JP2007269985A - 放射線硬化型組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来のタッチパネル等のハードコート処理されたフィルムではハードコートの表面に付着した指紋やほこり等の汚れを除去しにくいといった問題があり、その対策として従来のハードコート性能に加えて防汚性を備えたハードコートシートを提供する。
【解決手段】1つ以上のフルオロアルキル基、及び3つ以上のラジカル重合性二重結合を持つ数平均分子量2000〜100、000のビニル共重合体と多官能アクリレートとを含む事を特徴とする、放射線硬化型組成物。
【選択図】なし
【解決手段】1つ以上のフルオロアルキル基、及び3つ以上のラジカル重合性二重結合を持つ数平均分子量2000〜100、000のビニル共重合体と多官能アクリレートとを含む事を特徴とする、放射線硬化型組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、放射線硬化型組成物に関し、当該組成物は、タッチパネル等のディスプレイ最前面に形成されるフィルムに、指紋、皮脂や油性マジックやラッカースプレー等による汚れが付着しにくく且つ、付着しても容易に拭き取ることができるハードコートシートに使用できる。
近年、CRT、フラットパネルディスプレイは、テレビやパソコンのモニターだけでなく、タッチパネル、携帯電話、をはじめとする各種情報端末等に使われ、人間の指や肌、耳に直接触れることが多くなり、皮脂をはじめ色々な汚れが付着することが多くなった。これらのディスプレイにはポリエチレンテレフタレートフィルム上に耐擦傷性を付与するためハードコート加工が施された粘着フィルムが用いられていることが多い。
しかしながら、前記従来のハードコート処理されたフィルムではハードコートの表面に付着した油性インキやほこり、皮脂等の汚れを除去しにくいといった問題があり、その対策として従来のハードコート性能に加えて防汚性の付与が必要となっている。そのためシリコーン化合物を添加することが試みられている。しかし、塗膜に指紋付着防止性の指標となる撥油性が求められているが、シリコーン化合物では十分な撥油性を発現できなかった。
しかしながら、前記従来のハードコート処理されたフィルムではハードコートの表面に付着した油性インキやほこり、皮脂等の汚れを除去しにくいといった問題があり、その対策として従来のハードコート性能に加えて防汚性の付与が必要となっている。そのためシリコーン化合物を添加することが試みられている。しかし、塗膜に指紋付着防止性の指標となる撥油性が求められているが、シリコーン化合物では十分な撥油性を発現できなかった。
本発明者らはハードコート性を有する多官能アクリレートに、高分子量で多量のアクリル基とフルオロアルキル基がペンダントされた樹脂をブレンドすることにより、優れた撥油性、硬度、防汚性、撥水性を有するハードコートシートを提供することを目的とする。
本発明の放射線硬化型組成物は、前記課題を解決することを目的とするもので、1つ以上のフルオロアルキル基、及び3つ以上のラジカル重合性二重結合を持つ数平均分子量2000〜100、000のビニル共重合体と
多官能(メタ)アクリレートとを含む事を特徴とする、放射線硬化型組成物に関する。
多官能(メタ)アクリレートとを含む事を特徴とする、放射線硬化型組成物に関する。
また、本発明は、ビニル共重合体が、ラジカル重合性二重結合およびフルオロアルキル基を有する単量体(a)1〜80重量%と、
ラジカル重合性二重結合および反応性官能基を有する、(a)以外の単量体(b)10〜90重量%と、
(a)および(b)以外のラジカル重合性二重結合を有する単量体(c)0〜89重量%と
を含む単量体を重合してなる重合体(A)に、
前記反応性官能基と反応可能な官能基およびラジカル重合性二重結合を有する化合物(B)を反応させてなる重合体であることを特徴とする上記放射線硬化型組成物に関する。
ラジカル重合性二重結合および反応性官能基を有する、(a)以外の単量体(b)10〜90重量%と、
(a)および(b)以外のラジカル重合性二重結合を有する単量体(c)0〜89重量%と
を含む単量体を重合してなる重合体(A)に、
前記反応性官能基と反応可能な官能基およびラジカル重合性二重結合を有する化合物(B)を反応させてなる重合体であることを特徴とする上記放射線硬化型組成物に関する。
また、本発明は、単量体(a)の含有量が、放射線硬化型組成物の不揮発分重量全体を基準として0.01〜10重量%であることを特徴とする上記放射線硬化型組成物に関する。
また、本発明は、さらに、光開始剤を含むことを特徴とする上記放射線硬化型組成物に関する。
また、本発明は、上記放射線硬化型組成物を放射線照射して硬化させてなる硬化物に関する。
また、本発明は、基材と、上記硬化物からなる薄膜とを含んでなる防汚性ハードコートシートに関する。
本発明の放射線硬化性組成物は、硬化後の硬化物は、優れた撥油性、防汚性、撥水性を有する薄膜と成り得る。当該ハードコートシートを適用すれば、優れた硬度に加え、優れた撥油性、防汚性、撥水性を有するシートとなり、例えば、指紋等皮脂をはじき表面に付着した場合にも除去しやすい。従って、落書き防止用フィルムとしても有用なものである。
本発明を構成する(A)成分で用いられる、炭素炭素不飽和二重結合とフルオロアルキル基を有する含フッ素単量体の例として、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、1H、1H、3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H、1H、5H、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H、1H、7H−ドデカフルオロヘプチル、1H、1H、9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H、1H、3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、等の炭素数1〜20のフルオロアルキル基を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレン等のオレフィン類が挙げられ、要求性能に応じてこれらの中から1種類、あるいは2種類以上を混合して使用できる。
単量体(a)は、要求性能に応じて1種、または2種以上を混合して用いることができる。
重合体(A)における単量体(a)の共重合比率は、重合体を構成する単量体の総重量を基準として1〜80重量%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜45重量%である。単量体(a)の共重合比率が1重量%未満の場合には、硬化物の上部表面に防汚性、撥水性、撥油性を付与することが困難となり、80重量%を越える場合には、放射線硬化型組成物に含まれる他の成分との相溶性、基材との密着性、強靭性等の塗膜性能、及び重合体の溶媒への溶解性を得ることが困難となる。
重合体(A)における単量体(a)の共重合比率は、重合体を構成する単量体の総重量を基準として1〜80重量%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜45重量%である。単量体(a)の共重合比率が1重量%未満の場合には、硬化物の上部表面に防汚性、撥水性、撥油性を付与することが困難となり、80重量%を越える場合には、放射線硬化型組成物に含まれる他の成分との相溶性、基材との密着性、強靭性等の塗膜性能、及び重合体の溶媒への溶解性を得ることが困難となる。
ラジカル重合性二重結合および反応性官能基を有する(a)以外の単量体(b)は、一段目に重合した重合体(A)にラジカル重合性二重結合を導入する起点となり、導入されたラジカル重合性二重結合が活性エネルギー線で架橋させてセットすることにより、ビニル重合体のブリードを抑制し、強靭な隔壁を形成させるためのものである。
反応性官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基等が挙げられる。
反応性官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する単量体(b)として具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体(b)として具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。
イソシアネート基を有する単量体(b)として具体的には、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート等や、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートとを反応させて得られるものが挙げられる。
イソシアネート基を有する単量体(b)として具体的には、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート等や、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートとを反応させて得られるものが挙げられる。
エポキシ基を有する単量体(b)として具体的には、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナメート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニルエーテル、ビニルシクロヘキサンモノエポキサイド、1、3−ブタジエンモノエポキサイドなどが挙げられる。
単量体(b)は、要求性能に応じて1種、または2種以上を混合して用いることができる。
単量体(b)は、要求性能に応じて1種、または2種以上を混合して用いることができる。
重合体(A)における単量体(b)の共重合比率は、重合体を構成する単量体の総重量を基準として10〜95重量%であることが好ましく、さらに好ましくは30〜90重量%、特に好ましくは40〜85重量%である。単量体(b)の共重合比率が10重量%未満の場合には、放射線硬化物が十分な耐擦傷性、塗膜硬度を得ることが困難となり、95重量%を越える場合には、オルガノシロキサン鎖を有する単量体の共重合比率が下がり、表面移行しづらくなり汚れが付着しやすくなってしまう。
(a)および(b)以外のラジカル重合性二重結合を有する単量体(c)は、ビニル重合体と放射線硬化型組成物に含まれる他の成分との相溶性の向上、および硬化物に硬度、強靭性、耐擦傷性等の物性を付与するために用いられる。単量体(c)としては、(i)(メタ)アクリル酸誘導体、(ii)芳香族ビニル単量体、(iii)オレフィン系炭化水素単量体、(iv)ビニルエステル単量体、(v)ビニルハライド単量体、(vi)ビニルエーテル単量体等が挙げられる。
(i)(メタ)アクリル酸誘導体として具体的には、(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(i)(メタ)アクリル酸誘導体として具体的には、(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(ii)芳香族ビニル単量体として具体的には、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、モノフルオロメチルスチレン、ジフルオロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン等のスチレン類が挙げられる。
(iii)オレフィン系炭化水素単量体として具体的には、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、1、4−ペンタジエン等が挙げられる。
(iv)ビニルエステル単量体として具体的には、酢酸ビニル等が挙げられる。
(v)ビニルハライド単量体として具体的には、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
(vi)ビニルエーテル単量体として具体的には、ビニルメチルエーテル等が挙げられる。
(iii)オレフィン系炭化水素単量体として具体的には、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、1、4−ペンタジエン等が挙げられる。
(iv)ビニルエステル単量体として具体的には、酢酸ビニル等が挙げられる。
(v)ビニルハライド単量体として具体的には、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
(vi)ビニルエーテル単量体として具体的には、ビニルメチルエーテル等が挙げられる。
これらの単量体は、2種以上を混合して用いても良い。
重合体(A)における単量体(c)の共重合比率は、重合体を構成する単量体の総重量を基準として0〜89重量%であることが好ましい。単量体(c)の共重合比率が上記範囲を超えた場合には、基材との充分な密着性が得られない。
重合体(A)における単量体(c)の共重合比率は、重合体を構成する単量体の総重量を基準として0〜89重量%であることが好ましい。単量体(c)の共重合比率が上記範囲を超えた場合には、基材との充分な密着性が得られない。
重合体(A)は、公知の方法、例えば、溶液重合で合成することができる。重合時の溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエチル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの使用が可能である。溶媒は、2種以上を混合して用いてもよい。重合時の単量体の仕込み濃度は、0〜80重量%が好ましい。
重合開始剤としては、通常の過酸化物またはアゾ化合物、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチルバレノニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオクトエート、クメンヒドロキシペルオキシドなどが用いられ、重合温度は、好ましくは50〜140℃、さらに好ましくは70〜140℃である。
得られる重合体(A)の好ましい重量平均分子量は、5,000〜100,000である。
得られる重合体(A)の好ましい重量平均分子量は、5,000〜100,000である。
このようにして得られた反応性官能基およびフルオロアルキル基を有する重合体(A)に、前記反応性官能基と反応可能な官能基およびラジカル重合性二重結合を有する化合物(B)を反応させることにより、ラジカル重合性二重結合およびフルオロアルキル基を有するビニル重合体が得られる。
重合体(A)と化合物(B)とは、重合体(A)が有する反応性官能基の数に対し、該反応性官能基と反応可能な官能基の数が100%となる割合で反応させることが好ましい。もちろん、光反応性を損なわない範囲であれば100%未満となる割合で反応させても良い。
重合体(A)と化合物(B)とは、重合体(A)が有する反応性官能基の数に対し、該反応性官能基と反応可能な官能基の数が100%となる割合で反応させることが好ましい。もちろん、光反応性を損なわない範囲であれば100%未満となる割合で反応させても良い。
反応性官能基と、該反応性官能基と反応可能な官能基との組み合わせとしては、以下に示すような公知の種々の組み合わせと反応方法を採用することができる。
1)反応性官能基がヒドロキシ基である場合、代表的な反応可能な官能基は、酸ハロゲン基、イソシアネート基が挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸クロライドあるいはメタクリロキシエチルイソシアネートとの反応により、ラジカル重合性二重結合を導入できる。
(メタ)アクリル酸クロライドとの反応は、フルオロアルキル基及びヒドロキシル基を有するポリマーの溶液に触媒を添加し、(メタ)アクリル酸クロライドを加え加熱することにより進められる。溶媒としては、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキソラン等のエーテル溶液を用いることができる。触媒としてはトリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン等が好ましく、触媒量は固形分に対し0.1〜1重量%である。反応はゲル化抑制のため空気下で行い、反応温度は80〜120℃で反応時間は1〜24時間である。
1)反応性官能基がヒドロキシ基である場合、代表的な反応可能な官能基は、酸ハロゲン基、イソシアネート基が挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸クロライドあるいはメタクリロキシエチルイソシアネートとの反応により、ラジカル重合性二重結合を導入できる。
(メタ)アクリル酸クロライドとの反応は、フルオロアルキル基及びヒドロキシル基を有するポリマーの溶液に触媒を添加し、(メタ)アクリル酸クロライドを加え加熱することにより進められる。溶媒としては、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキソラン等のエーテル溶液を用いることができる。触媒としてはトリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン等が好ましく、触媒量は固形分に対し0.1〜1重量%である。反応はゲル化抑制のため空気下で行い、反応温度は80〜120℃で反応時間は1〜24時間である。
メタクリロキシエチルイソシアネートとの反応は、フルオロアルキル基及びヒドロキシル基を有するポリマーの溶液に触媒としてオクチル酸スズ、ジブチルジラウリン酸錫、オクチル酸亜鉛等の金属化合物、あるいはトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン等の3級アミンを0.05〜1PHR(Per Hundred Resin)触媒として添加し、加熱下メタクリロキシエチルメタクリレートを加えることにより進められる。溶媒としては、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキソラン等のエーテル溶液を用いることができる。
2)反応性官能基がカルボキシル基である場合、代表的な反応可能な官能基はエポキシ基が挙げられ、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられ、反応条件としては上記、1)反応性官能基がヒドロキシ基である場合と同様の条件が好ましい。
3)反応性官能基がイソシアネート基である場合、代表的な反応可能な官能基は水酸基が挙げられ、具体的にはヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物等が挙げられ、反応条件としては、上記、1)反応性官能基がヒドロキシ基である場合と同様の条件が好ましい。
4)反応性官能基がエポキシ基である場合、代表的な反応可能な官能基は、カルボキシル基が挙げられ、具体的には(メタ)アクリル酸との反応により、ラジカル重合性二重結合を導入できる。
(メタ)アクリル酸との反応は、フルオロアルキル基及びエポキシ基を有するポリマーの溶液に触媒を添加し、(メタ)アクリル酸を添加して加熱することにより進められる。反応条件としては、上記、1)反応性官能基がヒドロキシ基である場合と同様の条件が勧められるが、触媒としては、3級アミンが最も好ましい。
カルボキシル基とラジカル重合性二重結合を持つ化合物としては、(メタ)アクリル酸の他に、ペンタエリスリトールトリアクリレート無水コハク酸付加物、(メタ)アクリロキシエチルフタレートが挙げられる。
2)反応性官能基がカルボキシル基である場合、代表的な反応可能な官能基はエポキシ基が挙げられ、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられ、反応条件としては上記、1)反応性官能基がヒドロキシ基である場合と同様の条件が好ましい。
3)反応性官能基がイソシアネート基である場合、代表的な反応可能な官能基は水酸基が挙げられ、具体的にはヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物等が挙げられ、反応条件としては、上記、1)反応性官能基がヒドロキシ基である場合と同様の条件が好ましい。
4)反応性官能基がエポキシ基である場合、代表的な反応可能な官能基は、カルボキシル基が挙げられ、具体的には(メタ)アクリル酸との反応により、ラジカル重合性二重結合を導入できる。
(メタ)アクリル酸との反応は、フルオロアルキル基及びエポキシ基を有するポリマーの溶液に触媒を添加し、(メタ)アクリル酸を添加して加熱することにより進められる。反応条件としては、上記、1)反応性官能基がヒドロキシ基である場合と同様の条件が勧められるが、触媒としては、3級アミンが最も好ましい。
カルボキシル基とラジカル重合性二重結合を持つ化合物としては、(メタ)アクリル酸の他に、ペンタエリスリトールトリアクリレート無水コハク酸付加物、(メタ)アクリロキシエチルフタレートが挙げられる。
本発明の放射線硬化型樹脂組成物を構成する多官能(メタ)アクリレートは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するもので、硬化皮膜の耐摩耗性、強靱性、密着性を発現させるために用いられる。具体的な例を挙げると、ビス(2−アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ウレタンアクリレートなどの2官能性単量体;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ウレタンアクリレート、多価アルコールと多塩基酸及び(メタ)アクリル酸とから合成されるエステル化合物、例えばトリメチロールエタン/コハク酸/アクリル酸=2/1/4モルから合成されるエステル化合物等の3官能以上の多官能単量体等が挙げられる。塗膜にハードコート性を持たせるためには、3官能以上の多官能アクリレートを使用することが望ましい。
本発明の放射線硬化型組成物の不揮発分重量全体を基準として、フルオロアルキル基を有する単量体(a)の含有量が0.01〜10重量%でとすることができる。本発明の1つのフルオロアルキル基、及び3つ以上のラジカル重合性二重結合を持つ数平均分子量5000〜100,000のビニル共重合体は、放射線硬化型組成物が基材に塗布された時に表面に濃縮される性質があるため、単量体(a)の量が少なくても十分な防汚性を発現することができる。
本発明の放射線硬化型組成物は光開始剤を使用することもできる。光開始剤の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエール、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジターシャリーブチルパーオキシド等のパーオキシド化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド化合物を挙げることができる。これらの光開始剤は、放射線硬化型組成物全体中に0.1〜20重量%、望ましくは1〜10重量%の割合で使用することができる。0.1重量%未満では重合開始効果が得られず、20重量%を超えると硬化膜に可塑剤としてはたらき硬度低下の原因となってしまうことがある。また、上記光開始剤1種類だけでなく数種類組み合わせて使用することもできる。
本発明の放射線硬化型組成物は、放射線を照射することにより硬化させて使用される。放射線としては、電子線及び紫外線を用いることが好ましい。紫外線発生源としては実用的、経済性の面から紫外線ランプが一般に用いられており、具体的には、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。照射する雰囲気は電子線の場合、窒素等不活性ガス中でなくてはならないが、紫外線の場合は空気中でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよい。
本発明の放射線硬化型組成物は、基材シートに塗布し硬化させることにより防汚性ハードコートシートとして提供される。基材シートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース等の透明な樹脂フィルムを挙げることができる。前記基材シートは、着色されていても無着色であっても構わない。基材シートの厚みは25〜200μm程度に構成するのが好ましい。
また、本発明の放射線硬化型組成物中には必要に応じて、有機溶剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、着色剤、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤、消泡剤、重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤、表面改質剤等の添加成分を含ませることは任意である。
有機溶剤は放射線硬化型組成物の均一溶解性、分散安定性、さらには基材との密着性及び被膜の平滑性、均一性などの面から、放射線硬化型組成物中に配合して用いられ、有機溶剤として特に限定されるものではなく、上記性能を満足するものであればよい。具体的には、アルコール系、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、エーテル系、ケトン系、エステル系、多価アルコール誘導体等の有機溶剤を挙げることができる。
本発明の放射線硬化型組成物を基材に塗布するには、ハケ塗り、スプレーコート、ディップコート、スピンコート、カーテンコートなどの方法が用いられる。放射線硬化型組成物の塗布量としては、硬化被膜の膜厚が3〜10μm、好ましくは5〜25μm、特に好ましくは8〜20μmである。硬化被膜の膜厚が3μm未満では十分な耐摩耗性が得られず、30μmを超える場合は、基材との密着性が低下したり、被膜にクラックが発生しやすくなったりする。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中、部および%は、重量部および重量%を表す。また、重合体の重量平均分子量は、GPC(ポリスチレン換算)で測定した。
(IPDIアダクトの合成)
イソホロンジイソシアネート(IPDI)222部を空気下1Lの4つ口フラスコ内で80℃に加熱後、2-ヒドロキシエチルアクリレート116部およびハイドロキノン0.13部を2時間かけて滴下し、次いで80℃で3時間反応させて、液状のイソシアネート基1個とビニル基1個を有する化合物(IPDIアダクト 分子量338)を得た。
(IPDIアダクトの合成)
イソホロンジイソシアネート(IPDI)222部を空気下1Lの4つ口フラスコ内で80℃に加熱後、2-ヒドロキシエチルアクリレート116部およびハイドロキノン0.13部を2時間かけて滴下し、次いで80℃で3時間反応させて、液状のイソシアネート基1個とビニル基1個を有する化合物(IPDIアダクト 分子量338)を得た。
(重合体A1の合成)
片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物(チッソ社製「サイラプレーンFM−0721」)15部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート70部、ブチルメタクリレート15部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル3部を加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル1部を加えて2時間重合を行った。次いで、IPDIアダクト204部、オクチル酸錫1部をメチルエチルケトン(MEK)20部で溶解したものを約10分で滴下し、滴下後2時間反応させた。
この溶液に不揮発分が10%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体A1溶液を得た。重合体A1の重量平均分子量は約20,000であった。
片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物(チッソ社製「サイラプレーンFM−0721」)15部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート70部、ブチルメタクリレート15部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル3部を加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル1部を加えて2時間重合を行った。次いで、IPDIアダクト204部、オクチル酸錫1部をメチルエチルケトン(MEK)20部で溶解したものを約10分で滴下し、滴下後2時間反応させた。
この溶液に不揮発分が10%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体A1溶液を得た。重合体A1の重量平均分子量は約20,000であった。
(重合体A2の合成)
片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物(チッソ社製「サイラプレーンFM−0721」)20部、グリシジルメタクリレート70部、ブチルメタクリレート10部、メチルイソブチルケトン(MIBK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら90℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル3部を加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル1部を加えて2時間重合を行った。次いで、100℃まで昇温し流入ガスを窒素から空気に変更し、ジメチルベンジルアミン0.7部を加えた後、アクリル酸35部を約10分で滴下し、滴下後10時間反応させた。
この溶液に不揮発分が10%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体A2溶液を得た。重合体A2の重量平均分子量は約17,000であった。
片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物(チッソ社製「サイラプレーンFM−0721」)20部、グリシジルメタクリレート70部、ブチルメタクリレート10部、メチルイソブチルケトン(MIBK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら90℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル3部を加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル1部を加えて2時間重合を行った。次いで、100℃まで昇温し流入ガスを窒素から空気に変更し、ジメチルベンジルアミン0.7部を加えた後、アクリル酸35部を約10分で滴下し、滴下後10時間反応させた。
この溶液に不揮発分が10%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体A2溶液を得た。重合体A2の重量平均分子量は約17,000であった。
(重合体A3の合成)
片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物(チッソ社製「サイラプレーンFM−0721」)25部、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート30部、メタクリル酸ブチル45部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行った。次いで、2−ヒドロキシエチルメタクリレート25.2部、オクチル酸錫0.6部をメチルエチルケトン(MEK)20部で溶解したものを約10分で滴下し、滴下後2時間反応させた。
この溶液に不揮発分が20%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体A3溶液を得た。重合体A3の重量平均分子量は約24,000であった。
片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物(チッソ社製「サイラプレーンFM−0721」)25部、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート30部、メタクリル酸ブチル45部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行った。次いで、2−ヒドロキシエチルメタクリレート25.2部、オクチル酸錫0.6部をメチルエチルケトン(MEK)20部で溶解したものを約10分で滴下し、滴下後2時間反応させた。
この溶液に不揮発分が20%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体A3溶液を得た。重合体A3の重量平均分子量は約24,000であった。
(ポリシロキサン化合物A4溶液の調整)
片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物(チッソ社製「サイラプレーンFM−0711」)をシクロヘキサノンに溶解し、濃度が20%のポリシロキサン化合物A4溶液を得た。ポリシロキサン化合物A4の数平均分子量は約1,000であった。
(ポリシロキサン化合物A5溶液の調整)
片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物(チッソ社製「サイラプレーンFM−0721」)をシクロヘキサノンに溶解し、濃度が20%のポリシロキサン化合物A5溶液を得た。ポリシロキサン化合物A5の数平均分子量は約5,000であった。こうして得られたフルオロアルキル基含有化合物(A)溶液と、多官能(メタ)アクリレートを、固形分換算で表1に示す重量となるよう混合した。
片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物(チッソ社製「サイラプレーンFM−0711」)をシクロヘキサノンに溶解し、濃度が20%のポリシロキサン化合物A4溶液を得た。ポリシロキサン化合物A4の数平均分子量は約1,000であった。
(ポリシロキサン化合物A5溶液の調整)
片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物(チッソ社製「サイラプレーンFM−0721」)をシクロヘキサノンに溶解し、濃度が20%のポリシロキサン化合物A5溶液を得た。ポリシロキサン化合物A5の数平均分子量は約5,000であった。こうして得られたフルオロアルキル基含有化合物(A)溶液と、多官能(メタ)アクリレートを、固形分換算で表1に示す重量となるよう混合した。
(実施例1〜4、比較例1,2)
各実施例及び比較例で用いたフルオロアルキル基含有化合物(A)溶液と、多官能(メタ)アクリレートは表1に示す。表1に示した各実施例及び比較例の化合物に対し、光重合開始剤として、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ製) 4g及びイルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ製) 1g、さらにシクロヘキサノンを加えて固形分40%の溶液とし、100μ接着PET(A4300 東洋紡製)にバーコーターを使って塗布し、100℃のオーブンで1分乾燥した後、メタルハライドランプで350mJ照射し、防汚ハードコートシートを作成した。
各実施例及び比較例で用いたフルオロアルキル基含有化合物(A)溶液と、多官能(メタ)アクリレートは表1に示す。表1に示した各実施例及び比較例の化合物に対し、光重合開始剤として、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ製) 4g及びイルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ製) 1g、さらにシクロヘキサノンを加えて固形分40%の溶液とし、100μ接着PET(A4300 東洋紡製)にバーコーターを使って塗布し、100℃のオーブンで1分乾燥した後、メタルハライドランプで350mJ照射し、防汚ハードコートシートを作成した。
次に、前記実施例1〜4及び比較例1〜2の組成で作成したハードコートシートに対し物性試験を行った。各試験方法は以下の通りである。
塗工性:塗膜の表面の平滑性、ハジキ等を目視で判断した。均一な塗膜の場合は○、ハジキ等で不均一な塗膜の場合×とした。
鉛筆硬度 :JIS K5400に準拠して、手かき法により測定。
スクラッチ性:スチールウール#0000でハードコートシートのコート層表面を擦りつけた時の変化を観察し、コート層に傷がつかないものを○、コート層に傷がついた場合、或いは、白くなった場合を×とした。
汚れ除去性 :油性マジックを用い、ハードコートシートのコート層表面に文字を書き、3分後にティッシュペーパーで乾拭きし、塗膜に油性マジックの筆記跡が残らないものを○、コート層に油性マジックの筆記跡が残った場合、或いは、全く消去できないものを×とした。
塗工性:塗膜の表面の平滑性、ハジキ等を目視で判断した。均一な塗膜の場合は○、ハジキ等で不均一な塗膜の場合×とした。
鉛筆硬度 :JIS K5400に準拠して、手かき法により測定。
スクラッチ性:スチールウール#0000でハードコートシートのコート層表面を擦りつけた時の変化を観察し、コート層に傷がつかないものを○、コート層に傷がついた場合、或いは、白くなった場合を×とした。
汚れ除去性 :油性マジックを用い、ハードコートシートのコート層表面に文字を書き、3分後にティッシュペーパーで乾拭きし、塗膜に油性マジックの筆記跡が残らないものを○、コート層に油性マジックの筆記跡が残った場合、或いは、全く消去できないものを×とした。
表2からわかるように、本発明の放射線硬化型組成物は、ハードコート性能に加えて優れた防汚性を備えている。それに対し、比較例1では、一方、比較例で示してあるような、1つしかラジカル重合性二重結合を持たないフルオロアルキル基をもつ化合物では、塗膜のハジキを発生するため塗工性が悪く、また、放射線硬化過程で二重結合による固定が確実に行われる確率が低いため防汚性が十分発揮されない。従って、本発明の放射線硬化型組成物は、ハードコート性能と防汚性を両立することが明らかである。
このように、本発明によれば、3つ以上のラジカル重合性二重結合と1つ以上のフルオロアルキル基を持つビニル共重合体を用いることにより、優れた塗工性と防汚性を有する硬化塗膜を得られることは明らかである。
Claims (6)
- 1つ以上のフルオロアルキル基、及び3つ以上のラジカル重合性二重結合を持つ数平均分子量2000〜100、000のビニル共重合体と
多官能(メタ)アクリレートとを含む事を特徴とする、放射線硬化型組成物。 - ビニル共重合体が、ラジカル重合性二重結合およびフルオロアルキル基を有する単量体(a)1〜80重量%と、
ラジカル重合性二重結合および反応性官能基を有する、(a)以外の単量体(b)10〜90重量%と、
(a)および(b)以外のラジカル重合性二重結合を有する単量体(c)0〜89重量%と
を含む単量体を重合してなる重合体(A)に、
前記反応性官能基と反応可能な官能基およびラジカル重合性二重結合を有する化合物(B)を反応させてなる重合体であることを特徴とする請求項1記載の放射線硬化型組成物。 - 単量体(a)の含有量が、放射線硬化型組成物の不揮発分重量全体を基準として0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の放射線硬化型組成物。
- さらに、光開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の放射線硬化型組成物。
- 請求項1〜4いずれか記載の放射線硬化型組成物を放射線照射して硬化させてなる硬化物。
- 基材と、請求項5記載の硬化物からなる薄膜とを含んでなる防汚性ハードコートシート。
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---|---|---|---|---|
JP2009179689A (ja) * | 2008-01-30 | 2009-08-13 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物およびこれらを用いて得られるハードコート層を有する物品 |
JP2010024283A (ja) * | 2008-07-16 | 2010-02-04 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 耐指紋性向上剤、活性エネルギー線硬化型樹脂およびこれらを用いた活性エネルギー線硬化型ハードコート剤 |
JP2010269494A (ja) * | 2009-05-20 | 2010-12-02 | Three M Innovative Properties Co | 筆記シート |
KR101260276B1 (ko) | 2010-09-22 | 2013-05-03 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 열전사용 필름 및 그 제조 방법 |
-
2006
- 2006-03-31 JP JP2006097494A patent/JP2007269985A/ja active Pending
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