JP2009167244A - 活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物及びその積層物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物及びその積層物 Download PDF

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諭吉 小並
Koji Furukawa
浩二 古川
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Abstract

【課題】取扱い性(低粘度、液安定性)が良く、ガラス基材との高い密着性を有し、活性エネルギー線による硬化で短時間接着が可能な活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物を提供する。
【解決手段】分子内に1つ以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物(燐酸化合物(B)に該当する化合物及びシランカップリング剤(C)に該当する化合物を除く)として、ジ(メタ)アクリル酸ポリアルコキシレーテッド水添ビスフェノール又は水添ビスフェノールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステルを含む活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス基材との密着性に優れた活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物に関し、さらに詳しくは、取扱い性(低粘度、液安定性)が良く、ガラス基材との高い密着性を有する活性エネルギー線硬化性塗料組成物に関する。
光学、表示装置等の用途には、透明性の理由からガラス素材が多用されている。その際、ガラス素材は加工性が低いことから、それを補うために、形状の異なる、例えばガラス同士、アクリル、ポリカーボネート等のプラスチックなどの異種素材を貼り合せて使用する。そのため、これらを接着するための接着剤として、ガラス接着用組成物が使用されている。
従来、接着剤として、取扱い性(液安定性)、密着性、強度、耐アルカリ性を有するとされる組成物が提案されている。例えば、特許文献1では、カップリング剤、活性エネルギー線硬化性化合物、及び、炭素数1〜6の水酸基含有化合物からなり、酸価が0.01〜50である活性エネルギー線硬化性組成物が提案されている。
特開2004−124024号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている活性エネルギー線硬化性組成物は、従来の接着剤に比べてガラス基材への密着性は向上しているものの、十分に満足できるものではなかった。また、作業性においても十分に満足できるものではなかった。よって、光学、表示装置等の用途では、実用上その要求物性を満足することはできなかった。
従って、本開発の目的は、取扱い性(低粘度、液安定性)が良く、ガラス基材との高い密着性を有し、活性エネルギー線による硬化で短時間接着が可能な活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の成分を特定量配合することによって、上記要求物性をすることを見出し、本発明に至った。
具体的には、分子内に1つ以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物(燐酸化合物(B)に該当する化合物及びシランカップリング剤(C)に該当する化合物を除く)からなる成分(A)を含む活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物であって、前記成分(A)が、下記式(1)で表される化合物(a−1)を含む活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物である。
Figure 2009167244
(式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立して−H又は−CH3を表し、Y1は−(C24O)−、−(C36O)−又は−(C510COO)−を表し、Y2は−(OC24)−、−(OC36)−又は−(OCOC510)−を表し、Xは−C(CH32−、−CH2−又は−SO2−を表し、n及びmはそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。)
また、ガラス基材と、上記の活性エネルギー線硬化性ガラス接着剤組成物の硬化物と、ガラス基材又は他の基材との積層物である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、取扱い性(低粘度、液安定性)が良く、ガラス基材との高い密着性を有している。
以下、本発明について説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」との総称であり、その他の「(メタ)アクリ・・・」も同様に、「アクリル」と「メタクリル」から派生する基の総称である。
本発明の活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物は、分子内に1つ以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物からなる成分(A)を含む。ただし、成分(A)には、燐酸化合物(B)に該当する化合物及びシランカップリング剤(C)に該当する化合物は含まれない。ラジカル重合性二重結合としては、具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
そして、成分(A)は、下記式(1)で表される化合物(a−1)を含む。
Figure 2009167244
式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立して−H又は−CH3を表し、Y1は−(C24O)−、−(C36O)−又は−(C510COO)−を表し、Y2は−(OC24)−、−(OC36)−又は−(OCOC510)−を表し、Xは−C(CH32−、−CH2−又は−SO2−を表し、n及びmはそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。
式(1)で表される化合物(a−1)としては、具体的には、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノール(A、F、S)、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノール(A、F、S)、水添ビスフェノール(A、F、S)のカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル等のジ(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもでき、2種以上を併用することもできる。これらの中でも、得られる組成物の液粘度、透明性、密着性の観点から、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッド(式(1)におけるn+m=4)水添ビスフェノールAが好ましい。
成分(A)は、化合物(a−1)のみでも構わないが、化合物(a−1)以外の、分子内に1つ以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物を併用することもできる。成分(A)における化合物(a−1)の含有量は、密着性が良くなる観点から、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。
化合物(a−1)以外の、分子内に1つ以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物としては、具体的には、単官能(メタ)アクリレートモノマー、化合物(a−1)以外の多官能(メタ)アクリレートモノマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、等の化合物が挙げられる。
より具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル等の6官能(メタ)アクリル酸エステル類;
ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリル酸エステル等の5官能(メタ)アクリル酸エステル類;
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールエトキシ変性テトラ(メタ)アクリル酸エステル等の4官能(メタ)アクリル酸エステル類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリル酸エステル類;
ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸メチルペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチルペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸シクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル等のジ(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデカニル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;
フタル酸、コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、アジピン酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸又はその誘導体との反応で得られるポリエステルジ(メタ)アクリレート類;
(水添)ビスフェノールA、(水添)ビスフェノールF、(水添)ビスフェノールS、テトラブロモ(水添)ビスフェノールA等のビスフェノール類とエピクロルヒドリンとの縮合反応で得られるビスフェノール型エポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸又はその誘導体を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート類;
アルカンジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、スピログリコール化合物等の1種又は2種以上の混合物からなるアルコール類の水酸基に有機ジイソシアネート化合物を付加し、残ったイソシアネート基に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基及び1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート類;
有機モノイソシアネート化合物に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基及び1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させたウレタン(メタ)アクリレート類;
スチレン、α−メチルスチレン、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のビニル類;
ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジエチレングリコールジアリルカーボネート等のアリル類が挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもでき、2種以上を併用することもできる。これらの中でも、作業性及び硬度の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルが好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物は、密着性を向上させるために、燐酸化合物(B)を含んでいても良い。燐酸化合物(B)としては、具体的には、モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、モノ(メタ)アクリロイルオキシプロピルフォスフェート、ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピルフォスフェート、トリス(メタ)アクリロイルオキシプロピルフォスフェート、及びこれらのカプロラクトン付加物等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもでき、2種以上を併用することもできる。これらの中でも、得られる組成物の透明性、密着性の観点から、モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェートのカプロラクトン付加物、ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェートのカプロラクトン付加物又はその混合物が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物における燐酸化合物(B)の含有量は、密着性が良くなる観点から、成分(A)の合計100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることがより好ましい。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物は、密着性を向上させるために、シランカップリング剤(C)を含んでいても良い。シランカップリング剤(C)とは、シラノール基を有する化合物である。シランカップリング剤(C)としては、具体的には、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクロリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、及びこれらの加水分解物等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもでき、2種以上を併用することもできる。これらの中でも、得られる組成物の液安定性、透明性、密着性の観点から、γ−(メタ)アクロリロキシプロピルトリメトキシシラン又はこの加水分解物が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物におけるシランカップリング剤(C)の含有量は、密着性が良くなる観点から、成分(A)の合計100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、紫外線を用いることが好ましい。そのため、本発明の活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−エチルアントラキノン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもでき、2種以上を併用することもできる。これらの中でも、得られる組成物の透明性、密着性の観点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物における光重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、成分(A)の合計100質量部に対して0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、必要に応じて、その性能を損なわない範囲で、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等の光増感剤を含むこともできる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、レベリング剤、消泡剤、沈降防止剤、潤滑剤、研磨剤、防錆剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、防雲剤、分散剤、増粘剤、タレ止め剤、乾燥剤、付着促進剤、皮膜改質剤、スリップ剤、擦り傷防止剤、可塑剤、艶消し剤、低収縮剤、防菌剤、防カビ剤、防汚剤、難燃剤、硬化促進剤、劣化防止剤、光重合促進剤、熱開始剤、PP付着付与剤(塩素化PP)、チキソ剤、染料、顔料、微粒子、反応性微粒子、殺菌剤等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて、望ましい粘度に調整するために、有機溶剤を添加することができる。有機溶剤としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系化合物;エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレン等の芳香族化合物;ペンタン、ヘキサン、石油ナフサ等の脂肪族化合物等が挙げられる。有機溶剤の添加量は、活性エネルギー線硬化性組成物100質量部に対して900質量部を超えない量であることが好ましい。
本発明の積層物は、ガラス基材と、本発明の活性エネルギー線硬化性ガラス接着剤組成物の硬化物と、ガラス基材又は他の基材との積層物である。すなわち、一方の基材としてはガラス基材を用い、もう一方の基材としてはガラス基材を用いることもでき、ポリカーボネート基材、アクリル基材、易接着処理されたポリエステル基材等の他の基材を用いることもできる。
本発明の積層物は、基材2枚の間に本発明の活性エネルギー線硬化性ガラス接着剤組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射により硬化することで、製造することができる。
基材への活性エネルギー線硬化性ガラス接着剤組成物の塗布方法としては、刷毛・ローラー・ムートン・モップ塗り、ロールコート、スプレーコート、スピンコート、フローコート、ディピング、静電塗装、スクリーン印刷等の方法が挙げられるが、塗布作業性の点からスプレーコートが好ましい。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等が挙げられる。例えば高圧水銀灯(波長:340〜380nm)を用いた場合には、照射される紫外線エネルギー量が50〜1,000mJ/cm2程度の条件が好ましい。
活性エネルギー線硬化性ガラス接着剤組成物が硬化した硬化被膜の膜厚は、硬化後の厚さで1〜100μmの範囲であることが好ましい。
活性エネルギー線硬化性ガラス接着剤組成物を塗布する際に、前述した有機溶剤を配合した場合には、活性エネルギー線硬化性ガラス接着剤組成物を硬化させる前に溶剤を揮発させなければならない。その際には、IRヒーターや温風等で60℃×3分間程度加温するか、室温で20分間程度放置する等の条件下で有機溶剤を揮発させることが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を詳しく説明する。以下において『部』は全て『質量部』を、『%』は全て『質量%』を意味する。また、実施例及び比較例における各種の測定評価は次のような方法で行った。
1.作業性
粘度が高くなると扱い難くなることから、作業性の指標として活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物の粘度を用いることとした。粘度は、東京計器製のE型粘度計を用いて測定した。評価の判定は以下の基準で行った。
○:良好・・・・・・・10,000mPa・s未満。
×:不良・・・・・・・10,000mPa・s以上。
2.液安定性
活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物を25℃、10分放置した後の粘度を東京計器製のE型粘度計を用い測定した。評価の判定は以下の基準で行った。
○・・・・・・・粘度増加がないか、10%未満の粘度増加しか確認されない。
×・・・・・・・10%以上の粘度増加が確認される。
3.密着性
基材の一方をクリップで挟み、そのクリップにバネ計りを装着し、基材に対し垂直に剥がす時の力をバネ計りにて評価した。評価の判定は以下の基準で行った。
◎・・・・・・・300Nでも剥がれない。
○・・・・・・・200〜300Nで剥がれる。
×・・・・・・・200N未満で剥がれる。
4.判定(総合)
上記1〜3の評価結果を基にして、総合判定を行った。
○・・・全ての評価結果が◎又は○である。
×・・・評価結果に×がある。
〔実施例1〕
表1に示す成分をステンレス容器に計量し、約30分間、全体が均一になるまで攪拌して活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物を調製した。次に、ガラス基材(縦10cm、横10cm、厚さ1mm)2枚の間に、厚み50μmのポリエステルテープをスペーサーとして用いて、膜厚が50μmとなるように活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物を塗布した。次に、高圧水銀灯を用い、波長340〜380nm、積算光量1,000mJ/cm2の活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物が硬化した硬化塗膜を形成することで、積層体を得た。用いた活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物及び得られた積層体についての評価結果を表1に示す。
〔実施例2〜8、比較例1〜2〕
表1に示す配合としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。
〔実施例9〜11〕
表2に示す配合とし、ガラス基材とポリカーボネート基材の間に硬化塗膜を形成したこと以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果を表2に示す。
Figure 2009167244
Figure 2009167244
なお、実施例及び比較例に用いた略号は、以下の化合物を表わす。
・AM1:ジアクリル酸ポリエトキシレーテッド(式(1)におけるn+m=4)水添ビスフェノールA
商品名「ニューフロンティアHBPE−4」(第一工業(株)製)
・EA1:ビスフェノールA型エポキシジアクリレート
商品名「エポキシエステル3000A」(共栄社(株)製)
・AM2:EO変性ビスフェノールA型ジアクリレート
商品名「ニューフロンティアBPE−4」(第一工業(株)製)
・AM3:テトラヒドロフルフリルアクリレート
商品名「THFA」(大阪有機化学工業(株)製)
・B1:モノメタクリロイルオキシエチルフォスフェートのカプロラクトン付加物及びジメタクリロイルオキシエチルフォスフェートのカプロラクトン付加物の混合物
商品名「カヤマーPM−21」(日本化薬(株)製)
・C1:γ−アクロリロキシプロピルトリメトキシシラン
商品名「KBM−5103」(信越化学工業(株)製)
・α1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
・α2:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド

Claims (5)

  1. 分子内に1つ以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物(燐酸化合物(B)に該当する化合物及びシランカップリング剤(C)に該当する化合物を除く)からなる成分(A)を含む活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物であって、前記成分(A)が、下記式(1)で表される化合物(a−1)を含む活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物。
    Figure 2009167244
    (式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立して−H又は−CH3を表し、Y1は−(C24O)−、−(C36O)−又は−(C510COO)−を表し、Y2は−(OC24)−、−(OC36)−又は−(OCOC510)−を表し、Xは−C(CH32−、−CH2−又は−SO2−を表し、n及びmはそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。)
  2. 前記成分(A)が、前記化合物(a−1)を20質量%以上含む請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物。
  3. さらに燐酸化合物(B)を含む請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物。
  4. さらにシランカップリング剤(C)を含む請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性ガラス接着用組成物。
  5. ガラス基材と、請求項1〜4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性ガラス接着剤組成物の硬化物と、ガラス基材又は他の基材との積層物。
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