。
Figure 0005139138
本発明の塗料組成物及び汚染防止方法を用いることによって得られる塗膜は、耐薬品性、塗膜硬度に優れ、撥水・親油性を併せ持つことから皮脂、指紋等の汚れ成分を容易に除去することが可能である。

Claims (5)

  1. (I)(A)炭素数10以上の脂肪族又は脂環式アルキル基の重合体末端にラジカル重合性二重結合を有するモノマー1〜50重量%、
    (B)硬化性官能基を有するモノマー5〜50重量%、及び必要に応じて
    (C)前記モノマー(A)及び前記モノマー(B)に属さず、且つオルガノポリシロキサンを有するモノマー及びフッ化アルキル基を有するモノマー以外のモノマー0〜94重量%、を反応させて得られるグラフト共重合体、並びに
    (II)前記モノマー(B)の硬化性官能基を架橋させることができる硬化剤、
    を含有する塗料組成物。
  2. 前記モノマー(A)が、炭素数10以上の直鎖脂肪族アルキル基の重合体末端にラジカル重合性二重結合を有するモノマーである、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記モノマー(B)の硬化性官能基が、紫外線カチオン硬化が可能である3,4−エポキシシクロヘキシル基、グリシジル基、テトラヒドロフルフリル基、オキセタニル基、トリ又はジアルコキシシリル基からなる群から選ばれる、少なくとも一種の基である、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  4. 前記硬化剤(II)が紫外線カチオン硬化剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗料組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の塗料組成物を塗装して塗膜を形成することを特徴とする汚染防止方法。
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